JP2006284000A - 循環装置用タンク装置 - Google Patents

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朗人 柳田
Toshiharu Yamada
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Abstract

【課題】 循環ラインの冷媒が減少したとき冷媒の補給に手間がかからず、かつ、冷媒の冷却時間や昇温時間を短縮でき、しかも高価な部品やさまざまな工夫を用いたシール構造を必要としない循環装置用タンクを提供すること。
【解決手段】 大気開放型の循環ラインとは別に冷媒4,24を貯留する常温タンク11,37を設置し、循環ラインの冷媒4,24の液量を検知する液量センサー13,41を設け、液量センサー13,14の検知する液量に基づいて常温タンク11,37の冷媒を低温タンク5,25に補給する補給ポンプ12,40設けるとともに、低温タンク5,25に、低温タンク5,25の冷媒を常温タンク11,37に移動させるオーバーフロー管14,42を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍機装置や圧縮機等の流体を循環させる装置に用いられる循環装置用タンク装置に関する。
対象物の温度制御を目的とする冷媒循環装置においては、従来、冷媒の循環ラインに循環装置用タンクを設置し、温度変化による冷媒の収縮・膨張を吸収させている。冷媒循環装置による対象物の温度制御範囲は、−70°Cの低温領域から200°Cの高温領域までの広い範囲で設定されることがある。図3に、従来の循環装置用タンクを備えた冷媒循環装置のフローの概念図を示す。
図3において、符号P’は、伝熱盤等の温度制御対象(以下、「伝熱盤P’」という)であり、この伝熱盤P’は、冷凍機101によって冷却された冷媒循環装置の冷媒104(以下、「冷却液104」という)を伝熱盤P’に形成された冷却通路108に流すことや伝熱盤P’に取り付けられた伝熱盤ヒータ109で加熱することによって温度制御されている。
冷凍機101は、圧縮機102と、熱交換器103を備えており、冷媒(以下、「冷凍機側冷媒」という)が、図3に示す矢印の方向に、圧縮機102→熱交換器103→圧縮機102と流れる循環回路が形成されている。熱交換器103は、冷凍機側冷媒が流れる冷凍機側冷媒通路103aと、伝熱盤P’を冷却する冷却液104が流れる冷却液通路103bとを備えており、冷却液104は、この冷却液通路103bを通ることによって、冷凍機101で冷やされた冷凍機側冷媒と熱交換して温度を下げる。
伝熱盤P’の温度制御を行う冷媒循環装置は、冷却液104を貯留する低温タンク105(前述した「循環装置用タンク」に相当する)と、冷却液104を循環させる循環ポンプ106と、低温タンク105内の冷却液104を加熱する冷却液ヒータ107と、伝熱盤P’に形成された冷却通路108と、熱交換器103に設けた冷却液通路103bとから構成されており、循環ラインL’によって、冷却液104が、図3の矢印で示す方向に、低温タンク105→循環ポンプ106→伝熱盤P’の冷却通路108→熱交換器103の冷却液通路103b→冷却液ヒータ107→低温タンク105と流れる循環回路を構成している。また、伝熱盤P’には、伝熱盤P’に設けた温度センサー109aの検知する温度に基づいて制御され、伝熱盤Pが予め定めた設定温度になるように伝熱盤Pを加熱する伝熱盤ヒータ109が取り付けられている。
図3に示した冷媒循環装置は次のように動作する。伝熱盤P’を高温、例えば40°Cを超える温度に温度制御するときは、循環ポンプ106の運転を停止し、伝熱盤P’に取り付けた伝熱盤ヒータ109を駆動する。伝熱盤ヒータ109は、伝熱盤P’に取り付けた温度センサー109aが検知する温度に基づいて、伝熱盤P’の温度が設定温度になるように制御される。
伝熱盤P’を低温、例えば40°C以下に温度制御するときは、循環ポンプ106を運転する。循環ポンプ106は、低温タンク105内の冷却液104を伝熱盤P’の冷却通路108に送り出す。冷却通路108に送り出された冷却液104は、伝熱盤P’と熱交換したのち、熱交換器103の冷却液通路103bに送られ、熱交換器103の冷凍機側冷媒通路103aを流れる冷凍機側冷媒と熱交換して温度を下げ、冷却液ヒータ107を通って低温タンク105に戻される。このようにして、冷却液104が循環ラインL’を循環することによって、低温タンク105内の冷却液104は、徐々にその温度を下げていく。また、低温タンク105内の冷却液104の温度は、低温タンク105に設けた温度センサー107aでモニターされており、低温タンク105内の冷却液104が冷却されすぎたときは、温度センサー107aの検知温度に基づいて冷却液ヒータ107を駆動し、低温タンク105内の冷却液104を設定温度にする。なお、低温タンク105の冷却液104の温度制御の具体例としては、後掲する特許文献1の図1に示される流量調整弁によるものや同じく図2に示される低温タンクに設けたヒータによるものがある。
伝熱盤P’は、この設定温度に維持された低温タンク105内の冷却液104が伝熱盤P’の冷却通路108を流れることによって冷却される。同時に、伝熱盤P’の温度は、温度センサー109aでモニターされており、温度センサー109aの検知温度に基づいて伝熱盤ヒータ109を制御し、冷却液104による冷却と伝熱盤ヒータ109による加熱とによって、伝熱盤を設定温度に制御する。
冷媒循環装置に関連する先行技術文献として次の特許文献がある。
特開2003−148852号公報
前述のように構成された従来の冷媒循環装置は、循環ラインに設置したタンクによって、温度変化による冷媒の収縮・膨張を吸収している。しかしながら、特に、温度制御対象物の温度制御範囲が低温から高温まで広い場合には、冷媒の体積変化が大きくなり、タンクの容積を大きくしなければならない。タンクの容積を大きくして冷媒量を増やすと、装置内の熱容量が大きくなり、冷媒の冷却、昇温に時間がかかってしまう。
また、従来の冷媒循環装置において、低温(0°C以下)でも循環できる冷媒を使用した場合、この冷媒は、通常、揮発性が高く、冷媒循環装置を大気開放型にすると、冷媒が外部に漏れることがあり、循環ラインに設置したタンクに液冷媒の補給を頻繁に行う必要が生じる。液冷媒の補給の頻度を減らすためにタンクに液冷媒を余分に充填すると、冷媒循環装置内の熱容量が増え、温度制御対象物の温度制御に必要な冷媒の冷却、昇温に時間がかかってしまう。これを解消するために冷媒循環装置を密閉型にすると、冷媒の性質上、高価な部品やさまざまな工夫を用いたシール構造が必要となり、コストが高くなりがちである。
本発明の第1の課題は、循環ラインの冷媒が減少したとき容易に冷媒を補給でき、かつ、冷媒の冷却時間や昇温時間を短縮できる循環装置用タンクを提供することにある。
本発明の第2の課題は、循環ラインに設置したタンク容量を大きくすることなく、温度による冷媒の体積変化を吸収して、冷媒の冷却時間や昇温時間を短縮でき、かつ冷媒補給の手間を減らすことのできる循環装置用タンクを提供することにある。
本発明の第3の課題は、冷媒の冷却時間や昇温時間を短縮できるとともに、冷媒補給の手間を減らし、しかも、密閉型冷媒循環装置のような高価な部品やさまざまな工夫を用いたシール構造を必要としない、構造の簡単な冷媒循環装置とすることのできる循環装置用タンクを提供することにある。
本発明の第1の課題を解決するための手段は、特許請求の範囲の請求項1(以下、「請求項1」などという)のように、冷媒循環装置等の冷媒が流れる循環ラインに設置される循環装置用タンクにおいて、前記循環ラインとは別に冷媒を貯留する補給タンクを設置するとともに、前記循環ラインの冷媒の液量を検知する液量センサーを設け、該液量センサーの検知する液量に基づいて前記補給タンク内の冷媒を前記循環装置用タンクに補給する補給手段を設けたものである。
第1の課題の解決手段では、冷媒循環装置等を低温に制御したとき、循環ラインの冷媒(液)が収縮して、循環ラインの冷媒の液量が減少したり、あるいは、0°C以下でも循環できる冷媒を使用した場合、冷媒が揮発して循環ラインの液量が減ったりすることがあるが、液量センサーが循環ラインの冷媒の液量の減少を検知したとき、液量センサーからの信号により補給手段を駆動して、補給タンク内の冷媒(液)を循環装置用タンクに自動的に補給し、液量センサーが液量の減少を検知しなくなったら、補給手段の運転を停止する。
本発明の第2の課題を解決するための手段は、請求項1の発明において、請求項2のように、前記補給タンクを前記循環装置用タンクの下方に設置するとともに、前記循環装置用タンクに、前記循環装置用タンクの液面が上昇したとき前記循環装置用タンク内の冷媒を前記補給タンク内に移動させるオーバーフロー管を設けたことにある。
第2の課題の解決手段では、冷媒循環装置等を低温に制御したとき、冷媒循環装置内の冷媒が収縮して、循環ラインの冷媒の液量が減少したり、あるいは、冷媒が揮発して冷媒ライン内の液量が減ったりすることがあるが、液量センサーが循環ラインの冷媒の液量の減少を検知したとき、液量センサーからの信号により補給手段を駆動して、補給タンク内の冷媒を循環装置用タンクに自動的に補給し、液量センサーが液量の減少を検知しなくなったら、補給手段の運転を停止する。また、冷媒循環装置を高温に制御することによって循環ラインの冷媒が膨張するなどして、循環装置用タンクの液面が上昇したとき、循環装置用タンクに設けたオーバーフロー管によって、循環装置用タンク内の余分な冷媒を重力によって補給タンクに移動する。このように、補給手段とオーバーフロー管の作用によって、循環ラインの冷媒の収縮と膨張を吸収して、循環装置用タンク内の液面を常にほぼ一定に保つ。
本発明の第3の課題を解決するための手段は、請求項1または2の循環装置用タンクにおいて、請求項3のように、前記循環ラインを大気開放型としたことにある。
第3の課題の解決手段では、冷媒循環装置等を密閉型循環装置のような複雑な構造としないで、前述した請求項1または2と同様の作用を奏する。
また、請求項1〜3のいずれかの循環装置用タンクにおいて、請求項4のように、前記液量センサーを前記循環装置用タンクに設けた液面センサーから構成するとよい。
本発明の第1の解決手段によれば、液量センサーが循環ラインの冷媒の液量の減少を検知したとき、補給手段を駆動して、補給タンク内の冷媒を循環装置用タンクに自動的に補給するようにしたので、循環ライン内に冷媒を余分に充填しておく必要がない。したがって、循環ラインには、循環ラインに必要な最小限の液を溜めておけばよいので、循環装置用タンクの容積を大きくする必要がないから、循環ラインの熱容量が大きくならず、冷媒の冷却や昇温にかかる時間を短縮できる。さらに、循環ラインへの冷媒の補充は、補給用タンクの液冷媒がなくなったとき行えばよいので、冷媒補充の間隔が長くなり、冷媒の補給に手間がかかるということがない。
本発明の第2の解決手段によれば、液量センサーが循環ラインの冷媒の液量の減少を検知したとき、補給手段を駆動して、補給タンク内の冷媒を循環装置用タンクに自動的に補給するようにし、循環ラインの冷媒が膨張して、循環装置用タンクの液面が上昇したとき、オーバーフロー管によって、循環装置用タンク内の余分な冷媒を補給タンクに移動するようにして、循環ラインの冷媒の収縮と膨張を補給タンクで吸収し、循環装置用タンク内の液面を常にほぼ一定に保つようにしたので、循環ラインには、必要な最小限の液を溜めておけばよい。したがって、循環装置用タンクの容量を大きくする必要がないので、循環ライン内の熱容量が大きくならず、冷媒の冷却や昇温にかかる時間を短縮できる。さらに、循環ラインへの冷媒の補充は、補給用タンクの液冷媒がなくなったとき行えばよいので、冷媒補充の間隔が長くなり、冷媒の補給に手間がかかるということがない。
本発明の第3の解決手段によれば、循環ラインを大気開放型としてあるので、前述した第1の解決手段あるいは第2の解決手段の効果に加え、冷媒循環装置等は、密閉型冷媒循環装置のように高価な部品やさまざまな工夫を用いたシール構造を必要としない簡単な構造となり、製造コストを下げることができる。
以下、本発明の循環装置用タンクを備えた冷媒循環装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は,第1の実施の形態の冷媒循環装置のフローの概念図である。
図1において、符号Pは、伝熱盤等の温度制御対象(以下、「伝熱盤P」という)であり、この伝熱盤Pは、冷凍機1によって温度を下げられた冷媒循環装置の冷媒4(以下、「冷却液4」という)を伝熱盤Pに形成された冷却通路8に流すことや伝熱盤Pに取り付けられた伝熱盤ヒータ9で加熱することによって、例えば、−70°C〜200°Cの範囲で温度制御される。冷却液4は、例えば、ガルデン(商品名)やフロリナート(商品名)などのフッ素系の冷媒が使用されている。伝熱盤ヒータ9は、伝熱盤Pに設置した温度センサー9aの検知する温度に基づいて制御され、伝熱盤Pが予め定めた設定温度になるように伝熱盤Pを加熱する。なお、温度センサー9による伝熱盤ヒータ9の制御は、例えば、後述するコントローラCRや前掲した特許文献1に記載された測温抵抗体等、適宜の手段で行われる。
冷凍機1は、圧縮機2と熱交換器3を備えており、冷媒(以下、「冷凍機側冷媒」という)が、図1に示す矢印の方向に、圧縮機2→熱交換器3→圧縮機2と流れるようになっている。熱交換器3は、冷凍機側冷媒が流れる冷凍機側冷媒通路3aと、伝熱盤Pを冷却する冷却液4が流れる冷却液通路3bとを備えており、冷却液4は、冷却液通路3bを通ることによって、冷凍機1で冷やされた冷凍機側冷媒と熱交換して温度を下げる。
伝熱盤Pの温度制御を行う冷媒循環装置は、冷却液4を貯留する低温タンク5(前述した「循環装置用タンク」に相当する)と、冷却液4を循環させる電動機6a駆動の循環ポンプ6と、低温タンク5内の冷却液4が所定の設定温度になるように加熱する冷却液ヒータ7と、伝熱盤Pに形成された冷却通路8と、熱交換器3に設けた冷却液通路3bとを備えており、循環ラインLによって、冷却液4が、図1の矢印で示すように、低温タンク5→循環ポンプ6→伝熱盤Pの冷却通路8→熱交換器3の冷却液通路3b→冷却液ヒータ7→低温タンク5と流れるようになっている。この冷媒循環装置は、大気開放型であってもよいし、密閉型であってもよい。また、低温タンク5の容積は、冷媒循環装置に必要な最小限の冷却液4を溜める大きさであればよい。
冷媒循環装置には、循環ラインLとは別に、低温タンク5内に冷却液を補給する常温タンク(前述した「補給タンク」に相当する)11が設けられている。常温タンク11の設置位置は、常温タンク11の冷媒(液)10を低温タンク5に補給するだけの目的で設ける場合は、任意の位置でよい。しかしながら、後述するように、低温タンク5内の余分な冷却液4をオーバーフロー管13によって常温タンク11に移動させる構成を加える場合は、図1に示すように、低温タンク5の下方に設ける必要がある。また、常温タンク11の容積は、低温タンク5へ冷媒を補給できる量を確保できればよく、通常、低温タンク5の容積より小さくてよい。なお、常温タンク11は、大気開放型が好ましい。
この常温タンク11には、冷媒循環装置内の冷却液4(以下、「循環ラインLの冷却液4」という)の液量が減少して、冷却液4が足りなくなったとき、常温タンク11内の冷媒(液)10を低温タンク5に補給する補給手段が接続されている。補給手段は、循環ラインLの冷却液4の液量を検知する液量センサーの検知する液量に基づいて、適宜の手段で自動的に運転されるようになっている。図1には、補給手段としてポンプ(以下、「補給ポンプ12」という)を用いたものを示した。なお、12aは、補給ポンプ12によって常温タンク11から送り出される冷却液10を送る補給用ホースである。
液量センサーは、どのようなものであってもよいが、例えば、冷媒循環ラインLに設けた流量計や圧力センサー、あるいは、低温タンク5に設けた液面センサーなどがある。図1には、液量センサーとして液面センサー13を用いたものを示した。この液面センサー13も、低温タンク5内の液面を検知できるものであればどのようなものでもよい。例えば、光学式、フロート式、低温タンク5内の液の重量を圧力として検知するものなどがある。液面センサー13は、例えば、図1に示すものでは、冷媒循環装置を制御するコントローラCR内に構成されたポンプ駆動指令手段に電気的に接続されており、ポンプ駆動指令手段は、液面センサー13が循環ラインLの冷却液4の液量の減少を検知したとき、補給ポンプ12に駆動指令信号を送り、補給ポンプ12を運転するようになっている。液面センサー13が検知する液面高さは、循環ラインLが必要とする最小限の冷却液量に相当する低温タンク5の液面高さを考慮して適宜決められる。なお、液面センサー13による補給ポンプ12の制御は、前述したコントローラCRに限らず、適宜の手段で行うことができる。
また、常温タンク11には、常温タンク11内の冷媒の液量が一定量以下となったとき、オペレータに冷媒を補給するよう警告するアラーム16を設けるのが好ましい。このため、常温タンク11には、液面センサー15が設けられている。この液面センサー15は、コントローラCR内に構成されたアラーム駆動指令手段に接続されており、常温タンク11の液量が一定量以下となったとき、液面センサー15がこれを検知し、アラーム駆動指令手段によってアラーム16を作動するようになっている。液面センサー15は、例えば、光学式、フロート式、低温タンク5内の液の重量を圧力として検知するものなどがある。
さらに、このような冷媒循環装置では、冷媒循環装置を高温に制御したとき、循環ラインLの冷却液4が膨張して、低温タンク5内の液面5aが上昇することがある。この冷却液4の膨張を吸収するため、低温タンク5には、この上昇した低温タンク5内の余分な冷却液を補給タンク11に移動させるためのオーバーフロー管14が設けられている。オーバーフロー管14の冷却液入り口高さ14aと液面センサー13が検知する液面高さは、低温タンク5内の冷却液の浪打等を考慮してある程度差をつけて設定されており、オーバーフロー管14の冷却液入り口高さ14aは、液面センサー13が検知する液面高さよりわずかに高い位置、例えば、数ミリ高い位置とされている。
図1の冷媒循環装置は次のように作動する。伝熱盤Pを高温、例えば40°Cを超えて温度制御するときは、循環ポンプ6の運転を停止し、伝熱盤Pに取り付けた伝熱盤ヒータ9を駆動する。伝熱盤ヒータ9は、温度センサー9aが検知する温度に基づいて、伝熱盤Pの温度が設定温度になるように制御される。
伝熱盤Pを低温、例えば40°C以下で温度制御するときは、循環ポンプ6を運転する。循環ポンプ6は、低温タンク5内の冷却液4を伝熱盤Pの冷却通路8に送り出す。冷却通路8に送り出された冷却液4は、伝熱盤Pと熱交換したのち、熱交換器3の冷却液通路3bに送られ、熱交換器3で温度を下げ、冷却液ヒータ7通して低温タンク5に戻される。このように、冷却液4が循環ラインLを循環することによって、低温タンク5内の冷却液4は、徐々にその温度を下げていく。また、低温タンク5内の冷却液4の温度は、低温タンク5に設けた温度センサー7aでモニターされており、低温タンク5内の冷却液4が冷却されすぎたときは、温度センサー7aの検知温度に基づいて冷却液ヒータ7を駆動し、低温タンク5内の冷却液4が設定温度になるようにする。温度センサー7aによる冷却液ヒータの7の制御は、例えばコントローラCRや前掲した特許文献1に示される測温抵抗体等、適宜の手段によってよって行うことができる。
伝熱盤Pは、この設定温度に維持された低温タンク5内の冷却液4が伝熱盤Pの冷却通路8を流れることによって冷却される。同時に、伝熱盤Pの温度は、温度センサー9aでモニターされており、温度センサー9aの検知温度に基づいて伝熱盤ヒータ9を制御し、冷却液4による冷却と伝熱盤ヒータ9による加熱とによって、伝熱盤を設定温度に制御する。
このようにして、伝熱盤Pを冷却液4と伝熱盤ヒータ9によって温度制御するとき、冷却液4の揮発や収縮によって、循環ラインLの冷却液4が減少することがある。循環ラインLの冷却液4が減少すると、低温タンク5の液面5aが下降し、低温タンク5に設けた液面センサー13がこの冷却液4の減少を検知し、その信号をコントローラCR内に構成したポンプ駆動指令手段に送る。この信号を受けたポンプ駆動指令手段は、補給ポンプ12に駆動指令信号を送り、補給ポンプ12を運転し、常温タンク11内の冷媒10を補給ホース12aを通して、低温タンク5に供給する。常温タンク11から低温タンク5に冷媒10が補給されて、液面センサー13が冷却液4の減少を検知しなくなると、ポンプ駆動指令手段によって、補給ポンプ12の運転を停止する。
また、冷却液4の膨張によって、低温タンク5の液面5aが上昇して、冷却液4がオーバーフロー管14の冷却液入口14aまで達すると、冷却液4はオーバーフロー管14に流れ込み、重力によってオーバーフロー管14内を下降して常温タンク11へ移動する。これによって、低温タンク5内の余分な冷媒は、常温タンク11に流れ、低温タンク5内の液面5aは、オーバーフロー管14の冷却液入口14aの高さ以上にはならない。すなわち、冷媒循環装置に必要な最小限の冷却液4以外は常温タンク11に溜められることになる。また、オーバーフロー管14の冷却液入り口高さ14aと液面センサー13が検知する液面高さは、わずかの差とされているので、循環ライン内の冷却液4の液量が増減しても、低温タンク5内の液面高さは常にほぼ一定に保たれる。
常温タンク11内の冷媒が、一定量以下になると、液面センサー15がそれを検知し、その検知信号がコントローラCR内に構成したアラーム駆動指令手段に送られる。この信号を受けたアラーム駆動指令手段は、アラーム16に駆動指令信号を送り、アラーム16を駆動し、オペレータに冷媒を常温タンク11に補給するよう警告する。
この第1の実施の形態の冷媒循環装置によれば、次のような効果が生じる。低温(0°C以下)でも循環できる揮発性の高い冷却液は、揮発性が高く、冷媒循環装置を大気開放型にすると、冷却液が大気に漏れて冷媒装置内、すなわち、循環ラインLの冷却液4が減少したり、冷媒循環装置を低温に制御すると、循環ラインLの冷却液4が収縮して、循環ラインLの冷却液4の液量が減少したりするため、低温タンク5に冷却液4の補給を頻繁に行う必要が生じるが、この実施の形態では、循環ラインLの冷却液4の液量が減ったとき、液面センサー13がその冷却液4の液量の減少を検知して補給ポンプ12を自動的に運転し、常温タンク11の冷媒10を低温タンク5に補給するようにしたので、冷却液の補給頻度を減らすため低温タンク5に冷却液を余分に充填しておく必要がない。したがって、循環ラインLには必要な最小限の冷却液4を溜めておけばよいので、低温タンク5の容積を大きくする必要がないから、循環ラインLの熱容量が大きくならず、冷却液の冷却や昇温にかかる時間を短縮することができる。
また、前述した冷却液の補給に加え、循環ラインLの冷却液4が膨張して、低温タンク5の液面が上昇したとき、オーバーフロー管14によって、低温タンク5内の余分な冷媒を常温タンク11に移動するようにしたので、循環ラインLの冷媒の収縮と膨張は常温タンク11で吸収され、低温タンク5内の液面は常にほぼ一定に保たれる。したがって、循環ラインLには、必要な最小限の液を溜めておけばよく、低温タンク5の容積を大きくする必要がないので、循環ラインLの熱容量も大きくならず、冷却液の冷却や昇温にかかる時間を短縮できる。
さらに、前述した冷媒循環装置を大気開放型冷媒循環装置とすることによって、密閉型冷媒循環装置のように高価な部品やさまざまな工夫を用いたシール構造とする必要がないので、冷媒循環装置の構造が簡単となり、製造コストを下げることができる。
循環ラインへの冷媒の補充は、常温タンク11の液冷媒がなくなったとき行えばよいので、冷媒補充の間隔が長くなり、冷媒の補給に手間がかかるということがない。
次に、本発明の循環装置用タンクを備えた第2の実施の形態の冷媒循環装置を図2に基づいて説明する。図2は、第2の実施の形態の冷媒循環装置のフロー図である。第2の実施の形態の冷媒循環装置は、第1の実施の形態の応用例であり、冷媒の流れる循環ラインの構成が相違するだけで、循環装置用タンクの基本構造は同じである。
図2において、符号Pは、伝熱盤等の温度制御対象(以下、「伝熱盤P」という)であり、この伝熱盤Pは、チラーユニットCの筺体21内に収納された冷凍機22の熱交換器23で温度を下げられた冷媒循環装置の冷媒(液)24(以下、「冷却液24」という)を伝熱盤P内に形成された冷却通路29に流すことや伝熱盤Pに取り付けられた伝熱盤ヒータ30で加熱することによって、例えば、−70°C〜200°Cの範囲で温度制御される。伝熱盤ヒータ30は、伝熱盤Pに設置した温度センサー30aの検知する温度に基づいて制御され、伝熱盤Pが予め定めた設定温度になるように伝熱盤Pを加熱する。伝熱盤ヒータ30の制御は、前述した伝熱盤ヒータ9の制御と同様に行われる。
伝熱盤Pの温度制御を行う冷媒循環装置は、冷却液24を貯留する低温タンク25(前述した「循環装置用タンク」に相当する)と、冷却液24を循環させる循環ポンプ27と、熱交換器23で冷却される冷却液の流量を調整する流量調整弁28と、伝熱盤Pに形成された冷却通路29と、熱交換器23に設けた冷却液通路(図示せず)を備えており、後述する循環ラインL1とL2によって循環回路が構成されている。
熱交換器23は、二重管で構成されており、その内管が冷凍機22側冷媒の流れる冷媒通路とされ、内管と外管との間に形成される通路が冷却液24の流れる冷却液通路とされており、冷却液24は、ここで冷凍機側冷媒と熱交換して冷却されるようになっている。また、低温タンク25からの冷却液24を内管の中へ、内管と外管との間に形成される流路に冷凍機22からの冷媒が流れるようにしてもよい。
低温タンク25は、チラーユニットCの筺体21内に収納されており、ほぼ密閉された断熱構造とされている。低温タンク25内の上部空間には、この上部空間を大気に開放する大気開放チューブ26が設けられており、低温タンク25の液面が上昇や下降して、低温タンク25に圧力の変動が生じたとき、その圧力の変動を吸収するようにしている。
循環ポンプ27は、低温タンク25取り付けられており、そのポンプ部が、低温タンク25に貯留された冷却液24の中に位置し、駆動部が低温タンク25の外部に位置するよう配置されている。循環ポンプ27の吸入口は、低温タンク25内に開口し、その吐出口は、熱交換器23の入口に冷却液24を送る冷却液循環ホース31(往き管)に接続されるとともに、伝熱盤Pの冷却通路29に冷却液24を送る冷却液供給ホース33に接続されている。
流量調整弁28は、低温タンク25に取り付けられており、駆動部が低温タンク25の外部に位置し、弁部が低温タンク25内に位置するよう配置されている。流量調整弁28の冷媒入口は、熱交換器23の出口に接続された冷却液循環ホース32(戻り管)に接続されている。流量調整弁28の冷媒出口は、低温タンク25の上部空間に開口している。流量調整弁28は、低温タンク25に設けた温度センサー28aによって制御され、低温タンク25内の冷却液24が所定の設定温度になるように熱交換器23を流れる冷却液24の流量を調整する。なお、温度センサー28aによる流量調整弁28の制御は、例えば、コントローラ等適宜の手段で行うことができる。
伝熱盤Pに形成された冷却通路29は、その冷却液入口が伝熱盤接続ホース35(往き管)に接続され、その冷却液出口が伝熱盤接続ホース36(戻り菅)に接続されている。伝熱盤接続ホース35は、循環ポンプ27の吐出口に接続する冷却液供給ホース33に接続され、伝熱盤接続ホース36は、低温タンク25内に連通する冷却液供給ホース34(戻り菅)に接続されている。
このように構成された冷媒循環装置は、冷却液24が、低温タンク25→循環ポンプ27→冷却液循環ホース31→熱交換器23の冷却液通路→冷却液循環ホース32→流量調整弁28→低温タンク25と流れる循環ラインL1と、冷却液24が、低温タンク25→循環ポンプ27→冷却液供給ホース33→伝熱盤接続ホース35→伝熱盤Pの冷却通路29→伝熱盤接続ホース36→冷却液供給ホース34→低温タンク25と流れる循環ラインL2とを有している。
この冷媒循環装置には、循環ラインL1,L2とは別に、低温タンク25内に冷却液を補給するほぼ密閉された常温タンク38(前述した「補給タンク」に相当する)が、低温タンク25の下方に設けられている。常温タンク38内の上部空間には、この上部空間を大気に開放する大気開放チューブ39が接続されている。常温タンク38の容積は、低温タンク25へ冷媒を補給できる量を確保できればよく、低温タンク25の容積より小さくされている。
この常温タンク38には、循環ラインL1,L2の冷却液24の液量が減少して冷却液が足りなくなったとき、常温タンク38内の冷媒(液)37を低温タンク25に補給する補給ポンプ40が接続されている。補給ポンプ40は、低温タンク25内に設けた液面センサー41の検知する液量に基づいて、自動的に運転されるようになっている。なお、40aは、補給ポンプ40によって常温タンク38から送り出される冷媒37を低温タンク25に送る補給用ホースである。
液面センサー41は、第1の実施の形態の液面センサー13と同様であるが、図2には、光学式の液面センサーが示されている。図2に示す液面センサー41は、低温タンク25の外部に設けられ、低温タンク25の上部空間と低温タンク25の低部を連通する透明管41aと、検知する液面高さの位置で透明管41aに光を照射する照光部41bと、透明管41aを通った光を受光する受光部41cを備えており、透明管41aを通る光の屈折率が異なることを利用して検知する液面高さに液が有るか無いかを判断するようになっている。
この液面センサー41は、図1に示したものと同様に、冷媒循環装置を制御するコントローラ内に構成されたポンプ駆動指令手段(図示せず)に電気的に接続されており、液面センサー41が検知する液面高さに液を検知しないとき、ポンプ駆動指令手段が、低温タンク25内の冷却液24の液量が減少したと判断して、補給ポンプ40を運転するようになっている。液面センサー41が検知する液面高さは、循環ラインL1,L2が必要とする最小限の冷媒量に相当する低温タンク25の液面高さを考慮して適宜決められる。
また、常温タンク38には、図1に示したものと同様に、常温タンク38の冷媒が一定量以下となったとき、オペレータに冷媒を補給するよう警告するアラーム(図示せず)を設けるのが好ましい。このため、常温タンク38には、液面センサー43が設けられている。この液面センサー43は、液面センサー41と同様の光学式の液面センサーであり、図1に示したものと同様に、コントローラ内に構成されたアラーム駆動指令手段(図示せず)に接続されており、常温タンク38の冷媒が一定量以下となったとき、アラームを作動するようになっている。
さらに、このような冷媒循環装置では、冷媒循環装置を高温に制御したとき、冷媒循環装置内の冷却液24(以下、「循環ラインL1,L2の冷却液24」という)が膨張して、低温タンク25内の液面25aが上昇することがあるが、低温タンク25には、この上昇した低温タンク25内の余分な冷却液を補給タンク38に移動させるために、オーバーフロー管42が設けられている。
オーバーフロー管42は、低温タンク25の内部に取り付けられており、低温タンク25の低部を貫通して、低温タンク25の下方に設置された常温タンク38の底部近くまでほぼ垂直に延びるパイプから形成されている。オーバーフロー管42の冷却液入り口高さ42aと液面センサー13が検知する液面高さは、低温タンク5内の冷却液の浪打等を考慮してある程度差をつけて設定されている。オーバーフロー管14の冷却液入り口高さ14aは、液面センサー13が検知する液面高さよりわずかに高い位置、例えば、数ミリ高い位置とされている。
図2の冷媒循環装置は次のように作動する。伝熱盤Pを高温、例えば、40°Cを超えて温度制御するときは、循環ポンプ27の運転を停止し、伝熱盤Pに取り付けた伝熱盤ヒータ30を駆動する。伝熱盤ヒータ30は、温度センサー30aが検知する温度に基づいて、伝熱盤Pの温度が設定温度になるように制御される。
伝熱盤Pを低温、例えば40°C以下で温度制御するときは、循環ポンプ27を駆動する。循環ポンプ27は、低温タンク25内の冷却液24を、冷却液循環ホース31を通して熱交換器23の冷却液通路に送るとともに、冷却液供給ホース33及び伝熱盤接続ホース35を通して伝熱盤Pの冷却通路29に送る。
熱交換器23の冷却液通路に送られた冷却液24は、熱交換器23の冷媒通路を流れる冷凍機22側冷媒と熱交換して温度を下げ、冷却液循環ホース32、流量調整弁28を通って低温タンク25に戻される。このようにして、循環ラインL1を流れる冷却液24は熱交換器23によって徐々に温度が下げられていく。他方、伝熱盤Pの冷却通路29に送られた冷却液24は、冷却通路29を通る間に温度を上げ、伝熱盤接続ホース36、冷却液供給ホース34を通って低温タンク25に戻される。
流量調整弁28は、低温タンク25内に設けた温度センサー28aの検知温度に基づいて制御され、低温タンク25内の冷却液24の温度が伝熱盤Pの設定温度に対応した所定の設定温度になるように循環ラインL1を流れる冷却液24の液量を調整する。伝熱盤Pは、このようにして所定の温度に調整された低温タンク25からの冷却液24が冷却通路29流れることによって冷却される。同時に、伝熱盤Pの温度は、温度センサー30aでモニターされており、温度センサー30aで検知した伝熱盤Pの温度が設定温度より低い場合には、伝熱盤ヒータ30に通電して、伝熱盤Pの温度が設定温度になるように制御する。
このようにして、伝熱盤Pを冷却液24と伝熱盤ヒータ30によって温度制御するとき、循環ラインL1,L2の冷却液24が、冷却液24の揮発や収縮などによって減少することがある。循環ラインL1,L2の冷却液24が減少すると、低温タンク25に設けた液面センサー41がこの冷却液24の減少を検知して、コントローラ内に構成したポンプ駆動指令手段によって補給ポンプ40が駆動され、常温タンク38内の冷媒37が低温タンク25に補給される。常温タンク38から低温タンク25に冷媒37が補給されて、液面センサー41が冷却液24の減少を検知しなくなると、ポンプ駆動指令手段によって、補給ポンプ40の運転が停止される。なお、液面センサー41による補給ポンプ40の制御は、コントローラに限らず適宜の手段で行うことができる。
また、冷却液24の膨張によって、低温タンク25の液面25aが上昇して、冷却液24がオーバーフロー管42の冷却液入口42aを超えると、冷却液24はオーバーフロー管42に流れ込み、重力によってオーバーフロー管42内を下降して常温タンク38へ移動する。これによって、低温タンク25内の余分な冷却液24は、常温タンク37に流れ、低温タンク25内の液面25aは、オーバーフロー管42の冷却液入口42aの高さ以上にはならない。すなわち、冷媒循環装置に必要な最小限の冷却液24以外は常温タンク38に溜められることになる。また、オーバーフロー管42の冷却液入り口高さ42aと液面センサー41が検知する液面高さは、わずかの差とされているので、循環ラインL1,L2の冷却液24の液量が増減しても、低温タンク25内の液面高さは常にほぼ一定に保たれる。
常温タンク38内の冷媒が、一定量以下になると、液面センサー43がそれを検知し、その検知信号がコントローラCR内に構成したアラーム駆動指令手段に送られる。この信号を受けたアラーム駆動指令手段は、アラームに駆動指令信号を送り、アラームを駆動して、オペレータに冷媒を常温タンク38に補給するよう警告する。
この第2の実施の形態の冷媒循環装置によれば、低温タンク25の冷却液温度を制御する循環ラインL1と、伝熱盤Pを温度制御する循環ラインL2を設けたので、低温タンク25内の冷却液24や伝熱盤Pの温度追従性が向上し、また、伝熱盤Pに設ける伝熱盤ヒータ30の容量を小さくすることができる。
さらに、前述した第1の実施の形態と同様に、循環ラインL1,L2の冷却液24の液量が減ったとき、常温タンク38内の冷媒37を低温タンク5内に自動的に補給できるようにして、循環ラインL1,L2には必要な最小限の冷却液24を溜めておけばよいようにしたので、循環ラインL1,L2内の熱容量が大きくならないから、冷却液の冷却や昇温にかかる時間を短縮することができる。また、循環ラインL1,L2への冷媒の補充は、常温タンク38の液冷媒がなくなったとき行えばよいので、冷媒補充の間隔が長くなり、冷媒の補給に手間がかからない。
また、前述した第1の実施の形態と同様に、冷却液24の補給に加え、低温タンク25の液面が上昇したとき、オーバーフロー管42によって、低温タンク25内の余分な冷媒を常温タンク38に移動するようにして、冷却液24の膨張を常温タンク38で吸収するようにしたので、低温タンク25の容積を大きくする必要がないから、循環ラインL1,L2内の熱容量も大きくならず、冷却液の冷却や昇温にかかる時間を短縮できる。
また、この実施の形態の冷媒循環装置は大気開放型冷媒循環装置であるので、密閉型冷媒循環装置のように高価な部品やさまざまな工夫を用いたシール構造とする必要がなく、冷媒循環装置の構造が簡単となり、製造コストを下げることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の設計変更が可能であり、それらはいずれも本発明に含まれる。例えば、本発明の循環装置用タンクは、伝熱盤の温度制御を行う冷媒循環装置に限られないし、循環ラインも前述した実施例のものに限られない。また、圧縮機等の流体を循環させる装置にも適用できる。
本発明の循環装置用タンクを備えた第1の実施の形態に係る冷媒循環装置のフローの概念図。 本発明の循環装置用タンクを備えた第2の実施の形態に係る冷媒循環装置のフロー図。 従来の循環装置用タンクを備えた冷媒循環装置のフローの概念図。
符号の説明
P 伝熱盤
L 循環ライン
CR コントローラ
1 冷凍機
2 圧縮機
3 熱交換器
4 冷却液
5 低温タンク
6 循環ポンプ
7 冷却液ヒータ
8 冷却通路
9 伝熱盤ヒータ
10 冷媒(液)
11 常温タンク
12 補給ポンプ
13 液面センサー
14 オーバーフロー管
15 液面センサー
16 アラーム
C チラーユニット
L1,L2 循環ライン
22 圧縮機
23 熱交換器
24 冷却液
25 低温タンク
27 循環ポンプ
28 流量調整弁
29 冷却通路
30 伝熱盤ヒータ
37 冷媒(液)
38 常温タンク
40 補給ポンプ
41 液面センサー
42 オーバーフロー管
43 液面センサー

Claims (4)

  1. 冷媒循環装置等の冷媒が流れる循環ラインに設置される循環装置用タンクにおいて、前記循環ラインとは別に液冷媒を貯留する補給タンクを設置するとともに、前記循環ラインの冷媒液量を検知する液量センサーを設け、該液量センサーの検知する液量に基づいて前記補給タンク内の液冷媒を前記循環装置用タンクに補給する補給手段を設けたことを特徴とする循環装置用タンク。
  2. 前記補給タンクを前記循環装置用タンクの下方に設置するとともに、前記循環装置用タンクに、前記循環装置用タンクの液面が上昇したとき前記循環装置用タンク内の冷媒を前記補給タンク内に移動させるオーバーフロー管を設けた請求項1に記載の循環装置用タンク。
  3. 前記循環ラインを大気開放型とした請求項1または2に記載の循環装置用タンク。
  4. 前記液量センサーが前記循環装置用タンクに設けた液面センサーである請求項1〜3のいずれかに記載の循環装置用タンク。
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