JP2007007643A - 改質分離膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液適合性を付与し、かつ分離膜の性能低下を抑制した分離膜を提供することにある。
【解決手段】本発明は、改質剤を分離膜の片側に接触させるとき、または接触させたあとに、分離膜のもう片側から圧力をかけることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明の製造方法は、分離膜の血液適合性や、タンパク質や有機物の非付着などを達成するために、表面を改質する際に好適に用いられる。本発明で得られた改質分離膜は、例えば、血液浄化用分離膜、生体成分分離用膜などの医療用分離膜や、浄水器用分離膜、上水浄化用分離膜、下水浄化用分離膜、RO膜などの水処理用分離膜に用いられる。特に血液浄化用分離膜を内蔵したモジュールの製造時に好適に用いられる。
体液や血液と接触する医療用分離膜は、タンパク質や血小板が付着すると分離膜の性能低下や、生体反応を引き起こす原因となり、深刻な問題となる。このような問題を解決するため、分離膜を改質する様々な検討がなされている。
製膜の工程中で放射線または熱により、水不溶化する改質剤であるポリビニルピロリドンなどの親水性成分を導入する方法(特許文献1)や、ポリスルホン系の分離膜をポリビニルピロリドンなどの親水性高分子溶液と接触させた後、放射線架橋により不溶化した被膜層を形成する方法(特許文献2)が開示されている。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、改質剤の被膜層を形成させる方法は、血液適合性を向上させるには効果的であるが、分離膜を改質することで、分離能の低下が起こることがあった。従って、分離膜の性能低下を抑制しつつ、血液適合性を向上させる改質方法は、いまだ知られていない。
特公平8−9668号公報 特開平6−238139号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を改良し、分離膜の物質分離能の低下を抑制しつつ、改質剤を導入した分離膜を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成するため鋭意検討を進めた結果、分離膜の物質分離能の低下を抑制しつつ、改質剤を導入することが要求される分離膜の製造方法は、下記の(1)〜(9)の構成によって達成される。
(1)分離膜に改質剤を付与する改質分離膜の製造方法において、分離膜の片側の表面に改質剤を接触させる工程と、分離膜のもう片側の表面から改質剤を接触させた表面にむけて、液体または気体で圧力をかける工程を有することを特徴とする改質分離膜の製造方法。
(2)前記改質剤を接触させる工程と、液体または気体で圧力をかける工程が同時に行われることを特徴とする1に記載の改質分離膜の製造方法。
(3)前記改質剤を接触させる工程を経た後、液体または気体で圧力をかける工程を行うことを特徴とする1に記載の改質分離膜の製造方法。
(4)前記改質剤が親水性高分子であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
(5)前記分離膜が中空糸膜であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
(6)1〜4のいずれかに記載の方法により製造された分離膜をモジュールに内蔵したことを特徴とする分離膜モジュールの製造方法。
(7)前記分離膜モジュールが、医療用モジュールであることを特徴とする6記載の分離膜モジュールの製造方法。
(8)前記医療用モジュールが血液浄化用モジュールであることを特徴とする7に記載の分離膜モジュールの製造方法。
(9)前記医療用モジュールが人工腎臓用モジュールであることを特徴とする7に記載の分離膜モジュールの製造方法。
本発明の方法によって、分離膜の物質分離能の低下を抑制しつつ、改質剤を分離膜に導入することができる。
血液浄化用分離膜や生体成分分離用膜などの医療用分離膜では、血液適合性やタンパク質の非付着が要求される。また、浄水器用膜、上水浄化膜、下水浄化膜、RO膜などの水処理用分離膜では、タンパク質や有機物の非付着が要求される。そのため、これらの分離膜表面に改質剤を導入することで、血液適合性や親水性を付与することが試みられている。ここで、本発明における改質剤とは、分離膜の血液適合性、親水性付与を含む広い意味での性能向上に用いられる化合物または混合物を意味するものであり、本発明においては、主に常温で固体状態のものである。しかしながら、改質剤を分離膜表面に接触させるときには、しばしば分離膜の性能低下が起きる。これは、改質剤が分離膜表面に厚くコートされることで分離膜の細孔開口部の上を塞いだり、改質剤が細孔内部に入り込み、細孔の小径化もしくは目詰まりを引き起こしているものと考えられる。
そこで、本発明においては、分離膜に改質剤を導入する際に、分離膜の片側の表面に改質剤を接触させる工程と、分離膜のもう片側の表面から改質剤を接触させた表面にむけて液体または気体で圧力をかける工程を有することで、上記の課題を解決できることを見いだした。
すなわち、分離膜の分離性能の低下は、改質剤によって膜細孔が閉塞する、もしくは小径化するためであるので、改質剤と接触する分離膜表面の反対側から圧力をかけることによって、改質剤が細孔に入り込んだり、細孔開口部の上を覆うことを抑制できたものと考えられる。
したがって、分離膜の片側の表面に改質剤を接触させる工程と、分離膜のもう片側の表面から改質剤を接触させた表面にむけて、液体または気体で圧力をかける工程が同時に行われてもよいし、改質剤を接触させる工程を経た後、圧力をかける工程を行ってもよい。
改質剤を接触させる工程と、圧力をかける工程を同時に行った場合には、改質剤が細孔に入り込んだり、細孔の上部を覆うこと自体が抑制されるものと考えられる。また、改質剤を接触させる工程を経た後、圧力をかける工程を行った場合には、細孔に入り込んだり、細孔開口部の上を覆った改質剤が、吹き飛ばされるものと考えられる。
上記のように本発明では改質剤を接触させる工程と、圧力をかける工程を同時もしくは別々に行う。二つの工程を同時に行うとは、改質剤を接触させる工程を先に開始し、一定の時間が経過した後に、改質剤を接触させる工程を継続しながら圧力をかける工程を開始する場合も含む。またはこの逆で、圧力をかける工程を先に開始し、一定時間経過した後に、圧力をかける工程を継続しながら改質剤を接触させる工程を開始してもよい。改質剤を接触させる工程と圧力をかける工程を同時に行ったのち、改質剤を接触させる工程のみを停止し、圧力をかける工程をそのまま継続してもよい。一方、圧力をかける工程を先に停止し、改質剤を接触させる工程を継続すると、細孔上部や内部に改質剤が入り込み、性能低下を引き起こすおそれがあるので、好ましくない。
本発明の方法においては、改質剤を接触させた分離膜の片側へむけて、もう片側から圧力をかけることによって、改質剤が細孔に入り込んだり、細孔の上部を覆うことが抑制されると考えられるので、分離膜に導入された改質剤のなかで、余剰量が減少する。改質剤を接触させた分離膜の同じ側から圧力をかけても、かかる効果を得ることは出来ない。本発明の効果は、分離膜の血液接触面のみを改質することが目的であるので、細孔内部や、細孔の上部、また分離膜に接触しない部分に存在する改質剤は、分離膜への導入は必要ないため、余剰量となる。さらには、余剰量が多いと、性能の低下だけでなく、コスト的にも不利であり、好ましくない。また、本発明の方法を用いると、分離膜で処理する血液、体液や水への、改質剤の溶出量が減少する。医療用モジュールのような医療用具は、溶出が低いものが好ましく使用されるので、本発明の製造方法は、特に好適に用いられる。
分離膜の形状は、例えば平膜や中空糸膜などが挙げられる。処理面積の大きさから、効率の高い中空糸膜がよく用いられる。
ここで、分離膜の表面に改質剤を接触させるとは、改質する分離膜表面側に、改質剤溶液を通液すること、もしくは(改質する分離膜表面側のみを)浸漬させる工程を含むことをいう。例えば、平膜の場合ならば、片側に改質剤溶液を接触させ、もう片側から圧力をかけることで目的を達成することができる。分離膜が中空糸膜で、中空糸内側の表面を改質したい場合は、改質剤溶液を中空糸膜内側に通液してもよいし、中空糸膜内側を改質剤溶液で満たした後、一定時間、静置していてもよい。さらには、改質剤溶液で満たした後、中空糸内側をブローすることなどにより、溶液を吹き飛ばし、湿潤化させてもよい。
さらに、分離膜がモジュールに内蔵されている場合は、モジュール内に改質剤溶液を接触させながら、もしくは接触した後に、分離膜の片側から圧力をかけることで目的を達成することができる。例えば、分離膜が中空糸膜ならば、モジュールケース内に分離膜が内蔵されているため、中空糸の内側に改質剤溶液を充填し、中空糸の外側から圧力をかけることで目的が達成できる。
改質剤溶液としては、改質剤が溶液に溶解していてもよいし、ミセルやコロイドを形成していてもよい。改質剤として、例えば、両親媒性高分子などは、好適に用いることができる。両親媒性高分子には、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤がポリエチレンイミンやポリトリメチルアミノエチルアクリレートクロライドなどのカチオン性高分子に結合したものや、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイドやドデシルピリニジウムクロリドなどのカチオン性界面活性剤が、デキストラン硫酸やポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸などのアニオン性高分子と結合したものが挙げられる。また、非イオン性両親媒性高分子にはTween20、40(登録商標)なども挙げられる。これらの界面活性剤がポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンなどの非イオン性高分子に結合したものも知られている。溶媒としては、分離膜の形状が変形しないものならば、特に限定されないが、取り扱い性などを勘案すると、水やアルコール類が好適に用いられる。ここでいうところのアルコールとは、鎖式もしくは脂環式の炭化水素の水素原子を水酸基で置換した化合物およびフェノール性水酸基を有する化合物のことを指す。アルコールには、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、エタンジオール、プロパンジオール、グリセリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、医療用分離膜や水処理用分離膜などの表面は、親水性を要求されることが多いため、改質剤は親水性物質であることが好ましい。親水性物質とは水に可溶な物質のことをいう。水に可溶であるとは、25℃の水に対する溶解度が好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上のことをいう。
さらに、改質剤が低分子量であると、一般的には分子間力が小さいため、改質分離膜を使用した際に改質剤が溶出してくることが懸念される。改質剤の溶出は、改質して得られた効果が低下するのみならず、医療用途に用いられる場合には、血液や液体中に溶出するため安全性に対して問題となりうる。このため、改質剤は高分子が好適に使用される。上述したように、改質剤は親水性物質であることが望ましいため、最も好適に用いられる改質剤は親水性高分子である。ここで、高分子とは、分子量500以上の物質のことをいう。特に限定されるものではないが、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、デキストラン、プルラン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジエチルアミノエチルデキストラン、ポリアクリル酸、デキストラン硫酸などやこれらと他のモノマーとの共重合体や、グラフト体などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上混合して用いてもよい。
分離膜への改質剤の導入量は、改質濃度と改質時間によって決定される。改質剤濃度を高くして、改質時間を短くすると、改質ムラが生じやすい。また、濃度を下げて改質時間を長くすると、工程にかかる時間が延びるために、コスト増加要因になる。従って、改質剤溶液の濃度は0.001重量%以上、30重量%以下が好ましく、さらには0.001重量%以上、10重量%以下が好適に用いられる。
分離膜のもう片側の表面から改質剤を接触させた表面にむけて、液体または気体で圧力をかける状態とは、改質剤と接触する分離膜表面の反対側から、改質剤と接触する分離膜表面にむけて、液体もしくは気体が流入している状態をいう。つまり、改質剤を接触させる表面側の圧力が、もう片側の表面側の圧力に比べて低い状態であればよい。
ここで、圧力をかける液体もしくは気体の、投入した物質量の全量が改質剤と接触する分離膜表面へ通過する必要はない。圧力が強すぎると、分離膜の形状が損われたり、分離膜に導入した改質剤が過剰に吹き飛ばされるため、表面の改質効果が不十分となる懸念がある。一方、圧力が弱すぎると、分離膜の細孔に入り込んだ改質剤や、細孔の上部を覆った改質剤を除くことが不十分となり、分離膜の改質は可能だが分離膜の性能が低下する懸念がある。従って、気体により圧力をかける場合、気体の圧力(ゲージ圧)の強さは、1kPa以上が好適に用いられ、50kPa以上がより好適に用いられる。また、500kPa以下が好適に用いられ、200kPa以下がより好適に用いられる。液体で圧力をかける場合、改質剤と接触する表面への液体の流入量は1mL/min以上が好適に用いられ、10mL/min以上がより好適に用いられる。また、1000mL/min以下が好適に用いられ、500mL/minがより好適に用いられる。ここで、液体とは、分離膜の形状が変形しないものならば、特に限定されないが、取り扱い性などを勘案すると、水やアルコール類が好適に用いられる。なお、この液体には分離膜の性能低下を引き起こさない程度の改質剤は含まれていてもよい。したがって、圧力をかける液体中に含まれる改質剤濃度は、改質する表面に接触させた改質剤溶液濃度の1/10以下、好ましくは1/100以下、さらに好ましくは1/1000が好ましい。ただし、圧力をかける時間が長くなると、当然のことながら、薄い濃度であっても、膜の細孔に入り込む改質剤量は多くなるので、分離膜の性能低下が生じる。
また、気体とは、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴン、水蒸気などを指すが、これらに限定されるものではない。
圧力をかける方法としては、改質剤溶液を中空糸内部に充填もしくは通液しながら、同時に中空糸の外側から圧力をかけてもよいし、改質剤溶液を中空糸内部に充填した後に、中空糸の外側から圧力をかけてもよい。例えば、中空糸膜型人工腎臓用モジュールの場合には、人工腎臓の血液側の入口、出口がそれぞれ上下のいずれかになるように、垂直に立てて、血液側入り口から血液側出口に改質剤溶液を通液し、同時に圧力をかける液体を透析液側入り口から透析液側出口に通液することで、中空糸膜の透析液側から、血液側に向けて圧力をかけながら、改質剤を中空糸膜内表面に接触させることができる。
ここで、分離膜とは血液や水溶液中に含まれる物質を、大きさによりふるいわける膜のことである。本発明における分離膜は、高分子材料からなることが好ましい。高分子材料の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系ポリマーやポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、セルロース系ポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
高分子材料からなる分離膜には、上記のようなポリマーを単独で用いてもよいし、混合物を用いてもよい。例えば、ポリスルホン系ポリマーからなる分離膜の場合、ポリビニルピロリドンなどが造孔剤や親水化剤として好適に用いられる。
本発明の方法は、分離膜と改質剤の親和性が高いときに、特に好適に用いられる。ここで、親和性が高いとは、改質剤溶液を分離膜に接触させたときに、1mg/m以上、さらに好ましくは10mg/m以上の吸着が起こることをいう。分離膜と改質剤の親和性が高いと、分離膜を改質剤溶液に接触させたときに、分離膜表面や、さらには細孔内部まで改質剤が吸着するため、性能の低下が起きやすいと考えられる。しかし、医療用分離膜や水処理用分離膜としての用途を考えると、改質剤が分離膜と高い親和性を示す場合、強い相互作用によって吸着するため、処理する血液や液体中への改質剤の溶出が低減すると考えられるので好ましい。また、接触させる改質剤溶液の濃度も低減できるため、コスト面からも好ましい。従って、分離膜と親和性の高い改質剤がしばしば選択される。そのため、本発明の方法は、このように分離膜を改質剤で処理し、さらに性能低下を抑制したい用途に特に好適に使用される。
分離膜と改質剤の親和性は、両者の間に、疎水性相互作用や水素結合、静電相互作用などが形成される場合に高くなる。例えば、疎水性相互作用を形成するためにはポリスルホン系ポリマーからなる疎水性分離膜と、これに対する改質剤としてポリビニルアルコールなどが好適に用いられる。ポリビニルアルコールはケン化度が60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。また、99%以下が好ましく、98%以下がより好ましい。これは、分離膜と、ポリビニルアルコールの酢酸ビニルユニットが疎水性相互作用を示すためである。その結果、ポリビニルアルコールのビニルアルコールユニットが分離膜に対する方向と反対側の方向を向いた状態となるため、分離膜表面はビニルアルコールユニットで覆われ、親水化されることになる。ここで言うケン化度とは式(3)で求められる数値である。
Figure 2007007643
式(1)
Figure 2007007643
式(2)
(k)=(m)/((n)+(m))×100 式(3)
(式3)中の記号は以下の通り。
(k):ケン化度
(m):ポリビニルアルコール中の式(1)で表されるモノマー繰り返し単位数
(n):ポリビニルアルコール中の式(2)で表されるモノマー繰り返し単位数
また、前述したような両親媒性高分子も好適に用いられる。例えば、疎水性ポリマーからなる分離膜に、両親媒性高分子の疎水性部分が分離膜の方向を向いて、分離膜との間に疎水性相互作用を示し、一方の親水性部分が分離膜表面を覆うことで、分離膜が親水化される。
また、水素結合を形成するための例としては、ポリメタクリル酸メチル系ポリマーの分離膜とポリエチレングリコールなどが挙げられる。さらに静電相互作用を形成するための例としては、ジエチルアミノエチルセルロースからなるカチオン性分離膜と、デキストラン硫酸などのアニオン性改質剤、またはポリアクリルニトリルからなるカチオン性分離膜とポリエチレンイミンなどのアニオン性改質剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記のように医療用分離膜の場合、滅菌のために放射線を照射することがある。放射線はα線、β線、γ線、X線、紫外線、電子線などが用いられる。また、人工腎臓などの医療用具は滅菌することが必要であり、近年は残留毒性の少なさや簡便さの点から、放射線滅菌法が多用されており、特に、γ線や電子線が好適に用いられている。
接触させた改質剤は放射線により発生したラジカルによって、架橋およびゲル化し、細孔の閉塞がさらに悪化する場合がある。このような問題に対しても、本発明の方法で解決できる。すなわち、改質剤は微量しか導入しないため、過度な架橋反応が起きにくいため、改質剤による分離膜細孔の閉塞を抑制できる。そのため、分離膜の性能、すなわち、タンパク質などの透過性が損なわれにくいものと考えられる。つまり、血液適合性を付与し、かつ分離膜の性能低下を抑制できる。
また、放射線滅菌する医療用具の場合、放射線によって分離膜に接触した改質剤が化学結合で固定化されるため、溶出物が減少するので安全性の面からも好ましい。
このように、本発明の方法は、分離膜の性能低下を抑制しつつ、表面に血液適合性を導入できるため、特に医療用分離膜として好適に用いられる。
本発明の方法は、血液浄化用モジュール、人工腎臓用モジュールなどの医療用分離膜の製造時に好適に用いられる。
本発明の血液浄化用モジュールとは、血液を体外に循環させる際に、吸着や濾過、拡散によって血中の老廃物や有害物質を取り除く機能を有したモジュールのことをいい、人工腎臓や外毒素吸着カラムなどがある。
また、人工腎臓用モジュールとしては、コイル型、平板型、中空糸型があるが、処理効率などの点から、現在では中空糸型が広く普及している。
血液浄化用モジュールに内蔵される分離膜の形態は特に限定されるものではなく、平膜、中空糸膜などの形態で用いられる。しかし、処理効率すなわち血液と接触する表面積の確保などを考慮すると中空糸膜型であることが好ましい。
人工腎臓に用いられる中空糸膜モジュールの製造方法についての一例を示す。
例えば、人工腎臓に内蔵される中空糸膜がポリメタクリル酸メチルからなる場合、中空糸の製造方法には次のような方法がある。アイソタクチック−ポリメタクリル酸メチル5部とシンジオタクチック−ポリメタクリル酸メチル20部を、ジメチルスルホキシド75部に加え、加熱溶解し製膜原液を得る。この製膜原液をオリフィス型二重円筒型口金から吐出し、空気中を300mm通過させた後、水100%の凝固浴中に導き中空糸分離膜を得ることができる。この際、内部注入気体として乾燥窒素を用いる。
また、中空糸がポリスルホン系ポリマーからなる場合、中空糸の製造方法には次のような方法がある。ポリスルホンとポリビニルピロリドン(重量比率20:1〜1:5が好ましく、5:1〜1:1がより好ましい)をポリスルホンの良溶媒(N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジオキサンなどが好ましい)および貧溶媒の混合溶液に溶解させた原液(濃度は、10〜30重量%が好ましく、15〜25重量%がより好ましい)を二重環状口金から吐出する際に内側に注入液を流し、乾式部を走行させた後凝固浴へ導く。この際、乾式部の湿度が影響を与えるために、乾式部走行中に膜外表面からの水分補給によって、外表面近傍での相分離挙動を速め、孔径拡大し、結果として透析の際の透過・拡散抵抗を減らすことも可能である。ただし、相対湿度が高すぎると外表面での原液凝固が支配的になり、かえって孔径が小さくなり、結果として透析の際の透過・拡散抵抗を増大する傾向がある。そのため、相対湿度としては60〜90%が好適である。また、注入液組成としてはプロセス適性から原液に用いた溶媒を基本とする組成からなるものを用いることが好ましい。注入液濃度としては、例えばジメチルアセトアミドを用いたときは、45〜80重量%、さらには60〜75重量%の水溶液が好適に用いられる。
中空糸膜をモジュールに内蔵する方法としては、特に限定されないが、一例を示すと次の通りである。まず、中空糸膜を必要な長さに切断し、必要本数を束ねた後、筒状ケースに入れる。その後両端に仮のキャップをし、中空糸膜両端部にポッティング剤を入れる。このとき遠心機でモジュールを回転させながらポッティング剤を入れる方法は、ポッティング剤が均一に充填されるために好ましい方法である。ポッティング剤が固化した後、中空糸膜の両端が開口するように両端部を切断し、中空糸膜モジュールを得る。
本発明の方法を用いるには、モジュール化の後に血液側に改質剤を接触させながら、もしくは接触させた後に、透析液側から液体または気体で圧力をかけ、その後にγ線照射する方法が、滅菌も同時に行うことができるので好ましい。
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
1.中空糸膜モジュールの作製
人工腎臓に用いられる中空糸膜モジュールは以下の方法で作製した。
(1)中空糸膜モジュール1の作製
アイソタクチック−ポリメタクリル酸メチル5重量部とシンジオタクチック−ポリメタクリル酸メチル20重量部を、ジメチルスルホキシド75重量部に加え、加熱溶解し製膜原液を得た。この製膜原液をオリフィス型二重円筒型口金から吐出し、空気中を300mm通過させた後、水100%の凝固浴中に導き中空糸膜を得た。この際、二重円筒の内側の筒に注入する内部注入気体として乾燥窒素を用いた。得られた中空糸分離膜の内径は0.2mmであり 、膜厚は0.03mmであった。
この中空糸膜を内表面積が1.6mになるように、ケースに充填し、ポッティングし、端部を両面開口させて中空糸膜モジュール1とした。中空糸膜の内側と外側の両側を純水で満たした。
(2)中空糸膜モジュール2の作製
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)16重量部、ポリビニルピロリドン(インターナショナルスペシャルプロダクツ社;以下ISP社と略す)K30 3重量部、ポリビニルピロリドン(ISP社K90)3重量部をジメチルアセトアミド77重量部、水1重量部を加熱溶解し、製膜原液とした。
この原液を温度50℃の紡糸口金部へ送り、外側の内径0.35mm、内側の内径0.25mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド63重量部、水37重量部からなる溶液を吐出させ、中空糸膜を形成させた後、温度30℃、露点28℃の、350mmのドライゾーン雰囲気を直線的に経て、ジメチルアセトアミド20重量%、水80重量%からなる温度40℃の凝固浴を通過させ、60〜75℃90秒の水洗工程、130℃の乾燥工程を2分通過させ、160℃のクリンプ工程を経て得られた中空糸膜を巻き取り束とした。この中空糸膜を内表面積が1.6mになるように、ケースに充填し、ポッティングし、端部を両面開口させて、中空糸膜モジュール2とした。
2.測定方法
(1)中空糸のヒト血小板付着試験方法
基材の血液適合性をはかる一指標として、基材への血小板付着数をカウントする方法が挙げられる。具体的な実験方法を以下に示す。
18mmφのポリスチレン製の円形板に両面テープを貼り付け、そこに中空糸膜モジュール1および2から切り出した中空糸を固定した。貼り付けた中空糸を片刃で半円筒状にそぎ切り、中空糸の内表面を露出させた。中空糸内表面に汚れや傷、折り目などがあると、その部分に血小板が付着し、正しい評価ができないことがあるので注意を要する。筒状に切ったFalcon(登録商標)チューブ(18mmφ、No.2051)に該円形板を、中空糸を貼り付けた面が、円筒内部に入るように取り付け、パラフィルム(登録商標)で取り付け部分の隙間を埋めた。この円筒管内を生理食塩水で洗浄後、生理食塩水で満たした。成人健常者の静脈血を採血後、直ちにヘパリンナトリウム注射液(味の素社製)を50U/mlになるように添加した。前記円筒管内の生理食塩水を廃棄後、前記血液を、採血後10分以内に、円筒管内に1.0ml入れて37℃にて1時間振盪させた。その後、中空糸を10mlの生理食塩水で洗浄し、2.5容積%グルタルアルデヒド生理食塩水で血液成分の固定を行い、20mlの蒸留水にて洗浄した。洗浄した中空糸を常温0.5Torrにて10時間減圧乾燥した。この中空糸を走査型電子顕微鏡の試料台に両面テープで貼り付けた。その後、スパッタリングにより、白金−パラジウム(Pt−Pd)の薄膜を中空糸表面に形成させて、試料とした。この中空糸の内表面をフィールドエミッション型走査型電子顕微鏡(日立社製S800)にて、倍率1500倍で試料の内表面を観察し、1視野中(4.3×10μm)の付着血小板数を数えた。中空糸長手方向における中央付近で、異なる20視野での付着血小板数の平均値を血小板付着数(個/4.3×10μm)とした。中空糸の長手方向における端の部分は、血液溜まりができやすいため付着数の計測対象からはずした。
なお、血小板付着試験においては、試験が適切に行われているかどうかを確認するために、ポジティブコントロールとネガティブコントロールを実験毎に水準に入れる。ポジティブコントロールとは、血小板付着数が少ないことがわかっている既知のサンプルである。また、ネガティブコントロールとは、血小板付着数が多いことがわかっている既知のサンプルである。
ポジティブコントロールとしては中空糸膜モジュール1,2どちらの評価も川澄化学社製人工腎臓PS−1.6UWの中空糸膜を用いた。ネガティブコントロールとしては中空糸膜モジュール1の評価には東レ社製人工腎臓“フィルトライザー”(登録商標)BG−1.6Uの中空糸膜を用いた。また、中空糸膜モジュール2の評価には、実施例3の方法において、ポリビニルアルコールの代わりに純水で湿潤させた中空糸膜モジュール2に27kGyのγ線照射を行ったもの、および東レ社製人工腎臓“トレスルホン” (登録商標)TS−1.6ULの中空糸膜を用いた。
上記の実験条件で血小板付着数が、ポジティブコントロールで、5(個/4.3×10μm)以下、かつ、ネガティブコントロールとして、40(個/4.3×10μm)以上であったときに、測定値を採用する。コントロールの血小板付着数が上記範囲からはずれた場合は、血液の鮮度が欠けていたり、血液の過度な活性化が生じていることなどが考えられるので、試験をやり直す。
本実験で血小板付着数が10(個/4.3×10μm)以下であれば、血液適合性が良好な基材であると考えられる。
(2)β−ミクログロブリン クリアランス測定
プラスチック管に中空糸を20本通し、両端を接着剤で固定した有効長100mmのプラスチック管モジュールを作製した。有効長とは、両端の接着剤がついている部分を除外した中空糸の長さのことで、血液側と透析側の物質交換が行われるのに使用される長さのことである。牛血清は、0.45μmフィルターでろ過したものを用いた。濃度が5mg/Lになるように、β−ミクログロブリンを37℃の牛血清に加えた。これをミニモジュールの血液側に1mL/minで流し、透析液側に37℃の生理食塩水を20mL/minで流した。血液側と透析液側はクロスフローで流した。2時間循環させた後、血液側の牛血清と、透析液側の生理食塩水を全量回収してエスアールエル(株)に分析を依頼し、β−ミクログロブリンの濃度を測定した。クリアランスの算出は次式にて行った。
<クリアランスの算出式>クリアランス(mL/min)=(血液側入口濃度−血液側出口濃度)/血液側入口濃度×血液側流量
算出結果から内表面積1.5mに換算したクリアランスを算出した。
実験毎の数値のばらつきがあるため、実験毎にコントロールを加えて、実験間の比較を行った。コントロールには、中空糸膜モジュール1の評価には東レ社製人工腎臓“フィルトライザー” (登録商標)BG−1.6Uの中空糸膜を用いた。また、中空糸膜モジュール2の評価には実施例3の方法において、ポリビニルアルコールの代わりに純水で湿潤させた中空糸膜モジュール2に27kGyのγ線照射を行った。コントロールは、製造ロットが同一のものを使用した。コントロールの測定結果と百分率で比較して、相対除去率(%)を求め、この数値をもって実験間の比較を行った。
(実施例1)上記1のようにして製造された中空糸膜モジュール1を用いて、重量平均分子量が6000のポリエチレングリコール(日本油脂(株)社製)水溶液(10000重量ppm)を図1のような中空糸膜モジュールの血液側入口3から血液側出口4に通液し、さらに血液側の通液と同時に、水を透析液側出口9および透析液側入口8から血液側に通液した。その後、同様にして、水で洗浄した。該モジュールにγ線を照射した。γ線照射線量は27kGyであった。該モジュールの中空糸を切り出し、血小板付着試験を行った。なお、ネガティブコントロールとしては、東レ社製人工腎臓“フィルトライザー”(登録商標)BG−1.6U(製品ロット:91110412)を、ポジティブコントロールとしては川澄化学社製人工腎臓PS−1.6UW(製品ロット:1Y7335)を用いて、血小板付着試験が成立していることを確認した。以下の実施例、比較例も同様のものを使用し、血小板付着試験の成立を確認して行った。結果は表1の通りであった。すなわち、血小板付着数が少なく良好な血液適合性を示し、β−ミクログロブリンのクリアランスがコントロール並に維持されていることが分かった。
(実施例2)上記1のようにして製造された中空糸膜モジュール1を用いて、重量平均分子量が6000のポリエチレングリコール(日本油脂(株)社製)水溶液(2000重量ppm)を図1のような中空糸膜モジュールの血液側入口3から血液側出口4に通液し、さらに血液側の通液と同時に、水を透析液側出口9から透析液側入口8へ通液した。その後、同様にして、水で洗浄した。該モジュールにγ線を照射した。γ線照射線量は27kGyであった。該モジュールの中空糸を切り出し、血小板付着試験を行った。結果は表1の通りであった。すなわち、血小板付着数が少なく良好な血液適合性を示し、β−ミクログロブリンのクリアランスがコントロール並に維持されていることが分かった。
(実施例3)上記1のようにして製造された中空糸膜モジュール2を用いて、ポリビニルアルコール(Aldrich Chemical Company,Inc.社製、重量平均分子量10000、ケン化度80%)水溶液(1000重量ppm)を図1のような中空糸膜モジュールの血液側入口3から血液側出口4に通液し、次に血液側入口3から透析液側出口9に通液する順で充填したさらに100kPa(ゲージ圧、以下同じ。)の圧縮空気で透析液側から血液側へ充填液を押しだし、次に血液側の充填液を吹き飛ばした。さらに窒素で透析液側、血液側それぞれをブローし、抱液率270%、酸素濃度3%にした。その後、該モジュールにγ線を照射した。γ線照射線量は27kGyであった。該モジュールの中空糸を切り出し、血小板付着試験を行った。結果は表1の通りであった。すなわち、血小板付着数が少なく良好な血液適合性を示し、β−ミクログロブリンのクリアランスがコントロール並に維持されていることが分かった。
(比較例1)上記1のようにして製造された中空糸膜モジュール1を用いて、重量平均分子量が6000のポリエチレングリコール(日本油脂(株)社製)水溶液(2000重量ppm)を図1のような中空糸膜モジュールの血液側入口3から血液側出口4に通液した。その後、同様にして、水で洗浄した該モジュールにγ線を照射した。γ線照射線量は27kGyであった。該モジュールの中空糸を切り出し、血小板付着試験を行った。結果は表1の通りであった。すなわち、血小板付着数が少なく良好な血液適合性を示すが、β−ミクログロブリンのクリアランスがコントロールより低下していることが分かった。
(比較例2)上記1のようにして製造された中空糸膜モジュール1を用いて、純水を図1のような中空糸膜モジュールの血液側入口3から血液側出口4に通液した。その後、該モジュールにγ線を照射した。γ線照射線量は27kGyであった。該モジュールの中空糸を切り出し、血小板付着試験を行った。結果は表1の通りであった。すなわち、血小板付着数が多く血液適合性に劣っているが、β−ミクログロブリンのクリアランスはコントロール並であった。
(比較例3)上記1のようにして製造された中空糸膜モジュール2を用いて、ポリビニルアルコール(Aldrich Chemical Company,Inc.社製、重量平均分子量10000、ケン化度80%)水溶液(1000重量ppm)を図1のような中空糸膜モジュールの血液側入口3から血液側出口4に通液し、次に血液側入口3から透析液側出口9に通液する順で充填した。さらに100kPaの圧縮空気で血液側の充填液を吹き飛ばした。さらに100kPaの窒素で透析液側、血液側それぞれをブローし、抱液率270%、酸素濃度3%にした。その後、該モジュールにγ線を照射した。γ線照射線量は27kGyであった。該モジュールの中空糸を切り出し、血小板付着試験を行った。結果は表1の通りであった。すなわち、血小板付着数が少なく良好な血液適合性を示すが、β−ミクログロブリンのクリアランスがコントロールより低下していることが分かった。
(比較例4)上記1のようにして製造された中空糸膜モジュール2を用いて、純水を図1のような中空糸膜モジュールの血液側入口3から血液側出口4に通液し、次に血液側入口3から透析液側出口9に通液する順で充填した。さらに100kPaの圧縮空気で血液側の充填液を吹き飛ばした。さらに100kPaの窒素で透析液側、血液側それぞれをブローし、抱液率270%、酸素濃度3%にした。その後、該モジュールにγ線を照射した。γ線照射線量は27kGyであった。該モジュールの中空糸を切り出し、血小板付着試験を行った。結果は表1の通りであった。すなわち、血小板付着数が多く血液適合性に劣っているが、β−ミクログロブリンのクリアランスはコントロール並であった。
Figure 2007007643
本発明に用いられる人工腎臓の一態様を示す。
符号の説明
1.動脈側ヘッダー
2.静脈側ヘッダー
3.血液側入口
4.血液側出口
5.中空糸膜
6.血液
7.モジュールケース
8.透析液側入口
9.透析液側出口
10.ポッティング部
11.血液回路

Claims (9)

  1. 分離膜に改質剤を付与する改質分離膜の製造方法において、分離膜の片側の表面に改質剤を接触させる工程と、分離膜のもう片側の表面から改質剤を接触させた表面にむけて、液体または気体で圧力をかける工程を有することを特徴とする改質分離膜の製造方法。
  2. 前記改質剤を接触させる工程と、液体または気体で圧力をかける工程が同時に行われることを特徴とする請求項1に記載の改質分離膜の製造方法。
  3. 前記改質剤を接触させる工程を経た後、液体または気体で圧力をかける工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の改質分離膜の製造方法。
  4. 前記改質剤が親水性高分子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
  5. 前記分離膜が中空糸膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造された分離膜をモジュールに内蔵したことを特徴とする分離膜モジュールの製造方法。
  7. 前記分離膜モジュールが、医療用モジュールであることを特徴とする請求項6記載の分離膜モジュールの製造方法。
  8. 前記医療用モジュールが血液浄化用モジュールであることを特徴とする請求項7に記載の分離膜モジュールの製造方法。
  9. 前記医療用モジュールが人工腎臓用モジュールであることを特徴とする請求項7に記載の分離膜モジュールの製造方法。
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