JP2006528891A - 改善された効率を有するx線装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、X線源(1)、このX線源(1)に対向して配置された1つ又は複数の第1X線検出器要素(2)、およびX線源(1)とX線検出器要素(2)との間に位置する検査空間(3)を少なくとも備えたX線装置、特にX線コンピュータ断層撮影(CT)装置に関する。このX線装置において、X線用の1つ又は複数のX線転向要素(5a,5b)と、1つ又は複数の他のX線検出器要素(6)もしくは他のX線検出器要素(6)のグループとが、X線源(1)の放出X線(8)の1つ又は複数の他の空間角度範囲(4b,4c)からのX線が1つ又は複数のX線転向要素(5a,5b)によって検査空間(3)の第1領域もしくは1つ又は複数の他の領域を通って他のX線検出器要素(6)に向けられるように設けられている。このX線装置は放出X線のエネルギー利用を改善し、マルチスライスX線CT装置における走査時間の高速化を達成し、さらにアーチファクトを減少させることができる。

Description

本発明は、X線源、このX線源に対向して配置された第1X線検出器要素、およびX線源とX線検出器要素との間に位置する検査空間を少なくとも備え、X線がX線源の放出X線の第1空間角度範囲から検査空間の第1領域を通って第1X線検出器要素に向けられるX線装置、特にX線コンピュータ断層撮影(CT)装置に関する。
この種のX線装置は特に画像化医用技術の分野において重要である。この分野においてはますますディジタル画像撮影技術が使用されている。ディジタル画像撮影技術では、適当に場所的に分解されたX線画像を作成するために、検査空間内に位置する対象を透過したX線が位置分解されて検出される。X線コンピュータ断層撮影技術によれば、検査対象のほぼ任意のスライス画像を再構成し、利用者に表示することが可能である。
コンピュータ断層撮影装置はとりわけX線管、X線検出器および患者寝台テーブルを備えている。X線管およびX線検出器はガントリに取付けられている。ガントリは測定中に患者寝台テーブル又はそれに平行に延びる検査軸線すなわちz軸を中心として回転する。患者寝台テーブルはガントリに対して相対的に検査軸線に沿って移動可能である。X線管は検査軸線に垂直な断層平面内に扇状に拡大するX線ビームを発生する。このX線ビームは検査時に断層平面内で対象、例えば患者寝台テーブル上に横臥している患者の身体の断層を透過し、X線管に対向して配置されたX線検出器に入射する。X線ビームが患者の身体断層を透過する角度、及び場合によってはガントリに対する患者寝台テーブルの相対的な位置が、コンピュータ断層撮影装置による画像撮影中に連続的に変化させられる。
患者を透過した後にX線検出器に入射するX線ビームのX線の強さは患者を透過したX線の減弱に依存する。X線検出器の各検出器要素は受信したX線の強さに応じて電圧信号を発生する。この電圧信号はX線管からX線検出器要素に至るX線に対する患者身体の総合的な透明度の測定に一致する。減弱データに対応し、患者に対して相対的なX線源の特定位置について撮影されたX線検出器の一連の電圧信号は投影と称される。患者の周りをガントリが回転する最中にガントリの種々の位置で撮影された一連の投影は走査(スキャン)と称される。コンピュータ断層撮影装置は、患者の身体の二次元スライス画像または三次元画像に対応する画像を再構成するために、患者の身体に対して相対的なX線源の種々の位置で多くの投影を撮影する。撮影によって得られた減弱データからスライス画像を再構成するための一般的な方法はフィルタ逆投影法として知られている。
コンピュータ断層撮影法の数多くの用途例において、X線撮影をできるだけ短い撮影時間で実施することが必要である。このことは特に身体部位の撮影、又は例えば常に周期的に運動している患者の心臓の撮影のような高い生体運動を行う器官の撮影に当てはまる。心臓の三次元(3D)X線画像を作成するために、電子ビームCTシステム(EBCT)を用いることが考えられる。しかし、このシステムは極めて高価であり、さらに第3世代の今日の実用的なマルチスライスCTシステムとしては不十分な画質しか出力しない。心臓の3DX線画像の撮影のための解決の基本は、X線照射及びデータ検出とECG(心電図)信号との同期にある。この技術は用語「ECG制御走査(ECG同期)」で知られている。心臓が電気的および機械的にほぼ同一状態にあれば、そのリズムによってX線検出器により各X線照射およびデータ検出のみが行われる。しかし問題はガントリの回転が必ずしも心拍数と同期していないことにある。これは、回転速度と心拍数との比に応じて時により何個かの投影方向が記録されないという事態を招き、それゆえ記録されたデータからの後での再構成が困難になる。従って、臨床現場では患者に、心臓のX線CT撮影のために、心拍数を人為的に低下させる作用物質が投与される。しかしこれは、最終の診断にマイナスに作用し得る変化させられた状態にある心臓のX線画像を生じる。
上述の状況の改善のための一つの可能性は、ガントリの各位置において記録される投影の数を、例えば第2のX線源および第2のX線検出器をガントリに組み込むことによって増大することにある。しかし第2のX線源は電力消費量を高め、ガントリ内に発生された温度をシステム及び保守のコストと同様に高める。なぜなら、X線源は基本的に寿命の短い部品だからである。
従来実用されているX線装置の他の問題は、そこで用いられているX線管のエネルギー効率が低いことにある。すなわち、このX線管に入力された電力の約1%しかX線エネルギーに変換されないのに対し、残りの99%はこの用途には無用の熱として排出される。用いられたX線管の他の欠点は、システムに起因して、電子ビームの照射によって作成されたアノードのX線放出面がX線を非常に大きな空間角度範囲内に放射するが、この非常に大きな空間角度範囲のうち、直接にX線画像の作成のためにはX線管の出射窓を介する小さな範囲しか利用され得ないことにある。これは結果的に、検査対象の対応する断層に順次X線を照射できるようにするために、X線CTの一つの方向いわゆるz方向にできるだけ狭くz方向に対して垂直な方向に扇状に拡げられるX線ビームを事前設定することから生じる。放出X線の利用されない残りの部分はX線管内で又は絞りによって吸収される。
多くの用途に対して、発生された放出X線の良好な利用率、及び高速3DX線撮影を可能にするマルチスライスCT装置が今日では既に用いられている。この装置において、X線はz方向にも円錐状に拡げられ、そのため大きな対象ボリュームをガントリの各撮影位置に従ってカバーする。検査空間のX線管とは反対側に、X線検出器要素の複数の平行な列からなる検出器アレイが配置され、それにより各撮影位置において対象の多数の断層(スライス)を撮影することができる。しかし、この撮影技術は新たな問題をもたらす。すなわち、一つには、X線が透過した断層に対して、z軸上の断層の位置に応じて大きさの異なる有効焦点が生じ、従って断層の位置に応じたアーチファクトが惹き起こされる。さらに、z方向に大きく拡張された円錐状X線ビームにおいては、円錐状の拡がりに基づいてアーチファクトが生成されるが、このアーチファクトは16層までの断層に対しては高コストの技術によって補正されるが、16層を超える断層においては甘受されなければならない。上述の形状における他の問題は、特にz方向の両終端部にX線が透過しない円錐状領域が残存するので、検査対象が部分的にしかカバーされないということにある。これらの領域は再構成された三次元X線画像にアーチファクトを生じる。
空間分解能を向上させ、z方向の大きな検査空間をカバーするために、マルチスライスCTシステムはX線管の小さな焦点サイズ及び大電力を必要とする。さらに、コンピュータ断層撮影装置の心臓検診への応用はガントリの高回転速度および短い走査時間を必要とし、それにより管電力のさらなる増強が必要となる。現在用いられている管電力は既に100kW範囲の方向に向かっているので、コンピュータ断層撮影装置におけるX線管のエネルギー利用効率を改善する緊急の必要性が存在する。これはX線管の寿命を延ばし、CT装置の利便性を改善する。というのは、X線管に対する長い冷却時間が省略されるからである。
本発明の課題は、従来技術のこれらの公知の問題から出発して、X線画像における付加的なアーチファクトを生ずることなしにX線撮影時間の短縮化を可能にし、さらに改善されたエネルギー効率を有するX線装置、特にX線CT装置を提供することである。
この課題は請求項1に記載のX線装置によって解決される。このX線装置の好ましい実施態様は従属請求項に記載され、又は以下の明細書の記載並びに実施例から読み取ることができる。
本発明のX線装置は、公知のように、X線源、このX線源に対向して配置された1つ又は複数の第1X線検出器要素、およびX線源とX線検出器要素との間に位置する検査空間を備え、X線がX線源の放出X線の第1空間角度範囲から検査空間の第1領域を通って第1X線検出器要素に向けられている。このX線装置において、X線のための1つ又は複数のX線転向要素と1つ又は複数の他のX線検出器要素もしくはその他のX線検出器要素のグループとが、X線源の放出X線の1つ又は複数の他の空間角度範囲からのX線が1つ又は複数のX線転向要素によって検査空間の第1領域もしくは1つ又は複数の他の領域を通って他のX線検出器要素に向けられるようにX線装置に配置されている。
本発明のX線装置において、公知のX線管のアノードから出射するX線放出は、対象の透過に必要な唯一のX線ビームの発生のために利用されるよりも大きな空間角度範囲で行われる。1つ又は複数の付加的なX線転向要素によって、従来利用されていなかった空間角度範囲のX線が検査空間内の検査対象に向けられる。X線管に対向する側には、これらの他のX線ビームによる対象の透過を検出するために、すなわち身体によって引き起こされたこのX線の減弱を測定するために、対応する他の検出器要素が配置される。X線転向要素は、他の注視方向ないしは投影方向のもとで検査対象の同一領域を照射するか又は同一投影方向のもとで好ましくはz方向にずらして他の領域を照射するように配置されている。X線転向要素および他のX線検出器要素の数は意図された作用に関係し、X線源の放出X線の形状および空間分布によってのみ制約される。X線源の放出X線の良好な利用は、X線転向要素によって可能となり、X線装置のエネルギー効率を明らかに改善する。このようにして、X線CT装置に適用した場合、X線転向要素によって、X線撮影に従来利用されていなかったX線量を利用可能にする付加的な仮想X線源が創出される。
対応するX線検出器要素を備えたこの1つ又は複数の付加的なX線転向要素の他の利点は、X線容量を高める必要もなく、ガントリのあらゆる位置において付加的な投影を撮影できることにある。それにより撮影速度を従来のX線CT装置に比較して高めることができる。このようにして、心臓のように運動している身体部位の撮影可能性が明らかに改善される。本発明によるX線装置において、X線転向要素の構成、向きおよび配置に従って、それぞれ少なくともほぼ平行なX線断面を有し互いに平行に延びるX線ビームが検査対象を透過することも可能である。その場合、X線転向要素は、一方では測定された生データから三次元画像を再構成する際の再構成コストを低減し、他方では公知のマルチスライスX線装置において生ずるアーチファクトを伴うことなしにz方向への空間カバーの改善も可能になる。
X線転向要素として、本発明のX線装置においては、従来技術によって公知の種々の要素を用いることができる。その一例は、ブラッグ反射を利用してX線を方向転換するいわゆるスーパーミラーである。合成的に作成された多層システムから形成されるこのスーパーミラーによって、それぞれの空間角度範囲から放出されたX線を任意に方向転換し、それにより例えば平行X線ビーム、又は収束するX線ビームが形成されるようにすることもできる。そこでミラーは、放物線状に形成され、ブラッグ反射を達成するために層間隔が制御可能な方法で変えられる複数の結晶層で構成される。このようなスーパーミラーは例えば次の文献により知られている。
M.SchusterおよびH. Gobel著の論文"Parallel-Beam Coupling into Channel-Cut Monochromators Using Curved Graded Multilayers"(Siemens AG,J. Phys. D: Appl. Phys. 28 (1995) A270 - A275)
Hoghoj, Joensen等の論文"Broad-band Focusing of Hard X-rays using a Supermirror"(OSA: Physics of X-ray Multilayer Structures (1994))、
Hoghoj, Joensen等の論文"Measurement of multilayer reflectivities from 8 keV to 130 keV"(SPIE Vol. 2001, P. 354 - 359 (1994))
"Gobel Mirrors for Parallel-Beam Conditions"(Bruker AXS,Inc.- Analytical X-ray Systems, http://www.bruker-axs.com)
"Twin Gobel Mirrors - The Real Parallel Beam Concept"(Bruker AXS, Inc.-Analytical X-ray Systems, http://www.bruker-axs.com
ミラーは、比較的大きな許容角度のもとで70keVまでの硬X線領域内でのX線の方向転換および形成を30〜60%の高効率で可能にする。このスーパーミラーのほかに、ブラッグ反射用の公知の結晶を用いることもでき、それゆえスーパーミラーとモノクロメータとして用いられるこの種の通常のブラッグ反射器との組合せによって平行単色X線を発生させることができる。
本発明によるX線装置用のX線転向要素の構成のための他の可能性は、光ファイバにおけると同様にX線を伝達する1つ又は複数の中空キャピラリ管束を使用することにある。この種のキャピラリ管束は、普通は中空グラスファイバからなり、用語「クマコフ(Kumakhov)光学素子」又は「ポリキャピラリ光学素子」でも知られている。キャピラリ管束はX線および中性子のコリメーティング、フィルタリングおよびフォーカッシングに用いることができる。このようなX線転向要素の例は次の刊行物から見てとることができる。
"X-ray concentrator will expand window on high-energy universe"(Science@NASA, http://science.msfc.nasa.gov/newhome/headlines
"Capillary X-ray Optics - Introduction"(Center for X-ray Optics, University of Albany, NY, http://www.albany.edu/x-ray-optics/intro.html
"Parallel Beam X-RAY Diffraction, Application notes 201 and 202"(X-RAY Optical Systems Inc., Albany-NY, USA, http://www.xos.com
このポリキャピラリ光学素子によれば、キャピラリを適当に曲げることによって或る空間角度範囲から到来するX線を方向転換し、ほぼ任意に形成することが可能である。この光学素子は広い角度範囲および大きなエネルギー範囲(200eV〜30keV)を10〜50%の高効率で検出可能である。この技術は5〜50μmの直径を有する中空グラスキャピラリ内でのX線の全反射に基づいている。このキャピラリ内に臨界角度で入射するX線はキャピラリチャネルに沿ってほぼ損失なしに伝送される。小電力のX線管で高X線量を発生可能にするために、このような光学素子によってX線を例えば20μm以下の焦点直径に集束させることも可能である。正にX線CT装置のために、このような光学素子をX線転向要素として使用することは特別な利点をもたらす。なぜなら、X線の大きな空間角度範囲が検出され、X線をほぼ任意に、特に擬似平行X線ビームを発生するようにも形成することができるからである。さらにこの技術は散乱を減少させ、一次X線量子の伝送性を向上させ、それゆえ患者に対しより少ないX線線量で高いコントラストを達成することができる。ほぼ任意の形成可能性によって、X線画像を拡大したり縮小したりして作成することができる。
本発明によるX線装置の好ましい実施態様において、X線転向要素は、第1空間角度範囲からX線を照射される検査空間の第1領域が、他の空間角度範囲からX線転向要素を介して他のX線転向要素に導かれるX線によっても透過されるように配置される。それによって、X線容量を高めたり他のX線源を備えたりする必要もなく、異なる投影方向で対象の同時透過が可能になる。特にX線源、X線転向要素およびX線検出器がガントリに取付けられているX線コンピュータ断層撮影装置に適用する場合、このようにして、ガントリの位置に応じて同時に複数の投影方向を記録するので、より高速の走査を行うことができる。その場合、生成された3つの投影方向が1つの平面内にあるように、好ましくはz軸に垂直でありX線源が存在するのと同一の平面内に、両X線転向要素がX線源の両側に配置される。
勿論、本発明のX線装置は2つのX線転向要素に限定されない。所望する効果に従って、ただ1つの付加的なX線転向要素を使用してもよいし、又は3つ以上のX線転向要素を対応するX線検出器要素と共に用いることもできる。X線画像の撮影時に2以上の投射が所望される場合、Cアーム装置または回転するガントリを備えない単純なX線装置としての構成も可能である。
他の好ましい実施態様において、本発明のX線装置はマルチスライスX線CT装置として用いられる。X線転向要素とX線検出器要素のグループとは、検査空間の回転軸線の軸線方向に前後して位置する領域のほぼ平行な複数の平面がX線によって透過されるようにX線装置に配置されている。各平面の1つ又は複数のX線ビームは対応して再構成される検査対象の1つ又は複数の断層を透過する。X線はX線転向要素によって、X線転向要素が1平面内で平行X線ビームを作成するか又は1平面内で扇状に拡がるX線ビームを作成するように形成される。このX線ビームに垂直な方向すなわちz方向に見たX線ビームの幅に従って、各X線ビームによって1つ又は複数の断層を捕捉することができる。複数の断層を捕捉する際には、勿論検査空間を挟んだ反対側に対応する複数のX線検出器要素列が設けられなければならない。このX線検出器要素列は、公知のマルチスライスX線CT装置において既に大面積の検出器アレイの形で実現されており、それを本発明のX線装置においても同様に用いることができる。X線転向要素ごとに捕捉し得る断層の数はz方向のX線拡がり又はX線厚さ(平行X線断面における)のみに依存し、それらはX線転向要素の適切な構成によって予め与えられる。
本発明によるX線装置のこの実施態様によれば、公知のX線装置においてz方向へのX線ビームの強い円錐状拡がりによって引き起こされるアーチファクトを回避することができる。というのは、今や同一空間がほぼ平行に位置する複数のX線ビームによって照射されるからである。同様に今や、従来の円錐状X線ビームにおいて検査領域のz方向両終端部に生じていた部分透過を回避することができる。特に、さらに同一コントラストの場合に明らかに低い管電力に設定することができる。というのは、X線撮影の際に従来利用されていなかった放出X線が利用されるからである。
本発明によるX線装置の他の実施態様において、z方向に対して垂直な検査領域の全拡がりをカバーするために、1つのX線転向要素だけが使用されるのではなく、並んで位置する複数のX線転向要素も使用することができる。従って、この実施態様において、検査領域は二次元に平行に位置する複数のX線ビームによって透過される。これはX線転向要素を適切に構成することによって検出器側での散乱X線除去用グリッドの改善された利用を可能にし、それにより撮影の信号対ノイズ比(SN比)を明らかに向上させることができる。個々の各X線転向要素は、X線ビームを、そのX線ビームが検査対象をほぼ平行に透過するか又はセル状の散乱X線除去用グリッドが配置される反対側の各X線検出器要素に集束するように形成する。
本発明によるX線装置の実施態様は、従来技術による公知のX線管において使用されているような回転アノード上に電子ビーム焦点の特別な形状を可能にする。この焦点をアノードの回転に関して半径方向の直線として作成すると、各X線転向要素によって、この半径方向の直線焦点はX線検出器要素上にz方向に延びる直線として写像される。この実施態様は焦点帯すなわち回転アノード面上の焦点痕跡へのピーク電力の低減によって回転アノード内の良好な熱放出を可能にする。これはX線管のHU(ヘッドユニット)容量を大きくする。
z方向に前後してまた横方向にも配置された多数のX線転向要素を使用すれば、これらのX線転向要素を適切に構成することによって、X線アノード上に、従来実現可能であったものよりも著しく大きな電子焦点の作成が可能となる。従来技術においては、できるだけ点状のX線源を達成するために、できるだけ小さな焦点が作成されていた。本発明によるX線装置のX線転向要素の適切な構成においては、このX線転向要素によってアノードの焦点の種々の小さな領域を写像させることができ、それゆえ各X線転向要素は他のX線源を利用することが可能になる。これによって、アノードの焦点面によってではなく、写像光学系の容量によってのみ決定されるほぼ点状の多数のX線源が作り出される。それによってX線アノードの焦点を非常に大きく構成することが可能になり、その結果アノードの局部熱負荷が明らかに減少される。
次に図面に示す実施例を参照して本発明によるX線装置をさらに説明する。
図1はX線コンピュータ断層撮影装置の基本構成の一例を示す。
図2はX線源の放出X線および従来利用されているX線部分の例を示す。
図3は本発明によるX線装置の構成の一例を概略的に示す。
図4は本発明によるX線装置の構成の他の例を示す。
図5はX線源の放出X線の一例および従来利用されているX線部分の例を図2の表示面に対して垂直な方向から見て示す。
図6は従来技術によるマルチスライスX線コンピュータ断層撮影装置のz方向に見たX線分布の一例を示す。
図7は本発明によるX線装置のX線ガイドの一例を示す。
図8は本発明によるX線装置のX線ガイドの他の例を示す。
図9は本発明によるX線装置のX線ガイドの別の例を示す。
図1は、本発明によるX線装置の複数の実施例の基礎をなすX線コンピュータ断層撮影(CT)装置の構成の一部を、X線のビームガイドを除いて概略的に示す。このX線CT装置はX線管15の形のX線源1を備えている。X線管15は多数のX線検出器要素2を有する検出器列の方向に扇状に広がるX線ビーム17を放射する。X線管15もX線検出器要素2も患者14の周りを連続的に回転し得るガントリ16に取付けられている。患者14は、ガントリ16内を延び図1には示されていない患者寝台テーブル上に横臥している。ガントリ16は図1に示されているデカルト座標系x−y−zのx−y平面内で回転する。患者寝台テーブルは、患者14のその都度表示すべき断層の層厚さ方向に対応するz軸に沿って動く。X線ビーム17のz方向すなわち本図では紙面に垂直な方向の広がりは、一方ではX線管15の回転アノードでの焦点11の広がりによって、他方では管側に配置されz方向の絞り開口を調節できる絞り9によって与えられる。
X線管15は高電圧発生装置18を介して例えば120kVの高電圧を供給される。測定データ収集の実施のためにCT装置の個々の構成部品、特に高電圧発生装置18、ガントリ16、検出器要素2、並びに図示されていない患者寝台テーブルの駆動には制御装置19が用いられる。測定データは画像コンピュータ20に送出され、そこで測定データから画像再構成が行われる。
図2はX線装置に使用されるX線管の放出X線の分布を模式的に示す。z軸に対して垂直な断面、すなわちCT装置のガントリの回転軸線に対して垂直な断面を示すこの図には、X線管の円板状アノード7が示され、この円板状アノード7はX線の発生中に中央の円板軸線を中心として回転する。X線管内で電子ビームが発生され、アノード7の端縁領域に集束される。加速された電子がアノード7に衝突することによって、公知のごとく焦点によって形成されたX線放出面からX線が放出される。強すぎる局部過熱、従ってアノード7の焼損を防止するためにアノード7の回転が必要である。アノード7の焦点から放出された放出X線8の空間分布がこの図には図示の平面で示されている。放出X線8は全体としてほぼ半球体の形をしている。X線CT装置によるX線撮影に際して、図示の断層平面において焦点から出射して扇状に拡がるX線ビームを得るために、空間分布のうち第1空間角度範囲4aのみが利用される。そのため第1空間角度範囲4aを制限する適当な絞り9が用いられる。この図からは、アノード7から放出されたX線量子のうちのわずかな一部しかX線撮影に利用されないことがわかる。
本発明によるX線装置においては、この従来利用されなかった放出X線8の少なくとも一部が同様にX線画像の作成に利用される。そのために、放出X線8の他の空間角度範囲を検査空間の領域を通って他のX線検出器要素6に向ける1つ又は複数のX線転向要素5a,5bが用いられる。図3は本発明によるX線装置のそのような構成の一例を示す。図2と同じ平面におけるX線装置の断面を示すこの構成においては、絞り9の両側に、アノード7から第2空間角度範囲4bおよび第3空間角度範囲4cで検査空間3内に放出される付加的なX線を被検査対象に向けて方向転換させるスーパーミラー5aが配置されている。ガントリ16に設けられた他のX線検出器要素6が検査対象によって惹き起こされたX線減弱を位置分解して検出する。スーパーミラー5aは、この例では、それぞれ第2空間角度範囲4bおよび第3空間角度範囲4cから平行X線ビーム10を形成するように放物面状に形成されている。従って、ガントリ16の各位置において、この例では、絞り9によって決定された主投影方向のほかに2つの付加的な投影方向が生じる。ここで全てのX線ビームが同じ断層平面内の検査対象の同じ領域を透過する。このようにして、付加的なX線容量を用意する必要なしに、より迅速な走査(スキャン)を実現することができる。そのため、このような構成は身体の運動する対象、例えば心臓のX線撮影に特に適している。付加的なX線検出器要素6は、勿論、平行X線ビーム10を検出するために、ガントリの適切な個所に取付けられていなければならない。
図4は、スーパーミラー5aの代わりにポリキャピラリ光学素子5bが用いられている本発明によるX線装置の他の例を示す。このX線装置の構成例は図3の構造に対応するので、ここでは詳細な説明を省略する。スーパーミラー5aの代わりにポリキャピラリ光学素子5bを用いることは、ポリキャピラリ光学素子5bによってより大きな空間角度範囲を平行X線ビーム10に変換することができる利点を持つことにある。X線の方向転換のために、ポリキャピラリ光学素子のキャピラリは対応に曲げられる。
このようにして図3及び4の両実施例により、付加的なアーチファクトを引き起こすことなしに、高められたデータ収集速度を可能にする付加的な仮想X線源が作成される。データ収集速度の高速化は、公知のX線装置においては、ガントリの回転速度を高めることによってしか達成することができなかった。さらにX線源の他の空間角度範囲の利用はX線装置のエネルギー効率の向上を可能にする。今や放出X線のより良好な利用に基づいて、単色X線または擬似単色X線を検査対象に向けるために、ブラッグ反射器の形の付加的なモノクロメータを利用することも可能になる。これはX線の利用効率が低いので従来ほぼ適用不能であったが、軟組織の検査の際に患者に対して少ないX線線量で良好な画像コントラストを生じさせる。
最後に述べた例では、主ビームと同一の断層内にX線ビームを生成するために、X線転向要素が用いられていた。勿論、用途に応じて、これらの他のX線ビームによって複数の異なる断層が透過されることも可能である。その場合、複数のX線転向要素の配置および向き、並びに他の検出器要素の配置が問題になるに過ぎない。例えば、付加的なX線転向要素を介してz方向に大きな空間範囲をカバーするマルチスライスX線CT装置を実現することが可能になる。平行X線ビームを形成する1つ又は複数のX線転向要素を使用すると、このようにして、従来装置において維持される検査空間の円錐状中空範囲もz方向の両端で検出可能となる。このことは空間カバー及び総合的な線量効率を改善する。
次の図は本発明によるX線装置をマルチスライスX線CT装置として構成した例を示す。まず図5および図6は従来装置における従来の状況を模式的に示す。図5はX線管のアノード7を模式的に示し、アノード7はその中心の円板軸線を中心として回転する。図5は図2の切断平面に垂直な切断平面を示す。この切断平面にはz軸すなわちガントリの回転軸線も存在する。アノード7に関しては、電子ビームの集束及びアノード7の回転によって形成するいわゆる焦点帯と認識することができる。図5はX線放出8が行われる図示の平面における大きな空間角度範囲を示している。ここでも、シングルスライスX線CT装置におけるようにX線によって検査対象のできるだけ薄い断層を検出するために、z方向の空間角度範囲を大幅に制限する絞り9を認識することができる。
マルチスライスX線CT装置において、z方向のX線放出は図6から認められるように大幅に制限されない。ここでも、z方向に、複数列のX線検出器要素2に入射し大きな開口角を有する円錐状X線ビーム17が生成される。アノード7の焦点11の面と複数列のX線検出器要素2の面との間の直線的な結合はここでは各断層を示す。従って、この技術によって多数の断層を同時に捕捉することができる。しかし、図6から認められるように、X線検出器要素2の各列には各列ごとに焦点11が異なる大きさで写るので、それぞれ透過された断層の寸法もz方向に変化する。このことは断層に依存するアーチファクトを生じ、このアーチファクトは計算上同時に捕捉された僅かな数の断層でしか補正できない。
図7は、そのようなアーチファクトが回避される本発明によるX線装置の一構成例を示す。この構成例においては、複数のX線転向要素(図には見やすさの理由から3個のX線転向要素しか示されていない)によって、z軸線方向に前後して平行に配置された複数のX線ビーム10が生成され、それらは各平面で扇状に拡大される。この例では、対象を透過するX線ビームは全体としてX線転向要素を介して対象に向けられ、それによりX線源から放出された直接X線はもはや利用されない。しかし、このことは必ずしも必要ではない。本発明において、X線転向要素として用いられたスーパーミラー5aによって、アノード7の放出X線の異なる空間角度範囲4a,4b,4cが利用される。このことは図3および図4の実施例を参照して述べたのと同じ利点を導く。用いられたX線検出器要素2,6は、この例では従来のマルチスライスX線CT装置の検出器アレイと同じに構成することができる検出器アレイの形をしている。このX線検出器要素2,6のz方向の前後に配置された個々の列が各断層を規定する。X線転向要素5aによって形成された複数のX線ビーム10はz方向に平行に延び、1列または複数列のX線検出器要素2,6がX線を照射される。好ましくは、各X線ビーム10によって複数列のX線検出器要素2,6がカバーされる。Nがz方向にずらして配置されたスーパーミラー5aの数を表すとすると、これによってM個(M≧N)の断層が照射される。z方向へのX線ビーム10の僅かな円錐状の広がりも公知のアーチファクトを生成することなしに可能である。
この構成例の場合、回転アノード7への熱分布の改善を達成するために、直線状焦点11をアノード7上に作成することができることも認識すべきである。それにより焦点帯におけるピーク電力消費が減少する。アノード表面上を半径方向に延びる直線状焦点11は直線状焦点としてX線検出器要素2,6上にz方向に写像され、それゆえ空間分解能に関して不利を招くことはない。
X線ミラー5aは、発生されたX線ビーム10をX線検出器要素2,6上の後方で仮想焦点に集束するように構成することもでき、それゆえアノード7上の同一焦点サイズで同じX線管電力で空間分解能を高め、しかも焦点外X線を減少させることができる。焦点外X線は変調伝達関数MTFを低下させ、頭部画像、特に子供の頭部画像に「ハローアーチファクト」を生成する。確かに補償アルゴリズムも存在するが、それは画像内のノイズを高める。さらに、焦点外X線の作用を減少させるために、二次元の櫛形フィルタを散乱X線除去用グリッドとして検出器に用いることも公知である。しかし、それは焦点外X線の作用を完全に減少させることはできない。何故ならば、患者自身が常にそのようなX線にさらされ、しかもコンプトン光子がさらなるアーチファクトを生成し得るからである。
X線装置の本発明による構成は、X線ミラーの表面における不精密さを焦点外X線の作用と同様に消去するz方向の一次元の櫛形コリメータの使用を可能にする。図7はX線源側に配置したそのような櫛形コリメータ12を示している。
X線を検査対象に向けるスーパーミラー5aを使用する場合の別の利点は、このミラーの特別な構造から生じる。このスーパーミラー5aによってX線放出の広い空間角度範囲からほぼ平行X線が生成されるので、好ましいことに、付加的なブラッグ反射器を、特定のエネルギー範囲のX線を非常に狭い入射角範囲で反射するモノクロメータとして用いることができる。スーパーミラーによって発生された平行X線は大きな損失を回避する。付加的なブラッグ反射器により、Kα線またはKβ線を放出X線の限界X線スペクトルの残りの成分から分離することができる。従って、この構成例においては、単色X線ビームまたは擬似単色X線ビームを発生させることができる。このことはX線撮影時の信号対ノイズ比(SN比)および線量コントラストを改善すると共に、X線スペクトルから高エネルギー成分を遮蔽することによって患者の被曝線量を減少させることができる。
図8はマルチスライスX線CT装置として構成された本発明によるX線装置の他の実施例を示す。この実施例においては、図7の実施例と同じように、スーパーミラー5aが各断層平面内にほぼ平行X線ビーム10を全断層範囲に亘って発生する。このX線ビーム10は好ましいことにz方向にもほぼ平行である。ミラーはz方向に対して垂直な平面内にあり、図7のミラーに比較して明らかに拡大されている。それゆえ、より大きな角度範囲での検出が可能であり、従ってX線撮影に使用できるX線量子も明らかに増大する。
この構成においては、セル状コリメータ13をX線源側で用いることができる。このコリメータ13はミラー表面上の表面不精密の作用を消去することができ、二次元の平行X線ビーム10をX線検出器要素2,6の方向に発生させることを保証することができる。焦点外X線ならびにリング状アーチファクトもそのようなコリメータ13の使用によって少なくとも減少される。
二次元の平行X線ビームを有するそのような構成のさらなる利点は、画像再構成のための計算費用が扇状X線ビームを用いた場合に比較して明らかに減少されることにある。これは、特にコーンビームアーチファクトの補正ならびに投影分類の補正の再構成ステップが回避されるので、再構成時間を短縮させることができる。
最後に図9は図8の実施例に非常に類似した他の実施例を示す。この実施例においては、各断層平面に平行に並んで位置する複数の並行X線ビームが発生されるように、ミラー5aのアレイが用いられる。この実施例では、個々の各X線転向要素5aが、アノード7のX線放出面の他の小さな範囲を各X線検出器要素2又は6に写像するように各X線転向要素5aを構成することができる。そうすることによって、X線画像の分解能を減少させることなく、アノード7上に非常に大きな焦点11を作成することが可能になる。アノードの大きさによってしか制約されないそのような任意の大きさの焦点によって、X線源の電力を、局部過熱を生じさせることなく、高めることができる。
従って、最後に述べた実施例は患者の周りをただ1回転する際にz方向の検査空間を大きく完全にカバーすることが可能になる。このことは走査時間を低減させ、従ってCT装置の処理量を増大させることができる。さらに熱発生による電力損失が明らかに減少される。より大きな空間をカバーする高速走査時間は大きなモーションアーチファクトなしに高い生体運動を伴う身体領域又は器官の撮影を可能にする。さらに、この構成は断層に依存する焦点サイズの問題を除去し、そのことから生ずるアーチファクトを除去する。さらに、X線転向要素の動きのためにマイクロアクチュエータを用いることによって、z方向への平行ビームの大きさを変調し、このようにしてX線にさらされる面を制限することが可能になる。さらに、そのようなマイクロアクチュエータによってミラーをX線管に最適に適合させることができる。
X線コンピュータ断層撮影装置の基本構成の一例を示す説明図 X線源の放出X線および従来利用されているX線部分の例を示す正面図 本発明によるX線装置の構成の一例を示す図 本発明によるX線装置の構成の他の例を示す説明図 X線源の放出X線例および従来利用されているX線部分の例を図2の表示面に対して垂直な方向から見て示す図 従来技術によるマルチスライスX線コンピュータ断層撮影装置のz方向に見たX線分布の一例を示す図 本発明によるX線装置のX線ガイドの一例を示す図 本発明によるX線装置のX線ガイドの他の例を示す図 本発明によるX線装置のX線ガイドのさらに他の例を示す図
符号の説明
1 X線源
2 検出器要素
3 検査対象空間
4a 第1空間角度範囲
4b 他の空間角度範囲
4c 第3空間角度範囲
5a スーパーミラー(X線転向要素)
5b ポリキャピラリ光学素子(X線転向要素)
6 X線検出器要素
7 アノード
8 放出X線
9 絞り
10 X線ビーム
11 焦点
12 櫛形コリメータ
13 セル形コリメータ
14 患者
15 X線管
16 ガントリ
17 X線ビーム
18 高電圧発生装置
19 制御装置
20 画像コンピュータ

Claims (16)

  1. X線源(1)、このX線源(1)に対向して配置された1つ又は複数の第1X線検出器要素(2)、およびX線源(1)とX線検出器要素(2)との間に位置する検査空間(3)を少なくとも備え、X線がX線源(1)の放出X線(8)の第1空間角度範囲(4a)から検査空間(3)の第1領域を通って第1X線検出器要素(2)に向けられているX線装置において、
    X線のための1つ又は複数のX線転向要素(5a,5b)と、1つ又は複数の他のX線検出器要素(6)もしくは他のX線検出器要素(6)のグループとが、X線源(1)の放出X線(8)の1つ又は複数の他の空間角度範囲(4b,4c)からのX線が1つ又は複数のX線転向要素(5a,5b)によって検査空間(3)の第1領域もしくは1つ又は複数の他の領域を通って他のX線検出器要素(6)に向けられるようにX線装置に配置されていることを特徴とするX線装置。
  2. X線転向要素(5a,5b)と他のX線検出器要素(6)のグループとは、第1領域が異なる投影方向でX線によって透過されるようにX線装置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のX線装置。
  3. X線源(1)、X線検出器要素(2,6)およびX線転向要素(5a,5b)は、一平面内で検査空間(3)を取巻き動作時に検査空間(3)内を延びる回転軸線の周りを回転するガントリ(16)に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線装置。
  4. X線転向要素(5a,5b)と他のX線検出器要素(6)のグループとは、検査空間(3)の回転軸線の軸線方向に前後して位置する領域のほぼ平行な複数の平面がX線によって透過されるようにX線装置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のX線装置。
  5. X線転向要素(5a,5b)は、平行な複数の平面内に扇状に拡大するX線ビーム(10)を形成するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のX線装置。
  6. X線転向要素(5a,5b)は、平行な複数の平面内に平行X線ビーム(10)を形成するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のX線装置。
  7. X線転向要素(5a,5b)は、各X線転向要素(5)のX線ビーム(10)が他のX線検出器要素(6)の複数の平行な列に亘って延びるように構成されていることを特徴とする請求項4乃至61つに記載のX線装置。
  8. X線転向要素(5a,5b)は、検査空間(3)の領域がほぼ二次元で平行に並んで位置する複数のX線ビーム(10)によって透過されるように、アレイ状に配置されかつ構成されていることを特徴とする請求項4に記載のX線装置。
  9. X線源(1)は回転アノード(7)を備え、そのアノード(7)に、電子ビームの衝突によってX線放出面が形成されることを特徴とする請求項1乃至8の1つに記載のX線装置。
  10. X線放出面はアノード(7)上に半径方向に延びる直線として形成されていることを特徴とする請求項9に記載のX線装置。
  11. X線転向要素(5a,5b)は、X線検出器要素(6)上にX線放出面の異なる領域を写像するように構成されかつ配置されていることを特徴とする請求項9に記載のX線装置。
  12. X線転向要素(5a,5b)は、結晶質の多層構造から構成され放物面状に形成されたスーパーミラー(5a)であることを特徴とする請求項1乃至11の1つに記載のX線装置。
  13. X線転向要素(5a,5b)はポリキャピラリ光学素子(5b)によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至11の1つに記載のX線装置。
  14. X線転向要素(5a,5b)と検査空間(3)との間にモノクロメータとして、X線を方向転換させるブラッグ反射器が配置されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のX線装置。
  15. X線転向要素(5a,5b)は、他の空間角度範囲(4b,4c)のX線から平行X線ビーム(10)を形成するように構成されていることを特徴とする請求項13又は14に記載のX線装置。
  16. X線転向要素(5a,5b)は、他の空間角度範囲(4b,4c)のX線から、収束するX線ビーム(10)を形成するように構成されていることを特徴とする請求項13又は14に記載のX線装置。
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