JP2007005172A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素を含む燃料水素ガス中に一酸化炭素ガスを含む場合であっても、効率よく発電できる燃料電池を提供すること
【解決手段】固体高分子電解質層とその一方の側に設けられている燃料極とこれに接して燃料ガス通路、他の一方の側に設けられている空気極とこれに接して空気通路を設けた構造の燃料電池において、燃料極に水素を透過し、燃料ガス中に微量に含まれる一酸化炭素ガスを通過させにくい透過選択性分離膜を設けたことを特徴とする燃料電池。
【選択図】図1
【解決手段】固体高分子電解質層とその一方の側に設けられている燃料極とこれに接して燃料ガス通路、他の一方の側に設けられている空気極とこれに接して空気通路を設けた構造の燃料電池において、燃料極に水素を透過し、燃料ガス中に微量に含まれる一酸化炭素ガスを通過させにくい透過選択性分離膜を設けたことを特徴とする燃料電池。
【選択図】図1
Description
本発明は、民生用コジェネレーションシステム及び自動車などの移動体用発電器に用いることができる固体高分子電解質形燃料電池及に関する。
水素イオン伝導性高分子電解質膜を用いた燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる。
この燃料電池は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜及び高分子電解質膜の両面に形成される一対の電極から構成される。
触媒層は、通常、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とするものであり、前記電極は、高分子電解質膜上に形成される触媒層及びこの触媒層の外面に形成される、通気性と電子導電性とを併せ持つガス拡散層から構成されている。
この燃料電池は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜及び高分子電解質膜の両面に形成される一対の電極から構成される。
触媒層は、通常、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とするものであり、前記電極は、高分子電解質膜上に形成される触媒層及びこの触媒層の外面に形成される、通気性と電子導電性とを併せ持つガス拡散層から構成されている。
ガス拡散層が有する特性を有効に利用することは、種々の燃料ガスの使用を可能にする。
電極には、反応ガスがガス拡散層から電極触媒層深部、すなわち高分子電解質膜近傍の触媒層まで拡散し易いことが要求されるので、この機能を果たすために、電極触媒層は多孔質構造に形成される。そして、多孔質構造の電極触媒層の形成には以下の発明が提案されている。
電極には、反応ガスがガス拡散層から電極触媒層深部、すなわち高分子電解質膜近傍の触媒層まで拡散し易いことが要求されるので、この機能を果たすために、電極触媒層は多孔質構造に形成される。そして、多孔質構造の電極触媒層の形成には以下の発明が提案されている。
「多孔構造の電極触媒層の製造方法として、ε−カプロラクタムを溶媒として触媒微粒子と混練し、その後焼成してε−カプロラクタムを分解除去し、除去した部分を空孔部として使用する」(特許文献1)。
この発明では、アノード触媒層及びカソード触媒層中に、それぞれ空孔部が形成されている。これにより、燃料ガスのアノード触媒層深部(水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍)への拡散性、酸化剤ガスのカソード触媒層深部(水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍)への拡散性、および化学反応により生成した水のカソード触媒層深部からガス拡散層への拡散性を向上させることができる。
この発明では、アノード触媒層及びカソード触媒層中に、それぞれ空孔部が形成されている。これにより、燃料ガスのアノード触媒層深部(水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍)への拡散性、酸化剤ガスのカソード触媒層深部(水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍)への拡散性、および化学反応により生成した水のカソード触媒層深部からガス拡散層への拡散性を向上させることができる。
また、特許文献2の発明では、造孔剤として炭酸水素アンモニウムを触媒微粒子と混練し、その後100℃で24時間乾燥させて除去し、除去した部分を空孔部として使用するものである。
アノード触媒層およびカソード触媒層には、水素イオン伝導性高分子電解質膜からガス拡散層まで貫通した空孔部がそれぞれ形成されている。これにより、燃料ガスである水素ガスのアノード触媒層深部(水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍)への拡散性、酸化剤ガスである酸素のカソード触媒層深部(水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍)への拡散性、及び化学反応により生成した水のカソード触媒層深部からガス拡散層への拡散性を向上させることができる。
アノード触媒層およびカソード触媒層には、水素イオン伝導性高分子電解質膜からガス拡散層まで貫通した空孔部がそれぞれ形成されている。これにより、燃料ガスである水素ガスのアノード触媒層深部(水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍)への拡散性、酸化剤ガスである酸素のカソード触媒層深部(水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍)への拡散性、及び化学反応により生成した水のカソード触媒層深部からガス拡散層への拡散性を向上させることができる。
ところで、通常家庭用燃料電池などでは、都市ガスなどの燃料ガスから一旦水素を作り出し、この水素を燃料電池に送り込んで発電する方式が採用される。これを、改質ガス型燃料電池という。
この改質ガス型燃料電池では、都市ガスから水素を作り出す際に、少量の一酸化炭素(CO)が生ずる。この一酸化炭素は、燃料極に用いられる触媒である白金に対し非常に有害な作用を及ぼすことが問題とされ、触媒被毒現象の原因となる。
触媒被毒現象を防止するための発明には、以下の発明がある。
燃料電池の著しい性能低下に繋がる被毒現象に対処するためには、COに対する耐性の優れた触媒材料が必須となる。このことから、白金・ルテニウム合金触媒が用いられ、この高価な材料を用いる場合に限り、有効であるとされている。ルテニウムは白金以上に希少な金属であり、資源的な制約(及びコスト)が問題となっている。しかも白金・ルテニウム合金触媒においても、耐CO被毒性の実用上の限界は25ppmオーダー程度であり、燃料電池運転開始時に燃料改質器から出てくる水素中の高CO濃度(100ppm以上)には耐えられないことがあることが指摘されている。このため、白金・ルテニウム合金触媒以上の性能を有する触媒が必要とされ、ここ20年間世界中の研究者によって探索が行なわれてきている。
この改質ガス型燃料電池では、都市ガスから水素を作り出す際に、少量の一酸化炭素(CO)が生ずる。この一酸化炭素は、燃料極に用いられる触媒である白金に対し非常に有害な作用を及ぼすことが問題とされ、触媒被毒現象の原因となる。
触媒被毒現象を防止するための発明には、以下の発明がある。
燃料電池の著しい性能低下に繋がる被毒現象に対処するためには、COに対する耐性の優れた触媒材料が必須となる。このことから、白金・ルテニウム合金触媒が用いられ、この高価な材料を用いる場合に限り、有効であるとされている。ルテニウムは白金以上に希少な金属であり、資源的な制約(及びコスト)が問題となっている。しかも白金・ルテニウム合金触媒においても、耐CO被毒性の実用上の限界は25ppmオーダー程度であり、燃料電池運転開始時に燃料改質器から出てくる水素中の高CO濃度(100ppm以上)には耐えられないことがあることが指摘されている。このため、白金・ルテニウム合金触媒以上の性能を有する触媒が必要とされ、ここ20年間世界中の研究者によって探索が行なわれてきている。
触媒触媒被毒を回避するための方法として、COを除去することができれば最も有効な解決手段となる。通常、この場合には、若干のCOを含有する水素ガスからCOを除去するための工程がシステム一部として組み込まれている。
このシステムでは、生成ガスを一酸化炭素除去触媒により処理することが使われ、CO濃度を害がない程度に低減させた水素ガスを燃料電池に供給するシステムが用いられている。
このシステムでは、生成ガスを一酸化炭素除去触媒により処理することが使われ、CO濃度を害がない程度に低減させた水素ガスを燃料電池に供給するシステムが用いられている。
この場合には、一酸化炭素濃度を低減させる変性触媒が採用される。「水素ガス原料を供給する原料供給手段と、水を供給する水供給手段と、原料と水とを反応させ水素ガスを生成する改質手段と、改質手段で生成した水素ガスに含まれる一酸化炭素を低減させる変成手段と、酸化ガスを供給する酸化ガス供給手段と、変成手段で一酸化炭素を低減させた水素ガスになお含まれる一酸化炭素と酸化ガスとを酸化反応させて、さらに一酸化炭素を低減させる一酸化炭素酸化手段を備えているシステム」(特許文献3)がある。
特許文献3では、一酸化炭素除去器の所定の部位の温度を変更することによって一酸化炭素除去触媒の触媒反応に影響を与え得る制御点の温度を所定の制御温度に調整する温度調整手段と、触媒層に供給される酸化剤の供給条件を調整する調整手段と、制御点とは異なる前記一酸化炭素除去器の何れかの部位での温度差が所定範囲内に収まるように働かせる制御手段を備えた一酸化炭素除去器を備えた運転制御システムである。
特許文献3では、一酸化炭素除去器の所定の部位の温度を変更することによって一酸化炭素除去触媒の触媒反応に影響を与え得る制御点の温度を所定の制御温度に調整する温度調整手段と、触媒層に供給される酸化剤の供給条件を調整する調整手段と、制御点とは異なる前記一酸化炭素除去器の何れかの部位での温度差が所定範囲内に収まるように働かせる制御手段を備えた一酸化炭素除去器を備えた運転制御システムである。
特許文献4では、炭化水素化合物類原料を改質処理する際に発生する未分解分を除去して、後段工程の一酸化炭素除去触媒を劣化させることなく、水素を製造する方法を提供する。改質器とシフト反応器の間に、改質ガス中の炭化水素化合物類の未分解分を分解する水素化分解活性を有する触媒を充填した反応部を設置することにより、前記課題が達成できるものである。
特許文献4では、400℃以下の比較的低温条件でもガソリンや軽油などの炭化水素系燃料を素早く且つ十分に改質でき、一酸化炭素やメタンの副生が少なく、窒素希釈を受けずコンパクトな燃料電池用燃料改質システム及び水素リッチガス製造方法を提供するもので、圧力媒体供給手段は燃料及び水を高圧状態で改質反応器に供給し、改質反応器は改質触媒を用いて改質ガスを生成し、改質反応器加熱手段は廃水素の燃焼熱を利用して改質反応器を加熱し、水回収手段は改質ガスを冷却しガス中の水を高圧状態のまま回収する燃料電池用燃料改質システムである。炭化水素系燃料及び水を高圧状態で改質反応器に供給し、圧力、温度、液空間速度及び燃料/水比などを制御し、炭化水素系燃料と超臨界水又は亜臨界水とを改質ガスとし、冷却し水を除去して水素リッチガスを製造するものである。
特許文献4では、400℃以下の比較的低温条件でもガソリンや軽油などの炭化水素系燃料を素早く且つ十分に改質でき、一酸化炭素やメタンの副生が少なく、窒素希釈を受けずコンパクトな燃料電池用燃料改質システム及び水素リッチガス製造方法を提供するもので、圧力媒体供給手段は燃料及び水を高圧状態で改質反応器に供給し、改質反応器は改質触媒を用いて改質ガスを生成し、改質反応器加熱手段は廃水素の燃焼熱を利用して改質反応器を加熱し、水回収手段は改質ガスを冷却しガス中の水を高圧状態のまま回収する燃料電池用燃料改質システムである。炭化水素系燃料及び水を高圧状態で改質反応器に供給し、圧力、温度、液空間速度及び燃料/水比などを制御し、炭化水素系燃料と超臨界水又は亜臨界水とを改質ガスとし、冷却し水を除去して水素リッチガスを製造するものである。
特許文献5は、水と一酸化炭素とを反応させて水素と二酸化炭素とを生成するCO変成反応を引き起こすためのCO除去触媒体であって、セリウム−ジルコニウム複合酸化物とジルコニウム酸化物とを有する触媒担体と、触媒担体に担持された所定の貴金属とを備え、セリウム−ジルコニウム複合酸化物の粒子の平均粒径は、ジルコニウム酸化物の粒子の平均粒径よりも大きく、ジルコニウム酸化物の粒子の平均粒径は、所定の貴金属の粒子の平均粒径よりも大きく、所定の貴金属は、触媒担体のより外側に、より多く担持されているCO除去触媒体である。
特許文献5は、水素を主成分とし少量の一酸化炭素を含む混合ガスから、水素の損失を抑制して効率的に一酸化炭素ガスを10ppm以下にまで除去可能な一酸化炭素除去方法である。少なくとも1回の前処理工程と、前処理工程後の混合ガス中の一酸化炭素を、メタン化触媒を用いてメタン化除去するメタン化工程を有し、前処理工程において、触媒層の入口における一酸化炭素濃度がメタン化工程の処理能力を示す値に応じた所定の上限値以下となるように、混合ガスの一酸化炭素濃度を予め低減し、メタン化工程において、メタン化触媒の存在する触媒層内の温度を少なくとも触媒層の入口または出口付近において180℃未満となるように調整して、一酸化炭素濃度を10ppm以下にまで低減するものである。
又、燃料の改質に水素透過膜により処理して水素のみを取り出すようにすることも知られている(特許文献6、特許文献7、特許文献8)。これらの方法は、燃料改質器と共に設置するものであり、装置としては燃料電池に接続する部分に設けられるものであり、一工程として設置されることから、装置の大型化、煩雑化はさけることができない。
このように、燃料電池を利用するシステムにおいて、水素を含む燃料水素ガス中のCO濃度を低減させる技術が開発されているものの、触媒反応を利用して微量の一酸化炭素を除去することはシステムとしては複雑なものとならざるをえず、また、一酸化炭素ガスを除去することは困難である。
前記のように電極に特性を付与して、その特性を利用して条件の緩和を図ってきたこと前記のとおりである。そこで、COを含有する水素ガスに対応できる電極の特性を付与して問題の解決を図ることはできないかということを検討した。電極に対して特性を付与して、その結果、効果的に燃料ガス中に含まれるCOが存在する弊害を考慮することなく、簡便に発電することができる燃料電池の開発が切望されている。
特開平5−347158号公報
特開平7−176310号公報
特許出願2003−173977号公報
特許公開2004−284863号公報
特許公開2004−216369号公報
特許公開2003−320226号公報
特許公開2003−119002号公報
特許公開2004−121899号公報
本発明の課題は、水素を含む燃料水素ガス中にCOを含む場合であっても、効率よく発電を行う事ができる燃料電池を提供することである。
本発明者らは鋭意前記課題について研究し、この種の分野では従来使用されていなかった新規な透過膜の利用、具体的には水素を含む燃料水素ガス中のCOガスを除去するためには、水素を透過し、一酸化炭素ガスを通過させない透過選択性分離膜を電極として利用することが、有効な手段となりうるのではないかと考えた。しかしながら、燃料電池の電極に分離膜を適用して分離膜によりガス分離をするという使用方法について前例がなく、このような使用方法が果たして十分に効果が得られるものであるということはできない状態にあった。
そして、本発明者らは、透過選択性分離膜として緻密な炭素膜を利用することが有効であることを確認することができた。炭素膜として、H2/CO比が高い水素選択透過性を有する炭素膜(水素を選択的に透過し、COをほとんど透過させない緻密な炭素膜)を利用すると、ほぼ満足できる微量の一酸化炭素ガスの除去が達成できる。このようなことが可能となったことから、従来のように燃料ガス中に含まれる微量の一酸化炭素ガスについて煩雑な除去操作を施す必要もなくなり、微量の一酸化炭素ガスを含んだ燃料ガスをそのまま燃料電池に供給することができる。
そして、炭素膜からなる透過選択性分離膜は、従来の電極と同じく炭素が原料となっており、電極に関しては電子導電性を付与できるので、透過選択性分離膜を水素極として使用することができることを見出した。
また、使用する水素ガスについては、水素ガス中のCOを従来のような煩雑な手段により精製することなく、微量の一酸化炭素ガスを含む水素ガスを、燃料電池の燃料ガスとしてそのまま供給して利用することが可能となることを見出して、本発明を完成させた。
また、使用する水素ガスについては、水素ガス中のCOを従来のような煩雑な手段により精製することなく、微量の一酸化炭素ガスを含む水素ガスを、燃料電池の燃料ガスとしてそのまま供給して利用することが可能となることを見出して、本発明を完成させた。
前記のように水素極に緻密炭素膜を使用することで、電極触媒がCO被毒から保護され、長期にわたって安定的に作動し得る燃料電池が実現する。また、従来の電極材料よりも薄い電極が作製可能で、より小型化した燃料電池スタックが可能となる。さらに、炭素膜にナノ貴金属微粒子分散炭素膜を用いることで、水素/COの分離比を高めることが可能な上、ナノ貴金属を局在化させることで、触媒塗布を不要にした燃料電池が可能となる。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)固体高分子電解質層とその一方の側に設けられている燃料極とこれに接して燃料ガス通路、他の一方の側に設けられている空気極とこれに接して空気通路を設けた構造の燃料電池において、燃料極に水素を透過し、燃料ガス中に微量の一酸化炭素ガスを通過させない透過選択性分離膜を設けたことを特徴とする燃料電池。
(2)前記燃料極に水素を透過し、微量の一酸化炭素ガスを通過させない透過選択性分離膜が、緻密炭素膜であることを特徴とする(1)記載の燃料電池。
(3)前記緻密炭素膜が、緻密な炭素膜前駆体有機高分子膜を400〜1200℃の無酸素雰囲気中で熱分解することによって得られる炭素膜であることを特徴とする(2)記載の燃料電池。
(4)前記燃料極に水素を透過し、微量の一酸化炭素ガスを通過させない選択性透過膜が、8族金属及びIB族金属から選ばれるナノ貴金属微粒子をを分散した緻密炭素膜であることを特徴とする(1)記載の燃料電池。
(5)前記ナノ貴金属微粒子を分散した緻密炭素膜が、ナノ微粒子前駆体を分散させた緻密な炭素膜前駆体有機高分子膜を、400〜1200℃で無酸素雰囲気中で熱分解することによって得られる微粒子分散緻密炭素膜であることを特徴とする(4)記載の燃料電池。
(6)前記ナノ貴金属微粒子を分散した緻密炭素膜のナノ貴金属微粒子は片面に局在させて触媒層を形成したものであることを特徴とする(4)又は(5)記載の燃料電池。
(7)前記透過選択性分離膜の表面に電極触媒を塗布して形成するものであることを特徴とする(2)記載の燃料電池
(8)前記透過選択性分離膜の内部又は外部に電子導電性パスを形成させたものであることを特徴とする請求項1、2又は4いずれか記載の燃料電池
(9)前記燃料極と電解質層が接合体として形成されていることを特徴とする(1)、(2)又は(4)のいずれか記載の燃料電池。
(10)前記燃料極と電解質層の接合体がホットプレスにより形成されていることを特徴とする(9)記載の燃料電池。
(11)前記電子導電性パスが、電極と電解質との界面と集電体との間に形成されていることを特徴とする(9)記載の燃料電池。
(12)前記燃料極に添加されているナノ貴金属微粒子が白金微粒子触媒、又は白金―ルテニウム微粒子触媒であることを特徴とする(4)又は(5)記載の燃料電池。
(13)前記燃料ガス通路に供給される微量の一酸化炭素ガスを含む水素ガスとして供給されることを特徴とする(1)記載の燃料電池。
(1)固体高分子電解質層とその一方の側に設けられている燃料極とこれに接して燃料ガス通路、他の一方の側に設けられている空気極とこれに接して空気通路を設けた構造の燃料電池において、燃料極に水素を透過し、燃料ガス中に微量の一酸化炭素ガスを通過させない透過選択性分離膜を設けたことを特徴とする燃料電池。
(2)前記燃料極に水素を透過し、微量の一酸化炭素ガスを通過させない透過選択性分離膜が、緻密炭素膜であることを特徴とする(1)記載の燃料電池。
(3)前記緻密炭素膜が、緻密な炭素膜前駆体有機高分子膜を400〜1200℃の無酸素雰囲気中で熱分解することによって得られる炭素膜であることを特徴とする(2)記載の燃料電池。
(4)前記燃料極に水素を透過し、微量の一酸化炭素ガスを通過させない選択性透過膜が、8族金属及びIB族金属から選ばれるナノ貴金属微粒子をを分散した緻密炭素膜であることを特徴とする(1)記載の燃料電池。
(5)前記ナノ貴金属微粒子を分散した緻密炭素膜が、ナノ微粒子前駆体を分散させた緻密な炭素膜前駆体有機高分子膜を、400〜1200℃で無酸素雰囲気中で熱分解することによって得られる微粒子分散緻密炭素膜であることを特徴とする(4)記載の燃料電池。
(6)前記ナノ貴金属微粒子を分散した緻密炭素膜のナノ貴金属微粒子は片面に局在させて触媒層を形成したものであることを特徴とする(4)又は(5)記載の燃料電池。
(7)前記透過選択性分離膜の表面に電極触媒を塗布して形成するものであることを特徴とする(2)記載の燃料電池
(8)前記透過選択性分離膜の内部又は外部に電子導電性パスを形成させたものであることを特徴とする請求項1、2又は4いずれか記載の燃料電池
(9)前記燃料極と電解質層が接合体として形成されていることを特徴とする(1)、(2)又は(4)のいずれか記載の燃料電池。
(10)前記燃料極と電解質層の接合体がホットプレスにより形成されていることを特徴とする(9)記載の燃料電池。
(11)前記電子導電性パスが、電極と電解質との界面と集電体との間に形成されていることを特徴とする(9)記載の燃料電池。
(12)前記燃料極に添加されているナノ貴金属微粒子が白金微粒子触媒、又は白金―ルテニウム微粒子触媒であることを特徴とする(4)又は(5)記載の燃料電池。
(13)前記燃料ガス通路に供給される微量の一酸化炭素ガスを含む水素ガスとして供給されることを特徴とする(1)記載の燃料電池。
本発明によれば、水素ガス選択透過性を有する緻密炭素膜を電極として構成される燃料電池用電解質膜/電極接合体を提供することができる。これにより、供給する水素ガス中に含まれる微量COを除去するシステムを別途設けることなく、そのまま燃料電池に供給しても電極がCO被毒されにくい、長期にわたり安定な運転動作を示す燃料電池が実現でき、燃料供給システムが小型化できる。また、炭素膜は従来のカーボンペーパーなどのガス拡散電極に比べ、薄いものとすることができるため、より小型化した燃料電池スタックが実現できる。さらに、ナノ微粒子分散炭素膜の微粒子を膜表面に局在化することができ、触媒層を塗布することなく電極を形成することが可能となり、触媒塗布工程を省いた、簡便な製造方法を提供することができる。
本発明の燃料電池の構造を図1右側に示す。
図1の左側は、従来の燃料電池を示している。
本発明の燃料電池の構造及び従来の燃料電池は、固体高分子電解質層(3)とその一方の側に設けられている燃料極(1)とこれに接して燃料ガス通路(1)、他の一方の側に設けられている空気極(4)とこれに接して空気通路(5)を設けた構造である。そして、集電体(6)は、電極から、又は電極の上面(外側)又は下面(裏側)に接して設置されている(この図の場合には、電極の外側)。
図1の左側は、従来の燃料電池を示している。
本発明の燃料電池の構造及び従来の燃料電池は、固体高分子電解質層(3)とその一方の側に設けられている燃料極(1)とこれに接して燃料ガス通路(1)、他の一方の側に設けられている空気極(4)とこれに接して空気通路(5)を設けた構造である。そして、集電体(6)は、電極から、又は電極の上面(外側)又は下面(裏側)に接して設置されている(この図の場合には、電極の外側)。
本発明の燃料電池では、燃料極である水素極に透過選択性分離膜が設けられている。この透過選択性分離膜は、水素を透過し、微量の一酸化炭素ガスを通過させない特性を有するものである。
この特性を有するものであれば、適宜使用することができる。具体的には、Pdや、Pdに変えてNi、Co、Moなどを添加した合金(特開2001−170460号公報、特開2004−74070号公報)、また炭素膜、高分子膜などをあげることができる。前記高分子膜としては、ポリシロキサン系高分子(特開2003−260339号公報)やポリイミド(特開2003−265937号公報)などを挙げることができる。いずれもこれらは公知の高分子化合物である。
この特性を有するものであれば、適宜使用することができる。具体的には、Pdや、Pdに変えてNi、Co、Moなどを添加した合金(特開2001−170460号公報、特開2004−74070号公報)、また炭素膜、高分子膜などをあげることができる。前記高分子膜としては、ポリシロキサン系高分子(特開2003−260339号公報)やポリイミド(特開2003−265937号公報)などを挙げることができる。いずれもこれらは公知の高分子化合物である。
透過選択性分離膜として緻密な炭素膜を用いることができる。その厚みは、通常、10ミクロンから100ミクロンのものが賞用される。
緻密な炭素膜とは、水素を透過しない例えば水素は透過するがCOは透過しない、ということを意味する。この特性を有する炭素膜は、製法により特定されるというものではない。緻密な炭素膜の製法としては、緻密な炭素膜として、前駆体有機高分子(フェノール樹脂、ポリイミドなど)膜を適切な条件下(400〜1200℃、無酸素雰囲気)で熱分解することによって得られる炭素膜、および前駆体有機・高分子(フェノール樹脂、ポリイミドなど)膜に、錯体溶解法、イオン交換法、含浸法などによって、ナノ微粒子前駆体を分散させた後に、適切な条件下(400〜1200℃、無酸素雰囲気)で熱分解することによって得られるナノ微粒子分散炭素膜(特開2003−053167号公報、特開2004−275986号公報)を挙げることができる。
緻密な炭素膜とは、水素を透過しない例えば水素は透過するがCOは透過しない、ということを意味する。この特性を有する炭素膜は、製法により特定されるというものではない。緻密な炭素膜の製法としては、緻密な炭素膜として、前駆体有機高分子(フェノール樹脂、ポリイミドなど)膜を適切な条件下(400〜1200℃、無酸素雰囲気)で熱分解することによって得られる炭素膜、および前駆体有機・高分子(フェノール樹脂、ポリイミドなど)膜に、錯体溶解法、イオン交換法、含浸法などによって、ナノ微粒子前駆体を分散させた後に、適切な条件下(400〜1200℃、無酸素雰囲気)で熱分解することによって得られるナノ微粒子分散炭素膜(特開2003−053167号公報、特開2004−275986号公報)を挙げることができる。
燃料極の触媒層には、支持材である導電性カーボンブラックの表面に、白金ナノ粒子、又は白金−ルテニウムナノ微粒子をきれいに分散させて分散付着したものを用いることができる。
白金ナノ粒子、白金―ルテニウムナノ粒子については、以下に説明する公知の触媒を使用することができる(特許公開2004−311225、特許公開2004−327141、特許公開2004−335328、特許公開2004−359724、特許公開2005−19332など)。
電極触媒は支持材に結着したり、膜状に成形したりして成形される。微量の一酸化炭素による触媒被毒に対処すべく用いていたルテニウム金属を用いることは必ずしも必要ではない。
白金ナノ粒子、白金―ルテニウムナノ粒子については、以下に説明する公知の触媒を使用することができる(特許公開2004−311225、特許公開2004−327141、特許公開2004−335328、特許公開2004−359724、特許公開2005−19332など)。
電極触媒は支持材に結着したり、膜状に成形したりして成形される。微量の一酸化炭素による触媒被毒に対処すべく用いていたルテニウム金属を用いることは必ずしも必要ではない。
前記燃料極には緻密炭素膜にナノ貴金属微粒子を分散した炭素膜を設けることが、燃料電池の出力の向上の点で有効である。ナノ貴金属微粒子には、8族金属は、Fe、Ru、Rh、Pt、Pd、及びIrから選ばれる金属であり、1B族金属は、Cu、Ag及びAuから選ばれた金属が用いられる。
粒子のサイズがナノメートルの大きさの貴金属粒子を意味する。通常、1nmから20nm程度の大きさを意味する。具体的には、図8に模式図として描かれている。
ナノ微粒子分散炭素膜では、ナノ微粒子を炭素膜の片面に局在させることが可能である。このために、電極触媒塗布が必ずしも必要でない。
粒子のサイズがナノメートルの大きさの貴金属粒子を意味する。通常、1nmから20nm程度の大きさを意味する。具体的には、図8に模式図として描かれている。
ナノ微粒子分散炭素膜では、ナノ微粒子を炭素膜の片面に局在させることが可能である。このために、電極触媒塗布が必ずしも必要でない。
炭素膜の形成にあたっては黒鉛(グラファイト)のターゲットからのスパッタ蒸着によっても行うことができる。電極表面に炭素膜を形成する場合にはこの方法を採用することができる。
炭素膜を水素極に用いたセルの模式図を図2に示した。
炭素極のエッジ部にAgを塗布することにより、電極触媒層と集電体を接続して、電子導電性パス(外部配線)を形成することができる。また、炭素膜の内部又は外部に電子導電性パスを形成することができる。
炭素極のエッジ部にAgを塗布することにより、電極触媒層と集電体を接続して、電子導電性パス(外部配線)を形成することができる。また、炭素膜の内部又は外部に電子導電性パスを形成することができる。
高分子電解質には、パーフルオロカーボンスルホン酸が用いられる。具体的なパーフルオロカーボンスルホン酸としては、ナフィオン117(デュポン社の商標名)、フレミオン(商標名)、アシプレックス(商標名)、ダウ社のイオン交換膜などをあげることができる。
高分子電解質の両面には触媒電極を接合したMEA(membrane electrode assembly)(電極/電解質接合体)を製造することにより、電極の特性、高分子電解質の特性について良好なものとすると共に、燃料電池の効率を良好に保つことができる。
この燃料電池の作成にあたっては、選択性透過膜である緻密な炭素膜に白金微粒子、または白金−ルテニウム微粒子触媒を塗布したものを水素極とし、空気極にカーボンペーパーに白金微粒子触媒を塗布した状態とし、さらに電解質接合体を合わせた状態として、ホットプレスして、電極/電解質接合体を形成することができる。この場合に、電極の厚さが最大でも100ミクロン以下と薄いものであることから、全体としてきわめて薄い電極/電解質接合体の形成が可能となる。さらに、前記ナノ微粒子分散炭素膜では、ナノ微粒子を炭素膜の片面に局在させることが可能であるため、電極触媒塗布が必ずしも必要でないこととなる。
この燃料電池の作成にあたっては、選択性透過膜である緻密な炭素膜に白金微粒子、または白金−ルテニウム微粒子触媒を塗布したものを水素極とし、空気極にカーボンペーパーに白金微粒子触媒を塗布した状態とし、さらに電解質接合体を合わせた状態として、ホットプレスして、電極/電解質接合体を形成することができる。この場合に、電極の厚さが最大でも100ミクロン以下と薄いものであることから、全体としてきわめて薄い電極/電解質接合体の形成が可能となる。さらに、前記ナノ微粒子分散炭素膜では、ナノ微粒子を炭素膜の片面に局在させることが可能であるため、電極触媒塗布が必ずしも必要でないこととなる。
電解質膜にナフィオン膜、空気極に白金微粒子触媒を塗布したカーボンペーパー、水素極に白金微粒子触媒を塗布した炭素膜を使用し、160℃でのホットプレスにより電極/電解質接合体(MEA)を作製し、酸素0.2atm雰囲気及び水素1.0atm雰囲気下、40℃、99%加湿条件下で開回路起電力、I-V特性及び出力密度を求めた。
炭素膜には、(1)Pt0.5wt%含有炭素膜並びに、(2)Pt非含有炭素膜の二種類を使用し、電解質膜にナフィオン膜を用いたものと比較・検討を行った。
前者のPt0.5wt%含有炭素膜は、有機溶媒中に、所定量のポリアミック酸(ポリイミドの前駆体)および白金錯体を溶解させたのちに、これをガラス基板上にキャスト後、乾燥・イミド化し、600℃で真空焼成することによって得た。後者のPt非含有炭素膜は、Dupont社製ポリイミドフィルム(Kapton100H)を、600℃で真空焼成することによって得た。
比較のため、電解質膜にナフィオン膜、空気極に白金微粒子触媒を塗布したカーボンペーパー、水素極に白金微粒子触媒を塗布したカーボンペーパーを使用し、160℃でのホットプレスにより電極/電解質接合体(MEA)を作製したものを用意した。従来のセルの構造と、炭素膜を水素極に用いたセルの構造を図1に示した。
炭素膜には、(1)Pt0.5wt%含有炭素膜並びに、(2)Pt非含有炭素膜の二種類を使用し、電解質膜にナフィオン膜を用いたものと比較・検討を行った。
前者のPt0.5wt%含有炭素膜は、有機溶媒中に、所定量のポリアミック酸(ポリイミドの前駆体)および白金錯体を溶解させたのちに、これをガラス基板上にキャスト後、乾燥・イミド化し、600℃で真空焼成することによって得た。後者のPt非含有炭素膜は、Dupont社製ポリイミドフィルム(Kapton100H)を、600℃で真空焼成することによって得た。
比較のため、電解質膜にナフィオン膜、空気極に白金微粒子触媒を塗布したカーボンペーパー、水素極に白金微粒子触媒を塗布したカーボンペーパーを使用し、160℃でのホットプレスにより電極/電解質接合体(MEA)を作製したものを用意した。従来のセルの構造と、炭素膜を水素極に用いたセルの構造を図1に示した。
炭素膜を水素極に用いたセルの模式図を図2に示した。炭素極のエッジ部にAgを塗布したもので、これで電極触媒層と集電体を接続しているものである。
開回路起電力については、水素極に二種類の炭素膜およびカーボンペーパーを用いたものでは、どれも約0.90Vの安定した値を示した。出力はカーボンペーパーを使用した一般的なセルでは最大出力が3.4mW・cm-2であった。これに対して炭素膜(2)Pt非含有炭素膜を使用したものについては、最大出力は12nW・cm-2(図3)と小さいものの、出力を得ることができた。
この出力が小さいのは、炭素膜自身の電子導電性が低いためであることを確認した。そこで、炭素膜とは別に独立した電子伝導パス(外部配線)を電極触媒層と集電体の間に形成させ、水素ガスは炭素膜を通して供給され、電子は触媒層から集電体に直接流れるようにして実験を行った。炭素膜(2)Pt非含有炭素膜を使用したものについては、最大出力は6000倍強の75μW・cm-2(図4)を示した。水素ガスは炭素膜を通してのみ供給される構造で実験を行ったため、電子伝導性の外部回路を形成することで出力が改善した。
炭素膜(1)Pt0.5wt%含有炭素膜を使用したもので、外部回路を設けずに出力を測定したものは、最大出力が約24μW・cm-2(図5)を示した。
炭素膜とは別に独立した電子伝導パス(外部配線)を電極触媒層と集電体の間に形成させ、水素ガスは炭素膜を通して供給され、電子は触媒層から集電体に直接流れるようにして実験を行った。炭素膜(1) Pt0.5wt%含有炭素膜を使用したものでは、外部配線を設けることによって、それがない場合に比べ、最大出力が約10倍の240μW・cm-2(図6)に増加した。水素ガスは炭素膜を通してのみ供給される構造で実験を行ったため、電子伝導性の外部回路を形成することで出力が改善した。
Ag含有炭素膜を用いて、炭素膜とは別に独立した電子伝導パス(外部配線)を電極触媒層と集電体の間に形成させ、水素ガスは炭素膜を通して供給され、電子は触媒層から集電体に直接流れるようにして実験を行った。Ag含有炭素膜を使用したものでも、Pt0.5wt%含有炭素膜と同様、出力を得ることができた。
炭素膜に電子導電性を付与することで水素選択透過性を有する炭素膜を水素極に使用することができる。そのためには例えば、図7、図8、図9、図10のような構造があげられる。
図7、図8は炭素膜の内部に電子導電性の材料を組み込んだものである。図9は触媒層の部分に電子導電性を有する導電パターニングされた構造で、集電体とは外部回路で接続されるものである。図10は炭素膜の内部において、その片面に金属微粒子を含んだものである。
図7、図8は炭素膜の内部に電子導電性の材料を組み込んだものである。図9は触媒層の部分に電子導電性を有する導電パターニングされた構造で、集電体とは外部回路で接続されるものである。図10は炭素膜の内部において、その片面に金属微粒子を含んだものである。
図10において、貴金属微粒子を膜の片面に局在させたナノ微粒子分散炭素膜が電極として適用できる。
図10において、貴金属微粒子を膜の片面に局在させたナノ微粒子分散炭素膜に触媒層を塗布したものが電極として適用できる。
1 燃料ガス通路
2 燃料極
3 電解質層
4 空気極
5 空気通路
6 集電体
2 燃料極
3 電解質層
4 空気極
5 空気通路
6 集電体
Claims (13)
- 固体高分子電解質層とその一方の側に設けられている燃料極とこれに接して燃料ガス通路、他の一方の側に設けられている空気極とこれに接して空気通路を設けた構造の燃料電池において、燃料極に水素を透過し、燃料ガス中に微量の一酸化炭素ガスを通過させない透過選択性分離膜を設けたことを特徴とする燃料電池。
- 前記燃料極に水素を透過し、微量の一酸化炭素ガスを通過させない透過選択性分離膜が、緻密炭素膜であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記緻密炭素膜が、緻密な炭素膜前駆体有機高分子膜を400〜1200℃の無酸素雰囲気中で熱分解することによって得られる炭素膜であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
- 前記燃料極に水素を透過し、微量の一酸化炭素ガスを通過させない選択性透過膜が、8族金属及び1B族金属から選ばれるナノ貴金属微粒子を分散した緻密炭素膜であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記ナノ貴金属微粒子を分散した緻密炭素膜が、ナノ微粒子前駆体を分散させた緻密な炭素膜前駆体有機高分子膜を、400〜1200℃で無酸素雰囲気中で熱分解することによって得られる微粒子分散緻密炭素膜であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
- 前記ナノ貴金属微粒子を分散した緻密炭素膜のナノ貴金属微粒子は片面に局在させて触媒層を形成したものであることを特徴とする請求項4又は5記載の燃料電池。
- 前記透過選択性分離膜の表面に電極触媒を塗布して形成するものであることを特徴とする請求項2記載の燃料電池
- 前記透過選択性分離膜の内部又は外部に電子導電性パスを形成させたものであることを特徴とする請求項1、2又は4いずれか記載の燃料電池
- 前記燃料極と電解質層が接合体として形成されていることを特徴とする請求項1、2又は4のいずれか記載の燃料電池。
- 前記燃料極と電解質層の接合体がホットプレスにより形成されていることを特徴とする請求項9記載の燃料電池。
- 前記電子導電性パスが、電極と電解質との界面と集電体との間に形成されていることを特徴とする請求項9記載の燃料電池。
- 前記燃料極に添加されている触媒が白金微粒子触媒、又は白金―ルテニウム微粒子触媒であることを特徴とする請求項4又は5記載の燃料電池。
- 前記燃料ガス通路に供給される微量の一酸化炭素ガスを含む水素ガスとして供給されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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-
2005
- 2005-06-24 JP JP2005185079A patent/JP2007005172A/ja active Pending
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