JP2006523818A - 通気ダクト - Google Patents

Abstract

継ぎ目の無い通気ダクト（１）が開示されている。 このダクト（１）は、一体化されたヒンジ手段（６）を備えており、使用に先立って、運搬及び／若しくは保管のためにダクト（１）を圧潰可能としている。

Description

本発明は、暖房若しくは冷房の目的で、それぞれ温風若しくは冷風を搬送するために基本的には建物内で使用され、且つ、空気若しくは流体の循環が要請される他の環境下において使用される通気ダクト若しくは通気管に関する。

従来、管を引き回す（ducting）際には、そのような管は、通常、設置場所へ運搬される前に予め組み立てられており、それ以外の組立てを要しないことから、速やかに設置を行うことが可能であった。 しかしながら、これにより、管の引き回しが煩わしい上に、管の組立体が嵩張るため、簡単に運搬するには困難が伴い、この結果、コスト増を招来することとなっている。

個別のパネルとして設置場所へ運搬され、次いで設置のために組み立てられる通気ダクトは公知である。 しかしながら、組立てには時間がかかり、しばしば溶接装置が必要であったり、複数のパネルを互いに接続するために他の部品と共に引き回す必要がある。 この場合もやはり、追加的な部品が必要となるため製造コストの増大を招来していた。

本発明の目的は、従来の引き回しに伴う欠点を解消するか、若しくは実質的に軽減すると共に、簡単に製造、保管、並びに設置のための運搬及び直立（erect）を容易に行うことができるという望ましい特徴を備えている通気ダクトを提供することにある。

本発明によれば、継ぎ目の無い通気ダクトであって、運搬及び／若しくは保管のために前記ダクトを圧潰（collapse）可能とするように一体的に形成されたヒンジ手段を備えていることを特徴とする継ぎ目の無い通気ダクトが提供される。

好適な実施例によれば、前記ダクトは複数の細長いパネルを備えており、各々のパネルは、該パネル間での相対移動を可能とするために、一体的に形成されたヒンジ手段によって、隣接するパネルに接合されている。

好適には、前記ヒンジ手段が、各パネルの間で前記ダクト内に細長いチャネルを備えており、これによって前記ダクトが、前記パネル間での相対移動を可能とするために、前記チャネルの領域内で折り畳まれる。

前記ダクトが直立されているとき、各パネルは、隣接する２つのパネルに略直交して配置されていることが好ましい。

好適な実施例においては、各パネルは剛体若しくは半剛体であって、前記ダクトの一の側壁部を形成している。

前記ダクトが圧潰されているときに、各側壁部は、都合の良いことに、別の側壁部に実質的に接触して横たえられている

前記側壁部は、断面において、平行四辺形を為していることが好ましい。 しかしながら、４つ以上の側壁部を備えた構成も想定することができ、この場合において、前記側壁部は断面において、協働して多側外形を為している。

有利には、前記ダクトは、ポリプロピレン若しくはＰＶＣから製造されている。 しかしながら、前記ダクトを、有効なヒンジ機構を構成するために適切な物性を有する任意の熱可塑性樹脂若しくは熱可塑性エラストマーから製造することもできる。 好適には前記ダクトは押出しにより製造される。 しかしながら、射出成形若しくはブロー成形のような他の製造方法を採用することも想定される。

また本発明は、一体化されて形成されたヒンジ手段を備えている継ぎ目の無い通気ダクトを製造する方法であって、前記ダクトを押出し若しくは成形するステップと、前記ダクトを冷却する可能とするステップと、前記ダクトを、設置するために運搬、保管若しくは直立させるように前記ヒンジ手段周りで折り畳むステップと、を備えたことを特徴とする方法を提供している。

前記ダクトは、直立させた状態若しくは部分的に直立させた状態で、押出し若しくは成形される。 しかしながら、前記ダクトは、代替的に平坦状態で押出され、次いで設置するために直立されても構わない。

本発明の実施例、単に例示目的として、以下に添付図面を参照しつつ説明される。

以下、図面を参照しつつ説明すると、図１には、本発明による長方形の通気ダクト、すなわち管１の端面図若しくは断面図が示されており、この通気ダクトは、第１の副壁部４及び第２の副壁部５によって互いに離間された第１の主壁部２及び第２の主壁部３を備えており、これら壁部２、３、４、５によって、細長い中空のダクト空間７が形成されている。 ダクト１には継ぎ目が無く、押出しにより１つの管状部材として一体的に形成されている。 各壁部の長手方向端部は、ダクト１に切り込まれた長手溝から形成されているヒンジ手段６によって、隣接する壁部に接続されている。 図２から一層明らかに理解されるように、各チャネル６は低減された壁部厚さを有するダクト１内の領域を備えており、これにより、当該領域においてダクトは一層フレキシブルになっている。 壁部２、３、４、５の平坦面自身は、より大きな厚さを有する剛体若しくは半剛体であって、そのため容易には屈曲しないようになっている。 図示の実施例は、略長方形の断面を有するダクト１を示しているが、各壁部２、３、４、５を同じ幅にしてダクト１の断面を正方形となるようにすることもできる。

壁部２、３、４、５とヒンジ手段６とにより形成されたダクト１は、一体物の管として押出しにより製造され、好適には図１に示された形態、すなわち、主壁部２、３と副壁部４、５とが互いに直角となり、完全に直立した状態に製造されている。 しかしながら、ダクトは部分的に圧潰された状態（collapsed state）で押出しにより製造することもできる。

図３を参照すると、ダクト１は、完全に潰された状態、すなわち、主壁部２及び副壁部４が、主壁部３及び副壁部５に重なり合って、折り畳まれてフラットとなった状態が図示されている。 ダクト１の圧潰は、図１における矢印"Ｘ"若しくは矢印"Ｙ" の方向にダクトに対して剪断力を付与し、ヒンジ６の周りでダクトを折り畳む若しくは折り目をつけることによって行われる。 図３に示されたダクト１は、矢印"Ｙ" の方向で力を付与することによって潰される。

図４は、主壁部２と副壁部４との間、及び、副壁部４と主壁部３との間のヒンジ部６の領域を拡大して示した図である。 この図から理解されるように、これら２つの壁部３、４の間の角度は実質的にゼロ度まで減少され、これにより壁部３、４は接触状態で横たえられる。 ダクト１が折り畳まれた状態であるときは、ヒンジ部６を形成しているチャネルは、略半球形の開口部であると考えられる。

図２から最も明らかに理解できるように、前記チャネルは底壁部８と２つの側壁部９とを備えている。 底壁部８はアーチ状の面を形成し、側壁部は、９０度の角度若しくは他のある角度で底壁部８から延在されている。 滑らかな半径によって、底壁部８は各側壁部９へ、また、各側壁部９はチャネルが形成された壁面へ接続されている。

ダクト１が押出しで製造されると、前記チャネル領域におけるダクト１のフレキシビリティにより、ダクト１を図１に示された直立状態から、図３に示された折り畳み状態へと折り畳むことができ、実質的にダクトのサイズを低減させ、保存及び運搬を簡素化することができることが理解されるであろう。

ダクト１は通常、一旦、すなわち製造された後にフラットに折り畳まれ、そして設置のために一旦直立状態とされる。 一旦設置が完了すると、一般にはそもそもダクトを再度折り畳む必要は生じない。 それゆえ、ダクト１、特に前記チャネル領域におけるダクト１の薄い壁の部分の材料は、設置のために破壊されることなくダクト１を圧潰及び直立させるために、２回〜３回曲げることができる必要があるにすぎない。 前記材料は、ダクト１が自重で圧潰しないで直立状態で放置され得るように、曲げられても所定の剛性を維持できることが好ましい。

好適な実施例においては、ダクト１は、容易に押出し成形できるような樹脂材料から製造されている。 材料としては、有効なヒンジ機構を構成するために適切な物性を有するポリプロピレン、ＰＶＣ、あるいは他の任意の熱可塑性樹脂若しくは熱可塑性エラストマーが好ましい。

一の実施例においては、ヒンジ手段６及び壁部２、３、４、５は全て同じ材料から押出しにより製造されているけれども、ヒンジ手段６が壁部２、３、４、５に対して異なる材料から形成できるであろうことも想定される。 疑義が生じるのを避けるために強調しておくと、たとえヒンジ手段６が異なる材料から製造されるとしても、壁部２、３、４、５及びヒンジ手段６は一緒に押出され、ダクトは依然として継ぎ目の無い構造とされる。 これは、二重硬度押出し方法（dual hardness extrusion process）を用いることによって達成することができる。

本発明は、容易に製造でき、圧潰でき、直立させることのできる通気ダクトを提供するものであることが理解できるであろう。 ダクトは完全に一の部品若しくは一体物から形成されるので、追加的な部品も組立のための工具も必要としない。 それゆえに、ダクトは製造コストが安価で、組立が容易である。 更には、ダクトは継ぎ目の無い構造であるので、ダクトを直立させる際に、２つの端部もしくは壁部を共に接合する必要が無い。 これは本発明によるダクトの重要な特長であって、製造後も設置場所においても、溶接若しくはリベット止めのような接合技術は何ら必要とされないのである。

上述の説明は、好適な実施例にのみ関連しているが、添付の特許請求の範囲の技術的範囲に属する全ての改変も、本発明の一部を構成するものである。

本発明による通気ダクトが完全に直立した状態を示している端面図若しくは断面図である。 図１に示された通気ダクトの部分拡大図である。 図１に示された通気ダクトの端面図若しくは断面図であるが、完全に潰された状態を示す図である。 図３に示された通気ダクトの部分拡大図である。

符号の説明

１ ダクト
２ 第１の主壁部
３ 第２の主壁部
４ 第１の副壁部
５ 第２の副壁部
６ ヒンジ手段
７ 中空のダクト空間
８ 底壁部
９ 側壁部

Claims (18)

1. 継ぎ目の無い通気ダクトであって、運搬及び／若しくは保管のために前記ダクトを圧潰可能とするように一体的に形成されたヒンジ手段を備えていることを特徴とする継ぎ目の無い通気ダクト。
2. 複数の細長いパネルを備えており、各々のパネルは、該パネル間での相対移動を可能とするために、一体的に形成されたヒンジ手段によって、隣接するパネルに接合されていることを特徴とする請求項１に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
3. 前記ヒンジ手段が、各パネルの間で前記ダクト内に細長いチャネルを備えており、これによって前記ダクトが、前記パネル間での相対移動を可能とするために、前記チャネルの領域内で折り畳まれることを特徴とする請求項２に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
4. 前記ダクトが直立されているとき、各パネルは、隣接する２つのパネルに略直交して配置されていることを特徴とする請求項２または３に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
5. 各パネルは剛体若しくは半剛体であって、前記ダクトの一の側壁部を形成していることを特徴とする請求項４に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
6. 前記ダクトが圧潰されているときに、各側壁部は、別の側壁部に実質的に接触して横たえられていることを特徴とする請求項５に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
7. 前記側壁部は、断面において、平行四辺形若しくは他の多側外形を為していることを特徴とする請求項５または６に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
8. 前記ヒンジ手段が、前記側壁とは異なる材料から形成されていることを特徴とする請求項１から７のいずれか一項に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
9. 前記ダクトが、樹脂材料から製造されていることを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
10. 前記ダクトが、熱可塑性樹脂若しくは熱可塑性エラストマーから製造されていることを特徴とする請求項９に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
11. 前記ダクトが、ポリプロピレン若しくはＰＶＣから製造されていることを特徴とする請求項９に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
12. 押出しにより製造されていることを特徴とする請求項１から１１のいずれか一項に記載の継ぎ目の無い通気ダクト。
13. 実質的に、添付図面を参照して以下に記載されているような継ぎ目の無い通気ダクト。
14. 一体化されて形成されたヒンジ手段を備えている継ぎ目の無い通気ダクトを製造する方法であって、前記ダクトを押出し若しくは成形するステップと、前記ダクトを冷却する可能とするステップと、前記ダクトを、設置するために運搬、保管若しくは直立させるように前記ヒンジ手段周りで折り畳むステップと、を備えていることを特徴とする方法。
15. 前記ダクトを圧潰させた状態で押出しするステップを備えていることを特徴とする請求項１３に記載の方法。
16. 前記ダクトを部分的に直立させた状態若しくは直立させた状態で押出しするステップを備えていることを特徴とする請求項１４に記載の方法。
17. 継ぎ目の無い通気ダクトを製造する方法であって、ヒンジ手段を、残余のダクトとは異なる材料から押出しするステップを備えていることを特徴とする方法。
18. 実質的に、以下に記載されているような継ぎ目の無い通気ダクトを製造する方法。
    

Images