JP2005353376A - 固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 燃料電池の出力を向上させるための燃料電池用電極の製造方法を提供する。
【解決手段】 カーボン粒子と、陽イオン交換樹脂と、陽イオン交換樹脂の溶媒とを混合して混合物を調製し、その混合物の陽イオン交換樹脂の対イオンをイオン交換反応により、触媒金属の陽イオンに置換し、さらにその陽イオンを化学的に還元する固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法である。この製造方法は、混合物に超音波を照射することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、固体高分子電解質膜の一方の面にアノードを他の面にカソードを接合して構成され、アノードに例えば水素、カソードに例えば酸化剤として酸素をそれぞれ供給することにより電気化学的反応が進行して発電する。各電極では、つぎに示す電気化学反応が生じる。
アノード:H→2H+2e
カソード:1/2O+2H+2e→H
全反応:H+1/2O→H
固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法として、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子とを含む混合物を調製し、その混合物の陽イオン交換樹脂の対イオンをイオン交換反応により、触媒金属(例えば白金)の陽イオンに置換し、さらにその陽イオンを化学的に還元する方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1参照)。このようにして製造された固体高分子形燃料電池用電極の触媒層においては、触媒金属が、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン粒子表面との接面に選択的に担持されている。ここで「選択的に担持」とは、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路(イオンクラスター)に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量の50wt%以上であることを意味する。すなわち、全触媒金属担持量の50wt%以上が電極反応に対して活性な触媒金属であるため、触媒金属の利用率が高くなり、この電極を用いた固体高分子形燃料電池では、少量の触媒金属の担持量で高出力を示すことが報告されている。
ところで、上記製造方法では、カーボン粒子と陽イオン交換樹脂のアルコール溶液とを、回転子や、種々の形状の攪拌翼により攪拌して混合していた。
特開2000−12040号公報 特開2001−167770号公報 第40回電池討論会要旨集、P167−168(1999)
しかしながら、この方法で製造された電極を用いた燃料電池の出力は必ずしも十分とは言えず、更なる改良が求められていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、燃料電池の出力を更に向上させることを目的とする。
本発明者等は、かかる問題点を解決し得る固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、出力が不十分な理由は、以下のように推測された。すなわち、カーボン粒子と陽イオン交換樹脂とその溶媒とを混合する際に、従来の混合方法では、カーボン粒子1の表面に凹凸が存在するため、図1(A)に模式的に示すように、陽イオン交換樹脂3が付着しない凹部1Aが多く残る。従って、カーボン粒子1の凹部1Aは、電極反応に関与できず、その結果、出力が不十分であると考えられる。
そこで、本発明者等が鋭意検討したところ、カーボン粒子と陽イオン交換樹脂とその溶媒との混合物に超音波照射を行うことにより、出力の高い電極を作製できることを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、請求項1の発明は、カーボン粒子と、陽イオン交換樹脂と、陽イオン交換樹脂の溶媒とを混合して混合物を調製する第1の工程と、前記混合物の陽イオン交換樹脂の対イオンをイオン交換反応により、触媒金属の陽イオンに置換する第2の工程と、前記陽イオンを化学的に還元する第3の工程を経る、固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法であって、前記第1の工程において、前記混合物に超音波を照射することを特徴とする。
また、請求項2は、請求項1に記載のものにおいて、前記第1の工程における混合を360Torr以下の減圧雰囲気下で行うことを特徴とする。
本発明の製造方法により製造された電極によって固体高分子形燃料電池の出力が向上する理由は以下のように推測される。
図1(B)に示すように、超音波によってカーボン粒子1の表面の陽イオン交換樹脂3が振動する(図1(B)の矢印は陽イオン交換樹脂3の振動の様子を模式的に示したものである)。
これにより、図1(C)に示されるように、カーボン粒子1の表面の凹部1Aに陽イオン交換樹脂3が入り込む。従って、電極反応に関与するカーボン粒子1の表面積が増えて出力が向上するものと推測される。
さらに、請求項2の構成の発明のように混合の際に360Torr以下の減圧にすると、カーボン粒子1の凹部1Aも減圧雰囲気となる。従って、凹部1Aに陽イオン交換樹脂3が入り込み易くなり、さらに電極反応に関与するカーボン粒子1の表面積が増えて出力が向上するものと考えられる。
なお、360Torr以下の減圧雰囲気としたのは、360Torrを臨界値として燃料電池の出力が顕著に向上するからである(なお、現実的には、機械的ポンプ、液噴射ポンプ、蒸気噴射ポンプ等でも0Torrとすることは困難であるため、0Torrより大きく、360Torr以下の減圧雰囲気とされる)。
以下、本発明の電極の製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法では、まず、カーボン粒子と、陽イオン交換樹脂と、陽イオン交換樹脂の溶媒と、を混合して混合物を調製する(第1工程)。
カーボン粒子は、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、活性炭などが使用できる。
カーボン粒子の平均粒径は、とくに限定されないが、好ましくは10〜100nmであり、さらに好ましくは、10〜40nmである。また、カーボン粒子の比表面積は、とくに限定されないが、好ましくは50〜1500m/gであり、さらに好ましくは200〜1000m/gである。
このように平均粒径を10〜40nmとし、かつ、比表面積を200〜1000m/gとすると、担持される触媒金属粒子が高分散となるので好ましい。
なお、平均粒径はレーザー回折散乱法で測定したd50の値を意味する。また、比表面積は、BET比表面積を意味し、例えば、島津製作所製、マイクロメリテックス、ジェニミ2375を使用して測定できる。
この工程で使用する陽イオン交換樹脂としては、とくに限定されず、公知の陽イオン交換樹脂を用いることができ、例えば、パーフルオロスルホン酸系イオン交換樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン系のスルホン酸型陽イオン交換樹脂を用いることができる。
陽イオン交換樹脂の溶媒としては、陽イオン交換樹脂を溶解できるものであれば特に限定されずに使用することができ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、及び2−ブタノール等のアルコール類が使用される。
なお、混合物を調製する際には、カーボン粒子と陽イオン交換樹脂とを容器内に入れたのちに、溶媒を加えて混合してもよいし、予め陽イオン交換樹脂を溶媒に溶解して溶液とし、この溶液とカーボン粒子とを混合してもよい。
混合する際の攪拌手段は、とくに限定されず、周知の手段(例えば、回転子や、種々の形状の攪拌翼を用いた攪拌手段)を使用することができる。
また、混合物中のカーボン粒子重量と陽イオン交換樹脂の固形分重量との比はとくに限定されないが、好ましくは70:30〜40:60(重量比)であり、さらに好ましくは、65:35〜50:50(重量比)である。この範囲よりもカーボン粒子の重量比が大きくなると陽イオン交換樹脂がカーボン粒子表面に均一にいきわたらず、その結果、陽イオン交換樹脂に吸着される陽イオンが局在化してしまう。したがって、陽イオン還元後の触媒粒子のカーボン粒子表面での分散性が低下することによって、電極反応が局所化するおそれがある。
この範囲よりも陽イオン交換樹脂の重量比が大きくなると過剰に存在する陽イオン交換樹脂が、カーボン粒子同士の間に浸入することによって、電極内のカーボン粒子の連続性が寸断され、その結果、電極内の電子伝導通路が寸断されることから、電極反応に関与しない触媒金属粒子が存在するおそれがある。
なお、混合物中に他の添加物、例えばバインダー樹脂などを加えてもよい。
また、溶媒量は、特に限定されないが、陽イオン交換樹脂100重量部に対して900〜3900重量部が望ましい。
また、本発明では、混合物に超音波を照射するが、超音波を照射する超音波照射装置としては、特に限定されず、幅広く使用することができる。例えば、株式会社エスエムテー社製の超音波分散機(形式 UH−600SR)のように、超音波照射機能と、分散機能とを兼備したものであってもよい。
さらに、本発明では、混合の際に360Torr以下の減圧にすることが望ましいが、混合の際に減圧にするためには、周知の真空攪拌装置、例えば真空ミキサーを使用することができる。
次に、混合物の陽イオン交換樹脂の対イオンをイオン交換反応により、触媒金属の陽イオンに置換する(第2工程)。イオン交換反応は、混合物を触媒金属の陽イオンを含む溶液に浸漬することによって行う。なお、浸漬の際に、混合物の形状は特に限定されず、例えば、混合物をシート状に成形したものを用いてもよい。シート状に成形する場合には、混合物を高分子シートや金属シート上に塗布し、乾燥させることによりシート状に成形することができる。また、この場合に乾燥後の混合物層の厚みはとくに限定されないが、好ましくは3〜30μmであり、さらに好ましくは、5〜20μmである。この範囲よりも厚い場合、電極内部のガス拡散性の低下によって、燃料電池の性能が低下するおそれがあるからである。この範囲よりも薄い場合、電極の厚みが不均一になるので、電流密度の不均一が生じるおそれがあるからである。
触媒金属としては、とくに限定されないが、電気化学的な酸素の還元反応、水素の酸化反応に対する触媒活性が高い金属が適しており、例えば、白金,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,パラジウム,オスニウムなどの白金族金属及びその合金が好ましい。
とくに、アノード側の電極に用いる触媒金属としては、白金金属を含む合金、例えば白金とルテニウムとを含む合金は耐一酸化炭素被毒性が高いので好ましい。
また、触媒金属の陽イオンを含んだ塩としては、金属塩や錯体の塩(錯塩)、とくに[Pt(NH3)4]X2(Xは1価の陰イオン)、[Pt(NH3)6]X4(Xは1価の陰イオン)、[Ru(NH3)6]X3(Xは1価の陰イオン)、[Co(NH3)6]Cl3、[Pd(NH3)4]Cl2、などとあらわすことができるアンミン錯体の塩が好ましい。なお、塩は複数種混合して用いても良いし、複塩でもよい。例えば、 白金化合物とルテニウム化合物とを混ぜて用いることで、還元工程により、白金−ルテニウム合金の形成が期待できる。
また、溶液の溶媒は基本的には水であるが、他の溶媒を混合してもよい。
溶液の濃度はとくに限定されないが、好ましくは0.01〜1mmol/lである。この範囲よりも濃くなると、電極表面に触媒金属の塩が析出するおそれがあり、この範囲よりも薄くなると、陽イオンの吸着速度が遅くなるおそれがあるからである。
なお、浸漬する溶液の温度は、とくに限定されないが、好ましくは40〜80℃であり、さらに好ましくは、50〜70℃である。この範囲より高くなると、溶液中の水が気化することによって、溶液の濃度が高くなり、その結果、電極表面に触媒金属の塩が析出するおそれがあるからである。この範囲よりも低くなると、溶液内で対流が起こりにくいので、吸着する速度が遅くなるおそれがあるからである。
本発明の製造方法では、陽イオン交換樹脂の対イオンと置換された触媒金属の陽イオンを化学的に還元する(第3工程)。
この工程では、例えば、混合物を150℃以上の水素または水素を含む不活性ガス雰囲気中に保持することによって、その陽イオンを触媒金属にすることができる。
触媒金属の陽イオンを還元するには、量産に適した還元剤を用いる化学的な還元方法が好ましく、とくに、水素ガスまたは水素含有ガスによって気相還元する方法またはヒドラジンを含む不活性ガスによって気相還元する方法が好ましい。
還元雰囲気の温度は、とくに限定されないが、150〜200℃が好ましい。
この範囲よりも高くなると、陽イオン交換樹脂が熱分解するおそれがあるからである。この範囲よりも低くなると、触媒金属の還元反応の速度が遅くなることによって生産性が低下するからである。
以上のようにして、触媒金属を担持した固体高分子型燃料電池用の燃料電池用の電極(触媒層)が製造される。なお、燃料電池用電極における触媒金属の担持量はとくに限定されず、陽イオン交換樹脂における陽イオン交換基の導入率、電極厚み、および、触媒金属の陽イオンを含む溶液への浸漬回数などによってコントロールすることができ、例えば、触媒金属の担持量を0.005〜0.1mg/cmとすることができる。
さらに、上述の燃料電池用電極を用いて、例えば、以下のようにして燃料電池が組み立てられる。
すなわち、別途用意した陽イオン交換膜(電解質)の両側に上述の燃料電池用電極を重ねた状態で、陽イオン交換膜のガラス転移点以上の温度でホットプレスして、膜−電極接合体(MEA:membrane-electrode-assembly)を作製する。
そして、この膜−電極接合体の両側にカーボン繊維等からなるガス拡散層を積層し、さらに、その両外側にガスケットを介して溝加工によりガス流路を表面に形成したセパレータ(バイポーラプレート)を密着して積層することによって固体高分子形燃料電池とすることができる。
なお、膜−電極接合体の作製の際に用いる陽イオン交換膜としては、とくに限定されず、周知の高分子電解質膜、例えば、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜(例えば、ペルフルオロスルホン酸型陽イオン交換膜)、スチレン−ジビニルベンゼン系のスルホン酸型陽イオン交換膜を使用することができる。
本発明の製造方法により作製された電極を用いると固体高分子形燃料電池の出力が向上する。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
1.<実施例1>
回転速度4000 rpm. 、攪拌時間10分、760Torr(=1atm大気圧)の条件で真空ミキサー(株式会社エスエムテー製、型番HV-1S type)によりカーボン粒子(Vulcan XC-72、Cabot社製(キャボット社製))と陽イオン交換樹脂溶液(Nafion 5 wt%溶液、アルドリッチ社製(Nafion Solution SE-5142))とを、カーボン粒子と陽イオン交換樹脂の固形分との質量比が60:40の割合となるように混合した。その後、混合物に超音波を照射した(株式会社エスエムテー製、型番UH−600SRを使用した。)
なお、超音波照射量としては、下記式で定義される超音波のエネルギーが0.04 Wh / gとなるように調整した。
すなわち、
超音波のエネルギー(Wh/g)
=(超音波装置の出力(W)×混合物への照射時間(h))/(処理する混合物中の陽イオン交換樹脂乾燥重量及びカーボン粒子重量の合計量(g))
次にペースト状の混合物を金属シート上に製膜した後で乾燥させた。そして、この混合物を[Pt(NH)]Cl溶液に6時間浸漬し、陽イオン交換樹脂に[Pt(NH)2+イオンを吸着させたのちに、精製水で充分洗浄・乾燥後、180℃の水素雰囲気(100%、1.5kgf cm−2)中で6時間処理することによってカーボン粒子表面近傍の錯イオンを優先的に還元して、燃料電池用電極Aを製作した。
<実施例2>
照射した超音波を0.1 Wh / gとした以外は、実施例1と同様にして、燃料電池用電極Bを製作した。
<実施例3>
照射した超音波を1.0 Wh / gとした以外は、実施例1と同様にして、燃料電池用電極Cを製作した。
<実施例4>
照射した超音波を5.0 Wh / gとした以外は、実施例1と同様にして、燃料電池用電極Dを製作した。
<実施例5>
照射した超音波を6.8 Wh / gとした以外は、実施例1と同様にして、燃料電池用電極Eを製作した
<比較例1>
照射した超音波を0 Wh / gとした以外は、実施例1と同様にして、燃料電池用電極Fを製作した。すなわち、比較例1では超音波を照射しなかった。
<実施例6>
真空ミキサーの雰囲気を560Torrの減圧雰囲気とした以外は、実施例4と同様にして、燃料電池用電極Gを製作した。
<実施例7>
真空ミキサーの雰囲気を460Torrの減圧雰囲気とした以外は、実施例4と同様にして、燃料電池用電極Hを製作した。
<実施例8>
真空ミキサーの雰囲気を360Torrの減圧雰囲気とした以外は、実施例4と同様にして、燃料電池用電極Iを製作した。
<実施例9>
真空ミキサーの雰囲気を160Torrの減圧雰囲気とした以外は、実施例4と同様にして、燃料電池用電極Jを製作した。
<実施例10>
真空ミキサーの雰囲気を略0Torrの減圧雰囲気とした以外は、実施例4と同様にして、燃料電池用電極Kを製作した。
実施例1〜5および比較例1で得られた燃料電池用電極A〜Fの白金単位質量あたりの活性な表面積と、混合物に照射した超音波エネルギーとの相関関係を求め、その結果を図2のグラフに示した。なお、白金の活性な表面積は、周知の電気化学測定法(例えば、新編 電気化学測定法(電気化学協会編(1988))に準じて測定した。
また、この実験では、アノードには白金担持カーボン(TEC10V30E、田中貴金属工業(株))と陽イオン交換樹脂とを重量比70:30の割合で混合したペーストを金属シート上で製膜・乾燥して製作したものを用い、陽イオン交換膜(電解質)としては、ナフィオン115(膜厚125μm、デュポン社製)を用いた。
図2から、実施例1〜5(0.04〜6.8Wh / g)のいずれの場合も比較例1(0Wh / g)よりも、白金の活性な表面積が大きいことが分かる。従って、混合物に超音波を照射することにより、白金の活性な表面積が増加することが判明した。
さらに、白金単位質量あたりの活性な表面積は、混合物に照射した超音波エネルギーが0 Wh / gから0.04 Wh / gあたりにかけて急激に増加したのちに、その値は5.0Wh / gまでほぼ一定であり、超音波エネルギーが0.04 Wh / g〜5.0Wh / gの範囲内が望ましいことが分かった。
この範囲より超音波エネルギーが低くなると、カーボン粒子の表面の凹部に陽イオン交換樹脂が入り込みにくく傾向にあり、一方5.0Wh/gを超えると超音波エネルギーが強すぎて、元来カーボン粒子が有している鎖状構造(カーボン粒子同士が相互に鎖状に繋がった構造)が失われる結果、カーボン粒子同士の電子伝導度が低下する傾向にあるためと推測される。
次に、実施例6〜10で得られた燃料電池用電極G〜Kをカソードに備えた燃料電池に、燃料として水素ガスを、酸化剤として空気を供給し、作動電圧0.7Vにおける白金単位質量あたりの電流値と、混合時の圧力との相関関係を求め、その結果を図3のグラフに示した。なお、アノードには白金担持カーボン(TEC10V30E、田中貴金属工業(株))と陽イオン交換樹脂とを重量比70:30の割合で混合したペーストを金属シート上で製膜・乾燥して製作したものを用い、陽イオン交換膜(電解質)としては、ナフィオン115(膜厚125μm、デュポン社製)を用いた。
図3から、単セルの0.7Vにおける白金単位質量あたりの電流値は、760Torrから360Torrあたりにかけて急激に増加したのちに、その値は0Torrまでほぼ一定であることがわかった。つまり、360Torr以下の減圧雰囲気下で陽イオン交換樹脂とカーボン粒子を混合した電極を用いると、白金単位質量あたりの電流値が高くなることがわかった。
これは、混合の際に360Torr以下の減圧にすると、カーボン粒子の凹部も減圧雰囲気となり、この凹部に陽イオン交換樹脂が入り込み易くなり、電極反応に関与するカーボン粒子の表面積が増えて出力が向上したものと考えられる。
表面に陽イオン交換樹脂を備えたカーボン粒子の模式断面図 超音波エネルギーと白金の活性な表面積との関係を示すグラフ 圧力と、白金単位質量あたりの電流値との関係を示すグラフ
符号の説明
1…カーボン粒子
3…陽イオン交換樹脂

Claims (2)

  1. カーボン粒子と、陽イオン交換樹脂と、陽イオン交換樹脂の溶媒とを混合して混合物を調製する第1の工程と、前記混合物の陽イオン交換樹脂の対イオンをイオン交換反応により、触媒金属の陽イオンに置換する第2の工程と、前記陽イオンを化学的に還元する第3の工程を経る、固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法であって、
    前記第1の工程において、前記混合物に超音波を照射することを特徴とする固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法。
  2. 前記第1の工程における混合を360Torr以下の減圧雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用の電極の製造方法。
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