JP2006517492A - 自動車のフロントピラーの構造 - Google Patents

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Abstract

窓の支柱(3)のライナーと、ダッシュボードの横梁(5)と、ドアの縦桁(6)と、ダッシュボードの横梁(5)とフロントピラー(1)との間の緊結部材(21)とを支持する、フロントピラー(1)のライナー(13)を有し、フロントピラー(1)への緊結部材(21)の取り付けは貫通するボルト(22)によって実行される、自動車のフロントピラー(1)の構造において、ダッシュボードの横梁(5)が取り付けられる内側のボックス(12)と、外側のボックス(11)が、ライナー(13)の両側に配置されて、概ね閉じた1つのボックスを構成するように連結され、ライナー(13)に隙間(14)が設けられ、一方のボックスに属する帯材(15)が、他方のボックスの横方向の面を覆うように、隙間(14)を通り抜けることを特徴とする。

Description

本発明は、自動車のフロントピラーの構造に関し、垂直軸の周りのフロントピラーの回動を制限することを目的とするフロントピラーの構造に関する。特に本発明は、窓の支柱のライナーと、ダッシュボードの横梁と、ドアの縦桁と、ダッシュボードの横梁とフロントピラーとの間の緊結部材とが連結される、フロントピラーのライナーを有する、フロントピラーの構造に関する。
このような構造は、衝突の際における、垂直軸の周りのフロントピラーの回動を制限する。この回動は、一方ではドアの縦桁の概ね縦方向の圧力に、他方では長脚の垂直軸の周りの回動に起因する。様々な自動車において、一方ではダッシュボードの横梁へ、他方ではフロントピラーへ連結された緊結部材の存在が知られている。緊結部材とフロントピラーとの間のこの連結は、自動車の垂直軸に沿って貫通するボルトによって実行される。緊結部材と組み合わされたこのボルトは、このボルトによって貫通されたフロントピラーの回動の制限を可能にする。
しかしながら、このような方策は、ダッシュボードの横梁と、ボルトによって貫通されるフロントピラーとの間の横方向の連結のみしか確保しないという重大な問題を呈する。従ってこの横方向の連結は、必然的に部分的にしか実現されず、さらに、販売後にボルトが拘束力を持つ状況を生じる。
従って、本発明の1つの目的は、衝突の際により不利でない幾何学的な特徴を有する、フロントピラーの構造を提供することにある。フロントピラーが回動しないようにすることは、実際、前面衝突の際における車室の管理に必要な条件の1つである。従って本発明の目的は、フロントピラーの回動のリッミターとして役立たせるために、ダッシュボードの横梁の機械的な能力(横方向の応力と垂直方向の軸の周りのモーメント)を利用することにある。
本発明の第2の目的は、その性質が、従来技術において知られている貫通するボルトを除去することを可能にする、フロントピラーとダッシュボードの横梁との間の連結を実現することにある。
様々な自動車製造者において普遍的に存在する目的に対応して、本発明は、より低コストで、より低容積にすることも目指す。
これらの目的を達成するために、本発明は、本明細書の「技術分野」に記載したタイプのフロントピラーの構造において、ダッシュボードの横梁が取り付けられる内側のボックスがライナーの自動車の内側に向けられた面に配置され、外側のボックスが上記ライナーの自動車の外側に向けられた面に配置され、2つの上記ボックスは概ね閉じた1つのボックスを構成するように連結されることを特徴とするフロントピラーの構造を提供する。上記フロントピラーのライナーに隙間が設けられ、一方の上記ボックスに属する帯材が上記隙間を通り抜けて、他方の上記ボックスの横方向の面を覆うようになることを可能にする。上記帯材は、上記内側のボックスに属して、上記外側のボックスの横方向の面を覆ってもよいし、あるいは、上記外側のボックスに属して、上記内側のボックスの横方向の面を覆ってもよい。
本発明の1つの特徴によれば、2つの上記ボックスは、上記ボックスをそれぞれ延伸する取付脚の高さにおける溶接点によって互いに接続される。
本発明の1つの特徴によれば、緊結部材の縦方向の寸法は、上記内側のボックスの縦方向の面の長さよりも大である。
本発明の1つの特徴によれば、2つの上記ボックスの縦方向の面は、貫通するボルトの通過を可能にするための穴を設けることができるが、開口部のない面であってもよい。
本発明のその他の特徴及び利点は、理解のために添付図面を参照する以下の詳細な説明を読むことによって明らかとなるであろう。添付図面において:
図1は、本発明に類似の左フロントピラーを有する自動車の前側部構造の略図である。
図2は、自動車の左後の外側から見た、本発明による左フロントピラーの構造の斜視図である。
図3は、本発明による左フロントピラーの構造の上面略図である。
図4は、本発明に特有の1実施の形態による左フロントピラーの構造の上面略図である。
図5は、本発明による左フロントピラーの構造の、衝突後における上面略図である。
以下の説明において、非限定的に、自動車に伝統的に用いられ、図1の3軸L、V、Tによって示された向きに沿った縦、垂直、横方向を採用する。
図1は、自動車のフロントピラー1の構造を示す。ここに示されたフロントピラー1は、左フロントピラーである。以下の説明は、左フロントピラーに適用されるが、自動車は中心軸に関して左右対称であるので、右フロントピラーに拡張可能である。
このフロントピラー1は、その上に、特に、フェンダーの支持部材2、窓の支柱3、車体の側面部材4、ダッシュボードの横梁5、ドアの縦桁6(フロントピラーに回動可能に取り付けられる)及び長脚7が据え付けられる結節構造である。正面衝突の場合には、フロントピラー1の垂直軸の周りの回動は、車室の変形をもたらし、このことは搭乗者の安全に対するリスクを生じ、従って自動車の製造仕様書に適合しない。
図2〜5に示すように、フロントピラー1の、ダッシュボードの横梁5の高さに、2つのボックス11、12を配置する。第1のボックス(以下、外側のボックスという)11は、フロントピラー1の自動車の外側へ向く面に配置される。対応して、第2のボックス(以下、内側のボックスという)12は、フロントピラー1の自動車の内側へ向く面に配置される。外側のボックス11と内側のボックス12は、それぞれフロントピラー1のライナー13を介して機能的に分離される。外側のボックス11と内側のボックス12は、それぞれ取付脚111と取付脚121を有し、対向して配置され、2つのボックスが実質的に閉じた1つのボックスを構成するように、取付脚111、121の高さにおける溶接点によって互いに接続される。「アンチバースト柱脚(pion anti−burst)」と呼ばれる柱脚16が外側のボックス11の横方向の面に連結され、衝突の際にドアの縦桁6との牡−雌連結を実現させる、案内柱脚としての役割を果たす。
外側のボックス11と内側のボックス12の寸法は、これらのボックスのそれぞれの取付脚が一列に並べられるような寸法にする必要がある。従って、これらのボックスの縦方向の面112、122の縦方向の寸法は同一(例として、100mm以上)であり、一方、横方向の面の横方向の寸法は異なってもよい。図3に示すように、外側のボックス11の横方向の寸法を、内側のボックス12の横方向の寸法よりも大きくすると有利である。実際、縦方向の衝突の際におけるドアの縦桁6の圧縮によって、ドアの縦桁6が自動車の外側へ逸脱することを回避するためには、外側のボックス11の横方向の面113の横方向の寸法を充分大きくする必要がある。
図2〜5に示すように、内側のボックス12と外側のボックス11との間の実際の境界を構成する、フロントピラー1のライナー13の存在を考慮に入れて、フロントピラー1のライナー13に、内側のボックス12に属する帯材15の通過を可能にするための、横方向に向けられた、隙間14が設けられる。図2は、ライナー13の他方の面に対向する、外側のボックス11の横方向の面を覆う帯材15を示す。同様に、通り抜ける帯材15が外側のボックス11に属し、ライナー13の他方の面に対向する、内側のボックス12の横方向の面を覆うようにすることも可能であることが理解されよう。
この通過連結(帯材15がフロントピラーのライナー13を通り抜ける)と呼ばれる連結の有効性は、一方では、ダッシュボードの横梁5に対する配置の一直線性に、他方では、通過する帯材15と対向するボックスとの間の溶接点の数に影響される。図2に示すように、一方では、通過する帯材15が、ダッシュボードの横梁5と同じ高さを有するようにすることが有利である。他方では、第1のボックスである、外側のボックス11に属する帯材15が、対向する第2のボックスである、内側のボックス12と3溶接点によって溶接され、あるいは、第2のボックスである、内側のボックス12に属する帯材15が、対向する第1のボックスである、外側のボックス11と3溶接点によって溶接される。
フロントピラー1とダッシュボードの横梁5との間の連結は2重である。第1に、ダッシュボードの横梁5は、概ね縦方向の2つの固定部品23、24によって内側のボックス12の横方向の面に連結される。図2は、固定部品23が垂直方向にダッシュボードの横梁5の高さに位置し、固定部品24がより低い高さに位置する実施の形態を示す。有利に、2つの固定部品23、24を、ダッシュボードの横梁5に対して等距離に、ダッシュボードの横梁5の中心軸に対して対称に配置することができる。第2に、図3〜5に示すように、緊結部材21がダッシュボードの横梁5に連結され、該緊結部材21は、貫通するボルト22によって、フロントピラー1へ連結される。ボルト22は、横方向に向けられ、本発明の枠内において、内側のボックス12と、フロントピラー1のライナー13と、外側のボックス11を貫通する。
ダッシュボードの横梁5とフロントピラー1を連結する緊結部材21は、概ね水平な面内に含まれ、縦方向の張り出し部の長さLは、外側、内側のボックス11、12の縦方向の面112、122の長さよりも僅かに大である。このような幾何学的な配置は、衝突時におけるフロントピラー1の回動の開始の際に、緊結部材21が内側のボックス12を支持することを可能にする(図5参照)。
この構造の性質によって、貫通ボルト22を省略することが可能である。フロントピラー1のライナー13を横切る内側のボックス12が、貫通するボルト22の代わりをする(図5参照)。ダッシュボードの横梁5の緊結部材21に結び付けられたこの変更は、その幾何学的性質によって、フロントピラーの静定性の改良に貢献する。得られた静定性の増大を考慮すると、フロントピラー1は、垂直軸の周りの回動をよりよくブロックされ、正面衝突の際の車室の良好な管理を容易にする。正面衝突の際の垂直軸の周りのフロントピラー1の回動の大きな減少は、このように貫通ボルト22の除去を可能にし、あるいは、もし貫通ボルト22が残されると、衝撃の吸収が軽減される。また、正面衝突の際のフロントピラー1の回動の減少は、衝突の際のフロントピラー1とドアの縦桁6との間の案内柱脚である「アンチバースト」柱脚16の除去を可能にする。
本発明は、例としてのみ与えられた、ここに説明され、図示された実施の形態に限定されるものではない。

Claims (9)

  1. 窓の支柱(3)のライナーと、ダッシュボードの横梁(5)と、ドアの縦桁(6)と、上記ダッシュボードの横梁(5)とフロントピラー(1)との間の緊結部材(21)とを支持する、フロントピラー(1)のライナー(13)を有し、上記フロントピラー(1)への上記緊結部材(21)の取り付けは貫通ボルト(22)によって実行される、自動車のフロントピラー(1)の構造において、上記ダッシュボードの横梁(5)が取り付けられる内側のボックス(12)が上記ライナー(13)の自動車の内側に向けられた面に配置され、外側のボックス(11)が上記ライナー(13)の自動車の外側に向けられた面に配置され、2つの上記ボックス(11、12)は概ね閉じた1つのボックスを構成するように連結され、上記フロントピラー(1)のライナー(13)に隙間(14)が設けられ、一方の上記ボックス(11または12)に属する帯材(15)が、他方の上記ボックス(12または11)の横方向の面を覆うように、上記隙間(14)を通り抜けることを特徴とする、自動車のフロントピラーの構造。
  2. 2つの上記ボックス(11、12)は、上記ボックスをそれぞれ延伸する取付脚(111、121)の高さにおける溶接点によって互いに接続されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車のフロントピラーの構造。
  3. 上記帯材(15)は、一方の上記ボックス(12)に属し、他方の上記ボックス(11)の横方向の面を覆うことを特徴とする、請求項1または2に記載の自動車のフロントピラーの構造。
  4. 上記帯材(15)は、一方の上記ボックス(11)に属し、他方の上記ボックス(12)の横方向の面を覆うことを特徴とする、請求項1または2に記載の自動車のフロントピラーの構造。
  5. 上記緊結部材(21)の縦方向の寸法(L)は、上記内側のボックス(12)の縦方向の面(122)の長さよりも大であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の自動車のフロントピラーの構造。
  6. 2つの上記ボックス(11、12)は、貫通するボルト(22)の通過を可能にするための穴が設けられた縦方向の面(112、122)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1つに記載の自動車のフロントピラーの構造。
  7. 2つの上記ボックス(11、12)は、開口部のない縦方向の面を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1つに記載の自動車のフロントピラーの構造。
  8. 上記外側のボックス(11)の横方向の面(113)は、案内用の柱脚16の通過を可能にするための穴を有することを特徴とする、請求項6または7に記載の自動車のフロントピラーの構造。
  9. 上記外側のボックス(11)の横方向の面(113)には、開口部がないことを特徴とする、請求項6または7に記載の自動車のフロントピラーの構造。
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