JPH07284675A - 液循環式恒温装置 - Google Patents

液循環式恒温装置

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JPH07284675A
JPH07284675A JP7827494A JP7827494A JPH07284675A JP H07284675 A JPH07284675 A JP H07284675A JP 7827494 A JP7827494 A JP 7827494A JP 7827494 A JP7827494 A JP 7827494A JP H07284675 A JPH07284675 A JP H07284675A
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Masayuki Enomoto
正幸 榎本
Kenji Ogiri
健次 大桐
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Daido Kogyo Co Ltd
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Sumitomo Metal Industries Ltd
Daido Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非密閉構造の循環液タンクを備えた液循環式
恒温装置に於いて、循環液タンク内の液の蒸発損失を減
少させる。 【構成】 循環液タンクに、外管の内部に内管を挿入す
ると共に外管の両端部を密閉して成る二重管の前記内管
の基端部をタンク内部空間と連通自在に取付け、当該二
重管の内管の先端開口を大気中へ開放すると共に、前記
内管と外管との間の冷却水通路内へ冷却水を流通させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造装置の冷却
等に使用する非密閉構造の循環液タンクを備えた液循環
式恒温装置の改良に関するものであり、循環液タンクか
らの循環液の蒸発損失をほぼ完全に防止できるようにし
た液循環式恒温装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置や化学機械装置等に於い
ては、冷却や加熱用の熱媒体の供給に液循環式の恒温装
置が広く利用されている。これ等の液循環式恒温装置は
通常図5に示す如く、非密閉型の循環液タンク1内に所
定量の純水やフロリナート等の循環液2を充填し、ヒー
タ3による加熱と冷却コイル4による冷却を交又に制御
することにより、循環液ポンプ5から冷却対象6へ設定
温度の液2を所定流量で循環流動させるように構成され
ている。尚、図5に於いて、7は温度センサー、8は液
面センサー、9は液面計、10は液返り管、11は冷却
水入口、12は冷却水出口、13は液補給口、14は液
排出口、15は断熱材、16は通気孔である。
【0003】而して、前記循環液タンク1はその外周面
が断熱材15によって断熱されており、また、タンク内
部の上方空間部1aは通気孔16を通して外部と連通さ
れている。そのため、タンク1内の循環液2の設定温度
が比較的高温の場合には、タンク空間部1aに滞留する
液蒸気が通気孔16を通して外部へ漏洩することなり、
様々な問題を生ずることになる。
【0004】例えば、循環液2がフロリナート(弗素系
冷媒液)であって、設定液温度が80℃、タンク容量が
16l、タンク内の最少液充填量が10l、液循環流量
が5l/minの場合には、循環液2は約1l/日の割
合で外部へ蒸発漏洩することが判っている。ところで、
循環液2が蒸発漏洩することにより減量すれば、当然に
不足量だけの液の補充を必要とするが、上記の例の如き
場合には3〜4日に一回の割合で循環液の補充を行なわ
ねばならず、手数が掛り過ぎると云う問題がある。
【0005】また、循環液2が純水等の場合には補充に
要する費用も比較的少なくてよい。しかし、循環液2が
フロリナートやガルデン等の弗素系の高価な液の場合に
は、1回の補充に数万円の費用を要することになり、恒
温装置のランニングコストが大幅に高騰することにな
る。
【0006】更に、半導体製造プラント等に於いては、
当該液循環式恒温装置をクリーンルーム内(若しくはそ
れに隣接した準クリーンルーム内)に設置しなければな
らない場合があり、大量の循環液蒸気が通気孔16を通
してタンク外へ漏洩すると、漏洩した蒸気の排出設備の
容量が大きくなり、設備費が高騰することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従前の液循環
式恒温装置に於ける上述の如き問題、即ち循環液の設
定温度が高温の場合には、液の蒸発損失が増加し、その
補充に手数がかかると共に装置のランニングコストが上
昇すること、循環液蒸気の放散により環境汚損を生ず
ること等の問題を解決せんとするものであり、極く簡単
な構造の蒸発液回収器を循環液タンクに付加することに
より、循環液の蒸発損失を大幅に減少できるようにした
液循環式恒温装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、循環液タンク
の内部空間と外気との連通管を比較的長い金属管とし、
内部を流通する循環液蒸気を冷却することにより凝縮さ
せ、液化回収することを基本とするものである。即ち、
請求項1に記載の発明は、非密閉構造の循環液タンクを
備えた液循環式恒温装置に於いて、前記循環液タンク
に、外管の内部に内管を挿入すると共に外管の両端部を
密閉して成る二重管を、前記内管の基端開口をタンクの
内部空間とへ連通せしめて取付け、当該二重管の内管の
先端開口を大気中へ開放すると共に、前記内管と外管と
の間の冷却水通路内へ冷却水を流通せしめることを発明
の基本構成とするものである。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、非密閉構
造の循環液タンクを備えた液循環式恒温装置に於いて、
前記循環液タンクに液蒸気連通管の基端部をタンクの内
部空間と連通自在に取付け、当該蒸気連通管の所望長さ
部分を大気中に露出させると共に、その先端開口を大気
中へ開放せしめたことを発明の基本構成とするものであ
る。
【0010】更に、請求項3に記載の発明は、非密閉構
造の循環液タンクを備えた液循環式恒温装置に於いて、
前記循環液タンクに、液蒸気連通管と冷却水管とを熱伝
導性セメントにより一体化して成る管体を、前記液蒸気
連通管の基端部をタンク内部空間と連通せしめて取付け
ると共に、前記冷却水管内へ冷却水を流通せしめるよう
にしたことを発明の基本構成とするものである。
【0011】
【作用】循環液タンクの上方空間部に滞留する循環液蒸
気は、液蒸気連通管を通して外気側へ流出して行く。一
方、連通管の外壁は空冷若しくは水冷により冷却されて
おり、その結果内部を流通する循環液蒸気は冷却によっ
て凝縮され、凝縮した液は管内壁面に沿って下方へ降下
し、循環液タンク内に回収される。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の第1実施例に係る液循環式恒温装
置の要部を示す系統図であり、前記図5の場合と同一部
材には同じ参照番号が使用されている。
【0013】図1に於いて、1は循環液タンク、2は循
環液、3はヒータ、4はタンク冷却用コイル、5は液循
環ポンプ、7は温度センサー、8は液面センサー、9は
液面計、10は液返り管、11は冷却水入口、12は冷
却水出口、13は液補給口、14は液排出口、17はポ
ンプ冷却用コイル、18は液補給通路冷却用コイル、1
9はエアー抜きバルブ、20はフロースイッチ、21は
温度制御用弁、22はキャピラリーチューブ、23は流
量計、24は流量調整弁、25は循環液返り口、26は
循環液送り口、28は蒸発液回収器である。
【0014】前記循環液タンク1はステンレス鋼により
製作されており、タンク容量は16lに選定されてい
る。当該タンク1内には循環液2として少なくとも9.
75l(最低値)の純水が貯留されており、また、タン
ク1内には3相200V、4000Wのヒータ3が配設
されている。更に、タンク1の外周面には、タンク冷却
用コイル4として外径9.53φの銅管が所定のピッチ
で巻付固着されている。
【0015】前記タンク1内の循環液2は、設定温度の
80℃を保持するように制御されており、温度センサー
7の検出値が80.2℃を越えると、電磁弁21がon
−offされて冷却水がタンク冷却用コイル4へ流通さ
れ、PID制御により循環液2が冷却される。また、温
度センサー7の検出値が79.8℃より下ると、ヒータ
3がon−off作動され、所謂PID制御により循環
液2が加熱される。
【0016】タンク1内の循環液2は、液循環ポンプ
(マグネット式ポンプ、3φ200V、400W、流量
6l/min、揚程20〜25m)5によって液送り口
26から送出され、被冷却対象(図示省略)を経て液送
り口25から液返り管10を通して、タンク1内へ還流
される。尚、本実施例では、液循環系の管径は12.7
φに選定されている。
【0017】一方、本発明の要部を形成する蒸発液回収
器28は、内管29と外管30を組み合せた二重管構造
に形成されており、内管29には外径9.53φのステ
ンレス鋼管が、また外管30には外径15.9φの銅管
が夫々使用されている。また、前記内管29の下端開口
はタンク1の上方空間部1a内へ連通されており、且つ
その上端開口は大気中へ開放されている。更に、外管3
0の上・下端部は内管29へ溶接されており、これによ
って内管29と外管30の間に冷却水通路31が形成さ
れている。
【0018】前記蒸発液回収器28の全長は約2000
mmに選定されており、コイル状に巻き取りしたうえ厚
さ約120mmのタンク断熱材(図示省略)中に配設さ
れている。尚、蒸発液回収器28の全長は、液2の温度
やタンクの容量によって適宣に選定されるものであり、
通常は1000mm〜3000mmの間に、また、望ま
しくは1500mm〜2500mmの間に選定される。
【0019】タンク1の内部空間1a内に滞留した液蒸
気は、前記蒸発液回収器28の内管29内を通って外気
側へ流通して行く。一方、回収器28の外管30と内管
29の間へは、冷却水入口11からの冷却水(20〜3
0℃、4〜8l/min、1.3〜4kg/cm2 )の
一部が管路31aを通して供給されており、当該冷却水
が循環ポンプ冷却用コイル17を通して流通することに
より、内管29が冷却される。その結果、内管29内を
上昇する液蒸気が冷却・凝縮され、液化された循環液2
は内管29の内壁面に沿って下方へ流下して行く。
【0020】本実施例を用いた試験結果によれば、タン
ク内液温度80℃、液循環量5l/min、タンク容量
16l、タンク内最低液量9.75l、冷却水温度23
℃、冷却水量1.5l/min、蒸発液回収器の全長2
000mmとした場合、循環液(純水)の蒸発損はほぼ
無視できる程度まで減少する。尚、上記試験に於いて
は、循環液2を純水としているが、これが弗素系のフロ
リナートやガルデン、シリコンオイル等であっても、ほ
ぼ同等の蒸発損失の防止効果が発揮される。
【0021】図2は本発明で使用する蒸発液回収器の第
2実施例を示すものである。本実施例に於いては、外径
約9.53mmφのステンレス管約2000mmによっ
て蒸発液回収器28が形成されており、基端部をタンク
1の内部空間1a内へ連通させると共に、巻取りした銅
管(液蒸気連通管32)を断熱材(図示省略)の外方へ
露出させることにより、空気冷却方式で液蒸気を冷却す
るよう構成されている。尚、当該第2実施例の蒸発液回
収器を用いた試験結果によれば、蒸発液回収器以外の条
件を第1実施例の試験の場合と同一にした場合、1日当
りの蒸発液の損失量を、回収器28を設けない場合の約
1/10(24時間連続運転に於いて液損失量約100
cc/日)に減少させることができる。
【0022】図3及び図4は本発明で使用する蒸発液回
収器28の第3実施例を示すものである。本実施例に於
いては、蒸発液回収器28が、液蒸気連通管を形成する
外径約9.53mmのステンレス鋼管33と冷却水通路
を形成する銅製の冷却水管34とを、熱伝導性セメント
35によって一体化した管体を用いて形成されている。
即ち、蒸発液回収器28を形成する管33,34の長さ
は約2000mmに選定されており、液蒸気が通るステ
ンレス鋼管33の基端開口はタンク1の内部空間1a内
へ、またその他端開口は大気中へ連通されている。
【0023】当該第3実施例の蒸発液回収器を用いた試
験結果によれば、蒸発液回収器以外の条件を前記第1実
施例の試験の場合の条件と同一とした場合、循環液の蒸
発損失はほとんど無視できる程度にまで減少し、第1実
施例の場合とほぼ同等の蒸発損失の防止効果が発揮され
る。
【0024】
【発明の効果】請求項1に記載の液循環式恒温装置に於
いては、二重管構造の蒸発液回収器を配設し、内管の基
端開口を循環液タンクの内部空間と連通自在に固設する
と共に、その先端開口を大気中へ開放し、更に内・外管
間の冷却水通路に冷却水を流通させて液蒸気を強制冷却
する構成としている。その結果、蒸発液の損失をほぼ零
近くにまで減少させることができ、循環液の補充作業が
不必要となる。
【0025】また、請求項2に記載の液循環式恒温装置
に於いては、循環液タンクに液蒸気連通管の基端開口を
タンクの内部空間と連通自在に取付け、当該液蒸気連通
管の所望の長さ部分を大気中に露出させると共に、その
先端開口を大気中へ開放する構成の蒸発液回収器を配設
している。その結果、タンクの内部空間内に発生した液
蒸気は、蒸気連通管を通して流通する間に空気冷却によ
って凝縮され、冷却水等を用いることなく経済的にタン
ク内へ有効に回収される。
【0026】更に、請求項3に記載の液循環式恒温装置
に於いては、液蒸気連通管と冷却水管とを熱伝導性セメ
ントにより固着した構造の蒸発液回収器を配設し、冷却
水管内に冷却水を流通させて液蒸気を強制冷却する構成
としている。その結果、蒸発液の損失をほぼ零近くまで
減少させることができると共に、蒸発液回収器も比較的
安価に製造することができる。本発明は上述の通り、極
めて簡単な構成にも拘わらず優れた実用的効用を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る液循環式恒温装置の
構成系統図である。
【図2】本発明で使用する蒸発液回収器の第2実施例を
示す説明図である。
【図3】蒸発液回収器の第3実施例を示す説明図であ
る。
【図4】図3のA−A視断面図である。
【図5】従前の液循環式恒温装置の構成系統図である。
【符号の説明】
1は循環液タンク、2は循環液、3はヒータ、4はタン
ク冷却用コイル、5は液循環ポンプ、7は温度センサ
ー、8は液面センサー、9は液面計、10は液返り管、
11は冷却水入口、12は冷却水出口、13は液補給
口、14は液排出口、17はポンプ冷却用コイル、18
は液補給通路冷却用コイル、19はエアー抜きバルブ、
20はフロースイッチ、21は温度制御用弁、22はキ
ャピラリーチューブ、23は流量計、24は流量調整
弁、25は循環液返り口、26は循環液送り口、28は
蒸発液回収器、29は内管、30は外管、31aは管
路、31は冷却水通路、32,33は液蒸気連通管、3
4は冷却水管、35はサーモセメント。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非密閉構造の循環液タンクを備えた液循
    環式恒温装置に於いて、前記循環液タンクに、外管内に
    内管を挿入すると共に外管の両端部を密閉して成る二重
    管を、前記内管の基端開口をタンクの内部空間へ連通せ
    しめて取付け、当該二重管の内管の先端開口を大気中へ
    開放すると共に前記内管と外管との間の冷却水通路へ冷
    却水を流通させるようにしたことを特徴とする液循環式
    恒温装置。
  2. 【請求項2】 非密閉構造の循環液タンクを備えた液循
    環式恒温装置に於いて、前記循環液タンクに、液蒸気連
    通管の基端部をタンクの内部空間と連通自在に取付け、
    当該蒸気連通管の所望長さ部分を大気中に露出させると
    共に、その先端開口を大気中へ開放せしめたことを特徴
    とする液循環式恒温装置。
  3. 【請求項3】 非密閉構造の循環液タンクを備えた液循
    環式恒温装置に於いて、前記循環液タンクに、液蒸気連
    通管と冷却水管とを熱伝導性セメントにより一体化して
    成る管体を、前記液蒸気連通管の基端部をタンク内部空
    間と連通せしめて取付けると共に、前記冷却水管内へ冷
    却水を流通させるようにしたことを特徴とする液循環式
    恒温装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE19653888C1 (de) * 1996-12-21 1998-05-20 Julabo Labortechnik Gmbh Laborkältethermostat
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WO2001003169A1 (fr) * 1999-07-02 2001-01-11 Tokyo Electron Limited Installation, procede et dispositif de fabrication de semi-conducteurs
CN112058332A (zh) * 2019-06-10 2020-12-11 上海微电子装备(集团)股份有限公司 一种恒温液槽

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