[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図5を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図2は、本実施形態による半導体装置を示す平面図である。図1(a)は、N型不純物層とP型コンタクト領域のレイアウトを示す平面図であり、図1(a)においては、N型ウェル、P型ウェル及びゲート電極等の構成要素は省略されている。図1(b)は、図2のA−A′線断面図である。図3は、コンタクト領域の形状を示す平面図である。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置を図1乃至図3を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、P型の半導体基板10には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。半導体基板10の材料としては、例えばシリコン基板が用いられている。
素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型の不純物層(深いN型ウェル)14が埋め込まれている。
N型不純物層14上には、N型不純物層14に接続されたN型ウェル16a〜16cが複数形成されている。N型不純物層14は、複数のN型ウェル16a〜16cにバイアス電圧VB1を一括して印加するためのものである。
各々のN型ウェル16a〜16c上には、PMOSトランジスタ22a〜22cが形成されている。各々のPMOSトランジスタ22a〜22cは、ゲート絶縁膜24を介して形成されたゲート電極26と、ゲート電極26の側壁部分に形成されたサイドウォール絶縁膜28と、ゲート電極26の両側の半導体基板10内に形成されたLDD構造のソース/ドレイン拡散層30とを有している。
N型ウェル16aの表面には、N型のコンタクト層18が形成されている。N型コンタクト層18は、バイアス入力端子20に接続されている。バイアス入力端子20に印加されるバイアス電圧VB1は、PMOSトランジスタ22a〜22cの動作状態に応じて適宜設定される。即ち、バイアス入力端子20には、可変バイアス(可変バックバイアス)VB1が印加される。バイアス入力端子20にバイアス電圧VB1を印加すると、N型コンタクト層18を介してNウェル16aにバイアス電圧VB1が印加される。また、バイアス入力端子20にバイアス電圧VB1を印加すると、N型コンタクト層18、N型ウェル16a及びN型不純物層14を介して、N型ウェル16b及びN型ウェル16cにバイアス電圧VB1が印加される。このように、本実施形態では、P型半導体基板10にN型不純物層14が埋め込まれているため、N型不純物層14を介して複数のN型ウェル16a〜16cに一括してバイアス電圧VB1を印加することが可能である。
各々のN型ウェル16a〜16c上に形成されたPMOSトランジスタ22a〜22cは、基板バイアス可変トランジスタ(可変バックバイアストランジスタ)として機能する。基板バイアス可変トランジスタとは、待機時と動作時とでウェルに印加するバイアス電圧を変化させて用いるトランジスタのことである。
PMOSトランジスタ22a〜22cより成る基板バイアス可変トランジスタの動作原理は、以下の通りである。即ち、PMOSトランジスタ22a〜22cのソースに印加する電圧を電源電圧とする場合、待機時には、電源電圧より高いバイアス電圧VB1をN型ウェル16a〜16cに印加する。電源電圧より高いバイアス電圧VB1をN型ウェル16a〜16cに印加すると、PMOSトランジスタ22a〜22cの実効的な閾値が高くなるため、PMOSトランジスタ22a〜22cのオフリーク電流を低減することが可能となる。一方、動作時には、電源電圧と同じ電圧又は電源電圧より低い電圧をN型ウェル16aに印加する。電源電圧と同じ電圧又は電源電圧より低い電圧をN型ウェル16a〜16cに印加すると、PMOSトランジスタ22a〜22cの実効的な閾値が低くなるため、PMOSトランジスタ22a〜22cの駆動電流を増加させることが可能となる。
また、N型不純物層14上には、複数のP型ウェル32a、32bが形成されている。P型ウェル32aとP型ウェル32bとは、N型ウェル16a〜16c及びN型不純物層14により、互いに電気的に分離されている。なお、P型ウェル32a及びP型ウェル32bは、図示しない領域における半導体基板10内にも多数形成されているが、ここでは省略されている。
P型ウェル32aが形成されている領域の直下におけるN型不純物層14には、P型のコンタクト領域34が選択的に形成されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェル32aとP型半導体基板10とを接続するためのものである。P型コンタクト領域34は、例えば円柱状に形成されている。P型コンタクト領域34は、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入してN型不純物層14を形成する際に、N型のドーパント不純物を部分的に導入しないようにすることにより形成されている。このため、P型コンタクト領域34における不純物濃度と半導体基板10における不純物濃度とは、互いに等しくなっている。
本実施形態において、P型ウェル32aとP型半導体基板10とをP型コンタクト領域34を介して接続しているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、P型ウェル32aは半導体基板10内に多数形成されるが、各々のP型ウェル32aは、N型不純物層14やN型ウェル16a〜16c等により互いに分離されている。各々のP型ウェル32aにバイアス電圧を印加する場合には、各々のP型コンタクト層の表面にP型コンタクト層をそれぞれ形成し、P型コンタクト層を介して、各々のP型ウェル32aをバイアス入力端子に接続することが考えられる。しかし、各々のP型ウェル32aの表面にP型コンタクト層を形成し、かかるP型コンタクト層を介してP型ウェル32aをバイアス入力端子に接続する場合には、かかるP型コンタクト層を形成する領域の分だけP型ウェル32aが大きくなる。このため、各々のP型ウェル32aの表面にP型コンタクト層を形成し、かかるP型コンタクト層を介してP型ウェル32aをバイアス入力端子に接続する場合には、チップサイズの小さい半導体装置を提供することが困難である。
これに対し、本実施形態では、P型ウェル32aとP型半導体基板10とが、N型不純物層14に形成されたP型コンタクト領域34を介して接続されているため、各々のP型ウェル32aの表面にかかるP型コンタクト層を形成することを要しない。本実施形態によれば、かかるP型コンタクト層を形成するための領域を確保することを要しないため、省スペース化を実現することができ、ひいては、半導体装置の小型化・低コスト化を実現することが可能となる。
また、本実施形態において、P型ウェル32aが形成されている領域の直下にP型コンタクト領域34を選択的に形成しているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、N型不純物層14が形成されている領域の全体にP型コンタクト領域34を配した場合には、P型半導体基板10と電気的に分離すべき他のP型ウェル32bまでもがP型半導体基板10に接続されてしまうこととなる。この場合には、P型半導体基板10に印加するバイアス電圧と異なるバイアス電圧をP型ウェル32bに印加することができない。また、N型不純物層14が形成されている領域の全体にP型コンタクト領域34を配した場合には、P型コンタクト領域34が形成されている分だけ、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗が増加することとなる。N型不純物層14の面内方向における電気抵抗が大きくなると、各々のN型ウェルに所望のバイアス電圧を印加することが困難となる虞がある。
これに対し、本実施形態では、P型ウェル32aとP型半導体基板10とを接続することが必要な箇所、即ち、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14にP型コンタクト領域34を選択的に形成するため、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗が増加するのを抑制しつつ、P型半導体基板10に接続すべきP型ウェル32aのみをP型半導体基板10に接続することが可能となる。
また、本実施形態において、コンタクト領域34を円柱状に形成しているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、N型不純物層14にはP型半導体基板10に印加するバイアス電圧VB2より高いバイアス電圧VB1が印加されるが、N型不純物層14に印加するバイアス電圧VB1とP型半導体基板10に印加するバイアス電圧VB2との差が比較的大きい場合には、コンタクト領域34が空乏化してしまう虞がある。コンタクト領域34が空乏化してしまうと、P型ウェル32aとP型半導体基板10とをコンタクト領域34を介して接続することができなくなる。
図3は、コンタクト領域の形状を示す平面図である。図3(a)はコンタクト領域を円柱状に形成した場合を示しており、図3(b)はコンタクト領域を角柱状に形成した場合を示している。
図3(b)に示すように、四角柱状にコンタクト領域34を形成した場合には、コンタクト領域34の断面における対角線の長さをd1とすると、互いに対向するN型不純物層14の最短距離は、対角線の長さd1より短いd2となる。
一方、図3(a)に示すように、円柱状にコンタクト領域34を形成した場合には、コンタクト領域34の断面における直径をd1とすると、互いに対向するN型不純物層14の最短距離は、直径d1と同じd1となる。
コンタクト領域34においてN型不純物層14が互いに対向している部分の距離が短いほど、コンタクト領域34において空乏化が生じやすい。
図3(b)のようにコンタクト領域34を四角柱状に形成した場合には、コンタクト領域34においてN型不純物層14が互いに対向している部分の距離が比較的短いため、コンタクト領域34において空乏化が比較的生じやすい。
これに対し、本実施形態では、図3(a)に示すようにコンタクト領域34が円柱状に形成されているため、コンタクト領域34においてN型不純物層14が互いに対向している部分の距離を比較的大きく確保することが可能となる。このため、本実施形態によれば、コンタクト領域34を比較的小さく形成した場合であっても、コンタクト領域34が空乏化してしまうのを抑制することが可能となる。
P型ウェル32aが形成される領域内におけるP型コンタクト領域34の面積の総和をAとし、P型ウェル32aの面積をBとすると、P型コンタクト領域34は、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が、所定の範囲内、即ち、所定の設計基準を満たすように形成されている。P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が所定の設計基準を満たすようにP型コンタクト領域34が形成されているのは、以下のような理由によるものである。
即ち、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が小さすぎる場合、即ち、かかる割合(A/B)が所定の設計基準の下限値より小さい場合には、P型ウェル32aとP型半導体基板10との間の電気抵抗が大きくなりすぎ、P型ウェル32aに所望のバイアス電圧VB2を印加することが困難となる。
一方、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が大きすぎる場合、即ち、かかる割合(A/B)が所定の設計基準の上限値より大きい場合には、N型不純物層14における面内方向における電気抵抗が大きくなりすぎ、N型ウェル16に所望のバイアス電圧VB1を印加することが困難となる。
従って、P型コンタクト領域34は、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が所定の設計基準を満たすように形成されている。
なお、ここでは、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が所定の設計基準を満たすようにP型コンタクト領域34を形成する場合を例に説明したが、P型ウェル32aとP型半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準を満たすようにP型コンタクト領域34を形成してもよい。
即ちP型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが小さすぎる場合、即ち、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準の下限値より小さい場合には、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が小さすぎる場合と同様に、P型ウェル32aとP型半導体基板10との間の電気抵抗が大きくなりすぎ、P型ウェル32aに所望のバイアス電圧VB2を印加することが困難となる。
一方、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが大きすぎる場合、即ち、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準の上限値より大きい場合には、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が大きすぎる場合と同様に、N型不純物層14における面内方向における電気抵抗が大きくなりすぎ、N型ウェル16に所望のバイアス電圧VB1を印加することが困難となる虞がある。
このように、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準を満たすことは、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が所定の設計基準を満たすことと同様の意義がある。このように、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準を満たすように、P型コンタクト領域34を形成してもよい。
P型ウェル32a、32b上には、NMOSトランジスタ38a〜38cがそれぞれ形成されている。各々のNMOSトランジスタ38a〜38cは、ゲート絶縁膜24を介して形成されたゲート電極26と、ゲート電極26の側壁部分に形成されたサイドウォール絶縁膜28と、ゲート電極26の両側の半導体基板10内に形成されたLDD構造のソース/ドレイン拡散層46とを有している。
半導体基板10の裏面側は、バイアス入力端子36に接続されている。バイアス入力端子36に印加されるバイアス電圧VB2は、NMOSトランジスタの動作状態に応じて適宜設定される。即ち、バイアス入力端子36には、可変バイアス(可変バックバイアス)VB2が印加される。バイアス入力端子36にバイアス電圧VB2を印加すると、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34を介して、P型ウェル32aにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
P型ウェル32a上に形成されたNMOSトランジスタ38a、38bは、基板バイアス可変トランジスタとして機能する。基板バイアス可変トランジスタとは、上述したように、待機時と動作時とでウェルに印加するバイアスを変化させて用いられるトランジスタのことである。
NMOSトランジスタ38a、38bより成る基板バイアス可変トランジスタの動作原理は、以下の通りである。即ち、NMOSトランジスタ38a、38bのソースに印加する電圧を0Vとする場合、待機時には、負の電圧をP型ウェル32aに印加する。負の電圧をP型ウェル32aに印加すると、NMOSトランジスタ38a、38bの実効的な閾値が高くなるため、NMOSトランジスタ38a、38bのオフリーク電流を低減することが可能となる。一方、動作時には、0V又は正の電圧をP型ウェル32aに印加する。0V又は正の電圧をP型ウェル32aに印加すると、NMOSトランジスタ38a、38bの実効的な閾値が低くなるため、NMOSトランジスタ38a、38bの駆動電流を増加させることが可能となる。
P型ウェル32bは、N型ウェル16a〜16c及びN型不純物層14により、P型半導体基板10から電気的に分離されている。P型ウェル32bの表面には、P型コンタクト層48が形成されている。P型コンタクト層48は、バイアス入力端子50に接続される。バイアス入力端子50は、例えば固定バイアスVFに接続される。バイアス入力端子50にバイアス電圧VFが印加されると、P型不純物層48を介して、P型ウェル32bにバイアス電圧VFが印加される。
P型ウェル32bが固定バイアスVFに接続されるため、P型ウェル32b上に形成されたNMOSトランジスタ38cは、通常のトランジスタとして動作する。
こうして本実施形態による半導体装置が構成されている。
本実施形態による半導体装置は、P型半導体基板10に埋め込まれたN型不純物層14を介してN型ウェル16a〜16cにバイアス電圧VB1が印加され、N型不純物層14に形成されたP型コンタクト領域34及びP型半導体基板10を介してP型ウェル32aに他のバイアス電圧VB2が印加されることに主な特徴の一つがある。
特許文献1、2において提案されている半導体装置では、浅いP型ウェルの表面にP型コンタクト層が形成され、かかるP型コンタクト層を介して、浅いP型ウェルがバイアス入力端子に接続される。このため、提案されている半導体装置では、かかるP型コンタクト層を形成するために要する領域を確保しなければならない。しかも、P型コンタクト領域からのP型ウェルまでの距離が大きくなるに伴って、電気抵抗が大きくなるため、半導体基板上にP型コンタクト領域を多数形成せざるを得ない。P型コンタクト層を形成するために要する領域を半導体基板上に多数形成せざるを得ないことは、設計の容易化や半導体装置の小型化における阻害要因となる。
これに対し、本実施形態では、P型ウェル32aとP型半導体基板10とが、N型不純物層14に形成されたP型コンタクト領域34を介して接続されているため、P型ウェル32aをバイアス印加端子に接続するためのP型コンタクト層をP型ウェル32aの表面に形成することを要しない。本実施形態によれば、かかるP型コンタクト層を形成するための領域を半導体基板上に確保することを要しないため、設計の容易化、半導体装置の小型化を実現することができる。
また、本実施形態による半導体装置は、P型ウェル32aが形成されている領域の直下におけるN型不純物層14にP型コンタクト領域34が選択的に形成されていることにも主な特徴の一つがある。
N型不純物層14が形成されている領域の全体にP型コンタクト領域34を配した場合には、P型半導体基板10と電気的に分離すべき他のP型ウェル32bまでもがP型半導体基板10に接続されてしまうこととなる。この場合には、P型半導体基板10に印加するバイアス電圧と異なるバイアス電圧をP型ウェル32bに印加することができない。また、N型不純物層14が形成されている領域の全体にP型コンタクト領域34を配した場合には、P型コンタクト領域34が形成されている分だけ、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗が増加することとなる。N型不純物層14の面内方向における電気抵抗が大きくなると、各々のN型ウェルに所望のバイアス電圧を印加することが困難となる虞がある。
これに対し、本実施形態では、P型ウェル32aとP型半導体基板10とを接続することが必要な箇所、即ち、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14にP型コンタクト領域34を選択的に形成するため、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗が増加するのを抑制することができる。また、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14にP型コンタクト領域34を選択的に形成するため、P型半導体基板10に接続すべきP型ウェル32aのみをP型半導体基板10に接続することができる。このため、本実施形態によれば、電気的特性の劣化を招くことなく、P型ウェル32aとP型ウェル32bとにそれぞれ所望のバイアス電圧を印加することができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図4及び図5を用いて説明する。図4及び図5は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図4(a)に示すように、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。素子分離領域12は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成することができる。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜52を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜52をパターニングする。この際、コンタクト領域34を形成すべき領域がフォトレジスト膜52により覆われ、N型不純物層14を形成すべき領域がフォトレジスト膜52から露出するように、フォトレジスト膜52をパターニングする。こうして、N型不純物層14を形成するための開口部54がフォトレジスト膜52に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜52をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にN型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速電圧は、例えば700keVとする。ドーズ量は、例えば1.5×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型不純物層14が形成される。P型コンタクト領域34を形成すべき領域にはN型のドーパント不純物を導入しないため、P型コンタクト領域34を形成すべき領域にP型コンタクト領域34が形成される。この後、フォトレジスト膜52を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜56を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜56をパターニングする。この際、N型ウェル16a〜16cを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜56をパターニングする。こうして、N型ウェル16a〜16cを形成するための開口部58a〜58cがフォトレジスト膜56に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜56をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速電圧は、例えば360keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、N型不純物層14に接続された複数のN型ウェル16a〜16cが形成される(図4(b)参照)。この後、フォトレジスト膜56を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜60を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜60をパターニングする。この際、P型ウェル32a、32bを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜60をパターニングする。こうして、P型ウェル32a、32bを形成するための開口部62a、62bがフォトレジスト膜60に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜60をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば150keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10内に、複数のP型ウェル32a、32bが形成される(図5(a)参照)。P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14には、P型コンタクト領域34が選択的に形成されている。このため、P型ウェル32aは、P型コンタクト領域34を介してP型半導体基板10に接続される。一方、P型ウェル32bの直下におけるN型不純物層14には、P型コンタクト領域34が形成されていない。P型ウェル32bは、N型不純物層14及びN型ウェル16a〜16cにより、P型半導体基板10から電気的に分離された状態となる。
次に、全面に、例えば熱酸化法により、ゲート絶縁膜24を形成する。
次に、全面に、例えばCVD法により、ポリシリコン膜26を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜26をパターニングする。これにより、ポリシリコンより成るゲート電極26が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ22a〜22cが形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、P型の低濃度拡散層30aが形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ38a〜38cが形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。これにより、N型の低濃度拡散層46aが形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン酸化膜28を形成する。
次に、シリコン酸化膜28を異方性エッチングする。これにより、ゲート電極の側壁部分に、シリコン酸化膜より成るサイドウォール絶縁膜28が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ22a〜22cが形成される領域及びP型コンタクト層48が形成される領域を露出する開口部(図示せず)を、フォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、P型の高濃度拡散層30bとP型のコンタクト層48とが形成される。P型の低濃度拡散層30aとP型の高濃度拡散層30bとにより、LDD構造のソース/ドレイン拡散層30が構成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ38a〜38cが形成される領域及びN型コンタクト層18が形成される領域を露出する開口部(図示せず)を、フォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。こうして、N型の高濃度拡散層46bとN型のコンタクト層18とが形成される。N型の低濃度拡散層46aとN型の高濃度拡散層46bとにより、LDD構造のソース/ドレイン拡散層46が構成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
こうして、N型ウェル16a〜16c上に、ゲート電極26と、ソース/ドレイン拡散層30とを有するPMOSトランジスタ22a〜22cが形成される。また、P型ウェル32a、32b上に、ゲート電極26とソース/ドレイン拡散層46とを有するNMOSトランジスタ38a〜38cが形成される。また、N型ウェル16a上に、N型コンタクト層18が形成される。また、P型ウェル32b上に、P型コンタクト層48が形成される。
N型コンタクト層18は、バイアス入力端子20に接続される。また、半導体基板10の裏面側は、他のバイアス入力端子36に接続される。また、P型コンタクト層48は、更に他のバイアス入力端子50に接続される。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される(図5(b)参照)。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置及びその製造方法を図6乃至図8を用いて説明する。図6は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図5に示す第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図6を用いて説明する。
本実施形態による半導体装置は、P型半導体基板10にP型ウェル32cが更に形成されており、P型ウェル32cの表面にP型コンタクト層64が更に形成されており、P型ウェル32c及びP型コンタクト層64を介して、P型半導体基板10がバイアス入力端子36aに接続されることに主な特徴がある。
図6に示すように、N型ウェル16aの紙面左側におけるP型半導体基板10内には、P型ウェル32cが形成されている。
P型ウェル32cの表面には、P型コンタクト層64が形成されている。P型コンタクト層64は、バイアス入力端子36aに接続される。バイアス入力端子36aに印加されるバイアス電圧VB2は、NMOSトランジスタの動作状態に応じて適宜設定される。即ち、バイアス入力端子36aには、可変バイアス(可変バックバイアス)VB2が印加される。バイアス入力端子36aにバイアス電圧VB2を印加すると、P型コンタクト層64、P型ウェル32c、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34を介して、P型ウェル32aにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
このように、P型半導体基板10にP型ウェル32cを更に形成し、P型ウェル32cの表面にP型コンタクト層64を更に形成し、P型ウェル32c及びP型コンタクト層64を介して、P型半導体基板10がバイアス入力端子36aに接続されるようにしてもよい。本実施形態の場合にも、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34を介して、P型ウェル32aにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図7及び図8を用いて説明する。図7及び図8は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図4(a)に示す半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内にN型不純物層14を形成する(図7(a)参照)。
次に、図4(b)に示す半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内にN型ウェル16a〜16cを形成する(図7(b)参照)。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜60aを形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜60aをパターニングする。この際、P型ウェル32a〜32cを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜60aをパターニングする。こうして、P型ウェル32a〜32cを形成するための開口部62a〜62cがフォトレジスト膜60aに形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜60aをマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば150keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10内に、複数のP型ウェル32a〜32cが形成される(図8(a)参照)。P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14には、P型コンタクト領域34が選択的に形成されている。このため、P型ウェル32aは、P型コンタクト領域34を介してP型半導体基板10に接続される。P型ウェル32bの直下におけるN型不純物層14には、P型コンタクト領域34が形成されていない。このため、P型ウェル32bは、N型不純物層14及びN型ウェル16a〜16cにより、P型半導体基板10から電気的に分離された状態となる。P型ウェル32cは、N型ウェル16a〜16cやN型不純物層14により囲われていないため、P型ウェル32cはP型半導体基板10に接続された状態となる。
次に、全面に、例えば熱酸化法により、ゲート絶縁膜24を形成する。
次に、全面に、例えばCVD法により、ポリシリコン膜26を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜26をパターニングする。これにより、ポリシリコンより成るゲート電極26が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ22a〜22cが形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、P型の低濃度拡散層30aが形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ38a〜38cが形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。これにより、N型の低濃度拡散層46aが形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン酸化膜28を形成する。
次に、シリコン酸化膜28を異方性エッチングする。これにより、ゲート電極の側壁部分に、シリコン酸化膜より成るサイドウォール絶縁膜28が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ22a〜22cが形成される領域及びP型コンタクト層48、64が形成される領域を露出する開口部(図示せず)を、フォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、P型の高濃度拡散層30bとP型のコンタクト層48、64とが形成される。P型の低濃度拡散層30aとP型の高濃度拡散層30bとにより、LDD構造のソース/ドレイン拡散層30が構成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ38a〜38cが形成される領域及びN型コンタクト層48、64が形成される領域を露出する開口部(図示せず)を、フォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。こうして、N型の高濃度拡散層46bとN型のコンタクト層18とが形成される。N型の低濃度拡散層46aとN型の高濃度拡散層46bとにより、LDD構造のソース/ドレイン拡散層46が構成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
こうして、N型ウェル16a〜16c上に、ゲート電極26と、ソース/ドレイン拡散層30とを有するPMOSトランジスタ22a〜22cが形成される。また、P型ウェル32a、32b上に、ゲート電極26とソース/ドレイン拡散層46とを有するNMOSトランジスタ38a〜38cが形成される。また、N型ウェル16a上に、N型コンタクト層18が形成される。また、P型ウェル32b上に、P型コンタクト層48が形成される。また、P型ウェル32c上に、P型コンタクト層64が形成される。
N型コンタクト層18は、バイアス入力端子20に接続される。また、P型コンタクト層64は、他のバイアス入力端子36aに接続される。また、P型コンタクト層48は、更に他のバイアス入力端子50に接続される。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される(図8(b)参照)。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体装置及びその製造方法を図9乃至図12を用いて説明する。図9は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図8に示す第1又は第2実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図9を用いて説明する。
本実施形態による半導体装置は、P型半導体基板10内にP型のドーパント不純物を導入することにより、P型のコンタクト領域34aが形成されていることに主な特徴がある。
図9に示すように、P型ウェル32aが形成されている領域の直下におけるN型不純物層14には、P型コンタクト領域34aが形成されている。P型コンタクト領域34は、P型半導体基板10内にP型のドーパント不純物を導入することにより形成されている。このため、P型コンタクト領域34aにおける不純物濃度は、P型半導体基板10における不純物濃度より高くなっている。
このように、P型半導体基板10内にP型のドーパント不純物を導入することにより、P型コンタクト領域34aを形成してもよい。本実施形態によれば、P型コンタクト領域34aにおける不純物濃度が高く設定されているため、P型コンタクト領域34aにおいて空乏化が生ずるのを、より確実に防止することができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図10乃至図12を用いて説明する。図10乃至図12は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図4(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内にN型不純物層14を形成する(図10(a)参照)。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜66を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜66をパターニングする。この際、P型コンタクト領域34aを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜66をパターニングする。こうして、P型ウェル34aを形成するための開口部68がフォトレジスト膜66に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜66をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にP型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば370keVとする。ドーズ量は、例えば1.5×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10内に、P型コンタクト領域34aが形成される(図10(b)参照)。
次に、図4(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内にN型ウェル16a〜16cを形成する(図11(a)参照)。
次に、図8(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内に、複数のP型ウェル32a〜32cを形成する(図11(b)参照)。
この後の半導体装置の製造方法は、図8(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される(図12参照)。
(半導体装置の製造方法の変形例)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例を図13乃至図15を用いて説明する。図13乃至図15は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
本変形例による半導体装置の製造方法は、P型半導体基板10にP型のドーパント不純物を導入することによりP型コンタクト領域34aを形成し、この後、P型半導体基板10にN型のドーパント不純物を導入することによりN型不純物層14を形成することに主な特徴がある。
まず、図13(a)に示すように、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。素子分離領域12は、例えばSTI法により形成することができる。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜66を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜66をパターニングする。この際、P型コンタクト領域34aを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜66をパターニングする。こうして、P型ウェル34aを形成するための開口部68がフォトレジスト膜66に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜66をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にP型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば370keVとする。ドーズ量は、例えば1.5×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10内に、P型コンタクト領域34aが形成される。この後、フォトレジスト膜66を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜52を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜52をパターニングする。この際、コンタクト領域34が形成された領域がフォトレジスト膜52により覆われ、N型不純物層14を形成すべき領域がフォトレジスト膜52から露出するように、フォトレジスト膜52をパターニングする。こうして、N型不純物層14を形成するための開口部54がフォトレジスト膜52に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜52をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にN型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速電圧は、例えば360keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型不純物層14が形成される。この後、フォトレジスト膜52を剥離する。
この後の半導体装置の製造方法は、図11(a)乃至図12を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する(図14(a)乃至図15)。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による半導体装置及びその製造方法を図16乃至図19を用いて説明する。図16は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図16(a)は平面図であり、図16(b)は図16(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図15に示す第1乃至第3実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図16を用いて説明する。
本実施形態による半導体装置は、P型半導体基板10の全面にP型のドーパント不純物を導入し、この後、N型不純物層14aを形成すべき領域にN型のドーパント不純物を高濃度に導入することにより、P型コンタクト領域34a、P型不純物層70及びN型不純物層14aが形成されていることに主な特徴がある。
図16に示すように、N型ウェル16a〜16cの下側及びP型ウェル32a、32bの下側には、N型不純物層14aが形成されている。
P型ウェル32aが形成されている領域の直下におけるN型不純物層14aには、P型コンタクト領域34aが形成されている。P型ウェル32aは、P型コンタクト領域34aを介してP型半導体基板10に接続されている。
また、N型不純物層14aが形成されている領域の外側におけるP型半導体基板10内には、P型不純物層70が形成されている。P型ウェル32cは、P型不純物層70を介して、P型半導体基板10に接続されている。
P型コンタクト領域34a及びP型不純物層70は、P型半導体基板10の全面にP型のドーパント不純物を導入し、この後、P型コンタクト領域34aが形成されるべき領域を除く領域、及びP型不純物層70が形成されるべき領域を除く領域に、N型のドーパント不純物を高濃度に導入することにより形成されている。P型コンタクト領域34aにおける不純物濃度及びP型不純物層70における不純物濃度は、P型半導体基板10における不純物濃度より高くなっている。
P型ウェル32cの直下にP型不純物層70が形成されており、P型ウェル32aの直下にP型コンタクト領域34aが形成されているため、P型コンタクト層64、P型ウェル32c、P型不純物層70、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34aを介して、P型ウェル32aにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
このように、P型半導体基板10の全面にP型のドーパント不純物を導入し、この後、N型不純物層14aを形成すべき領域にN型のドーパント不純物を高濃度に導入することにより、P型コンタクト領域34a、P型不純物層70及びN型不純物層14aを形成するようにしてもよい。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図17乃至図19を用いて説明する。図17乃至図19は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図17(a)に示すように、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。素子分離領域12は、例えばSTI法により形成することができる。
次に、全面に、イオン注入法により、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にP型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば370keVとする。ドーズ量は、例えば1.5×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、P型不純物層72が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜52を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜52をパターニングする。この際、N型不純物層14aを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜52をパターニングする。こうして、N型不純物層14aを形成するための開口部54がフォトレジスト膜52に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜52をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にN型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速電圧は、例えば700keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10内に、N型不純物層14aが形成される。P型コンタクト領域34aを形成すべき領域にはN型のドーパント不純物を導入しないため、P型コンタクト領域34aを形成すべき領域には、P型不純物層72の一部より成るP型コンタクト領域34aが形成される。こうして、P型ウェル32aが形成される領域の直下に、P型コンタクト領域34aが選択的に形成される。また、N型不純物層14aの外側におけるP型半導体基板10内には、P型不純物層72の一部より成るP型不純物層70が形成される(図17(b)参照)。
次に、図4(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内にN型ウェル16a〜16cを形成する(図18(a)参照)。
次に、図8(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内にP型ウェル32a〜32cを形成する(図18(b)参照)。
この後の半導体装置の製造方法は、図8(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される(図19参照)。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による半導体装置及びその製造方法を図20乃至図23を用いて説明する。図20は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図20(a)は平面図であり、図20(b)は図20(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図19に示す第1乃至第4実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図20を用いて説明する。
本実施形態による半導体装置は、P型半導体基板10の全面にN型のドーパント不純物を導入し、この後、P型コンタクト領域34bを形成すべき領域及びP型不純物層70aを形成すべき領域にP型のドーパント不純物を高濃度に導入することにより、P型コンタクト領域34b、P型不純物層70a及びN型不純物層14bが形成されていることに主な特徴がある。
図20に示すように、N型ウェル16a〜16cの下側及びP型ウェル32a、32bの下側には、N型不純物層14bが形成されている。
P型ウェル32aが形成されている領域の直下におけるN型不純物層14bには、P型コンタクト領域34aが形成されている。P型ウェル32aは、P型コンタクト領域34bを介してP型半導体基板10に接続されている。
また、N型不純物層14bが形成されている領域の外側におけるP型半導体基板10内には、P型不純物層70aが形成されている。P型ウェル32cは、P型不純物層70aを介して、P型半導体基板10に接続されている。
P型コンタクト領域34b及びP型不純物層70aは、P型半導体基板10の全面にN型のドーパント不純物を導入し、この後、P型コンタクト領域34bが形成されるべき領域、及びP型不純物層70aが形成されるべき領域に、P型のドーパント不純物を高濃度に導入することにより形成されている。P型コンタクト領域34bにおける不純物濃度及びP型不純物層70aにおける不純物濃度は、P型半導体基板10における不純物濃度より高くなっている。
P型ウェル32cの直下にP型不純物層70aが形成されており、P型ウェル32aの直下にP型コンタクト領域34bが形成されているため、P型コンタクト層64、P型ウェル32c、P型不純物層70a、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34bを介して、P型ウェル32aにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
このように、P型半導体基板10の全面にN型のドーパント不純物を導入し、この後、P型コンタクト領域34bを形成すべき領域及びP型不純物層70aを形成すべき領域にP型のドーパント不純物を高濃度に導入することにより、P型コンタクト領域34b、P型不純物層70a及びN型不純物層14bを形成するようにしてもよい。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図21乃至図23を用いて説明する。図21乃至図23は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図21(a)に示すように、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。素子分離領域12は、例えばSTI法により形成することができる。
次に、全面に、イオン注入法により、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にN型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速電圧は、例えば700keVとする。ドーズ量は、例えば1.5×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型不純物層74が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜66aを形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜66aをパターニングする。この際、P型コンタクト領域34aを形成すべき領域、及び、P型不純物層70を形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜66aをパターニングする。こうして、P型ウェル34bを形成するための開口部68、及び、P型不純物層70aを形成するための開口部68aがフォトレジスト膜66aに形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜66aをマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に高濃度に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にP型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば370keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、P型ウェル32aが形成される領域の直下には、P型のドーパント不純物を高濃度に導入して成るP型コンタクト領域34aが選択的に形成される。また、N型不純物層14bの外側におけるP型半導体基板10内には、P型のドーパント不純物を高濃度に導入して成るP型不純物層70aが形成される(図21(b)参照)。
次に、図4(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内にN型ウェル16a〜16cを形成する(図22(a)参照)。
次に、図8(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、半導体基板10内にP型ウェル32a〜32cを形成する(図22(b)参照)。
この後の半導体装置の製造方法は、図8(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される(図23参照)。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による半導体装置及びその半導体装置の製造方法を図24乃至図27を用いて説明する。図24は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図24(a)は平面図であり、図24(b)は図24(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図23に示す第1乃至第5実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図24を用いて説明する。
本実施形態による半導体装置は、基板バイアス可変トランジスタとDTMOS(Dynamic Threshold MOS)トランジスタとが混載されていることに主な特徴がある。
DTMOSトランジスタとは、基板とゲート電極、より具体的には、ウェルとゲート電極とを電気的に接続したMOSトランジスタのことである。DTMOSトランジスタは、閾値電圧を動的に変化させることが可能なため、高周波特性に優れたデバイスを実現することが可能である。
図24に示すように、P型半導体基板10には、素子領域を画定する素子分離領域12aが形成されている。
素子分離領域12aは、後述するN型ウェル16d〜16g及びP型ウェル32d〜32gより深くまで形成されている。また、素子分離領域12は、後述するN型不純物層14cの上面より深くまで形成されている。
素子分離領域12aが形成されたP型半導体基板10内には、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型の不純物層(深いN型ウェル)14cが埋め込まれている。
N型不純物層14c上には、N型不純物層14cに接続されたN型ウェル16d〜16gが複数形成されている。N型不純物層14cは、複数のN型ウェル16d、16e、16gにバイアス電圧VB1を一括して印加するためのものである。
N型ウェル16e上には、PMOSトランジスタ22aが形成されている。また、N型ウェル16g上には、PMOSトランジスタ22cが形成されている。N型ウェル16e、16g上に形成されたPMOSトランジスタ22a、22cは、それぞれ基板バイアス可変トランジスタとして機能する。基板バイアス可変トランジスタとは、上述したように、待機時と動作時とでウェルに印加するバイアスを変化させて用いられるトランジスタのことである。
各々のPMOSトランジスタ22a、22cは、ゲート絶縁膜24を介して形成されたゲート電極26と、ゲート電極26の側壁部分に形成されたサイドウォール絶縁膜28と、ゲート電極26の両側の半導体基板10内に形成されたLDD構造のソース/ドレイン拡散層30とを有している。
N型ウェル16dの表面には、N型のコンタクト層18が形成されている。N型コンタクト層18は、バイアス入力端子20に接続されている。バイアス入力端子20に印加されるバイアス電圧VB1は、PMOSトランジスタ22a、22cの動作状態に応じて適宜設定される。即ち、バイアス入力端子20には、可変バイアスVB1が印加される。バイアス入力端子20にバイアス電圧VB1を印加すると、N型コンタクト層18、N型ウェル16d及びN型不純物層14cを介して、N型ウェル16e及びN型ウェル16gにバイアス電圧VB1が印加される。このように、本実施形態では、P型半導体基板10にN型不純物層14cが埋め込まれているため、N型不純物層14cを介して複数のN型ウェル16e、16gに一括してバイアス電圧VB1を印加することが可能である。
N型不純物層14c内には、P型不純物層76a、76bが形成されている。P型不純物層76aは、P型ウェル32d及びP型ウェル32eが形成される領域の直下に形成されている。P型不純物層76bは、N型ウェル16f及びP型ウェル32gが形成される領域の直下に形成されている。
P型不純物層76a上には、P型ウェル32d及びP型ウェル32eが形成されている。P型ウェル32dとP型ウェル32eとは、P型不純物層76aにより互いに電気的に接続されている。なお、P型ウェル32d及びP型ウェル32eは、図示しない領域における半導体基板10内にも多数形成されているが、ここでは省略されている。
P型不純物層76aが形成されている領域の直下におけるN型不純物層14cには、P型コンタクト領域34が選択的に形成されている。P型コンタクト領域34は、P型不純物層76aとP型半導体基板10とを接続するためのものである。P型ウェル32d及びP型ウェル32eは、P型不純物層76a及びP型コンタクト領域34を介してP型半導体基板10に接続されている。P型コンタクト領域34は、例えば円柱状に形成されている。P型コンタクト領域34は、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入してN型不純物層14cを形成する際に、N型のドーパント不純物を部分的に導入しないようにすることにより形成されている。このため、P型コンタクト領域34における不純物濃度と半導体基板10における不純物濃度とは、互いに等しくなっている。
半導体基板10の裏面側は、バイアス入力端子36に接続されている。バイアス入力端子36に印加されるバイアス電圧VB2は、NMOSトランジスタの動作状態に応じて適宜設定される。即ち、バイアス入力端子36には、可変バイアスVB2が印加される。バイアス入力端子36にバイアス電圧VB2を印加すると、P型半導体基板10、P型コンタクト領域34及びP型不純物層76aを介して、P型ウェル32d及びP型ウェル32eにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
P型ウェル32d、32e上に形成されたNMOSトランジスタ38a、38bは、それぞれ基板バイアス可変トランジスタとして機能する。
N型不純物層14c上には、P型ウェル32fが形成されている。P型ウェル32fは、素子分離領域12a及びN型不純物層14cにより、P型ウェル32e、P型不純物層76a、76b及びP型半導体基板10から電気的に分離されている。
P型ウェル32f上には、NMOSトランジスタ38dが形成されている。NMOSトランジスタ38dは、ゲート絶縁膜24を介して形成されたゲート電極26と、ゲート電極26の側壁部分に形成されたサイドウォール絶縁膜28と、ゲート電極26の両側の半導体基板10内に形成されたLDD構造のソース/ドレイン拡散層46とを有している。ゲート電極26とP型ウェル32fとは電気的に接続されている(図示せず)。NMOSトランジスタ38dは、DTMOSトランジスタとして動作する。DTMOSトランジスタとは、上述したように、基板とゲート電極、より具体的には、ウェルとゲート電極とを電気的に接続したMOSトランジスタのことである。DTMOSトランジスタは、閾値電圧を動的に変化させることが可能なため、高周波特性に優れたデバイスを実現することが可能である。P型ウェル32fが、素子分離領域12a及びN型不純物層14cにより、P型ウェル32e及びP型半導体基板10から分離されているため、NMOSトランジスタ38dのゲート電極26とP型ウェル32fとを電気的に接続しても、特段の問題は生じない。
P型不純物層76b上には、N型ウェル16fとP型ウェル32gとが形成されている。
N型ウェル16f上には、PMOSトランジスタ22dが形成されている。PMOSトランジスタ22dは、ゲート絶縁膜24を介して形成されたゲート電極26と、ゲート電極26の側壁部分に形成されたサイドウォール絶縁膜28と、ゲート電極26の両側の半導体基板10内に形成されたLDD構造のソース/ドレイン拡散層30とを有している。ゲート電極26とN型ウェル16fとは電気的に接続されている(図示せず)。PMOSト
ランジスタ22dは、DTMOSトランジスタとして動作する。N型ウェル16fが、素子分離領域12a及びP型不純物層76bにより、N型不純物層14cから分離されているため、PMOSトランジスタ22dのゲート電極26とN型ウェル16fとを電気的に接続しても、特段の問題は生じない。
P型ウェル32gの表面には、P型のコンタクト層48が形成されている。P型コンタクト層48は、バイアス入力端子50に接続されている。バイアス入力端子50には、固定バイアスVFが印加される。バイアス入力端子50にバイアス電圧VFを印加すると、P型コンタクト層48、P型ウェル32gを介して、P型不純物層16cにバイアス電圧VFが印加される。なお、P型不純物層16cにバイアス電圧VFを印加するのは、電位の不安定化により、電気的に分離した領域同士のリーク電流やブレークダウンが発生する現象を防止するためである。
このように、基板バイアス可変トランジスタ22a、22c、38a、38bとDTMOSトランジスタ22d、38dとを混載するようにしてもよい。本実施形態の場合にも、P型ウェル32d、32eの直下におけるN型不純物層14cにP型コンタクト領域34が形成されているため、P型半導体基板10、P型コンタクト領域34及びP型不純物層76aを介して、P型ウェル32d、32eにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図25乃至図27を用いて説明する。図25乃至図27は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図25(a)に示すように、素子領域を画定する素子分離領域12aを形成する。素子分離領域12aは、例えばSTI法により形成することができる。素子分離領域12aを形成する際には、後工程で形成するN型不純物層14cの上面より深くまで達するように、素子分離領域12aを形成する。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜80を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜80をパターニングする。こうして、N型不純物層78a、78bを形成するための開口部82bがフォトレジスト膜80に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜80をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域にN型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速電圧は、例えば800keVとする。ドーズ量は、例えば1.5×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型不純物層78a、78bが形成される。P型コンタクト領域34を形成すべき領域にはN型のドーパント不純物を導入しないため、P型コンタクト領域34を形成すべき領域にP型コンタクト領域34が形成される。この後、フォトレジスト膜80を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜84を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜84をパターニングする。こうして、P型不純物層76aを形成するための開口部86a、及びP型不純物層76bを形成するための開口部86bが、フォトレジスト膜84に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜84をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域であって、且つ、N型不純物層78a、78bより浅い領域に、P型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば250keVとする。ドーズ量は、例えば2.0×1013cm−2とする。こうして、P型ウェル32d、32eが形成される領域の直下に、P型不純物層76aが形成される。また、N型ウェル16fが形成される領域の直下及びP型ウェル32gが形成される領域の直下に、P型不純物層76bが形成される(図25(b)参照)。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜88を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜88をパターニングする。この際、N型ウェル16d、16eが形成される領域、P型ウェル32fが形成される領域、及びN型ウェル16gが形成される領域が露出するように、フォトレジスト膜88をパターニングする。こうして、N型のドーパント不純物を導入するための開口部90a、90b、90cが、フォトレジスト膜88に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜88をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に高濃度に導入する。この際、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型のドーパント不純物が導入されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速電圧は、例えば600keVとする。ドーズ量は、例えば1.5×1013cm−2とする。こうして、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型不純物層14cが形成される。P型不純物層76aは、P型コンタクト領域34を介してP型半導体基板10に接続される(図25(b)参照)。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜92を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜92をパターニングする。この際、N型ウェル16d、16eを形成すべき領域、N型ウェル16fを形成すべき領域、及びN型ウェル16gを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜92をパターニングする。こうして、N型ウェル16d〜16gを形成するための開口部94a〜94cがフォトレジスト膜92に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜92をマスクとして、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、素子分離領域12aより浅い領域にN型ウェル16d〜16gが形成されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。加速電圧は、例えば200keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、N型不純物層14c上にN型ウェル16d、16e、16gが形成され、P型不純物層76b上にN型ウェル16fが形成される(図26(b)参照)。この後、フォトレジスト膜92を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜96を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜96をパターニングする。この際、P型ウェル32d〜32fを形成すべき領域、及び、P型ウェル32gを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜96をパターニングする。こうして、P型ウェル32d〜32gを形成するための開口部98a、98bがフォトレジスト膜96に形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜96をマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、素子分離領域12aより浅い領域にP型ウェル32d〜32gが形成されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば80keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、P型不純物層76a上にP型ウェル32d、32eが形成され、N型不純物層14c上にP型ウェル32fが形成され、P型不純物層76b上にP型ウェル32gが形成される(図27(a)参照)。この後、フォトレジスト膜96を剥離する。
次に、全面に、例えば熱酸化法により、ゲート絶縁膜24を形成する。
次に、全面に、例えばCVD法により、ポリシリコン膜26を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜26をパターニングする。これにより、ポリシリコンより成るゲート電極26が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ22a、22c、22dが形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、P型の低濃度拡散層30aが形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ38a、38b、38dが形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。これにより、N型の低濃度拡散層46aが形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン酸化膜28を形成する。
次に、シリコン酸化膜28を異方性エッチングする。これにより、ゲート電極の側壁部分に、シリコン酸化膜より成るサイドウォール絶縁膜28が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ22a、22c、22dが形成される領域及びP型コンタクト層48が形成される領域を露出する開口部(図示せず)を、フォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、P型の高濃度拡散層30bとP型のコンタクト層48とが形成される。P型の低濃度拡散層30aとP型の高濃度拡散層30bとにより、LDD構造のソース/ドレイン拡散層30が構成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ38a、38b、38dが形成される領域及びN型コンタクト層18が形成される領域を露出する開口部(図示せず)を、フォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。こうして、N型の高濃度拡散層46bとN型のコンタクト層18とが形成される。N型の低濃度拡散層46aとN型の高濃度拡散層46bとにより、LDD構造のソース/ドレイン拡散層46が構成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
こうして、N型ウェル16e、16f、16g上に、ゲート電極26と、ソース/ドレイン拡散層30とを有するPMOSトランジスタ22a、22d、22cがそれぞれ形成される。また、P型ウェル32d、32e、32f上に、ゲート電極26とソース/ドレイン拡散層46とを有するNMOSトランジスタ38a、38b、38dがそれぞれ形成される。また、N型ウェル16d上に、N型コンタクト層18が形成される。また、P型ウェル32g上に、P型コンタクト層48が形成される。
N型コンタクト層18は、バイアス入力端子20に接続される。また、半導体基板10の裏面側は、他のバイアス入力端子36に接続される。また、P型コンタクト層48は、更に他のバイアス入力端子50に接続される。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される(図27(b)参照)。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による半導体装置及びその製造方法を図28乃至図31を用いて説明する。図28は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図28(a)は平面図であり、図28(b)は図28(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図27に示す第1乃至第6実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図28を用いて説明する。図28は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図28(a)は平面図であり、図28(b)は図28(a)のA−A′線断面図である。
本実施形態による半導体装置は、P型半導体基板10にP型ウェル32hが更に形成されており、P型ウェル32hの表面にP型コンタクト層64が更に形成されており、P型ウェル32h及びP型コンタクト層64を介して、P型半導体基板10がバイアス入力端子36aに接続されることに主な特徴がある。
図28に示すように、N型ウェル16dの紙面左側におけるP型半導体基板10内には、P型ウェル32hが形成されている。
P型ウェル32hの表面には、P型コンタクト層64が形成されている。P型コンタクト層64は、バイアス入力端子36aに接続される。バイアス入力端子36aに印加されるバイアス電圧VB2は、NMOSトランジスタの動作状態に応じて適宜設定される。即ち、バイアス入力端子36aには、可変バイアスVB2が印加される。バイアス入力端子36aにバイアス電圧VB2を印加すると、P型コンタクト層64、P型ウェル32h、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34を介して、P型ウェル32d、32eにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
このように、P型半導体基板10にP型ウェル32hを更に形成し、P型ウェル32hの表面にP型コンタクト層64を更に形成し、P型ウェル32h及びP型コンタクト層64を介して、P型半導体基板10がバイアス入力端子36aに接続されるようにしてもよい。本実施形態の場合にも、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34を介して、P型ウェル32d、32eにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図29乃至図31を用いて説明する。図29乃至図31は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図29(a)に示すように、素子領域を画定する素子分離領域12aを形成する。素子分離領域12aは、例えばSTI法により形成することができる。
次に、図25(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、N型不純物層78a、78bを形成する(図29(a)参照)。
次に、図25(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、P型不純物層76a、76bを形成する(図29(b)参照)。
次に、図26(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。こうして、半導体基板10の表面から離間した深い領域に、N型不純物層14cが形成される(図30(a)参照)。
次に、図26(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、N型ウェル16d〜16gを形成する(図30(b)参照)。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜96aを形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜96aをパターニングする。この際、P型ウェル32d〜32fを形成すべき領域、P型ウェル32gを形成すべき領域、及び、P型ウェル32hを形成すべき領域が露出するように、フォトレジスト膜96aをパターニングする。こうして、P型ウェル32d〜32fを形成するための開口部98a、P型ウェル32gを形成するための開口部98b、及びP型ウェル32hを形成するための開口部98cが、フォトレジスト膜96aに形成される。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜96aをマスクとして、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。この際、素子分離領域12aより浅い領域にP型ウェル32d〜32hが形成されるように、イオン注入条件を設定する。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。ドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。加速電圧は、例えば80keVとする。ドーズ量は、例えば3.0×1013cm−2とする。こうして、P型不純物層76a上にP型ウェル32d、32eが形成され、N型不純物層14c上にP型ウェル32fが形成され、P型不純物層76b上にP型ウェル32gが形成され、P型半導体基板10内にP型ウェル32hが形成される(図31(a)参照)。この後、フォトレジスト膜96aを剥離する。
次に、全面に、例えば熱酸化法により、ゲート絶縁膜24を形成する。
次に、全面に、例えばCVD法により、ポリシリコン膜26を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜26をパターニングする。これにより、ポリシリコンより成るゲート電極26が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ22a、22c、22dが形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、P型の低濃度拡散層30aが形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ38a、38b、38dが形成される領域を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。これにより、N型の低濃度拡散層46aが形成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン酸化膜28を形成する。
次に、シリコン酸化膜28を異方性エッチングする。これにより、ゲート電極の側壁部分に、シリコン酸化膜より成るサイドウォール絶縁膜28が形成される。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ22a、22c、22dが形成される領域、P型コンタクト層48が形成される領域、及びP型コンタクト層64が形成される領域を露出する開口部(図示せず)を、フォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、P型の高濃度拡散層30b、P型のコンタクト層48、及びP型のコンタクト層64が形成される。P型の低濃度拡散層30aとP型の高濃度拡散層30bとにより、LDD構造のソース/ドレイン拡散層30が構成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、全面に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ38a、38b、38dが形成される領域及びN型コンタクト層18が形成される領域を露出する開口部(図示せず)を、フォトレジスト膜に形成する。
次に、イオン注入法により、フォトレジスト膜をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。こうして、N型の高濃度拡散層46bとN型のコンタクト層18とが形成される。N型の低濃度拡散層46aとN型の高濃度拡散層46bとにより、LDD構造のソース/ドレイン拡散層46が構成される。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
こうして、N型ウェル16e、16f、16g上に、ゲート電極26と、ソース/ドレイン拡散層30とを有するPMOSトランジスタ22a、22d、22cがそれぞれ形成される。また、P型ウェル32d、32e、32f上に、ゲート電極26とソース/ドレイン拡散層46とを有するNMOSトランジスタ38a、38b、38dがそれぞれ形成される。また、N型ウェル16d上に、N型コンタクト層18が形成される。また、P型ウェル32g上に、P型コンタクト層48が形成される。また、P型ウェル32h上に、P型コンタクト層64が形成される。
N型コンタクト層18は、バイアス入力端子20に接続される。また、P型コンタクト層64は、他のバイアス入力端子36aに接続される。また、P型コンタクト層48は、更に他のバイアス入力端子50に接続される。
こうして本実施形態による半導体装置が製造される(図31(b)参照)。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態による半導体装置を図32を用いて説明する。図32は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図32(a)は平面図であり、図32(b)は図32(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図31に示す第1乃至第7実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置は、P型ウェル32i〜32kのパターンの形状が帯状に設定されていることに主な特徴がある。
図32に示すように、半導体基板10には、P型ウェル32i〜32kが帯状に形成されている。P型ウェル32i〜32kには、NMOSトランジスタ38aがそれぞれ形成されている。
また、半導体基板10には、N型ウェル16a、16h〜16jが形成されている。N型ウェル16a、16h〜16jには、PMOSトランジスタ22aがそれぞれ形成されている。N型ウェル16aの表面には、N型コンタクト層18が形成されている。N型コンタクト層18は、バイアス入力端子20に接続されている。
また、半導体基板10には、P型ウェル32cが形成されている。P型ウェル32cの表面には、P型コンタクト層64が形成されている。P型コンタクト層64は、バイアス入力端子36aに接続されている。
N型ウェル16a、16h〜16jの下側及びP型ウェル32i〜32kの下側には、N型不純物層14aが形成されている。
P型ウェル32i〜32kが形成されている領域の直下におけるN型不純物層14aには、P型コンタクト領域34aが形成されている。P型ウェル32i〜32kは、P型コンタクト領域34aを介してP型半導体基板10に接続されている。
また、N型不純物層14aが形成されている領域の外側におけるP型半導体基板10内には、P型不純物層70が形成されている。P型ウェル32cは、P型不純物層70を介して、P型半導体基板10に接続されている。
P型コンタクト領域34a及びP型不純物層70は、P型半導体基板10の全面にP型のドーパント不純物を導入し、この後、P型コンタクト領域34aが形成されるべき領域を除く領域、及びP型不純物層70が形成されるべき領域を除く領域に、N型のドーパント不純物を高濃度に導入することにより形成されている。P型コンタクト領域34aにおける不純物濃度及びP型不純物層70における不純物濃度は、P型半導体基板10における不純物濃度より高くなっている。
P型ウェル32cの直下にP型不純物層70が形成されており、P型ウェル32i〜32kの直下にそれぞれP型コンタクト領域34aが形成されているため、P型コンタクト層64、P型ウェル32c、P型不純物層70、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34aを介して、P型ウェル32i〜32kにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
N型ウェル16a、16h〜16jがN型不純物層14aにより互いに接続されており、N型不純物層14aがN型ウェル16a及びN型コンタクト層18を介してバイアス印加端子20に接続されているため、N型ウェル16a、16h〜16jに一括してバイアス電圧VB1を印加することが可能である。
本実施形態のように、P型ウェル32i〜32kのパターンの形状を帯状に設定してもよい。
[第9実施形態]
本発明の第9実施形態による半導体装置及を図33を用いて説明する。図33は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図33(a)は平面図であり、図33(b)は図33(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図32に示す第1乃至第8実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置は、P型ウェル32a〜32c、32l〜32nのパターンが形状やサイズ等が適宜設定されていることに主な特徴がある。
図33に示すように、半導体基板10には、P型ウェル32a、32b、32l〜32nが形成されている。P型ウェル32lは、帯状に形成されている。P型ウェル32mの面積は、小さめに設定されている。P型ウェル32nは、線状に形成されている。各々のP型ウェル32a、32b、32m、32nには、NMOSトランジスタ38a〜38cが形成されている。
また、半導体基板10には、N型ウェル16a〜16c、16kが形成されている。各々のN型ウェル16a〜16c、16kには、PMOSトランジスタ22a〜22cが形成されている。N型ウェル16aの表面には、N型コンタクト層18が形成されている。N型コンタクト層18は、バイアス入力端子20に接続されている。
また、半導体基板10には、P型ウェル32cが形成されている。P型ウェル32cの表面には、P型コンタクト層64が形成されている。P型コンタクト層64は、バイアス入力端子36aに接続されている。
N型ウェル16a〜16c、16kの下側及びP型ウェル32a〜32c、32lの下側には、N型不純物層14dが形成されている。
P型ウェル32a、32c、32m、32nが形成されている領域の直下におけるN型不純物層14dには、P型コンタクト領域34が形成されている。P型コンタクト領域34は、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入してN型不純物層14を形成する際に、N型のドーパント不純物を部分的に導入しないようにすることにより形成されている。このため、P型コンタクト領域34における不純物濃度と半導体基板10における不純物濃度とは、互いに等しくなっている。P型ウェル32a、32c、32m、32nは、P型コンタクト領域34を介してP型半導体基板10に接続されている。
P型ウェル32a、32c、32m、32nがP型コンタクト領域34及びP型半導体基板10を介して互いに接続されており、P型ウェル32cがP型コンタクト層64を介してバイアス入力端子36aに接続されているため、P型コンタクト層64、P型ウェル32c、P型コンタクト領域34、P型半導体基板10及びP型コンタクト領域34を介して、P型ウェル32a、32m、32nにバイアス電圧VB2を印加することが可能である。
また、N型ウェル16a〜16c、16kがN型不純物層14cにより互いに接続されており、N型不純物層14cがN型ウェル16a及びN型コンタクト層18を介してバイアス印加端子20に接続されているため、N型ウェル16a〜16c、16kに一括してバイアス電圧VB1を印加することが可能である。
本実施形態のように、P型ウェル32a〜32c、32l〜32nのパターンの形状やサイズ等を適宜設定してもよい。
[第10実施形態]
本発明の第10実施形態による半導体装置の設計方法、及び、その設計方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを図34乃至図41を用いて説明する。図34は、本実施形態による半導体装置の設計方法を示すフローチャートである。より具体的には、図34は、本実施形態による半導体装置の設計方法を実行するコンピュータプログラムのアルゴリズムを示している。図35乃至図41は、本実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図である。図1乃至図33に示す第1乃至第9実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の設計方法は、第1乃至第9実施形態のいずれかによる半導体装置を設計する際に適用することが可能である。また、本実施形態による半導体装置の設計方法は、第1乃至第9実施形態による半導体装置を設計する場合に限定されるものではなく、他のあらゆる半導体装置を設計する際に適宜用いることが可能である。
本実施形態による半導体装置の設計方法は、例えば、本実施形態による設計方法を実行するためのコンピュータプログラムがインストールされた半導体設計用装置(CAD)を用いて、実行することが可能である。かかるコンピュータプログラムは、例えば、CD−ROM等の記憶媒体により提供することが可能である。また、かかるコンピュータプログラムを、半導体設計用装置に予めインストールしておいてもよい。
まず、図34及び35(a)に示すように、P型半導体基板10内に埋め込まれるN型不純物層14のパターンのレイアウトを行う(ステップS1)。
次に、図35(b)に示すように、N型不純物層14上に形成されるN型ウェル16のパターンのレイアウトを行う(ステップS2)。
次に、図35(c)に示すように、N型不純物層14上に形成されるP型ウェル32a、32bのパターンのレイアウトを行う(ステップS3)。
なお、ここでは、N型ウェル16のパターンのレイアウトを行った後に、P型ウェル32a、32bのパターンのレイアウトを行う場合を例に説明したが、P型ウェル32a、32bのパターンのレイアウトを行った後に、N型ウェル16のパターンのレイアウトを行ってもよい。
次に、図36(a)に示すように、P型コンタクト領域34のパターンのレイアウトを行う(ステップS4)。この際、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14にP型コンタクト領域34が選択的に形成されるように、P型コンタクト領域34のパターンのレイアウトを行う。なお、P型ウェル32bの直下におけるN型不純物層14には、P型コンタクト領域34を形成しない。P型ウェル32bは、P型半導体基板10から電気的に分離する必要があるためである。
次に、P型ウェル32aが形成される領域内におけるP型コンタクト領域34の面積の総和Aを算出する。そして、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)(所定のパラメータ)を算出する(ステップS5)。こうして、所定のパラメータに関する演算が行われる。
次に、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が、所定の範囲内であるか否か、即ち、所定の設計基準を満たしているか否かを判断する(ステップS6)。
P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が小さすぎる場合、即ち、かかる割合(A/B)が所定の設計基準の下限値より小さい場合には、P型ウェル32aとP型半導体基板10との間の電気抵抗が大きくなりすぎ、P型ウェル32aに所望のバイアス電圧VB2を印加することが困難となる。
一方、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が大きすぎる場合、即ち、かかる割合(A/B)が所定の設計基準の上限値より大きい場合には、N型不純物層14における面内方向における電気抵抗が大きくなりすぎ、N型ウェル16に所望のバイアス電圧VB1を印加することが困難となる。
従って、P型コンタクト領域34を形成する際には、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が所定の設計基準を満たすようにすることが必要である。
P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が、所定の設計基準を満たしている場合には、P型コンタクト領域34のパターンのレイアウトを行うステップが終了する。
一方、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が、所定の設計基準を満たしていない場合には、P型コンタクト領域34の追加、削減、変形、移動等を行う(ステップS7)。
P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が所定の設計基準の下限値より小さい場合には、図36に示すように、P型コンタクト領域34の数を増加させる。図36(a)は、P型コンタクト領域34を追加する前の状態を示しており、図36(b)は、P型コンタクト領域34を追加した後の状態を示している。図36(b)のP型コンタクト領域34(add)は、追加されたP型コンタクト領域を示している。P型コンタクト領域34の数を増加させれば、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)を大きくすることが可能である。
また、図37に示すように、P型コンタクト領域34を変形させてもよい。図37(a)は、P型コンタクト領域を変形させる前の状態を示しており、図37(b)は、P型コンタクト領域を変形させた後の状態を示している。図37(b)に示すP型コンタクト領域34(mod)は、変形されたP型コンタクト領域を示している。P型コンタクト領域34の面積が大きくなるようにP型コンタクト領域34を変形させれば、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)を大きくすることが可能である。
また、図38に示すように、P型コンタクト領域34を移動させてもよい。図38(a)は、P型コンタクト領域を移動させる前の状態を示しており、図38(b)は、P型コンタクト領域を移動させる際の状態を示しており、図38(c)は、P型コンタクト領域を移動させた後の状態を示している。図38(b)及び図38(c)に示すP型コンタクト領域34(mov)は、移動したP型コンタクト領域を示している。例えば、図38(a)に示すように、P型コンタクト領域34の一部がP型ウェル32aが形成される領域の外側にはみ出している場合には、かかるP型コンタクト領域34をP型ウェル32aが形成される領域の内側に移動させればよい(図38(b)参照)。コンタクト領域34を移動させることによっても、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)を大きくすることが可能である(図38(c)参照)。
一方、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が所定の設計基準の上限値より大きい場合には、図39に示すように、P型ウェル32aが形成される領域内に形成されるコンタクト領域34の数を削減する。図39(a)は、P型コンタクト領域の数を削減する前の状態を示しており、図39(b)は、P型コンタクト領域の数を削減する際の状態を示しており、図39(c)は、P型コンタクト領域の数を削減した後の状態を示している。図39(b)に示すP型コンタクト領域34(del)は、削除の対象となるP型コンタクト領域を示している。このように、P型コンタクト領域34の数を削減すれば、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)を小さくすることが可能である
また、図40に示すように、P型コンタクト領域34を変形させてもよい。図40(a)は、P型コンタクト領域を変形させる前の状態を示しており、図40(b)は、P型コンタクト領域を変形させた後の状態を示している。図40(b)に示すP型コンタクト領域34(mod)は、変形後のP型コンタクト領域を示している。このように、コンタクト領域34の面積が小さくなるようにコンタクト領域34を変形させることによっても、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)を小さくすることが可能である。
また、図41に示すように、コンタクト領域34を移動させてもよい。図41(a)は、P型コンタクトを移動させる前の状態を示しており、図41(b)は、P型コンタクト領域を移動させる際の状態を示しており、図41(c)は、P型コンタクト領域を移動させた後の状態を示している。図41(b)及び図41(c)のP型コンタクト領域34(mov)は、移動したP型コンタクト領域を示している。例えば、P型ウェル32aが形成される領域内に形成されるコンタクト領域34の一部が、P型ウェル32aが形成される領域の外側にはみ出すように、コンタクト領域34を移動させてもよい(図41(b)及び図41(c)参照)。P型コンタクト領域34の一部がP型ウェル32aが形成される領域の外側にはみ出すように、P型コンタクト領域34を移動させることによっても、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)を小さくすることが可能である。
P型コンタクト領域34の追加、削減、変形、移動等(ステップS7)を行った後には、上記と同様にして、P型ウェル32aが形成される領域内におけるコンタクト領域34の面積の総和Aを再度算出する。そして、上記と同様にして、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)を算出する(ステップS5)。
次に、上記と同様にして、P型ウェル32aの面積Bに対するコンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が、所定の範囲内であるか否か、即ち、所定の設計基準を満たしているか否かを判断する(ステップS6)。
P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が、所定の設計基準を満たさない場合には、P型コンタクト領域34の追加、削減、変形、移動等(ステップS7)を更に行う。
一方、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が、所定の設計基準を満たすようになった場合には、P型コンタクト領域34のパターンのレイアウトを行うステップが終了する。
このように、本実施形態によれば、P型ウェル32aのパターン、コンタクト領域34のパターン等に基づいて所定のパラメータ(A/B)の演算を行い、所定のパラメータが所定の設計基準を満たすか否かを判断し、所定のパラメータが所定の設計基準を満たさない場合には、所定のパラメータが所定の設計基準を満たすようにP型コンタクト領域34の追加、削除、変形、移動等を行うため、半導体装置の設計を容易に行うことができる。
(変形例)
次に、本実施形態による半導体装置の設計方法の変形例、及び、その設計方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムの変形例を図35乃至図42を用いて説明する。図42は、本変形例による半導体装置の設計方法を示すフローチャートである。より具体的には、図42は、本実施形態による半導体装置の設計方法を実行するコンピュータプログラムのアルゴリズムを示している。
まず、図42及び図35(a)に示すように、P型半導体基板10内に埋め込まれるN型不純物層14のパターンのレイアウトを行う(ステップS11)。ステップS11は、図34を用いて上述したステップS1と同様である。
次に、図35(b)に示すように、N型不純物層14上に形成されるN型ウェル16のパターンのレイアウトを行う(ステップS12)。ステップS12は、図34を用いて上述したステップS2と同様である。
次に、図35(c)に示すように、N型不純物層14上に形成されるP型ウェル32a、32bのパターンのレイアウトを行う(ステップS13)。ステップS13は、図34を用いて上述したステップS3と同様である。
なお、ここでは、N型ウェル16のパターンのレイアウトを行った後に、P型ウェル32a、32bのパターンのレイアウトを行う場合を例に説明したが、P型ウェル32a、32bのパターンのレイアウトを行った後に、N型ウェル16のパターンのレイアウトを行ってもよい。
次に、図36(a)に示すように、P型コンタクト領域34のパターンのレイアウトを行う(ステップS14)。ステップS14は、図34を用いて上述したステップS4と同様である。
次に、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンス(所定のパラメータ)を算出する(ステップS15)。こうして、所定のパラメータに関する演算が行われる。
次に、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが、所定の範囲内であるか否か、即ち、所定の設計基準を満たしているか否かを判断する(ステップS16)。
P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが小さすぎる場合、即ち、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準の下限値より小さい場合には、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が小さすぎる場合と同様に、P型ウェル32aとP型半導体基板10との間の電気抵抗が大きくなりすぎ、P型ウェル32aに所望のバイアス電圧VB2を印加することが困難となる。
一方、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが大きすぎる場合、即ち、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準の上限値より大きい場合には、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)が大きすぎる場合と同様に、N型不純物層14における面内方向における電気抵抗が大きくなりすぎ、N型ウェル16に所望のバイアス電圧VB1を印加することが困難となる虞がある。
従って、P型コンタクト領域34を形成する際には、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準を満たすようにすることが必要である。
P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが、所定の設計基準を満たしている場合には、P型コンタクト領域34のパターンのレイアウトを行うステップが終了する。
一方、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが、所定の設計基準を満たしていない場合には、P型コンタクト領域34の追加、削減、変形、移動等を行う(ステップS17)。
P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが所定の設計基準の下限値より小さい場合には、図36に示すように、P型コンタクト領域34の数を増加させる。P型コンタクト領域34の数を増加させれば、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスを大きくすることが可能である。
また、図37に示すように、P型コンタクト領域34を変形させてもよい。P型コンタクト領域34の面積が大きくなるようにP型コンタクト領域34を変形させれば、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスを大きくすることが可能である。
また、図38に示すように、P型コンタクト領域34を移動させてもよい。コンタクト領域34を移動させることによっても、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスを大きくすることが可能である。
一方、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが設計基準の上限値より大きい場合には、図39に示すように、P型ウェル32aが形成される領域内に形成されるコンタクト領域34の数を削減する。P型コンタクト領域34の数を削減すれば、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスを小さくすることが可能である
また、図40に示すように、P型コンタクト領域34を変形させてもよい。コンタクト領域34の面積が小さくなるようにコンタクト領域34を変形させることによっても、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスを小さくすることが可能である。
また、図41に示すように、コンタクト領域34を移動させてもよい。P型コンタクト領域34の一部がP型ウェル32aが形成される領域の外側にはみ出すように、P型コンタクト領域34を移動させることによっても、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスを小さくすることが可能である。
P型コンタクト領域34の追加、削減、変形、移動等(ステップS17)を行った後には、上記と同様にして、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスを再度算出する(ステップS15)。
次に、上記と同様にして、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが、所定の範囲内であるか否か、即ち、所定の設計基準を満たしているか否かを判断する(ステップS16)。
P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが、所定の設計基準を満たさない場合には、P型コンタクト領域34の追加、削減、変形、移動等(ステップS17)を更に行う。
一方、P型ウェル32aと半導体基板10との間のコンダクタンスが、所定の設計基準を満たすようになった場合には、P型コンタクト領域34のパターンのレイアウトを行うステップが終了する。
このように、本変形例によれば、P型ウェル32aのパターン、P型コンタクト領域34のパターン等に基づいて、所定のパラメータ(コンダクタンス)の演算を行い、所定のパラメータが所定の設計基準を満たすか否かを判断し、所定のパラメータが所定の設計基準を満たさない場合には、所定のパラメータが所定の設計基準を満たすようにP型コンタクト領域34の追加、削除、変形、移動等を行う。このため、本変形例によっても、半導体装置の設計を容易に行うことができる。
[第11実施形態]
本発明の第11実施形態による半導体装置及を図44を用いて説明する。図44は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図44(a)は平面図であり、図44(b)は図44(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図43に示す第1乃至第10実施形態による半導体装置及びその製造方法等と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置は、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34の面積の総和が、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34を除く領域の面積より小さく設定されていることに主な特徴がある。
図44に示すように、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14には、P型コンタクト領域34が選択的に形成されている。ここでは、P型コンタクト領域34の平面形状は、長方形に設定されている。
N型不純物層14は、P型ウェル32aの直下のみならず、N型ウェル16bの直下にも形成されている。P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14とN型ウェル16bの直下におけるN型不純物層14とは、一体に形成されている。
図45は、比較例(その1)による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図45(a)は平面図であり、図45(b)は図45(b)のA−A′線断面図である。図45に示す比較例による半導体装置では、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34の面積の総和がP型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34を除く領域の面積に対して極めて大きく設定されているため、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14の面内方向における電気抵抗が非常に大きくなっている。また、N型ウェル16bとN型不純物層14とがN型ウェル16bの縁部においてのみ接続されているため、N型ウェル16bの近傍領域におけるN型不純物層14等の電気抵抗が非常に大きくなっている。このため、図45に示す比較例(その1)による半導体装置では、バイアス入力端子20に直接接続されたN型ウェル16aに印加されるバイアス電圧と、バイアス入力端子20から比較的離間した位置に配されたN型ウェル16bに印加されるバイアス電圧との間に、大きな差が生じてしまう。
これに対し、本実施形態では、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34の面積の総和が、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34を除く領域の面積より小さく設定されているため、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14の面内方向における電気抵抗を十分に小さく設定することができる。しかも、N型不純物層14は、P型ウェル32aの直下のみならず、N型ウェル16bの直下にも形成されており、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14とN型ウェル16bの直下におけるN型不純物層14とは一体に形成されている。このため、本実施形態によれば、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗を比較的小さく抑えることができる。従って、本実施形態によれば、N型ウェル16aとP型ウェル32aとに所望のバイアス電圧を印加し得るとともに、N型ウェル16bにも所望のバイアス電圧を確実に印加することができる。
(変形例(その1))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その1)を図46を用いて説明する。図46は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図46(a)は平面図であり、図46(b)は図46(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34の面積の総和が、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34を除く領域の面積より大きく設定されているが、N型不純物層14が、P型ウェル32aの直下のみならず、N型ウェル16bの直下にも形成されていることに主な特徴がある。
本変形例では、P型ウェル32aの直下においてはN型不純物層14の面内方向における電気抵抗は比較的大きいが、N型ウェル16bの直下においてはN型不純物層14の面内方向における電気抵抗は比較的小さい。
従って、本変形例によれば、図45に示す比較例による半導体装置と比較して、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗を小さく抑えることが可能となる。
このように、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34の面積の総和を、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34を除く領域の面積より大きく設定する一方で、P型ウェル32aの直下のN型不純物層14とN型ウェル16b直下のN型不純物層14とを一体に形成するようにしてもよい。
(変形例(その2))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その2)を図47を用いて説明する。図47は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図47(a)は平面図であり、図47(b)は図47(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34の面積の総和が、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34を除く領域の面積より小さく設定されているものの、N型ウェル16bとN型不純物層14とがN型ウェル16bの縁部においてのみ接続されていることに主な特徴がある。
本変形例では、N型ウェル16bの近傍領域におけるN型不純物層14等の電気抵抗は比較的大きいが、P型ウェル32aの直下においてはN型不純物層14の面内方向における電気抵抗は比較的小さい。
従って、本変形例によれば、図45に示す比較例による半導体装置と比較して、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗を小さく抑えることが可能となる。
このように、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34の面積の総和を、P型ウェル32aの直下におけるP型コンタクト領域34を除く領域の面積より小さく設定する一方で、N型ウェル16bとN型不純物層14とをN型ウェル16bの縁部においてのみ接続するようにしてもよい。
(変形例(その3))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その3)を図48を用いて説明する。図48は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図48(a)は平面図であり、図48(b)は図48(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、P型コンタクト領域34の平面形状が正方形に設定されており、P型コンタクト領域34がマトリクス状に配されていることに主な特徴がある。
図48に示すように、本変形例では、P型コンタクト領域34の平面形状は正方形に設定されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェルの直下におけるN型不純物層14に選択的に形成されている。P型コンタクト領域34は、マトリクス状に配されている。
このように、平面形状が正方形のP型コンタクト領域34をマトリクス状に配するようにしてもよい。
(変形例(その4))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その4)を図49を用いて説明する。図49は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図49(a)は平面図であり、図49(b)は図49(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、平面形状が正方形のP型コンタクト領域34が多数形成されており、P型コンタクト領域34の位置が所定の方向に徐々にずらして配されていることに主な特徴がある。
図49に示すように、本変形例では、P型コンタクト領域34の平面形状は正方形に設定されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェルの直下におけるN型不純物層14に選択的に形成されている。P型コンタクト領域34は、所定の方向に徐々にずらして配されている。
このように、平面形状が正方形のP型コンタクト領域34を所定の方向に徐々にずらして配するようにしてもよい。
(変形例(その5))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その5)を図50を用いて説明する。図50は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図50(a)は平面図であり、図50(b)は図50(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、P型コンタクト領域34の平面形状が円形に設定されていることに主な特徴がある。
図50に示すように、本変形例では、P型コンタクト領域34の平面形状は円形に設定されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェルの直下におけるN型不純物層14に選択的に形成されている。
N型不純物層14は、N型ウェル16aの直下、P型ウェル32aの直下及びN型ウェル16bの直下に、一体に形成されている。
このように、P型コンタクト領域34の平面形状を円形に設定してもよい。
(変形例(その6))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その6)を図51を用いて説明する。図51は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図51(a)は平面図であり、図51(b)は図51(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、N型ウェル16aとN型不純物層14とがN型不純物層14の端部においてのみ接続されており、N型ウェル16bとN型不純物層14とがN型不純物層14の端部においてのみ接続されていることに主な特徴がある。
図50に示すように、本変形例では、P型コンタクト領域34の平面形状は円形に設定されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェルの直下におけるN型不純物層14に選択的に形成されている。
N型ウェル16aとN型不純物層14とはN型不純物層14の端部においてのみ接続されている。N型ウェル16bとN型不純物層14とは、N型不純物層14の端部においてのみ接続されている。
本変形例では、N型不純物層14がN型ウェル16aの直下において一部にしか形成されておらず、また、N型不純物層14がN型ウェル16nの直下において一部にしか形成されていないため、N型不純物層14等における面内方向における電気抵抗は若干高くなる傾向がある。
本変形例のように構成した場合であっても、所望のバイアス電圧をN型ウェル16a、16b及びP型ウェル32aに印加することは可能である。
(変形例(その7))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その7)を図52を用いて説明する。図52は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図52(a)は平面図であり、図52(b)は図52(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、P型コンタクト領域34の平面形状が円形に設定されており、P型コンタクト領域34の大きさがランダムに設定されていることに主な特徴がある。
図52に示すように、本変形例では、P型コンタクト領域34の平面形状は円形に設定されている。P型コンタクト領域34の大きさは、ランダムに設定されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14に選択的に形成されている。
このように、P型コンタクト領域34の大きさをランダムに設定してもよい。
(変形例(その8))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その8)を図53を用いて説明する。図53は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図53(a)は平面図であり、図53(b)は図53(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、平面形状が正方形のP型コンタクト領域34と平面形状が八角形のP型コンタクト領域34とが適宜形成されている。
図53に示すように、本変形例では、平面形状が正方形のP型コンタクト領域34と平面形状が八角形のP型コンタクト領域34とが適宜形成されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14に選択的に形成されている。
このように、平面形状が正方形のP型コンタクト領域34と平面形状が八角形のP型コンタクト領域34とが適宜形成してもよい。
(変形例(その9))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その9)を図54を用いて説明する。図54は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図54(a)は平面図であり、図54(b)は図54(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、平面形状が三角形のP型コンタクト領域34が形成されていることに主な特徴がある。
図54に示すように、本変形例では、平面形状が三角形のP型コンタクト領域34が形成されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14に選択的に形成されている。
このように、平面形状が三角形のP型コンタクト領域34を形成するようにしてもよい。
(変形例(その10))
次に、本実施形態による半導体装置の変形例(その10)を図55を用いて説明する。図55は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図55(a)は平面図であり、図55(b)は図55(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、平面形状が円形のP型コンタクト領域34、平面形状が正方形のP型コンタクト領域34、平面形状が三角形のP型コンタクト領域34等、様々な平面形状のP型コンタクト領域34が形成されていることに主な特徴がある。
図55に示すように、本変形例では、平面形状が円形のP型コンタクト領域34、平面形状が正方形のP型コンタクト領域34、平面形状が三角形のP型コンタクト領域34等、様々な平面形状のP型コンタクト領域34が形成されている。P型コンタクト領域34は、P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14に選択的に形成されている。
このように、様々な平面形状のP型コンタクト領域34を形成するようにしてもよい。
[第12実施形態]
本発明の第12実施形態による半導体装置を図56を用いて説明する。図56は、本実施形態による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図56(a)は平面図であり、図56(b)は図56(a)のA−A′線断面図である。図1乃至図45に示す第1乃至第11実施形態による半導体装置及びその製造方法等と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置は、N型不純物層14が形成されている領域内の全体にコンタクト領域34が形成されており、N型不純物層14が形成された領域内におけるコンタクト領域34の面積の総和が、N型不純物層14が形成された領域におけるコンタクト領域34を除く領域の面積より小さく設定されていることに主な特徴がある。
図56に示すように、本実施形態では、N型不純物層14が形成されている領域内の全体にコンタクト領域34が形成されている。ここでは、P型コンタクト領域34の平面形状は、例えば長方形に設定されている。
N型不純物層14は、P型ウェル32aの直下のみならず、N型ウェル16a、16bの直下にも形成されている。P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14とN型ウェル16aの直下におけるN型不純物層14とN型ウェル16bの直下におけるN型不純物層14とは、一体に形成されている。
図57は、比較例(その2)による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図57(a)は平面図であり、図57(b)は図57(b)のA−A′線断面図である。図57に示す比較例(その2)による半導体装置では、N型不純物層14が形成された領域内におけるコンタクト領域34の面積の総和が、N型不純物層14が形成された領域におけるコンタクト領域34を除く領域の面積より大きく設定されているため、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗が非常に大きくなっている。具体的には、図57では、N型不純物層14が形成された領域の面積に対するコンタクト領域34の総和の面積は、53.3%に設定されている。このため、図57に示す比較例(その2)による半導体装置では、バイアス入力端子20に直接接続されたN型ウェル16aに印加されるバイアス電圧と、バイアス入力端子20から比較的離間した位置に配されたN型ウェル16bに印加されるバイアス電圧との間に、大きな差が生じてしまう。
これに対し、本実施形態では、N型不純物層14が形成された領域内におけるコンタクト領域34の面積の総和が、N型不純物層14が形成された領域におけるコンタクト領域34を除く領域の面積より小さく設定されている。具体的には、図56に示す本実施形態による半導体装置では、N型不純物層14が形成された領域の面積に対するコンタクト領域34の総和の面積は、35.6%に設定されている。このため、本実施形態によれば、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗を比較的小さく抑えることができ、バイアス入力端子20に直接接続されたN型ウェル16aに印加されるバイアス電圧と、バイアス入力端子20から比較的離間した位置に配されたN型ウェル16bに印加されるバイアス電圧とをほぼ等しく設定することができる。従って、本実施形態によれば、N型不純物層14が形成されている領域内の全体にコンタクト領域34を形成した場合においても、N型ウェル16a、16bとP型ウェル32aとに所望のバイアス電圧を印加することができる。
(変形例)
次に、本実施形態による半導体装置の変形例を図58を用いて説明する。図58は、本変形例による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図58(a)は平面図であり、図58(b)は図58(a)のA−A′線断面図である。
本変形例による半導体装置は、P型コンタクト領域34の平面形状が円形に設定されていることに主な特徴がある。
図58に示すように、N型不純物層14が形成されている領域内の全体にコンタクト領域34が形成されており、N型不純物層14が形成された領域内におけるコンタクト領域34の面積の総和が、N型不純物層14が形成された領域におけるコンタクト領域34を除く領域の面積より小さく設定されている。コンタクト領域34の平面形状は、円形に設定されている。
N型不純物層14は、P型ウェル32aの直下のみならず、N型ウェル16a、16bの直下にも形成されている。P型ウェル32aの直下におけるN型不純物層14とN型ウェル16aの直下におけるN型不純物層14とN型ウェル16bの直下におけるN型不純物層14とは、一体に形成されている。
図59は、比較例(その3)による半導体装置を示す平面図及び断面図である。図59(a)は平面図であり、図59(b)は図59(b)のA−A′線断面図である。図59に示す比較例(その3)による半導体装置では、N型不純物層14が形成された領域内におけるコンタクト領域34の面積の総和が、N型不純物層14が形成された領域におけるコンタクト領域34を除く領域の面積より大きく設定されているため、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗が非常に大きくなっている。具体的には、図59では、N型不純物層14が形成された領域の面積に対するコンタクト領域34の総和の面積は、57.7%に設定されている。このため、図59に示す比較例(その3)による半導体装置では、バイアス入力端子20に直接接続されたN型ウェル16aに印加されるバイアス電圧と、バイアス入力端子20から比較的離間した位置に配されたN型ウェル16bに印加されるバイアス電圧との間に、大きな差が生じてしまう。
これに対し、本実施形態では、N型不純物層14が形成された領域内におけるコンタクト領域34の面積の総和が、N型不純物層14が形成された領域におけるコンタクト領域34を除く領域の面積より小さく設定されている。具体的には、図58に示す本実施形態による半導体装置では、N型不純物層14が形成された領域の面積に対するコンタクト領域34の総和の面積は、40.0%に設定されている。このため、本実施形態によれば、N型不純物層14の面内方向における電気抵抗を比較的小さく抑えることができ、バイアス入力端子20に直接接続されたN型ウェル16aに印加されるバイアス電圧と、バイアス入力端子20から比較的離間した位置に配されたN型ウェル16bに印加されるバイアス電圧とをほぼ等しく設定することができる。従って、本実施形態によれば、N型不純物層14が形成されている領域内の全体にコンタクト領域を形成した場合においても、N型ウェル16a、16bとP型ウェル32aとに所望のバイアス電圧を印加することができる。
このように、P型コンタクト領域34の平面形状を円形に設定してもよい。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、P型コンタクト領域34の形状を円柱状としたが、P型コンタクト領域34の形状は円柱状に限定されるものではない。例えば、断面の内角が鈍角である多角柱状にP型コンタクト領域を形成してもよい。図43は、コンタクト領域の形状の変形例を示す平面図である。図43(a)は、コンタクト領域を八角柱状に形成した場合を示している。コンタクト領域34を断面の内角が鈍角である多角柱状に形成した場合にも、コンタクト領域34を四角柱状に形成した場合と比較して、コンタクト領域34においてN型不純物層14が互いに対向している部分の距離を比較的大きく確保することが可能となる。このため、コンタクト領域34を断面の内角が鈍角である多角柱状に形成した場合にも、コンタクト領域34が空乏化してしまうのを抑制することが可能である。また、断面の形状が略円形である柱状になるように、コンタクト領域34を形成してもよい。また、図43(b)に示すように、断面の形状が多角形の各々の角を円弧状に丸めた略多角形である柱状になるように、コンタクト領域34を形成してもよい。
また、上記実施形態では、N型ウェル16を形成した後にP型ウェル32を形成したが、P型ウェル32を形成した後にN型ウェル16を形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、N型不純物層14が半導体基板10の中に一つ存在する場合を例に説明したが、N型不純物層14を半導体基板10の中に分離して多数設置し、各々のバイアス入力端子20に異なる電位を与えてもよい。
また、上記実施形態では、P型コンタクト領域34をほぼ等間隔に形成した場合を例に説明したが、N型ウェル16またはP型ウェル32のレイアウトに応じて面内の各領域において異なる間隔に設定してもよい。あるいは、P型コンタクト領域34のピッチをランダムに設定してもよい。
また、上記実施形態では、P型コンタクト領域34の大きさをほぼ均一に設定する場合を例に説明したが、P型コンタクト領域34の大きさを印加する電圧の設計値に応じて面内の各領域において異なる大きさに設定してもよい。あるいは、P型コンタクト領域34の大きさをランダムに設定してもよい。
また、上記実施形態では、P型コンタクト領域34の形状をほぼ均一に設定する場合を例に説明したが、N型ウェル16またはP型ウェル32のレイアウトに応じて面内の各領域において異なる形状に設定してもよい。あるいは、P型コンタクト領域34の形状をランダムに設定してもよい。
また、第10実施形態では、P型ウェル32aの面積Bに対するP型コンタクト領域34の面積の総和Aの割合(A/B)を所定のパラメータとして用い、かかるパラメータが所定の設計基準を満たすか否かを判断したが、所定のパラメータはこれに限定されるものではない。例えば、P型ウェル32aの面積Bに対する、P型ウェル32a直下のN型不純物層14の面積A′の割合(A′/B)を所定のパラメータとして用い、かかるパラメータが所定の設計基準を満たすか否かを判断してもよい。または、N型不純物層14の横方向のコンダクタンスを所定のパラメータとして用い、かかるパラメータが所定の設計基準を満たすか否かを判断してもよい。
また、上記実施形態では、P型ウエル32の面積BとP型コンタクト領域34の面積の総和Aを用いたが、まず、面内の一部分において所定の大きさの矩形領域の部分を着目すべき領域として仮定し、その着目領域の中に含まれるP型ウエル32の面積B’’、P型コンタクト領域34の面積の総和A’’とし(A’’/B’’)を所定のパラメータとして用いてもよい。
また、上記実施形態では、P型半導体基板10とP型ウェル32aとをP型コンタクト領域34を介して接続し、複数のN型ウェル16をP型半導体基板10に深く埋め込まれたN型不純物層14により接続する場合を例に説明したが、半導体基板、ウェル、及び不純物層等の導電型は、上述した導電型に限定されるものではない。N型半導体基板とN型ウェルとをN型コンタクト領域を介して接続し、複数のP型ウェルをN型半導体基板に深く埋め込まれたP型不純物層により接続するようにしてもよい。
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下のようになる。
(付記1)
第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板内に形成された第1導電型の第1のウェルと、
前記第1のウェル上に形成された第2導電型の第1のトランジスタと、
前記半導体基板内に形成された第2導電型の第2のウェルと、
前記第2のウェル上に形成された第1導電型の第2のトランジスタと、
前記第1のウェルの下側及び前記第2のウェルの下側における前記半導体基板内に埋め込まれ、前記第2のウェルに接続された、前記第2のウェルにバイアス電圧を印加するための第2導電型の不純物層とを有し、
前記第1のウェルの直下における前記不純物層には、第1導電型のコンタクト領域が選択的に形成されており、
前記第1のウェルは、前記コンタクト領域を介して前記半導体基板に接続されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
付記1記載の半導体装置において、
前記第2のウェルは、前記不純物層を介して第1の電位に接続され、
前記第1のウェルは、前記コンタクト領域及び前記半導体基板を介して、前記第1の電位と異なる第2の電位に接続される
ことを特徴とする半導体装置。
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記半導体基板内に形成された第1導電型の第3のウェルと、
前記第3のウェル上に形成された第2導電型の第3のトランジスタとを更に有し、
前記不純物層は、前記第3のウェルの下側における前記半導体基板内に更に形成されており、
前記第3のウェルは、前記不純物層により、前記半導体基板から電気的に分離されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記4)
付記3記載の半導体装置において、
前記第3のウェルは、前記第1の電位及び前記第2の電位と異なる第3の電位に接続される
ことを特徴とする半導体装置。
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第1のウェルの直下における前記コンタクト領域の面積の総和は、前記第1のウェルの直下における前記コンタクト領域を除く領域の面積より小さい
ことを特徴とする半導体装置。
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置において、
前記コンタクト領域は、円柱状、断面の形状が略円形である柱状、断面の内角が鈍角である多角柱状、又は、断面の形状が多角形の各々の角を円弧状に丸めた略多角形である柱状に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置において、
前記バイアス電圧が可変である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記8)
第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板内に形成された第1導電型の第1のウェルと、
前記第1のウェル上に形成された第2導電型の第1のトランジスタと、
前記半導体基板内に形成された第2導電型の第2のウェルと、
前記第2のウェル上に形成された第1導電型の第2のトランジスタと、
前記第1のウェルの下側及び前記第2のウェルの下側における前記半導体基板内に埋め込まれ、前記第2のウェルに接続された、前記第2のウェルにバイアス電圧を印加するための第2導電型の不純物層とを有し、
前記不純物層には、第1導電型のコンタクト領域が形成されており、
前記第1のウェルは、前記コンタクト領域を介して前記半導体基板に接続されており、
前記不純物層が形成された領域内における前記コンタクト領域の面積の総和は、前記不純物層が形成された領域における前記コンタクト領域を除く領域の面積より小さい
ことを特徴とする半導体装置。
(付記9)
第1導電型の半導体基板内に第2導電型の不純物層を埋め込むように形成する工程であって、前記不純物層が形成される領域のうちの第1の領域内に第1導電型のコンタクト領域が選択的に形成されるように、前記不純物層を形成する工程と、
前記不純物層が形成された領域のうちの前記第1の領域上に、前記コンタクト領域を介して前記半導体基板に接続された第1導電型の第1のウェルを形成する工程と、
前記不純物層が形成された領域のうちの第2の領域上に、前記不純物層に接続された第2導電型の第2のウェルを形成する工程と、
前記第1のウェル上に第2導電型の第1のトランジスタを形成する工程と、
前記第2のウェル上に第1導電型の第2のトランジスタを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記10)
付記7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のウェルを形成する工程では、前記不純物層が形成された領域のうちの第3の領域上に、第1導電型の第3のウェルを更に形成し、
前記第1のトランジスタを形成する工程では、前記第3のウェル上に第2導電型の第3のトランジスタを更に形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記11)
付記9又は10記載の半導体装置の製造方法において、
前記不純物層を形成する工程では、前記コンタクト領域となる領域を除く領域に第2導電型の不純物を導入することにより、第2導電型の前記不純物層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記12)
付記9又は10記載の半導体装置の製造方法において、
前記不純物層を形成する工程は、前記コンタクト領域となる領域を除く領域に第2導電型の不純物を導入することにより、第2導電型の前記不純物層を形成する工程と;前記コンタクト領域となる領域に第1導電型の不純物を導入することにより、前記半導体基板より不純物濃度が高い第1導電型の前記コンタクト領域を形成する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記13)
付記9又は10記載の半導体装置の製造方法において、
前記不純物層を形成する工程は、前記コンタクト領域となる領域を含む領域に第1導電型の不純物を第1の濃度で導入する工程と;前記コンタクト領域となる領域を除く領域に、前記第1の濃度より高い第2の濃度で第2導電型の不純物を導入することにより、第2導電型の前記不純物層を形成する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記14)
付記9又は10記載の半導体装置の製造方法において、
前記不純物層を形成する工程は、前記コンタクト領域となる領域を含む領域に第2導電型の不純物を第1の濃度で導入する工程と;前記コンタクト領域となる領域に、前記第1の濃度より高い第2の濃度で第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型の前記コンタクト領域を形成する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記15)
第1導電型の半導体基板と;前記半導体基板内に形成された第1導電型の第1のウェルと;前記第1のウェル上に形成された第2導電型の第1のトランジスタと;前記半導体基板内に形成された第2導電型の第2のウェルと;前記第2のウェル上に形成された第1導電型の第2のトランジスタと;前記第1のウェルの下側及び前記第2のウェルの下側における前記半導体基板内に埋め込まれ、前記第2のウェルに接続された、前記第2のウェルにバイアス電圧を印加するための第2導電型の不純物層とを有し、前記第1のウェルの直下における前記不純物層には、第1導電型のコンタクト領域が選択的に形成されており、前記第1のウェルが、前記コンタクト領域を介して前記半導体基板に接続されている半導体装置の設計方法であって、
前記第1のウェルのパターン、前記不純物層のパターン、又は前記コンタクト領域のパターンに基づいて、所定のパラメータの演算を行うステップと、
前記所定のパラメータの演算の結果が所定の設計基準を満たすか否かを判断するステップと、
前記所定のパラメータが前記所定の設計基準を満たさない場合には、前記所定のパラメータが前記所定の設計基準を満たすように、前記コンタクト領域の追加、削除、変形又は移動を行うステップと
を有することを特徴とする半導体装置の設計方法。
(付記16)
付記15記載の半導体装置の設計方法において、
前記所定のパラメータは、前記第1のウェルの直下に形成される前記コンタクト領域の面積の総和Aの、前記第1のウェルの面積Bに対する割合A/Bである
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
(付記17)
付記15記載の半導体装置の設計方法において、
前記所定のパラメータは、前記第1のウェルと前記半導体基板との間のコンダクタンスである
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
(付記18)
第1導電型の半導体基板と;前記半導体基板内に形成された第1導電型の第1のウェルと;前記第1のウェル上に形成された第2導電型の第1のトランジスタと;前記半導体基板内に形成された第2導電型の第2のウェルと;前記第2のウェル上に形成された第1導電型の第2のトランジスタと;前記第1のウェルの下側及び前記第2のウェルの下側における前記半導体基板内に埋め込まれ、前記第2のウェルに接続された、前記第2のウェルにバイアス電圧を印加するための第2導電型の不純物層とを有し、前記第1のウェルの直下における前記不純物層には、第1導電型のコンタクト領域が選択的に形成されており、前記第1のウェルが、前記コンタクト領域を介して前記半導体基板に接続されている半導体装置を設計するためのコンピュータプログラムであって、
前記第1のウェルのパターン、前記不純物層のパターン、又は前記コンタクト領域のパターンに基づいて、所定のパラメータの演算を行うステップと、
前記所定のパラメータの演算の結果が所定の設計基準を満たすか否かを判断するステップと、
前記所定のパラメータが前記所定の設計基準を満たさない場合に、前記所定のパラメータが前記所定の設計基準を満たすように、前記コンタクト領域の追加、削除、変形又は移動を行うステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
(付記19)
付記18記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記所定のパラメータは、前記第1のウェルの直下に形成される前記コンタクト領域の面積の総和Aの、前記第1のウェルの面積Bに対する割合A/Bである
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
(付記20)
付記18記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記所定のパラメータは、前記第1のウェルと前記半導体基板との間のコンダクタンスである
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
(付記21)
付記18乃至20のいずれかに記載のコンピュータプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体。