JP2007002030A - エラストマー、感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法 - Google Patents

エラストマー、感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007002030A
JP2007002030A JP2005181303A JP2005181303A JP2007002030A JP 2007002030 A JP2007002030 A JP 2007002030A JP 2005181303 A JP2005181303 A JP 2005181303A JP 2005181303 A JP2005181303 A JP 2005181303A JP 2007002030 A JP2007002030 A JP 2007002030A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
solder resist
photosensitive
light
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005181303A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Iwasaki
政幸 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fujifilm Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Holdings Corp filed Critical Fujifilm Holdings Corp
Priority to JP2005181303A priority Critical patent/JP2007002030A/ja
Publication of JP2007002030A publication Critical patent/JP2007002030A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

【課題】 耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、プリント配線板、高密度多層板及び半導体パッケージ等の製造に好適に用いられる感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストを提供。
【解決手段】 ジイソシアネートと、カルボン酸基含有ジオールと、質量平均分子量が500以上の高分子ジオールとから得られるカルボキシル基含有ポリウレタンと、分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られるエラストマーであって、質量平均分子量300以下の低分子ジオールの合計モル量/質量平均分子量500以上の高分子ジオールの合計モル量の比が0.5〜10であることを特徴とするエラストマーである。また、該エラストマーを使用した感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、これらを使用した永久パターン及びその形成方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ソルダーレジストなどに好適に用いられるエラストマー、並びにこのエラストマーを用いた感光性ソルダーレジスト組成物及びこれを用いた感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、高精細な永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストなど)に関し、特に、配線基板や電子部品モジュールに用いられ、実装時の熱履歴や温度サイクル試験(TCT)に対する耐熱疲労性に優れ、耐湿性、保存安定性、耐薬品性、表面硬度、絶縁性などに優れた永久パターン及びその効率的な形成方法に関する。
近年、電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型、薄型、軽量と共に、高性能、高機能、高品質、高信頼性が要求されるようになってきており、このような電子機器に搭載される電子部品モジュールも小型、高密度化が要求されるようになってきている。このような要求に対して、近年、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスを素材とするセラミック配線基板から、より軽量化、高密度化が可能なガラス繊維とエポキシ樹脂とから成る絶縁基板の表面に低抵抗金属である銅や金等を用いて薄膜形成法により配線導体層を形成した、いわゆるプリント基板が電子部品モジュールに用いられるようになってきている。また、このプリント基板も、より高密度配線化が可能なビルドアップ配線基板へ変わりつつある。
このようなビルドアップ配線基板は、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とから成る絶縁基板上に、熱硬化性樹脂から成るフィルムをラミネートし熱硬化して絶縁層を形成した後にこれに炭酸ガスレーザーで開口を穿設し、しかる後、絶縁層表面を化学粗化して無電解銅めっき法及び電解銅めっき法を用いて銅膜を被着形成することにより、開口内に導体層を形成するとともに絶縁層表面に配線導体層を形成し、更に、このような絶縁層と配線導体層の形成を繰返すことにより製作される。
また、配線基板の表面には、配線導体層の酸化や腐蝕の防止及び配線基板に電子部品を実装する際の熱から絶縁層を保護するために厚みが20〜50μmのソルダーレジスト層が被着形成されている。このソルダーレジスト層は、一般に配線導体層及び絶縁層との密着性が良好なアルカリ可溶性光架橋性樹脂と、可撓性を有する樹脂とから成り、熱膨張係数を絶縁層や配線導体層の熱膨張係数と整合させるために無機充填剤を5〜75質量%含有している。
更に、この配線基板は、配線導体層上のソルダーレジスト層に露光及び現像により開口を形成し、開口内の配線導体層に半田等から成る導体バンプを介して電子部品を電気的に接続することにより半導体装置等の電子部品モジュールとなる。
一般に、このような電子部品モジュールに用いられるソルダーレジスト層は、乾燥状態での絶縁抵抗が1011〜1013Ωである。しかしながら、このソルダーレジスト層は、一般に、含有するアルカリ可溶性光架橋性樹脂がソルダーレジスト層に露光及び現像により開口を形成する際の現像性を発現させるために水酸基やカルボキシル基を含有することから、吸水率が高く空気中の水分を徐々に吸収して、この水分がソルダーレジスト層の絶縁抵抗を10Ω以下にまで低下させてしまい配線導体層間を短絡させたり、更には、この水分が配線導体層を腐食させてしまい、その結果、配線基板の電気信頼性を劣化させてしまうという問題点を有していた。また、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)等の半導体パッケージ基板において、予めクリームはんだを必要部分に印刷し、全体を赤外線で加熱し、はんだをリフローして固定するので、パッケージ内外部の到達温度は220〜240℃と著しく高くなり、熱衝撃により塗膜にクラックが発生したり、基板や射止材から剥離してしまうという、いわゆる耐リフロー性低下の問題がありこの改良が求められていた。
このような問題の解決のため、ソルダーレジスト中にエラストマーを添加することが提案されている(特許文献1参照)。このエラストマーには、水酸基を有するポリエステル系エラストマーが例として使用されて、それ以外にも広範なエラストマーが例示されている。この前記エラストマーの添加によれば必要なエラストマーの含有量は、酸性ビニル基含有エポキシ樹脂の100質量部に対し2〜30質量部含む必要があるとされている。
しかしながら、これらのエラストマーが耐クラック性を改善することは確かであるが、一方でソルダーレジストの未露光部の現像性は十分ではない。
また、基板への密着性改良のため、アルカリ可溶性ブタジエン共重合体をバインダーとして使用することはよく知られている。例えば、スチレン/ブタジエン/マレイン酸アミド共重合体、ブタジエン/メタクリル酸/ジビニルベンゼン/メチルメタクリレート共重合体などであり、ソルダーレジストなどへの応用が提案されている(特許文献2、3参照)。
また、感光性ソルダーレジストのプリント配線基板への密着性の改良を目的とした、アルカリ現像性と硬度の良好なエポキシアクリレートと多塩基酸無水物との反応物を他の樹脂と組み合わせる混合バインダーとしての使用技術も公知である。例えば、エポキシアクリレートと多塩基酸無水物の反応物と組み合わせる架橋性バインダーとして、カルボン酸付加アクリロニトリルブタジエンゴムとエポキシ樹脂の反応生成物が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この組成物をソルダーレジストとして適用しても、基板への密着性は十分であるが、アルカリ現像性や耐熱性の点で不十分であった。
また、基板密着性、信頼性を向上ししかもアルカリ現像性も改善するとして、カルボン酸基含有架橋エラストマー微粒子が提案されている(特許文献5参照)。しかし、信頼性や現像性は向上するが、カルボン酸基含有架橋エラストマー微粒子の分散安定性に難があるため、組成物中の含有率を必要な範囲にまで高めると、ソルダーレジスト層の塗布性に問題が生じる可能性がある。
また、ポリウレタン樹脂として、高分子ジオールを構成要素とするアルカリ可溶性ポリウレタン樹脂が提案されている(特許文献6参照)。しかし、これを添加した場合、感光性ソルダーレジストの現像性の確保には十分であるが、エラストマーとしての性能である硬化膜の高温での弾性率を実用レベルまで低下できず、加速テストでのクラック防止には十分とはいえなかった。
また、ポリウレタン樹脂として、側鎖カルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリウレタン樹脂が提案されている(特許文献7)。前記アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂の側鎖にカルボキシル基を介してグリシジルメタクリレートを付加反応させることで、不飽和二重結合を有する重合体とし、該二重結合と感光性組成物中のエチレン性不飽和基含有化合物との光重合を生じさせることで、高感度な感光性組成物を提供可能としている。しかし、この場合、ジアゾ樹脂を主要成分とする感光性平板印刷版用の感光性組成物に関する提案であり、前記高感度や、耐刷性、保存安定性の向上についての記載はあるが、膜強度についての記載はないし、感光性ソルダーレジストなどへの使用可能性についても何ら開示がない。また、クラック防止のための弾性率などエラストマーとしての性能についての記載もない。
また、感光性ソルダーレジストに使用可能なアルカリ可溶性光架橋性樹脂として、主成分として、エポキシアクリレートとモノマーとを含む組成物が一般に用いられている。このようなエポキシアクリレート系樹脂では、分子量が小さいため塗液の濃縮化や塗布後の平坦性においては優れるが、一方で未硬化時の塗膜が粘着性を有しているので、マスク露光時のマスク汚れの原因となる。また、該樹脂を感光性レジストフィルムとして使用した際には、ラミ露光後の支持体からの剥離工程でしばしば剥離不良を起こすことが問題になっていた。また、パターン形成後のポストベーク後においては膜質がもろいため、クラックを引き起こし易く、その対策のためには、エラストマーの添加が必要であった。
前記エラストマーとしては、アルカリ不溶性のものが一般に用いられているが、しばしばアルカリ水による現像不良を起こすことが問題であった。一方、アルカリ水溶液分散性の微粒子エラストマーの使用も提案されているが(特許文献5参照)、微粒子での分散安定化は困難で、塗膜中でしばしば凝集し、レジストの欠陥原因になる可能性がある。これらのエラストマー添加技術は硬化膜中でのミクロ相分離を原理としているため、硬化条件などの要因によってはミクロ構造が変動し、常に十分な膜強度を示すことが困難であった。
一方、前記特許文献2では分子量10000以上の比較的高分子量のアルカリ水溶液に可溶性のバインダーを用いた提案されているが、このような高分子量タイプ系は、塗膜の表面べたつきは少ないものの、一方で基板密着性が劣るので、相溶性などの問題を起こし易く、その対策のために密着促進剤などの添加剤が必要である。しかし、この添加剤により、たとえ密着性は改良されても、常に十分な膜強度を発現するのは困難であった。
特開平11−240930号公報 特開平2−97502号公報 特開平7−159998号公報 特開平8−41167号公報 特開2001−13679号公報 特開平1−134354号公報 特開2002−311579号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、プリント配線板、高密度多層板及び半導体パッケージ等の製造に好適に用いられる感光性ソルダーレジスト組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、この感光性ソルダーレジスト組成物の層を支持体に積層してなる、優れた耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気絶縁性を有する硬化膜が得られる感光性ソルダーレジストフィルムを提供することを目的とする。本発明のさらなる目的は、青紫色レーザーダイレクト露光方式に最適な感光性ソルダーレジストフィルムを提供することにある。
更に、本発明の目的は、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を提供可能で、前記感光性ソルダーレジストに使用するのに好適なだけでなく、プリント基板用層間絶縁膜、カラーフィルター用カラーレジスト、感光性平版印刷板、各種保護膜、平坦化膜、エッチング用及びメッキ用フォトレジスト、感光性ペースト、ホログラム、マイクロレンズ、UV硬化性インキ、UV硬化性塗料などへの使用にも好適なアルカリ可溶性光架橋性のポリマーを提供することである。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ジイソシアネートと、カルボン酸基含有ジオールと、質量平均分子量が500以上の高分子ジオールとから得られるカルボキシル基含有ポリウレタンと、分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られるエラストマーであって、質量平均分子量300以下の低分子ジオールの合計モル量/質量平均分子量500以上の高分子ジオールの合計モル量の比が0.5〜10であることを特徴とするエラストマーである。
<2> 置換基を有していてもよい二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のジイソシアネートと、C原子及びN原子のいずれかを介してCOOH基と2つのOH基を有するカルボン酸含有ジオールと、−COO−、−OCO−、−O−、及び−CH=CH−結合のいずれかを介して2つのOH基を有する質量平均分子量が800〜3,000の範囲にある高分子ジオールから選ばれた少なくとも1種との反応物であって、得られた反応物と、−COO−結合を介して分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られる前記<1>に記載のエラストマーである。
<3> 一般式(I)で示されるジイソシアネートと、一般式(II−1)〜(II−3)で示されるカルボン酸基含有ジオールから選ばれた少なくとも1種と、一般式(III−1)〜(III−5)で示される質量平均分子量が800〜3,000の範囲にある高分子ジオールから選ばれた少なくとも1種との反応物であって、得られた反応物と、一般式(IV−1)〜(IV−16)で示される分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られる前記<1>から<2>のいずれかに記載のエラストマーである。該<1>に記載のエラストマーにおいては、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れ、これを感光性ソルダーレジスト組成物などに使用することにより、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を提供できる。
ただし、一般式(I)、(II−1)〜(II−3)中、Rは置換基を有していてもよい二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のいずれかを表す。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアリーロキシ基のいずれかを表す。R、R、及びRはそれぞれ同一でも相異していてもよく、単結合、置換基を有していてもよい二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のいずれかを表す。Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素を表す。
ただし、一般式(III−1)〜(III−5)中、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ同一でも相異していてもよく、二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のいずれかを表す。R12は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基及びハロゲン原子のいずれかを表す。R13はアリール及びシアノ基のいずれかを表す。n〜nはそれぞれ2以上の整数を表す。nは0又は2以上の整数を表す。


ただし、一般式(IV−1)〜(IV−16)中、R14は水素原子及びメチル基のいずれかを表し、R15は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R16は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。pは0又は1〜10の整数を表す。
<4> 一般式(III−1)〜(III−5)で示される質量平均分子量が500以下のカルボン酸基非含有の低分子量ジオールを、低分子量ジオール合計モル量/高分子量ジオール合計モル量の比が1〜3となるように共重合させた前記<1>から<3>のいずれかに記載のエラストマーである。
<5> 酸価が10〜130mgKOH/gであり、臭素価が1〜30gBr/100gであり、かつ、質量平均分子量が1,000〜200,000である前記<1>から<4>のいずれかに記載のエラストマーである。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のエラストマーと、重合性化合物と、光重合開始剤と、熱架橋剤と、着色剤と、熱硬化促進剤とを含有することを特徴とする感光性ソルダーレジスト組成物である。該<6>に記載の感光性ソルダーレジスト組成物においては、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、プリント配線板、高密度多層板及び半導体パッケージ等の製造に好適に用いられる感光性ソルダーレジスト組成物を提供できる。
<7> 熱架橋剤が、エポキシ樹脂及び多官能オキセタン化合物のいずれか1種である前記<6>に記載の感光性ソルダーレジスト組成物である。
<8> 無機充填剤を含む前記<6>から<7>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物である。
<9> エラストマー15〜70質量%と、重合性化合物5〜75質量%、光重合開始剤0.5〜20質量%、熱架橋剤2〜50質量%、無機充填剤5〜75質量%、着色剤0.1〜10質量%、熱硬化促進剤0.01〜20質量%及び溶剤を含む前記<6>から<8>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物である。
<10> 重合性化合物が、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種を含む前記<6>から<9>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物である。
<11> 光重合開始剤が、ハロゲン化炭化水素誘導体、ホスフィンオキサイド、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩及びケトオキシムエーテルから選択される少なくとも1種を含む前記<6>から<10>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物である。
<12> 支持体と、該支持体上に、前記<6>から<11>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物が積層されてなる感光層と、を有することを特徴とする感光性ソルダーレジストフィルムである。
<13> 感光層上に保護フィルムを有してなる前記<12>に記載の感光性ソルダーレジストフィルムである。
<14> 感光層の厚みが、3〜100μmである前記<12>から<13>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジストフィルムである。
<15> 支持体が、合成樹脂を含み、かつ透明である前記<12>から<14>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジストフィルムである。
<16> 支持体が、長尺状である前記<12>から<15>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジストフィルムである。
<17> 基体と、該基体上に、前記<6>から<11>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物が、塗布により積層されてなる感光層と、を有することを特徴とする感光性ソルダーレジスト組成物積層体である。
<18> 前記<12>から<16>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジストフィルムにおける感光層及び前記<17>に記載の感光性ソルダーレジスト組成物積層体における感光層のいずれかを、基材の表面に積層した後、前記感光層に対し露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法である。
該<18>に記載の永久パターン形成方法においては、前記<12>から<16>のいずれかに記載の感光性ソルダーレジストフィルムが、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に転写され感光層が積層され、又は前記<17>に記載の感光性ソルダーレジスト組成物が前記基材の表面に塗布され、乾燥されて前記感光層が積層される。該いずれかの感光層が露光され、該露光された感光層が現像される。その結果、表面硬度が高く、保護膜あるいは絶縁膜に最適な永久パターンが形成される。
<19> 基材が、配線形成済みのプリント配線基板である前記<18>に記載の永久パターン形成方法である。
該<19>に記載の永久パターン形成方法においては、前記基材が配線形成済みのプリント配線基板であるので、該永久パターン形成方法を利用することにより、半導体や部品の多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの高密度実装が可能である。
<20> 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる前記<18>から<19>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<21> 露光が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行われる前記<18>から<20>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<22> 露光が、光を照射する光照射手段と、形成するパターン情報に基づいて前記光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段とを用いて行われる前記<19>から<21>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<23> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、前記光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<22>に記載の永久パターン形成方法である。
<24> 光変調手段が、n個の描素部を有してなり、該n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部を、形成するパターン情報に応じて制御可能である前記<18>から<23>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
該<24>に記載の永久パターン形成方法においては、前記光変調手段におけるn個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御することにより、前記光照射手段からの光が高速で変調される。
<25> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<18>から<24>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<26> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<25>に記載の永久パターン形成方法である。
<27> 描素部が、マイクロミラーである前記<24>から<26>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<28> 露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる前記<24>から<27>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<29> 非球面が、トーリック面である前記<28>に記載の永久パターン形成方法である。
該<29>に記載の永久パターン形成方法においては、前記非球面がトーリック面であることにより、前記描素部における放射面の歪みによる収差が効率よく補正され、前記感光層上に結像させる像の歪みが効率よく抑制される。その結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。その後、前記感光層を現像することにより、高精細な永久パターンが形成される。
<30> 露光が、アパーチャアレイを通して行われる前記<18>から<29>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
該<30>に記載の永久パターン形成方法においては、露光が前記アパーチャアレイを通して行われることにより、消光比が向上する。その結果、露光が極めて高精細に行われる。その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細な永久パターンが形成される。
<31> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<18>から<30>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
該<31>に記載の永久パターン形成方法においては、前記変調させた光と前記感光層とを相対的に移動させながら露光することにより、露光が高速に行われる。
<32> 露光が、感光層の一部の領域に対して行われる前記<18>から<31>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<33> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<18>から<32>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
該<33>に記載の永久パターン形成方法においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。その結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細な永久パターンが形成される。
<34> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバーと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバーに結合させる集合光学系とを有する前記<18>から<33>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
該<34>に記載の永久パターン形成方法においては、前記光照射手段により、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光が前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファーバーに結合可能とすることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。その結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細な永久パターンが形成される。
<35> 露光が、395〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる前記<18>から<34>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<36> 現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う前記<18>から<35>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
該<36>に記載の永久パターン形成方法においては、現像が行われた後、前記感光層に対して前記硬化処理が行われる。その結果、前記感光層の硬化領域の膜強度が高められる。
<37> 硬化処理が、全面露光処理及び120〜200℃で行われる全面加熱処理の少なくともいずれかである前記<36>に記載の永久パターン形成方法である。
該<37>に記載の永久パターン形成方法では、前記全面露光処理において、前記感光性ソルダーレジスト組成物中の樹脂の硬化が促進される。また、前記温度条件で行われる全面加熱処理において、硬化膜の膜強度が高められる。
<38> 保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する前記<18>から<37>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
該<38>に記載の永久パターン形成方法では、保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかが形成されるので、該膜の有する絶縁性、耐熱性などにより、配線が外部からの衝撃や曲げなどから保護される。
<39> 前記<18>から<38>のいずれかに記載の永久パターン形成方法により形成されることを特徴とする永久パターンである。
該<39>に記載の永久パターンは、前記永久パターン形成方法により形成されるので、優れた耐薬品性、表面硬度、耐熱性などを有し、かつ高精細であり、半導体や部品の多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの高密度実装に有用である。
<40> 保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかである前記<39>に記載の永久パターンである。
該<40>に記載の永久パターンは、保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかであるので、該膜の有する絶縁性、耐熱性などにより、配線が外部からの衝撃や曲げなどから保護される。
<41> ソルダーレジストパターンの220℃における動的弾性率が、20〜100MPaである前記<39>から<40>のいずれかに記載の永久パターンである。
本発明によれば、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を提供可能で、前記感光性ソルダーレジストに使用するのに好適なだけでなく、プリント基板用層間絶縁膜、カラーフィルター用カラーレジスト、感光性平版印刷板、各種保護膜、平坦化膜、エッチング用及びメッキ用フォトレジスト、感光性ペースト、ホログラム、マイクロレンズ、UV硬化性インキ、UV硬化性塗料などへの使用にも好適なアルカリ可溶性光架橋性のエラストマーを得ることができ、該エラストマーを使用することで、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、プリント配線板、高密度多層板及び半導体パッケージ等の製造に好適に用いられる感光性ソルダーレジスト組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、この感光性ソルダーレジスト組成物の層を支持体に積層してなる優れた耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気絶縁性を有する硬化膜が得られる感光性ソルダーレジストフィルムを提供するこができる。また、青紫色レーザーダイレクト露光方式に最適な感光性ソルダーレジストフィルムを提供することができる。
(エラストマー)
本発明のエラストマーは、ジイソシアネートと、カルボン酸基含有ジオールと、質量平均分子量が500以上の高分子ジオールとから得られるカルボキシル基含有ポリウレタンと、分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られるエラストマーであって、質量平均分子量300以下の低分子ジオールの合計モル量/質量平均分子量500以上の高分子ジオールの合計モル量の比が0.5〜10である。なお、該低分子ジオールの合計モル量/の高分子ジオールの合計モル量の比は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
本発明のエラストマーを用いることにより、安定したミクロ相分離が得られ、耐衝撃性に優れることから、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性が向上する。
また、本発明のエラストマーとしては、置換基を有していてもよい二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のジイソシアネートと、C原子及びN原子のいずれかを介してCOOH基と2つのOH基を有するカルボン酸含有ジオールと、−COO−、−OCO−、−O−、及び−CH=CH−結合のいずれかを介して2つのOH基を有する質量平均分子量が800〜3,000の範囲にある高分子ジオールから選ばれた少なくとも1種との反応物であって、得られた反応物と、−COO−結合を介して分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られるものであってもよい。
また、本発明のエラストマーとしては、下記一般式(I)で示されるジイソシアネートと、下記一般式(II−1)〜(II−3)で示されるカルボン酸基含有ジオールから選ばれた少なくとも1種と、下記一般式(III−1)〜(III−5)で示される質量平均分子量が800〜3,000の範囲にある高分子ジオールから選ばれた少なくとも1種との反応物であって、得られた反応物と、下記一般式(IV−1)〜(IV−16)で示される分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られるものであってもよい。

ただし、一般式(I)、(II−1)〜(II−3)中、式中、Rは置換基(例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲノ基のいずれかが好ましい)を有していてもよい二価の脂肪族又は芳香族炭化水素を表す。必要に応じ、R中はイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えば、エステル基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基のいずれかを有していてもよい。Rは水素原子、置換基(例えば、シアノ基、二トロ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH、−COOR、−OR、−NHCONHR、−NHCOOR、−NHCOR、−OCONHR、−CONHR(ここで、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基のいずれかを表す)、などの各基が含まれる)を有していてもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基のいずれかを表し、水素原子、炭素数1〜3個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基が好ましい。R、R、Rはそれぞれ同一でも相異していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲノ基の各基が好ましい)を有していてもよい二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のいずれかを示す。炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜8個のアルキレン基が更に好ましい。また必要に応じ、R、R、R中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えば、カルボニル基、エステル基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基、エーテル基のいずれかを有していてもよい。なお、R、R、R、Rのうちの2又は3個で環を形成してもよい。Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素を表し、炭素数6〜15個の芳香族基が好ましい。
ただし、一般式(III−1)〜(III−5)中、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ同一でも相異していてもよく、二価の脂肪族又は芳香族炭化水素を表す。R、R、R10及びR11は、それぞれ炭素数2〜20個のアルキレン及び炭素数6〜15個のアリーレン基のいずれかが好ましく、炭素数2〜10個のアルキレン及び炭素数6〜10個のアリーレン基のいずれかが更に好ましい。Rは一炭素数1〜20個のアルキレン及び炭素数6〜15個のアリーレン基のいずれかを表し、炭素数1〜10個のアルキレン及び炭素数6〜10個のアリーレン基のいずれかが更に好ましい。また、R、R、R、R10及びR11中には、イソシアネート基と反応しない他の官能基、例えば、エーテル基、カルボニル基、エステル基、シアノ基、オレフィン基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基、及びハロゲン原子などのいずれかがあってもよい。R12は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基及びハロゲン原子のいずれかを表す。水素原子、炭素数1〜10個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール、炭素数7〜15個のアラルキル、シアノ基及びハロゲン原子のいずれかが好ましく、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル及び炭素数6〜10個のアリール基のいずれかがより好ましい。また、R12中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えば、アルコキシ基、カルボニル基、オレフィン基、エステル基及びハロゲン原子などのいずれかがあってもよい。
13はアリール基及びシアノ基のいずれかを表し、炭素数6〜10個のアリール基及びシアノ基のいずれかが好ましい。mは2〜4の整数を示す。n、n、n、n及びnはそれぞれ2以上の整数を表し、2〜100の整数が好ましい。nは0又は2以上の整数を示し、0又は2〜100の整数が好ましい。
ただし、一般式(IV−1)〜(IV−16)中、R14は水素原子及びメチル基のいずれかを表し、R15は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R16は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。pは0又は1〜10の整数を表す。
また、本発明のエラストマーは、さらに第5成分として、カルボン酸基非含有の低分子量ジオールを共重合させてもよく、該低分子量ジオールとしては前記一般式(III−1)〜(III−5)で表され、質量平均分子量が500以下のものである。該カルボン酸基非含有低分子量ジオールは、アルカリ溶解性が低下しない限り、また、硬化膜の弾性率が十分低く保つことができる範囲で添加することができる。
また、上記第5成分を含めた低分子量ジオールの合計と高分子量ジオールの合計モル比(一般式(II−1)〜(II−3)の合計モル量/一般式(III−1)〜(III−5)の合計モル量)は1〜3が好ましく、2〜3がより好ましい。この比が、2未満では現像性が劣ることがあり、3を超えると硬化後のソルダーレジスト膜の動的弾性率が十分低くならないことがある。
前記エラストマーの酸価としては、10〜130mgKOH/gであるのが好ましく、20〜100mgKOH/gがより好ましく、30〜90mgKOH/gが特に好ましい。前記酸価が、10mgKOH/g未満では現像性が不十分となることがあり、130mgKOH/gを超えると現像速度が高すぎるため現像のコントロールが難しくなることがある。
また、前記エラストマーの臭素価としては、1〜30gBr/100gが好ましく、2〜25gBr/100gがより好ましく、3〜20gBr/100gが特に好ましい。前記臭素化が、1gBr/100g未満であると、硬化膜の耐熱性が劣ることがあり、30gBr/100gを超えると、現像性及び屈曲性が劣ることがある。
前記エラストマーの質量平均分子量としては、1,000〜200,000が好ましく、3,000〜150,000がより好ましく、5,000〜100,000が特に好ましい。前記質量平均分子量が1,000未満では、硬化膜の高温時の十分な低弾性率が得られないことがあり、200,000を超えると現像性が悪化することがある。
前記エラストマーとしては、特に、一般式(I)で示されるジイソシアネートと、一般式(II−1)〜(II−3)で示されるカルボン酸基含有ジオールから選ばれた少なくとも1種と、一般式(III−1)〜(III−5)で示される質量平均分子量が800〜3,000の範囲にある高分子ジオールから選ばれた少なくとも1種と、一般式(III−1)〜(III−5)で示される質量平均分子量が500以下のカルボン酸基非含有の低分子量ジオールの反応物であって、一般式(II−1)〜(II−3)の合計モル量/一般式(III−1)〜(III−5)の合計モル量の比が1〜3の値となるように反応して得られる、カルボン酸基含有ウレタン樹脂に、さらに一般式(IV−1)〜(IV−16)のいずれかで示される分子中に1ヶのエポキシ基と少なくとも1ヶの(メタ)アクリル基を有する化合物を反応して得られる、酸価が20〜130mgKOH/gで、臭素価が1〜30gBr/100gであるアルカリ可溶性光架橋性ポリウレタンエラストマーが好適である。
これらの高分子化合物は、後述の感光性ソルダーレジスト組成物などに、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。感光性ソルダーレジスト組成物などの全固形分中に含まれる、前記エラストマーの含有量としては、2〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。前記含有量が、2質量%未満では硬化膜の高温時の十分な低弾性率が得られないことがあり、30質量%を超えると現像性劣化や硬化膜の強靱性低下が起きることがある。
<エラストマーの合成法>
本発明のアルカリ可溶性光架橋性ポリウレタン樹脂エラストマーの合成方法としては、上記ジイソシアネート化合物およびジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒を添加し、加熱することにより合成される。使用するジイソシアネートおよびジオール化合物のモル比は好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最絡的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
<ジイソシアネート>
前記一般式(I)で示されるジイソシアネート化合物としては、具体的には、以下に示すものが挙げられる。即ち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルヒフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート化合物:ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の如き脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等の如きジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物、などが挙げられる。
<高分子量ジオール>
前記一般式(III−1)〜(III−5)で示される高分子量ジオール化合物としては、具体的には、以下の(No.1)〜(No.25)の化学式に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記上記の具体例中m、nはそれぞれ同じでも異なってもよく、2以上の整数を表す。
<カルボン酸基含有ジオール>
また、前記一般式(II−1)〜(II−3)で表されるカルボキシル基を有するジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。即ち、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキジフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキジフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド、などが挙げられる。
<カルボン酸基非含有低分子量ジオール>
カルボン酸基非含有低分子量ジオールの代表例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,2’−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンダメチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、キシリレングリコール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、トリジクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなどの単独あるいは混合物が挙げられる。これらの中でも、1,4−ブタンジオールが特に好ましく挙げられる。
前記カルボン酸基非含有ジオールの共重合量としては、低分子量ジオール中の95モル%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、50%以下が特に好ましい。前記共重合量が、95モル%を超えると現像性のよいウレタン樹脂が得られないことがある。
本発明のエラストマーは、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を提供可能で、感光性ソルダーレジスト、プリント基板用層間絶縁膜、カラーフィルター用カラーレジスト、感光性平版印刷板、各種保護膜、平坦化膜、エッチング用及びメッキ用フォトレジスト、感光性ペースト、ホログラム、マイクロレンズ、UV硬化性インキ、UV硬化性塗料などへの使用にも好適である。
(感光性ソルダーレジスト組成物)
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物は、前記本発明のエラストマーと、重合性化合物と、光重合開始剤と、熱架橋剤と、着色剤と、熱硬化促進剤とを含有し、必要に応じて無機充填剤など、適宜選択したその他の成分を含有する感光性ソルダーレジスト組成物である。
前記熱架橋剤としては、エポキシ樹脂及び多官能オキセタン化合物のいずれか1種であることが好ましい。
また、熱硬化促進剤としては、エポキシ熱硬化促進剤、又はオキセタン熱硬化促進剤であるのが好ましい。
また、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物の好ましい組成としては、全固形分中に、1)前記本発明のエラストマー15〜70質量%と、2)重合性化合物5〜75質量%と、3)光重合開始剤0.5〜20質量%と、4)エポキシ樹脂及び/又は多官能オキセタン化合物2〜50質量%と、5)無機充填剤5〜75質量%と、6)着色剤0.1〜10質量%と、7)エポキシ又はオキセタン熱硬化促進剤0.01〜20質量%と、更に、8)全固形分濃度が10〜90質量%になるように有機溶剤と、を含むものを挙げることができる。
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物によれば、アルカリ水溶液現像性に優れ、配線導体層や絶縁層と密着性の良好で、信頼性の優れたソルダーレジストを得ることができる。
<アルカリ可溶性光架橋性樹脂>
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物には、本発明のエラストマーとともに、従来公知の他の更に、アルカリ可溶性光架橋性樹脂を混合して使用することができる。
前記アルカリ可溶性光架橋性樹脂とは、分子中にアルカリ可溶基と光重合に関与する架橋性基を含有する1%炭酸ソーダ水溶液(pH=10)に可溶性の樹脂である。
本発明のアルカリ可溶性光架橋性樹脂と混合して使用することができる。
前記従来のアルカリ可溶性光架橋性樹脂としては、(A)ビニルポリマー型と、(B)エポキシ樹脂エステル型に大別され、(A)はさらにタイプ(A−1)〜(A−3)に分類できる。
(A)ビニルポリマー型光架橋性樹脂
本発明に使用される(A)ビニルポリマー型光架橋性樹脂は、下記タイプ(A−1)〜(A−3)の群から選ばれる。
タイプ(A−1):(a)カルボキシル基含有共重合樹脂と、(b)エポキシ基含有不飽和化合物との反応により製造される。
タイプ(A−2):(c)エポキシ基含有共重合樹脂と、(d)カルボキシル基含有不飽和化合物を付加反応し更に得られる生成物のヒドロキシル基への(e)多塩基酸無水物の付加反応により製造される。
タイプ(A−3):(f)酸無水物基含有共重合樹脂と、(g)分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の付加反応により製造される。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタアクリレート及びそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
<タイプ(A−1)>
−(a)カルボキシル基含有共重合樹脂−
前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の製造に用いられる、(a)カルボキシル基含有共重合樹脂は、1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物と(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン類の少なくともいずれかとを共重合させて得られる。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂を構成単位となる1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物とは、(メタ)アクリル酸、更にはマレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基を分子中に2個以上含むものが挙げられる。また、マレイン酸、イタコン酸のモノエステル、又はモノアミドも含まれる。また、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物が挙げられる。これら半エステル化合物は、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物とを等モル比で反応させることで得られる。
前記半エステル化合物の合成に用いられるヒドロキシル基含有アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンダエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジベンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
前記半エステル化合物の合成に用いられる飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルナドラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、などが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましく挙げられる。
これら1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂の構成単位となる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂の構成単位となるスチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t−Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂は、これら1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基、又は酸無水物基を有する化合物及び(メタ)アクリル酸エステルモノマー及びスチレン類の少なくともいずれかとの通常の共重合法、例えば、溶液重合法により共重合して得られる。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂に包含される、マレイン酸モノエステル/スチレン類共重合体、マレイン酸モノアミド/スチレン類共重合体、イタコン酸モノエステル/スチレン類共重合体やイタコン酸モノアミド/スチレン類共重合体の場合は、それぞれ無水マレイン酸/スチレン類共重合体や無水イタコン酸/スチレン類共重合体のアルコール類又は一級又は二級アミン類との高分子反応により得ることができる。
前記マレイン酸無水物との高分子反応に使用する前記アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノールなどを好適に挙げることができる。
また、前記一級アミン類としては、例えば、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、4−フェニル−1−ブチルアミン、5−フェニル−1−ペンチルアミン、6−フェニル−1−ヘキシルアミン、α−メチルベンジルアミン、2−メチルベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、2−(p−トリル)エチルアミン、β―メチルフェネチルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、2−クロロベンジルアミン、3−クロロベンジルアミン、4−クロロベンジルアミン、2−フロロベンジルアミン、3−フロロベンジルアミン、4−フロロベンジルアミン、4−ブロモフェネチルアミン、2−(2−クロロフェニル)エチルアミン、2−(3−クロロフェニル)エチルアミン、2−(4−クロロフェニル)エチルアミン、2−(2−フロロフェニル)エチルアミン、2−(3−フロロフェニル)エチルアミン、2−(4−フロロフェニル)エチルアミン、4−フロロ−α,α−ジメチルフェネチルアミン、2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、2−エトキシベンジルアミン、2−メトキシフェネチルアミン、3−メトキシフェネチルアミン、4−メトキシフェネチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、フェニルアミン、1−ナフチルアミン、メトキシメチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−ブトキシエチルアミン、2−シクロへキシルオキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミンなどが好適に挙げられる。
更に、前記二級アミン類としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、ジエチルアミン、エチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N,N−メチルベンジルアミンなどを好適に挙げることができる。
−(b)エポキシ基含有不飽和化合物−
前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂製造に用いられる、(b)エポキシ基含有不飽和化合物としては、1分子中に1個のラジカル重合性の不飽和基とエポキシ基とを有する化合物であればよく、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
<タイプ(A−2)>
−(c)エポキシ基含有共重合樹脂−
前記タイプ(A−2)の光架橋性樹脂の製造に用いられる、(c)エポキシ基含有共重合樹脂は、エポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリルエステル及びスチレン類の少なくともいずれかとの共重合により得られる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明において既述の化合物が好適に用いられる。
前記エポキシ基と非反応性の(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン類の少なくともいずれかは、前記タイプA−1のビニルポリマー型光架橋性樹脂において既述のもののうち、カルボキシル基、アルコール性ヒドロキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、アミノ基などを含まないものが好適に用いられる。
製造方法としては、エポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン類を常法、例えば、溶液重合法等により共重合して得られる。
ここでエポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリルエステル及びスチレン類の少なくともいずれかとのモル比は、60:40〜20:80が好適である。なお、エポキシ基含有モノマーの配合量が少な過ぎてこのモル比が20:80より大きいと、次の不飽和カルボン酸、更に多塩基酸無水物の前記共重合体への付加量が少なくなる結果、紫外線硬化性及び希アルカリ水溶液による現像性が悪くなり、また逆にエポキシ基含有モノマーの配合量が多過ぎて前記モル比が60:40より小さいと、軟化点が低くなり過ぎる傾向がある。
−(d)カルボキシル基含有不飽和化合物−
前記(d)カルボキシル基含有不飽和化合物は、タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明中で1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物として既述の各化合物が好適に使用できる。
−(e)多塩基酸無水物−
また、(e)多塩基酸無水物としては、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、3−エチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−エチルヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、3−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、4−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、3−エチルテトラヒドロフタル酸無水物、4−エチルテトラヒドロフタル酸無水物、フタル酸無水物などの、分子中に1ヶの酸無水物基を有する飽和又は不飽和の脂肪族、脂環族または芳香族化合物が好適に用いられる。これらの中でも、テトラヒドロフタル酸無水物が特に好適に用いられる。
前記エポキシ基含有共重合体とカルボキシル基含有不飽和化合物と引き続く多塩基酸無水物との反応は次のように実施するのが好ましい。前記エポキシ基含有モノマーの共重合体に対し、この共重合体の1エポキシ基当量当り0.8〜1.2モルの不飽和カルボン酸を付加反応した後、更に得られる生成物のヒドロキシル基に多塩基酸無水物を付加反応する。
<タイプ(A−3)>
−(f)酸無水物基含有樹脂−
前記タイプ(A−3)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の製造に用いられる、(f)酸無水物基含有樹脂は、マレイン酸無水物とスチレン類の共重合又はイタコン酸無水物とスチレン類の共重合により得られる。
共重合成分であるスチレン類はタイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明中で既述のものが好適に用いられる。マレイン酸無水物又はイタコン酸無水物とスチレン類の共重合組成比としては、90:10〜10:90が好ましく、80:20〜20:80が更に好ましく、70:30〜30:70が特に好ましい。前記組成比が、90:10以上では、硬化部の耐現像性が劣ることがあり、10:90以下では現像性が劣ることがある。
前記無水マレイン酸1モルに対してスチレンを1モルから3モルの割合で共重合させて得られる質量平均分子量が、1,000から5,000程度の共重合体が特に好ましく、例えば、ARCO Chemical社製SMAレンジ1000、2000、3000などが挙げられる。
−(g)分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物−
前記(g)分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ペンダエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、グリセロールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記酸無水物共重合体と、分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの開環付加反応は、活性水素を含まない有機溶剤中で行うという公知の方法で製造できる。前記有機溶剤としては、酢酸エチル、メトキシプロピルアセテート、メチルエチルケトン、などが好ましく挙げられる。その際の前記モノマー中ヒドロキシル基/前記共重合体中酸無水物基のモル比としては、0.8〜1.2が好ましい。
上記開環付加反応は通常50℃から200℃で行なうが、ジエステルの生成及びゲル化を防止する観点から、80℃から150℃程度で行うのが好ましい。なお、反応促進剤として、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モリホリン、ペンダメチルジエチレントリアミンなどの第三級アミン類または第四級アンモニウム塩などを使用することができる。一方、反応中に重合物が生成するのを防止する観点から、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルヒドロキノン、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、フェノチアジンなどの公知の重合禁止剤を添加使用することもできる。
以上のようにして得られたタイプ(A−1)、(A−2)及び(A−3)の少なくともいずれかからなるビニルポリマー型光架橋性樹脂は、その酸価が、50〜250mgKOH/gの範囲にあることが必要である。
前記酸価としては、70〜200mgKOH/gがより好ましく、90〜180mgKOH/gが特に好ましい。前記酸価が50mgKOH/g未満であると、弱アルカリ水溶液である現像液での未露光部の除去が難しくなることがあり、一方、250mgKOH/gを超えると、硬化被膜の耐水性、電気特性が劣るなどの問題を生じることがある。
また、(A)ビニルポリマー型光架橋性樹脂の質量平均分子量としては、5,000〜200,000の範囲にあるものが好ましい。また、質量平均分子量は10,000〜100,000がより好ましく、30,000〜80,000が特に好ましい。前記質量平均分子量が、5,000未満であると指触乾燥性が著しく劣り、支持体との剥離性が劣ることがある。一方、質量平均分子量が、200,000を超えるとアルカリ現像液による未露光部の除去性、貯蔵安定性が著しく悪くなるなどの問題を生じることがある。
(B)エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂
本発明の(B)エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(h)エポキシ樹脂と(i)1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物とのエステル化反応生成物に、更に(j)多塩基酸無水物を反応することにより生成する。
−(h)エポキシ樹脂−
前記(h)エポキシ樹脂としては、東都化成(株)製YDCN−701,YDCN−704;大日本インキ化学工業(株)製N−665,N−680,N−695;日本化薬(株)製EOCN−102,EOCN−104;旭化成工業(株)製ECN−265,ECN−293,ECN−285,ECN−299などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂や、東都化成(株)製YDPN−638,YDPN−602;ダウ・ケミカル日本(株)製 DEN−431,DEN−438,DEN−439;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 EPN−1138,EPN−1235,EPN−1299;大日本インキ化学工業(株)製 N−730,N−770などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。また、ノボラック型エポキシ樹脂の一部を、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、メチルエピクロルヒドリンとフェノール化合物との付加反応物も有利に使用できる。
−(i)1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物−
次に、前記(i)1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物としては、前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明中で既述の各化合物が好適に使用できる。
−(j)多塩基酸無水物−
前記(j)多塩基酸無水物としては、同様に前記タイプ(A−2)のビニルポリマー型光架橋性樹脂の説明中で、成分(e)として既述の化合物を使用することができる。
<(B)エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の製造方法>
前記(B)エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、製造の際の(h)エポキシ樹脂と、(i)1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物との反応において、(h)エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、(i)1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物が、0.8〜1.05当量となる比率で反応させることが好ましく、0.9〜1.0当量がより好ましい。
前記(h)エポキシ樹脂と(i)1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物は有機溶剤に溶かして反応させられる。前記有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤、などが挙げられる。
更に、反応を促進させるために触媒を用いるのが好ましい。用いられる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライト、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライト、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルメチルアンモニウムアイオタイド、トリフェニルホスフィン、などが挙げられる。前記触媒の使用量としては、(h)エポキシ樹脂と(j)ビニル基含有モノカルボン酸の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
また、反応中の重合を防止する日的で、重合防止剤を使用するのが好ましい。前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール、などが挙げられ、その使用量としては、(h)エポキシ樹脂と(j)ビニル基含有モノカルボン酸の合計100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましい。反応温度としては、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
前記の(B)エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂は、こうして得られた反応生成物に(j)多塩基酸無水物を反応させて得られる。前記反応生成物と(j)多塩基酸無水物との反応温度としては、60〜120℃が好ましい。
前記反応生成物中のヒドロキシル基1当量に対して、(j)多塩基酸無水物を0.1〜1.0当量反応させることで、前記(B)エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の酸価を調整できる。(B)エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の酸価としては、30〜150mgKOH/gであることが好ましく、50〜120mgKOH/gであることがより好ましい。前記酸価が、30mgKOH/g未満では感光性ソルダーレジスト組成物の希アルカリ溶液への溶解性が低下することがあり、150mgKOH/gを超えると硬化膜の電気特性が低下することがある。
前記(B)エポキシ樹脂エステル型光架橋性樹脂の質量平均分子量としては、500〜5,000が好ましく、1,000〜4,000がより好ましく、1,500〜3,500が特に好ましい。前記質量平均分子量が、500未満であると粘着性が高すぎ保護フィルムの剥離が困難になることがあり、5,000を超えると該樹脂の製造が困難となることがある。
前記アルカリ可溶性光架橋性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光性ソルダーレジスト組成物の全固形分中における、前記アルカリ可溶性光架橋性樹脂の好ましい固形分含有量としては、15〜70質量%が好ましく、15質量%未満では、硬化膜の強靱性が劣ることがあり、70質量%を超えると信頼性の低下など、性能バランスが劣化することがある。
特に、前記タイプ(A−1)〜(A−3)からの1種とタイプBからの1種の混合物は、バランスのとれた性能を付与することができるので好ましい。その場合の混合比としては、質量比(A/B)で10/90〜90/10が好ましく、20/80〜80/20がより好ましく、30/70〜70/30が特に好ましい。
<重合性化合物>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記(メタ)アクリル基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリン、ビスフェノールなどの多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報などの各公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報などの各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類などの多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記重合性化合物の前記感光性ソルダーレジスト組成物固形分中の固形分含有量は、5〜75質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。該固形分含有量が5質量%未満であると、現像性の悪化、露光感度の低下などの問題を生ずることがあり、75質量%を超えると、感光層の粘着性が強くなりすぎることがあり、好ましくない。
<光重合開始剤>
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するものなど)、ホスフィンオキサイド、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテルなどが挙げられる。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物としては、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記英国特許1388492号明細書記載の化合物としては、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記独国特許3337024号明細書記載の化合物としては、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物としては、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭62−58241号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−281728号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−34920号公報記載化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなど)などが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニル)ヘプタンなど)、N−フェニルグリシンなど、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトンなど)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物など)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル、ペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBIIなど)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレットなど)、アシルホスフィンオキサイド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
また、後述する感光層への露光における露光感度や感光波長を調整する目的で、前記光重合開始剤に加えて、増感剤を添加することが可能である。
前記増感剤は、後述する光照射手段としての可視光線や紫外光レーザ、可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤など)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動など)することにより、ラジカルや酸などの有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができ、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなど)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリンなどが挙げられ、他に特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などの各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられる。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記増感剤の含有量としては、前記感光性ソルダーレジスト組成物中の全成分に対し、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。該含有量が、0.05質量%未満であると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、保存時に前記感光層から前記増感剤が析出することがある。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の特に好ましい例としては、後述する露光において、波長が405nmのレーザ光に対応可能である、前記ホスフィンオキサイド類、前記α−アミノアルキルケトン類、前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物と後述する増感剤としてのアミン化合物とを組合せた複合光開始剤、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、あるいは、チタノセンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の前記感光性ソルダーレジスト組成物における含有量としては、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。
<エポキシ樹脂、多官能オキセタン化合物>
前記エポキシ樹脂及び多官能オキセタン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性ソルダーレジスト組成物を用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等などに悪影響を与えない範囲で、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ樹脂化合物、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000;ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業社製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業社製」等)、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業社製」等)、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
前記エポキシ樹脂又は多官能オキセタン化合物の前記感光性ソルダーレジスト組成物全固形分中の固形分含有量は、2〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。該固形分含有量が2質量%未満であると、硬化膜の吸湿性が高くなり、絶縁性の劣化を生ずる、あるいは、半田耐熱性や耐無電解メッキ性等などが低下することがあり、50質量%を超えると、現像性の悪化や露光感度の低下が生ずることがあり、好ましくない。
<その他の熱架橋剤>
前記その他の熱架橋剤は、前記エポキシ樹脂や多官能オキセタン化合物とは別に添加することができる。前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−9407号公報記載のポリイソシアネート化合物を用いることができ、該ポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を含む脂肪族、環式脂肪族又は芳香族基置換脂肪族化合物から誘導されていてもよい。
具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネートと1,4−フェニレンジイソシアネートとの混合物、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−及び1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−フェニル)メタン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の2官能イソシアネート;該2官能イソシアネートと、トリメチロールプロパン、ペンタリスルトール、グリセリン等との多官能アルコール;該多官能アルコールのアルキレンオキサイド付加体と、前記2官能イソシアネートとの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネート及びその誘導体等の環式三量体などが挙げられる。
更に、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物、あるいは、本発明の感光性ソルダーレジストフィルムの保存性を向上させることを目的として、前記ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物を用いてもよい。
前記イソシアネート基ブロック剤としては、イソプロパノール、tert.−ブタノール等のアルコール類;ε−カプロラクタム等のラクタム類;フェノール、クレゾール、p−tert.−ブチルフェノール、p−sec.−ブチルフェノール、p−sec.−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等のフェノール類;3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等の複素環式ヒドロキシル化合物;ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等の活性メチレン化合物;などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
また、アルデヒド縮合生成物、樹脂前駆体などを用いることができる。具体的には、N,N’−ジメチロール尿素、N,N’−ジメチロールマロンアミド、N,N’−ジメチロールスクシンイミド、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、1,3−N,N’−ジメチロールテレフタルアミド、2,4,6−トリメチロールフェノール、2,6−ジメチロール−4−メチロアニソール、1,3−ジメチロール−4,6−ジイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。なお、これらのメチロール化合物の代わりに、対応するエチルもしくはブチルエーテル、又は酢酸あるいはプロピオン酸のエステルを使用してもよい。また、メラミンと尿素とのホルムアルデヒド縮合生成物とからなるヘキサメトキシメチロールメラミンや、メラミンとホルムアルデヒド縮合生成物のブチルエーテルなどを使用してもよい。
これらの架橋剤は前記エポキシ樹脂及び/又は多官能オキセタン化合物との合計が、前記の硬化剤の好ましい添加量範囲を超えない範囲で添加することができる。
<エポキシ又はオキセタン熱硬化促進剤>
また、前記エポキシ樹脂化合物や前記多官能オキセタン化合物の熱硬化を促進するため、エポキシ又はオキセタン熱硬化促進剤を添加することが好ましい。エポキシ又はオキセタン熱硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩化合物;ジメチルアミン等のブロックイソシアネート化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩;トリフェニルホスフィン等のリン化合物;メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン化合物;2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機ヒドラジド累、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族酸無水物類、ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類等などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記エポキシ樹脂化合物や前記多官能オキセタン化合物の硬化触媒、あるいは、これらとカルボキシル基の反応を促進することができるものであれば、特に制限はなく、上記以外の熱硬化を促進可能な化合物を用いてもよい。
前記エポキシ樹脂及び/又は前記多官能オキセタン化合物とカルボン酸との熱硬化反応を促進可能な化合物の、前記感光性ソルダーレジスト組成物全固形分中の固形分含有量は、通常0.01〜20質量%である。0.01質量%以下では硬化促進能が不足し、20質量%を超えると感光性ソルダーレジスト組成物の保存安定性が劣化する。
<無機充填剤>
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物には、必要に応じて、永久パターンの表面硬度の向上、あるいは線膨張係数を低く抑えること、あるいは、硬化膜自体の誘電率や誘電正接を低く抑えることを目的として、無機充填剤を添加することができる。
前記無機充填剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。
前記無機充填剤の平均粒径は、3μm未満が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。該平均粒径が3μm以上であると、光散乱により解像度が劣化することがある。
前記無機充填剤の添加量は、5〜75質量%が好ましく、8〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%が特に好ましい。該添加量が5質量%未満であると、十分に線膨張係数を低下させることができないことがあり、75質量%を超えると、感光層表面に硬化膜を形成した場合に、該硬化膜の膜質が脆くなり、永久パターンを用いて配線を形成する場合において、配線の保護膜としての機能が損なわれることがある。
更に必要に応じて有機微粒子を添加することも可能である。好適な有機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などが挙げられる。また、平均粒径0.1〜2μm、吸油量100〜200m/g程度のシリカ、架橋樹脂からなる球状多孔質微粒子などを用いることができる。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、必要に応じて、着色顔料や、必要に応じて、公知の染料の中から、適宜選択した染料を使用することができる。
前記着色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色顔料の前記感光性ソルダーレジスト組成物全固形分中の固形分含有量は、永久パターン形成の際の感光層の露光感度、解像性などを考慮して決めることができ、前記着色顔料の種類により異なるが、一般的には0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満では着色度が十分でないことがあり、10質量%を超えると感光性を低下するとともに、硬化膜の欠陥検査性が劣ることがある。
<密着促進剤>
密着促進剤としてはメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン−フェノールホルマリン樹脂、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン化合物が挙げられる。市販されているトリアジン化合物としては、下記構造式(E)〜(G)に示す四国化成工業社製;2MZ−AZINE(構造式(E)),2E4MZ−AZINE(構造式(F)),CllZ−AZINE(構造式(G))などが挙げられる。
これらの化合物は、銅配線との密着性を高め、PCT耐性を向上させ、電食耐性にも効果がある。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。密着促進剤の配合量としては、感光性ソルダーレジスト組成物の全固形分に対して、0.1〜40質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。前記配合量が、0.1質量%未満では密着促進機能が発現しないことがあり、40質量%を超えると現像性に悪影響を及ぼすことがある。
<熱重合禁止剤>
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物の保存安定性を向上させる目的で、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の公知の重合禁止剤を添加することができる。
<その他の添加剤>
前記その他の添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベントン、モンモリロナイト、エアロゾル、アミドワックス等のチキソ性付与剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤、レベリング剤のような添加剤類を用いることができる。
(感光性ソルダーレジストフィルム)
本発明の感光性ソルダーレジスト組成物は、導体配線の形成された基板上に塗布乾燥することにより液状レジストとしても使用可能であるが、感光性ソルダーレジストフィルムの製造に特に有用である。
前記感光性ソルダーレジストフィルムは、図1に示すように、少なくとも支持体1と、感光層2とを有してなり、好ましくは保護フィルム3を有してなり、更に必要に応じて、クッション層、酸素遮断層(以下PC層と省略する。)などのその他の層を有してなる。
前記感光性トフィルムの形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に、前記感光層、前記保護膜フィルムをこの順に有してなる形態、前記支持体上に、前記PC層、前記感光性層、前記保護フィルムをこの順に有してなる形態、前記支持体上に、前記クッション層、前記PC層、前記感光層、前記保護フィルムをこの順に有してなる形態などが挙げられる。なお、前記感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
−支持体−
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるのが好ましく、更に表面の平滑性が良好であるのがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4〜300μmが好ましく、5〜175μmがより好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの長さのものが挙げられる。
〔感光層〕
前記層は、本発明の前記感光性ソルダーレジスト組成物により形成される。
前記感光層の前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記支持体上に積層される。
前記感光層は、後述する露光工程において、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光で、露光されるのが好ましい。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3〜100μmが好ましく、5〜70μmがより好ましい。
前記感光層の形成方法としては、前記支持体の上に、本発明の前記感光性ソルダーレジスト組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性ソルダーレジスト組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性ソルダーレジスト組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。特に好ましい溶剤としては、メチルエチルケトンやメトキシプロピルアセテートおよびこれらの混合溶剤を挙げることができる。
塗布液の固形分濃度としては10〜90質量%が好ましく、20μm〜50μm厚の感光性ソルダーレジストフィルムのための感光層を製造するのには15〜50質量%がより好ましい。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて、前記支持体に直接塗布する方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合などによっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
〔保護フィルム〕
前記保護フィルムは、前記感光層の汚れや損傷を防止し、保護する機能を有する。
前記保護フィルムの前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記感光層上に設けられる。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、シリコーン紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオルエチレンシート、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜30μmがより好ましい。
前記保護フィルムを用いる場合、前記感光層及び前記支持体の接着力Aと、前記感光層及び保護フィルムの接着力Bとが、接着力A>接着力Bの関係であることが好ましい。
前記保護フィルムを用いる場合、前記感光層及び前記支持体の接着力Aと、前記感光層及び保護フィルムの接着力Bとが、接着力A>接着力Bの関係であることが好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、上述のような接着力の関係を満たすことができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。前記長尺状の感光性ソルダーレジストフィルムの長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
前記保護フィルムは、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコールなどのポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。
また、前記感光層、前記支持体、前記保護フィルムの他に、クッション層、酸素遮断層(PC層)、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。
前記クッション層は、常温ではタック性が無く、真空及び加熱条件で積層した場合に溶融し、流動する層である。
前記PC層は、通常ポリビニルアルコールを主成分として形成された1.5μm程度の被膜である。
本発明の感光性フィルムは、表面のタック性が小さく、ラミネート性及び取扱い性が良好で、保存安定性に優れ、現像後に優れた耐薬品性、表面硬度、耐熱性等を発揮する感光性ソルダーレジスト組成物が積層された感光層を有してなる。このため、プリント配線板、カラーフィルタや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの永久パターン形成用として広く用いることができ、本発明の永久パターン及びその形成方法に好適に用いることができる。
特に、本発明の感光性フィルムは、該フィルムの厚みが均一であるため、永久パターンの形成に際し、基材への積層がより精細に行われる。
(永久パターン及び永久パターン形成方法)
本発明の永久パターンは、本発明の永久パターン形成方法により得られる。
前記永久パターンとしては、保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかであるのが好ましい。
前記永久パターンがソルダーレジストパターンの場合は、220℃における動的弾性率が、20〜100MPaであるのが好ましく、25〜80MPaがより好ましく、30〜50MPaが特に好ましい。該動的弾性率が、20MPa未満であると耐熱性が劣ることがあり、100MPa超であると、耐熱衝撃性に劣り、硬化膜にクラックを生じることがある。
本発明の永久パターン形成方法は、第1の態様として、本発明の感光性ソルダーレジスト組成物を、基材の表面に塗布し、乾燥して感光層を形成した後、露光し、現像する。
また、本発明の永久パターン形成方法は、第2の態様として、本発明の感光性ソルダーレジストフィルムを、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に積層した後、露光し、現像する。
以下、本発明の永久パターン形成方法の説明を通じて、本発明の永久パターンの詳細も明らかにする。
〔基材〕
前記基材としては、特に制限はなく、公知の材料の中から表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を有するものまで適宜選択することができ、板状の基材(基板)が好ましく、具体的には、公知のプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)、ガラス板(例えば、ソーダガラス板等)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられるが、これらの中でも、プリント配線板形成用基板が好ましく、多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの半導体等の高密度実装化が可能となる点で、該プリント配線板形成用基板が配線形成済みであるのが特に好ましい。
前記基材は、前記第1の態様として、該基材上に前記感光性ソルダーレジスト組成物による感光層が形成されてなる積層体、又は前記第2の態様として、前記感光性ソルダーレジストフィルムにおける感光層が重なるようにして積層されてなる積層体を形成して用いることができる。即ち、前記積層体における前記感光層に対して後述する露光することにより、露光した領域を硬化させ、後述する現像により永久パターンを形成することができる。
<積層体>
前記第1の態様の積層体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基材上に、前記感光性ソルダーレジスト組成物を塗布及び乾燥して形成した感光層を積層するのが好ましい。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光性ソルダーレジストフィルムにおける感光層を形成する際に行われる、前記感光性ソルダーレジスト組成物溶液の塗布及び乾燥と同様な方法で行うことができ、例えば、該感光性ソルダーレジスト組成物溶液をスピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて塗布する方法が挙げられる。
前記第2の態様の積層体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基材上に前記感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層するのが好ましい。なお、前記感光性フィルムが前記保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基材に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜130℃が好ましく、80〜110℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.01〜1.0MPaが好ましく、0.05〜1.0MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートプレス、ヒートロールラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)、真空ラミネータ(例えば、名機製作所製、MVLP500)などが好適な装置として挙げられる。
〔露光工程〕
前記露光工程は、前記感光層に対し、パターン露光を行う工程である。
前記露光の対象としては、感光層を有する材料である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、基材上に前記感光性ソルダーレジスト組成物又は前記感光性ソルダーレジストフィルムが形成されてなる前記積層体に対して行われることが好ましい。
前記積層体への露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体、クッション層及びPC層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体を剥離した後、前記クッション層及びPC層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体及びクッション層を剥離した後、前記PC層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体、クッション層及びPC層を剥離した後、前記感光層を露光してもよい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行うのが好ましい。
前記デジタル露光の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光を照射する光照射手段、形成するパターン情報に基づいて該光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段などが挙げられる。
<光変調手段>
前記光変調手段としては、光を変調することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n個の描素部を有するのが好ましい。
前記n個の描素部を有する光変調手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有するのが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD50は図2に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、各々描素(ピクセル)を構成する多数(例えば、1024個×768個)の微小ミラー(マイクロミラー)62が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各ピクセルにおいて、最上部には支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウムなどの反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向とも一例として13.7μmである。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±12度)の範囲で傾けられる。図3(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図3(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。したがって、パターン情報に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図2に示すように制御することによって、DMD50に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお、図2には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続されたコントローラ302(図13参照)によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー62で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図4(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図4(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、756組)配列されているが、図4(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD50を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
次に、前記光変調手段における変調速度を速くさせる方法(以下「高速変調」と称する)について説明する。
前記光変調手段は、前記n個の描素の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能であるのが好ましい。前記光変調手段のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、連続的に配列された任意のn個未満の描素部だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。
以下、前記高速変調について図面を参照しながら更に説明する。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58により感光層150上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、感光層150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光層150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光層150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
なお本例では、図5(A)及び(B)に示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が副走査方向に768組配列されているが、本例では、前記コントローラ302(図13参照)により一部のマイクロミラー列(例えば、1024個×256列)だけが駆動するように制御がなされる。
この場合、図5(A)に示すようにDMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図5(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の描素を全部使用する必要はない。
スキャナ162による感光層150の副走査が終了し、センサ164で感光層150の後端が検出されると、ステージ152は、ステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
例えば、768組のマイクロミラー列の内、384組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、768組のマイクロミラー列の内、256組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。
以上説明した通り、本発明のパターン形成方法によれば、主走査方向にマイクロミラーが1,024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列されたDMDを備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御することにより、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。
また、DMDのマイクロミラーを部分的に駆動する例について説明したが、所定方向に対応する方向の長さが前記所定方向と交差する方向の長さより長い基板上に、各々制御信号に応じて反射面の角度が変更可能な多数のマイクロミラーが2次元状に配列された細長いDMDを用いても、反射面の角度を制御するマイクロミラーの個数が少なくなるので、同様に変調速度を速くすることができる。
また、前記露光の方法として、露光光と前記感光層とを相対的に移動しながら行うのが好ましく、この場合、前記高速変調と併用するのが好ましい。これにより、短時間で高速の露光を行うことができる。
その他、図6に示すように、スキャナ162によるX方向への1回の走査で感光層150の全面を露光してもよく、図7(A)及び(B)に示すように、スキャナ162により感光層150をX方向へ走査した後、スキャナ162をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査で感光層150の全面を露光するようにしてもよい。なお、この例では、スキャナ162は18個の露光ヘッド166を備えている。なお、露光ヘッドは、前記光照射手段と前記光変調手段とを少なくとも有する。
前記露光は、前記感光層の一部の領域に対してされることにより該一部の領域が硬化され、後述の現像工程において、前記硬化させた一部の領域以外の未硬化領域が除去され、永久パターンが形成される。
次に、前記光変調手段を含むパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記光変調手段を含むパターン形成装置は、図8に示すように、感光層150を有する前記積層体を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。
4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向
に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、前記パターン形成装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置を有している。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には感光層150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164は、ゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ162は、図9及び図10(B)に示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、感光層150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。したがって、ステージ152の移動に伴い、感光層150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図10(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本例では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図11及び図12に示すように、入射された光ビームをパターン情報に応じて前記光変調手段(各描素毎に変調する空間光変調素子)として、米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。DMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた前記コントローラ302(図13参照)に接続されている。このコントローラ302のデータ処理部では、入力されたパターン情報に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、パターン情報処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御に付いては後述する。
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。なお、図11では、レンズ系67を概略的に示してある。
レンズ系67は、図12に詳しく示すように、ファイバアレイ光源66から出射した照明光としてのレーザ光Bを集光する集光レンズ71、集光レンズ71を通過した光の光路に挿入されたロッド状オプティカルインテグレータ(以下、ロッドインテグレータという)72、及びロッドインテグレータ72の前方つまりミラー69側に配置された結像レンズ74から構成されている。集光レンズ71、ロッドインテグレータ72及び結像レンズ74は、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光を、平行光に近くかつビーム断面内強度が均一化された光束としてDMD50に入射させる。このロッドインテグレータ72の形状や作用については、後に詳しく説明する。
レンズ系67から出射したレーザ光Bはミラー69で反射し、TIR(全反射)プリズム70を介してDMD50に照射される。なお、図11では、このTIRプリズム70は省略してある。
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザ光Bを、感光層150上に結像する結像光学系51が配置されている。この結像光学系51は、図11では概略的に示してあるが、図12に詳細を示すように、レンズ系52,54からなる第1結像光学系と、レンズ系57,58からなる第2結像光学系と、これらの結像光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とから構成されている。
マイクロレンズアレイ55は、DMD50の各描素に対応する多数のマイクロレンズ55aが2次元状に配列されてなるものである。本例では、後述するようにDMD50の1024個×768列のマイクロミラーのうち1024個×256列だけが駆動されるので、それに対応させてマイクロレンズ55aは1024個×256列配置されている。またマイクロレンズ55aの配置ピッチは縦方向、横方向とも41μmである。このマイクロレンズ55aは、一例として焦点距離が0.19mm、NA(開口数)が0.11で、光学ガラスBK7から形成されている。なおマイクロレンズ55aの形状については、後に詳しく説明する。
そして、各マイクロレンズ55aの位置におけるレーザ光Bのビーム径は、41μmである。
また、アパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ(開口)59aが形成されてなるものである。アパーチャ59aの径は、例えば、10μmである。
前記第1結像光学系は、DMD50による像を3倍に拡大してマイクロレンズアレイ55上に結像する。そして、前記第2結像光学系は、マイクロレンズアレイ55を経た像を1.6倍に拡大して感光層150上に結像、投影する。したがって全体では、DMD50による像が4.8倍に拡大して感光層150上に結像、投影されることになる。
なお、前記第2結像光学系と感光層150との間にプリズムペア73が配設され、このプリズムペア73を図12中で上下方向に移動させることにより、感光層150上における像のピントを調節可能となっている。なお同図中において、感光層150は矢印F方向に副走査送りされる。
前記描素部としては、前記光照射手段からの光を受光し出射することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の永久パターン形成方法により形成される永久パターンが画像パターンである場合には、画素であり、前記光変調手段がDMDを含む場合にはマイクロミラーである。
前記光変調素子が有する描素部の数(前記n)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光変調素子における描素部の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2次元状に配列しているのが好ましく、格子状に配列しているのがより好ましい。
<光照射手段>
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザなどの公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ光(以下、「合波レーザ光」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、395nm〜415nmが特に好ましい。
前記合波レーザ光を照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザ光を照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源66は図28aに示すように、複数(例えば、14個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合されている。図28bに詳しく示すように、マルチモード光ファイバ31の光ファイバ30と反対側の端部は副走査方向と直交する主走査方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。
マルチモード光ファイバ31の端部で構成されるレーザ出射部68は、図28bに示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ31の光出射端面には、その保護のために、ガラスなどの透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ31の光出射端面は、光密度が高いため集塵し易く劣化し易いが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
この例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
このような光ファイバは、例えば、図29に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタなどを介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタなどを用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合などに先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。したがって、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール64は、図30に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図31及び図32に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部はパッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図32においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図33は、前記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図33の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザ光B1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザ光B1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザ光B1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図34に示すように、ヒートブロック100上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図35(A)に示す、複数(例えば、5個)の発光点110aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ110は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度よく配列できるので、各発光点から出射されるレーザ光を合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ110に撓みが発生し易くなるため、発光点110aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ110や、図35(B)に示すように、ヒートブロック100上に、複数のマルチキヤビティレーザ110が各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図22に示すように、複数(例えば、3個)の発光点110aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ110を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ110と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ110は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aを、上記マルチモード光ファイバ130のコア径と略などしい幅内に並設すると共に、集光レンズ120として、マルチモード光ファイバ130のコア径と略などしい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ110からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザ光Bのマルチモード光ファイバ130への結合効率を上げることができる。
また、図36に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ110を用い、ヒートブロック111上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ110が互いになど間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキヤビティレーザ110は、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキヤピティレーザ110に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキヤピティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキヤビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザ光Lは、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光フアイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図37(A)及び(B)に示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向になど間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ110のレーザ光出射側には、各チップの発光点110aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザ光の拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ130と、このマルチモード光ファイバ130の入射端にレーザ光を集光して結合する集光レンズ120と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ120によって集光されて、マルチモード光フアイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、前記パターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ130の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μmなどのマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
ここで、本発明の前記永久パターン形成方法について更に説明する。
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザ光B1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザ光B1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
本例では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザ光B1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザ光Bに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザモジュールにおいて、レーザ光B1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザ光Bを得ることができる。したがって、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザ出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源66のレーザ出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、前記合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は1.6×10(W/m)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×10(W/m)である。
これに対し、前記光照射手段が合波レーザ光を照射可能な手段である場合には、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザ出射部68での発光領域の面積は0.0081mm(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は123×10(W/m)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×10(W/m)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
ここで、図38(A)及び(B)を参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図37(A)に示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)1の発光領域が大きいので、DMD3へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面5へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
一方、図37(B)に示すように、前記パターン形成装置における露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源66の発光領域の副走査方向の径が小さいので、レンズ系67を通過してDMD50へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面56へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。したがって、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1描素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間光変調素子であるが、図38(A)及び(B)は、光学的な関係を説明するために展開図とした。
露光パターンに応じたパターン情報が、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。このパターン情報は、画像を構成する各描素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
感光層150を有する感光性ソルダーレジストフィルムを表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164により感光層150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶されたパターン情報が複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出されたパターン情報に基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58により感光層150の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、感光層150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光層150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光層150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
<マイクロレンズアレイ>
また、前記露光は、前記変調させた光を、マイクロレンズアレイを通して行うのが好ましく、更にアパーチャアレイ、結像光学系などなどを通して行ってもよい。
前記マイクロレンズアレイとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したものが好適に挙げられる。
前記非球面としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トーリック面が好ましい。
以下、前記マイクロレンズアレイ、前記アパーチャアレイ、及び前記結像光学系などについて図面を参照しながら説明する。
図14(A)は、DMD50、DMD50にレーザ光を照射する光照射手段144、DMD50で反射されたレーザ光を拡大して結像するレンズ系(結像光学系)454、458、DMD50の各描素部に対応して多数のマイクロレンズ474が配置されたマイクロレンズアレイ472、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに対応して多数のアパーチャ478が設けられたアパーチャアレイ476、アパーチャを通過したレーザ光を被露光面56に結像するレンズ系(結像光学系)480、482で構成される露光ヘッドを表す。
ここで、図15に、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の平面度を測定した結果を示す。同図においては、反射面の同じ高さ位置をなど高線で結んで示してあり、など高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として前述のように回転する。また、図16の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示す。
図15及び図16に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっている。このため、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪むという問題が発生し得る。
本発明の永久パターン形成方法においては前記問題を防止するために、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、従来とは異なる特殊な形状とされている。以下、その点について詳しく説明する。
図17の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状及び側面形状を詳しく示すものである。これらの図にはマイクロレンズアレイ55の各部の寸法も記入してあり、それらの単位はmmである。本発明の永久パターン形成方法では、先に図5を参照して説明したようにDMD50の1024個×256列のマイクロミラー62が駆動されるものであり、それに対応させてマイクロレンズアレイ55は、横方向に1024個並んだマイクロレンズ55aの列を縦方向に256列並設して構成されている。なお、同図(A)では、マイクロレンズアレイ55の並び順を横方向についてはjで、縦方向についてはkで示している。
また、図18の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55における1つのマイクロレンズ55aの正面形状及び側面形状を示すものである。なお同図(A)には、マイクロレンズ55aのなど高線を併せて示してある。各マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされている。より具体的には、マイクロレンズ55aはトーリックレンズとされており、上記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、上記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
したがって、上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、概略、それぞれ図19の(A)及び(B)に示す通りとなる。つまり、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなっている。
マイクロレンズ55aを前記形状とした場合の、該マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を図20a、b、c、及びdに示す。また比較のために、マイクロレンズ55aが曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を図21a、b、c及びdに示す。なお、各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、前記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、下記計算式で計算される。
但し、前記計算式において、Cxは、x方向の曲率(=1/Rx)を意味し、Cyは、y方向の曲率(=1/Ry)を意味し、Xは、x方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味し、Yは、y方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味する。
図20a〜dと図21a〜dとを比較すると明らかなように、本発明の永久パターン形成方法ではマイクロレンズ55aを、y方向に平行な断面内の焦点距離がx方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。そうであれば、歪みの無い、より高精細な画像を感光層150に露光可能となる。また、図20a〜dに示す本実施形態の方が、ビーム径の小さい領域がより広い、すなわち焦点深度がより大であることが分かる。
なお、マイクロミラー62のx方向及びy方向に関する中央部の歪の大小関係が、上記と逆になっている場合は、x方向に平行な断面内の焦点距離がy方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズからマイクロレンズを構成すれば、同様に、歪みの無い、より高精細な画像を感光層150に露光可能となる。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されたアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されたものである。すなわち、このアパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められる。
本来、上記目的で設置されるアパーチャアレイ59のアパーチャ59aの径をある程度小さくすれば、マイクロレンズ55aの集光位置におけるビーム形状の歪みを抑制する効果も得られる。しかしそのようにした場合は、アパーチャアレイ59で遮断される光量がより多くなり、光利用効率が低下することになる。それに対してマイクロレンズ55aを非球面形状とする場合は、光を遮断することがないので、光利用効率も高く保たれる。
また、本発明の永久パターン形成方法において、マイクロレンズ55aは、2次の非球面形状であってもよく、より高次(4次、6次・・・・)の非球面形状であってもよい。前記高次の非球面形状を採用することにより、ビーム形状を更に高精細にすることができる。
また、以上説明した実施形態では、マイクロレンズ55aの光出射側の端面が非球面(トーリック面)とされているが、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成して、上記実施形態と同様の効果を得ることもできる。
更に、以上説明した実施形態においては、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされているが、このような非球面形状を採用する代わりに、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズに、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせても、同様の効果を得ることができる。
そのようなマイクロレンズ155aの一例を図23に示す。同図の(A)及び(B)はそれぞれ、このマイクロレンズ155aの正面形状及び側面形状を示すものであり、図示の通りこのマイクロレンズ155aの外形形状は平行平板状である。なお、同図におけるx、y方向は、既述した通りである。
また、図24の(A)及び(B)は、このマイクロレンズ155aによる上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態を概略的に示している。このマイクロレンズ155aは、光軸Oから外方に向かって次第に増大する屈折率分布を有するものであり、同図においてマイクロレンズ155a内に示す破線は、その屈折率が光軸Oから所定のなどピッチで変化した位置を示している。図示の通り、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ155aの屈折率変化の割合がより大であって、焦点距離がより短くなっている。このような屈折率分布型レンズから構成されるマイクロレンズアレイを用いても、前記マイクロレンズアレイ55を用いる場合と同様の効果を得ることが可能である。
なお、先に図18及び図19に示したマイクロレンズ55aのように面形状を非球面としたマイクロレンズにおいて、併せて上述のような屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正しているが、DMD以外の空間光変調素子を用いる本発明の永久パターン形成方法においても、その空間光変調素子の描素部の面に歪みが存在する場合は、本発明を適用してその歪みによる収差を補正し、ビーム形状に歪みが生じることを防止可能である。
次に、前記結像光学系について更に説明する。
前記露光ヘッドでは、光照射手段144からレーザ光が照射されると、DMD50によりオン方向に反射される光束線の断面積が、レンズ系454、458により数倍(例えば、2倍)に拡大される。拡大されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光され、アパーチャアレイ476の対応するアパーチャを通過する。アパーチャを通過したレーザ光は、レンズ系480、482により被露光面56上に結像される。
この結像光学系では、DMD50により反射されたレーザ光は、拡大レンズ454、458により数倍に拡大されて被露光面56に投影されるので、全体の画像領域が広くなる。このとき、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476が配置されていなければ、図14(B)に示すように、被露光面56に投影される各ビームスポットBSの1描素サイズ(スポットサイズ)が露光エリア468のサイズに応じて大きなものとなり、露光エリア468の鮮鋭度を表すMTF(Modulation Transfer Function)特性が低下する。
一方、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476を配置した場合には、DMD50により反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光される。これにより、図14(C)に示すように、露光エリアが拡大された場合でも、各ビームスポットBSのスポットサイズを所望の大きさ(例えば、10μm×10μm)に縮小することができ、MTF特性の低下を防止して高精細な露光を行うことができる。なお、露光エリア468が傾いているのは、描素間の隙間を無くす為にDMD50を傾けて配置しているからである。
また、マイクロレンズの収差によるビームの太りがあっても、アパーチャアレイによって被露光面56上でのスポットサイズが一定の大きさになるようにビームを整形することができると共に、各描素に対応して設けられたアパーチャアレイを通過させることにより、隣接する描素間でのクロストークを防止することができる。
更に、光照射手段144に後述する高輝度光源を使用することにより、レンズ458からマイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに入射する光束の角度が小さくなるので、隣接する描素の光束の一部が入射するのを防止することができる。即ち、高消光比を実現することができる。
<その他の光学系>
本発明の永久パターン形成方法では、公知の光学系の中から適宜選択したその他の光学系と併用してもよく、例えば、1対の組合せレンズからなる光量分布補正光学系などが挙げられる。
前記光量分布補正光学系は、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように各出射位置における光束幅を変化させて、光照射手段からの平行光束をDMDに照射するときに、被照射面での光量分布が略均一になるように補正する。以下、前記光量分布補正光学系について図面を参照しながら説明する。
まず、図25(A)に示したように、入射光束と出射光束とで、その全体の光束幅(全光束幅)H0、H1が同じである場合について説明する。なお、図25(A)において、符号51、52で示した部分は、前記光量分布補正光学系における入射面及び出射面を仮想的に示したものである。
前記光量分布補正光学系において、光軸Z1に近い中心部に入射した光束と、周辺部に入射した光束とのそれぞれの光束幅h0、h1が、同一であるものとする(h0=hl)。前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光に対し、中心部の入射光束については、その光束幅h0を拡大し、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅h1を縮小するような作用を施す。すなわち、中心部の出射光束の幅h10と、周辺部の出射光束の幅h11とについて、h11<h10となるようにする。光束幅の比率で表すと、出射側における中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなっている((h11/h10)<1)。
このように光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、被照射面での光量分布が略均一化される。均一化の度合いは、例えば、有効領域内における光量ムラが30%以内となるようにし、20%以内となるようにすることがより好ましい。
前記光量分布補正光学系による作用、効果は、入射側と出射側とで、全体の光束幅を変える場合(図25(B),(C))においても同様である。
図25(B)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H2に“縮小”して出射する場合(H0>H2)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の縮小率で考えると、中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「H11/H10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
図25(C)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅Η3に“拡大”して出射する場合(H0<H3)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の拡大率で考えると、中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
このように、前記光量分布補正光学系は、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された光束断面を形成することができる。
次に、前記光量分布補正光学系として使用する1対の組合せレンズの具体的なレンズデータの1例を示す。この例では、前記光照射手段がレーザアレイ光源である場合のように、出射光束の断面での光量分布がガウス分布である場合のレンズデータを示す。なお、シングルモード光ファイバの入射端に1個の半導体レーザを接続した場合には、光ファイバからの射出光束の光量分布がガウス分布になる。本発明の永久パターン形成方法では、このような場合の適用も可能である。また、マルチモード光ファイバのコア径を小さくしてシングルモード光ファイバの構成に近付けるなどにより光軸に近い中心部の光量が周辺部の光量よりも大きい場合にも適用可能である。
下記表1に基本レンズデータを示す。
表1から分かるように、1対の組合せレンズは、回転対称の2つの非球面レンズから構成されている。光入射側に配置された第1のレンズの光入射側の面を第1面、光出射側の面を第2面とすると、第1面は非球面形状である。また、光出射側に配置された第2のレンズの光入射側の面を第3面、光出射側の面を第4面とすると、第4面が非球面形状である。
表1において、面番号Siはi番目(i=1〜4)の面の番号を示し、曲率半径riはi番目の面の曲率半径を示し、面間隔diはi番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。面間隔di値の単位はミリメートル(mm)である。屈折率Niはi番目の面を備えた光学要素の波長405nmに対する屈折率の値を示す。
下記表2に、第1面及び第4面の非球面データを示す。
上記の非球面データは、非球面形状を表す下記数式(A)における係数で表される。
上記数式(A)において各係数を以下の通り定義する。
Z:光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)
ρ:光軸からの距離(mm)
K:円錐係数
C:近軸曲率(1/r、r:近軸曲率半径)
ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
表2に示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数″であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10−2」であることを示す。
図27は、前記表1及び表2に示す1対の組合せレンズによって得られる照明光の光量分布を示している。横軸は光軸からの座標を示し、縦軸は光量比(%)を示す。なお、比較のために、図26に、補正を行わなかった場合の照明光の光量分布(ガウス分布)を示す。図26及び図27から分かるように、光量分布補正光学系で補正を行うことにより、補正を行わなかった場合と比べて、略均一化された光量分布が得られている。これにより、光の利用効率を落とさずに、均一なレーザ光でムラなく露光を行うことができる。
−現像工程―
前記現像工程は、前記露光工程により前記感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、永久パターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物若しくは炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア水、4級アンモニウム塩の水溶液などが好適に挙げられる。これらの中でも、炭酸ナトリウム水溶液が特に好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、ベンジルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミンなど)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
−硬化処理工程―
本発明の永久パターン形成方法は、更に、硬化処理工程を含むことが好ましい。
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成された永久パターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性ソルダーレジスト組成物中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性ソルダーレジスト組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
なお、前記基材が多層配線基板などのプリント配線板である場合には、該プリント配線板上に本発明の永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像工程により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)としての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
本発明の永久パターン形成方法においては、保護膜及び層間絶縁膜の少なくともいずれかを形成するのが好ましい。前記永久パターン形成方法により形成される永久パターンが、前記保護膜又は前記層間絶縁膜であると、配線を外部からの衝撃や曲げから保護することができ、特に、前記層間絶縁膜である場合には、例えば、多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの半導体や部品の高密度実装に有用である。
本発明の永久パターン形成方法は、高速でパターン形成が可能であるため、各種パターンの形成に広く用いることができ、特に配線パターンの形成に好適に使用することができる。
また、本発明の永久パターン形成方法により形成される永久パターンは、優れた表面硬度、絶縁性、耐熱性、耐湿性などを有し、保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターン、として好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
実施例の感光性ソルダーレジスト組成物に含まれるアルカリ可溶性光架橋性ポリウレタンエラストマー(U1)〜(U11)(合成例1〜11)、比較例の感光性組成物に含まれるアルカリ可溶性ポリウレタンエラストマー(U12)〜(U13)(合成例12〜13)、顔料と無機充填剤分散液の調製(合成例14)、アルカリ可溶性光架橋性樹脂(P1)〜(P4)(合成例15〜18)を以下のように合成した。
(合成例1)アルカリ可溶性光架橋性ポリウレタンエラストマーU1の合成
500mlの三つ口フラスコに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート50.1gとポリオキシテトラメチレングリコール(化合物例22、分子量=981)68.7gと2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸17.4gをジオキサン90mlに溶解した。N,N−ジエチルアニリンを0.3g入れた後、ジオキサン還流下で6時間撹拌することにより、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂溶液を得た。
反応終了後、酸素7容量%、窒素93容量%の混合気流下で、グリシジルアクリレート3.84g、トリフェニルホスフィン0.11g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.027gを加え、100℃で10時間反応することにより、光架橋性樹脂溶液を得
た。
反応後、水1.3l、酢酸13mlの溶液に前記光架橋性樹脂溶液を少量ずつ加え、ポリマーを析出させた。この固体を真空乾燥させることにより90gのアルカリ可溶性光架橋性ポリウレタンエラストマー(U1)を得た。
樹脂U1をメトキシプロピレングリコールアセテートに溶解し、60質量%の溶液を調製した。
上記で得られたU1の固形分酸価は、40mgKOH/gで、固形分臭素価は、3.4gBr/100gであった。GPC装置にて分子量を測定したところ、質量平均(ポリスチレン標準)で32,000であった。
前記酸価は、JIS K0070に準拠して測定した。ただし、サンプルが溶解しない場合は、溶媒としてジオキサン又はテトラヒドロフランなどを使用した。
前記臭素価は、JIS K2605に準拠して測定した。
前記質量平均分子量は、高速GPC装置(東洋曹達社製HLC−802A)を使用して測定した。即ち、0.5質量%のHHF溶液を試料溶液とし、カラムはTSKgelGMH62本を使用し、200μlの試料を注入し、前記THF溶液で溶離して、25℃で屈折率検出器により測定した。次に、標準ポリスチレンで較正した分子量分布曲線より質量平均分子量を求めた。
(合成例2〜11)アルカリ可溶性光架橋性ポリウレタンエラストマー(U2)〜(U11)の合成
表3に示す組成で、合成例1と同様にして、アルカリ可溶性光架橋性ポリウレタンエラストマー(U2)〜(U11)を合成した。
(合成例12〜13)アルカリ可溶性ポリウレタンエラストマー(U12)〜(U13)の合成
表4に示す組成で、合成例1と同様にして、比較例用のアルカリ可溶性ポリウレタンエラストマー(U12)〜(U13)を合成した。
(合成例14)顔料と無機充填剤分散液の調製
ピグメントブルー15:3を0.80質量部、とピグメントイエロー180を0.7質量部と、各アルカリ可溶性光架橋性樹脂の60質量%メトキシプロピルアセテート溶液15質量部を秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、緑色顔料分散液を得た。
引き続き、無機充填剤である硫酸バリウム18質量部を前記緑色顔料分散液中に混合撹拌し、緑色顔料との共分散液81.4質量部(固形分濃度35質量%)を得た。
(合成例15)アルカリ可溶性光架橋性樹脂P1の合成
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエピクロンN−695(大日本インキ化学工業製、エポキシ当量=220)220質量部を撹件機及び還流冷却器の付いた四つ口フラスコに入れ、カルビトールアセテート214質量部を加え、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1質量部と、反応触媒としてジメチルベンジルアミン2.0質量部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72質量部を徐々に滴下し、16時間反応させた。この反応物を、80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物106質量部を加え、8時間反応させ、冷却後、カルビトールアセテート52質量部を添加して、取り出した。このようにして得られたエチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を併せ持つアルカリ可溶性光架橋性樹脂(P1)は、不揮発分60質量%、固形物の酸価100mgKOH/gで、臭素価は39gBr/100gで、質量平均分子量は4,020であった。
(合成例16)アルカリ可溶性光架橋性樹脂P2の合成
撹件機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤社製「MFDG」300g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製「パーブチルO」)8.0gを導入し95℃に昇温後、メタクリル酸124g、メチルメタクリレート196g、及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(日本ヒドラジン工業社製「ABN−E」)6.4g、MFDG 45gを共に3時間かけて滴下した。滴下後、4時間熟成してカルボキル基を有する幹ポリマーを合成した。次に、上記幹ポリマー溶液に、グリシジルメタクリレート(三菱レーヨン社製「ブレンマーG」)を79g及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(ダイセル化学工業社製「サイクロマーA200」)101g、トリフェニルホスフィン4g、メチルハイドロキノン1.0gを加えて、100℃で10時間反応させた。反応は、空気/窒素の混合雰囲気下で行った。得られた共重合体(P2)溶液の固形分濃度は60質量%であった。得られたP2の固形分酸価は37KOHmg/g、固形分臭素価は36gBr/100g、質量平均分子量は20,000であった。
(合成例17)アルカリ可溶性光架橋性樹脂P3の合成
撹件装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えたフラスコにメトキシプロピルアセテート145質量部を導入し、窒素置換しながら撹件し120℃に昇温した。次に、スチレン10.4質量部、グリシジルメタクリレート71質量部、及びジシクロペンテニルアクリレート(日立化成(株)製FA−511A)82質量部からなるモノマー混合物に、t−ブチルヒドロパーオキサイド(日本油脂(株)製パーブチルO)を7.6質量部添加した。この混合溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコ中に滴下し、更に120℃で2時間撹件し続けた。次に、フラスコ内を空気置換に替え、アクリル酸34.2質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.9質量部及びハイドロキノン0.145質量部を、上記フラスコ中に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価=0.8となったところで反応を終了し、更に引き続きテトラヒドロフタル酸無水物60.8質量部(生成した水酸基の84.2モル%)、トリエチルアミン0.8質量部を加え、120℃で3.5時間反応させ、メトキシプロピルアセテートで固形分濃度が60質量%になるように希釈し、アルカリ可溶性光架橋性樹脂(P3)を得た。得られたP3の固形分酸価は84mgKOH/gで、臭素価は29Br/100gで、質量平均分子量は12,000であった。
(合成例18)アルカリ可溶性光架橋性樹脂P4の合成
スチレン無水マレイン酸共重合物(アーコケミカル社製SMAレジン1000:スチレン/無水マレイン酸の等モル共重合体)200g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート130gをブチルセロゾルブアセテート220gに溶解し、100℃で20時間反応させ、ハーフエステル化化合物(P4)溶液を得た。得られたP4溶液の固形分濃度は60質量%で、固形分酸価は170mgKOH/gで、臭素価は48gBr/100gで、質量平均分子量は4,900であった。
(実施例1)
<感光性ソルダーレジスト組成物塗布液の調製>
下記の各成分(表3参照)を混合し、感光性ソルダーレジスト組成物塗布液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合成例1で合成したアルカリ可溶性光架橋性エラストマー(U1) 63.4質量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート1004) 17質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製DPHA) 11質量部
ビスアシルホスフィンオキシド(チバスペシャルティケミカルス社製Irgacure819) 7質量部
合成例14で合成した顔料分散液 81.4質量部
ジシアンジアミド 2.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
−感光性ソルダーレジストフィルムの作製−
図1に示すように、支持体1として、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィム(PET)を用い、該支持体1上に前記感光性ソルダーレジスト組成物塗布液をバーコーターにより、乾燥後の感光層2の厚みが約30μmになるように塗布し、80℃、30分間熱風循環式乾燥機中で乾燥させ、感光性ソルダーレジストフィルム作製した。
<永久パターンの形成>
−積層体の調製−
次に、前記基材として、配線形成済みの銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μmのプリント配線板)の表面に化学研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性ソルダーレジストフィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして、真空ラミネーター(名機製作所製、MVLP500)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された積層体を調製した。
圧着条件は、圧着温度90℃、圧着圧力0.4MPa、ラミネート速度1m/分とした。
−露光工程−
前記調製した積層体における感光層に対し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から、所定のパターンを有する青紫色レーザー露光によるパターン形成装置を用いて、405nmのレーザ光を、所定のパターンが得られるようにエネルギー量40mJ/cmを照射し露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。
−現像工程−
室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、アルカリ現像液として、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、30℃にて60秒間、0.18MPa(1.8kgf/cm)の圧力でスプレー現像し、未露光の領域を溶解除去した。その後、水洗し、乾燥させ、永久パターンを形成した。得られた画像を用いて、現像性、光感度を評価した。
−硬化処理工程−
前記永久パターンが形成された積層体の全面に対して、150℃で1時間、加熱処理を施し、永久パターンの表面を硬化し、膜強度を高め、試験板を作製した。
前記得られた試験板について、後述の絶縁抵抗試験(Ω)を測定した。また、基板(銅張り積層板)から剥がした塗膜について、動的粘弾性測定試験により動的弾性率(貯蔵弾性率)(MPa)を測定した。測定結果を表7に示す。なお、信頼性試験による測定及び評価は以下のとおりである。
<評価方法>
−塗布面状−
前記感光性ソルダーレジスト組成物塗布液を25μm厚のポリエチレンテレフタレート支持体上に10μm厚の膜厚で、塗布乾燥後の面状を、目視により観察し、表面の平滑性を検査した。
〔評価基準〕
○:平滑である。
×:異物又はハジキあり。
−表面タック性−
25μm厚のポリエチレンテレフタレート支持体上に感光液を塗布乾燥し、10μm厚の感光層を形成し、室温下で12μm厚のポリプロピレンカバーフィルムを積層後、一晩放置し、その後カバーフィルムを該感光層から剥離して、該カバーフィルムの剥離性をテストした。
○:容易に剥がれる。
×:剥がすのに力を要し、剥離音がする。
−感度−
基板上の10μm厚の未露光の感光層に対し、ポリエチレンフタレートフィルム側から、所定のステップウェッジパターン(ΔlogE=0.15、15段)を有する青紫色レーザー露光によるパターン形成装置を用いて405nmのレーザー光を40mJ/cm照射し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で、60秒間スプレー現像し、得られるステップウェッジパターンの段数で評価した。
○:8段以上
△:5〜7段
×:4段以下
−現像性−
基板上の厚み10μmの未露光の感光層を、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で、スプレー現像し、10秒から60秒で除去できるか否かで評価した。
○:10秒〜60秒未満で除去され、現像残渣無し。
×:10秒未満で除去される。
××:60秒後でも現像残渣有り。
−ソルダーレジストの外観(ベーク後面状)−
150℃で1時間ベーク後にソルダーレジストパターンの表面凹凸を、表面粗さ測定機(サーフコム1400D:東京精密社製)を用いて測定し、下記の基準に基づき評価した。
○:Ra=0.5μm未満で、面状に優れている。
×:Ra=0.5μm以上で、面状に劣る。
−密着性−
JISK5400に準じて、硬化後の試験片に1mm碁盤目を100個作製してセロハンテープ(登録商標)により剥離試験を行った。碁盤目の剥離状態を観察し、以下の基準で評価した。
○:90/100以上で剥離無し。
△:50/100以上〜90/100未満で剥離無し。
×:0/100〜50/100未満で剥離無し。
−耐溶剤性−
硬化後の試験片をイソプロピルアルコールに室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを確認後、セロハンテープにより剥離試験を行い、以下の基準で評価した。
○:塗膜外観に異常がなく、剥離のないもの。
×:塗膜外観に異常があるか、あるいは剥離するもの。
−耐酸性−
硬化後試験片を10重量%塩酸水溶液に室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを確認後、セロハンテープにより剥離試験を行い、以下の基準で評価した。
○:塗膜外観に異常がなく、剥離のないもの。
×:塗膜外観に異常があるか、あるいは剥離するもの。
−耐アルカリ性−
硬化後の試験片を5質量%水酸化ナトリウム水溶液に室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを確認後、セロハンテープにより剥離試験を行い、以下の基準で評価した。
○:塗膜外観に異常が無く、剥離の無いもの。
×:塗膜外観に異常が有るか、あるいは剥離するもの。
−はんだ耐熱性−
試験片にロジン系フラックス又は水溶性フラックスを塗布し、260℃のはんだ槽に10秒間浸漬した。これを1サイクルとして、6サイクル繰り返した後、塗膜外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:塗膜外観に異常(剥離、フクレ)が無く、はんだのもぐりの無いもの。
×:塗膜外観に異常(剥離、フクレ)が有るか、又ははんだのもぐりの有るもの。
−耐熱衝撃性−
信頼性試験項目として、温度サイクル試験(TCT)によりクラックや剥れ等の外観と抵抗値変化率を評価した。TCTは気相冷熱試験機を用い、電子部品モジュールを温度が−55℃及び125℃の気相中に各30分間放置し、これを1サイクルとして1,000サイクル及び1,500サイクルの条件で行い、以下の基準で耐熱衝撃性を評価した。
○:クラック発生無し。
△:浅いクラック発生有り。
×:深いクラック発生有り。
−動的粘弾性−
ソリッドアナライザーRSAII(レオメトリックス社製)を用い、振動周波数1Hz(6.28rad/秒)で動的粘弾性を測定した。サンプルサイズを長さ22.5×幅3.0×厚み0.06mmとし、測定温度40〜250℃(昇温5℃/min)、引っ張り量0.15%、モードをスタティックフォーストラッキングダイナミックフォースとし、初期スタティックフォース15.0gとして行い、220℃における動的弾性率を調べた。
(実施例2)〜(実施例12)
前記実施例2〜実施例11については、表3に示すように、(合成例2〜9)に示す(U2)〜(U9)のアルカリ可溶性光架橋性ポリウレタンエラストマーを用いた各処方の塗布液を、実施例1と同様に調製した塗布液を用い、実施例1と同様に感光性ソルダーレジストフィルムを作製し、引き続き、感光層を形成して、実施例1と同様に信頼性評価を行った。
また、表5に示すように、実施例12については(合成例1)に示す(U1)のアルカリ可溶性光架橋性ポリウレタンエラストマーと(合成例15)に示す(P1)のアルカリ可溶性光架橋性樹脂とを併用した各処方の塗布液を、実施例1と同様に調製した塗布液を用い、実施例1と同様に感光性ソルダーレジストフィルムを作製し、引き続き、感光層を形成して、実施例1と同様に信頼性評価を行った。結果を表7に示す。
(比較例1)〜(比較例9)
前記比較例1〜比較例9については、表6に示すように、(合成例10〜13)に示す(U12)、(U13)のアルカリ可溶性ポリウレタンエラストマー又は、(合成例15〜18)に示す(P1)〜(P4)のアルカリ可溶性光架橋性樹脂を添加した処方により得られた塗布液を用いて、比較例7については、(合成例15)に示す(P1)のアルカリ可溶性光架橋性樹脂とアルカリ不溶のエラストマーであるスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)及び、平均粒径0.07μmのカルボキシル基変性架橋アクリルゴム(日本合成ゴム(株)製DHS2)を添加した処方により得られた塗布液を用いて、実施例1と同様に感光性ソルダーレジストフィルムを作製した。実施例1と同様に各比較例の感光性ソルダーレジストフィルムを作製し、引き続き、感光層を形成して信頼性評価を行った。結果を表8に示す。

比較例2〜8では、TC1000サイクルでの耐衝撃性が×であったため、TC1500での耐衝撃性の評価は行わなかった。
表7及び8に示す結果より、本発明の新規なエラストマーを感光性ソルダーレジスト組成物中に含有させることにより、現像性が改善され、しかも基板への密着性が劣化せず、信頼性の高い感光性ソルダーレジストを形成することができる優れた感光性ソルダーレジスト組成物が得られた。また、該感光性ソルダーレジスト組成物を用いることにより、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れ、十分な膜強度を備えた高性能な硬化膜を有するソルダーレジストパターンを得ることができた。
特に、低分子量ジオール/高分子ジオール(モル比)=1〜3である実施例1〜5、8〜11では、耐熱性に極めて優れた硬化膜が得られた。
本発明のエラストマーは、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能な硬化膜を提供可能で、感光性ソルダーレジスト、プリント基板用層間絶縁膜、カラーフィルター用カラーレジスト、感光性平版印刷板、各種保護膜、平坦化膜、エッチング用及びメッキ用フォトレジスト、感光性ペースト、ホログラム、マイクロレンズ、UV硬化性インキ、UV硬化性塗料などに好適に使用することができる。
また、前記アルカリ可溶性光架橋性のエラストマーを使用した本発明の感光性ソルダーレジスト組成物及び該感光性ソルダーレジスト組成物を用いた感光性ソルダーレジストフィルムは、保存安定性に優れ、現像後に優れた耐薬品性、表面硬度、耐熱性などを発現する。また、本発明の永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストなど)を薄層化しても、表面硬度、絶縁性、耐熱性、耐湿性に優れた高精細な永久パターンが得られるため、保護膜、層間絶縁膜として好適に使用することができ、プリント配線板(多層配線基板、ビルドアップ配線基板など)、カラーフィルタや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの永久パターン形成用として広く用いることができる。
図1は、感光性ソルダーレジストフィルムの層構成を示す説明図である。 図2は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図の一例である。 図3(A)及び(B)は、DMDの動作を説明するための説明図の一例である。 図4(A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。 図5(A)及び(B)は、DMDの使用領域の例を示す図の一例である。 図6は、スキャナによる1回の走査で感光層を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図7(A)及び(B)は、スキャナによる複数回の走査で感光層を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図8は、パターン形成装置の一例の外観を示す概略斜視図の一例である。 図9は、パターン形成装置のスキャナの構成を示す概略斜視図の一例である。 図10(A)は、感光層に形成される露光済み領域を示す平面図の一例であり、図10(B)は、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図の一例である。 図11は、光変調手段を含む露光ヘッドの概略構成を示す斜視図の一例である。 図12は、図11に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図の一例である。 図13は、パターン情報に基づいて、DMDの制御をするコントローラの一例である。 図14(A)は、結合光学系の異なる他の露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った断面図の一例であり、図14(B)は、マイクロレンズアレイなどを使用しない場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例であり、図14(C)は、マイクロレンズアレイなどを使用した場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例である。 図15は、DMDを構成するマイクロミラーの反射面の歪みをなど高線で示す図の一例である。 図16(A)、(B)は、前記マイクロミラーの反射面の歪みを、該ミラーの2つの対角線方向について示すグラフの一例である。 図17は、パターン形成装置に用いられたマイクロレンズアレイの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図18は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図19は、マイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図20aは、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図20bは、図20aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図20cは、図20aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図20dは、図20aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図21aは、従来のパターン形成方法において、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図21bは、図21aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図21cは、図21aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図21dは、図21aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図22は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図23は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)の一例と側面図(B)の一例である。 図24は、図22のマイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)の一例と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図25(A)、(B)及び(C)は、光量分布補正光学系による補正の概念についての説明図の一例である。 図26は、光照射手段がガウス分布で且つ光量分布の補正を行わない場合の光量分布を示すグラフの一例である。 図27は、光量分布補正光学系による補正後の光量分布を示すグラフの一例である。 図28a(A)は、ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、図28a(B)は、(A)の部分拡大図の一例であり、図28a(C)及び(D)は、レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図の一例である。 図28bは、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図の一例である。 図29は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図30は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図31は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図32は、図31に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図33は、図31に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図34は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図35(A)は、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例であり、図35(B)は、(A)に示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図36は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図37(A)は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例であり、図37(B)は、(A)の光軸に沿った断面図の一例である。 図38(A)及び(B)は、従来の露光装置における焦点深度と本発明の永久パターン形成方法(パターン形成装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。
符号の説明
1 支持体
2 感光層
3 保護フィルム
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 ヒートブロック
11〜17コリメータレンズ
20 集光レンズ
30〜31マルチモード光ファイバ
44 コリメータレンズホルダー
45 集光レンズホルダー
46 ファイバホルダー
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52 レンズ系
53 反射光像(露光ビーム)
54 第2結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
56 被露光面(走査面)
55a マイクロレンズ
57 第2結像光学系のレンズ
58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
64 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
67 レンズ系
68 レーザ出射部
69 ミラー
70 プリズム
73 組合せレンズ
74 結像レンズ
100 ヒートブロック
110 マルチキャピティレーザ
111 ヒートブロック
113 ロッドレンズ
120 集光レンズ
130 マルチモード光ファイバ
130a コア
140 レーザアレイ
144 光照射手段
150 感光層
152 ステージ
155a マイクロレンズ
156 設置台
158 ガイド
160 ゲート
162 スキャナ
164 センサ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
180 ヒートブロック
184 コリメートレンズアレイ
302 コントローラ
304 ステージ駆動装置
454 レンズ系
468 露光エリア
472 マイクロレンズアレイ
476 アパーチャアレイ
478 アパーチャ
480 レンズ系

Claims (19)

  1. ジイソシアネートと、カルボン酸基含有ジオールと、質量平均分子量が500以上の高分子ジオールとから得られるカルボキシル基含有ポリウレタンと、分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られるエラストマーであって、質量平均分子量300以下の低分子ジオールの合計モル量/質量平均分子量500以上の高分子ジオールの合計モル量の比が0.5〜10であることを特徴とするエラストマー。
  2. 置換基を有していてもよい二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のジイソシアネートと、C原子及びN原子のいずれかを介してCOOH基と2つのOH基を有するカルボン酸含有ジオールと、−COO−、−OCO−、−O−、及び−CH=CH−結合のいずれかを介して2つのOH基を有する質量平均分子量が800〜3,000の範囲にある高分子ジオールから選ばれた少なくとも1種との反応物であって、得られた反応物と、−COO−結合を介して分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られる請求項1に記載のエラストマー。
  3. 一般式(I)で示されるジイソシアネートと、一般式(II−1)〜(II−3)で示されるカルボン酸基含有ジオールから選ばれた少なくとも1種と、一般式(III−1)〜(III−5)で示される質量平均分子量が800〜3,000の範囲にある高分子ジオールから選ばれた少なくとも1種との反応物であって、得られた反応物と、一般式(IV−1)〜(IV−16)で示される分子中にエポキシ基とビニル基を有する化合物とを反応して得られる請求項1から2のいずれかに記載のエラストマー。
    ただし、一般式(I)、(II−1)〜(II−3)中、Rは置換基を有していてもよい二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のいずれかを表す。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアリーロキシ基のいずれかを表す。R、R、及びRはそれぞれ同一でも相異していてもよく、単結合、置換基を有していてもよい二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のいずれかを表す。Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素を表す。
    ただし、一般式(III−1)〜(III−5)中、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ同一でも相異していてもよく、二価の脂肪族及び芳香族炭化水素のいずれかを表す。R12は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基及びハロゲン原子のいずれかを表す。R13はアリール及びシアノ基のいずれかを表す。n〜nはそれぞれ2以上の整数を表す。nは0又は2以上の整数を表す。
    ただし、一般式(IV−1)〜(IV−16)中、R14は水素原子及びメチル基のいずれかを表し、R15は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R16は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。pは0又は1〜10の整数を表す。
  4. 一般式(III−1)〜(III−5)で示される質量平均分子量が500以下のカルボン酸基非含有の低分子量ジオールを、低分子量ジオール合計モル量/高分子量ジオール合計モル量の比が1〜3となるように共重合させた請求項1から3のいずれかに記載のエラストマー。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のエラストマーと、重合性化合物と、光重合開始剤と、熱架橋剤と、着色剤と、熱硬化促進剤とを含有することを特徴とする感光性ソルダーレジスト組成物。
  6. 熱架橋剤が、エポキシ樹脂及び多官能オキセタン化合物のいずれか1種である請求項5に記載の感光性ソルダーレジスト組成物。
  7. 無機充填剤を含む請求項5から6のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物。
  8. エラストマー15〜70質量%と、重合性化合物5〜75質量%、光重合開始剤0.5〜20質量%、熱架橋剤2〜50質量%、無機充填剤5〜75質量%、着色剤0.1〜10質量%、熱硬化促進剤0.01〜20質量%及び溶剤を含む請求項5から7のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物。
  9. 支持体と、該支持体上に、請求項5から8のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物が積層されてなる感光層と、を有することを特徴とする感光性ソルダーレジストフィルム。
  10. 感光層の厚みが、3〜100μmである請求項9に記載の感光性ソルダーレジストフィルム。
  11. 請求項9から10のいずれかに記載の感光性ソルダーレジストフィルムにおける、感光層を、基体の表面に転写した後、露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
  12. 請求項5から8のいずれかに記載の感光性ソルダーレジスト組成物を、基体の表面に塗布し、乾燥して感光層を積層して積層体を形成した後、露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
  13. 露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる請求項11から12のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  14. 非球面が、トーリック面である請求項13に記載の永久パターン形成方法。
  15. 現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う請求項11から14のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  16. 硬化処理が、全面露光処理及び120〜200℃で行われる全面加熱処理の少なくともいずれかである請求項15に記載の永久パターン形成方法。
  17. 請求項11から16のいずれかに記載の永久パターン形成方法により形成されることを特徴とする永久パターン。
  18. 保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかである請求項17に記載の永久パターン。
  19. ソルダーレジストパターンの220℃における動的弾性率が、20〜100MPaである請求項17から18のいずれかに記載の永久パターン。
JP2005181303A 2005-06-21 2005-06-21 エラストマー、感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法 Pending JP2007002030A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005181303A JP2007002030A (ja) 2005-06-21 2005-06-21 エラストマー、感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005181303A JP2007002030A (ja) 2005-06-21 2005-06-21 エラストマー、感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007002030A true JP2007002030A (ja) 2007-01-11

Family

ID=37687933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005181303A Pending JP2007002030A (ja) 2005-06-21 2005-06-21 エラストマー、感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007002030A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008053985A1 (fr) * 2006-11-02 2008-05-08 Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. Composition de résine photosensible, produit durci de celle-ci et procédé de production de résine photosensible
JP2008231393A (ja) * 2007-03-21 2008-10-02 Shinrikibi Kagi Kofun Yugenkoshi 輻射により現像、硬化できるポリウレタンとそれを含有する樹脂組成物
JP2011215392A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Fujifilm Corp 感光性組成物、並びに、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板
WO2012029786A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 感光性組成物、並びに、感光性フィルム、永久パターン、永久パターン形成方法、及びプリント基板
WO2012029785A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 感光性組成物、並びに、感光性フィルム、永久パターン、永久パターン形成方法、及びプリント基板
JP2013083785A (ja) * 2011-10-07 2013-05-09 Asahi Kasei E-Materials Corp 感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体
KR101571239B1 (ko) 2013-03-11 2015-11-23 다이요 잉키 세이조 가부시키가이샤 광 경화성 수지 조성물, 그의 드라이 필름 및 경화물, 및 이들을 이용하여 형성된 경화 피막을 갖는 프린트 배선판
CN108303851A (zh) * 2018-01-05 2018-07-20 湖北固润科技股份有限公司 包含聚对羟基苯乙烯类氧杂环丁烷树脂作为成膜树脂的光刻胶组合物
JP2018203820A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 凸版印刷株式会社 水性ウレタン樹脂分散体及びそれを用いたフィルム及びシート
JP2022119819A (ja) * 2020-05-12 2022-08-17 味の素株式会社 感光性樹脂組成物
US11604413B2 (en) 2016-07-06 2023-03-14 Fujifilm Corporation Photosensitive composition, transfer film, cured film, and manufacturing method of touch panel
CN116396460A (zh) * 2023-03-29 2023-07-07 湖北九峰山实验室 基于c-n动态共价键的纳米压抑抗蚀剂及其制备方法和应用

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5298855B2 (ja) * 2006-11-02 2013-09-25 東洋インキScホールディングス株式会社 感光性樹脂組成物とその硬化物、及び感光性樹脂の製造方法
WO2008053985A1 (fr) * 2006-11-02 2008-05-08 Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. Composition de résine photosensible, produit durci de celle-ci et procédé de production de résine photosensible
JP2008231393A (ja) * 2007-03-21 2008-10-02 Shinrikibi Kagi Kofun Yugenkoshi 輻射により現像、硬化できるポリウレタンとそれを含有する樹脂組成物
JP2011215392A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Fujifilm Corp 感光性組成物、並びに、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板
WO2012029786A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 感光性組成物、並びに、感光性フィルム、永久パターン、永久パターン形成方法、及びプリント基板
WO2012029785A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 富士フイルム株式会社 感光性組成物、並びに、感光性フィルム、永久パターン、永久パターン形成方法、及びプリント基板
JP2013083785A (ja) * 2011-10-07 2013-05-09 Asahi Kasei E-Materials Corp 感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体
KR101571239B1 (ko) 2013-03-11 2015-11-23 다이요 잉키 세이조 가부시키가이샤 광 경화성 수지 조성물, 그의 드라이 필름 및 경화물, 및 이들을 이용하여 형성된 경화 피막을 갖는 프린트 배선판
US11604413B2 (en) 2016-07-06 2023-03-14 Fujifilm Corporation Photosensitive composition, transfer film, cured film, and manufacturing method of touch panel
JP2018203820A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 凸版印刷株式会社 水性ウレタン樹脂分散体及びそれを用いたフィルム及びシート
CN108303851A (zh) * 2018-01-05 2018-07-20 湖北固润科技股份有限公司 包含聚对羟基苯乙烯类氧杂环丁烷树脂作为成膜树脂的光刻胶组合物
JP2022119819A (ja) * 2020-05-12 2022-08-17 味の素株式会社 感光性樹脂組成物
JP7444192B2 (ja) 2020-05-12 2024-03-06 味の素株式会社 感光性樹脂組成物
CN116396460A (zh) * 2023-03-29 2023-07-07 湖北九峰山实验室 基于c-n动态共价键的纳米压抑抗蚀剂及其制备方法和应用
CN116396460B (zh) * 2023-03-29 2024-05-10 湖北九峰山实验室 基于c-n动态共价键的纳米压印抗蚀剂及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007016184A (ja) エラストマー、並びに感光性組成物、感光性フィルム、及び永久パターン形成方法
JP2007002030A (ja) エラストマー、感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2006243564A (ja) 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2006285179A (ja) 感光性永久レジストフィルム及び永久パターン形成方法
JP2007256669A (ja) 感光性フィルム、永久パターン形成方法、及びプリント基板
JP2007248925A (ja) 感光性組成物、感光性フィルム、永久パターン形成方法、及びプリント基板
JP2006251386A (ja) 永久パターン形成方法
JPWO2005124462A1 (ja) 感光性組成物、並びにパターン形成方法及び永久パターン
JP2007025275A (ja) 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2006243543A (ja) 永久パターン形成方法
JP2006285178A (ja) 感光性永久レジストフィルム及び永久パターン形成方法
JP2006243563A (ja) 感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2007133333A (ja) 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2006235101A (ja) 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2007023254A (ja) 硬化促進剤、熱硬化性樹脂組成物、感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2005311305A (ja) 永久パターン形成方法
JP2007133108A (ja) 感光性ソルダーレジスト組成物及び感光性ソルダーレジストフイルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP4583916B2 (ja) パターン形成材料、並びにパターン形成装置及び永久パターン形成方法
JP2007106886A (ja) 硬化促進剤、熱硬化性樹脂組成物、感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP4546368B2 (ja) 感光性組成物、パターン形成材料、感光性積層体、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法
JP2006330655A (ja) 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP4546349B2 (ja) パターン形成材料、並びにパターン形成方法及びパターン
JP2006243552A (ja) 感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2006065000A (ja) サンドブラストレジスト用感光性組成物、及びこれを用いたサンドブラストレジストフィルム、並びにサンドブラストレジストパターン形成方法
JP2007041240A (ja) パターン形成材料、並びにパターン形成方法及びパターン

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061206