JP4274978B2 - 仮設トイレのボックス - Google Patents
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Description
仮設トイレは、レンタル業者等のもとで不使用時に保管するとき、必要に応じて個々の部品に分解される。従って、下記特許文献2,3に記載されているように、分解、組立が簡単で、かつ保管がしやすいことが求められている。
(1)ボックスを4つの別の側壁パネルで構成しているため、分解及び組立に時間がかかる。
(2)多数の仮設トイレを分解して保管する場合、同じ部品同士をまとめて保管し、ボックスの側壁パネルについても同じものを積み重ねて保管するのであるが、4つの側壁パネルを別々に積み重ねるため、広い保管スペースが必要である。
(3)側壁パネルをブロー成形によって製造する際に、前面、左右両面及び後面の各側壁パネルに対応する4つの金型が必要であり、これにより仮設トイレの製造コストが高くなっている。
(4)各側壁パネルは一枚板で自立しないため、倒れないように支持する人手が必要であり、現地での組み立てがしにくい。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
望ましくは、前記ボックスは、一体的に連接された複数個の側壁パネルからなる構造体が2組組み合わされて構成される。さらに望ましくは、前記2組の構造体は同じ構造のブロー成形体からなり、該2組の構造体は前後、左右、又は斜の対称位置に配置される。
あるいは、前記ブロー成形体において、前面及び後面の側壁パネルには、2重壁が相互に圧着して形成された薄肉の部分がドアの外形に沿って矩形状に形成され、前面の側壁パネルにおいては薄肉の部分でドア相当部分が切り抜かれ、後面の側壁パネルにおいては切り抜かれないままとされる。この場合、前記矩形状の一方の縦のラインの箇所において薄肉の部分を残し、これをドアのヒンジとして用いる。
あるいは、前記ブロー成形体において、前面及び後面の側壁パネルには、2重壁が相互に圧着して形成された薄肉の部分がドアの外形に沿って矩形状に形成され、前面の側壁パネルにおいては矩形状の一方の縦のラインの箇所を残して、前記薄肉の部分が切り抜かれ、前記薄肉の部分の内側がドアとして利用され、後面の側壁パネルにおいては切り抜かれないままとされる。
さらに、2つ以上の側壁パネルを一体的にブロー成形することになるので、金型の点数が減少し、特にボックスを2組の構造体(一体的に連接された複数個の側壁パネルからなる構造体)で構成し、かつ前記2組の構造体が同じ構造のブロー成形体から得られるようにすれば、ボックスの側壁パネルについては金型は1つで済む。
図1、2に示す仮設トイレは、便槽1と、その上に設置した四角いボックス2及び天井壁3からなる。ボックス2は、前面、左右両面及び後面の側壁パネル4〜7により構成され、前面の側壁パネル4にはドア8が取り付けられている。このボックス2は、それぞれ一体のブロー成形体からなる構造体A,Bからなり、構造体Aは前面の側壁パネル4の一部(右半分)4a、右面の側壁パネル5及び後面の側壁パネル7の一部(右半分)7aからなり、構造体Bは前面の側壁パネル4の一部(左半分)4b、左面の側壁パネル6及び後面の側壁パネル7の一部(左半分)7bからなる。構造体A,Bは便槽1の上に左右対称位置(面対称位置)に配置されていて、その境界を図2に白抜き矢印で示している。
構造体Bは同じくブロー成形体A0から得られ、構造体Aと同じ構造を有する。ただし、ボックス2に組み立てるとき、上下逆向きに設置される。
このボックス2では、構造体Aにドア8が取り付けられる。ドア8はヒンジ15を介して側壁パネル4aに取り付けられているが、溶着部13を全て切除せず、ドア相当部分14を切除するときコの字形状の縦のラインの箇所を残しておいて、残した溶着部13にドア8を取り付け、該溶着部13をヒンジとして利用することもできる。この場合、溶着部13のコの字形状の縦のラインの幅を広めに形成しておくことが望ましい。
一方、構造体Bはブロー成形体A0とほぼ同じ外形のブロー成形体B0から得られるが、該ブロー成形体B0には、ブロー成形体A0において形成されていた溶着部13に相当するものが形成されていない。すなわち、図6(d)に示すように、ブロー成形体B0は、3個の2重壁ブロー成形体パネルが薄肉の溶着部11,12を介して一体的に連接したもので、中央のパネルは側壁パネル26そのもの、右側のパネルは側壁パネル27bそのもの、左側のパネルは側壁パネル24bそのものである。
この場合、溶着部13のコの字形状の窪みが後面の側壁パネル27に表れるが、ブロー成形の金型が1つで済む利点がある。
一方、構造体Bはブロー成形体A0とほぼ同じ外形のブロー成形体B0から得られるが、該ブロー成形体B0には、ブロー成形体A0において形成されていた溶着部13に相当するものが形成されていない。すなわち、図10(c)に示すように、ブロー成形体B0は、2個の2重壁ブロー成形体パネルが薄肉の溶着部11を介して一体的に連接したもので、右側のパネルは側壁パネル37そのもの、左側のパネルは側壁パネル36そのものである。
この場合、溶着部13の矩形状の窪みが後面の側壁パネル37に表れるが、ブロー成形の金型が1つで済む利点がある。
一方、構造体Bはブロー成形体A0とほぼ同じ外形のブロー成形体B0から得られるが、該ブロー成形体B0には、ブロー成形体A0において形成されていた溶着部13に相当するものが形成されていない。すなわち、図14(c)に示すように、ブロー成形体B0は、3個の2重壁ブロー成形体パネルが薄肉の溶着部11,12を介して一体的に連接したもので、右側のパネルは側壁パネル45bそのもの、左側のパネルは側壁パネル46bそのもの、中央のパネルは側壁パネル47そのものである。
この場合、溶着部13の矩形状の窪みが後面の側壁パネル47に表れるが、ブロー成形の金型が1つで済む利点がある。
このボックスを構成する構造体Aは、図17に示すブロー成形体A0からなり、これは3個の2重壁ブロー成形体パネルが薄肉の溶着部11,12を介して一体的に連接したものである。構造体Bも同形状であり、これらの構造体A,Bが便槽1の上に左右対称位置(面対称位置)に配置されている。なお、55は右面の側壁パネル、57aは後面の側壁パネルの一部である。
このボックス2は、それぞれ一体のブロー成形体からなる構造体A,Bからなり、構造体Aは前面の側壁パネル74の一部(右半分)74a、右面の側壁パネル75及び後面の側壁パネル77の一部(右半分)77aからなり、構造体Bは前面の側壁パネル74の一部(左半分)74b、左面の側壁パネル76及び後面の側壁パネル77の一部(左半分)77bからなる。構造体A,Bは便槽1の上に左右対称位置(面対称位置)に配置されていて、その境界を図2に白抜き矢印で示している。
このブロー成形体A0は溶着部83が2重壁部84を残すようにコの字形状に切り抜かれ、ドア相当部分14が切除されて、構造体Aが完成する。
構造体Bは、同じくブロー成形体A0から得られる。ただし、構造体Bにおいては、溶着部80及び2重壁部81を全て除去する。また、構造体Bは、ボックス2に組み立てるとき、上下逆向きに設置される。
2 ボックス
3 天井壁
4〜7,24〜27,34〜37,44〜47,54,55、64〜66,74〜77,4a,4b,7a,7b,24a,24b,27a,27b,45a,45b,46a,46b,54a,57a,64a,64b,74a,74b,77a,77b 側壁パネル
11〜13,83 溶着部
Claims (9)
- 前面、左右両面及び後面がいずれも2重壁ブロー成形体からなる側壁パネルによって構成され、一部又は全部のコーナー部において、隣接する側壁パネルが、2重壁が相互に圧着して形成された薄肉のヒンジ部を介して一体的に連接され、該ヒンジ部において屈曲又は展開自在とされていることを特徴とする仮設トイレのボックス。
- 一体的に連接された複数個の側壁パネルからなる構造体が、2組組み合わされて構成されることを特徴とする請求項1に記載された仮設トイレのボックス。
- 前記2組の構造体は同じ構造のブロー成形体からなることを特徴とする請求項2に記載された仮設トイレのボックス。
- 前記2組の構造体は、前後、左右、又は斜の対称位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載された仮設トイレのボックス。
- 前記ブロー成形体において、前面及び後面の側壁パネルには、2重壁が相互に圧着して形成された薄肉の部分がドアの外形に沿ってコの字形状に形成され、前面の側壁パネルにおいては薄肉の部分でドア相当部分が切り抜かれ、後面の側壁パネルにおいては切り抜かれないままとされることを特徴とする請求項3又は4に記載された仮設トイレのボックス。
- 前記コの字形状の縦のラインの箇所において薄肉の部分を残し、これをドアのヒンジとして用いることを特徴とする請求項5に記載された仮設トイレのボックス。
- 前記ブロー成形体において、前面及び後面の側壁パネルには、2重壁が相互に圧着して形成された薄肉の部分がドアの外形に沿って矩形状に形成され、前面の側壁パネルにおいては薄肉の部分でドア相当部分が切り抜かれ、後面の側壁パネルにおいては切り抜かれないままとされることを特徴とする請求項3又は4に記載された仮設トイレのボックス。
- 前記矩形状の一方の縦のラインの箇所において薄肉の部分を残し、これをドアのヒンジとして用いることを特徴とする請求項7に記載された仮設トイレのボックス。
- 前記ブロー成形体において、前面及び後面の側壁パネルには、2重壁が相互に圧着して形成された薄肉の部分がドアの外形に沿って矩形状に形成され、前面の側壁パネルにおいては矩形状の一方の縦のラインの箇所を残して、前記薄肉の部分が切り抜かれ、前記薄肉の部分の内側がドアとして利用され、後面の側壁パネルにおいては切り抜かれないままとされることを特徴とする請求項3又は4に記載された仮設トイレのボックス。
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