JP2007000722A - 化学物質処理システムおよび化学物質処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排出物に含まれる処理対象の化学物質の含有量を簡便に特定し、特定された化学物質の含有量に対応する適正な処理薬品の量を導いて処理を行わせることができる化学物質処理システムおよび化学物質処理方法を提供すること。
【解決手段】 化学物質処理システム10は、複数の製造設備のそれぞれから排出される排水の単位排水量と該単位排水量に含まれる少なくとも1種の化学物質の含有量とをデータとして記憶する記憶部12と、複数の製造設備の各装置制御部2a,2b,2cに接続して複数の製造設備の稼働状態を稼動時刻と稼動時間を含む情報として検出する稼動検出部14と、処理される所定量の排水に含まれる少なくとも1種の化学物質の総含有量を記憶部12に記憶されたデータと稼動状態の情報とから演算し、求められた化学物質の総含有量に対する少なくとも1種の処理薬品の適量を化学反応式に基づいて演算する演算部11とを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、処理対象の化学物質が含まれる産業系排出物の化学物質処理システムおよび化学物質処理方法に関する。
半導体等の製造業においては、地球環境問題に対応して製造工程から排出される排出物(排気ガス、廃液、排水など)について、環境基準法(大気汚染防止法、水質汚濁防止法など)に基づいて化学物質の処理が行われている。また、処理後に回収された反応物や汚泥などの廃棄物についても、リサイクル(Recycle)、再利用(Reuse)、削減(Reduce)、いわゆる3Rを通じて地球環境を保全しようとする活動が盛んに行われている。
例えば、半導体ウェハ等のエッチング工程では、フッ化水素を主成分とするエッチング剤が多量に用いられている。このようなフッ素が含まれる排出物(廃液、排水など)を適正に処理する方法として、水酸化カルシウムCa(OH)2や炭酸カルシウムCaCO3などのカルシウム化合物を廃液に添加してフッ化カルシウムCaF2として沈殿したものを回収除去する方法が知られている(特許文献1)。
また、このような廃液をより効率よく処理できる廃液処理装置として、除去対象物(フッ素)との化学反応によって回収可能な反応生成物(フッ化カルシウム)を生成する反応剤(炭酸カルシウム)が収容された複数の反応室と、複数の反応室に亘って廃液が通過する流路と、各反応室間の反応剤の移動を規制する移動規制手段とを有する反応槽を備えた廃液処理装置が知られている(特許文献2)。
沈殿物あるいは反応生成物として回収除去されたフッ化カルシウムを含む汚泥は、従来埋め立て処理されていたが、例えば、セメントと混ぜ合わされてコンクリートとして再資源化が図られている。
特開平5−253578号公報 特開2005−87870号公報
上記従来の廃液処理方法に基づく廃液処理装置を含めた処理設備では、複数の製造設備から排出される廃液としての排水の総量を想定し処理薬品が投入されていた。複数の製造設備から排出される排水の総量は、複数の製造設備の稼動状況によって変化する。また、排水に含まれる処理対象の化学物質の含有量は、複数の製造設備ごとに異なる場合がある。したがって、排水中に含まれる処理対象の化学物質の正確な含有量が不明のまま、凡その処理薬品を投入すると、過剰な処理薬品が無駄になり、これに対応する反応生成物や反応生成物を含んだ汚泥が過剰に発生してしまうという課題を有している。
また、処理薬品の量を適正化するために排水中の処理対象の化学物質の正確な含有量を常時検出しようとすれば、処理設備が複雑となり、設備投資が増大するという課題も有している。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、排出物に含まれる処理対象の化学物質の含有量を簡便に特定し、特定された化学物質の含有量に対応する適正な処理薬品の量を導いて処理を行わせることができる化学物質処理システムおよび化学物質処理方法を提供することを目的とする。
本発明の化学物質処理システムは、複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物の単位排出量と単位排出量に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の含有量とをデータとして記憶する記憶部と、複数の製造設備の稼動状態を稼動時刻と稼動時間を含む情報として検出する稼動検出部と、化学物質が処理される処理部に排出された排出物に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の総含有量を、記憶部に記憶されたデータと排出物が処理部に所定量貯留されるに要した時間に対応する稼動検出部の検出情報のうち複数の製造設備の稼動時間とに基づいて演算すると共に、化学物質の総含有量に対して反応させる少なくとも1種の処理薬品の適量を化学反応式に基づいて演算する演算部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、記憶部には、複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物の単位排出量が記憶され、稼動検出部は、複数の製造設備の稼動時間を稼動時刻と共に検出している。したがって、所定量の排出物が処理部に貯留された時刻と所要時間が判明すれば、演算部は、処理部に貯留された所定量の排出物のうち、複数の製造設備のそれぞれから排出された排出量を、所定量の排出物が処理部に貯留開始された時刻から貯留が終了した時刻の間の所要時間に複数の製造設備が稼動していた稼動時間と単位排出量とから求めることができる。そして、記憶部には、単位排出量に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の含有量が記憶されているので、複数の製造設備のそれぞれから排出された排出量が求められれば、演算部は、処理部に貯留された所定量の排出物に含まれる化学物質の総含有量を演算することができる。したがって、複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物に含まれる化学物質の含有量を計量する手段を用いずに化学物質の総含有量を推定して、簡便に化学反応式に基づいて対応する処理薬品の適量を導くことができる。ゆえに、このような化学物質処理システムを用いれば、複数の製造設備から排出される排出物の排出量や含まれる化学物質の種類、含有量がそれぞれ異なっていても、また、稼動状態によってこれらの算出データの要素が変化しても、ほぼ適正な処理薬品の量を算出して、排出物に含まれる化学物質の処理を行わせることができる。
また、上記処理部には、あらかじめ少なくとも1種の処理薬品が複数回の処理が可能な量で投入されており、演算部は、化学物質の総含有量に対して反応させる少なくとも1種の処理薬品の適量を、あらかじめ投入された少なくとも1種の処理薬品の消費量として化学反応式に基づいて演算すると共に、1回ごとに算出された該消費量を累積して総消費量を求めることを特徴とする。
この構成によれば、演算部は、処理部に貯留された所定量の排出物に含まれる化学物質の総含有量を演算し、該化学物質の総含有量に対して反応させる少なくとも1種の処理薬品の適量を、あらかじめ投入された少なくとも1種の処理薬品の消費量として演算する。したがって、複数回の処理を繰り返し行うことができ、処理部にあらかじめ投入された処理薬品と排出物に含まれた化学物質との化学反応による処理薬品の総消費量が求められるので、処理薬品が不足した状態で、排出物の処理が行われるようなことを低減することができる。すなわち、処理ごとに処理薬品を投入せずとも、あらかじめ投入された処理薬品を有効に使用して排出物の処理を効率的に行わせることができる化学物質処理システムを提供することができる。
また、上記演算部は、求められた総消費量に基づいて、少なくとも1種の処理薬品と化学物質との化学反応による反応生成物の回収時期に到達したか否かを判定することを特徴とする。
この構成によれば、総消費量が求められれば、演算部は、残存する処理薬品の量を算出することが可能となる。反応生成物は、処理薬品の総消費量に応じて増加してゆくが、残存する処理薬品の量が少なくなれば、化学反応が進み難くなり排出物の処理の効率が低下するので、最低限の処理薬品の残存量をあらかじめ設定しておけば、反応生成物の回収時期に到達したか否かを判定することが可能となり、より効率的に排出物の処理を行わせることができる。
本発明の他の化学物質処理システムは、複数の製造設備のそれぞれから排出される少なくとも1種の処理対象の化学物質を含んだ排出物を、複数回の処理が可能な量の少なくとも1種類の処理薬品が充填された第1の処理部に所定量注入して処理し、処理された排出物を第2の処理部において再び少なくとも1種類の処理薬品を投入して処理する化学物質処理システムであって、複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物の単位排出量と単位排出量に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の含有量とをデータとして記憶する記憶部と、複数の製造設備の稼動状態を稼動時刻と稼動時間を含む情報として検出する稼動検出部と、第1の処理部に排出された排出物に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の総含有量を、記憶部に記憶されたデータと排出物が第1の処理部に所定量貯留されるに要した時間に対応する稼動検出部の検出情報のうち複数の製造設備の稼動時間とに基づいて演算し、該化学物質の総含有量に対して反応させる処理薬品の適量を消費量として化学反応式に基づいて演算すると共に、第1の処理部で処理された排出物に含まれる未反応な化学物質の量を、第1の処理部における化学反応の収率と処理薬品の消費量との関係から推定して第2の処理部に投入する処理薬品の投入量を演算する演算部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、演算部は、第1の処理部に排出された排出物に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の総含有量を、記憶部に記憶されたデータと排出物が第1の処理部に所定量貯留されるに要した時間に対応する稼動検出部の検出情報のうち複数の製造設備の稼動時間とに基づいて演算する。そして、求められた化学物質の総含有量に対して反応させる処理薬品の適量を消費量として化学反応式に基づいて演算する。1回の処理では、必ずしも100%の化学反応が起こって化学物質が処理されない。よって、未反応な化学物質の量を、第1の処理部における化学反応の収率と処理薬品の消費量との関係から推定して第2の処理部に投入する処理薬品の投入量を演算する演算部を備えているため、排出物に含まれる化学物質をより適正に処理して環境に影響を及ぼすことのない水準まで低減することができる化学物質処理システムを提供することができる。
また、上記演算部は、排出物が複数の製造設備から排出され処理部に到達するまでの時間を遡って複数の製造設備の稼動時間を特定し、排出物の所定量に含まれる化学物質の総含有量を演算することが好ましい。複数の製造設備から排出される排出物が処理部に到達するまでに要する時間は、複数の製造設備と処理部とがどのような仕様の配管等で繋がれているかによって変わってくる。よって、所定量の排出物に占める各製造設備から排出された排出量も変化する。この構成によれば、演算部は、排出物が複数の製造設備から排出され処理部に到達するまでの時間を遡って複数の製造設備の稼動時間を特定することによって、所定量の排出物に占める各製造設備から排出された排出量を求めることができる。
すなわち、より適正に所定量の排出物に含まれる化学物質の総含有量を推定することができる化学物質処理システムを提供することができる。
また、上記複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物の排出量を排出した時刻と共に計量する計量手段をさらに備え、演算部は、排出物の所定量のうち複数の製造設備のそれぞれから排出された排出量を計量手段の計量結果と稼動時間とを基に特定することが好ましい。この構成によれば、所定量の排出物が処理部に貯留されるに要した時間に対応する各製造設備が実際に稼動した稼動時間に、実際に排出した排出物の排出量を計量手段を用いて特定することができる。ゆえに、より正確に所定量の排出物に占める各製造設備から排出された排出量を特定して、より適正な量の処理薬品と化学反応させて排出物を処理することができる化学物質処理システムを提供することができる。
本発明の化学物質処理方法は、複数の製造設備から排出される少なくとも1種の処理対象の化学物質を含む排出物に対して、少なくとも1種の処理薬品を投入して化学反応させ処理する化学物質処理方法であって、上記発明の化学物質処理システムを用い、化学物質が処理される処理部に排出された排出物の所定量のうち複数の製造設備のそれぞれが排出した排出物の排出量を、記憶部に記憶された単位排出量と排出物が処理部に所定量貯留されるに要した時間に対応する稼動検出部の検出情報のうち複数の製造設備の稼動時間とから求める第1のステップと、求められた排出量と記憶部に記憶された単位排出量に含まれる少なくとも1種の化学物質の含有量とに基づいて、排出物の所定量に含まれる少なくとも1種の化学物質の総含有量を求める第2のステップと、少なくとも1種の化学物質と少なくとも1種の処理薬品との化学反応式に基づいて化学物質の総含有量に対応する処理薬品の適量を求める第3のステップと、所定量の排出物に適量の処理薬品を投入する第4のステップと、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、化学物質処理システムの記憶部には、複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物の単位排出量と、該単位排出量に含まれる少なくとも1種の化学物質の含有量とがデータとして記憶されている。第1のステップでは、化学物質処理システムの演算部は、処理部に貯留された所定量の排出物のうち、複数の製造設備のそれぞれから排出された排出量を、所定量の排出物が処理部に貯留開始された時刻から貯留が終了した時刻の間の所要時間に複数の製造設備が稼動していた稼動時間と単位排出量とから求められる。第2のステップでは、第1のステップで求められた複数の製造設備のそれぞれが排出した排出物の排出量と該単位排出量に含まれる少なくとも1種の化学物質の含有量とから、所定量の排出物に含まれる化学物質の総含有量を演算部により演算して推定する。第3のステップでは、求められた化学物質の総含有量に対応する処理薬品の適量を、化学物質と処理薬品との化学反応式を基に演算部により演算させて適正に求めることができる。よって、第4のステップで該適量の処理薬品を排出物に投入すれば、過剰な処理薬品を投入せずに化学物質の処理を行うことができる。ゆえに、過剰な処理薬品により、反応生成物の含有量の割に処理薬品の含有量が多い汚泥が過剰に発生することを低減することができる。すなわち、汚泥の量が低減され、環境負荷を少なくすることができる化学物質処理方法を提供することができる。
また、上記第1のステップでは、排出物が複数の製造設備から排出され処理部に到達するまでの時間を遡って、複数の製造設備のそれぞれの稼動時間を特定し、所定量のうち複数の製造設備のそれぞれが排出した排出物の排出量を求めることが好ましい。
この方法によれば、第1のステップでは、化学物質処理システムの演算部が、処理部に貯留された排出物が複数の製造設備から排出され処理部に到達するまでに要する時間を考慮し、処理部に所定量の排出物の貯留が終了した時刻から遡って、複数の製造設備のそれぞれの稼動時間を特定する。したがって、複数の製造設備の稼動時間がそれぞれ異なっていても、所定量の排出物に占める複数の製造設備ごとに排出された排出物の排出量を正確に求めることができる。よって、排出物に含まれる化学物質の総含有量をより正確に演算部により演算させて、対応する処理薬品の適量をより正確に求めることができる。ゆえに、過剰な処理薬品により、反応生成物の含有量の割に処理薬品の含有量が多い汚泥が過剰に発生することをより低減することができる。すなわち、汚泥の量がより低減され、環境負荷をより少なくすることができる化学物質処理方法を提供することができる。
また、本発明の化学物質処理方法は、上記排出物を貯留する少なくとも第1の処理部と第2の処理部とを有し、第4のステップは、複数回の処理が可能な量の処理薬品があらかじめ投入された第1の処理部に、化学物質を含む排出物を所定量導入して処理薬品と化学反応させて処理を行う第5のステップと、上記第3のステップで求めた適量をあらかじめ投入された処理薬品の消費量とし、処理薬品の薬品残存割合に対する化学反応の収率とに基づいて未反応な化学物質の量を求める第6のステップと、求められた未反応な化学物質の量に対して、化学反応式に基づいて処理薬品の適量を求め、第5ステップで処理された排出物を第2の処理部に導入し、該適量の処理薬品を投入して化学反応させ処理を行う第7のステップとを含むことを特徴とする。
この方法によれば、第5のステップでは、第1の処理部で化学物質を含む排出物と処理薬品とを反応させる。第6のステップでは、第3のステップで求めた適量をあらかじめ投入された処理薬品の消費量とすることによって、残存する処理薬品の量が推定でき、処理薬品の薬品残存割合に対する化学反応の収率とに基づいて第5のステップの化学反応における未反応な化学物質の量を求めることができる。第7のステップでは、未反応な化学物質を含む排出物を第2の処理部に移して再び適量の処理薬品を投入して化学反応させる処理が行われる。したがって、一つの処理部で処理する場合に比べて、排出物は化学物質がより低濃度な状態となるように処理されるので、より環境にやさしい化学物質処理方法を提供することができる。
また、上記第5ステップの化学反応において得られる反応生成物を、処理薬品の薬品残存割合に基づいて、分離回収するか否かの判定を行う第8のステップを備えることが好ましい。
この方法によれば、第3のステップで求めた適量をあらかじめ投入された処理薬品の消費量とすることによって、残存する処理薬品の量が推定でき、処理薬品の薬品残存割合が判明する。反応生成物は、処理薬品の総消費量に応じて増加してゆくが、残存する処理薬品の量が少なくなれば、化学反応が進み難くなり排出物の処理の効率が低下するので、処理薬品の薬品残存割合に基づいて、反応生成物の分離回収をするか否かを判定することにより、処理薬品の薬品残存割合に対応した所望の濃度の反応生成物を適正な時期に回収することができる化学物質処理方法を提供することができる。
また、上記処理対象の化学物質がフッ化物であり、処理薬品としてカルシウム化合物を用いることを特徴とする。この方法によれば、複数の製造設備から排出されるフッ化物を含んだ排出物を適正な量のカルシウム化合物と反応させ、フッ化物に含まれるフッ素をフッ化カルシウムとして回収して再利用を図ることができると共に、過剰なカルシウム化合物を投入することなく、フッ化カルシウムの含有量の割にカルシウム化合物の含有量が多い汚泥が過剰に発生することを低減することができる。
本発明の実施形態は、半導体等の製造におけるエッチング等の工程から排出される処理対象の化学物質を含む排水を処理する排水処理設備に用いられた化学物質処理システムおよび化学物質処理方法を例に説明する。排水は、エッチング剤として用いられるフッ酸、フッ化アンモニウムなどのフッ化物を含んでいる。処理対象の化学物質は、フッ化物である。
(排水処理設備)
まず、本発明が適用された排水処理設備について図1を基に説明する。図1は、排水処理設備の構成を示す概略図である。
図1に示すように、排水処理設備100は、製造ライン1から排出されるフッ化物を含んだ排水(原水)が貯留される原水槽101と、排水に処理薬品を加えて化学反応を起こさせる第1の処理部としての反応槽107と、反応槽107で処理された排水に再び処理薬品を投入して処理を行う第2の処理部としての反応槽110と、反応槽110で処理された排水を下水放流可能な状態に処理する硝化脱窒素装置113、中和装置115とを備えている。また、2つの反応槽107,110にそれぞれ処理薬品を投入する薬品投入部117,118を備えている。
製造ライン1は、例えば、エッチング装置や洗浄装置等の3つの製造設備A,B,Cを含むものである。各製造設備A,B,Cから排出される化学物質を含んだ排水は、フッ酸、フッ化アンモニウムなどのフッ化物を含有するエッチング剤(液)やエッチング後のリンス等に用いられる純水を含むものである。排水は、各製造設備A,B,Cから配管を通じて原水槽101に排出される。
反応槽107には、処理薬品として炭酸カルシウム(CaCO3)が充填されており、原水槽101からポンプ102を用いて移送された排水と化学反応させ、排水中のフッ化物のフッ素を反応生成物であるフッ化カルシウム(CaF2)として分離回収する。処理される排水は、原水槽101から所定量が循環槽104に送り込まれると、バルブ103が閉じられて、循環槽104と配管によって接続された反応槽107との間でポンプ105により圧送され循環する。また、反応槽107の下方からバルブ106を通じて注入され、その噴流によって粉体である炭酸カルシウムを攪拌するように混ぜ合わされる。所定の時間、排水を循環させることにより炭酸カルシウムと化学反応が行われる。
反応槽110は、反応槽107で処理された排水に再び処理薬品として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を加えて化学反応させると共に、凝集剤PAC(Poly Alminum Chloride)を加えて反応生成物を凝集沈殿させ、汚泥として分離回収するものである。
すなわち、化学物質が高濃度で含まれる排水を反応槽107で処理薬品と反応させ、高い収率で得られた反応生成物としてのフッ化カルシウムを資源として再生、再利用を図ろうとするものである。また、反応槽107で処理された排水は、必ずしも含有する化学物質が処理薬品と100%反応しないので、未反応な化学物質を低濃度な状態で含んでいる。よって、排水を水質汚濁防止法等の環境基準に適合させて下水放流可能な状態とするため、反応槽110に導いて再び処理薬品を投入して反応させる。これにより未反応な化学物質は、反応生成物を含んだ汚泥として回収除去される。
化学物質が回収された排水には、この場合、アンモニア性窒素が含まれている。硝化脱窒素装置113は、このアンモニア性窒素を生物化学的な処理方法、例えば、亜硝酸菌及び硝酸菌の働きで亜硝酸性窒素ないし硝酸性窒素に転換する。そして排水中のBOD(Biochemical Oxygen Demand;生物化学的酸素要求量)を水素供与体として亜硝酸性窒素ないし硝酸性窒素が還元され、排水中の窒素化合物を窒素ガスとして排出する。
中和装置115では、脱窒素処理された排水のpHを計測し、下水放流可能な状態となるように中和剤として硫酸(H2SO4)水溶液あるいは水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を加え、排水を中和して中性とする。
各製造設備A,B,Cから排出される排水中のフッ化物の総含有量すなわちフッ素の総含有量は、各製造設備A,B,Cで用いられるフッ化物の量や各製造設備A,B,Cの稼動状態により変化する。排水処理設備100は、排水中のフッ化物と処理薬品とを化学反応させ、反応生成物あるいは汚泥として処理対象の化学物質からフッ素を回収除去する設備である。したがって、実際のフッ素の総含有量に対して、前述の処理薬品を過剰に用いると反応生成物の含有量の割に処理薬品の含有量が相対的に多い汚泥が過剰に発生することになる。本実施形態の化学物質処理システムは、このような過剰な汚泥が発生することを、排水中のフッ素の総含有量を直接検出するような機構、方法を用いずに簡便に特定して、低減しようとするものである。
この場合、排水処理設備100の各槽の容量は、排水の重量換算で原水槽101がおよそ20t、反応槽107がおよそ15t、反応槽110がおよそ10t、循環槽104がおよそ10tである。尚、これらの容量は、複数の製造設備から排出される最大排水量から設計上の値を決めている。また、排水中に含まれる化学物質の種類等によって、対応する規模の排水処理設備を複数設けてもよい。
(化学物質処理システム)
本実施形態の化学物質処理システムについて図2を基に説明する。図2は、化学物質処理システムの電気的あるいは機械的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の化学物質処理システム10は、製造ライン1と排水処理設備100の稼動状態を監視する中央監視システム20の相方に係るシステムである。
化学物質処理システム10は、複数の製造設備A,B,Cのそれぞれから排出される排出物としての排水(廃水)の各単位排水量(kg/H)と、この各単位排水量(単位排出量)に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質(フッ化物)の含有量をフッ素に置き換えたF含有率(F濃度)fa,fb,fc(ppm)とをデータとして記憶する記憶部12を備えている。また、循環槽104に排出された排水の所定量W(kg)に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の総F含有量Fw(kg)を記憶部12に記憶されたデータに基づいて演算すると共に、化学物質の総F含有量Fwに対して反応させる2つの処理薬品(炭酸カルシウム、水酸化カルシウム)の適量を化学反応式や収率R(%)に基づいて演算する演算部11を備えている。また、各製造設備A,B,Cの稼動状態の情報を検出する稼動検出部14と、稼動検出部14が検出した情報を逐次記憶する記憶部13と、記憶部12,13にデータを入力可能な入力部15とを備えている。また、各製造設備A,B,Cから実際に排出される排水の排出量を排水された時刻と共に計量する計量手段16を備えている。
各製造設備A,B,Cの稼動状態の情報は、例えば、オペレータの入力データ(F含有量を特定できるデータ)、オペレータの入力データに基づき実際に各装置制御部2a,2b,2cが各製造設備A,B,Cを稼動させた時間および時刻データ(稼動履歴データ)が挙げられる。また、各製造設備A,B,C毎に複数の運転モード(単位排水量当たりのF含有量が異なるモード)がある場合は、運転モードの情報も稼動状態の情報としてデータに含まれる。さらには、使用するエッチング剤を純水等で調整する場合は、エッチング剤(F濃度既知)や純水等の希釈剤の流量をデータとしてもよい。尚、当該流量は、バルブの開度などのデータでもよい。配管の径が既知であればバルブの開度によって流量が算出可能である。
このような各製造設備A,B,Cの稼動状態の情報は、各装置制御部2a,2b,2cと化学物質処理システム10のコンピュータシステムがネットワーク回線で接続され、該当するデータを送信して受信することによって入手している。尚、計量手段16を化学物質処理システム10と直接に結ばずに、各製造設備A,B,C側に配置して、計量手段16の計量結果が各装置制御部2a,2b,2cから送信され稼動検出部14が受信するようにしてもよい。
中央監視システム20は、原水槽101(図1参照)に流入する排水(原水)の量を時刻と共に検出する原水検出部21と、各薬品投入部117,118に接続して処理薬品の投入を制御する薬品投入制御部22と、排水処理設備100に設けられた各ポンプの駆動およびバルブの開閉を制御するポンプ・バルブ制御部23とを備えている。また、排水処理設備100の反応槽107などの各槽・装置の排水の水位や反応生成物、汚泥の堆積状態を監視する槽監視部24と、pH計26やFイオン計27等を用いて放流水の監視を行う放流水監視部25とを備えている。
演算部11は、CPUと通信用のインターフェイスを備えており、原水検出部21、薬品投入制御部22、ポンプ・バルブ制御部23と電気的に接続されている。
演算部11は、原水検出部21が検出した排水の量に応じて制御信号をポンプ・バルブ制御部23に送り、バルブ103を開閉させると共にポンプ102を駆動させて所定量の排水(原水)を循環槽104に送り込む。反応槽107で1回に処理可能な排水量は、およそ5tである。5tの排水が原水槽101に貯留される所要時間は、各製造設備A,B,Cの稼動状態により変化する。また、各製造設備A,B,Cから排出された排水が原水槽101にたどり着くに要する時間Dtは、各製造設備A,B,Cから排出される単位排水量(kg/H)や、原水槽101までの配管の内径、距離、高低差によっても左右される。時間Dtもデータとして入力部15から入力され記憶部12あるいは13に記憶されている。
演算部11は、稼動検出部14が検出した各製造設備A,B,Cの稼動履歴(稼動時刻や稼動時間など)と、記憶部12に記憶された各製造設備A,B,Cのデータと、に基づいて反応槽107に導入される排水中に含まれる化学物質(フッ化物)の総F含有量Fwを演算する。このとき、各製造設備A,B,Cから排出された排水が原水槽101にたどり着くに要する時間Dtを考慮して、各製造設備A,B,Cから当該排水が排出された時刻を遡って、各製造設備A,B,Cの稼動時間を特定して演算する。具体的には、バルブ103が開かれポンプ102が駆動されて循環槽104に排水されるときの原水槽101の排水中の総F含有量Fwを知るために、そのときまでに原水槽101に流入した排水の履歴を各製造設備A,B,Cまでたどって調べる。これにより反応槽107に送り込まれる排水中に含まれる化学物質(フッ化物)の総F含有量Fwをより正確に推定して、対応する処理薬品としての炭酸カルシウムの適量(消費量Cv)を演算する。この場合、処理薬品としての粉体の炭酸カルシウムは、複数回の処理に対応することが可能な量があらかじめ反応槽107に投入されている。よって、反応生成物としてのフッ化カルシウムは、毎回の処理ごとに回収するのではなく、複数回の処理後に回収される。したがって、実際には、炭酸カルシウムの投入量C1はいつも5tとし、消費量Cvから求められる処理薬品の薬品残存割合(X)と収率R(%)との変化を演算により推定し、収率R(%)に関係する薬品残存割合(X)が所定値まで下がれば、反応生成物の回収時期(薬品入れ替え時期)に到達したと判断する。当然のことながら、薬品残存割合(X)は、排水中のフッ化物濃度(フッ素濃度)と処理回数、すなわち処理薬品の総消費量に依存する。
反応槽107で処理された排水は、バルブ106を閉じ、バルブ109を開けてポンプ105を稼動させることにより、反応槽110に移送される。
演算部11は、反応槽110に移送された排水中に含まれる未反応な化学物質(フッ化物)の含有量を、先の反応槽107における処理開始前のF含有率と収率R(%)に基づいて演算する。そして、求められた未反応な化学物質(フッ化物)の含有量に対する処理薬品としての水酸化カルシウムの適量な投入量C2を演算する。また、同時に水酸化カルシウムの投入量C2に対して対応する凝集剤PACの投入量を演算する。総F含有量Fwは、先の循環槽104および反応槽107における処理開始前の排水のF含有率(F濃度)が、各製造設備A,B,Cの稼動履歴にまで遡って比較的正確に推測されているので、反応槽110に導入された排水中に含まれる未反応な化学物質の量を、より正確に推定して処理薬品としての水酸化カルシウムの投入量C2を演算することが可能である。
反応槽110では、低濃度な化学物質が含まれた排水を処理するため、反応生成物のフッ化カルシウムを凝集剤PACによって凝集沈殿させ、沈殿物は、所定の反応時間をおいて、バルブ111を開くことにより汚泥として回収される。処理薬品としての水酸化カルシウムや凝集剤PACは、適量が投入されるため、処理によって過剰な汚泥が発生しにくい。
処理対象の化学物質(フッ化物)が2つの反応槽107,110にて処理された排水には、アンモニア性窒素が含まれているため、硝化脱窒素装置113に導入されて処理される。その後、バルブ114を開閉して中和装置115に送り、pH調整され下水放流される。
中央監視システム20の放流水監視部25は、中和装置115内に設けられたpH計26により放流水のpHを常時監視すると共に、同じく設けられたFイオン計27によって放流水中のFイオン濃度を検出して記録監視している。
(化学物質処理方法)
次に化学物質処理システム10を用いた化学物質処理方法について、図3〜図9を基に具体的に説明する。
図3は、一方の化学物質処理方法を示すフローチャートである。詳しくは、第1反応槽(反応槽107)を用いて処理される排水の化学物質処理方法を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施形態の一方の化学物質処理方法は、原水槽101に排出された処理対象の排水の総排水量W(所定量)に対して、複数の製造設備A,B,Cのそれぞれから排出した排水の排水量Wa,Wb,Wcと、各排水量Wa,Wb,Wcに含まれる化学物質(フッ化物)の含有率fa,fb,fcとを基に、総排水量Wに含まれる化学物質(フッ化物)の総F含有量Fwを求める工程を備えている。また、化学物質(フッ化物)と処理薬品(炭酸カルシウム)との化学反応式に基づいて、総F含有量Fwに対応する処理薬品の消費量Cvを求める工程を備えている。
図3のステップS1は、循環槽104に原水を注入する工程である。ステップS1では、原水槽101に貯留された排水(原水)をポンプ102によって循環槽104に所定量注入する。この場合、反応槽107で1回に処理可能な排水量は、おおよそ5tであるため、演算部11は、原水検出部21により排水が原水槽101に5t程度貯留された検出信号を受けて、ポンプ・バルブ制御部23に制御信号を送り、バルブ103を開くと共にポンプ102を駆動させて所定量の排水を循環槽104に注入する。所定量の排水の注入が終了するとバルブ103を閉じてポンプ102を停止させる。そして、ステップS2へ進む。
図3のステップS2は、循環槽104に注入された排水のpHを調整する工程である。化学物質(フッ化物)を含む排水に処理薬品として炭酸カルシウムを加えて反応生成物としてフッ化カルシウムを得る化学反応においては、排水がフッ化物以外の例えば硝酸などの酸を含んでいる場合、反応生成物が硝酸などの酸によって再び溶解してしまうという問題がある。また、pHが高い場合、炭酸カルシウムとフッ化物との反応が遅くなる問題がある。したがって、ステップS2では、pH調整装置116(図1参照)により、まず排水のpHを測定し、pHが弱酸性となるように水酸化ナトリウムを適量投入して、調整を行う。このpH調整のステップS2は、後のステップS5における炭酸カルシウムの消費量Cvを正確に推定することに寄与している。そして、ステップS3へ進む。
図3のステップS3は、第1反応槽(反応槽107)において化学物質を含む排水を処理薬品と化学反応させる処理工程である。ステップS3では、循環槽104でpH調整された排水をバルブ106を開きポンプ105で反応槽107に送り込む。反応槽107には、あらかじめ5tの炭酸カルシウムが充填されており、注入された排水によって攪拌される。そして、図8(a)〜(c)に示すように、排水に含まれる3つの化学物質(フッ酸、フッ化アンモニウム、一水素フッ化アンモニウム)がそれぞれ炭酸カルシウムと化学反応し、フッ化カルシウムが生成される。処理対象の排水量が5t程度の場合、処理時間は、未反応な炭酸カルシウムの量や排水を循環させるポンプ105の能力にも拠るがおよそ2〜3時間程度である。処理された排水は、バルブ109を開くことにより次工程に排出される。そして、ステップS4へ進む。
図3のステップS4は、反応槽107に注入された総排水量Wに含まれる総F含有量Fwを演算する工程である。ステップS4では、化学物質処理システム10は、次のようなデータに基づいて演算部11が演算を行う。
図5は、製造設備の排水中に含まれる化学物質の含有量を示す諸元表である。図5に示すように、例えば製造設備Aは、運転モードA1で稼動中に化学物質としてフッ酸(HF)を含む排水を、単位時間当たり500kg排出する。この時の単位排水量に含まれるフッ酸の含有量は、フッ素(F)含有率に置き直して1000ppmである。同様にして製造設備Bは、運転モードB1で稼動中に化学物質としての一水素フッ化アンモニウム(NH4HF2)をフッ素(F)含有率に置き直して300ppmとフッ化アンモニウム(NH4F)をフッ素(F)含有率に置き直して500ppm含んだ排水を単位時間当たり300kg排出する。製造設備Cは、運転モードC1で稼動中に化学物質としての一水素フッ化アンモニウム(NH4HF2)をフッ素(F)含有率に置き直して200ppmとフッ化アンモニウム(NH4F)をフッ素(F)含有率に置き直して300ppm含んだ排水を単位時間当たり300kg排出する。以下各製造設備A,B,Cにおける運転モードごとの単位排水量(kg/H)、含有化学物質の種類およびフッ素(F)含有率の各諸元は、工程設計時に加工条件を設定することにより導くことができ、入力部15から入力することによって記憶部12にデータとして記憶される。使用するデータの選択は、運転モードをオペレータが選択入力する。その選択された運転モードに応じて諸元表データから決まる単位排水量、F含有率を用いる。
もちろん図5の諸元表以外のデータを用いる方法も可能である。例えば、オペレータがエッチング剤(液)の濃度、流量を入力する。そのデータを用いる方法。また、オペレータが入力した生産条件に基づいて各装置制御部2a,2b,2c(コンピュータ)が流量、濃度を算出し、その算出した流量、濃度になるようにエッチング剤タンクと純水タンクからの流量を決める各バルブを開度制御し、そのバルブ制御のときのデータ(流量、濃度)を用いる方法。
図6は、製造設備の稼動状態を示すタイムチャートである。これは、稼動検出部14が各製造設備A,B,Cの稼動履歴を検出して取得したタイムチャートである。図6に示すように、例えば製造設備Aの稼動時間は、7時から17時までの10時間である。同様に製造設備Bの稼動時間は、8時から18時までの10時間、製造設備Cの稼動時間は、13時から21時までの8時間である。したがって、時間帯によって稼動している製造設備が変わって行く。このようなデータは、工程設計時の要件として入力部15からあらかじめ入力しておいてもよい。本実施形態では、基本的に稼動検出部14が各製造設備A,B,Cの装置制御部2a,2b,2cとネットワーク回線を介して接続され、時刻と共に稼働時間を検出して記憶部13にデータとして記憶される。また、本実施形態では、製造設備A,B,Cは、複数の運転モード(稼動条件)で稼動できるようになっており、運転モードごとに単位排水量、F含有率が異なっているので、稼動状態のデータとして稼動時間(時刻)データと共に運転モードデータも検出して取得する。
図7は、稼動時間中の複数の製造設備から排出される排水量と、当該排水量に含まれる化学物質の含有量との関係を示すグラフである。詳しくは、運転モードがA1,B1,C1のときの諸元表に基づいたグラフである。ステップS4では、演算部11は、記憶部12に記憶された各製造設備A,B,Cから排出される単位排水量Wt(運転モード別)と、原水槽101から循環槽104に排水を注入開始するときに、原水槽101に貯留された排水のF濃度を決めている各製造設備A,B,Cの稼動履歴を調べる。そして、原水槽101に排水が貯留されるに要した時間が7時間ならば、排水が原水槽101にたどり着くに要する時間Dt遡った時点以前の7時間に排出される総排水量Wを演算する。例えば、22時(22:00)の時点で原水槽101からバルブ103を開きポンプ102を稼動させたときの原水槽101中の排水の総排水量Wを求める。仮に時間Dtを各製造設備A,B,Cのいずれも1時間とすると、22時から1時間遡った21時からさらに排水の貯留に要した7時間遡った14時から21時の時間帯に排出された総排水量Wは、図6の実線で示した部分の当該時間帯の面積から求められる。すなわち、製造設備Aが14時から17時まで稼動して1500kg、製造設備Bが14時から18時まで稼動して1200kg、製造設備Cが14時から21時まで稼動して2100kg、合計4800kgである。
次に総排水量Wに含まれる総F含有量Fwを演算する。図6の破線で示したグラフのように、各製造設備A,B,Cから排出される単位排水量Wtと単位排水量Wtに含まれるF含有率Ftとによって総排水量Wに含まれる総F含有量Fwを演算する。先の演算結果から総排水量Wは、4800kgであり、製造設備AからはF含有率1000ppm(fa)の排水1500kg(Wa)と、製造設備BからはF含有率300+500=800ppm(fb)の排水1200kg(Wb)と、製造設備CからはF含有率200+300=500ppm(fc)の排水2100kg(Wc)との構成であることが明らかである。よって、演算部11による総排水量W(4800kg)中の総F含有量Fwは、(Wa×fa+Wb×fb+Wc×fc)=(1500kg×1000ppm+1200kg×800ppm+2100kg×500ppm)となり、約3.5kgである。これは、フッ素の原子量が19なので、およそ180molに相当する。そしてステップS5へ進む。
図3のステップS5は、総F含有量Fwに対する第1処理薬品(炭酸カルシウム)の消費量Cvを演算する工程である。
ここで化学物質(フッ化物)と処理薬品との化学反応について説明する。図8(a)〜(h)は、化学物質と処理薬品との化学反応を示す化学反応式である。詳しくは、同図(a)はフッ酸と炭酸カルシウム、同図(b)はフッ化アンモニウムと炭酸カルシウム、同図(c)は一水素フッ化アンモニウムと炭酸カルシウム、同図(d)は同図(a)〜(c)をまとめた化学反応式である。同図(e)はフッ酸と水酸化カルシウム、同図(f)はフッ化アンモニウムと水酸化カルシウム、同図(g)は一水素フッ化アンモニウムと水酸化カルシウム、同図(h)は(e)〜(g)をまとめた化学反応式である。
図8(a)〜(c)に示すように、反応槽107においては、3種の化学物質(フッ酸、フッ化アンモニウム、一水素フッ化アンモニウム)が炭酸カルシウムと反応する系がある。まとめれば図8(d)に示すように、1当量の炭酸カルシウムと2当量のフッ素イオンとが反応して、1当量のフッ化カルシウムと1当量の炭酸イオンが発生する系となる。
ステップS5では、演算部11は、図8(d)の化学反応式に基づいて総排水量W中の総F含有量Fwに対する炭酸カルシウムの消費量を演算する。したがって、総F含有量Fwが3.5kgとすれば、180molの半分の約90molが消費量として推算される。すなわち、炭酸カルシウムの分子量が100なので、先の処理による炭酸カルシウムの消費量Cvは、90×100=9000g(9kg)となる。したがって、5tの炭酸カルシウムがあらかじめ投入されているので、そのうちの9kgが排水との化学反応によって少なくとも消費されたことになる。毎回必ずしも炭酸カルシウムの消費量が同じ訳ではなく、各回の総F含有量Fwに応じて変わる。そして、ステップS6へ進む。
図3のステップS6は、未消費の第1処理薬品(炭酸カルシウム)の量(残存量)が許容下限値以上か判定する工程である。図9は、第1反応槽の化学反応の収率を示すグラフである。詳しくは、炭酸カルシウムの薬品残存割合(X)に対する収率Rの変化を示すものであり、所定量(1t)の炭酸カルシウムに対してほぼ一定濃度のフッ化物を含む排水を繰り返し反応させ、反応生成物であるフッ化カルシウムの累積の生成量を分析して得られたものである。図8に示すように、収率R(%)は炭酸カルシウムの残存量の低下に伴って低下する。これは、排水中のフッ化物と反応して、未反応な炭酸カルシウムが徐々に減少することにより、収率R(%)が低下するからと考えられる。この場合、反応生成物としてフッ化カルシウムを再利用するにあたり、一定の濃度を確保できるようにする。よって、薬品残存割合(X)が10%、すなわち、フッ化カルシウムが90%程度の濃度となる水準(一方で収率Rがおよそ80%となる水準)を残存する薬品の許容下限値としている。このような基礎データは、あらかじめ入力部15から入力され記憶部12に記憶されている。
ステップS6では、ステップS5で求められた炭酸カルシウムの消費量Cvを基に、薬品残存割合(X)を算出する。すなわち、この場合は、X=5000−Cv/5000=5000−9/5000=99.8%である。もちろん処理ごとにこの値は変化するので、処理ごとに算出した結果を累積して判定する。薬品残存割合(X)が10%を下回れば基本的に、ステップS7へ進んで、バルブ108を開き反応生成物を分離回収する。その後、ステップS8に進み、バルブ108を閉じ、炭酸カルシウム(5t)を新しいものに入れ替える。尚、反応生成物の回収は、薬品残存割合(X)と収率R(%)との関係において、適宜設定してもよい。すなわち、収率R(%)を高い値で維持して、未反応な化学物質ができる限り、次工程へ流出しないように設定してもよい。
本実施形態の一方の化学物質処理方法は、反応槽107にあらかじめ充填された処理薬品としての炭酸カルシウムと排水中の化学物質としてのフッ化物との反応によって消費される消費量Cvを、各製造設備A,B,Cの諸元表のデータと稼働状態の情報から排水中の総F含有量Fwを推定し、炭酸カルシウムとフッ化物の化学反応式に基づいて演算する。したがって、直接排水中のフッ化物の濃度を逐次測定するような手段を用いずともほぼ正確に消費量Cvを特定することが可能である。また、各製造設備A,B,Cの運転モード(生産条件)が変化して各製造設備A,B,Cが排出する排水量やこれに対するフッ化物の濃度が変化しても、各製造設備A,B,Cの稼働情報からほぼ正確な総F含有量Fwの推定が可能である。このようにして得られた炭酸カルシウムの消費量Cvを元に、貯留された炭酸カルシウムが反応してフッ化カルシウムとなり、目標の濃度に到達したかどうか判定するので、適切な時期に分離回収することが可能である。
次に反応槽110を用いた他方の化学物質処理方法について説明する。図4は、他方の化学物質処理方法を示すフローチャートである。本実施形態の他方の化学物質処理方法は、反応槽110に排出された処理対象の排水に含まれる未反応な化学物質としてのフッ化物の量を、複数の製造設備A,B,Cのそれぞれから排出した排水の単位排水量と、各単位排水量に含まれる化学物質(フッ化物)のF含有率fa,fb,fcと、先の反応槽107における収率R(%)とを基に求める工程を備えている。また、化学物質(フッ化物)と処理薬品(水酸化カルシウム)との化学反応式に基づいて、未反応なフッ化物の量に対応する処理薬品の適量を求める工程を備えている。
図4のステップS11は、第2反応槽(反応槽110)に反応槽107で処理された排水を注入する工程である。ステップS11では、バルブ106を閉じバルブ109を開き、ポンプ105を駆動させて反応槽107および循環槽104から処理された排水を反応槽110へ送り込む。そして、ステップS12へ進む。
図4のステップS12は、第1反応槽(反応槽107)における反応の収率R(%)のデータを取得する工程である。ステップS12では、演算部11は、先の反応槽107における化学物質処理方法のステップS6で演算して記憶させた薬品残存割合(X)に対応する収率R(%)(図9参照)のデータを読み込む。そして、ステップS13へ進む。
図4のステップS13は、未反応な化学物質に対する第2処理薬品(水酸化カルシウム)の投入量C2を演算する工程である。反応槽107では、図8(a)〜(c)に示すような化学反応が100%進むわけではない。したがって、処理された排水には、未反応な化学物質が含まれる。よって、実際には、反応槽107における反応温度と反応速度との関係による反応生成物としてのフッ化カルシウムの収率R(%)を考慮しなければならない。ステップS13では、演算部11は、ステップS12で読み込んだ収率R(%)のデータと、総排水量Wに含まれていた総F含有量Fwと、化学物質と処理薬品との化学反応式とに基づいて、水酸化カルシウムの投入量C2を演算する。当該化学反応式は、図8(e)〜(g)に示すように、反応槽110においては、未反応な3種の化学物質(フッ酸、フッ化アンモニウム、一水素フッ化アンモニウム)が水酸化カルシウムと反応する系がある。まとめれば図8(h)に示すように、1当量の水酸化カルシウムと2当量のフッ素イオンとが反応して、1当量のフッ化カルシウムと2当量の水酸イオンが発生する系となる。よって、未反応な化学物質(フッ化物)に含まれるフッ素のmol数に対して半分のmol数の水酸化カルシウムを少なくとも加えればよい。図9は、第2処理薬品の投入量を演算する数式を示す図である。図9に示すように、第2処理薬品としての水酸化カルシウムの投入量C2は、反応槽107における今回の処理の収率R(%)をRt=99%とすると、前述したようにFwが約3.5kgならば、投入量C2は、3.5×0.01×74(水酸化カルシウム分子量)/2×19(フッ素原子量)=約0.07kgとなる。そして、ステップS14へ進む。
図4のステップS14は、第2処理薬品(水酸化カルシウム)を第2反応槽(反応槽110)に投入する工程である。ステップS14では、ステップS13で求められた投入量C2に基づいて、演算部11が薬品投入制御部22に制御信号を送り、薬品投入部118から反応槽110に水酸化カルシウムを投入する。また、ほぼ同時に、凝集剤PACを水酸化カルシウムの投入量C2に対してmol比で1.0〜2.0となるように投入する。そして、ステップS15へ進む。
図4のステップS15は、第2反応槽(反応槽110)において低濃度の化学物質を含む排水を処理薬品と化学反応させる処理工程である。ステップS15では、図8(e)〜(g)に示すように、排水に含まれる3つの化学物質(フッ酸、フッ化アンモニウム、一水素フッ化アンモニウム)がそれぞれ水酸化カルシウムと化学反応し、フッ化カルシウムが生成される。また、フッ化カルシウムは凝集剤PACと結合して凝集沈殿する。反応槽110では、化学反応が均一となるように水酸化カルシウムが投入された排水を攪拌して、速やかな凝集沈殿を促す。この場合、反応槽110で処理される排水の量が4〜5t程度ならば、反応と凝集沈殿に要す時間は、およそ1.5〜2時間程度である。処理後の排水は、バルブ112を開いて次工程へ排出される。一方、凝集剤PACと結合したフッ化カルシウムは、ステップS15aに進み、バルブ111を開き汚泥として分離回収される。そして、ステップS16へ進む。
図4のステップS16は、反応槽110で処理された排水の硝化・脱窒素、中和を行う工程である。ステップS16では、前述したように硝化脱窒素装置113において、排水中に含まれるアンモニア性窒素を硝化し、排水中のBODを水素供与体として還元して、窒素ガスとして排出する。そして、処理された排水は、バルブ114を開いて中和装置115に送り込まれ、下水放流可能な状態となるように酸またはアルカリが添加され中和される。中和によって発生する塩等の生成物は、ステップS16aに進み、汚泥として分離回収される。そして、ステップS17へ進む。
図4のステップS17は、中和処理された排水を下水放流する工程である。ステップS17では、中央監視システム20の放流水監視部25により、下水放流前の排水のpHをpH計26で計測する。また、Fイオン計27でFイオン濃度を計測する。この場合、上記排水処理後の排水中のFイオン濃度が、およそ5ppm以下となるように監視および管理が行われている。
上記化学物質処理方法によれば、先の処理において排水中に含まれる未反応な化学物質の量を炭酸カルシウムの消費量Cvから薬品残量割合(X)を推定し、これによって導かれる収率Rtから反応槽110に投入される処理薬品としての水酸化カルシウムの投入量C2を演算して投入する。したがって、より正確に推定された未反応な化学物質(フッ化物)の量に対して水酸化カルシウムの投入量C2を演算して投入するので、過剰な処理薬品の投入を低減し、適正量の汚泥を分離回収することが可能となる。
本実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)本実施形態の化学物質処理システム10は、各製造設備A,B,Cから排出され原水槽101に貯留された排水の総排水量W(所定量)に対して、反応槽107の化学物質の処理では、排水が排出された時刻を遡って各製造設備A,B,Cの稼働時間を特定し、各製造設備A,B,Cのそれぞれが排出した各排水量Wa,Wb,Wcを演算部11が演算する。そして、演算部11は、記憶部12に記憶された各製造設備A,B,Cの各単位排出量に含まれる化学物質(フッ化物)のF含有率fa,fb,fcから総排水量Wに含まれる総F含有量Fwを演算する。したがって、より実際の稼動状態に即した総F含有量Fwを求めることができる。さらには、化学物質と処理薬品との化学反応式を基に、総F含有量Fwに対応する処理薬品としての炭酸カルシウムの消費量Cvを求め、反応生成物としてのフッ化カルシウムの分離回収時期を適正に判定することができる。また、反応槽107で処理された排水に含まれる未反応な化学物質の量を先の消費量Cvから演算可能な薬品残留割合(X)に対する収率Rtから演算して推定し、対応する処理薬品としての水酸化カルシウムの投入量C2を適正に決めることができる。
(2)化学物質処理システム10を用いた本実施形態の化学物質処理方法は、2つの反応槽107,110を有し、まず反応槽107に排水を導入して、処理薬品としての炭酸カルシウムと化学反応を起こさせ排水処理する。次に未反応な化学物質(フッ化物)を含む排水を反応槽110に導入して、先の反応収率Rtを考慮して未反応な化学物質の量を演算し、これに対する処理薬品としての水酸化カルシウムの量を投入量C2として求めて投入反応させる。したがって、適量な水酸化カルシウムを投入することができるので、過剰な処理薬品の投入による反応生成物を含む汚泥が過剰に発生することを低減することができる。すなわち、排水中のフッ化物を適正に処理し、汚泥の発生をより少なくすることができる化学物質処理方法を提供することができる。
上記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
(変形例1)上記実施形態の化学物質処理方法は、2つの反応槽107,110を用いて排水に含まれるフッ化物の処理を行ったが、これに限定されない。例えば、反応槽107における排水処理のみ、あるいは、反応槽110における排水処理のみでもよい。
(変形例2)上記実施形態の化学物質処理システム10および化学物質処理方法において、反応槽107にはあらかじめ複数処理回数分の処理薬品(炭酸カルシウム)を投入したが、1回の処理ごとに1回分の処理薬品を投入してもよい。この場合の処理薬品の投入量C1は、バルブ103を開いて反応槽107側に排水を流入させるときの原水槽101中の排水の化学物質の濃度を稼働状態データなどに基づき算出し、その濃度と反応槽107で処理される排水量とから決まる化学物質の含有量から化学反応式に基づいて求める。
(変形例3)上記実施形態の化学物質処理システム10および化学物質処理方法において、複数の製造設備から排出される化学物質を含んだ排出物は、排水(液体)に限定されない。例えば、排出物がフッ酸を主体とする処理ガス(気体)であっても、純水等の液体に処理ガスを吸収させれば、適用させることが可能である。
排水処理設備の構成を示す概略図。 化学物質処理システムの電気的あるいは機械的構成を示すブロック図。 一方の化学物質処理方法を示すフローチャート。 他方の化学物質処理方法を示すフローチャート。 製造設備の排水中に含まれる化学物質の含有量を示す諸元表。 製造設備の稼動状態を示すタイムチャート。 稼動時間中の複数の製造設備から排出される排水量と、当該排水量に含まれる化学物質の含有量との関係を示すグラフ。 (a)〜(h)は、化学物質と処理薬品との化学反応を示す化学反応式。 第1反応槽の化学反応の収率を示すグラフ。 第2処理薬品の投入量を演算する数式を示す図。
符号の説明
1…複数の製造設備A,B,Cを含む製造ライン、10…化学物質処理システム、11演算部、12…記憶部、14…稼動検出部、15…入力部、16…計量手段、21…原水検出部、100…排水処理設備、107,110…処理部としての反応槽、A,B,C…製造設備、C1,C2…処理薬品の投入量、Cv…処理薬品の消費量としての炭酸カルシウムの消費量、fa,fb,fc…化学物質の含有量としてのF含有率、Fw…化学物質の総含有量量としての総F含有量、W…排出物の所定量としての排水の総排水量、Wa,Wb,Wc…各製造設備A,B,Cから排出される排出物の排出量としての排水の排水量X…薬品残存割合。

Claims (11)

  1. 複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物の単位排出量と前記単位排出量に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の含有量とをデータとして記憶する記憶部と、
    前記複数の製造設備の稼動状態を稼動時刻と稼動時間を含む情報として検出する稼動検出部と、
    前記化学物質が処理される処理部に排出された前記排出物に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の総含有量を、前記記憶部に記憶されたデータと前記排出物が前記処理部に所定量貯留されるに要した時間に対応する前記稼動検出部の検出情報のうち前記複数の製造設備の前記稼動時間とに基づいて演算すると共に、前記化学物質の総含有量に対して反応させる少なくとも1種の処理薬品の適量を化学反応式に基づいて演算する演算部と、を備えたことを特徴とする化学物質処理システム。
  2. 前記処理部には、あらかじめ前記少なくとも1種の処理薬品が複数回の処理が可能な量で投入されており、
    前記演算部は、前記化学物質の総含有量に対して反応させる少なくとも1種の処理薬品の適量を、あらかじめ投入された前記少なくとも1種の処理薬品の消費量として化学反応式に基づいて演算すると共に、1回ごとに算出された前記消費量を累積して総消費量を求めることを特徴とする請求項1に記載の化学物質処理システム。
  3. 前記演算部は、求められた前記総消費量に基づいて、前記少なくとも1種の処理薬品と前記化学物質との化学反応による反応生成物の回収時期に到達したか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の化学物質処理システム。
  4. 複数の製造設備のそれぞれから排出される少なくとも1種の処理対象の化学物質を含んだ排出物を、複数回の処理が可能な量の少なくとも1種類の処理薬品が充填された第1の処理部に所定量注入して処理し、処理された排出物を第2の処理部において再び少なくとも1種類の処理薬品を投入して処理する化学物質処理システムであって、
    前記複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物の単位排出量と前記単位排出量に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の含有量とをデータとして記憶する記憶部と、
    前記複数の製造設備の稼動状態を稼動時刻と稼動時間を含む情報として検出する稼動検出部と、
    前記第1の処理部に排出された前記排出物に含まれる少なくとも1種の処理対象の化学物質の総含有量を、前記記憶部に記憶されたデータと前記排出物が前記第1の処理部に所定量貯留されるに要した時間に対応する前記稼動検出部の検出情報のうち前記複数の製造設備の前記稼動時間とに基づいて演算し、前記化学物質の総含有量に対して反応させる前記処理薬品の適量を消費量として化学反応式に基づいて演算すると共に、前記第1の処理部で処理された前記排出物に含まれる未反応な化学物質の量を、前記第1の処理部における化学反応の収率と前記処理薬品の前記消費量との関係から推定して前記第2の処理部に投入する前記処理薬品の投入量を演算する演算部と、を備えたことを特徴とする化学物質処理システム。
  5. 前記演算部は、前記排出物が前記複数の製造設備から排出され前記処理部に到達するまでの時間を遡って前記複数の製造設備の前記稼動時間を特定し、前記排出物の前記所定量に含まれる前記化学物質の総含有量を演算することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の化学物質処理システム。
  6. 前記複数の製造設備のそれぞれから排出される排出物の排出量を排出した時刻と共に計量する計量手段をさらに備え、
    前記演算部は、前記排出物の前記所定量のうち前記複数の製造設備のそれぞれから排出された排出量を前記計量手段の計量結果と前記稼動時間とを基に特定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の化学物質処理システム。
  7. 複数の製造設備から排出される少なくとも1種の処理対象の化学物質を含む排出物に対して、少なくとも1種の処理薬品を投入して化学反応させ処理する化学物質処理方法であって、
    請求項1ないし6のいずれか一項に記載の化学物質処理システムを用い、
    前記化学物質が処理される処理部に排出された前記排出物の所定量のうち前記複数の製造設備のそれぞれが排出した前記排出物の排出量を、前記記憶部に記憶された前記単位排出量と前記排出物が前記処理部に所定量貯留されるに要した時間に対応する前記稼動検出部の検出情報のうち前記複数の製造設備の前記稼動時間とから求める第1のステップと、
    求められた前記排出量と前記記憶部に記憶された前記単位排出量に含まれる前記少なくとも1種の化学物質の含有量とに基づいて、前記排出物の前記所定量に含まれる前記少なくとも1種の化学物質の総含有量を求める第2のステップと、
    前記少なくとも1種の化学物質と前記少なくとも1種の処理薬品との化学反応式に基づいて前記化学物質の前記総含有量に対応する前記処理薬品の適量を求める第3のステップと、
    前記所定量の前記排出物に前記適量の前記処理薬品を投入する第4のステップと、を備えたことを特徴とする化学物質処理方法。
  8. 前記第1のステップでは、前記排出物が前記複数の製造設備から排出され前記処理部に到達するまでの時間を遡って、前記複数の製造設備のそれぞれの稼動時間を特定し、前記所定量のうち前記複数の製造設備のそれぞれが排出した前記排出物の前記排出量を求めることを特徴とする請求項7に記載の化学物質処理方法。
  9. 前記排出物を貯留する少なくとも第1の処理部と第2の処理部とを有し、
    前記第4のステップは、複数回の処理が可能な量の前記処理薬品があらかじめ投入された前記第1の処理部に、前記化学物質を含む前記排出物を所定量導入して前記処理薬品と化学反応させて処理を行う第5のステップと、
    前記第3のステップで求めた前記適量をあらかじめ投入された前記処理薬品の消費量とし、前記処理薬品の薬品残存割合に対する前記化学反応の収率とに基づいて未反応な前記化学物質の量を求める第6のステップと、
    求められた未反応な前記化学物質の量に対して、化学反応式に基づいて前記処理薬品の適量を求め、前記第5ステップで処理された前記排出物を前記第2の処理部に導入し、該適量の前記処理薬品を投入して化学反応させ処理を行う第7のステップとを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の化学物質処理方法。
  10. 前記第5ステップの前記化学反応において得られる反応生成物を、前記処理薬品の薬品残存割合に基づいて、分離回収するか否かの判定を行う第8のステップを備えたことを特徴とする請求項9に記載の化学物質処理方法。
  11. 前記処理対象の化学物質がフッ化物であり、処理薬品としてカルシウム化合物を用いることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか一項に記載の化学物質処理方法。
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