JP2006518017A - 密封式圧縮機の吐き出し管 - Google Patents

Abstract

ガス吐き出し口１ａをもっており、内部にガス吐き出しチャンバを画定するシリンダヘッド８がねじ８ａを介して固着されているシリンダブロック１０を収容する密封式シェル１と、シリンダヘッド８のオリフィス８ｂを通してガス吐き出しチャンバに流体連通している入口部端部９ａ並びに密封式シェル１のガス出口部１ａに結合されている反対側の端部９ｂをもっている吐き出し管９とを備えるタイプの密閉形圧縮機の吐き出し管のための取付け機構であり、前記機構が、ねじ８ａの１本を介してシリンダヘッド８に固着され、吐き出し管９の入口部端部９ａを受けかつしっかりと固定している電気的絶縁性の吐き出しコネクタ４０を備える。

Description

本発明は、小型冷凍システム例えば冷蔵庫、冷凍庫、水飲み器その他で使用されるタイプの往復密封式圧縮機の吐き出し管に適用する建設的な解決法に関する。

往復密封式圧縮機は、密閉されているシェル内に一般的に懸架ばねによって取り付けられているモータ−圧縮機のアセンブリから成っている。モータ−圧縮機のアセンブリは、垂直のクランクシャフトを支えているシリンダブロックを備え、そのクランクシャフトが、中央で圧縮機の電気モータのロータを、下方でポンプのロータを担持し、そのポンプのロータが、圧縮機の動作中相互に運動する部品間に油膜を形成するために前記部品に圧縮機のシェルの下部部分に設けられた油だめから潤滑油を案内し、それら部品間の摩擦接触を回避する。

これら圧縮機は、その一端がクランクシャフトの偏心円にもう一端がピストンに取り付けられているコネクティングロッドをもっており、そのピストンがシリンダ内部で下死点の状態と上死点の状態の間を偏心円の軸に対して直交方向に往復運動をし、それら下死点の状態及び上死点の状態が、それぞれ、ピストン頂部とシリンダエンドに取り付けられているバルブプレートとの間の直線方向の最大間隔と最小間隔によって画定され、そのバルブプレートが、圧縮機の吸込みチャンバ及び吐き出しチャンバを画定するシリンダヘッドアセンブリの内部面を画定する。

電気モータはピストンをシリンダ内で駆動して往復移動させ、冷媒ガスを引き込み圧縮する。

密封式シェルは、さらにその内側の端部が、シリンダヘッドに固着され吐き出しチャンバに開口し、反対側の端部が、密封式シェルの表面に設けられたオリフィスに開口している吐き出し管路又は管を担持し、その管路又は管が、吐き出しチャンバと、コンプレッサが結合されている冷凍システムの高圧側を連通させている。

コンプレッサのモータ内に絶縁不良が起ると、電流の漏洩が起り、その流れの経路には懸架ばねを通るものと、吐き出し管を通るものの２つがある。

電流漏洩が主に発生しうる状況には３つがあり、圧縮機が組み込まれた冷凍器械が、接地されておらずユーザが生命の危険を伴う電気ショックを経験する状況と、前記冷凍器械が、接地されており抑制された電流が接地システムを通って流れ、電極の劣化をもたらしエネルギー消費量を増加させる状況と、前記冷凍器械が、接地されておりサーマルプロテクタに検出されることなくシステムを通って高い電流が流れ機器を危険にさらす状況である。

現今では、懸架ばね内に音の通過を減少させることを目的にプラスチック停止手段などの絶縁停止手段（ｉｎｓｕｌａｔｉｎｇ ｓｔｏｐ ｍｅａｎｓ）を設けることが普通である。意図する機能に加えこれらの停止手段は、電気絶縁物として働き、圧縮機のシェルへの電流の移動を妨げる。このような構造での絶縁不良は、吐き出し管を経由する電流漏洩を発生させる。

したがって本発明の包括的な目的は、前記の欠陥を克服する、密封式圧縮機の吐き出し管のための取付け機構を提供し、その吐き出し管を経由する圧縮機のシェルへの電流の漏洩を回避することである。

本発明の更なる目的は前記のように、前記圧縮機の製造工程を著しく改変することなく、生産ライン及び既に運転中の圧縮機にも簡単に適用できるような解決策を伴う、電気モータと圧縮機のシェルの間に電気絶縁を達成することを可能にする吐き出し機構を提供することである。

ガス吐き出し口をもっており、内部にガス吐き出しチャンバを画定するシリンダヘッドがねじを介して固着されているシリンダブロックを収容する密封式シェルと、シリンダヘッドのオリフィスを通してガス吐き出しチャンバに流体連通している入口部端部並びにシェルのガス出口部に結合されている反対側の端部をもっている吐き出し管とを備えるタイプの密閉形圧縮機の吐き出し管のための取付け機構によって、これら及びその他の目的が達成される。

本発明のこの取付け機構は、シリンダヘッドにねじの１本で固着され吐き出し管の入口部端部を受けしっかりと固定している吐き出しコネクタを備え、前記吐き出しコネクタが、シリンダヘッドの吐き出し管を電気的に絶縁している。

本発明の解決策は、圧縮機の電気的絶縁を可能にし、圧縮機のシェルを通る電流漏洩の存在がもたらす事故の恐れを最小限に抑える。

本発明を、添付図面を参照し説明する。

本発明を、その内部にモータ−圧縮機のアセンブリがばね２によって担われている密封式シェル１を備えるタイプの往復圧縮機に関して説明するが、そのモータ−圧縮機のアセンブリはシリンダブロック１０を含み、その中でシリンダ１１が前記シリンダ１１内を往復運動するピストン３を収容し、前記ピストンは、電気モータ２０によって駆動されるとき冷媒ガスを吸引し、圧縮する。

シリンダブロック１０は、垂直なクランクシャフト４を支え、そのクランクシャフトは、その中央で圧縮機の電気モータ２０のロータ２１を、またその下方でポンプロータ５を担持し、そのポンプロータが、圧縮機の動作中相互に運動する部品間に油膜を形成するために圧縮機のシェル１の下部部分に設けられた油だめ３０から相互に運動する部品へと潤滑油を案内する。

これらの圧縮機は、一端がクランクシャフト４の偏心円４ａに取り付けられもう一端がピストン３に取り付けられているコネクティングロッド６をもっている。

圧縮機の動作中、ピストン３は、シリンダ１１の内部を通して偏心円４ａの軸に対して直交方向に下死点の状態と上死点の状態の間を移動し、それら下死点の状態及び上死点の状態が、それぞれ、ピストン３の頂部とシリンダ１１の端部に取り付けられたバルブプレート７との間の直線方向の最大間隔と最小間隔によって画定され、そのバルブプレートが、シリンダブロック１０にねじ８ａにより固定されているシリンダヘッド８の内部面を画定している。

シリンダヘッド８は、内部でバルブプレート７をもって吸込み及び吐き出しチャンバを画定し、それらチャンバは、それぞれ吸込み及び吐き出しオリフィスを通してシリンダ１１と選択的流体連通状態に保たれる。この選択的連通は、それぞれ吸込み及び吐き出しバルブによる前記吸込み及び吐き出しオリフィスの開閉によって決められる。

密封式シェル１はその内部に、吐き出し管路又は管９を担持し、その管路又は管は、シリンダヘッド８内のオリフィス８ｂを経由して吐き出しチャンバに開口している入口部端部９ａと、密封式シェル１の表面に設けられているガス出口部１ａに結合されている反対側の端部９９をもっており、これら端部が密封式シェル１の内部を、圧縮機が結合されている冷凍システムの高圧側と連通させている。吐き出し管９の反対側の端部９ｂは、密封式シェル１のガス出口部１ａに取り付けられた吐き出し管（図示せず）に固着されている。

この構造では、シリンダ１１で圧縮されたガスは、バルブプレート４内で吐き出しバルブの開口部の上に取り付けられた吐き出しチャンバに導かれ、次いで吐き出し管９を通って冷凍システムの高圧側に送られ、その吐き出し管は、この構造ではシリンダヘッド８と密封式シェル１内の吐き出し管の間で決められた長さをもっている。

吐き出し管９は、一般的に金属材料で製造されシリンダヘッド８及び密封式シェル１に溶接で固着されている。吐き出し管９は、シリンダヘッド８をシリンダブロック１０に固着するために使用されているねじ８ａの内の１本が取り付けられている領域でシリンダヘッド８に固定されており、その１本のねじは、吐き出し管９の入口部端部９ａを受けかつしっかりと固定している吐き出しコネクタ４０を前記シリンダヘッド８に固着している。

本発明によれば、吐き出しコネクタ４０は、シリンダヘッド８から吐き出し管９を電気的に絶縁し、シリンダヘッドの内部とシリンダヘッド８のオリフィス８ｂとの流体連通を保持するようにシリンダヘッド８に据わっている第１の端部と、前記ねじ８ａの頭部が据わっている第２の端部とを有する管状の本体４１を備え、そのねじが、管状の本体４１及びシリンダヘッド８のオリフィス８ｂを貫通して軸方向に柔軟に配設されている。

管状の本体４１は、吐き出し管９の入口端部９ａがその中に固着されている側面開口部４２を有し、その管状の本体４１の第１及び第２の端部が、シリンダヘッド８及びねじ８ａの頭部によってそれぞれ画定されている隣接する部品から電気的に絶縁されている。

例示の構造では、管状の本体４１は金属製の円筒状であり、径方向の開口部４２を有する。

本発明により吐き出しコネクタ４０によって設けられる電気絶縁は、管状の本体４１と、電気絶縁材料で成っている吐き出しコネクタ４０の第１及び第２の端部とによって画定される部品の少なくとも１つをもたらす。

本発明の一実施方式では、吐き出しコネクタ４０の間の、具体的には管状の本体４１とシリンダヘッド８及びねじ８ａの頭部によって画定される部品との間の電気絶縁はワッシャ４３ａを設けることによって得られ、そのワッシャは、電気絶縁材料で成っており、管状の本体４１の第１の端部とワッシャ４３ｂの間に設けられており、そのワッシャ４３ｂは、前記管状の本体４１の第２の端部とねじ８ａの頭部の間にあり、前記ワッシャ４３ａ及び４３ｂは電気絶縁材料例えばポリエステルで成っている。

本解決策に対して可能な実施形態を１つのみ例示したが、その他の構造、例えばワッシャ４３ａ及び４３ｂを組み込んでおり絶縁材料から成っている吐き出しコネクタ、又は絶縁材で成っている管状の本体４１を有する前記吐き出しコネクタ４０などが可能であることを理解されたい。

本解決策の適用で、従来技術による圧縮機では起る、モータからの漏洩電流の存在が圧縮機の吐き出し管を通って圧縮機のシェルに達することはもはやなく、前記の事故の危険を回避する。

本発明で使用するタイプの圧縮機を中央垂直断面で表示した略図である。 図１に例示した圧縮機を、シェル上部部分を取り除いて部分的に表示した略図である。 吐き出し管の結合領域を例示するシリンダヘッドの部分の断面を示す略図である。

Claims (4)

1. ガス吐き出し口（１ａ）をもっており、内部にガス吐き出しチャンバを画定するシリンダヘッド（８）がねじ（８ａ）を介して固着されているシリンダブロック（１０）を収容する密封式シェル（１）と、シリンダヘッド（８）のオリフィス（８ｂ）を通してガス吐き出しチャンバと流体連通している入口部端部（９ａ）並びに密封式シェル（１）のガス出口部（１ａ）に結合されている反対側の端部（９ｂ）をもっている吐き出し管（９）とを備えるタイプの密閉形圧縮機の吐き出し管のための取付け機構であって、シリンダヘッド（８）にねじ（８ａ）の１本で固着され、吐き出し管（９）の入口部端部（９ａ）を受けかつしっかりと固定している吐き出しコネクタ（４０）を備え、前記吐き出しコネクタ（４０）が、シリンダヘッド（８）の吐き出し管（９）を電気的に絶縁していることを特徴とする機構。
2. 吐き出しコネクタ（４０）が、シリンダヘッドの内部とシリンダヘッド（８）のオリフィス（８ｂ）との流体連通を保持するようにシリンダヘッド（８）に据わっている第１の端部と、前記ねじ（８ａ）の頭部が据わっている第２の端部とを有する管状の本体（４１）を備え、前記ねじが、管状の本体（４１）及びシリンダヘッド（８）のオリフィス（８ｂ）を通して軸方向に柔軟に配設されており、前記管状の本体（４１）が、吐き出し管（９）の入口部端部（９ａ）がその中に固着されている側面開口部（４２）をもち、管状の本体（４１）の第１及び第２の端部が、シリンダヘッド（８）及びねじ（８ａ）の頭部によってそれぞれ画定されている隣接する部品から電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項１に記載の機構。
3. 管状の本体（４１）と、シリンダヘッド（８）及びねじ（８ａ）の頭部によって画定される部品との間の電気絶縁が、電気絶縁材料で成っているワッシャ（４３ａ、４３ｂ）を設けることによって得られ、ワッシャが、管状の本体（４１）の第１の端部とシリンダヘッド（８）の間、並びに前記管状の本体（４１）の第２の端部とねじ（８ａ）の頭部との間に設けられていることを特徴とする請求項２に記載の機構。
4. ワッシャ（４３ａ及び４３ｂ）がポリエステルから成ることを特徴とする請求項３に記載の機構。

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