JP2006519395A - 集積化チューナブル光センサ(itos)システム及びその方法 - Google Patents

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Abstract

サンプルを分析するスキャニングチューナブル検出システム及び関連の方法が、時間変化励起信号の供給源と、時間変化励起信号の照射に続いてサンプルから発散される時間変化光信号を選択的に送信するチューナブル光学フィルタとを備える。検出器が時間変化光信号を電気検出信号に変換する為に設けられる。システムは、位相依存又は時間依存検出を用いてサンプルの構成要素を識別できる。情報の豊富なスペクトル領域を通じゆっくりスキャン可能に、かつ、そのような情報のない領域では速くスキャン可能にする為に、スルースキャンモードを使用することができる。

Description

本発明は光センサ及び分光システムに関連し、特にチューナブルフィルタを備えた光センサ及び分光システムに関連する。
センサに関する活発な研究開発はあったが、ある特定の実用的なセンサの応用に必要とされる種々の特質を組み合わせる集積されたシステムの働きは非常に限定されていた。集積されたセンサシステムは多種多様な応用で必要とされており、例えば、医学診断、本土防衛、法医学及び調査、薬剤や食品や農産物の分析、環境のバイオレメディエーション及びモニタリング、バイオプロセスのモニタリング、バイオテクノロジーの応用などで必要とされている。基礎研究とは違って、環境分野のモニタリング及び臨床応用では、計測装置の可搬性が重要な要素である。
以前に開示されたセンサシステムは、光電子増倍管(PMT)又は2次元の検出器を装備した一般に市販されている分光器に頼っており、例えば、電荷結合素子(CCD)ベースのシステムなどであり、該システムはかさばる電子的な付属品及びデータコンディショニングの付属品を必要とする。これらの検出器システムは高圧電源システムを必要とし、高圧電源システムは多くの場合にこれらの検出器システムの現場条件の下での使用を制限する。かさばることに加えて、分光学の応用で使用された場合、これらの装置によって、使用可能な市販されている分光分析技術が制限される。例えば、従来のCCDベースのシステムを用いてでは位相依存検出ができない。
サンプルを分析するスキャニングチューナブル検出システムが、時間変化励起信号の供給源と、時間変化励起信号の照射に続いてサンプルから発散された時間変化光信号を選択的に送信するチューナブル光学フィルタと、を備える。時間変化光信号を電気検出信号に変換する為に検出器が設けられている。
チューナブル光学フィルタがAOTF又はLCTFで構成可能である。システムが、AOTFのスキャンを変調する為の構造を備えることができる。システムが、好ましくは、検出信号を受信するデータ処理システムを備えており、データ処理システムによって、位相依存検出と時間依存検出の少なくとも一方が得られる。
システムが、時間変化励起信号の供給源からのビームを複数の個別の励起光ビームへと分割する回折光学素子を備えることができる。個別の励起光ビームがサンプルの複数の位置を照射する。検出器が、サンプルのそれぞれの位置から発散された複数の前記時間変化光信号を受信する複数のピクセルを備える検出アレイで構成されてもよい。
検出器が、少なくとも1つのアバランシェフォトダイオード、又は同一のもののアレイで構成されてもよい。システムが更に、検出信号を無線で送信する構造を備えることができる。
時間変化光信号が、ラマン信号又は表面増強ラマン信号で構成できる。時間変化光信号が蛍光信号、りん光信号、原子発光信号で構成できる。
システムが、検出信号又は検出信号から得られた(例えば、増幅された、フィルタにか
けられた、等々)信号を受信するゲート積分器を備えることができ、ゲート積分器が、サンプルの照射が終わった後で所定の期間後にのみ検出信号を積分する。パルスの列が励起信号の供給源を変調する為に使用されてよく、パルスの列が更に所定の期間後にゲート積分器に適用される。
システムが、時間変化電気信号を受信する同期検波器と位相シフトセレクタとを備えることができ、位相シフトセレクタが同期検波器を、励起源に適用された変調周波数に同期させる。別の実施形態では、システムが、時間変化電気信号を受信する同期検波器と位相シフトセレクタとを備えることができ、位相シフトセレクタが同期検波器を、励起源出力に適用された変調周波数に同期させる。
更にもう一つの別の実施形態では、時間変化励起信号がパルス列で構成可能であり、発散された信号が一連のパルスのことがあり、システムが更に、一連のパルスを集めるマルチプレクサと、パルス列と同期している第1のカウンタ及び第2のカウンタとを具備している。第1のカウンタが検出信号の「0」励起状態を処理でき、第2のカウンタが検出信号の「1」励起状態を処理できる。本実施形態では、データ収集及び平均化モジュールが第1のカウンタ及び第2のカウンタの両方の出力に接続可能である。
サンプル中の少なくとも1つの構成要素を識別する方法が、時間変化放射の供給源を供給する工程と、サンプルを前記時間変化放射で照射する工程とを含み、サンプルから時間変化光信号が発散する。時間変化光信号が次に電気検出信号に変換される。電気検出信号が、サンプルに関する時間変化測定をもたらす為に処理される。方法が、サンプルから発散する時間変化光信号を選択的に送信する工程を含むことができ、例えばAOTF又はLCTFを用いる。光信号が、ラマン信号、又は、蛍光信号、りん光信号、原子発光信号などの他の発散された信号で構成されている。
時間変化測定が寿命の決定又は時間分解測定を含むことができる。時間変化測定が位相分解測定を含むことができる。
方法がスルースキャニングの工程を含むことができる。スルースキャニングでは、スキャン範囲が一定でないやり方でスキャン可能である。スルースキャニングにより、情報の豊富な領域がより厳密に検査されることが可能になり、一方で、所望の情報が殆どあるいは全くない領域を速くスキャンし終えることができる。
方法が、前記変換する工程の起動を照射後に所定時間だけ遅延させる工程を含むことができる。時間変化供給源が、変調された周波数出力を供給可能であり、方法が前記時間変化電気信号の復調を変調された周波数に同期させる工程を更に含む。処理する工程がサンプルを画像化する工程を含むことができる。
本発明のより完全な理解及び本発明の特質及び利益は、以下の詳細な記述を添付の図面と共に見直すことで成し遂げられる。
本発明は、照射されたサンプルから発散された選択的に通過する時間変化光信号の伝送帯域の調整を可能にする動的チューナブルバンドパス光学フィルタを具備したセンサシステムを備える。光検出器が、時間変化光信号を時間変化電気信号へと変換する。
データ処理システムが好ましくは、電気信号を受信しサンプルに関する時間ベース測定を供給する為に設けられる。該システムは、ここでは集積化チューナブル光センサ(ITOS)システムを指す。
本発明は、幾つかの進歩した検出法及び有用なアプローチ法を組み合わせることで、以
前の光センサシステムよりも著しく改善された性能を提供できる。適切な信号処理によって、本発明による検出器が時間分解測定及び/又は位相分解測定をもたらすことができる。該システムは更に、スキャン範囲が一定でないやり方で横断されるスルースキャン測定を提供する。スルースキャニングは、所望の情報が殆どあるいは全くない領域を速くスキャンし終える一方で、情報の豊富な領域をより厳密に検査することを可能にする。センサデータを1つ以上の遠隔地に送信する為には、無線のデータ送信が使用できる。
本発明は種々の分光検出方法に適用可能である。本発明は一般にラマン分光法に対して述べられるが、本発明は、吸収、蛍光やりん光などの発光、弾性散乱などの、他の分光法に対しても実践可能である。
ラマン分光法は、まだ十分活用されていない技術であり、他の分光法に比べ現場分析に幾らかの重大な利点を提供することができる。サンプルのレーザ照射に続いて観察されるラマンシフトは、散乱種の遷移に関与しているエネルギー変化と同等であり、従って、散乱種の特徴である。これらの観察されたラマンシフトは散乱分子の振動遷移に対応する。このような周波数は、吸収技術を用いて観察された際に、赤外線(IR)領域のスペクトルで生ずる。よって、ラマン分光法では、対象であるスペクトルは、レーザ放射などの励起放射と同一のスペクトル領域にある。
ラマン分光法はより詳細な振動情報を提供するが、この情報は多くの場合に、蛍光、UV吸収、反射分光では利用できない又は解決できない。この情報は、分子の構造上の変化や、生体組織及び細胞の機能に関係している。更にラマン分光法は、水の強いIR吸収帯に妨害されないので、IR分光学よりも生物学的な分析に好適である。水の吸収帯からかなり離れた近赤外(NIR)領域のレーザ波長を選択することができ、周辺光又は室内光が検出プロセスに干渉しない。これらの理由によって、ラマン分光法は生物医学診断において大きな可能性を持つ。これらの重要な特質にもかかわらず、高感度のラマンベースの検出に必要とされる改善された性能を提供する分光システムが開示されていない。
ラマン効果は普通、微弱なプロセスである。よって、低い感度がその応用を歴史的に制限してきた。最近、金属表面の微細構造に吸着された分子約10〜約1010までのラマン増強の発見に続いてラマン技術が復活させられている。この現象に関連している技術は表面増強ラマン散乱(SERS)分光学として知られている。増強は微細構造の金属表面の散乱プロセスによるもので、金属表面に吸着された分子と金属表面そのものとの間の幾つかの電磁気的効果と化学的効果との組み合わせにより本質的には微弱な正常ラマン散乱(NRS)を増加させる。従来のラマンに対するこの技術の感度の利点を考慮して、本発明は一般に、サンプルをナノ構造の金属表面に配置することによりラマン分光法を用いて実践されることが好ましい。
増強は主に、金属表面でのプラズモン励起による。よって、効果が一般に、Cu、Ag、Au、及び、表面にプラズモンが可視の放射により励起される少数の他の金属に限定される。化学吸着は本質的ではないが、新しい化学結合の形成と吸着物の電子エネルギー準位の必然的な摂動とが表面誘起の共鳴効果につながる可能性があるので、化学吸着が生ずる際に、ラマン信号が更に増強される場合がある。表面の増強と共振の増強との組み合わせは、多くの場合に表面増強共鳴ラマン散乱(SERRS)と呼ばれ、吸着物が金属表面のプラズモン共振と同一のスペクトル領域に強力な電子吸収帯を有する際に生ずることがあり、全体的な増強が1011〜1012の大きさで得られる。
ナノ粒子は、ナノスケールサイズの固体金属又は金属層で覆われたナノ粒子で構成されている場合がある。銀の薄層で覆われた誘電材料のナノスフェア(金属ナノシェル)がSERSの活動状態であることがわかっている。金属の薄層で覆われた磁性材料のナノスフ
ェアもSERS活性磁性ナノ粒子として使用できる。ナノシェルのコア径及び金属厚さは、本発明者により共同執筆された論文に開示されたようにナノ粒子のSERS特性を修正する為に変更できる。(R. L. Moody、T. Vo−Dinh、W. H. Fletcher、“Investigation of Experimental Parameters for Surface−Enhanced Raman Spectroscopy” Appl. Spectrosc.、41、966(1987))
動的チューナブル光学帯域通過フィルタは、音響光学チューナブルフィルタ(AOTF)などの、チューナブル光学分散装置として具体化される。本発明者の1人が、AOTFを基礎としているシステムを用いる基本的なラマンモニタリングを開示した(参考文献:B. Cullum、J. Mobley、Z. Chi、D. L. Stokes、G. H. Miller、T. Vo−Dinh、“Development of a Compact, Handheld Raman Instrument with No Moving Parts for use in Field Analysis” Rev. Sci. Instrum.、71、1602(2000))。AOTFは、固体の、電子的チューナブル帯域通過フィルタであり、異方性媒質の内側の音響光学相互作用を用いる。フィルタは、マルチライン供給源(例えば混合ガスレーザ、レーザダイオード)と共に、又は広帯域の光源(例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ)と共に使用可能である。チューナブル帯域通過フィルタにより、ユーザは、複数の波長を含んだ入射光から単一の波長を調整可能に選択でき送信できる。
AOTF変換器に適用された無線周波数(RF)が、送信される(1番にフィルタにかけられる)波長を制御する。完全なスペクトル分析は、所望の波長帯に対応するRF周波数を変動させることにより取得できる。変換器に適用されたRF振幅レベルが、送信された(フィルタにかけられた)光強度のレベルを制御する。このことは、AOTFによりもたらされたユニークな特質である。AOTFの応答時間は速く、典型的には数μ秒であり、正確で、高い消光比を示す。
AOTFは、他の市販されている光学フィルタに比して幾つかの利点を提供する。AOTFは、移動性の機械的部品のないコンパクトな固体の装置であり、AOTFはその動作範囲内のあらゆる波長にマイクロ秒単位で同調可能である。加えて、AOTFは、分散装置(例えばグレーティングモノクロメータ)に関連しているスリットサイズの小ささで制限されてはいない。この結果、AOTFは、検出の全体に亘り大きいアパーチャを用いて光強度を増加させることができる。AOTFの関係のある性能、例えば、効率、帯域幅、除去などは、典型的な小さいグレーティングモノクロメータのそれにたとえられる。AOTF技術は、多数のセンサを同時に異なる位置で又は異なるサンプルにおいて監視する為の多重化能力を提供する。システムは、サンプルの全体のスペクトル画像を記録する為にも使用できる。サイズの小さいこれらの装置と組み合わされたこれらの特徴により、特に現場応用における可搬の計測装置について、AOTFが従来のモノクロメータに代わる重要な新しい代案になる。
AOTFでは、圧電変換器が複屈折結晶(典型的にTeO又は水晶)に結合されている。変換器は、RF50〜200MHzの信号により励起され、複屈折結晶中に音波を発生する。これらの波は一時的に、弾性光学効果を介して屈折の指数の周期的な変調を確立する。適切な条件の下では、AOTFは狭い周波数範囲内の入射光の一部を回折させる。このことが、音波により確立された結晶の屈折の指数の周期的な変調により光のブラッグ回折を用いて電子的に同調される光学フィルタの基礎である。この「位相格子」が狭い周波数範囲内の光のみを回折させる。ブラッググレーティングは、結晶に入る光のみを、結晶の面の法線に対するその角度がある一定の範囲内にあるよう回折させることができる。この範囲はAOTFの受光角と呼ばれている。
殆どのAOTFが酸化テルル(TeO)結晶を基礎としている。TeOの音響光学の性能指数が高いので、TeOは、可視及び近赤外で動作するAOTFに使用される最も一般的な材料である。しかし、対象である多くの化合物は紫外線で最良の吸収及び蛍光発光ピークの値を示し、TeOは350nm未満では透過性でない。対照的に、同一線上にある水晶のAOTFがこの研究で使用される。全般に、同一線上にないTeOのAOTFの光学開口は同一線上にある水晶のタイプより大きい恐れがある。
同一線上にあるAOTFでは、結晶の光学窓での光の入射が直線的に偏光する。この偏光した光の幾らかが回折光ビームに結合される。回折された(フィルタにかけられた)ビームの分極が入射光に直交する。回折ビームと射光ビームとが同一線上にあるので、結晶の出口の偏光子がこれらを分ける。
図1が典型的な同一線上にないAOTFの操作上の特徴を図示し、残りの光から約6度などのわずかな角度で回折される対象である波長(λ)をブラッググレーティングがもたらす。回折された光のパーセンテージが装置の回折効率である。このパラメータは、入射角、選択された波長、RF発生信号の電力に大いに依存する。
半値全幅、即ちΔλと定義されているAOTFスペクトル分解能は、次のように与えられる。
Figure 2006519395
ここで、λは観察波長、lは音波と光波との間の相互作用長である。Δn=n−nであり、ここで、n及びnは、異方性結晶における異常な軸及び通常の軸それぞれの屈折の指数であり、またθは入射角である。
代替のチューナブルセンサ技術は、液晶チューナブルフィルタ(LCTF)を基礎としている。LCTFは急速にスイッチングする電子的に同調された装置であり、強誘電性又はネマチックの液晶(LC)を用いる。通常よく使われる方のネマチックLCTFは一連の液晶要素を具備しており、これらの厚さはリオフィルタと同じようにカスケードされている。しかし、同調は、LC波長板の結晶軸を電子的に回転させることにより達成される。電圧が印加されない場合、遅延特性は最大である。印加電圧が大きいと、遅延特性は最小になる。遅延特性は連続的に同調可能であり、波長を同調させることができる。
模範的なITOSシステム200の概略図が図2に示される。システム200が、HeNeレーザやダイオードレーザなどの励起源205を備えている。例えば、HeNeレーザ(Melles Griot、05‐LHR‐171、632.8nmで7mW)又はダイオードレーザ(Process Instrument)が使用可能である。励起源205により供給された励起光は光学/集束レンズ208により回折され、この光学/集束レンズ208は処理された励起光ビームを供給できる。励起光は、帯域通過フィルタ210を通過し、次に、反射鏡212で反射されてホログラフィックノッチフィルタ215の上へ向かい、このホログラフィックノッチフィルタ215は再び入射レーザ光を反射する。ノッチフィルタ215は、レーザ周波数中心又は中心付近にある狭い周波数帯域を除去(反射)し、本質的には不変である残りのスペクトルの信号を送信する。
単一の処理された励起ビームを供給する光学/集束レンズ208が示されたが、光学/集束レンズ208は複数の励起光ビームを供給することもできる。それぞれの光ビームは、随意の画像応用を支持する為にテストされるサンプル上のそれぞれの目標区域の区域に適合する区域を有する。
鏡212の使用は随意だが、システム200の寸法を小さくするには望ましい。入射レーザビームの最大の量(例えば98%)より多くが対物レンズの上へ反射されるよう、励起光ビームが、ノッチフィルタ215の垂直面に相対的な入射角に調整される。この反射ビームは、狭い区域に、好ましくはほぼ一点に集束させる為に、開口数0.4の20×顕微鏡対物レンズ(Nikon、カタログ#85502)などの顕微鏡対物レンズ220に向けられる。
サンプル218を測定する為に、サンプル218が顕微鏡対物レンズ220のちょうど前方に配置され、そして同一の対物レンズ220によって後方散乱光(例えばラマン散乱の)が集められ視準される。この設計は、励起にも収集にも同一の対物レンズ220を用いており、これにより、励起及び発光の焦点の体積の最大重複を得ることができる。散乱光が対物レンズ220により視準されると、散乱光は第1のホログラフィックノッチフィルタ215(例えばKaiser Optical Systems Inc.、ノッチプラス(notch plus)‐633)を通過し、このホログラフィックノッチフィルタ215は、サンプル218から発散されたラマンシフトされた波長を送信すると同時に、レイリー散乱レーザ光(Raleigh scattered laser light)の大部分を除去する。システム200で使用されている両方のホログラフィックノッチフィルタ(215及び235)が、好ましくは、レーザラインに6.0より高い光学濃度を供給し、310cm−1以上の場合におよそ74%の最大の送信をもたらす。
有機化合物の殆どのラマン測定は、識別目的及び定量分析のレーザラインには310cm−1が十分に近い。しかし、150cm−1未満の急激なノッチエッジのあるホログラフィックノッチフィルタが、市販されておりシステム200と共に使用可能である。第1のホログラフィックノッチフィルタ215を通り送信された光(例えばラマン)は次に、波長弁別に向けAOTF(Brimrose、TEAF‐0.6‐0.9‐UH)などのチューナブル光学フィルタ230によりフィルタにかけられる。AOTF230を出る一次回折光は次に第2のホログラフィックノッチフィルタ235を通過させられ、これにより、あらゆるレイリー散乱光が更に取り除かれ、ラマン信号がAOTF230を通過し検出器240の上へ集束することが可能になり、この検出器240は、f/1.3レンズを備えた熱電気的に冷却された光子計数型アバランシェフォトダイオード(APD)(EG&G、SPCM‐AQ‐XY)などである。
帯域通過フィルタ230も同様にLCTF又は他の同等のスキャニング帯域通過フィルタ装置でよい。2次元の撮像能力を提供する検出器240を用いると、帯域通過フィルタ230により、ITOSシステム200は、与えられたサンプル又は複数の異なるサンプルの異なる位置で多数のセンサを同時に監視するマルチスペクトル撮像(MSI)能力又は多重化能力を提供できるようになる。ITOSシステム200は、サンプルの全体のスペクトル画像を記録する為にも使用できる。
帯域通過フィルタ230がAOTFであると仮定すると、RF信号を圧電変換器に適用することにより、音波が結晶を通じて伝搬される。この音波は、結晶の全体に亘って屈折率を空間的に変調し、次に、回折される特定の波長の光のみをもたらす。システム200で使われたAOTF230では、ゼロ次光が入射光に対して6度の角度で放出されると同時に回折された波長が入射光と同一の経路に沿って移動するよう、結晶が切断され取り付けられた。この装置は、600nm〜900nmのスペクトル動作範囲を提供する。63
2.8‐nmの励起では、ラマンシフトが広い関連の波数範囲(4691.7cm−1)に対応する。
検出器240は、好ましくはAPDベースの装置である。APDベースの検出器は他の検出器に比して幾つかの利点を提供し、この利点とは、例えば、サイズが小さいこと、対象である波長領域に亘る量子効率が高いこと、増幅が大きいことなどである。CCDとは違って、APDは従来の集積回路処理を用いて製造可能で、これにより、チップ上の他の電子部品及び光学部品とのAPDの集積化が容易になる。フォトダイオード及びフォトトランジスタも、同様に従来の集積回路処理を用いて製造可能で、同様に本発明と共に使用できる。
APDはそれに関連しているあらゆるパルス発生素子と共に、サイズがおよそ10.16cm×3.175cm×3.810cm(4.00インチ×1.25インチ×1.50インチ)の単一の箱に入っており、これが最終的に小さい計器を生産する助けとなる。加えて、APDは対象である波長帯についての最高感度の検出器である。APDの量子効率はおよそ70%なので、また、APDの固有の性質により、外部の増幅器が使用された際に起こり得る余分なノイズが低減される。前述の光子計数型APDは、光子が検出される毎に約9ns続く2VのTTLパルスを供給する。
画像応用については、光検出器240は、複数の独立した検出ピクセルで構成されている検出アレイでよい(図示せず)。本実施形態では、上記のように、光学/集束レンズ208が複数の個別の励起光ビームを供給でき、それぞれの光ビームが、テストされるサンプルのそれぞれの目標区域の区域に適合する区域を有する。それぞれの目標区域の各々が検出アレイの専用の検出ピクセルに支持されていてよい。複数のピクセルのデータを用いて画像化された結果を、データディスプレイシステム285が供給することができる。
検出器240の出力が次にデータ処理電子システム250に送られる。データ処理システム250は、ソフトウェアで選ばれた特定の持続時間に亘り電子パルスが数えられる万能カウンタで構成可能である。代案として、検出器240の出力を、データ処理システム250を構成している種々のサブシステムに送ることが可能であり、このサブシステムは、位相分解モジュール260を用いた位相依存検出や時間分解モジュール265を用いた時間依存検出などの種々の進歩した検出モードを供給できる。位相分解モジュール260及び/又は時間分解モジュール265により供給された検出データを、データディスプレイシステム285が表示できる。
更に、スルースキャンモードで動作するようシステム200を制御システム270が導くことができる。スルースキャンモードでは、帯域通過フィルタ230が一定でないやり方で操作される。例えば、帯域通過フィルタは、情報の豊富なスペクトル領域を通じゆっくりとスキャン可能であり、かつそのような情報のない領域では速くスキャン可能である。詳細に後述する図7が、このような実施形態を述べる。
制御装置270は更に、システム200に電子的に変調されたスキャン(EMS)を実施させることもできる。ある実施形態では、制御装置270が、変調されたRF信号を発生しAOTF230に加えるRF信号発生器(図示せず)を備えている。変調されたRF信号はAOTFのスキャンを変調し変調された光出力を生成する。AOTFスキャニングの変調は幾つかの利点を提供する。AOTF230により変調された光出力は、信号対雑音比を改善できる位相ロックされた検出モードを提供できる。加えて、このスキャニングモードを用いて対象である選択された吸収又は発光バンド前後の光を変調することができる。
システム200には更に無線のデータ伝送モジュール275が含まれていてよい。送信器モジュール275は、遠隔データ処理及び分析を可能にするべく、検出信号をRFキャリア信号と組み合わせるミクサ(図示せず)と、RF増幅器と、送信器と、アンテナ(図示せず)とを備えていてよい。送信器は、1つ以上のリモートソースからの制御信号及び他の信号受信を可能にするトランシーバでよい。
ITOSシステム200は多種多様な分光プロセスの光信号を測定でき、このプロセスは、例えば、吸収、蛍光、りん光、弾性散乱、ラマン散乱などである。対象であるサンプルから発散する信号の1つの重要なパラメータは、発散された放射の寿命である。選択された種々のプロセスの寿命は以下のとおりである。
(1)吸収:励起の瞬間と同時
(2)蛍光:10−10秒〜10−8
(3)りん光:10−6秒〜10−3
(4)散乱:励起の瞬間とほぼ同時
寿命の決定を可能にする発散された信号を測定する2つの方法は、時間分解法と位相分解法とで構成されている。時間分解法及び位相分解法は、対象である実際の信号とバックグラウンドノイズ(直流信号)とを区別することで、信号対雑音値を改善できる。
時間分解法では、パルス励起信号が使用される。励起幅がサンプルの寿命(減衰時間(単数又は複数))よりかなり短くなるよう、励起の幅は対象である発光又は他のプロセスより一般にかなり短い。寿命を測定することが望まれる場合、励起パルスに続いて時間依存の発散された強さI(t)を測定することができる。次に減衰時間τを、対数I(t)対tのグラフ傾斜から、又は、発散された信号の強さ(I)が最初の発散された強さの値I(t=0)の1/e(約37%)に減少する時間から、計算することができる。
励起パルスからの影響なしで発光(又は他の発散された信号)の強さを測定する為に、検出プロセスの開始は、図3Aに示されているように励起パルスの強さがゼロ近くまで減少するよう、励起パルスの十分に後の遅延時間(dt)の後でよい。異なる化合物は一般に異なる特徴の減衰時間(単数又は複数)をもたらす。よって、それらの減衰時間に基づいてサンプルに存在する化合物を識別することができる。
例えば、異なる減衰時間の異なる化合物を、図3Bに示されているように異なる遅延時間(dT)及びゲートタイム(ΔT)を用いることにより微分することができる。ゲートタイム(ΔT)は、検出が行われる減衰曲線の部分に対応する。例えば、減衰時間の短い化合物の発光は短いゲートタイムを用いて検出することができ、一方で、減衰時間の長いサンプルは、正しく指し示す(良好な信号対雑音値を提供する)のにより長いゲートを必要とする。これらの2つの化合物(一方のみ存在するが、どちらなのかは分からない場合)を区別する為に、2つの異なる(長短の)ゲートタイムを用いて2つの測定を実行することができる。2つのゲートタイムを用いる測定が同一の結果(同一の信号の強さ)を示す場合、あらゆる短い減衰の発光が2つのゲートウィンドウに適合するので、減衰時間の短い化合物が存在すると結論を下すことができる。しかし、2つのゲートタイムが異なる結果(即ち、短いゲートタイムで得られた信号がより長いゲートタイムで得られた信号より低い)を生む場合、存在する化合物は長いゲートタイムの方であると結論を下すことができる。同様な変形物が固定されたゲートタイムと変動する遅延時間とを用いて実行できる。長い遅延時間の測定は、短い減衰の発光をとり逃すが、長い減衰の発光は指し示す。短い遅延時間は両方の発光を指し示す。
多くの測定状況における重要な雑音源はバックグラウンドからのDCノイズである。信号対雑音の改善は、同様に図3Bに示されているように、多数の周期的な励起パルスを用いることにより、かつ、各パルスの後でゲートタイム(ΔT)中に発光信号を積分するこ
とで「ボックスカー(boxcar)」法を適用することにより達成される。
寿命を決定する為に使用できる別の方法は、多くの場合に周波数領域技術と呼ばれている位相分解技術を伴う。位相分解技術では、サンプルが強度変調光で励起される。入射光の強さは、サンプル減衰時間τの逆数と比べると、超高周波(ω=2πf、fはヘルツ単位の周波数)で変化する。高周波変調信号による励起に続いて、発光又は他の信号発散が同一の変調周波数で強度変調され始める。しかし、サンプルからの発光又は他の発散が減衰時間に続くので、図4に示されているように、発光には励起に相対的なある一定の遅延がある。この遅延は、一般に、位相シフト(φ)として測定され、この位相シフトは減衰時間を計算する為に使用できる。各変調周波数ωでは、変調周波数ωの増加に伴い0°から90°まで増加する位相シフトφωとして遅延が記載されている。
更にサンプルの有限の時間応答により、要素mωでの発光の復調という結果になる。この要素は、変調周波数の増加に伴い、1.0から0まで減少する。低周波では、発散された発光又は他の信号が励起信号にぴったりと続く。それに応じて、位相角がゼロ付近であり変調が1付近である。変調周波数が増加するにつれて、発光又は他の発散プロセスの有限の寿命により励起にぴったりと続く発光が防止される。これにより、発光の位相遅延及び発散された変調発光又は他の信号の最高最低振幅の減少という結果がもたらされる。
周波数応答の形状がサンプルにより示された減衰時間の数により決定された。減衰が単一指数関数的である場合、周波数分析が簡略化される。この場合は、あらゆる周波数での位相角又は変調が寿命を計算する為に使用できる。単一指数関数的減衰については、位相及び変調が以下の関係によって減衰時間(τ)に関係している。
Figure 2006519395
従って、対象である減衰時間(τ)向けに最適化された位相シフト(φ)を選択することにより、異なる減衰時間の種々の発光又は他の信号発散を微分できるので識別することができる。この方法は一般に位相分解検出と呼ばれる。
図5Aが、アナログ強度変調を用いた変調励起源と同期検波とを備えたITOSシステム500を図示する。水晶発振器505が変調周波数を周波数セレクタ510(例えばプログラマブルタイマ)に供給し、周波数セレクタ510は周波数制御512により駆動され、周波数制御512はレーザドライバモジュール520を運転する為に使用される周波数を選択し、レーザドライバモジュール520はレーザ525を駆動する。レーザドライバ520はレーザ525により放出されたレーザ光の強さを変調し、レーザ525は目標サンプル528を励起する為に使用される。レーザ525は、50%動いて50%休むなど、変調可能である。ラマン信号(又は、蛍光やりん光などの発散された他の信号)が、帯域通過フィルタ、例えばAOTF530などにより帯域通過フィルタにかけられ、AOTF530はRFドライバ532により駆動される。
AOTF530が、対象である発光又は他の信号を、レーザ散乱光やバックグラウンドノイズなどの他の干渉から分離する。ラマン検波が望まれていると仮定すると、分離されたラマン信号が検出器535により検出され、検出器535はアバランシェフォトダイオード(ADP)や光電子増倍管(PMT)、又は同一のもののアレイなどであり、検出器535は発散された信号(例えばラマン信号)を電気信号へと変換する。
検出器535(例えばAPD)により供給された出力電流が、励起周波数を通すのに十分な帯域幅の増幅器538を用いて増幅されるが、これは励起信号が更に同期検波器540への位相の入力として使用される為である。同期検波器540は位相シフトセレクタ541により操作され、位相シフトセレクタ541はレーザ励起変調周波数と同期させられている。この配列は同期して、増幅器538により供給された出力を整流する。ローパスフィルタ542が同期検波器540の出力を平均する為に使用される。まず、励起周波数と同一の周波数でないあらゆる信号が平均されてゼロとなり、よってこのアプローチはDC信号及び他の干渉信号を除去する。そしてローパスフィルタ542の出力がアナログ・デジタル変換器(ADC)545に供給され、アナログ・デジタル変換器(ADC)545はデジタルデータ出力550を供給する。
更にサンプルの有限の時間応答により、要素mωでの発光又は他の発散された信号の復調という結果になる。前に述べたように、単一指数関数的減衰については、位相及び変調が、tanφω=ωτ及びmω=(1+ωτ−1/2というように減衰時間(τ)に関係している。従って、ラマン、蛍光、りん光の検出については、異なる減衰時間の種々の発光又は他の発散された信号が、対象である減衰時間(τ)に対し最適化された位相シフト(φ)を選択することにより微分できる(位相分解検出)。位相分解技術は更に、サンプルから発散された変調信号(例えばラマン信号)を、太陽光又は室内光からの信号などの直流バックグラウンド信号と区別するのに役立つ。
図5Bが、図5Aに示されたシステム500に非常によく一致しているITOSシステム560を示す。システム560も同様に位相分解検出に適応している。直接的に変調するシステム500のレーザ525ではなく、システム560は、レーザ励起光を変調する電気光学変調器565(例えばポッケルスセル)や他の光変調器などに変調信号を適用することにより、レーザ525の出力を変調する。システム560はシステム500に比べ、ある一定のシステム配列に利点を提供できる。例えば、システム500に示されているように変調される能力が物理的にないレーザもあり、その場合、それらの周波数や振幅の安定性が損なわれる恐れがある。
図5Cが、アナログゲート集積化を用いたパルス励起及びゲート検出を伴うITOSシステム570を示す。発振器(水晶発振器など)505が変調周波数を周波数セレクタ510(例えばプログラマブルタイマ)に供給し、周波数セレクタ510が、パルスレート及びパルス幅制御513からの入力を用いてレーザドライバモジュール520を運転するのに使用する周波数を選択する。レーザドライバモジュール520がレーザ525からのパルスをトリガし、レーザ525は目標サンプル528を励起する為に使用される。サンプルから発散され結果として生じたラマン(蛍光、又はその他の)信号が、AOTF530などのチューナブル光学フィルタを介して検出され、チューナブル光学フィルタはラマン又は他の発散された信号を他の干渉(例えば、レーザ散乱、バックグラウンドノイズ)から分離する為に使用される。分離され発散された信号が検出器535(例えば、APD)により検出され、検出器535は光信号を電気信号へと変換する。電気信号が増幅器540により増幅され、そしてゲート積分器572に送り込まれる。
ゲート積分器572は、ゲート発生器573から信号を受信した時のみ、検出信号データを処理する為に「検出ゲート(detection gate)」を開放し、ゲート発生器573は遅延発生器574によりトリガされる。遅延発生器は、好ましくは、レーザドライバ520をトリガする周波数セレクタ510により出力された同一の励起パルスにより駆動されるが、前に図3Bに図示したように励起パルスと検出ゲートの開始との間に時間遅延(dt)を設定する。従って、十分な時間遅延(dt)を遅延期間に設定することにより、レーザの散乱からの影響をなくすことが可能である。
代案として、対象であるラマン又は他の信号から蛍光バックグラウンドを減少させることが可能である。例えば、目標プローブの減衰時間向けに最適化された、異なる時間遅延(dt)値を用いることにより、一般に減衰時間τの異なるバックグラウンドからの蛍光発光を、対象であるラマン信号と見分けることも可能である。
次にゲート積分器572からの信号が帯域通過フィルタ576へと送り込まれ、そして好ましくは電力平均回路(図示せず)に送り込まれる。最終的にアナログ信号がアナログ・デジタル変換器(ADC)545へと送り込まれ、アナログ・デジタル変換器(ADC)545は、検出信号を表すデジタルデータ出力550を供給する。
図6Aが、デジタル復調を用いた変調励起及び同期検波を伴うITOSシステム600を示す。発振器(水晶発振器など)605が周波数セレクタ610(例えばプログラマブルタイマ)に基本周波数を供給し、周波数セレクタ610は、レーザドライバモジュール620を運転する為に使用される変調周波数を発生する。レーザドライバ620は、レーザ625からのその強さの光を変調し、レーザ625は目標サンプル628を励起する為に使用される。ラマン信号(又は、例えば蛍光、りん光)がAOTF又は同様な帯域通過フィルタ630を介して検出され、帯域通過フィルタ630は発光又は他の検出信号を他の干渉(例えば、レーザ散乱、バックグラウンドノイズ)から分離する為に使用される。分離されたラマン(蛍光)発光が、アバランシェフォトダイオード(ADP)や光電子増倍管(PMT)などの検出器635により検出され、検出器635はルミネセンス信号を電気信号へと変換する。検出器は、検出されたラマン(ルミネセンス)信号からのパルスを生成する電子回路を備えていなくてはならない。代案として、検出器からの電気信号はオプションの増幅器により増幅され、そしてパルスを生成する為に比較器又は弁別器に渡されてもよい(共に図6Aには図示せず)。
レーザ光は、レーザドライバ620により供給された50%デューティサイクルのパルスを用いるなどして変調される。それに応じて、サンプルから発散され検出器635(例えばAPD)により検出された信号は、デジタル形式(ほぼ50%のデューティサイクルの一連の論理パルス)である。パルスはマルチプレクサ638に集められ、そして2つのカウンタに送り込まれる。例えば、カウンタ639が「0」励起状態の処理を提供し、カウンタ640が「1」励起状態の処理用である。2つのカウンタ639及び640のオンオフサイクルは、レーザ625を駆動するレーザドライバ620により供給された同一の変調励起波形をそれぞれが備えることを可能にすることにより、励起/検出サイクルと同期する。例えば、カウンタ639は、レーザ励起サイクルがオフの際に使用可能になるので、バックグラウンド信号を供給できる。他方のカウンタ640は、レーザ励起サイクルがオンの際に使用可能なので、サンプル628から発散された信号を供給する。位相分解測定を実行する為にカウンタサイクルの遅延時間を変更することが可能である。両方のカウンタ639及び640からのデジタル信号をデータ収集及び平均化モジュール642へと送り込むことができ、データ収集及び平均化モジュール642では、検出信号が処理され(例えば、バックグラウンド除去法、その他)、それからデジタルデータ出力644として出力される。
図6Bが、デジタルゲート集積化を用いたパルス励起及びゲート検出を伴うITOSシステム650を示す。システムはシステム600と同様であり、システム570の機能を果たすシステム600の要素を用いる。システム600とは違って、励起は方形波ではなく、むしろパルスの連続である。システム570と同じように、このシステムもゲート集積化を提供する。このことは、励起がオン又はオフの時間中に生産されたパルスを受信する為に適切なカウンタをゲート制御する(可能にする)ことにより成し遂げられる。図6Bは、レーザドライバ620及び使用可能なカウンタ640への同一の信号入力を示して
いるが、ゲート発生器及び遅延発生器(図5Cに示された574及び573のようなもの)がプログラマブルタイマ610とカウンタ639及び640との中間に加えられてもよい。
図6Cが、変調励起、同期検波、RFデータ伝送を伴う無線のITOSシステム670を示す。システム670は図5Aに示されたシステム500に類似しているが、システム500におけるADC545がミクサ680及びRF増幅器685と取り替えられている。よって、システム670では、検出信号はシステムによりデジタル化されず、無線周波数(RF)リンクを用いて無線で送信される。
RF搬送周波数は、図6Cに示されているようなシステム670のレーザ励起で使用されたものと同一でもよい。同期検波器540により出力された検出された信号が次に、低周波(直流付近の)検出信号を供給する為にローパスフィルタ542によりフィルタにかけられ、この検出信号は図6Cに示されているようにミクサ680を介してRF搬送波を変調する為に使用される。結果として生じる変調されたキャリア信号は、次にRF増幅器685により増幅され送信される。遠く離して設置された受信器(図示せず)が送信された信号を復調でき、デジタル化及び他のデータ処理の対象である低周波ラマン信号又は他の信号を抜き出す。
ITOS技術の1つの利点は「スルースキャニング(slew scanning)」モードで動作できることである。スルースキャニングモードは、対象である個別かつ一般に狭いスペクトル領域に集めることにより、測定値の信号対雑音値を大きく改善する。図7が、ラマン分光法に適用されたスルースキャンモードの原理を示す。例えば、化合物のラマンスペクトルは通例、約2000cm−1〜約3000cm−1の波数を含む。しかし、質問される化合物を疑いなく識別するには一般に2〜5個のピークのみで十分である。これらのラマンピークは通例、非常に狭く(1cm−1未満の)、計器のスペクトル分解能(ラマン測定で使用されるBrimrose社のAOTFでは5cm−1〜10cm−1)に依存している。従って、複雑な混合物中の特定の化合物を識別することが必要な場合、一般に、ラマンピークが位置することがわかっている少数(例えば2〜3)の狭いスペクトル領域のみをスキャンすることが必要なだけである。スルースキャン法は、一般に制限された数の狭い発光ピークを示す他の発光スペクトル、例えば、原子発光、原子吸光、原子蛍光に適用できる。
図7(a)は、複数のピークを含む模範的なラマンスペクトルを示す。各々の波数範Δνa、Δνb、Δνcのラマンピークが特有の目標を疑いなく識別できると仮定する。図7(a)に示されたそれぞれのピークを含むΔνa、Δνb、Δνcは図7(b)に示されている。スルースキャンモードと対照的に、従来のスキャンモードでは、νからνまでの全体のスペクトルレンジが一定の比率でスキャンされる。
AOTFやLCTFなどのスキャニングチューナブル帯域通過フィルタは、対象であるスペクトル情報が豊富なΔνa、Δνb、Δνcの領域(例えば各々10cm−1、即ち合計で30cm−1のみ)をゆっくりとスキャンするようプログラム可能である。スキャニングチューナブル帯域通過フィルタは、νからνまでの全範囲においてこれらの狭い領域の外の他の領域を急速にスキャンできる。この方法は「スルースキャニング」モードと呼ばれ本発明に特有のものである。
スルースキャニングモードを、全体のスペクトル領域が集められる必要のある電荷結合素子(CCD)などのマルチチャネル検出器で実行することはできない。よって、CCDベースのシステムは主に、対象であるスペクトル領域(単数又は複数)の外の無意味なデータを生成する。例えば、CCD装置を用いて全体のラマンスペクトルを記録するには、
一般に3000cm−1全てについてデータを記録する必要がある。
他方では、ITOSのスルースキャン法が記録すべきなのは、30cm−1のデータのみ、即ち記録するのは100分の1のデータである。従って、ITOSはCCDよりおよそ100倍速く操作可能であり、最も意味のある重要な情報(例えば、3つの典型的なピークのデータ)を得られる。代案として、同一の測定時間で、ITOSは、信号対雑音値を改善する目的で、対象であるスペクトル領域により多くの時間(約100倍の測定時間)をかけられる。
代わりの実施形態では、ITOSをより幅広く用いることができる。スルースキャン方式は、点光源用の、又は多数の点光源を用いた2次元の画像用の「ダイナミック多素子マッチフィルタ(dynamic multi−element match filter)」(DMMF)と見なすことができる。DMMFは、対象である化合物のピークの特徴の予め選択された組み合わせをスキャンすることで装置が特定の化合物を捜すことができるよう、プログラムされシステムへと集積されたソフトウェアで構成されている。
本発明によるシステムは、完全に集積可能で、しかも容易に持ち運べる程度に軽く小さいので、現場での使用に適している。このようなシステムは化学サンプル及び生体サンプルの直接的識別及び定量分析を数秒のうちに現場条件の下で提供できる。本発明による模範的なAOTFベースのシステム、例えば組み立てられたダイオードレーザやAPD検出器などは、55.88cm×12.70cm×10.16cm(22インチ×5インチ×4インチ)であり、およそ15.89キロ(35ポンド)の重さであった。防水のハウジングがシステムを密閉し、これによりシステムが防水となりNEMA‐4規格に準拠する。該防水機能によって、本発明によるシステムが特別な準備なしで汚染除去処理可能になり、これは、危険な環境で使用されるシステムの重要な要求である。
約3時間のシステム操作に十分な電力は、一般的なリチウムイオン電池により供給された。システムのサイズ又は重さの増大に伴い動作時間が長くなるにつれ、より高いエネルギー密度の電池が供給すればよい。システムは、システムの操作並びにデータ分析及びデータ記憶を制御するシングルボードコンピュータを備えている。コンピュータは、例えばタッチスクリーンディスプレイなどの種々の素子につながれた幾つかの汎用デジタル入出力ポートを備えている。システム用の電力はリチウムイオン電池により供給された。
よって本発明によるシステムは、多種多様な用途に使用できる。例えば、本土防衛、法医学及び調査、医学診断、薬剤や食品や農産物の分析、環境のバイオレメディエーション及びモニタリング、バイオプロセスのモニタリング、バイオテクノロジーの応用などである。
本発明の好適な実施形態が図示され記載されたが、本発明がそれほど制限されていないことが明らかとなるであろう。請求項に説明されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、非常に多くの修正、変更、変形、代用、同等の物に、当業者は気がつくであろう。
光波長の残りからわずかな角度で回折される対象である波長をブラッググレーティングがもたらしている、同一線上にないAOTFの操作上の特徴。 本発明の実施形態に係る集積化光センサチューナブルシステムの図。 模範的な励起パルスと、サンプルによりもたらされた結果として生じる減衰曲線応答。 周期的な励起パルスの列及び結果として生じる減衰曲線応答。 変調励起パルス及び結果として生じる変調発光信号。 アナログ復調を利用する変調励起及び同期検波システムのブロック図。 アナログ復調を利用し電気光学変調器を備えた変調励起及び同期検波システムのブロック図。 アナログゲート集積化を利用するパルス励起及びゲート検出システムのブロック図。 デジタル復調を用いる変調励起及び同期検波システムのブロック図。 光子計数型アバランシェフォトダイオード(API)及びデジタル技術を備えるパルス励起及びゲート検出システムのブロック図。 無線のRFデータ伝送を伴う変調励起及び同期検波システムのブロック図。 ITOSシステムに対するスルースキャニングの実施を示すラマンスペクトル。

Claims (26)

  1. サンプルを分析するスキャニングチューナブル検出システムであって、
    時間変化励起信号の供給源と、
    同時間変化励起信号の照射に続いて前記サンプルから発散される、複数の時間変化光信号を選択的に送信するチューナブル光学フィルタと、
    同時間変化光信号を電気検出信号に変換する検出器と、
    を具備したシステム。
  2. 前記チューナブル光学フィルタがAOTF又はLCTFからなる請求項1に記載のシステム。
  3. 前記AOTFのスキャンを変調する構造を更に具備した請求項2に記載のシステム。
  4. 前記検出信号を受信して、位相感知検出および/または時間感知検出を行うデータ処理システムを更に含む請求項1のシステム。
  5. 請求項1に記載のシステムであって、前記時間変化励起信号の供給源からのビームを、前記サンプルの複数の位置を照射する複数の個別の励起光ビームへと分割する回折光学素子を更に具備し、前記検出器が、前記サンプルの前記位置から発散された複数の前記時間変化光信号を受信する複数のピクセルを備えた検出アレイで構成された、システム。
  6. 前記検出器が少なくとも1つのアバランシェフォトダイオードからなる請求項1に記載のシステム。
  7. 前記時間変化光信号が、ラマン信号又は表面増強ラマン信号からなる請求項1に記載のシステム。
  8. 前記時間変化光信号が、蛍光信号、りん光信号、原子発光信号からなる請求項1に記載のシステム。
  9. 前記検出信号又は前記検出信号から得られた信号を受信するゲート積分器を更に具備し、同ゲート積分器が、前記サンプルの照射が終わった後で所定の期間後にのみ前記検出信号を積分する請求項1に記載のシステム。
  10. 前記励起信号の供給源を変調する為にパルスの列が使用され、同パルスの列が更に前記所定の期間後に前記ゲート積分器に適用される請求項9に記載のシステム。
  11. 前記時間変化電気信号を受信する同期検波器と位相シフトセレクタとを更に具備し、前記位相シフトセレクタが前記同期検波器を前記励起源に適用された変調周波数に同期させる請求項1に記載のシステム。
  12. 前記時間変化電気信号を受信する同期検波器と位相シフトセレクタとを更に具備し、前記位相シフトセレクタが前記同期検波器を、前記励起源の出力に適用された変調周波数に同期させる請求項1に記載のシステム。
  13. 請求項1に記載のシステムであって、前記時間変化励起信号がパルス列で構成されており、前記発散された信号が一連のパルスであり、前記システムが、前記一連のパルスを集めるマルチプレクサと、前記パルス列と同期している第1のカウンタ及び第2のカウンタとを更に具備し、前記第1のカウンタが前記検出信号の「0」状態を処理する為のものであ
    り、前記第2のカウンタが前記検出信号の「1」状態を処理する為のものである、システム。
  14. 前記第1のカウンタ及び前記第2のカウンタの両方の出力に接続されたデータ収集及び平均化モジュールを更に具備した請求項13に記載のシステム。
  15. 前記検出信号を無線で送信する構造を更に具備した請求項1に記載のシステム。
  16. サンプル中の少なくとも1つの構成要素を識別する方法であって、
    時間変化放射の供給源を供給する工程と、
    前記サンプルを前記時間変化放射で照射する工程と、
    前記サンプルから時間変化光信号が発散し、同時間変化光信号を電気検出信号に変換する工程と、
    前記サンプルに関する時間変化測定をもたらす為に前記電気検出信号を処理する工程と、
    を含む方法。
  17. 前記サンプルから発散する時間変化光信号を選択的に送信する工程を更に含む請求項16に記載の方法。
  18. 前記選択的な送信をAOTF又はLCTFがもたらす請求項17に記載の方法。
  19. 前記時間変化測定が寿命の決定を含む請求項16に記載の方法。
  20. 前記時間変化測定が時間分解測定を含む請求項19に記載の方法。
  21. 前記時間変化測定が位相分解測定を含む請求項19に記載の方法。
  22. 前記照射工程がスルースキャニングを含む請求項16に記載の方法。
  23. 前記光信号がラマン信号又は表面増強ラマン信号で構成された請求項16に記載の方法。
  24. 前記変換する工程の起動を前記照射する工程後に所定時間だけ遅延させる工程を更に含む請求項16に記載の方法。
  25. 前記時間変化供給源が変調された周波数出力を供給し、前記時間変化電気信号の復調を前記変調された周波数に同期させる工程を更に含む請求項16に記載の方法。
  26. 前記処理する工程が前記サンプルを画像化する工程を含む、請求項16に記載の方法。
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