JP2007001583A - エアゾール容器用噴射機構及びエアゾール噴射装置 - Google Patents

エアゾール容器用噴射機構及びエアゾール噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 比較的単純な構成でボタン部を斜めに押し下げることによってステムを押下し、ステムを押し下げ位置に固定することが可能なエアゾール容器用噴射機構及びエアゾール噴射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 エアゾール容器50の肩部50aに冠着したキャップ部10と、キャップ部10の天板部12に設けられた噴射ガス案内凹部12aと指先案内凹部12bとの間に設けられたボタン部5と、ボタン部5の噴射口4の反対側すなわちキャップ部10の指先案内凹部12b側に設けられた係合片6とに大別される。
【選択図】図6

Description

本発明は、エアゾール容器内に残留するガス成分を除去するためのエアゾール容器の噴射機構及びエアゾール噴射装置に関し、特に、エアゾール容器に装着された状態でステムの押し下げを維持して残留ガス成分の除去を可能にするエアゾール容器用噴射機構及びエアゾール噴射装置に関する。
エアゾール缶の頂部に備えた押圧部を押圧することにより、エアゾール式缶内のガスを噴射するエアゾール容器が使用されている。
このエアゾール容器は、一般に、使い切った場合でも、使用済みエアゾール容器に内容物放出用のガスが残っていることが多い。このため、使用済みのエアゾール容器を廃棄する際に、残留ガスを簡単な操作で放出できる残ガス廃棄機構が提案されている(例えば、特許文献1)。
上記特許文献の残ガス廃棄機構によれば、押ボタンと一体に形成したガス抜きモード設定用レバーをキャップの外周面に露出させ、このガス抜きモード設定用レバーを少し押し下げてから反時計回り方向に回動することにより、ガス抜きモード設定用レバーの梁状片部がテーパ面に案内されてガス抜きモード設定用レバーが容器本体に向けて移動する。これにより、ガス抜きモード設定用レバーとともに、押ボタンが容器本体に向けて移動し、押ボタンでステムを容器本体内に押し下げて容器本体内の残留ガスを放出する。
特開2004−168356号公報
しかしながら、上記従来のエアゾール容器用残留ガス廃棄機構は、構成部品点数が多く且つ操作に迅速性を欠く欠点があった。
また、上記特許文献の残ガス廃棄機構では、ガス抜きモード設定用レバーがキャップの外周面に露出している。このため、通常の使用時に、ガス抜きモード設定用レバーが邪魔になる場合や、誤操作を起こす場合があり、取扱い性の観点から改良の余地が残されていた。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解消し、比較的単純な構成でステムを押し下げ位置に固定することが可能なエアゾール容器用噴射機構及びエアゾール噴射装置を提供することを目的とするものである。
本発明の上記目的は、以下の手段により達成される。
(1) ボタン部を押下することによってステムを押下させ内容物を噴射するエアゾール容器に嵌合される噴射機構であって、
前記エアゾール容器に嵌合させる嵌合手段を備えたキャップ部と、
前記内容物を噴射する噴射口のほぼ反対側に突設した凸部を備えたボタン部と、
前記凸部と係合する前記キャップ部の一部に設けられた係合片と、を有し、
前記係合片は前記キャップ部に回動可能に支持され、前記係合片を回動させ前記凸部と係合させて前記ボタンを斜めに押し下げることによって前記ステムを押下し、前記ステムを押下位置に保持することを特徴とする噴射機構。
(2) 前記キャップ部は、前記係合片と対向する位置にストッパー部を有し、前記係合片の一端には支持板が設けられ、前記支持板を前記ストッパー部に係合させて前記ボタンを斜めに押し下げることによって前記ステムを押下し、前記ステムを押下位置に保持することを特徴とする(1)に記載の噴射機構。
(3) 前記ボタン部と前記キャップ部とが一体に形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の噴射機構。
(4) 前記係合片は、緩やかな湾曲形状を有していることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の噴射機構。
(5) 前記ストッパー部はコの字形状であることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載の噴射機構。
(6) 前記(1)〜(5)の何れかに記載の噴射機構を備えたことを特徴とするエアゾール噴射装置。
本発明によれば、係合片を回動させ凸部と係合させてボタンを斜めに押し下げることによってステムを押下し、ステムを押下位置に保持することが可能である。従って、比較的単純な構成でかつ取扱い性に優れた噴射機構を提供することが可能である。
また、本発明によれば、係合片と対向する位置にストッパー部を有し、係合片の一端には支持板が設けられ、支持板をストッパー部に係合させてボタンを斜めに押し下げることによってステムを押下し、ステムを押下位置に保持することが可能である。従って、比較的単純な構成でかつ取扱い性に優れた噴射機構を提供することが可能である。
また、本発明によれば、ボタン部とキャップ部とが一体に形成されている。従って、噴射機構の部品点数を減少させ製造コストを廉価にでき、組み立て工程も少なくなる。
また、本発明によれば、係合片は、緩やかな湾曲形状を有している。従って、ボタン部を指で押圧し噴射状態にする際には指の裏側に係合片が心地良くフィットし操作性に優れた噴射機構を提供することができる。
また、本発明によれば、ストッパー部はコの字形状を有している。従って、ストッパー部に弾性特性をもたせることができ、支持板とストッパー部とを比較的容易に係合状態あるいは非係合状態に切り替えることが可能であり、操作性に優れた噴射機構を提供することができる。
まず本発明に係る噴射機構の構造について図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本発明に係る噴射機構の噴射ガス案内凹部近傍が含まれる正面図、図2は本発明に係る噴射機構の指先案内凹部近傍が含まれる背面図、図3は本発明に係る噴射機構の上面図、図4は図1及び図2のA−A´線断面図、図5は本発明に係る噴射機構の底面図である。
図1〜図5に示すように、本発明に係る噴射機構30の要部構造は、エアゾール容器50の肩部に冠着したキャップ部10と、キャップ部10の天板部12に設けられた噴射ガス案内凹部12aと指先案内凹部12bとの間に設けられたボタン部5と、ボタン部5の噴射口4の反対側すなわちキャップ部10の指先案内凹部12b側に設けられた係合片6とに大別される。
なお、キャップ部10、ボタン部5及び係合片6は夫々プラスチック成形部材から成るが、このプラスチック成形部材に限らず金属部材等の他の材料であっても良い。
本実施形態において、噴射機構30はキャップ部10が備える嵌合手段25によってエアゾール容器50に嵌合され、噴射機構30とエアゾール容器50とによってエアゾール噴射装置を構成している。
まず、キャップ部10の構造について説明する。
図1及び図2に示すようにキャップ部10には、ガス噴射方向に位置する天板部12にボタン部5の噴射口4からの噴射を許容するように噴射ガス案内凹部12aが形成されている。一方その反対側に位置する天板部12には指先案内凹部12bが形成されている。通常の噴射状態において、指先案内凹部12bはボタン部5を押下する際、使用者の指を誘導する部位となっており、指先案内凹部12bに少なくとも1本の指を添えれば容易にボタン部5を押下することが可能である。
なお本実施形態において指先案内凹部12bは噴射ガス案内凹部12aよりも幅広の凹部を形成している。この様に形成することによって、幅狭の噴射ガス案内凹部12aには指を添えにくいので、誤って使用者が噴射ガス案内凹部12a側から指を添えてボタン部5を押下し、エアゾール容器50内部のガスを使用者自身に噴射してしまうという虞がなくなる。
また、図2及び図4に示すようにキャップ部10の指先案内凹部12b側には、非噴射状態において係合片6の先端部6aの下部近傍付近に切欠部14が設けられている。切欠部14を設けることによって係合片6を起こし上げる際、使用者の指を誘導する部位となり、先端部6aに容易に指を引っ掛けることが可能である。
さらに、指先案内凹部12b側には、断面視略コの字形状のストッパー部9、9が設けられている。本実施形態においてストッパー部9、9はコの字の開口部9b、9bがキャップ部10の底面に向かうように形成されており、ストッパー部9、9の一端からは球状の凸部9a、9aがキャップ部中央方向に向かって突出形成されている。なお、ストッパー部9、9は後述する係合片6に設けられた支持板8,8と対向するように設けられ、支持板8の先端部8aと凸部9a、先端部8aと凸部9aとがそれぞれ係合するように配置されている(図11参照)。
ストッパー部9、9はコの字形状にすることによって弾性特性をもたせることができ、支持板8,8の先端部8a、8aと凸部9a、9aとを比較的容易に係合状態あるいは非係合状態に切り替えることが可能となる。
次にボタン部5の構造について説明する。
ボタン部5の略中央部にはエアゾール容器50のステム7と嵌合するステム嵌合筒16が透設され、ステム嵌合筒16とボタン部5の前方に位置する噴射口4とを結ぶ噴射経路17がステム嵌合筒16と垂直に透設されている。また、噴射口4の更に前方にはノズル11が挿着され、エアゾール容器50の内容物はステム嵌合筒16から噴射経路17を通り、噴射口4を経てノズル11から外部へ噴射される。
一方、噴射口4の反対側、ボタン部5の後方底部からはステム嵌合筒16と垂直に上面視略長方形状(図3参照)の凸部3が形成されている。またボタン部5の上面には押圧面15が形成され、押圧面15は噴射口4側からボタン部5の凸部3側に向かって緩やかな下り傾斜の斜面となっている。
なお、本実施形態においてボタン部5とキャップ部10とは薄厚の接合部18によって一体構造となっている。このような薄厚の接合部18を設けることによって、接合部18がボタン部5の揺動の支点となり比較的小さな力でステム7を押下でき噴射状態への切替えが容易である。また、ボタン部5とキャップ部10とを一体に形成することによって、噴射機構30の部品点数が少なくなるので製造コストを廉価にでき、組み立て工程も少なくなる。
次に、係合片6の構造について説明する。
係合片6は断面視略への字形状を有し、係合片6の後端6b側の幅方向両端からはへの字の短辺6cと平行に略台形形状の支持板8、8が設けられている。非噴射状態において、係合片6はへの字の短辺6cがボタン部5のステム嵌合筒16と平行に位置するよう配置されている(図5参照)また、係合片6の支持板8には図示せぬ軸穴が設けられている。軸穴に軸20を挿通させ軸20の両端をキャップ部10側に設けられた図示せぬ挿入孔に挿入することによって軸20を中心に回動可能な状態でキャップ部10に装着されている(図3及び図5参照)。
ここで、本実施形態においてキャップ部10に係合片6を装着させるために、軸20と図示せぬ軸穴及び挿入孔とを用いたがこれらの手段に限られるものではない。例えば、支持板8、8の外側にピンを設け、キャップ部10側にピン穴を設ければピンをピン穴に挿入するだけでキャップ部10に係合片6を装着させることも可能である。
また、係合片6のへの字の長辺6dは湾曲しておりキャップ部10の内部方向に向かって湾出するよう装着されている。従って、ボタン部5の押圧部15を指で押圧し噴射状態にする際には指の裏側と長辺6dが心地良くフィットし操作性に優れた噴射機構30を提供することができる。
なお、図3及び図7に示すように係合片6の非回動状態において、係合片6の長辺6dと前述したストッパー部9、9は凹凸なく滑らかな曲面を形成しているため指を添えやすくなっている。すなわち、ストッパー部9、スリット部21、長辺6d、スリット部22、ストッパー部9の順に交互に重なりあっている。
以上、上述したように構成される本発明に係るエアゾール容器用噴射装置30の作用効果を図6〜図11に基づいて説明する。図6は本発明に係るエアゾール噴射装置30の通常の噴射状態を示す断面図である。図7〜図11は噴射維持状態に至るまでの状態を所定時間間隔で示した断面図である。
まず、図7の非噴射状態から図6の通常使用状態に移行する場合を説明する。
使用者がキャップ部10の指先案内凹部12b側から少なくとも一本の指を挿入し、指先をボタン部5の押圧部15に添える。次に、矢印F方向から押圧部15を押圧し、ボタン部5を押し下げる。このときボタン部5は接合部18を支点として揺動する。これにより、押圧部15よりも接合部18(支点)により近いところに位置するステム7を比較的小さな力で押下することが可能である。
次に、図7の非噴射状態から係合片6を使って噴射維持状態に移行する場合を説明する。
まず、使用者はキャップ部10の切欠部14に誘導されながら少なくとも一本の指で係合片6を起こし始めると、係合片6の短辺6cがボタン部5の凸部に当接する(図8参照)。係合片6の短辺6cがボタン部5の凸部に当接した後、さらに係合片6を矢印R方向に回動するとボタン部5が接合部18を支点として揺動し、矢印P方向に押し下がり始める。このときボタン部5の押し下げとともにステム7も押し下げられる(図9参照)。
さらに、係合片6を矢印R方向に回動すると係合片6の支持板8の先端部8a、8aがストッパー部9の先端部の円弧状の凸部9a、9aに当接する(図10参照)。先端部8a、8aが円弧状の凸部9a、9aを乗り越えると係合片6の付勢力に抗して先端部8aと円弧状の凸部9a、先端部8aと円弧状の凸部9aとが係合し、ボタン部5を傾斜した状態に維持する。すなわち、ステム7を押下した状態で維持するので噴射口4からの噴射状態を維持することが可能となる(図11)。
なお、図11に示した噴射維持状態は、係合片6の先端部6aを摘んで矢印Rと反対方向に回動させることによって、解除することが可能である。すなわち、噴射機構30の噴射維持状態と非噴射維持状態との切替えを複数回にわたって行うことが可能である。
以上、説明したように、本実施形態の噴射機構によれば、通常の噴射状態において、指先案内凹部12bはボタン部5を押下する際、使用者の指を誘導する部位となっているので、指先案内凹部12bに少なくとも1本の指を添えれば容易にボタン部5を押下することが可能である。
また、本実施形態において指先案内凹部12bは噴射ガス案内凹部12aよりも幅広の凹部を形成している。この様に形成することによって、幅狭の噴射ガス案内凹部12aには指を添えにくいので、誤って使用者が噴射ガス案内凹部12a側から指を添えてボタン部5を押下し、エアゾール容器50内部のガスを使用者自身に噴射してしまうという虞がなくなる。
また、本実施形態においてキャップ部10に切欠部14を設けることによって係合片6を起こし上げる際の誘導部位となり、先端部6aに容易に指を引っ掛けることが可能である。
また、本実施形態においてストッパー部9、9をコの字形状にすることによってストッパー部9に弾性特性をもたせることができ、支持板8,8の先端部8a、8aと凸部9a、9aとを比較的容易に係合状態あるいは非係合状態に切り替えることが可能となる。さらに、係合片6の先端部6aを摘んで矢印Rと反対方向に回動させることによって、比較的容易に噴射維持状態を解除することが可能である。従って、噴射機構30の噴射維持状態と非噴射維持状態との切替えを複数回にわたって行うことが可能である。
また、本実施形態においてボタン部5とキャップ部10とは薄厚の接合部18によって一体構造となっている。このような薄厚の接合部18を設けることによって、接合部18がボタン部5の揺動の支点となり比較的小さな力でステム7を押下でき噴射状態への切替えが容易である。
本実施形態における噴射機構の正面図である。 本実施形態における噴射機構の背面図である。 本実施形態における噴射機構の上面図である。 本実施形態における噴射機構のA−A´線断面図である。 本実施形態における噴射機構の底面図である。 本実施形態における噴射機構の通常噴射状態を示す図である。 本実施形態における噴射機構の非噴射状態を示す図である。 本実施形態における噴射機構において係合片を起こし始めたときの断面図である。 本実施形態における噴射機構においてボタン部が下がり始めたときの断面図である。 本実施形態における噴射機構において係合片とストッパー部が当接したときの断面図である。 本実施形態における噴射機構の噴射維持状態を示す図である。
符号の説明
3 凸部
4 噴射口
5 ボタン部
6 係合片
6c 短辺
7 ステム
8 支持板
8a 先端部8a
9 ストッパー部
9a 凸部9a
10 キャップ部
15 押圧面
16 ステム嵌合筒
18 接合部
20 軸
30 噴射機構
50 エアゾール容器


Claims (6)

  1. ボタン部を押下することによってステムを押下させ内容物を噴射するエアゾール容器に嵌合される噴射機構であって、
    前記エアゾール容器に嵌合させる嵌合手段を備えたキャップ部と、
    前記内容物を噴射する噴射口のほぼ反対側に突設した凸部を備えたボタン部と、
    前記凸部と係合する前記キャップ部の一部に設けられた係合片と、を有し、
    前記係合片は前記キャップ部に回動可能に支持され、前記係合片を回動させ前記凸部と係合させて前記ボタンを斜めに押し下げることによって前記ステムを押下し、前記ステムを押下位置に保持することを特徴とする噴射機構。
  2. 前記キャップ部は、前記係合片と対向する位置にストッパー部を有し、
    前記係合片の一端には支持板が設けられ、前記支持板を前記ストッパー部に係合させて前記ボタンを斜めに押し下げることによって前記ステムを押下し、前記ステムを押下位置に保持することを特徴とする請求項1に記載の噴射機構。
  3. 前記ストッパー部はコの字形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の噴射機構。
  4. 前記ボタン部と前記キャップ部とが一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の噴射機構。
  5. 前記係合片は、緩やかな湾曲形状を有していることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の噴射機構。
  6. 前記請求項1〜請求項5の何れかに記載の噴射機構を備えたことを特徴とするエアゾール噴射機構。

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