JP2007002284A - 蒸着源装置及び真空蒸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機薄膜材料加熱装置の温度を安定かつ容易に制御することを可能にするとともに、有機薄膜材料加熱装置に貯留された有機薄膜材料の温度を急速に上昇、下降、又は所定の温度に保持させることを可能にした蒸着源装置及び該蒸着源装置を備える真空蒸着装置を提供すること。
【解決手段】有機薄膜材料3を加熱するヒーター6を備えた有機薄膜材料加熱装置5と、有機薄膜材料加熱装置5の温度を制御するために所定の温度範囲に制御される恒温装置8と、有機薄膜材料加熱装置5と恒温装置8間の熱を交換するために設けられた熱交換器12とを真空中に配設し、有機薄膜材料加熱装置5において、−50℃から500℃の温度範囲の昇華温度を有する有機薄膜材料3を昇華させるようにしたことを特徴とする蒸着源装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機薄膜材料が貯留された坩堝を加熱することによって有機薄膜材料を昇華させて基板等に薄膜を形成する蒸着源装置及び該蒸着源装置を備える真空蒸着装置に係り、特に、低昇華温度を有する有機薄膜材料を有効に昇華させることのできる蒸着源装置及び該蒸着源装置を備える真空蒸着装置に関する。
通常、有機薄膜材料等の薄膜形成材料が貯留された坩堝を加熱用ヒーターにより加熱することによって薄膜形成材料を昇華させる蒸着源装置においては、所定の昇華速度で昇華させる必要がある。そのため、所定の昇華速度が得られるまで、蒸着源装置の温度制御をする必要があるが、所定の昇華速度に達するまで温度制御に長時間を要し、その間に薄膜形成材料が無駄に昇華してしまい薄膜形成材料の損失を招き、薄膜形成材料が高価又は貴重な場合には多大な損失を被る問題があった。
また、蒸着源装置においては、加熱用ヒーターを加熱することによって温度上昇が行われるが、一方で室温に保持された蒸着源装置は、自然放熱により熱流出されてしまうため,蒸着源装置の温度を室温近傍に安定的に保持することが極めて困難であり、昇華温度が室温またはその前後にある薄膜形成材料を安定的に昇華させて薄膜を形成することが困難であった。
また、従来の蒸着源装置は特に冷却手段を備えていないため、蒸着終了後、蒸着源装置は自然冷却されるため、蒸着源装置の温度が薄膜形成材料の昇華温度以下に低下するまで長時間を要し、その間に薄膜形成材料が無駄に昇華してしまうため薄膜形成材料の損失を招き、薄膜形成材料が高価又は貴重な場合には多大な損失を被る問題があった。また、薄膜製造に要する時間の増大は、薄膜素子の製造コストにも影響を及ぼすためこれを減少することは産業応用上においても重要な課題である。
なお、特開平10−25563号公報には、真空槽内に、蒸発源を配置し、この蒸発源の上方に、被処理物を支持し、蒸発源から蒸発物を蒸発させて、被処理物の表面に膜を生成する真空蒸着装置が開示されている。
特開平10−25563号公報
本発明の目的は、上記の種々の問題点に鑑み、有機薄膜材料加熱装置を−50℃から500℃の温度範囲で制御する蒸着源装置において、有機薄膜材料加熱装置の温度を安定かつ容易に制御することを可能にした蒸着源装置及び該蒸着源装置を備える真空蒸着装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、有機薄膜材料加熱装置を−50℃から500℃の温度範囲で制御する蒸着源装置において、有機薄膜材料加熱装置に貯留された有機薄膜材料の温度を急速に上昇、下降、又は所定の温度に保持させることを可能にした蒸着源装置及び該蒸着源装置を備える真空蒸着装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、下記に示すような手段を採用した。
第1の手段は、有機薄膜材料を加熱する加熱用ヒーターを備えた有機薄膜材料加熱装置と、該有機薄膜材料加熱装置の温度を制御するために所定の温度範囲に制御される恒温装置と、前記有機薄膜材料加熱装置と前記恒温装置間の熱を交換するために設けられた熱交換器とを真空中に配設し、前記有機薄膜材料加熱装置において、−50℃から500℃の温度範囲の昇華温度を有する前記有機薄膜材料を昇華させるようにしたことを特徴とする蒸着源装置である。
第2の手段は、第1の手段において、前記熱交換器は、前記有機薄膜材料加熱装置と前記恒温装置との間に、前記有機薄膜材料加熱装置及び前記恒温装置を構成する材料の熱伝導率より低い熱伝導率を有する取り外し可能な柱状の支持体から構成されることを特徴とする蒸着源装置である。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段において、前記恒温装置は、冷却媒体又は加熱媒体を流通させることにより−200℃から数100℃の温度範囲の任意の温度に制御されるように構成されていることを特徴とする蒸着源装置である。
第4の手段は、第1の手段乃至第3の手段のいずれか1つの手段において、前記恒温装置の温度を室温以下に保持し、前記熱交換器を通じて前記有機薄膜材料加熱装置の温度を低下させ、前記有機薄膜材料加熱装置に貯留された室温において昇華可能な有機薄膜材料を昇華温度以下に保持するようにしたことを特徴とする蒸着源装置である。
第5の手段は、第1の手段乃至第3の手段のいずれか1つの手段において、 蒸着開始時、前記有機薄膜材料加熱装置に貯留された有機薄膜材料を加熱するとともに、前記恒温装置の温度を高温に保持し、前記熱交換器を通じて前記有機薄膜材料加熱装置に貯留された前記有機薄膜材料の温度上昇を補助させ、前記有機薄膜材料を急速に昇華させるようにしたことを特徴とする蒸着源装置である。
第6の手段は、第1の手段乃至第3の手段のいずれか1つの手段において、蒸着終了時、前記恒温装置の温度を急速に低温に保持し、前記熱交換器を通じて前記有機薄膜材料加熱装置に貯留された有機薄膜材料を急速に昇華温度以下に低下させるようにしたことを特徴とする蒸着源装置である。
第7の手段は、第1の手段乃至第3の手段のいずれか1つの手段において、蒸着終了時、前記恒温装置の温度を急速に低温に保持し、前記熱交換器を通じて前記有機薄膜材料加熱装置を急速に室温に低下させるようにしたことを特徴とする蒸着源装置である。
第8の手段は、第1の手段乃至第7の手段のいずれか1つの手段に記載の蒸着源装置を備える真空蒸着装置である。
請求項1に記載の発明によれば、有機薄膜材料加熱装置の温度を安定かつ容易に制御することができ、また有機薄膜材料加熱装置に貯留された有機薄膜材料の温度を急速に上昇、下降、又は所定の温度に保持させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、有機薄膜材料加熱装置と恒温装置間の熱流入出量を低下させることができるので、恒温装置の温度変化が熱交換器によって緩和されて有機薄膜材料加熱装置に伝わる。そのため、恒温装置の温度を厳密に制御しなくとも、有機薄膜材料加熱装置には一定の温度の熱が伝わるので有機薄膜材料加熱装置の温度安定性を向上させることができる。また逆に有機薄膜材料加熱装置の熱は熱交換器で緩和されて恒温装置に伝わるため、加熱損失する熱が抑制され、有機薄膜材料加熱装置に取り付けたヒーターの省電力化を図ることが可能となる。また支持体を種々交換することによって有機薄膜材料加熱装置と恒温装置間に熱流入出量の異なる熱交換器を容易に構成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、恒温装置を−200℃から数100℃の温度範囲の任意の温度に容易に制御することができる。
請求項4に記載の発明によれば、真空中で室温においても昇華してしまう可能性のある低昇華温度を有する有機薄膜材料を、昇華温度以下の温度に保持することができ、有機薄膜材料を真空中において昇華することなく貯留することができる。
請求項5に記載の発明によれば、蒸着開始時、有機薄膜材料加熱装置の温度を低電力の加熱用ヒーター6のみで急激に加熱することができる。また、有機薄膜材料加熱装置では、昇温に要する時間が加熱用ヒーターの加熱のみの場合に比べて、短縮されるため、有機薄膜材料の損失分が軽減されることとなり、加えて、真空蒸着装置の稼働率及び成膜効率を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、蒸着終了時に有機薄膜材料加熱装置の温度を急速に有機薄膜材料の昇華温度以下の温度に低下させることができ、蒸着終了後の有機薄膜材料の余分な昇華損失を軽減でき、加えて、真空蒸着装置の稼動率と成膜効率の向上を図ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、蒸着終了時に有機薄膜材料加熱装置の温度を急速に低下させることができ、真空蒸着装置の大気開放までに要する時間は短縮することができ、また、真空蒸着装置の稼働率と成膜効率の向上を図ることができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項7のいずれか1つの請求項に記載の蒸着源装置を備えることによって、真空蒸着装置の稼働率と成膜効率の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態を図1を用いて説明する。
図1は本実施形態の発明に係る蒸着源装置を備える真空蒸着装置の構成を示す正面断面図である。
同図において、1は真空蒸着装置、2は蒸着源装置、3は−50℃から500℃の任意の温度で昇華する薄膜形成材料としての有機薄膜材料、4は有機薄膜材料3が貯留される坩堝、5は有機薄膜材料3が貯留された坩堝4を載置し、坩堝4を加熱して貯留された有機薄膜材料3を昇華させる有機薄膜材料加熱装置、6は有機薄膜材料加熱装置5に設けられ単独で500℃まで昇温加熱することのできる加熱用ヒーター、7は加熱用ヒーター6の温度を測定する温度計、8は内部に熱交換用の液体媒体や気体媒体の熱媒体を蓄える熱媒体槽5と熱媒体槽5に熱媒体を流入出させる流入管10と排出管11とを備える恒温装置、9は熱媒体槽、12は有機薄膜材料加熱装置5と恒温装置8との間に機械的に接続される、例えば、円柱状又は角柱状に形成された支持体からなり、該支持体を介して有機薄膜材料加熱装置3と恒温装置8間の熱を交換する熱交換器、13は蒸着源装置2から昇華された有機薄膜材料3によって薄膜が形成される基板である。
ここで、有機薄膜材料加熱装置5は、装置全体を均一に温度上昇させるために熱伝導率κ(W/m・K)の大きい、例えば、銅(κ≒390)等の熱応答性に優れ、温度制御に必要な熱量の少ない材料によって作製される。その結果、この有機薄膜材料加熱装置5に備えられる50W程度の低電力の加熱用ヒーター6と温度計7によって、真空中において、50℃〜500℃の温度範囲で有機薄膜材料加熱装置5の温度は連続的、均一かつ安定的に制御することができる。
また、恒温装置8は、装置全体を均一な温度に設定可能なように、材質として熱拡散率αが大きく熱応答性に優れた、例えば、銅等で作製される。熱媒体槽9に流入出する熱媒体としては、温度が一定に調整された液体窒素や、水、有機溶剤等の液体媒体や、温度調整された気体等が使用されるが、ペルチェ素子等を用いてもよく、−200℃〜100℃の温度範囲で温度を均一かつ安定に保つ機能を有する。また、恒温装置8において、熱媒体として、温度がほぼ一定に調整された液体窒素や、水、有機溶媒を用いる場合は、これらの媒体を市販の安価な液体循環装置等によって流したり、また温度調整された気体を用いる場合は、これを適度な圧力で流すことにより、恒温装置8を均一な温度に保持することができる。なお、この恒温装置8の温度は基本的には熱媒体の温度と同一になるが、正確に温度を調べるための温度計を備えるようにしてもよい。
また、熱交換器12は、有機薄膜材料加熱装置5と恒温装置8に、例えば、ねじ込み等によって接続し、容易に取り付け取り外し可能な柱状の支持体から構成される。また、熱交換器12を構成する材料は、有機薄膜材料加熱装置5や恒温装置8を構成する材料に比べて、熱伝導率κが小さい、例えば、ステンレス(SUS304ではκ≒17)で作製され、有機薄膜材料加熱装置5と恒温装置8間の熱流入出量を制限する機能を有する。有機薄膜材料加熱装置5と恒温装置8の温度差をΔT(℃)、熱交換器12の体積をVとすると、熱交換器12を流れる全熱量は、ΔT×κ×Vに依存するため、有機薄膜材料加熱装置5と恒温装置8間の熱流入出量は、熱交換器12の大きさや材質を変えて製作し、製作したものを交換することによって熱流入出量の異なる種々の熱交換器12を任意に設定することができる。
本実施形態の発明に係る蒸着源装置2によれば、恒温装置8の温度を液体窒素や冷却水等の冷却媒体を用いて下げ、この恒温装置8の温度を熱交換器12を介して有機薄膜材料加熱装置5に伝達し、有機薄膜材料加熱装置5の坩堝4に貯留された有機薄膜材料3の温度に低下させることによって、従来、真空中で室温においても昇華してしまう可能性のあった低昇華温度を有する有機薄膜材料3を、昇華温度以下の温度に保持することができ、有機薄膜材料3を真空中において昇華することなく貯留することができる。
また、本実施形態の発明に係る蒸着源装置2によれば、恒温装置8の温度を有機薄膜材料加熱装置5の温度により低温に保持した際に、その熱を熱交換器12に伝達させて有機薄膜材料加熱装置5を冷却することができる。その結果、有機薄膜材料加熱装置5の温度は、熱交換器12からの冷却と加熱用ヒーター6による加熱によって、−50℃から500℃の温度範囲において、誤差±0.5℃以下の精度で安定的に制御することができ、有機薄膜材料3の蒸発速度を任意の速度で制御することができる。
また、本実施形態の発明に係る蒸着源装置2によれば、恒温装置8の温度を100℃に近い熱湯や有機溶剤等の加熱媒体を用いて温度を上げ、恒温装置8の熱を熱交換器12を介して有機薄膜材料加熱装置5に伝達することにより、加熱用ヒーター6によって加熱されている有機薄膜材料加熱装置5の温度上昇を補助することができる。その結果、有機薄膜材料加熱装置5の温度を低電力の加熱用ヒーター6で急激に加熱することができる。
また、蒸着開始時、有機薄膜材料は昇華温度から蒸発し始めるが、良好な薄膜形成に必要な蒸着速度が得られるまで、有機薄膜材料加熱装置の温度をさらに昇温する必要があり、この昇温時間中に蒸発する有機薄膜材料は、一般的に真空蒸発装置に備えられるシャッター等により遮断するため、シャッターに付着した有機薄膜材料は成膜に寄与しない損失分となる。それに対して、この有機薄膜材料加熱装置5では、昇温に要する時間が加熱用ヒーター6の加熱のみの場合に比べて、短縮されるため、有機薄膜材料3の損失分が軽減されることとなり、加えて、このような蒸着源装置2を備える真空蒸着装置1の稼働率及び成膜効率を向上させることができる。
また、従来の蒸着源装置では自然冷却によって冷却されるため、蒸着終了時、蒸着源装置の温度が有機薄膜材料の昇華温度以下になるまで長時間を要し、その間、有機薄膜材料は蒸発をし続けるため、蒸発した有機薄膜材料が損失となる。それに対して、本実施形態の発明に係る蒸着源装置2によれば、恒温装置8に冷却媒体を流すことにより恒温装置8の温度を急速に低下させることにより、その熱が熱交換器12を介して有機薄膜材料加熱装置5に伝達され、有機薄膜材料加熱装置5の温度を急速に低下させることができる。その結果、蒸着終了時に有機薄膜材料加熱装置5の温度を急速に有機薄膜材料3の昇華温度以下の温度に低下させることができ、蒸着終了後の有機薄膜材料3の不所望な昇華損失を軽減でき、加えて、このような蒸着源装置2を備える真空蒸着装置1の稼動率と成膜効率の向上を図ることができる。
また、一般に、蒸着終了後、薄膜が形成された基板13の取り出しや、有機薄膜材料3の補充のために、蒸着源装置2を収納する真空蒸着装置1を大気に開放する必要があるが、その際、蒸着源装置2及び坩堝4に残留している有機薄膜材料3の大気酸化や結露を避けるために、蒸着源装置2の温度を数時間かけて室温に戻す必要がある。そこで、本実施形態の発明に係る蒸着源装置2によれば、恒温装置8に冷却媒体を流すことにより恒温装置8の温度を急速に低下させると、その熱が熱交換器12を介して有機薄膜材料加熱装置5に伝達され、有機薄膜材料加熱装置5の温度を急速に低下させることができ、かつ恒温装置8自体の温度も、恒温装置8に室温程度の水や大気を流すことにより、短時間で室温に戻すことができるので、蒸着源装置2が接続された真空蒸着装置1の大気開放までに要する時間は数10分程度となり、このような蒸着源装置2を備える真空蒸着装置1の稼働率と成膜効率の向上を図ることができる。
次に、本実施形態の発明に係る蒸着源装置の一実施例の動作乃至操作を図1を用いて説明する。
真空中(1×10−1Pa)において25℃程度から昇華し始め、80℃で安定して昇華する高昇華性の有機薄膜材料3を坩堝4に入れ、有機薄膜材料加熱装置5に嵌め込み密着する。次に、蒸着源装置2が取り付けられた真空蒸着装置1の真空引きを行い、その真空度が10−1Pa程度になった時点で恒温装置8の熱媒体槽9におよそ−20℃のエチレングリコール水溶液を市販の安価な冷媒循環器によって供給する。恒温装置8は瞬時に冷却され、その熱は熱交換器12を介して有機薄膜材料加熱装置5に伝達され、その温度を約0℃に低下させることができる。これによって、有機薄膜材料加熱装置5に嵌め込まれた有機薄膜材料3が入っている坩堝4も冷却され、これによって有機薄膜材料3の無駄な昇華を防止することができる。有機薄膜材料3が昇華していないことは、真空蒸着装置1内に設置された不図示の膜厚計によって確認することができる。
その後、真空蒸着装置1の真空排気が継続的に行われ、その真空度が1×10−5Paに達した状態において、有機薄膜材料加熱装置5を加熱用ヒーター6により加熱し、温度を熱電対温度計7により計測しながら、不図示の市販されている安価な温度制御装置を用いて80℃に温度制御した。3分程度で有機薄膜材料加熱装置5が80℃に達し、約2分間80℃前後の温度を±0.5℃で行き来し、加熱用ヒーター6の加熱開始から約5分後には、有機薄膜材料加熱装置5の温度が80.0℃で安定し、基板13に対して一定の蒸着速度で薄膜を形成することができた。
その後、加熱用ヒーター6への通電を停止し、恒温装置8には−20℃のエチレングリコール水溶液を供給し続けて恒温装置8を低温に保持し続けた。その結果,恒温装置8の熱が熱交換器12を介して有機薄膜材料加熱装置5に伝達し、有機薄膜材料加熱装置5の温度は約5分で室温(25℃)に低下させることができ、この間の有機薄膜材料3の昇華を防止することができた。有機薄膜材料3が昇華を停止していることは、真空蒸着装置1内に設置された膜厚計によって確認することができる。
その後、恒温装置8に供給していたエチレングリコール水溶液の温度を徐々に室温(25℃)に上昇させながら、真空蒸着装置1内に99.99%の純度を有するアルゴンガスを注入し、真空蒸着装置1内の真空度が大気圧、有機薄膜材料加熱装置5の温度が室温(25℃)になった時点で真空蒸着装置1を外気へ開放した。この時必要な時間は恒温装置8を有しない場合は約1時間を要していたのに対して10分で済ませることができた。
本発明に係る蒸着源装置を備える真空蒸着装置の構成を示す正面断面図である。
符号の説明
1 真空蒸着装置
2 蒸着源装置
3 有機薄膜材料
4 坩堝
5 有機薄膜材料加熱装置
6 加熱用ヒーター
7 温度計
8 恒温装置
9 熱媒体槽
10 流入管
11 排出管
12 熱交換器
13 基板






Claims (8)

  1. 有機薄膜材料を加熱する加熱用ヒーターを備えた有機薄膜材料加熱装置と、該有機薄膜材料加熱装置の温度を制御するために所定の温度範囲に制御される恒温装置と、前記有機薄膜材料加熱装置と前記恒温装置間の熱を交換するために設けられた熱交換器とを真空中に配設し、前記有機薄膜材料加熱装置において、−50℃から500℃の温度範囲の昇華温度を有する前記有機薄膜材料を昇華させるようにしたことを特徴とする蒸着源装置。
  2. 前記熱交換器は、前記有機薄膜材料加熱装置と前記恒温装置との間に、前記有機薄膜材料加熱装置及び前記恒温装置を構成する材料の熱伝導率より低い熱伝導率を有する取り外し可能な柱状の支持体から構成されることを特徴とする請求項1に記載の蒸着源装置。
  3. 前記恒温装置は、冷却媒体又は加熱媒体を流通させることにより−200℃から数100℃の温度範囲の任意の温度に制御されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蒸着源装置。
  4. 前記恒温装置の温度を室温以下に保持し、前記熱交換器を通じて前記有機薄膜材料加熱装置の温度を低下させ、前記有機薄膜材料加熱装置に貯留された真空中では室温において昇華する有機薄膜材料を昇華温度以下に保持するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つの請求項に記載の蒸着源装置。
  5. 蒸着開始時、前記有機薄膜材料加熱装置に貯留された有機薄膜材料を加熱するとともに、前記恒温装置の温度を高温に保持し、前記熱交換器を通じて前記有機薄膜材料加熱装置に貯留された前記有機薄膜材料の温度上昇を補助させ、前記有機薄膜材料を急速に昇華させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つの請求項に記載の蒸着源装置。
  6. 蒸着終了時、前記恒温装置の温度を急速に低温に冷却し、前記熱交換器を通じて前記有機薄膜材料加熱装置に貯留された有機薄膜材料を急速に昇華温度以下に低下させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つの請求項に記載の蒸着源装置。
  7. 蒸着終了時、前記恒温装置の温度を急速に低温に冷却し、前記熱交換器を通じて前記有機薄膜材料加熱装置を急速に室温に低下させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つの請求項に記載の蒸着源装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1つの請求項に記載の蒸着源装置を備える真空蒸着装置。
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