JP2007008855A - 光学活性スルフィナート類の製造方法 - Google Patents

光学活性スルフィナート類の製造方法 Download PDF

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健 融
Tetsuo Shibata
哲男 柴田
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Abstract

【目的】光学活性スルホキシドを製造する原料として有用な光学活性芳香族および脂肪族スルフィナートの汎用性のある効率的製造法を提供する。
【構成】光学活性スルフィナート生成過程において、スルフィニルクロリドと光学活性イミダゾリン誘導体とジアステレオマー塩を形成し、アルコール類と一方のジアステレオマー塩のみが優先的に反応することにより光学活性スルフィナート類が生成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学活性スルフィナート類の製造方法に関するものである。
光学活性スルホキシドはキラル補助基として、光学活性化合物の製造に広く用いられている。この有用な光学活性スルホキシドの最も汎用性のある製造法は、光学活性スルフィナートとアリールまたはアルキルリチウムなどの有機金属との反応によって得られている。従来、光学活性スルフィナートは光学活性アルコールとのエステル、例えば、メンチルアルコールやジアセトングルコースなどの光学活性アルコールとスルフィニルクロリドとから2種のジアステレオマーであるエステルをまず合成し、ついで、そのジアステレオマーを分離して、光学活性スルフィナートを製造している。この方法は、ジアステレオマーを分離しなければならない点、また、必要な光学活性スルフィナートのほかに多量の不必要なジアステレオマーであるスルフィナートが生成するのが避けられず、煩雑な分離作業と生成収率が低い点などの決定的な欠点を有している。これに対して、エナンチオ選択的光学活性スルフィナートの製造は、理論的には100%収率が可能であることから、高効率な製造法を提供する点で極めて有利である。エナンチオ選択的光学活性スルフィナートは1974年(M Miko■ajczyk, J.Drabowics, J. Chem. Soc., Chem. Comm.1974,547→非特許文献1)に報告されたが、それ以来数十年報告例がほとんど無かった。昨年、J.A. Ellmanらによって、触媒的光学活性スルフィナートの合成例が報告された(J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 8238→非特許文献2)が、反応基質がt−ブチルスルフィニルクロリドに限られ、汎用性に欠けること、および、エナンチオ選択性が80%eeと不十分であり、キラル触媒も合成が容易でないなどの欠点を有していた。最近、キナアルカロイドを用いるエナンチオ選択的光学活性スルフィナート合成を報告した(J. Am. Chem. Soc. 2005,127, 1374→非特許文献3)。この方法は非常に高い光学純度の芳香族スルフィナートおよび脂肪族スルフィナートの製造法である。しかし、キナアルカロイドは化学量論量、すなわち、反応基質スルフィニルクロリドに対し1当量以上用いなければならない。
J.Drabowics et al. J. Chem. Soc., Chem. Comm. 547 1974年 J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 8238 2004年 J. Am. Chem. Soc. 2005,127, 1374 2005年
以上のようにこれまでに知られている方法は、不斉を誘起させる為に用いる高価なキラルな試薬を化学量論量用いる必要があるか、触媒的に少量用いる場合には、t−ブチルスルフィナートの合成のみに限られるか、用いる触媒が極めて特異な高分子ペプチドであるという致命的な欠点を有していた。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、光学活性スルホキシドを製造する原料として有用な光学活性芳香族および脂肪族スルフィナートの汎用性のある効率的製造法を開発することを解決すべき課題とし、鋭意検討した結果、有効且つ安価な触媒として光学活性イミダゾリン誘導体を見いだしたものである。すなわち、光学活性イミダゾリン誘導体触媒として用いることにより、塩化水素補足剤存在下、アレンスルフィニルクロリドあるいはアルカンスルフィニルクロリドとアルコールとからの光学活性スルフィナート類が効率的に生成するという驚くべき反応を見いだした。すなわち、光学活性スルフィナート生成過程において、スルフィニルクロリドと光学活性イミダゾリン誘導体とジアステレオマー塩を形成し、アルコール類と一方のジアステレオマー塩のみが優先的に反応することにより光学活性スルフィナート類が生成する。
本発明は、下記式(1)または(2)で表されるスルフィニルクロリド類と
ArSOCl(1) RSOCl(2)
(Arは置換フェニル基、ナフチル基、複素環を表し、RはC1からC10のアルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基を表す)
下記式(3)で表されるアルコール類と
QOH (3)(QはC1からC10のアルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、置換フェニル基、ナフチル基、複素環を表す)
イミダゾリン誘導体(4)((4)は絶対構造が下記式(4a)と(4b)で表され、(4a)と(4b)どちらか一方が過剰の組み合わせ、または、(4a)あるいは(4b)単独ものとして表される。R1は芳香族基、第三級アルキル基、R2は芳香族基、複素環、アルキル基やアシル基などに置換されていてもよいアミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基を有するアルキル基、R3はC1からC10のアルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、置換フェニル基、ナフチル基、複素環を表す)を


塩化水素補足剤存在下、有機溶媒中で反応させることによる下記式(5)または(6)で表される光学活性スルフィナート類の製造方法である。
ArSOQ(5) RSOQ (6)
また、本発明は、上記式(4)で表される光学活性イミダゾリン誘導体も包含する。

スルフィニルクロリドは文献既知の方法で合成できる。芳香族化合物から塩化チオニルを用いる方法( Karade, N. N. Kate, S. S. Adude, N. N., Synlett 2001, 10, 1573、 M. Peyronneau, N. Roques, S. Mazieres, C. L. Roux, Synlett., 2003, 5, 631)やジスルフィドと塩化スルフリルを用いる方法(J. H. Youn, R. Herrmann, Tetrahedron Lett. 1986, 27, 1493)により、容易に合成できる。アレンスルフィニルクロリドとしては、ベンゼンスルフィニルクロリド、p−トルエンスルフィニルクロリド、4−クロロベンゼンスルフィニルクロリド、4−メトキシベンゼンスルフィニルクロリド、2,4−ジメトキシベンゼンスルフィニルクロリド、4−トリフルオロメチルベンゼンスルフィニルクロリド、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルフィニルクロリド、3,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルフィニルクロリド、4−フルオロベンゼンスルフィニルクロリド、2,4−ジフルオロベンゼンスルフィニルクロリド、2,3,4,5、6−ペンタフルオロベンゼンスルフィニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィニルクロリド、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィニルクロリド、3,5−tert―ブチルー4−メトキシベンゼンスルフィニルクロリド、1−ナフタレンスルフィニルクロリド、2−ナフタレンスルフィニルクロリド、アントラセンスルフィニルクロリドなどが挙げられ、アルカンスルフィニルクロリドとしては、メタンスルフィニルクロリド、エタンスルフィニルクロリド、プロパンスルフィニルクロリド、ブタンスルフィニルクロリド、ペンタンスルフィニルクロリド、1,1−ジメチルエタンスルフィニルクロリド、1−メチルエタンスルフィニルクロリド、シクロアルカンスルフィニルクロリドとしては、置換していても良いシクロヘキサンスルフィニルクロリド、シクロペンタンスルフィニルクロリド、シクロブタンスルフィニルクロリド、シクロプロパンスルフィニルクロリド、シクロヘプタンスルフィニルクロリドなどが挙げられるがこれらに限ったわけではない。
イミダゾリン化合物としては4aおよび4bに表されるものであり、R1としては、例えば、フェニル基、トリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリ(tert-―ブチル)フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−tert―ブチルフェニル基、3−tert―ブチルフェニル基、4−tert―ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロベンゼンスルフィニルクロリド、2,3,4,5、6−ペンタフルオロベンゼンスルフィニルクロリド、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−ペルフルオロブチルフェニル基、3−ペルフルオロブチルフェニル基、4−ペルフルオロブチルフェニル基、1−ナフチル基、2―ナフチル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、2,4−ジヒドロキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基などの芳香族基の他に、2−ピリジル、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−チオフェニル基、ベンゾフリル基などの複素環などが挙げられる。R2としては例えば、フェニル基、トリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリ(tert-―ブチル)フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−tert―ブチルフェニル基、3−tert―ブチルフェニル基、4−tert―ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロベンゼンスルフィニルクロリド、2,3,4,5、6−ペンタフルオロベンゼンスルフィニルクロリド、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−ペルフルオロブチルフェニル基、3−ペルフルオロブチルフェニル基、4−ペルフルオロブチルフェニル基、1−ナフチル基、2―ナフチル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、2,4−ジヒドロキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基などの芳香族基の他に、2−ピリジル、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−チオフェニル基、ベンゾフリル基などの複素環のほかに、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルボニル基、芳香族基、ピリジル基などの複素環等で置換されていても良いメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などのアルキル基が最適なものとしてあげられる。R3としては、分岐があっても良いメチル基、エチル基、プロピル基、デシル基などのアルキル基、ベンジル基、2,4,6−メチルフェニルメチル基、2−ビフェニルメチル基、4−トリフルオロメチルフェニルメチル基などの置換フェニルメチル基、ナフチルメチル基、アントラセニル基などのアラルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基、フェニル基やR1として挙げた置換フェニル基、ナフチル基、複素環および置換されていても良いベンゾイル基、エタノイル基、プロパノイル基、2,2,−ジメチルペンタノイル基などが適当なものとして挙げられる。
用いるアルコールとしては、メタノール、tert―ブチルアルコール、ネオペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロペンチルアルコール、9−フルオレノール、1−アダマンタノール、イソプロピルアルコール、1−メチルー1−フェニルエチルアルコール、フェノールなどが挙げられる。
塩化水素補足剤としては、トリエチルアミンなど塩基性のアミンも使用することができるが、より好ましくは、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(プロトンスポンジ)が好適に使用される。その使用量は、スルフィニルクロリドに対して、0.8〜10倍モル比、さらに好ましくは1.0〜5.0倍モル比である。
アルコールの使用量は、スルフィニルクロリドに対して、0.5〜3倍モル比が好ましく、0.6〜2.0倍モル比がさらに好ましい。
イミダゾリン化合物の使用量は、スルフィニルクロリドに対して、1/10000〜1/2モル比が好ましく、1/1000〜1/5モル比がさらに好ましい。
使用される溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、クメンなどの芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、へプタンなどの炭化水素類、ジエチルエーテル、tertブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、塩化メチレン、テトラクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムなどの有機溶媒が単独あるいは混合して好適に用いられる。なお、使用される溶媒は事前に脱水してあるのが望ましい。
反応温度はー100〜20℃が好ましく、―90〜0℃がさらに好ましい。
反応時間はスルフィニルクロリドの種類やアルコールの種類によって異なるが、1〜48時間行なうのが好ましい。
こうして反応した後、通常行なわれる後処理をして得られる粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶などでさらに精製される。得られたスルフィナート類化合物の光学活性純度が、100%ee以下であっても、再結晶によりより高い光学純度のスルフィナート類化合物とすることも可能である。
本発明は、触媒量の光学活性イミダゾリン誘導体とスルフィニルクロリドとアルコールから、光学活性スルホキシドの原料である光学活性芳香族および脂肪族スルフィナートを得ることができる。
本発明による光学活性スルフィナートの製造法は、(1)不斉誘起触媒が触媒量で十分な効果を示すこと(2)広範囲にわたる光学活性芳香族スルフィナート、脂肪族スルフィナートが製造できること、特に、従来ではt−ブチルスルフィナートのみしか適用することができなかった触媒的反応が、本発明よりなる光学活性イミダゾリン誘導体触媒では、脂肪族スルフィナートばかりでなく、より有用な芳香族スルフィナートも製造できる点が大きな利点としてあげられる。
次に参考例と実施例によりこの発明をさらに具体的に説明する。
参考例1
N,N’-ジベンジリデン-1,1-ジアミノフェニルメタン
ベンズアルデヒド53.4 g (503.2 mmol)にヘキサメチルジシラザン 127.4 ml (603.8 mmol)を加え、激しく撹拌しながら60 ℃にて12時間加熱した。室温に戻した後に白色固体をろ取し生成物を 50.0 g (100%)で得た。
Rf : 0.67 (ヘキサン : 酢酸エチル = 70 : 30) , mp 100-102 ℃
1H NMR δ5.98 (s, 1H), 7.25-7.61 (m, 11H), 7.84-7.90 (m, 4H), 8.59 (s, 2H)
参考例2
シス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
N,N’-ジベンジリデン-1,1-ジアミノフェニルメタン548.6 mg (1.839 mmol)にt-BuOH 2 ml, ジアザビシクロウンデセン(DBU) 0.28 ml (1.839 mmol)を加えた溶液をマイクロ波 (500W) 5 分照射した。固体をエーテルで洗浄したあと、揮発成分を減圧下留去した。シリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で分離精製して目的物の白色粉末を86 %で得た。
Rf : 0.13 (ヘキサン : 酢酸エチル = 70 : 30) , mp 128-130 ℃
1H NMR δ5.49 (s, 2H), 6.94-7.07 (m, 10H),7.49-7.54 (m, 3H), 7.97-8.01 (m, 2H)
参考例3
トランス-2,4,5-トリフェニル-2−イミダゾリン
シス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン5.0 g (16.757 mmol)とNaOH 1.072 g (26.811 mmol)をエチレングリコール/水=5/1中、150 ℃で45 分間加熱した。ついで、酢酸 20 mlとエタノール 20 mlを加え、5 分間還流した。冷却後、濃アンモニア水溶液を加えて白色固体が析出させた。ろ取して得た固体をエタノールで再結晶し、白色結晶の目的物を3.4 g (68%) 得た。
Rf : 0.13 (ヘキサン : 酢酸エチル = 70 : 30) , mp 201-203 ℃ (recrystallized from EtOH)
1H NMR δ4.91 (s, 2H) ,7.25-7.50 (m, 12H), 7.93-7.98 (m, 3H)
参考例4
(±)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン (DPEDA)
アルミホイル 5.12g (17.15 mmol)をまず、エーテルで洗浄し、ついで、エタノール、水、2% 塩化第二水銀水溶液 (3.0 当量.)、水、エタノール、エーテルの順で洗浄した。洗浄したアルミホイルを減圧下で乾燥させた後、THFを少量加えた後、トランス-2,4,5-トリフェニル-1H-イミダゾリン5.12 g (17.15 mmol)のTHF溶液 (100 ml)に水0.95 ml を加えて2 時間激しく撹拌した後にろ過によりアルミナを除去し、溶媒を減圧下留去し2N 塩酸水溶液125 mlとエーテル 125 mlを加えて撹拌し、水層に2N 水酸化カリウムをpH 12になるまで加え、水相を塩化メチレンで抽出し有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去し、エーテルで再結晶して白色粉末の生成物3.25 g (89%)で得た。
Rf : 0.10 (ヘキサン : 酢酸エチル = 70 : 30) , mp 81−82 ℃ (EtOから再結晶)
IR 3354, 3387, 766 cm-1
1H NMR δ1.62 (br, 4H) ,4.09 (s, 2H), 7.19-7.27 (m, 10H)
13C NMR δ61.9, 126.9, 127.0, 128.2, 143.
参考例5
(+)-DPEDA・(+)-MA (1:2) salt
(+)-DPEDA1.55 g (7.313 mmol)と(+)-マンデル酸2.23g (14.626 mmol)のエタノール溶液20 mlを30 分間還流し溶媒を減圧下留去しエタノールで再結晶を2回して白色針状の生成物1.60 g (86%)で得た。
mp 167−168 ℃ (EtOHから再結晶)
[α]20 D +130.3 (c, 0.004, MeOH)
IR (KBr) 3538 (-OH), 3065 (-NH +), 1532 (-CO -)
参考例6
(-)-DPEDA・(-)-MA (1:2) salt
(-)-richDPEDA 566.7 mg (2.669 mmol)と(-)-MA 812.3 mg (5.339 mmol)のエタノール溶液12 mlを30 分間還流し溶媒を減圧下留去しエタノールで再結晶を2回して白色針状の生成物775.6 mg (56%)で得た。
mp 165−166 ℃ (EtOHから再結晶)
[α]20 D -131.02 (c, 0.004, MeOH)
IR (KBr) 3538, 3065, 1532 cm-1
参考例7
(+)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン
(+)-DPEDA・(+)-MA (1:2) salt 1.13 g (2.913 mmol) を4N NaOH aq. 26 ml に溶かして2 時間撹拌し、水相を塩化メチレンで抽出し有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去し、ヘキサンで再結晶して白色針状の生成物398.6 g (86%)で得た。
Rf : 0.10 (ヘキサン : 酢酸エチル = 70 : 30) ,
mp 81−82 ℃ (EtOから再結晶)
[α]20 D+106.3 (c, 0.004, MeOH)
IR 3354, 3387, 766 cm-1
1H NMR δ1.62 (br, 4H) ,4.09 (s, 2H), 7.19-7.27 (m, 10H)
13C NMR δ61.9, 126.9, 127.0, 128.2, 143.4
参考例8
(-)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン
(-)-DPEDA・(-)-MA (1:2) salt 127.1 mg (0.246 mmol) を4N NaOH aq. 2.7 ml に溶かして2 時間撹拌し、水相を塩化メチレンで抽出し有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去し、ヘキサンで再結晶して白色針状の生成物39.8 mg (76%)で得た。
Rf : 0.10 (ヘキサン : 酢酸エチル = 70 : 30) ,
mp 81−82 ℃ (EtOから再結晶)
[α]20 D-102.1 (c, 0.004, MeOH)
IR 3354, 3387, 766 cm-1
1H NMR δ1.62 (br, 4H) ,4.09 (s, 2H), 7.19-7.27 (m, 10H)
13C NMR δ61.9, 126.9, 127.0, 128.2, 143.4
参考例9
トランス-3-ベンジル-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
ジイソプロピルアミン 0.28 ml (2.009 mmol)のTHF 2 ml溶液を0 ℃に冷却しn-ブチルリチウム1.55 ml (2.01 mmol, 1.32 M solution in hexane) を加え、10 分間撹拌した後、−78 ℃に冷却した。トランス-2,4,5-トリフェニル-1H-イミダゾリン 499.6 mg (1.674 mmol)のTHF 7 ml溶液を加えて1 時間撹拌した後、ベンジルブロミド0.3 mlのTHF 1 ml溶液を加えた。徐々に室温まで昇温させ12時間室温で撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、水相を塩化メチレンで抽出し、集めた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15 g ヘキサン:酢酸エチル=80:20, トリエチルアミン1%)で精製し、目的生成物521.2 mg (80%) を得た。
Rf : 0.25 (ヘキサン : 酢酸エチル = 90 : 10, トリエチルアミン1%)
1H NMR δ3.91 (d,J=15.4 Hz, 1H), 4.34 (d, J=8.4 Hz, 1H) 4.69 (d, J=15.4 Hz, 1H) 4.99 (d, J=8.6 Hz, 1H), 6.89-7.46 (m, 20H)
13C NMR δ49.6, 72.4, 76.4, 77.0, 77.6, 77.8, 126.2, 126.3, 126.7, 126.8, 127.1, 127.4, 127.6, 128.0, 128.1, 128.3, 128.5, 130.0, 131.0, 136.0, 141.4, 143.5, 165.4
参考例10
(-)-トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
(-)-DPEDA 130.7 mg (0.616 mmol)エチルベンズイミデート114.4 mg (0.616 mmol) のエタノール溶液を1時間室温で撹拌した後、ろ過をし、4時間還流し溶媒を留去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去し、エーテルで洗浄して生成物を 183.2 mg (99%) で得た。
Rf : 0.13 (ヘキサン : 酢酸エチル = 70 : 30) ,
1H NMR δ4.91 (s, 2H, CH) ,7.25-7.50 (m, 12H, ArH), 7.93-7.98 (m, 3H, ArH)
mp 201-203 ℃ (EtOHから再結晶)
トランス-1-ベンジル-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
ジイソプロピルアミン 0.28 ml (2.01 mmol)のTHF 2 ml溶液を0 ℃に冷却しn-ブチルリチウム1.55 ml (2.01 mmol, 1.32 M solution in hexane) を加え、10 分間撹拌した後、−78 ℃に冷却した。この溶液に(-)-トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン 500 mg (1.674 mmol)のTHF 7 ml溶液を加えて1 時間撹拌した後、ベンジルブロミド0.3 mlのTHF 1 ml溶液を加えて徐々に室温まで昇温させた。室温にて12時間撹拌してから、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止した。水相を塩化メチレンで抽出し合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去して得た粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15 g ヘキサン:酢酸エチル=80:20, トリエチルアミン1%)で精製し、目的生成物を 521 mg (80%)得た。
Rf : 0.25 (ヘキサン : 酢酸エチル = 90 : 10, トリエチルアミン1%)
1H NMR δ3.91 (d,J=15.4 Hz, 1H), 4.34 (d, J=8.4 Hz, 1H) 4.69 (d, J=15.4 Hz, 1H) 4.99 (d, J=8.4 Hz, 1H ), 6.89-7.46 (m, 20 H)
13C NMR δ49.6, 72.4, 76.4, 77.0, 77.6, 77.8, 126.2, 126.3, 126.7, 126.8, 127.1, 127.4, 127.6, 128.0, 128.1, 128.3, 128.5, 130.0, 131.0, 136.0, 141.4, 143.5, 165.4
(+)−トランス-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)メチル-2,4,5-トリフェニル-2―イミダゾリン
(+)−トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン(28.6 mg, 0.096 mmol)の乾燥DMF(0.5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化(2,4,6-トリメチルフェニル)メチル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル60:40)にて精製し、目的生成物を13.8mg(33%)得た。
1H NMR δ 7.87-7.83 (m, 2H), 7.51-7.48 (m, 3H), 7.32-7.08 (m, 10H), 6.60 (s, 2H), 4.93 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 4.44 (q, 2H), 3.97 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 2.15 (s, 3H), 1.76 (s, 6H).
(+)−トランス-1-(4-トリフルオロメチルフェニル)メチル-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
(+)−トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン(50 mg, 0.168 mmol)の乾燥DMF(0.5 mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化4-トリトリフルオロメチルフェニルメチル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル80:20)にて精製し、目的生成物を51.4mg(67%)得た。
1H NMR δ 7.82-7.77 (m, 2H), 7.50-7.22 (m, 13H), 7.14-7.03 (m, 4H), 5.05 (d, 1H, J = 8.3 Hz), 4.67 (d, 1H, J = 15.6 Hz), 4.29 (d, 1H, J = 8.3 Hz), 4.06 (d, 1H, J = 15.6 Hz).

(+)―トランス-1-(2-トリフルオロメチルフェニル)メチル-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
(+)−トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン(29 mg, 0.097 mmol)の乾燥DMF(0.5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化(2−トリフルオロメチルフェニル)メチル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール98:2)にて精製し、目的生成物を33.2mg(75%)得た。
1H NMR δ 7.78-7.74 (m, 2H), 7.50-7.20 (m, 17H), 5.19 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.66 (d, 1H, J = 17.0 Hz), 4.41 (d, 1H, J = 17.0 Hz), 4.36 (d, 1H, J = 8.0 Hz).
(+)−トランス-1-(2−ブロモベンジル)-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
(+)−トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン(28 mg, 0.094 mmol)の乾燥DMF(0.5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化(2-ブロモフェニル)メチル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール95:5)にて精製し、目的生成物を23.5mg(53%)得た。

1H NMR δ 7.81-7.76 (m, 3H), 7.47-7.01 (m, 16H), 5.08 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 4.59 (d, 1H, J = 16.2 Hz), 4.33 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 4.30 (d, 1H, J = 16.2 Hz).
+)−トランス-1-(3,5-ジーt−ブチルー4−メトキシフェニル)メチルー-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
(+)−トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン(30 mg, 0.1 mmol)の乾燥DMF(0.5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化(3,5-ジーt−ブチルー4−メトキシフェニル)メチル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール98:2)にて精製し、目的生成物を38.6mg(73%)得た。

1H NMR δ 7.86-7.81 (m, 2H), 7.50-7.47 (m, 3H), 7.38-7.17 (m, 8H), 7.06-7.01 (m, 2H), 6.78 (s, 2H), 4.94 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 4.66 (d, 1H, J = 15.0 Hz), 4.32 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.81 (d, 1H, J = 15.0 Hz), 3.61 (s, 3H), 1.32 (s, 18H).
(+)−トランス-1-(1―ナフチル)メチルー-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン
(+)−トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン(28.2 mg, 0.095 mmol)の乾燥DMF(0.5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化1―ナフチルメチル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル60:40)にて精製し、目的生成物を21.8mg(52%)得た。

1H NMR δ 7.89-7.05 (m, 22H), 5.07 (d, 1H, J = 16.0 Hz), 5.03 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 4.57 (d, 1H, J = 16.0 Hz), 4.31 (d, 1H, J = 7.5 Hz).
(+)−トランス--(2−ビフェニル)メチルー-2,4,5-トリフェニル-22-イミダゾリン
(+)−トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン(30 mg, 0.1 mmol)の乾燥DMF(0.5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化2−ビフェニルメチル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル60:40)にて精製し、目的生成物を18.2mg(40%)得た。

1H NMR δ 7.96-7.91 (m, 2H), 7.66-7.62 (m, 2H), 7.48-7.03 (m, 18H), 6.80-6.76 (m, 2H), 5.00 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 4.50 (d, 1H, J = 15.9 Hz), 4.29 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 4.13 (d, 1H, J = 15.9 Hz).
(+)−トランス--(9−アントラセニル)メチルー-2,4,5-トリフェニル-22-イミダゾリン
(+)−トランス-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン(26.8 mg, 0.09 mmol)の乾燥DMF(0.5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化9−アントラセニルメチル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール98:2)にて精製し、目的生成物を30.2mg(69%)得た。
1H NMR δ 8.29 (s, 1H), 8.10-8.05 (m, 2H), 7.89 (d, 2H, J = 8.2 Hz), 7.72-7.60 (m, 5H), 7.41-7.16 (m, 7H), 6.98-6.83 (m, 5H), 6.68-6.64 (m, 2H), 5.54 (d, 1H, J = 14.5 Hz), 5.35 (d, 1H, J = 14.5 Hz), 4.68 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 3.72 (d, 1H, J = 6.4 Hz).
トランスー−ベンジルー2,4,5−トリ(2−ナフチル)−22−イミダゾリン
トランス-2,4,5-トリ(2−ナフチル)-1-イミダゾリン(23.7 mg, 0.05 mmol)の乾燥DMF(0.5mL)溶液に水素化ナトリウム(1.2当量)を0℃で加えた。30分室温撹拌後、臭化ベンジル(1.2当量)の乾燥DMF(1mL)溶液を加え、室温にて一夜撹拌した。氷水を加え酢酸エチルにて抽出した(3回)。有機相を水および食塩水で洗浄後、乾燥(硫酸マグネシウム)してから減圧留去した。粗生成物を薄層クロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール95:5)にて精製し、目的生成物を21.1mg(74%)得た。
1H NMR δ 8.42 (s, 1H), 7.99-7.40 (m, 20H), 7.29-7.18 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 5.31 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 4.89 (d, 1H, J = 15.6 Hz), 4.65 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 4.01 (d, 1H, J = 15.6 Hz).
9H-フルオレニル tert-ブチルスルフィナート
(-)-トランス--ベンジル-2,4,5-トリフェニル-22-イミダゾリン ( 8.5 mg, 0.022 mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(1.5 ml)溶液を−78 ℃に冷却後tert-ブチルスルフィニルクロリド (0.03 ml, 0.219 mmol)を加え,30分攪拌後,9-フルオレノール (29.5 mg, 0.157 mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(1.3 ml)溶液をゆっくりと滴下した。プロトンスポンジ(117 mg 0.544 mmol)を加え、−78 ℃にて48時間攪拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液 (5 ml)を加え,塩化メチレンで抽出した。有機相を水洗した後,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (SiO2 25g, hexane/ethyl acetate = 9/1)で精製し,9-フルオレニルtert-ブチルスルフィナート (40 mg, 94%)を得た。HPLCより、この化合物は38% eeであることがわかった。
Rf : 0.48 (ヘキサン : 酢酸エチル = 80 : 20)
HPLC (Daicel Chiralcel OD-H, Hex/iPrOH=98/2, 1.0 ml/min, major isomer; 39.4 min, minor isomer; 51.7 min)
1H NMR d 1.23 (s, 9H), 6.10 (s, 1H), 7.24-7.44 (m, 4H), 7.52-7.73 (m, 4H)
13C NMR d 22.7, 58.7, 81.5, 120.4, 120.7, 126.1, 127.1, 128.1, 128.5, 130.0, 130.2, 140.7, 141.2, 142.4, 142.5
9H-フルオレニル tert-ブチルスルフィナート
(-)-トランス-1−ベンジル-2,4,5-トリフェニル-2−イミダゾリン ( 10.8 mg, 0.028 mmol)のトルエン (1.5 ml)溶液を−78 ℃に冷却後tert-ブチルスルフィニルクロリド (0.04 ml, 0.278 mmol)を加え,30分攪拌後,9-フルオレノール (41.7 mg, 0.229 mmol)のトルエン(2.5 ml)溶液をゆっくりと滴下した。プロタンスポンジ(148.9 mg, 0.695 mmol)のトルエン(1 ml)溶液を加え、−78 ℃にて24時間攪拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液 (5 ml)を加え,塩化メチレンで抽出した。有機相を水洗した後,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (SiO2 25g, hexane/ethyl acetate = 9/1)で精製し,9-フルオレニルtert-ブチルスルフィナート (55 mg, 84%)を得た。HPLCより、この化合物は37% eeであることがわかった。
9H-フルオレニル tert-ブチルスルフィナート
実施例と同様の実験を、トルエンの代わりにテトラヒドロフランを溶媒に用いて反応を行なったところ、目的のスルフィナートが収率5%、31% eeで得られた。
実施例8と同様の実験を、イミダゾリンとしてトランス-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)メチル-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリンを用いて反応を行なったところ、目的のスルフィナートが収率64%、30% eeで得られた。
実施例8と同様の実験を、イミダゾリンとしてトランス-1-(4-トリフルオロメチルフェニル)メチル-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリンを用いて反応を行なったところ、目的のスルフィナートが収率63%、27% eeで得られた。
実施例8と同様の実験を、イミダゾリンとしてトランス-1-(3,5-ジーt−ブチルー4−メトキシフェニル)メチルー-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリンを用いて反応を行なったところ、目的のスルフィナートが収率77%、37% eeで得られた。
実施例8と同様の実験を、イミダゾリンとしてトランス-1-(1―ナフチル)メチルー-2,4,5-トリフェニルー2-イミダゾリンを用いて反応を行なったところ、目的のスルフィナートが収率62%、16% eeで得られた。
実施例8と同様の実験を、イミダゾリンとしてトランス-1-(2−ビフェニル)メチルー-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリンを用いて反応を行なったところ、目的のスルフィナートが収率37%、29% eeで得られた。
実施例8と同様の実験を、イミダゾリンとしてトランス-1-(9−アントラセニル)メチルー-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリンを用いて反応を行なったところ、目的のスルフィナートが収率%、% eeで得られた。
1−ナフチルメチル tert-ブチルスルフィナート
(-)-トランス-1-ベンジル-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン ( 8.5 mg, 0.022 mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(1.5 ml)溶液を−78 ℃に冷却後tert-ブチルスルフィニルクロリド (0.03 ml, 0.219 mmol)を加え,30分攪拌した。1−ナフチルメチルアルコール (35 mg, 0.219 mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(1.5 ml)溶液をゆっくりと滴下した。プロトンスポンジ(117 mg 0.544 mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(1.5 ml)溶液を加え、−78 ℃にて24時間攪拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液 (5 ml)を加え,塩化メチレンで抽出した。有機相を水洗した後,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (SiO2 25g, hexane/ethyl acetate = 9/1)で精製し,1−ナフチルメチル tert-ブチルスルフィナート (46 mg, 80%)を得た。HPLCより、この化合物は11% eeであることがわかった。
Rf : 0.35 (ヘキサン : 酢酸エチル = 80 : 20)
HPLC (Daicel Chiralcel AS, Hex/iPrOH=95/5, 1.0 ml/min, major isomer; 8.4 min, minor isomer; 17.7 min)
1H NMR d 1.23 (s, 9H), 3.82 (s, 2H) ,7.25-8.00 (m, 7H)
tert-ブチル p−トルエンスルフィナート
(-)-トランス-1-ベンジル-2,4,5-トリフェニル-2-イミダゾリン ( 11 mg, 0.02 mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(1.0 ml)溶液を−78 ℃に冷却後、tert-ブチルスルフィニルクロリド (0.04 ml, 0.290 mmol)を加え,30分攪拌後, tert-ブチルアルコール(0.030 ml, 0.290 mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(0.5 ml)溶液をゆっくりと滴下した。プロトンスポンジ (155 mg, 0.725 mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(0.5 ml)溶液を加え、―78 ℃にて15時間攪拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液 (5 ml)を加え,塩化メチレンで抽出した。有機相を水洗した後,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (シリカゲル 25g, ヘキサン/酢酸エチル = 9/1)で精製し,tert-ブチル p−トルエンスルフィナート (14 mg, 23%)を得た。HPLCより、この化合物は40% eeであることがわかった。
Rf : 0.20 (ヘキサン : 酢酸エチル = 90 : 10)
HPLC (Daicel Chiralcel OD-H, Hex/iPrOH=95/5, 0.2 ml/min, major isomer; 29.5 min, minor isomer; 31.9 min)
1H NMR δ 1.55 (s, 9H), 2.41 (s, 3H), 7.31 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 8.0 Hz, 2H)
IR (neat) 2976, 2925, 1602, 1500, 1448, 1390, 1371, 1248, 1170, 1130, 1110, 1080, 860, 790, 720 cm-1
EIMS m/z (rel intensity) 212 (M+, 16), 157 (32), 139 (100), 91 (76), 57 (90).

Claims (2)

  1. 下記式(1)または(2)で表されるスルフィニルクロリド類と
    ArSOCl(1) RSOCl(2)
    (Arは置換フェニル基、ナフチル基、複素環を表し、RはC1からC10のアルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基を表す)
    下記式(3)で表されるアルコール類と
    QOH (3)(QはC1からC10のアルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、置換フェニル基、ナフチル基、複素環を表す)
    イミダゾリン誘導体(4)((4)は絶対構造が下記式(4a)と(4b)で表され、(4a)と(4b)どちらか一方が過剰の組み合わせ、または、(4a)あるいは(4b)単独ものとして表される。R1は芳香族基、第三級アルキル基、R2は芳香族基、複素環、アルキル基やアシル基などに置換されていてもよいアミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基を有するアルキル基、R3はC1からC10のアルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、置換フェニル基、ナフチル基、複素環を表す)を




    塩化水素補足剤存在下、有機溶媒中で反応させることによる下記式(5)または(6)で表される光学活性スルフィナート類の製造法。
    ArSOQ(5) RSOQ(6)
  2. 上記式(4)で表される光学活性イミダゾリン誘導体。
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