JP2006160543A - 導電性材料、これを用いた燃料電池用電極触媒、およびこれらの製造方法 - Google Patents

導電性材料、これを用いた燃料電池用電極触媒、およびこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐久性に優れるだけでなく、触媒粒子を高分散担持させることができる導電性材料を提供する。
【解決手段】 本発明は、カーボン材表面が、前記カーボン材よりも結晶性が低いカーボン皮膜で被覆されてなる導電性材料により上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性材料に関し、より詳細には、耐久性に優れる導電性材料に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。燃料電池には、固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)などがある。なかでも、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動して高出力密度が得られることから、電気自動車用電源として期待されている。
固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、膜−電極接合体(以下、単に「MEA」とも記載する。)をセパレータで挟持した構造となっている。MEAは、固体高分子電解質膜が一対の電極触媒層およびガス拡散層により挟持されてなるものである。電極触媒層は、電極触媒と、固体高分子電解質とを少なくとも含み、単に電極とも呼ばれている。
固体高分子型燃料電池では、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、アノード側電極触媒層に供給された燃料ガスに含まれる水素は、電極触媒により酸化され、プロトンおよび電子となる。次に、生成したプロトンは、アノード側電極触媒層に含まれる固体高分子電解質、さらにアノード側電極触媒層と接触している固体高分子電解質膜を通り、カソード側電極触媒層に達する。また、アノード側電極触媒層で生成した電子は、アノード側電極触媒層を構成している導電性材料、さらにアノード側電極触媒層の固体高分子電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、セパレータおよび外部回路を通してカソード側電極触媒層に達する。そして、カソード側電極触媒層に達したプロトンおよび電子は、電極触媒により、カソード側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
かような電気化学的反応は、電極触媒層中の、触媒粒子と、固体高分子電解質と、燃料ガスまたは酸化剤ガスなどの反応ガスと、が接触する三相界面において進行するのである。従って、高い発電性能を有する燃料電池を得るためには、電極触媒層中の三相界面の形成量を大きくさせるのが望ましい。
従来の電極触媒は、カソードおよびアノードともに白金または白金合金等の触媒粒子を微細化して、カーボンブラック等の250〜1600m/g程度の大きな比表面積を有する導電性材料に坦持させた電極触媒が用いられている。
しかしながら、燃料電池の長時間の連続運転や起動停止などにおける様々な原因に起因して電極触媒における導電性材料が腐食消失する場合がある。かような原因の一例としては、カソードにおける電極反応は活性化エネルギーが大きいため、カソードに過電圧が生じ、カソードが貴電位環境(約0.8V)となった場合などが挙げられる。
導電性材料の腐食消失は、担持されていた白金の遊離・凝集を招き、有効電極反応面積が低下する。従って、従来の導電性材料を用いた電極触媒は、高活性で触媒性能に優れる一方で、長時間の使用において触媒活性が徐々に低下し耐久性に劣る問題があった。
そこで、従来では、導電性材料の耐久性を向上させる試みが多くなされている。例えば、特許文献1には、格子面間隔d002が0.340〜0.362nm、結晶子の大きさLが0.6〜4nm、かつ比表面積が260〜800m/gのカーボン材を導電性材料として用い、これに触媒粒子を担持させた電極触媒が開示されている。
一般的に炭素は、結晶構造がはっきりとしない無定形炭素であったものが、高温で熱処理することにより1400℃付近で炭素六員環の網平面の広がりと重なりが増大し、2300℃以上になると結晶性が高くなりグラファイト構造に似た三次元的結晶格子が形成され、これにより耐食性が向上することが知られている。
前記特許文献1では、黒鉛化によりカーボン材の結晶性を制御することにより高い性能を有する電極触媒が得られることが示されている。
特開2001−357857号公報
長期に亘って高い発電性能を有する燃料電池とするためには、耐久性だけでなく触媒活性にも優れる電極触媒が所望されている。
上記特許文献1の電極触媒では、耐久性が向上するものの、十分な触媒活性が得られない恐れがあった。かような原因としては、以下のことが考えられる。
すなわち、黒鉛化されたカーボン材では、高温熱処理により比表面積が著しく低下し、さらに、カルボキシル基、カルボニル基などの表面官能基も消失しているため、触媒粒子が凝集し易い状態となっており、触媒粒子を高分散させて担持させるのが困難である。従って、黒鉛化されたカーボン材を用いた電極触媒は、耐久性に優れるが、発電開始初期から十分な触媒活性が得られないなど、触媒性能に劣る問題があった。
そこで、本発明が目的とするところは、耐久性に優れるだけでなく、触媒粒子などを高分散担持させることができる導電性材料を提供することを目的とする。
上記の通り、黒鉛化などにより高い結晶性を有するカーボン材は、比表面積が低下し、耐久性が向上するものの、十分な触媒活性が得られない恐れがある。これに対し、低い結晶性を有するカーボン材は、高い比表面積を有し、触媒粒子を高分散担持させることができる。
本発明では、かような知見に基づき鋭意検討した結果、カーボン材表面を、前記カーボン材よりも結晶性が低いカーボン皮膜で被覆することが効果的であることを見出した。すなわち、本発明の目的は、カーボン材表面が、前記カーボン材よりも結晶性が低いカーボン皮膜で被覆されてなる導電性材料により上記課題を達成する。
本発明によれば、触媒粒子を高分散担持することができる導電性材料を提供することが可能となる。前記導電性材料を、好ましくは燃料電池用電極触媒に用いることにより、発電開始初期から長期に亘って高い触媒活性を示すことができる燃料電池用電極触媒が得られる。
本発明の第一は、上記した通り、カーボン材表面が、前記カーボン材よりも結晶性が低いカーボン皮膜で被覆されてなる導電性材料である。
本発明の導電性材料において、カーボン皮膜は、カーボン材よりも結晶性が低い、すなわち、カーボン材よりも黒鉛化が進行しておらず非晶質なものを用いる。かようなカーボン皮膜は、高い比表面積およびカルボシキル基などの表面官能基を多く有しており、白金粒子などの触媒粒子が高分散担持され易い状態となっている。また、カーボン材としては、前記カーボン皮膜よりも黒鉛化が進行した結晶性の高いものを用いる。
本発明の導電性材料は、カーボン材により耐食性を確保しつつ、カーボン皮膜により導電性材料表面を、白金粒子などの触媒粒子を高分散担持させることが可能な表面活性の高い状態とすることが可能となる。
本発明の導電性材料において、カーボン材としては、一般的に用いられているものであればよいが、カーボン皮膜よりも結晶性の高いものを用いる。
具体的には、アセチレンブラック、トーカブラック、カーボンブラック、活性炭、またはこれらを黒鉛化処理した黒鉛化カーボンなどが挙げられ、カーボン皮膜の結晶性に応じて一種または二種以上を適宜選択して用いるとよい。なかでも、高い耐食性を確保できることから、黒鉛化処理した黒鉛化カーボンを用いるのが好ましい。しかしながら、本発明において、カーボン材は、黒鉛化カーボンに限定されず、所望する導電性材料が得られるのであれば、黒鉛化されていない上述したカーボンブラックなどを用いてもよい。
前記カーボン材は、市販品を用いることができ、キャボット社製バルカンXC−72、バルカンP、ブラックパールズ880、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ1300、ブラックパールズ2000、リーガル400、ライオン社製ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JD、三菱化学社製#3150、#3250などのオイルファーネスブラック;電気化学工業社製デンカブラックなどのアセチレンブラック:黒鉛化ケッチェンブラックEC、黒鉛化ケッチェンブラックEC600JDや黒鉛化ブラックパールなどの黒鉛化カーボンが挙げられる。
カーボン材の大きさとしては、特に限定されないが、平均粒子径が、好ましくは5〜200nm、より好ましくは10〜100nmとするのがよい。平均粒子径が5nm未満であるとカーボン材料表面へのカーボン皮膜の形成が難しいとともに、所望するほどの効果が得られない恐れがあり、一方、200nmを超えると十分な比表面積を有する導電性材料が得られない恐れがある。
カーボン材の比表面積は、好ましくは20〜1600m/g、より好ましくは80〜1200m/gとするのがよい。前記比表面積を上記範囲内とすることにより、カーボン材とカーボン皮膜との高い密着性が得られる。なお、前記比表面積はBET法によって測定された値である。
本発明の導電性材料において、上述したカーボン材は表面全体をカーボン皮膜により被覆しているのが望ましい。しかしながら、カーボン皮膜に被覆されずにカーボン材の一部が露出している導電性材料も本発明の概念に含まれるものとする。また、導電性材料におけるカーボン皮膜およびカーボン材は、透過型電子顕微鏡により観察することができる。
本発明の導電性材料におけるカーボン皮膜としては、特に制限されないが、有機物を炭化されてなるものが好ましく挙げられる。分子中に炭素原子を含んだ有機物を用いることにより、焼成温度などの炭化条件により結晶性を制御することができ、所望するカーボン皮膜を容易に得ることができる。
前記有機物としては、炭素原子を含んでいればよく、焼成など炭化する際にガス化せず、焼成後に炭素が残留するものであれば特に限定されずに用いることができる。
前記有機物として、具体的には、スクロース、グルコース、フルクトースなどの糖類;オリゴ糖、デンプンなどの多糖類;フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂;セルロース系、ポリビニルアルコール系(PVA系)、ポリエチレングリコール系、酢酸アンモニウム塩系などの界面活性剤;クエン酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸などが好ましく挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
なかでも、前記有機物としては、カーボン材表面に均一な厚さのカーボン皮膜を形成できることから、界面活性剤が好ましく挙げられる。かような効果が得られる理由はあきらかではないが、界面活性剤は疎水性基および親水性基を有しており、どちらかの基がカーボン材表面に吸着し易いことが考えられる。
カーボン皮膜の厚さは、好ましくは100nm以下、より好ましくは50〜1nmとするのがよい。前記厚さが、1nm未満であると導電性材料表面に触媒粒子を高分散担持させるのに好適な状態を十分に確保できない恐れがあり、100nmを超えると導電性材料の耐食性を十分に確保できない恐れがある。
本発明の第二は、上述した本発明の第一の導電性材料を用いた燃料電池用電極触媒である。すなわち、導電性材料に触媒粒子が担持されてなる燃料電池用電極触媒において、前記導電性材料が本発明の第一の導電性材料を含む燃料電池用電極触媒(以下、単に「電極触媒」とも記載する)である。
上述した通り、本発明の第一の導電性材料は、表面に白金粒子などの触媒粒子を高分散担持させることができる。従って、本発明の導電性材料を、触媒担体として用いれば、高い触媒活性を反応開始初期から発揮することができる種々の触媒を提供することが可能となる。
本発明の第一の導電性材料の用途としては、白金粒子などが担持される燃料電池用電極触媒などが好ましく挙げられる。これにより、触媒活性に優れる電極触媒が得られるだけでなく、電極触媒層における空隙の減少による三相界面の形成量の減少を抑制する効果が得られることが判明した。かような効果が得られる詳細なメカニズムは不明であるが以下のことが考えられる。しかしながら、下記メカニズムは推測であり、前記効果が得られるメカニズムが下記のものに限定されるわけではない。
まず、導電性材料としてカーボン粒子を用い、これに白金粒子などの触媒粒子を担持させた従来の電極触媒を用いて作製した電極触媒層の劣化について、図4を用いて説明する。図4は、燃料電池の電極触媒層における、従来の電極触媒と固体高分子電解質との接触状態を示す模式図であり、電極反応が進行した際の前記接触状態の変化を説明するための図である。
電極触媒層においてカーボン粒子3の表面に白金粒子1が担持されてなる従来の電極触媒と固体高分子電解質4との間には、発電開始初期には図4(a)に示すように、空隙5を有している。前記空隙5は、水素ガスまたは酸素ガスなどの反応ガスの移動通路であるとともに、特にカソード側電極触媒層では反応生成物である水の排出経路として大きな役割を有する。しかしながら、発電開始から長時間経過すると、電極触媒層の使用時に生じる種々の負荷により、触媒粒子の溶出、カーボン粒子の溶出、または、固体高分子電解質の劣化などが生じ、これに起因して、図4(b)に示すように電極触媒層中の空隙が減少する。この空隙の減少は、電極触媒層中のガス拡散性および排水性を低下させ、燃料電池の発電性能に大きく影響する。
これに対して、カーボン材表面にカーボン皮膜を有する導電性材料を用い、これに白金粒子などの触媒粒子を担持させた本発明の電極触媒を用いて作製した電極触媒層における、電極触媒と固体高分子電解質との接触状態を図1に示す。図1も、図4と同様に、発電開始初期から長時間経過後の、本発明の電極触媒と固体高分子電解質との接触状態の変化を説明するための図である。
図1(a)の電極触媒層においても、発電開始初期には、カーボン皮膜2で被覆されたカーボン材3からなる導電性材料上に、触媒粒子1が担持された本発明の電極触媒と、固体高分子電解質4との間には空隙5を有している。この空隙5は、図1(b)に示すように、上記と同様に電極触媒層の使用時の負荷により減少する。しかしながら、本発明の電極触媒では、さらに長時間に亘り発電させるとカーボン皮膜2が徐々に減少し、図1(c)に示すように、ガス拡散および排水のための空隙5を再度、確保することができ、空隙の減少による発電性能の低下を防止することが可能となるのである。
従って、本発明の第一の導電性材料を燃料電池用電極触媒における担体として用いることにより、三相界面の形成量を減少させることなく、高い触媒活性を発電開始初期から長期に亘り維持することが可能な電極触媒を提供することが可能となる。
本発明の電極触媒における触媒粒子としては、水素の酸化反応または酸素の還元反応に触媒作用を有することが求められ、少なくとも白金を含むのが好ましい。また、耐熱性、一酸化炭素などに対する耐被毒性などを向上させるために、白金と、その他の金属との合金としてもよい。前記合金として、具体的には、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、およびアルミニウムなどから選択される少なくとも1種以上の金属と、白金との合金などが挙げられる。
前記触媒粒子の平均粒子径は1〜30nmであることが好ましい。触媒粒子は、粒子径が小さいほど比表面積が大きくなるため触媒活性も向上すると推測されるが、実際は、触媒粒子の粒子径を極めて小さくしても、比表面積の増加分に見合った触媒活性は得られない恐れがあるため、上記範囲とするのが好ましい。
なお、本発明における「触媒粒子の平均粒子径」は、X線回折における触媒の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、あるいは、透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒粒子径、の平均値により測定することができる。
触媒粒子の担持量は、電極触媒の全量に対して10〜80質量%、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%とするのがよい。前記担持量が、10質量%未満である場合、所望する触媒活性を得るために電極触媒量を増大させる必要が生じる。これにより電極触媒層が厚くなり、内部抵抗や反応物の拡散抵抗などが増大して電池性能の低下を招く恐れがある。また、80質量%を超えた場合には、導電性材料上に担持する触媒粒子の重なりが多くなり、使用する触媒粒子量に対して得られる触媒活性が小さくなるため、高コストになる恐れなどがある。このような担持率は、高倍率の走査型や透過型の電子顕微鏡を用いた粒子表面及び断面観察から測定することができる。
図2に示すように、本発明の電極触媒において、触媒粒子1は、カーボン皮膜2表面に単に担持されているだけでもよい。しかしながら、本発明の電極触媒における触媒粒子の担持状態としては、図3に示すように、触媒粒子1の一部が、カーボン皮膜2に埋没しているのが好ましい。これにより、燃料電池の運転時などにおいて、熱的エネルギーや振動などによる触媒粒子のシンタリングを抑制することが可能となる。
なお、図2および図3は、本発明の電極触媒の断面模式図であり、各図(a)の円で囲った部分の拡大図を各図(b)に示している。また、用いている符号については図1と同様である。
触媒粒子の担持状態としては、触媒粒子がカーボン皮膜に埋没し、さらに、前記触媒粒子の一部がカーボン材に接触している状態が特に好ましい。これにより、電極反応が長期亘って進行し、カーボン皮膜が減少しても、触媒粒子の脱落などを防止することができる。
なお、触媒粒子が全てカーボン皮膜に埋没すると、電極反応が進行する三相界面の形成が困難となる恐れがあり、また、触媒粒子が十分に埋没していないとシンタリングを生じる恐れがある。これらを考慮して、触媒粒子は、触媒粒子の体積に対して、1/3以上埋没しているのが好ましく、より好ましくは1/3〜1/2埋没しているのが好ましい。
本発明の電極触媒は、高電位環境下(約0.8V以上)、強酸性雰囲気下などの、導電性材料が腐食消失しやすい環境下であっても、高い耐久性および触媒活性を発揮することができる。前記電極触媒の用途としては、燃料電池に用いるのが好ましい。これにより、長期に亘り高い発電性能を示すことできる燃料電池を提供することが可能となる。
従って、本発明の第三は、本発明の第二の電極触媒を用いた燃料電池である。前記燃料電池の種類としては、特に限定されず、固体高分子型燃料電池、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池などが挙げられる。なかでも小型かつ高密度・高出力化が可能である固体高分子型燃料電池が好ましく挙げられる。
本発明の電極触媒は高い耐久性を有することから、固体高分子型燃料電池において、アノード側電極触媒層およびカソード側電極触媒層のいずれに用いてもよい。しかしながら、導電性材料の腐食消失はカソード側電極触媒層に生じやすく、また本発明の電極触媒によれば上述の通り電極触媒層における空隙の減少を抑制できフラッディング現象を抑制することも可能となる。従って、本発明の電極触媒は、固体高分子型燃料電池のカソード側電極触媒層に用いるのが特に好ましい。
なお、本発明の燃料電池は、本発明の導電性材料および電極触媒を用いることを特徴とするものであり、その他の構成要件としては、特に制限されず、従来一般的な燃料電池と同様である。
本発明の第四は、本発明の第一の導電性材料の製造方法である。すなわち、カーボン材表面に、有機物で被覆することによりカーボン皮膜前駆体を形成する段階(A)と、前記カーボン皮膜前駆体を、焼成することにより炭化してカーボン皮膜とする段階(B)と、を含む、導電性材料の製造方法である。
まず、カーボン皮膜前駆体を形成する段階(A)について説明する。
段階(A)において、用いられるカーボン材および有機物に関しては、本発明の第一において記載した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、カーボン材として、黒鉛化カーボンを用いる場合、黒鉛化処理する方法としては、カーボンブラック等を熱処理する方法など、従来一般的に用いられているものであれば特に限定されない。前記熱処理は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。また、熱処理温度、熱処理時間は、用いるカーボン種によってことなるため、得られるカーボン材が所望の耐食性などを有するように適宜決定すればよいが、2,000〜3,000℃、好ましくは2600〜3000℃で熱処理を行えばよい。
有機物でカーボン材を被覆する方法としては、特に限定されないが、有機物を、水、および/または、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒などの溶媒に分散または溶解させて溶液とし、これにカーボン材を分散させて十分に攪拌させた後、前記溶媒を除去する方法、などが用いられる。
有機物を含む前記溶液にカーボン材を分散させる方法としては、ホモジナイザー、超音波分散装置等の適当な分散手段により十分に分散させてもよく、これらの分散手段は適宜組み合わせてもよい。前記カーボン材を前記溶液に添加した後、必要に応じて超音波照射や減圧脱泡により前記溶液を細部にまで浸透させる手段を加えても良い。これらの手段により、カーボン皮膜前駆体を均一に形成させることができる。
前記溶液にカーボン材を分散させた後、前記溶媒を除去する方法としては、減圧乾燥器などを用いて減圧環境下などで行う方法、ロータリーエバポレータ等で適当に攪拌等しながら加熱する方法など、を用いればよく特に制限されない。また、有機物として界面活性剤を用いた場合には、カーボン材表面に吸着した界面活性剤が分離するのを防止するため、前記方法のうち後者の方法を用いるのがよい。具体的には、溶媒が水の場合には、混合液をロータリーエバポレータ等で適当に攪拌等しながら90℃程度以下で、溶媒である水分が完全に蒸発するまで加熱を続ければよい。90℃を超える場合には、溶媒が急激に蒸発するため、一部のカーボン材に有機物が偏析する恐れがある。
前記有機物を含む溶液にカーボン材を分散させて十分に攪拌させた後、溶媒を除去する上述した方法により、カーボン材表面に有機物からなるカーボン被膜前駆体を形成することができる。
また、得られるカーボン皮膜が所望の厚さを有するようにするためには、前記溶液における有機物の濃度、後述するカーボン皮膜前駆体の焼成温度などを適宜調整するとよい。
溶媒を除去した後、カーボン皮膜前駆体に被覆されたカーボン材がバルク形態の場合には、適当に粉砕してもよい。
有機物でカーボン材を被覆する方法としては、上述した方法に限定されず、カーボン蒸着、CVDによる方法など従来一般的な方法を適宜参照して用いてもよい。
また、カーボン材は、予め賦活処理したものを用いるのが好ましい。すなわち、本発明の製造方法では、前記(A)段階の前に、カーボン材を賦活処理する段階を含んでいてもよい。賦活処理することにより、カーボン材の表面積を増大させることができ、得られるカーボン皮膜の密着性を向上させることができる。
前記賦活処理としては、賦活材として塩化亜鉛やリン酸等を用いる薬品賦活処理、賦活材として水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等を用いるアルカリ賦活処理、賦活材として二酸化炭素や空気等を用いるガス賦活処理や、賦活材として水蒸気を用いる水蒸気賦活処理等がある。例えば、水蒸気賦活処理として、具体的には、80℃程度以上の飽和水蒸気を含んだ窒素ガス雰囲気中で800〜1000℃程度に加熱することにより賦活処理を行うことができる。
次に、カーボン皮膜前駆体を焼成する、段階(b)について説明する。
カーボン皮膜前駆体の焼成温度としては、用いた有機物の種類により異なるため一義的に定義できないが、好ましくは100〜2500℃で行うのがよい。焼成温度が、100℃未満では炭化が進行しにくいと共に、形成されたカーボン皮膜層が不安な状態となる恐れがあり、一方、2500℃を超えた場合、使用したカーボン材と同等の結晶性を有するカーボン皮膜を形成してしまう恐れがある。この時、得られるカーボン皮膜の結晶性が、カーボン材よりも低くなるように、焼成の温度、時間などを調整するとよい。
焼成雰囲気としては、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気中;水素、一酸化炭素、これらと不活性ガスとの混合ガスなどの還元性ガス雰囲気中などで行ってもよいが、本発明では、分子状酸素および/または水蒸気を含むガス雰囲気下で行うのが好ましい。分子状酸素または水蒸気を含むことにより、カーボン皮膜の形成とともに、得られたカーボン皮膜の賦活処理をすることがでる。これにより、得られる導電性材料表面の表面積を増大させて、白金粒子などの触媒粒子をより高分散担持させやすい状態とすることができる。
焼成雰囲気における分子状酸素および水蒸気の含有量は、多過ぎると却って触媒粒子などを担持させるのが困難となる恐れがあり、少なすぎると十分に表面積を増大できない恐れがある。
焼成雰囲気中に分子状酸素を供給する手段としては、特に制限されず、空気や純酸素などを用いればよいが、通常は空気や純酸素などをさらに前記不活性ガスなどで希釈して用いる。また、焼成雰囲気における水蒸気には不活性ガスなどがさらに含まれていてもよい。
また、前記焼成をすることにより得られた導電性材料に、さらに賦活処理を行ってもよい。前記賦活処理としては、カーボン材を予め賦活処理する上述した方法と同様のため、ここでは詳細な説明を省略する。
本発明の第五は、本発明の第一の導電性材料を用いた電極触媒の製造方法である。
前記方法において、まず、前記導電性材料に、触媒粒子を担持させる。前記導電性材料および触媒粒子としては、本発明の第一の導電性材料および本発明の第二の燃料電池用電極触媒において説明したのと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
前記導電性材料に触媒粒子を担持させるには、含浸法、液相還元担持法、蒸発乾固法、コロイド吸着法、噴霧熱分解法、逆ミセル(マイクロエマルジョン法)などの従来公知の方法を用いて行えばよい。
白金粒子を導電性材料上に担持させる方法として、以下に一例を示すが、下記方法に限定されるわけではない。
まず、白金化合物を水または水とアルコールとの混合溶媒に溶解させ、これに導電性材料を分散させた後、還元剤を添加することにより、導電性材料上に白金粒子を担持させる。
前記白金化合物としては、特に制限されないが、白金の硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン、炭酸塩、重炭酸塩、ハロゲン塩、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイド、酸化物などが例示でき、これらを溶解する溶媒の種類やpHなどによって適宜選択することができる。
前記還元剤としては、特に制限されないが、水素、ホウ素化水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、酢酸などの有機酸またはその塩、水素化ホウ素ナトリウム、蟻酸、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、エチレン、一酸化炭素等が挙げられる。前記白金化合物を含む溶液に前記還元剤を添加した後は、還流反応装置などを用いて20〜100℃に加熱して、白金の還元担持を行えばよい。
電極触媒における触媒粒子の担持量および粒子径などは、白金化合物を含む溶液における、白金化合物の濃度、還元剤の添加量、還元反応時の温度、時間などを調整することにより制御できる。
次に、白金粒子が担持された導電性材料を、溶液から濾別し、乾燥させる。乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ロータリーエバポレータ、沿送風乾燥機による乾燥など、公知の方法を用いればよく、特に限定されない。乾燥時間などは、使用する方法に応じて適宜決定すればよい。
上述した方法により、導電性材料上に白金粒子などの触媒粒子が担持された、図2に模式的に示すような電極触媒が得られる。
本発明の方法では、触媒粒子が担持された導電性材料を、さらに、焼成するのが好ましい。白金粒子を含む触媒粒子は酸化効果を有する。従って、焼成することでカーボン皮膜の触媒粒子と接触している近傍部分が酸化され、図3に模式的に示すように触媒粒子をカーボン皮膜に埋没させることができる。また、上述した方法において、前記乾燥を行わずに焼成のみ行ってもよい。
焼成条件としては、特に限定されないが、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気中;水素、一酸化炭素、およびこれらと不活性ガスとの混合ガスなどの還元性ガス雰囲気中で行ってもよい。しかしながら、本発明では、分子状酸素を含むガス雰囲気下で焼成を行うのが好ましい。分子状酸素を含むことにより、カーボン皮膜への触媒粒子の埋没を容易にさせることができる。しかしながら、これらのガスの流入量が多過ぎると、導電性材料が燃焼する恐れがある。従って、分子状酸素の流入量を導電性材料の結晶性などを考慮して適宜決定するとよい。
焼成雰囲気中に分子状酸素を供給する手段としては、特に制限されず、空気や純酸素などを用いればよいが、通常は空気や純酸素などをさらに前記不活性ガスなどで希釈して用いる。
また焼成温度としては、触媒粒子および導電性材料の種類によって異なるため一義的に定義できないが、100〜1000℃、好ましくは200〜600℃で行えばよい。
カーボン皮膜に触媒粒子を埋没させる深さ、触媒粒子とカーボン材の接触状態などは、焼成する際の、温度、時間、雰囲気などにより適宜調整することにより制御できる。
また、触媒粒子を白金合金とするには、上記方法などを用いて白金粒子を担持させた導電性材料に、さらに白金と合金化させる他の金属粒子を上記方法により担持させた後、焼成などにより合金化させるなどすればよい。合金化するための焼成と、触媒粒子を埋没させるための焼成は同時に行ってもよい。白金粒子および金属粒子を担持させる順序は、特に限定されず、金属粒子を担持させた後に白金粒子を担持させてもよい。
本発明の電極触媒を用いて燃料電池における電極触媒層を作製するには、特に制限されず従来公知の方法を用いることができ、例えば、固体高分子電解質を水やアルコール系溶媒に混合させた溶液に、本発明の電極触媒など電極触媒層を構成する材料を添加してスラリーとした触媒インクを、固体高分子電解質膜またはガス拡散層上に、塗布および乾燥させる公知の方法などを用いればよい。
前記固体高分子電解質としては、従来公知のものを用いることができ、少なくとも高いプロトン伝導性を有する部材であればよい。具体的には、Nafion(デュポン社登録商標)などのスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体、などが挙げられる。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細により具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例のみに限定されることはない。
(実施例1)
(1)導電性材料の作製
カーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC600JD:BET比表面積1270m/g、平均粒子径30nm)を窒素ガス雰囲気下、3000℃で、熱処理し、黒鉛化した黒鉛化カーボンブラックを得た。
カーボン材として前記黒鉛化カーボンブラック10gを用い、これを10質量%の界面活性剤(東京化成工業株式会社製 ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル n=5)含む水溶液100mlに混合して十分に攪拌させることにより、前記黒鉛化カーボンブラック表面に界面活性剤を吸着させた。その後、ロータリーエバポレータにより90℃に加熱しながら真空乾燥器中で乾燥を行うことにより、前記界面活性剤からなるカーボン皮膜前駆体を有する黒鉛化カーボンブラックを得た。これを更に、窒素ガス雰囲気下、600℃、6時間、焼成することにより、カーボン皮膜前駆体を炭化させてカーボン皮膜を形成させることにより、導電性材料を得た。
(2)白金粒子の担持
前記導電性材料1gを、還元剤であるエタノール50mlに分散して混合液とし、さらに、白金粒子原料として白金1gを含むジニトロジアミン白金水溶液200mlを前記混合液に投入し、85℃で6時間、攪拌混合しながら保持し、液色が無色透明になるまで還元反応を進行させた後、ろ過することにより得られた固形分を、純水にて数回、洗浄した。さらに、大気雰囲気下、80℃、8時間乾燥することにより、前記導電性材料上に白金粒子(平均粒子径3nm、担持量50質量%)を担持させた電極触媒を得た。
(3)電極触媒層の作製
前記電極触媒、イオン交換水、Nafion(登録商標)溶液(DuPont社製 DE520、Nafion5wt%含有)、プロパノールを混合することで、触媒インクを調製した。次いで、触媒インクをスクリーンプリンターを用いてテフロン(登録商標)シート上に塗布および乾燥させることで、電極触媒層(厚さ10μm、大きさ50×50mm)を得た。
(実施例2)
実施例1の(2)白金粒子の担持において得られた電極触媒を、さらに、酸素を0.01モル%含むアルゴンガス雰囲気下、250℃で、12時間、焼成を行った以外は、実施例1と同様にして、電極触媒層を作製した。
(比較例1)
カーボン皮膜を形成させずに、黒鉛化カーボンブラック上に白金粒子を担持させた以外は、実施例1と同様にして電極触媒層を作製した。
比較例1で作製した電極触媒層を用いた燃料電池は、長時間に亘り運転すると、発電性能の低下が見られた。これは、電極触媒層の劣化が進行することにより生成水の排出経路およびガス拡散経路を担う空隙が現象し、三相界面の形成量が減少したものと考えられる。
これに対し、実施例1および2で作製した電極触媒層を用いた燃料電池は、カーボン皮膜により触媒粒子の高い分散性が得られ、発電開始初期から高い発電性能を示している。さらに、長時間運転後であっても、カーボン皮膜が減少することで、生成水の排出経路およびガス拡散経路を担う空隙を確保することができ、反応場である三相界面の現象を抑制することが可能となる。これにより、発電開始初期から長期に亘って高い発電性能を示すことができる。
本発明の導電性材料は、耐食性に優れるだけでなく、触媒粒子を高分散担持させることが可能となる。従って、前記導電性材料は、発電開始初期から長期に亘って高い触媒活性を維持することが所望される燃料電池用電極触媒に有用である。
本発明の好ましい一実施形態である電極触媒を用いて作製した電極触媒層における、電極触媒と固体高分子電解質との接触状態を示す図である。 本発明の好ましい一実施形態である電極触媒の断面模式図を示す。 本発明の好ましい一実施形態である電極触媒の断面模式図を示す。 従来の電極触媒を用いて作製した電極触媒層における、電極触媒と固体高分子電解質との接触状態を示す図である。
符号の説明
1…触媒粒子、2…カーボン皮膜、3…カーボン材、4…固体高分子電解質、5…空隙。

Claims (10)

  1. カーボン材表面が、前記カーボン材よりも結晶性が低いカーボン皮膜で被覆されてなる導電性材料。
  2. 前記カーボン材が、アセチレンブラック、トーカブラック、カーボンブラック、活性炭、および、これらを黒鉛化処理してなる黒鉛化カーボンからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1記載の導電性材料。
  3. 前記カーボン皮膜は、有機物が炭化されてなるものである請求項1または2記載の導電性材料。
  4. 導電性材料に触媒粒子が担持されてなる燃料電池用電極触媒において、
    前記導電性材料が請求項1〜3のいずれかに記載の導電性材料を含む燃料電池用電極触媒。
  5. 前記触媒粒子の少なくとも一部が、前記カーボン皮膜に埋没している請求項4記載の燃料電池用電極触媒。
  6. 請求項4または5記載の燃料電池用電極触媒を用いたことを特徴とする燃料電池。
  7. カーボン材表面に、有機物で被覆することによりカーボン皮膜前駆体を形成する段階(A)と、
    前記カーボン皮膜前駆体を、焼成することにより炭化してカーボン皮膜とする段階(B)と、を含む、導電性材料の製造方法。
  8. 前記段階(A)の前に、前記カーボン材を賦活処理する段階、を含む請求項7記載の導電性材料の製造方法。
  9. 前記焼成は、分子状酸素および/または水蒸気を含むガス雰囲気下で行う請求項7または8記載の導電性材料の製造方法。
  10. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性材料に、触媒粒子を担持した後、分子状酸素を含むガス雰囲気下で焼成する段階を含む燃料電池用電極触媒の製造方法。
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