JP2006523708A - アミロイド斑に関連する状態の処置のためのNogoレセプターアンタゴニスト - Google Patents

アミロイド斑に関連する状態の処置のためのNogoレセプターアンタゴニスト Download PDF

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Abstract

本発明は、Nogoレセプターアンタゴニストの投与によって、異常アミロイド−β(Aβ)ペプチド沈着に関わる疾患(アルツハイマー病を含む)を処置するための方法を提供する。本発明はまた、可溶性のNogoレセプターポリペプチドの投与によって、哺乳動物におけるAβペプチドのレベルを低下させるための方法を提供する。本発明は、可溶性のNogoレセプターポリペプチドを用いる処置が、Aβペプチドのレベルを低下すること、ならびにNogoレセプターアンタゴニスト(例えば、可溶性のNogoレセプターポリペプチド)を用いる処置が、Aβペプチドおよび斑沈着の産生を低減するという発見を基にしている。

Description

(発明の分野)
本発明は、神経生物学、神経学および薬理学に関する。より具体的には、本発明は、異常なアミロイド−β(Aβ)ペプチド産生および沈着に関連する疾患(アルツハイマー病が挙げられる)を、Nogoレセプターアンタゴニストの投与によって処置する方法に関する。
(発明の背景)
アルツハイマー病(AD)は、神経変性障害であり、記憶、認知、論理的思考、判断および情緒的安定性の進行性消失を生じ、最終的には死をもたらす。ADの病的特徴は、脳におけるアミロイド斑の存在である。しかし、アミロイド斑および血管のアミロイド沈着(アミロイド血管障害)もまた、他の状態(例えば、21トリソミー(ダウン症候群)、Dutch型のアミロイドーシスを有する遺伝性小脳性出血(HCHWA−D)、および脳のアミロイド血管障害(CAA))に存在する。アミロイド斑の主要な成分は、Aβペプチドであり、これは、βセクレターゼ(βACE)およびγセクレターゼ(プレセニリン−1,2および関連タンパク質)によるアミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解に由来する。APPはまた、αセクレターゼおよびγセクレターゼによって、無害のペプチドおよびタンパク質フラグメントに変換される。ヒト家族性AD(FAD)の遺伝的研究は、APPおよび/またはプレセニリンにおける変異が、総Aβペプチドの産生、または他のAPP切断産物に対するAβ42−3ペプチドの比を変化させることを見出している。さらに、変異プレセニリンを含むかまたは含まないAPPの変異ヒトFADバージョンを発現するマウスは、アミロイド斑沈着および認知障害を示す。
AβペプチドはADに関連するが、Aβペプチドのどの形態が神経機能障害を生じ、それらがどのように作用するのかに関する確信は乏しい。モノマーのAβペプチドの大きなアミロイド斑沈着物への転換は、いくつかの工程を通して進行し、中間体形態は、ADの神経機能障害の原因となり得る。従って、治療的介入は、Aβペプチドのレベルを低下することおよびアミロイド斑形成を予防することに集中している。これらのアプローチは、いくつかの成功を得、例えば、Aβペプチドによる免疫化および抗Aβペプチド抗体の受動的投与が挙げられる。例えば、Bardら、Nature Med.6:916−19(2000);Holtzmanら、Adv.Drug Delivery Rev.54:1603−13(2002);ならびに国際特許出願番号WO99/27944、WO00/72876、および00/72880を参照のこと。しかし、ADに対するさらなる治療的処置を発明することが急務となっている。
(発明の要旨)
本発明は、可溶性のNogoレセプターポリペプチドを用いる処置が、Aβペプチドのレベルを低下すること、ならびにNogoレセプターアンタゴニスト(例えば、可溶性のNogoレセプターポリペプチド)を用いる処置が、Aβペプチドおよび斑沈着の産生を低減するという発見を基にしている。これらの発見に基づき、本発明は、アミロイド斑の沈着に関連する状態(アルツハイマー病が挙げられる)を、NogoレセプターポリペプチドおよびNogoレセプターアンタゴニストの可溶性フラグメントの投与によって処置する方法を特徴とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、哺乳動物におけるAbペプチドのレベルを低下するための方法を提供し、その方法は、治療有効量の可溶性Nogoレセプターポリペプチドを投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、Abペプチドのレベルは、疾患、障害または状態に関連して上昇される。いくつかの実施形態において、上記疾患、障害または状態は、アルツハイマー病である。
いくつかの実施形態において、可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、ボーラス注射または長期注入によって投与される。いくつかの実施形態において、可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、中枢神経系に直接投与される。いくつかの実施形態において、可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、側脳室に直接投与される。
いくつかの実施形態において、可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、哺乳類NgR1の可溶性形態である。いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、(a)10個までの保存的アミノ酸置換を含むヒトNgR1のアミノ酸26〜310(配列番号3)を含み;そして(b)(i)機能性膜貫通ドメイン、および(ii)機能性シグナルペプチドを欠く。いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、(a)10個までの保存的アミノ酸置換を含むヒトNgR1のアミノ酸26〜344(配列番号4)を含み;そして(b)(i)機能性膜貫通ドメイン、および(ii)機能性シグナルペプチドを欠く。いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、(a)10個までの保存的アミノ酸置換を含むラットNgR1のアミノ酸27〜310(配列番号5)を含み;そして(b)(i)機能性膜貫通ドメイン、および(ii)機能性シグナルペプチドを欠く。いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、(a)10個までの保存的アミノ酸置換を含むラットNgR1のアミノ酸27〜344(配列番号6)を含み;そして(b)(i)機能性膜貫通ドメイン、および(ii)機能性シグナルペプチドを欠く。
いくつかの実施形態において、哺乳動物NgR1の可溶性形態は、融合部分をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記融合部分は、免疫グロブリン部分である。いくつかの実施形態において、上記免疫グロブリン部分は、Fc部分である。
いくつかの実施形態において、上記治療有効量は、0.001mg/kg〜10mg/kgである。いくつかの実施形態において、上記治療有効量は、0.01mg/kg〜1.0mg/kgである。いくつかの実施形態において、上記治療有効量は、0.05mg/kg〜0.5mg/kgである。
いくつかの実施形態において、本発明は、哺乳動物においてAbペプチドの斑に関連する疾患、障害または状態を予防または処置する方法を提供し、この方法は、治療有効量のNgR1アンタゴニストを投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記斑は、中枢神経系にある。いくつかの実施形態において、上記疾患、障害または状態は、アルツハイマー病である。
いくつかの実施形態において、上記NgR1アンタゴニストは、中枢神経系に直接投与される。いくつかの実施形態において、上記NgR1アンタゴニストは、側脳室に直接投与される。いくつかの実施形態において、上記NgR1アンタゴニストは、ボーラス注射または長期注入によって投与される。
いくつかの実施形態において、上記可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、哺乳類NgR1の可溶性形態である。いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、(a)10個までの保存的アミン酸置換を含むヒトNgR1のアミノ酸26〜310(配列番号3)を含み;そして(b)(i)機能性膜貫通ドメイン、および(ii)機能性シグナルペプチドを欠く。いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、(a)10個までの保存的アミン酸置換を含むヒトNgR1のアミノ酸26〜344(配列番号4)を含み;そして(b)(i)機能性膜貫通ドメイン、および(ii)機能性シグナルペプチドを欠く。いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、(a)10個までの保存的アミン酸置換を含むラットNgR1のアミノ酸27〜310(配列番号5)を含み;そして(b)(i)機能性膜貫通ドメイン、および(ii)機能性シグナルペプチドを欠く。いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、(a)10個までの保存的アミン酸置換を含むラットNgR1のアミノ酸27〜344(配列番号6)を含み;そして(b)(i)機能性膜貫通ドメイン、および(ii)機能性シグナルペプチドを欠く。
いくつかの実施形態において、哺乳類NgR1の可溶性形態は、融合部分をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記融合部分は、免疫グロブリン部分である。いくつかの実施形態において、上記免疫グロブリン部分は、Fc部分である。
いくつかの実施形態において、上記NgR1アンタゴニストは、哺乳類NgR1に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。いくつかの実施形態において、上記抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fvフラグメント、Fdフラグメント、二重特異性抗体、および単鎖抗体からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体によって結合されたポリペプチドに結合し、このモノクローナル抗体は、HB 7E11(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4587)、HB 1H2(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4584)、HB 3G5(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4586)、HB 5B10(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4588)およびHB 2F7(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4585)からなる群より選択されるハイブリドーマによって産生される。いくつかの実施形態において、上記モノクローナル抗体は、上記HB 7E11ハイブリドーマによって産生される。いくつかの実施形態において、上記ポリペプチドは、AAAFGLTLLEQLDLSDNAQLR(配列番号7);LDLSDNAQLR(配列番号8);LDLSDDAELR(配列番号9);LDLASDNAQLR(配列番号10);LDLASDDAELR(配列番号11);LDALSDNAQLR(配列番号12);LDALSDDAELR(配列番号13);LDLSSDNAQLR(配列番号14);LDLSSDEAELR(配列番号15);DNAQLRVVDPTT(配列番号16);DNAQLR(配列番号17);ADLSDNAQLRVVDPTT(配列番号18);LALSDNAQLRVVDPTT(配列番号19);LDLSDNAALRVVDPTT(配列番号20);LDLSDNAQLHVVDPTT(配列番号21);およびLDLSDNAQLAVVDPTT(配列番号22)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、上記治療有効量は、0.001mg/kg〜10mg/kgである。いくつかの実施形態において、上記治療有効量は、0.01mg/kg〜1.0mg/kgである。いくつかの実施形態において、上記治療有効量は、0.05mg/kg〜0.5mg/kgである。
(発明の詳細な説明)
他で規定されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の通常の知識を有する者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合には、その定義を含む本出願が制御する。文脈によって他に必要とされない限り、単数形の用語は、複数形を包含し、複数形の用語は単数形を包含する。本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許文献および他の参考文献は、あたかも各々個々の刊行物または特許出願が特異的かつ個別に参考として援用されるべきであると示されていたかのように、すべての目的に対してその全体が参考として本明細書中に援用される。
本明細書中に記載された方法および材料と類似または等価の方法および物質が、本発明の実践または試験で使用され得るが、適切な方法および材料が以下に記載される。材料、方法および実施例は、例示のみであり、限定されることを意図されない。本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
本明細書および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」またはバリエーション(例えば、「含む(comprises)」もしくは「含んでいる(comprising)」)は、任意の列挙される整数または整数の群の包含を示すが、任意の他の整数または整数の群の排除を示さない。
本発明をさらに規定するために、以下の用語および定義が提供される。
本明細書中で使用される場合、「抗体」とは、インタクトな免疫グロブリン、またはその抗原結合フラグメントを意味する。本発明の抗体は、任意のアイソタイプまたはクラス(例えば、M、D、G、EおよびA)あるいは任意のサブクラス(例えば、G1〜4、A1〜2)の抗体であり得、カッパ(κ)軽鎖またはラムダ(λ)軽鎖のいずれかを有し得る。
本明細書中で使用される場合、「ヒト化抗体」とは、非ヒト配列の少なくとも一部分がヒト配列で置換されている抗体を意味する。ヒト化抗体を作製するための方法の例は、米国特許第6,054,297号、同第5,886,152号および同第5,877,293号に見出され得る。
本明細書中で使用される場合、「治療有効量」とは、必要な投薬量かつ期間で、所望の治療成果を達成するために有効な量をいう。
本明細書中で使用される場合、「予防有効量」とは、必要な投薬量かつ期間で、所望の予防成果を達成するために有効な量をいう。代表的には、予防量は、被験体において疾患の初期段階の前または初期段階時に使用されるので、上記予防有効量は、上記治療有効量未満である。
本明細書中で使用される場合、「患者」とは、哺乳動物(例えば、ヒト)を意味する。
本明細書中で使用される場合、「融合タンパク質」とは、第2の、異種ポリペプチドに融合された第1のポリペプチドを含むタンパク質を意味する。
本明細書中で使用される場合、「Nogoレセプターアンタゴニスト」とは、リガンド(例えば、NogoA、NogoB、NogoC、MAG、OM−gp)に対するNogoレセプター−1の結合を阻害する分子を意味する。
本明細書中で使用される場合、「Nogoレセプターポリペプチド」は、Aβペプチドに結合するかまたはNogoレセプター機能を拮抗する、全長Nogoレセプター−1タンパク質およびそのフラグメントの両方を含む。
本発明の第1の局面は、可溶性NogoレセプターポリペプチドがAβペプチドに直接結合するという発見に基づく。従って、理論により束縛されることを意図せずに、可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、インビボでAβペプチドシンクとして機能し得るようである。この機構は、循環血液中で、沈着部位で、または両方でAβペプチドレベルを減少させるように利用され得、それによって、アミロイド斑形成を阻害するかまたは存在する斑のサイズを縮小する。1つの作用部位が血流中であるので、本発明は、中枢神経系(CNS)に可溶性Nogoレセプターポリペプチドを投与する必要性を有利に回避する。しかし、可溶性Nogoレセプターポリペプチドが、全身投与代わりに、または全身投与に加えてCNSに直接投与され得ることが理解される。
本発明の第2の局面は、可溶性Nogoレセプターポリペプチドまたは他のNogoレセプターアンタゴニスト(例えば、抗Nogoレセプター抗体)が、CNSにおいてNogoレセプター機能を妨げるという発見に基づく。このことは、Aβペプチドレベルの減少および斑沈着の減少の両方を生じる。この機構において、可溶性Nogoレセプターポリペプチドまたは他のNogoレセプターアンタゴニストの作用部位は、CNSである。理論に束縛されることを意図せずに、NgR機能を阻害することの少なくとも1つの効果は、Aβペプチドを生じるAPPのプロセシングを減少させることであるようである。
(Nogoレセプターアンタゴニスト)
任意のNogoレセプターアンタゴニストが、本発明の方法で使用され得る。例えば、本発明の方法で使用され得るNogoレセプターアンタゴニストとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:可溶性Nogoレセプター−1ポリペプチド;Nogoレセプタータンパク質に結合する抗体およびそのような抗体の抗原結合フラグメント;ならびに低分子アンタゴニスト。
(可溶性Nogoレセプター−1ポリペプチド)
本発明のいくつかの実施形態は、可溶性Nogoレセプター−1ポリペプチド(Nogoレセプターはまた、「Nogoレセプター」、「NogoR」、「NogoR−1」、「NgR」および「NgR−1」として多様に称される)を使用する。全長Nogoレセプター−1は、シグナル配列、N末端領域(NT)、8つのロイシンリッチ反復(LRR)、LRRCT領域(上記8つのロイシンリッチ反復のロイシンリッチ反復ドメインC末端)、C末端領域(CT)およびGPIアンカーからなる。ヒトNogoレセプターポリペプチドおよびラットNogoレセプターポリペプチドの配列は、表1に示される。
Figure 2006523708
本発明の方法で使用される可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、NTドメイン;8個のLRRおよびLRRCTドメインを含み、そしてシグナル配列および機能性GPIアンカーを欠く(すなわち、GPIアンカーを含まないかまたは細胞膜に対して効率的に関連しないGPIアンカーを含む)。適切なポリペプチドとしては、例えば、ヒトNogoレセプターのアミノ酸26〜310(配列番号3)および26〜344(配列番号4)、ならびにラットNogoレセプターのアミノ酸27〜310(配列番号5)および27〜344(配列番号6)が挙げられる(表2)。本発明の方法で使用され得るさらなるポリペプチドは、例えば、国際特許出願PCT/US02/32007およびPCT/US03/25004に記載されている。
Figure 2006523708
可溶性Nogoレセプターポリペプチドを含む融合タンパク質が、本発明の方法で使用され得る。いくつかの実施形態において、上記融合タンパク質の異種部分は、免疫グロブリン定常ドメインである。いくつかの実施形態において、上記免疫グロブリン定常ドメインは重鎖定常ドメインである。いくつかの実施形態において、上記異種ポリペプチドはFcフラグメントである。いくつかの実施形態において、上記Fcは、可溶性NogoレセプターポリペプチドのC末端終端に連結される。いくつかの実施形態において、上記融合Nogoレセプタータンパク質は、ダイマー(例えば、Fc融合ダイマー)である。
(抗体)
本発明のいくつかの方法は、Nogoレセプターアンタゴニストを使用し、このNogoレセプターアンタゴニストは、免疫原性Nogoレセプター1ポリペプチドに特異的に結合してNogoレセプター1がリガンド(例えば、NogoA、NogoB、NogoC、MAG、OM−gp)に結合するのを阻害する、抗体またはその抗原結合フラグメントである。本発明のこれらの方法において使用される抗体またはその抗原結合フラグメントは、インビボまたはインビトロで生成され得る。いくつかの実施形態において、上記抗Nogoレセプター1抗体またはその抗原結合フラグメントは、マウスまたはヒトに由来する。いくつかの実施形態において、上記抗Nogoレセプター1抗体またはその抗原結合フラグメントは、組換え体、操作されたもの、ヒト化されたもの、および/またはキメラ物である。いくつかの実施形態において、上記抗体は、国際特許出願番号PCT/US03/25004に記載される抗体から選択される。本発明において有用な抗体は、改変して、または改変せずに、使用され得る。
本発明の方法において使用され得る抗体の例示的抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fd、dAb、および相補性決定領域(CDR)フラグメントを含むフラグメント、単鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、二重特異的抗体(diabody)、ならびに特異的抗原結合性をポリペプチドに付与するために十分な免疫グロブリンの少なくとも一部を含むポリペプチド(例えば、イムノアドヘシン(immunoadhesin))である。
本明細書中で使用される場合、Fdとは、VドメインおよびCH1ドメインからなるフラグメントを意味する。Fvとは、抗体の一本のアームのVドメインおよびVドメインからなるフラグメントを意味する。dAbとは、Vドメインからなるフラグメントを意味する(Wardら、Nature 341:544〜46(1989))。本明細書中で使用される場合、単鎖抗体(scFv)とは、V領域とV領域とが対合して合成リンカーを介して一価分子を形成しており、その合成リンカーによって、これらの領域が単一のタンパク質鎖となされ得る、抗体を意味する(Birdら、Science 242:423〜26(1988)およびHustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879〜83(1988))。本明細書中で使用される場合、二重特異的抗体(diabody)とは、単一ポリペプチド鎖上でVドメインとVドメインとが発現されるが、同じ鎖上でこれらのドメイン間の対合を可能にするには短過ぎるリンカーを使用することによって、上記ドメインは別の鎖の相補的ドメインと対合させられて2つの抗原結合部位が生成する、二重特異的抗体(bispecific antibody)を意味する(例えば、Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444〜48(1993)およびPoljakら、Structure 2:1121〜23(1994)参照のこと)。
(免疫)
本発明の方法において使用するための抗体は、適切な宿主(例えば、脊椎動物(ヒト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ、爬虫類、魚類、両生類、ならびに鳥類の卵、爬虫類の卵、および魚類の卵を含む))の免疫によって生成され得る。そのような抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得る。抗体を生成するための方法の概説について、例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies,A Laboratory Manual;Yeltonら、Ann.Rev.of Biochem.50:657〜80(1981);およびAusubelら(1989)Current Protocls in Molecular Biology(New York:John Wiley & Sons)を参照のこと。抗体と免疫原性Nogoレセプターポリペプチドとの免疫反応性は、適切な任意の方法(例えば、イムノブロットアッセイおよびELISAを含む)によって決定され得る。本発明の方法において使用するためのモノクローナル抗体は、例えば、HarlowおよびLane(1988)(前出)において記載されるような従来の手順によって、生成され得る。
宿主は、アジュバントを伴ってかまたはアジュバントを伴わずにかのいずれかで、免疫原性Nogoレセプター1ポリペプチドで免疫され得る。適切なポリペプチドは、例えば、国際特許出願PCT/US01/31488、PCT/US02/32007およびPCT/US03/25004に記載されている。上記宿主はまた、インタクトな細胞または破壊された細胞の細胞膜に結合したNogoレセプター1と、Nogoレセプター1ポリペプチドに結合することによって同定される抗体とで、免疫され得る。抗体を生成するための他の適切な技術は、Nogoレセプター1または本発明の免疫原性ポリペプチドに、リンパ球をインビトロで暴露すること、あるいは、ファージまたは類似のベクター中にある抗体ライブラリーを選択すること、を含む。Huseら、Science 246:1275〜81(1989)参照のこと。
本発明の方法において使用される抗Nogoレセプター1抗体はまた、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーをスクリーニングすることによって、単離され得る。そのようなライブラリーを調製およびスクリーニングするための方法論は、当該分野で公知である。ファージディスプレイライブラリーを生成するための、市販の方法および材料が存在する(例えば、Pharmacia Recombinant PhageAntibody System,カタログ番号27−9400−01;Stratagene SurfZAPTMファージディスプレイキット、カタログ番号240612;およびMorphoSysからの他の製品)。組換え免疫グロブリンディスプレイライブラリーからの抗Nogoレセプター1抗体のスクリーニングおよび単離の後、選択された抗体をコードする核酸は、標準的な組換えDNA技術によって、ディスプレイパッケージから(例えば、ファージゲノムから)回収され得、他の発現ベクター中へとサブクローニングされ得る。コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離された抗体を発現させるために、その抗体の重鎖および軽鎖またはそれらの可変領域をコードするDNAが、組換え発現ベクター中にクローニングされ、そして宿主細胞中に導入される。
(Nogoレセプターアンタゴニストについての用途)
本発明は、Nogoレセプターアンタゴニストを投与することによって、異常なAβペプチド沈着に関する疾患を処置するための方法に関する。本発明の方法において使用されるNogoレセプターアンタゴニストとしては、可溶性Nogoレセプターポリペプチド、Nogoレセプタータンパク質に対する抗体およびNogoレセプタータンパク質の抗原結合フラグメントに対する抗体、および低分子アンタゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記異常なAβペプチド沈着は、疾患、障害、または状態(例えば、アルツハイマー病)に関連する。
(可溶性Nogoレセプターポリペプチドについての用途)
本発明はまた、可溶性Nogoレセプターポリペプチドの投与によってAβペプチドレベルを減少するための方法に関する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上記Aβペプチドレベルは、疾患、障害、または状態(例えば、アルツハイマー病)に関連して上昇する。
(薬学的組成物)
本発明の方法において使用される可溶性NogoレセプターポリペプチドおよびNogoレセプターアンタゴニストは、哺乳動物(ヒトを含む)に投与するための薬学的組成物へと処方され得る。本発明の方法において使用される薬学的組成物は、薬学的に受容可能なキャリアを含む。
これらの薬学的組成物において有用な薬学的受容可能なキャリアとしては、例えば、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩))、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ロウ、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられる。
本発明の方法において使用される組成物は、適切な任意の方法によって投与され得、例えば、非経口投与、脳室内投与、経口投与、吸入スプレーにより投与、局所投与、直腸投与、経鼻投与、口腔粘膜内投与、膣内投与、または移植レザバーを介して投与され得る。用語「非経口」とは、本明細書中で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病変内、および頭蓋内での、注射技術または注入技術を包含する。上記のように、本発明の方法において使用されるNogoレセプターアンタゴニストは、中枢神経系(CNS)において作用し、これは、Aβペプチドレベルの減少および斑沈着の減少の両方をもたらす。従って、Nogoレセプターアンタゴニストを使用する本発明の方法において、上記Nogoレセプターアンタゴニストは、血液脳関門を通過しなければならない。この通過は、上記Nogoレセプターアンタゴニスト分子自体に固有の物理化学的特性から、薬学的処方物中の他の成分から、または機械的デバイス(例えば、針、カニューレ、もしくは血液脳関門を破るための外科的機器)の使用から、生じ得る。上記Nogoレセプターアンタゴニストが、血液脳関門を本質的には通過しない分子である場合には、適切な投与経路は、例えば、髄腔内または頭蓋内であり、例えば、側脳室に直接である。上記Nogoレセプターアンタゴニストが、血液脳関門を本質的に通過する分子である場合−すなわち、可溶性Nogoレセプターポリペプチドが、Aβペプチドへの直接的結合がAβペプチドレベルの減少をもたらす本発明の方法において使用される場合−、投与経路は、下記の種々の経路のうちの1つ以上により得る。
本発明の方法において使用される組成物の滅菌注射用形態は、水性懸濁物または油性懸濁物であり得る。これらの懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤と、懸濁剤とを使用して、当該分野で公知の技術に従って処方され得る。上記滅菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射用の溶液または懸濁物(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として)であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌した不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来使用される。この目的のためには、任意の低刺激不揮発性油が、使用され得、これには、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが挙げられる。脂肪酸(例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体)が、注射用物質の調製において有用であり、同様に、天然の薬学的に受容可能な油(例えば、オリーブ油またはヒマシ油)が、特にそのポリオキシエチル化形態で、有用である。これらの油状溶液または油状懸濁物はまた、長鎖アルコール希釈剤または長鎖アルコール分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、または薬学的に受容可能な投与形態の処方物において一般的に使用される類似の分散剤(乳化剤および懸濁剤が挙げられる))を含み得る。他の一般的に使用される界面活性剤(例えば、Tween、Span、および薬学的に受容可能な固体投与形態、液体投与形態、または他の投与形態の製造において一般的に使用される他の乳化剤もしくはバイオアベイラビリティ増強剤)もまた、処方目的のために使用され得る。
非経口処方物は、一ボーラス用量、注入またはローディング(loading)ボーラス用量と、その後の維持用量であり得る。これらの組成物は、一日一回投与され得るか、または「必要に応じて」投与され得る。
本発明の方法において使用される特定の薬学的組成物は、経口的に受容可能な任意の投与形態で経口投与され得、この形態には、たとえば、カプセル、錠剤、水性懸濁物または水溶液が挙げられる。特定の薬学的組成物はまた、経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。そのような組成物は、生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、調製され得る。
一投与形態を生じるためにキャリア物質と組合され得る可溶性NogoレセプターポリペプチドまたはNogoレセプターアンタゴニストの量は、処置される宿主および特定の投与様式に依存して、変化する。上記組成物は、一回投与、多回投与として、または注入において所定期間にわたって、投与され得る。投与レジメンはまた、最適な望ましい応答(例えば、治療応答または予防応答)を提供するように調整され得る。
本発明の方法は、「治療上有効な量」もしくは「予防上有効な量」の可溶性NogoレセプターポリペプチドまたはNogoレセプターアンタゴニストを使用する。そのような治療上有効な量または予防上有効な量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および重量などの要因に従って、変動し得る。治療上有効な量または予防上有効な量はまた、治療上有益な効果があらゆる毒性効果も有害な効果も上回る量である。
任意の特定の患者についての特定の投与量および処置レジメンは、種々の要因(使用される特定の可溶性NogoレセプターポリペプチドまたはNogoレセプターアンタゴニスト、患者の年齢、患者の体重、患者の全身の健康、患者の性別、および患者の食事、ならびに投与回数、排泄速度、薬物の併用、および処置される特定の疾患の重篤度が挙げられる)に依存する。医療介護者によるそのような要因の判断は、当業者の範囲内にある。上記量はまた、処置されるべき個々の患者、投与経路、処方物の型、使用される化合物の特徴、疾患の重篤度、および望ましい効果に依存する。使用される量は、当該分野で周知の薬理学的原則および薬物動態学的原則によって、決定され得る。
本発明の方法において、上記Nogoレセプターアンタゴニストは、一般的には、中枢神経系(CNS)に直接投与されるか、脳室内に投与されるか、または髄腔内に(例えば、側脳室内中に)投与される。Aβペプチドレベルを減少するために可溶性Nogoレセプターポリペプチドが使用される本発明の方法において、その可溶性Nogoレセプターポリペプチドは、一般的には、静脈内投与される。本発明の方法による投与するための組成物は、1日につき体重1kg当たり0.001〜10mgの投与量の上記Nogoレセプターアンタゴニストが投与されるように、処方され得る。本発明のいくつかの実施形態において、上記投与量は、1日につき体重1kg当たり0.01〜1.0mgである。いくつかの実施形態において、上記投与量は、1日につき体重1kg当たり0.05〜0.5mgである。
補助的な活性化合物もまた、本発明の方法において使用される組成物中に組み込まれ得る。例えば、Nogoレセプター抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または可溶性Nogoレセプターポリペプチドもしくは可溶性Nogoレセプター融合タンパク質が、1種以上のさらなる治療剤と共処方され得、かつ/または同時投与され得る。
本発明は、選択した標的組織への可溶性NogoレセプターポリペプチドまたはNogoレセプターアンタゴニストの適切な任意の送達方法(水溶液のボーラス注射または徐放系の移植が挙げられる)を包含する。徐放性移植物の使用は、反復注射の必要性を減少させる。
本発明の方法において使用される可溶性NogoレセプターポリペプチドまたはNogoレセプターアンタゴニストは、脳中に直接注入され得る。化合物の直接的な脳への注入のための種々の移植物は、公知であり、それは、神経学的障害に罹患しているヒト患者へ治療化合物を送達する際に有効である。これらには、ポンプを使用する脳への慢性的注入、定位移植される一時的間隙カテーテル、永続的頭蓋内カテーテル移植物、および外科移植される生分解性移植物が挙げられる。例えば、Gillら(前出);Scharfenら「High Activity Iodine−125 Interstitial Implant For Gliomas」Int.J.Radiation Oncology Biol.Phys.24(4):583〜91(1992);Gasparら「Permanent 125I Implants for Recurrent Malignant Gliomas」Int.J.Radiation Oncology Biol.Phys.43(5):977〜82(1999);第66章第577〜580頁、Bellezzaら「Stereotactic Interstitial Brachytherapy」Gildenbergら、Textbook of Stereotactic and Functional Neurosurgery,McGraw−Hill(1998);およびBremら「The Safety of Interstitial Chemotherapy with BCNU−Loaded Polymer Follwed by Radiation Therapy in the Treatment of Newly Diagnosed Malignant Gliomas:Phase I Trial」J.Neuro−Oncology 26:111〜23(1995)を参照のこと。
上記組成物はまた、上記化合物についての適切な送達系または支持系として機能する生体適合性キャリア材料中に分散された、可溶性NogoレセプターポリペプチドまたはNogoレセプターアンタゴニストを含み得る。徐放性キャリアの適切な例としては、成形物品(例えば、坐剤またはカプセル剤)の形態の半透過性ポリマーマトリックスが挙げられる。移植可能な徐放性マトリックスまたはマイクロカプセル型徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,319号;EP 58,481)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートとのコポリマー(Sidmanら、Biopolymers 22:547〜56(1985));ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、エチレンビニルアセテート(Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15:167〜277(1981);Langer、Chem.Tech.12:98〜105(1982))、またはポリ−D−(−)−3ヒドロキシ酪酸(EP 133,988)が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態において、可溶性NogoレセプターポリペプチドまたはNogoレセプターアンタゴニストは、脳の適切な領域中への直接注入によって、患者に投与される。例えば、Gillら「Direct brain infusion of glial cell line−derived neurotrophic factor in Parkinson disease」Nature Med.9:589〜95(2003)を参照のこと。代替技術が、利用可能であり、これは、本発明により可溶性NogoレセプターポリペプチドまたはNogoレセプターアンタゴニストを投与するために適用され得る。例えば、カテーテルまたは移植物の定位配置は、Riechert−MundingerユニットおよびZD(Zamorano−Dujovny)多目的局在(localizing)ユニットを使用して、達成され得る。コントラスト増強型コンピューター断層撮影(CT)スキャン(120mlのオムニパーク(omnipaque)、350mg/mlのヨウ素を、2mmスライス厚で注入する)は、3次元多平面処理計画を可能にし得る(STP,Fischer、Freiburg,Germany)。この装置は、磁気共鳴画像化研究の基礎に関して計画し、明確な標的確認のためにCTとMRIとの標的情報を統合する。
GE CTスキャナー(General Electric Company,Milwaukee,WI)とともに使用するように改変されたLeksell定位システム(Downs Surgical,Inc.,Decatur,GA)、ならびにBrown−Roberts−Wells(BRW)定位システム(Radionics,Burlington,MA)は、この目的のために使用され得る。従って、上記移植物のモニタリングに関して、BRW定位フレームの環状ベースリングが、患者の頭蓋に取り付けられ得る。連続CT断面が、ベースプレートに挟み付けられたグラファイトロッドローカライザーフレームを用いて、その(標的組織)領域を通って3mm間隔で得られ得る。コンピューター処理計画プログラムが、そのグラファイトロッド画像のCT座標を使用してCTスペースとBRWスペースとの間をマッピングして、VAX11/780コンピューター(Digital Equipment Corporation,Maynard,Mass.)にて実行され得る。
(実施例1:NgRおよびNogoの細胞下の局在化は、アルツハイマー病において変化する)
本発明者らは、NIHに支援を受けるHarvard Brain Tissue Resource Centerからの匿名のヒトアルツハイマー病(AD)およびコントロールの脳組織サンプルを得、これらのサンプルを、抗NogoA抗体および抗NgR抗体を使用してNogoAおよびNgRの局在化について組織学的に検査した(Wangら,J.Neurosci.22:5505−15(2002)を参照のこと)。6つのコントロールケースおよび6つのADケースにおいて、海馬およびブロードマン領(Broadman’s area)44由来の組織を検査した。抗原の遮断および免疫ブロット上の単一免疫反応性バンドの存在によって、染色の特異性を確認した。
コントロールの成人のヒト脳において、わずかな細胞性染色を有するこれらの脳領域の神経網に散在性の顆粒状の様式でNogoA免疫反応性を検出した。対照的に、全てのADケースにおいて、ニューロンの細胞体へのNogoAの劇的な移動が存在した。NgRの局在化は、逆の様式で移動した。コントロールケースにおいて、最も高濃度のNgRタンパク質が、細胞体幹において見出され、一方、ADケースにおいて脳は、散在性の神経網免疫反応性およびわずかな細胞性染色を示した。抗NgR抗体を用いた免疫ブロット分析により、これは、変化したレベルのNgRが原因ではないことが確認され、そして、抗NogoA抗体での隣接性染色により、これは、ニューロンがないことが原因であることが明らかに示された。細胞体幹外のNgRの移動に加え、本発明者らは、NgRがアミロイド斑において濃縮されたことを観察し、そしてAβおよびNgRについての二重免疫組織化学により、これらの2つのタンパク質は、これらの沈着に共存することが実証された。これらの所見は、NogoA/NgR経路が、AD病理において役割を有することを示唆した。
(実施例2:APPおよびAβペプチドの複数の形態は、NgRと相互作用する)
これらの知見に基づいて、本発明者らは、NogoAまたはNgRがAPPと直接相互作用するか否かを試験した。NgRのエピトープタグ化構築物(Liuら,Science 297:1190−93(2002)に記載されるように構築されたNgR−myc)およびAPPのエピトープタグ化構築物(APP−V5;I.M.A.G.E.クローン番号5259793をpcDNA3.1−V5Hisにサブクローニングして、APP−695へのC末端融合物を作製した)を、COS−7細胞に発現させ、抗V5抗体および抗myc抗体を用いた免疫沈降を行った。次いで、免疫沈降した物質の免疫ブロットを、抗V5抗体、抗myc抗体および抗NgR抗体を用いてプロービングした。免疫沈降研究により、APPとNgRとの特異的会合が実証された。抗NogoAを使用して免疫沈降した物質において、NogoAは、検出されなかった。本発明者らはまた、トランスフェクトしたCOS−7細胞におけるエピトープタグ化APPの局在をモニターし、コントロールにおけるタンパク質の大部分が、核周囲の領域において細胞内に局在するが、NgRとAPPとの共発現が、APPの大部分が細胞表面に移動することを見出した。さらに、APPおよびNgRの局在が、トランスフェクトした細胞における二重標識化実験において同定された。細胞内のAPP発現の合計レベルは、NgRの共発現によって変化しなかった。さらに、抗APP抗体(Santa Cruz Biotechnology)および抗NgR抗体を用いてプロービングすることにより決定したとおり、天然のAPPタンパク質およびNgRタンパク質もまた、一次ニューロンにおいて共局在しなかった。これらの結果は、NgRとAPPとの物理的会合を確証する。
次いで、本発明者らは、APPのAβ領域が、NgRとのその相互作用に関与するか否か(繊維形成(fibrillogenic)Aβ42〜3ペプチドが、NgRに結合するか否かを含む)を調査した。本発明者らは、コード配列をシグナル配列−6×His−ベクターpAP−6(Nakamuraら,Neuron 2:1093−1100,1988)の胎盤アルカリホスファターゼ(AP)配列とインフレームで融合することによって、アルカリホスファターゼ(AP)およびAβの親水性領域(アミノ酸1〜28)を含む2つの融合タンパク質構築物を作製した。AP−Aβタンパク質およびAβ−APタンパク質の両方が、NgR発現COS細胞に結合するが、ベクターでトランスフェクトしたCOS細胞には結合しなかった。この結合は、60nMの見かけのKで過飽和であった。また、固定化したNgRを用いたELISA型アッセイにおいて、精製したビオチン−Aβ(1〜40)を使用してこの相互作用を検出した。対照的に、逆の40〜1のペプチドは、これらの実験のいずれにおいても、固定化したNgRと相互作用しなかった。本発明者らはまた、4℃で2時間ヒトNgR−1を発現するヒトSKNMC細胞とともにFluo−Aβ42をインキュベートし、繊維形成Aβ42ペプチドがこれらの細胞に結合することを見出した。
本発明者らはまた、以下のとおりに、可溶性NgRポリペプチド(sNgR310)(例えば、PCT/US03/25004を参照のこと)へのAβペプチドの結合を試験した。マイクロタイタープレート上にsNgR310を固定化し、ビオチン−Aβ1〜40またはビオチン−Aβ40〜1を4℃で16時間適用した。未結合のペプチドを除去した後、ストレプトアビジン結合体化HRPによって、結合したビオチン−Aβを検出した。全長NgRと同様に、本発明者らは、ビオチン−Aβ1〜40は、sNgR310に結合するが、ビオチン−Aβ40〜1は、sNgR310に結合しないことを観察した。本発明者らはまた、抗NgR抗体(例えば、モノクローナル抗体HB 7E11(PCT/US03/25004に記載される))の存在下でこれらの実験を行い、ビオチン−Aβ1〜40の結合は、抗NgR抗体によって阻害され得ることを見出した。分離実験において、本発明者らは、抗NgR抗体がまた、ラットNgR1を発現するCOS7細胞またはヒトNgR1を発現するSKNMC細胞のいずれかへのビオチン−Aβ1〜40の結合を阻害することを確認した。まとめると、これらのデータによりAPPおよび天然に存在するAβペプチドの形態が、NgRと直接相互作用することが確認された。
NgRとのAβ(1〜28)の相互作用の特異性および選択性は、いくつかの方法によってプロービングされる。NgR2またはNgR3(これらは、NgRと類似の配列を共有する)のいずれもAβ−APに結合しないことから、この相互作用は、NgR1特異的であった。さらに、本発明者らは、以下の種特異性を観察した:マウスNgRがヒトAβに結合するか、もしくはヒトNgRがマウスAβに結合するか、または、マウスNgRがマウスAβに結合するよりも大いに、ヒトNgRは、ヒトAβに結合する。最終的に本発明者らは、本発明者らの研究室で作製されたngr−/−マウス(これらのマウスでは、NgRのエクソンIIが欠失され、NgRタンパク質が産生されない)から培養したニューロンを検査し、これらは、NogoAのNogo−66フラグメント(例えば、国際特許出願PCT/US01/01041およびPCT/US02/32007を参照のこと)またはAβペプチドのいずれにも結合しないことを見出した。これらのデータにより、NgRが、Aβ(1〜28)についての一次ニューロン細胞表面の結合部位であることが実証された。
どの残基がNgR相互作用に必要であるかをさらに規定するために、本発明者らは、Aβ(1〜28)ペプチドにおいていくつかの欠失を有するAP融合物を作製し、AP活性をアッセイすることにより、COS−7細胞において発現するNgRへの結合をモニターした。アミノ末端の7残基の欠失によっては、NgRへの結合は変化せず、アミノ末端の14残基の欠失により、NgRの結合は、中程度に低下した。しかしながら、アミノ酸1〜16の欠失により、NgRの結合は、抑止された。Aβ(1〜28)のカルボキシ末端で、7アミノ酸の短縮型変異体は、NgRに対して親和性がないことを示した。従って、アミノ酸7〜28は、NgRの親和性に関与し、アミノ酸15〜28は、特に重要である。これらの知見と一致して、本発明者らは、天然のβ−セクレターゼペプチド産物(アミノ酸8〜21を含む)はNgRに結合するが、α−セクレターゼ切断産物(アミノ酸17でタンパク分解された)はNgRに結合しないことを見出した。
(実施例3:Aβは、ミエリンリガンドによって結合されるNgR部位と異なるNgR部位に結合する)
本発明者らは、種々の濃度の競合遊離Aβの存在下で、250nMの可溶性AP−Aβ(1〜28)またはAP−Nogo(1〜33)を、精製sNgR310−Fcでコーティングしたウェルに結合させることによって、NgR結合についてAβ(1〜28)結合が、NgRに対する他の公知のリガンドと競合するか否かを分析した。類似の実験において、本発明者らはまた、ビオチン−Aβ(1〜40)がラットsNgR344−Fcに結合するか否かを試験した。本発明者らは、Aβペプチドが、sNgR310−FcおよびsNgR344−Fcの両方に結合することを観察した。従って、Aβペプチドは、NgRの他のリガンドのように、結合のためにNgRタンパク質の全LRR領域を必要とするが、残基310〜450からのカルボキシ末端を必要としない。しかしながら、Aβ(1〜28)は、競合アッセイにおいて、Aβ−AP結合を置換したが、AP−Nogo−66(1〜33)結合またはAP−OMgp結合を置換しなかった。Aβペプチドは、本発明者らの実験において高濃度で非常にわずかにAP−MAGを置換し始め得る。従って、NgR上のAβ結合部位は、ミエリンリガンドのNogoA、OMgpおよびMAGについてのAβ結合部位とは大きく異なるようである。これと一致して、Aβの存在は、神経突起成長のミエリンまたはNogo−66の阻害に対してほとんど効果を有さなかった。
(実施例4:NgRは、Aβ産生を増強する)
ADの発達における重要な工程の1つは、APP由来Aβのタンパク分解産生であることから、本発明者らは、このプロセシングに対するNgRの効果を評価した。本発明者らは、HEK293T細胞をNgRでトランスフェクトし、これらの細胞由来の馴化培地は、Aβの低いが検出可能なレベルのAβしか含まないが、これは、FAD変異APPswを発現する細胞で観察されたものに匹敵し、これは、β−セクレターゼプロセシングの増大を示す。NgRの存在はまた、NgR発現によってsAPPαレベルもまた増大したという事実によって示されるとおり、α−セクレターゼプロセシングを増大した。
インビボにおけるAPPプロセシングに対するNgR/Aβ相互作用の重要性を検査するために、APPsw/PSEN−1(ΔE9)由来のAPPsw導入遺伝子マウスを、NgRヌルバックグラウンドと交配させた。以下のとおりに、3ヵ月齢でのAβレベルおよびsAPPαレベルについて脳抽出物を検査した。Trisで中和した0.1Mギ酸で前脳を抽出し、10,000×gでの遠心分離によって清澄した。抗アミノ末端−APP 22C11抗体(Chemicon)を用いた免疫沈降および抗Aβ(1〜17)6E10抗体(Chemicon)を用いた免疫ブロットによって脳抽出物におけるsAPPαのレベルを測定した。同腹仔の対応コントロールマウスと比較して、NgRの欠如により、生理学的条件下におけるAβおよびsAPPαの両方の産生は、有意に減少する。これらの結果により、NgRがインビボにおけるAβ形成の増大において役割を有することが確証された。
(実施例5:繊維形成Aβ42ペプチドは、AβペプチドのNgRへの結合を容易にする)
本発明者らは、NgRとAβペプチドとの間の相互作用が、凝集体形成において役割を有するか否かを検査した。マイクロタイタープレート上にsNgR310を固定化し、ビオチン−Aβ40をAβ42ペプチドとともに適用した。本発明者らは、ストレプトアビジンHRPを使用して、結合したビオチン−Aβ40ペプチドを定量し、Aβ42ペプチドの濃度の増加は、用量依存様式でビオチン−Aβ40ペプチドの結合を増強することを見出した。本発明者らは、ヒトNgR1を発現するSKNMC細胞を使用してこれらのデータを確証し、Aβ42ペプチドは、用量依存様式でビオチン−Aβ40ペプチドの細胞への結合を再度増強することを見出した。本発明者らはまた、抗NgR抗体が、ヒトNgR1を発現するSKNMC細胞へのビオチン−Aβ40の結合のAβ42−ペプチド媒介性の増強を阻害することを見出した。これらの結果は、NgR/Aβペプチド相互作用の妨害がAβペプチドの凝集形成を阻害することを示す。
(実施例6:NgRのアンタゴニストを用いた処理は、Aβ斑沈着を減少させる)
インビボにおけるNgR/APP/Aβ相互作用の役割を検査するために、sNgR310−Fc(NgRアンタゴニスト;国際特許出願PCT/US03/25004を参照のこと)を、APPsw/PSEN−1(ΔE9)二重遺伝子組換えマウス(Jackson Laboratories製)に注入した。sNgR310−Fcタンパク質は、IgGのFc部分に融合したNgRの全LRRリガンド結合を含む。sNgR310−Fcタンパク質を投与するために、5ヵ月齢のマウスを、イソフルラン/酸素で麻酔し、頭蓋に骨孔をドリルで開けた。前頂に対し0.6mm後方および1.2mm外側ならびに軟膜表面に対し4.0mm深部の定位座標において、右側脳室内にカニューレ(ALZET脳注入キットII、Alza Scientific Products,Palo Alto,CA)を導入した。シアノアクリレートで所定位置にカニューレを保持し、このカニューレを皮下浸透圧性ミニポンプ(Alzet 2ML4)に取り付けた。このポンプは、1.2mg/ml溶液のPBS中のsNgR310−FcまたはラットIgGを28日間2.5μl/時間で送達した(NgRおよびFc部分の両方は、ラット起源であったので、コントロールマウスは、ラットIgGを受けた)。28日後にポンプを置換し、同一のカニューレに接続した。注入タンパク質の総用量は、56日にわたって1匹のマウスあたり2.5mgであった。この期間の終わりに、マウスを屠殺し、脳のAβレベルを製造業者の指示に従ってBiosource International製のELISAキットを使用して測定した。以下のとおりに、抗Aβ免疫組織化学によってアミロイド斑へのAβ沈着を評価した。抗原回復のための0.1Mギ酸処理後に、抗Aβ(1〜17)6E10抗体を用いて、4%パラホルムアルデヒド固定した脳の矢状切片におけるAβ斑を免疫組織学的に検出した。NIHイメージを使用して、各動物から3つの切片について大脳の皮質領の百分率として斑領を定量した。
sNgR310−Fc処理マウスにおいて、免疫反応性Aβの斑への沈着は、有意に減少した。さらに、Aβ(1〜40)およびAβ(1〜42)の両方の総レベルは、これらのマウスの脳において50%減少した。これらのマウスにおいてAβレベルとアミロイド斑沈着との間に密接な相関が存在し、このことは、sNgR310−Fcが、Aβ凝集よりもより大いにAPP/Aβ代謝を変化させることを示唆する。しかしながら、本発明者らのデータは、sNgR310−Fcの存在が、斑におけるAβの産生およびAβの沈着の両方を減少させることを示す。また、免疫沈降分析および免疫ブロット分析によってα−セクレターゼ生成物(sAPPα)を測定した。sNgR310−Fc処理した動物の脳において、Aβレベルが減少したのと同程度までsAPPαレベルが減少し、このことは、α−セクレターゼプロセシングおよびβ−セクレターゼプロセシングの両方がインビボにおいてsNgR310−Fcによって阻害されることを実証する。
上記の発明は、理解を明瞭にする目的のために例示および例によっていくらか詳細に記載されているが、本発明の教示を考慮すれば、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、本発明に対して特定の変更および改変がなされ得ることが当業者に容易に理解される。
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Claims (41)

  1. 哺乳動物におけるAβペプチドのレベルを低下させるための方法であって、治療有効量の可溶性Nogoレセプターポリペプチドを投与する工程を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記Aβペプチドのレベルが、疾患、障害または状態に関連して増大する、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、ここで、前記疾患、障害または状態が、アルツハイマー病である、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記可溶性Nogoレセプターポリペプチドが、ボーラス注射または長期注入によって投与される、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、ここで、前記可溶性Nogoレセプターポリペプチドが、静脈内に投与される、方法。
  6. 請求項4に記載の方法であって、ここで、前記可溶性Nogoレセプターポリペプチドが、中枢神経系に直接投与される、方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、ここで、前記可溶性Nogoレセプターポリペプチドが、側脳室に直接投与される、方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、ここで、前記可溶性Nogoレセプターポリペプチドが、哺乳類NgR1の可溶性形態である、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、以下:(a)10までの保存的アミノ酸置換を有するヒトNgR1のアミノ酸26〜310(配列番号3)を含み、そして(b)(i)機能的膜貫通ドメイン、および(ii)機能的シグナルペプチドを欠く、方法。
  10. 請求項8に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、以下:(a)10までの保存的アミノ酸置換を有するヒトNgR1のアミノ酸26〜344(配列番号4)を含み、そして(b)(i)機能的膜貫通ドメイン、および(ii)機能的シグナルペプチドを欠く、方法。
  11. 請求項8に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、以下:(a)10までの保存的アミノ酸置換を有するラットNgR1のアミノ酸27〜310(配列番号5)を含み、そして(b)(i)機能的膜貫通ドメイン、および(ii)機能的シグナルペプチドを欠く、方法。
  12. 請求項8に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、以下:(a)10までの保存的アミノ酸置換を有するラットNgR1のアミノ酸27〜344(配列番号6)を含み、そして(b)(i)機能的膜貫通ドメイン、および(ii)機能的シグナルペプチドを欠く、方法。
  13. 請求項8に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、融合部分をさらに含む、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、ここで、前記融合部分が、免疫グロブリン部分である、方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、ここで、前記免疫グロブリン部分が、Fc部分である、方法。
  16. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、ここで、前記治療有効量が、0.001mg/kg〜10mg/kgである、方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、ここで、前記治療有効量が、0.01mg/kg〜1.0mg/kgである、方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、ここで、前記治療有効量が、0.05mg/kg〜0.5mg/kgである、方法。
  19. 哺乳動物におけるAβペプチドの斑に関連する疾患、障害もしくは状態を予防または処置するための方法であって、治療有効量のNgR1アンタゴニストを投与する工程を包含する、方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、ここで、前記斑が、中枢神経系にある、方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、ここで、前記疾患、障害または状態が、アルツハイマー病である、方法。
  22. 請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法であって、ここで、前記NgR1アンタゴニストが、中枢神経系に直接投与される、方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、ここで、前記NgR1アンタゴニストが、側脳室に直接投与される、方法。
  24. 請求項22に記載の方法であって、ここで、前記NgR1アンタゴニストが、ボーラス注射または長期注入によって投与される、方法。
  25. 請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法であって、ここで、前記NgR1アンタゴニストが、哺乳類NgR1の可溶性形態である、方法。
  26. 請求項25に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、以下:(a)10までの保存的アミノ酸置換を有するヒトNgR1のアミノ酸26〜310(配列番号3)を含み、そして(b)(i)機能的膜貫通ドメイン、および(ii)機能的シグナルペプチドを欠く、方法。
  27. 請求項25に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、以下:(a)10までの保存的アミノ酸置換を有するヒトNgR1のアミノ酸26〜344(配列番号4)を含み、そして(b)(i)機能的膜貫通ドメイン、および(ii)機能的シグナルペプチドを欠く、方法。
  28. 請求項25に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、以下:(a)10までの保存的アミノ酸置換を有するラットNgR1のアミノ酸27〜310(配列番号5)を含み、そして(b)(i)機能的膜貫通ドメイン、および(ii)機能的シグナルペプチドを欠く、方法。
  29. 請求項25に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、以下:(a)10までの保存的アミノ酸置換を有するラットNgR1(配列番号6)のアミノ酸27〜344を含み、そして(b)(i)機能的膜貫通ドメイン、および(ii)機能的シグナルペプチドを欠く、方法。
  30. 請求項25に記載の方法であって、ここで、前記哺乳類NgR1の可溶性形態が、融合部分をさらに含む、方法。
  31. 請求項30に記載の方法であって、ここで、前記融合部分が、免疫グロブリン部分である、方法。
  32. 請求項31に記載の方法であって、ここで、前記免疫グロブリン部分が、Fc部分である、方法。
  33. 請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法であって、ここで、前記NgR1アンタゴニストが、哺乳類NgR1に結合する抗体またはこれらの抗原結合フラグメントを含む、方法。
  34. 請求項33に記載の方法であって、ここで、前記抗体が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、Fvフラグメント、Fdフラグメント、二重特異的抗体、および単鎖抗体からなる群より選択される、方法。
  35. 請求項33に記載の方法であって、ここで、前記抗体またはこれらの抗原結合フラグメントが、以下:HB 7E11(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4587)、HB 1H2(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4584)、HB 3G5(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4586)、HB 5B10(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4588)およびHB 2F7(ATCC(登録商標)受託番号PTA−4585)からなる群より選択されるハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体によって結合されるポリペプチドに結合する、方法。
  36. 請求項35に記載の方法であって、ここで、前記モノクローナル抗体が、HB 7E11ハイブリドーマによって産生される、方法。
  37. 請求項36に記載の方法であって、ここで、前記ポリペプチドが、以下:AAAFGLTLLEQLDLSDNAQLR(配列番号7);LDLSDNAQLR(配列番号8);LDLSDDAELR(配列番号9);LDLASDNAQLR(配列番号10);LDLASDDAELR(配列番号11);LDALSDNAQLR(配列番号12);LDALSDDAELR(配列番号13);LDLSSDNAQLR(配列番号14);LDLSSDEAELR(配列番号15);DNAQLRVVDPTT(配列番号16);DNAQLR(配列番号17);ADLSDNAQLRVVDPTT(配列番号18);LALSDNAQLRVVDPTT(配列番号19);LDLSDNAALRVVDPTT(配列番号20);LDLSDNAQLHVVDPTT(配列番号21);およびLDLSDNAQLAVVDPTT(配列番号22)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、方法。
  38. 請求項36に記載の方法であって、ここで、前記ポリペプチドが、以下:AAAFGLTLLEQLDLSDNAQLR(配列番号7);LDLSDNAQLR(配列番号8);LDLSDDAELR(配列番号9);LDLASDNAQLR(配列番号10);LDLASDDAELR(配列番号11);LDALSDNAQLR(配列番号12);LDALSDDAELR(配列番号13);LDLSSDNAQLR(配列番号14);LDLSSDEAELR(配列番号15);DNAQLRVVDPTT(配列番号16);DNAQLR(配列番号17);ADLSDNAQLRVVDPTT(配列番号18);LALSDNAQLRVVDPTT(配列番号19);LDLSDNAALRVVDPTT(配列番号20);LDLSDNAQLHVVDPTT(配列番号21);およびLDLSDNAQLAVVDPTT(配列番号22)からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、方法。
  39. 請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法であって、ここで、前記治療有効量が、0.001mg/kg〜10mg/kgである、方法。
  40. 請求項39に記載の方法であって、ここで、前記治療有効量が、0.01mg/kg〜1.0mg/kgである、方法。
  41. 請求項40に記載の方法であって、ここで、前記治療有効量が、0.05mg/kg〜0.5mg/kgである、方法。
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