JP2006514056A - ベンズアミド化合物を使用する痛みおよび外傷性傷害の処置方法ならびにベンズアミド化合物を含有する組成物 - Google Patents

ベンズアミド化合物を使用する痛みおよび外傷性傷害の処置方法ならびにベンズアミド化合物を含有する組成物 Download PDF

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Abstract

神経障害性の痛みなどの痛み、ならびに、外傷性脳傷害および急性脊髄傷害などの外傷性傷害を処置および防止するための方法で、式Iのベンズアミド化合物(式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択され、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1原子〜5原子のアルキルである)の効果的な量を投与することを含む方法が開示される。医薬用組成物、投薬形態物および投与方法が示される。

Description

(発明の分野)
本発明は、痛みおよび急性状態(例えば、外傷性脳傷害(TBI)および急性脊髄傷害(SCI)など)などの状態の処置に関する。より具体的には、本発明は、ヒトを含む哺乳動物において、痛み、TBIおよび急性脊髄傷害を処置および予防するための方法および医薬組成物に関する。
(発明の背景)
神経障害性の痛み(NP)は、広く研究されている慢性的な痛みのカテゴリーの1つである。神経障害性の痛みは、末梢神経系および/または中枢神経系が、末梢系に対する傷害の後で過敏になっているときに生じる。この最初の傷害は、外傷性の物理的な傷害、ならびに全身性の疾患(例えば、糖尿病、帯状ヘルペス、AIDS/HIV、梅毒および様々な他の自己免疫疾患など)を含む広範囲の様々な原因から生じ得る。
このクラスの痛み症候群の例には、帯状疱疹後神経痛、神経炎、顎関節症、筋筋膜痛、背痛、および、炎症性状態により誘導される痛みが含まれる。神経障害性の痛みはすべての身体領域において生じ得る。例えば、神経障害性の痛みが歯領域から生じ得る。神経障害性の痛みは、影響を受けた身体領域において神経障害性の痛覚過敏を多くの場合には生じさせる火傷傷害を受けた領域に起源を有することがある。神経障害性の痛みはまた、一次求心性軸索に対する損傷を生じさせ得る神経内の炎症をその急性期には伴う神経痛から生じ得る。神経障害性の痛みはまた、糖尿病状態により誘導されることがある(糖尿病性神経障害)。長い神経における一次求心性軸索の神経障害が糖尿病患者において見出されている。侵害受容体の過敏化が続いて生じ得る。
従って、関節炎などの関節疾患に関連する痛みを効果的に処置する新規なクラスの治療化合物が求められており、また、関節炎の存在下および非存在下で存在し得る神経障害性の痛み、ならびに、外傷性脳傷害および急性脊髄傷害などの状態を処置することが求められている。
(発明の要旨)
今回、ある種のベンズアミド化合物が痛みおよび外傷性傷害の処置および予防において活性を有することが見出された。
従って、本発明の第1の局面により、そのような治療を必要としている哺乳動物において痛みまたは外傷性傷害を処置するための医薬組成物で、ベンズアミド化合物の効果的な痛み処置量または外傷性傷害処置量を医薬的に許容され得るキャリアに含む医薬用組成物が提供される。本発明の1つの局面により、両方の状態を処置および予防するための医薬用組成物が提供される。パーキンソン病および関連した神経学的状態の処置におけるこれらの物質およびそれらの使用が国際特許出願番号PCT/US95/04278に記載される。
好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は下記の式Iの物質である:
Figure 2006514056
式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1〜5のアルキルである。
別の好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、アセトアミドベンズアミド化合物、アミノベンズアミド化合物およびニトロベンズアミド化合物からなる群から選択される。
さらに別の好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、
N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A);
N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B);
N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C);
N−シクロプロピルメチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物E);
N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F);
N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G);
N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H);
N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J);
N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K);
N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミド(化合物L);
N−1−メチルプロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物M);
N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N);
N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P);および
N−tert−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物Q);
からなる群から選択される。
別の好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物はN−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)である。
さらなる好ましい実施形態において、医薬組成物は、局所的、経口的、尾骨、皮下、筋肉内、静脈内、神経周囲、腹腔内、硬膜外、鼻内、頭蓋内、局所的脳内、クモ膜下、脳室内、経皮、およびそれらの組合せからなる群から選択される経路によって送達/投与することができる。さらにさらなる好ましい実施形態において、医薬組成物は、例えば、頭蓋内、局所的脳内、クモ膜下および脳室内への送達/投与によって、他の組織または器官系に有害な影響を及ぼすことなく被験体の中枢神経系に対して直接的に送達することができる。さらに別の好ましい実施形態において、医薬組成物は、注入ポンプによって、またはエアロゾルスプレーによって投与される。
別の好ましい実施形態において、医薬組成物は少なくとも数日の期間にわたって投与される。さらに別の好ましい実施形態において、医薬組成物は少なくとも4週間の期間にわたって投与される。別の好ましい実施形態において、医薬組成物は少なくとも3ヶ月の期間にわたって投与される。さらに別の好ましい実施形態において、医薬組成物は必要に応じて投与される。
別の好ましい実施形態において、医薬組成物は持続放出処方物として投与されるか、または、血液脳関門を横断することができる処方物で投与される。
別の好ましい実施形態において、処置される患者/被験体は哺乳動物であり、好ましくはヒトである。しかし、他の哺乳動物におけるそのような状態を処置するための、本発明の化合物の使用、および、ベンズアミド化合物を含む医薬組成物の使用もまた考えられる。これには、ネコおよびイヌなどのペット動物、ならびに非ペット動物が含まれる。
本発明の第2の局面により、外傷性傷害を処置する方法で、下記の式Iのベンズアミド化合物:
Figure 2006514056
(式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1原子〜5原子のアルキルである)
を医薬的に許容され得るキャリアに含む医薬組成物の効果的な量を患者に投与することを含む方法が提供される。それに対応して、本発明は、外傷性傷害を処置するための組成物を調製するための本発明の化合物の使用に拡張される。
別の好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、
N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A);
N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B);
N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C);
N−メチルシクロプロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物E);
N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F);
N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G);
N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H);
N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J);
N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K);
N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミド(化合物L);
N−1−メチルプロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物M);
N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N);
N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P);および
N−tert−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物Q);
からなる群から選択することができる。
別の好ましい実施形態において、Rは、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)またはニトロである。
別の好ましい実施形態において、Rはt−Buである。
別の好ましい実施形態において、nは1である。
別の好ましい実施形態において、nは1であり、Rは、4−アミノ、4−アシルアミノ(NHCOR)または4−ニトロであり、Rはt−Buである。
さらにさらなる好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物はN−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)である。
別の好ましい実施形態において、外傷性傷害は中枢神経系に対する傷害である。外傷性傷害は、外傷性脳傷害および脊髄傷害からなる群から選択され得る。脊髄傷害は急性または慢性の脊髄傷害であり得る。好ましい患者はヒトであり得る。
別の好ましい実施形態において、外傷性傷害を処置するための組成物は経口的または非経口的に送達/投与することができる。さらに別の好ましい実施形態において、非経口投与は、局所的、尾骨、皮下、筋肉内、静脈内、神経周囲、腹腔内、硬膜外、鼻内、頭蓋内、局所的脳内、クモ膜下、脳室内、経皮、およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。さらに別の好ましい実施形態において、投与は注入ポンプまたは直腸送達によって行われる。
本発明の第3の局面により、その必要性のある哺乳動物被験体において痛みを処置するための方法で、ベンズアミド化合物を含む医薬組成物の効果的な痛み処置量を前記被験体に送達/投与することを含む方法が提供される。それに対応して、本発明は、痛みを処置するための組成物を調製するための本発明の化合物の使用に拡張される。
好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、医薬的に許容され得るキャリアにおいて、下記のIに示される式を有する:
Figure 2006514056
式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1原子〜5原子のアルキルである。
別の好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、
N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A);
N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B);
N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C);
N−メチルシクロプロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物E);
N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F);
N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G);
N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H);
N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J);
N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K);
N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミド(化合物L);
N−1−メチルプロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物M);
N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N);
N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P);および
N−tert−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物Q);
からなる群から選択することができる。
別の好ましい実施形態において、Rは、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)またはニトロである。
別の好ましい実施形態において、Rはt−Buである。
別の好ましい実施形態において、nは1である。
別の好ましい実施形態において、nは1であり、Rは、4−アミノ、4−アシルアミノ(NHCOR)または4−ニトロであり、Rはt−Buである。
さらにさらなる好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物はN−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)である。
別の好ましい実施形態において、痛みは急性の痛みである。急性の痛みは、手術後の痛み、ショック、炎症から生じる痛み、外傷から生じる痛み、慢性的な痛み状態に関連する急性の突発痛、およびそれらの組合せからなる群から選択され得る。
別の好ましい実施形態において、痛みは慢性的な痛みである。慢性的な痛みは、頭痛の痛み、背痛、座骨神経痛、ガン痛、関節炎痛、神経障害性の痛み、心因性の痛み、およびそれらの組合せからなる群から選択され得る。
別の好ましい実施形態において、痛みは、糖尿病性神経障害、帯状ヘルペス、線維筋痛、AIDS、梅毒、神経炎、顎関節症、背痛、筋筋膜痛、急性脊髄傷害、外傷性脳傷害、ガン痛、内臓痛、神経内炎症、視神経障害、神経外傷に対する二次的な神経障害、帯状疱疹後神経痛、反射性交感神経性ジストロフィーおよび強直性脊椎炎からなる群から選択される状態に関連する。
医薬組成物は、少なくとも数日の期間にわたって、または少なくとも4週間の期間にわたって、または少なくとも数ヶ月の期間にわたって投与することができる。処置期間の長さは傷害または痛み状態(痛みを誘導する病理)の性質に依存し、また、傷害または痛み状態(痛みを誘導する病理)が急性または亜急性または慢性的であるかどうかに依存する。例えば、急性段階は数日から数週間に及ぶことがあり、亜急性段階は、例えば、6ヶ月から1年に及ぶことがあり、慢性的な段階は、1年以上の再発するエピソードの原因であると考えられ、永続的な状態に等しい。神経障害性の痛みを処置する場合、本発明の化合物および組成物は数日間〜数週間にわたって投与することができる。脊髄傷害を処置する場合、処置は傷害後直ちに開始され、その後の数週間にわたって施すことができる。好ましくは、急性段階のとき、すなわち、傷害後まもなくでの脊髄傷害の処置は、傷害が生じた直後に開始されるか、または、少なくとも最初の数時間〜数日のうちに開始される。慢性的な脊髄傷害に関連する痛みを処置する場合、本発明の化合物および組成物は、必要に応じて、すなわち、傷害後、数日間または数週間もしくは数ヶ月間にわたって投与することができる。また、本発明の化合物および組成物は、化学療法に関連する神経障害性の痛みを処置するために使用することができ、そのため、処置は必要に応じて施される。また、本発明の化合物および組成物は、化学療法を受ける前に、すなわち、化学療法後の痛みおよび神経障害を防止するための予防的治療として与えることがことができる。
本発明の第4の局面により、哺乳動物において局所麻酔または局所的痛覚消失を生じさせるための方法で、ベンズアミド化合物を含む医薬組成物の治療効果的な量を哺乳動物に投与することを含む方法が提供される。
好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、医薬的に許容され得るキャリアにおいて、下記のIに示される式を有する:
Figure 2006514056
式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1原子〜5原子のアルキルである。
別の好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、
N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A);
N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B);
N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C);
N−メチルシクロプロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物E);
N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F);
N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G);
N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H);
N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J);
N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K);
N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミド(化合物L);
N−1−メチルプロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物M);
N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N);
N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P);および
N−tert−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物Q);
からなる群から選択することができる。
別の好ましい実施形態において、Rは、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)またはニトロである。
別の好ましい実施形態において、Rはt−Buである。
別の好ましい実施形態において、nは1である。
別の好ましい実施形態において、nは1であり、Rは、4−アミノ、4−アシルアミノ(NHCOR)または4−ニトロであり、Rはt−Buである。
さらにさらなる好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物はN−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)である。
さらにさらなる好ましい実施形態において、局所麻酔または局所的痛覚消失は、知覚過敏、痛覚過敏、知覚不全、異疼痛、耳鳴りおよび神経節機能不全からなる群から選択される、増大した感覚機能に関連する状態を処置するために効果的である。
さらにさらなる好ましい実施形態において、局所麻酔または局所的痛覚消失は、神経障害性の痛みを有する皮膚領域、または神経障害性の痛みを示す皮膚領域に対して局所的に施される。皮膚領域における神経障害性の痛みの処置は、本発明の医薬組成物を含有する経皮パッチを前記皮膚領域に適用することによって達成することができる。
本発明の第5の局面により、帯状疱疹の突発を生じやすい患者の予防的処置、または化学療法を受ける予定である患者についての予防的処置のための方法で、ベンズアミド化合物を含有する組成物の治療効果的な量を投与することを含む方法が提供される。
好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、医薬的に許容され得るキャリアにおいて、下記のIに示される式を有する:
Figure 2006514056
式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1原子〜5原子のアルキルである。
別の好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物は、
N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A);
N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B);
N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C);
N−メチルシクロプロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物E);
N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F);
N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G);
N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H);
N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J);
N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K);
N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミド(化合物L);
N−1−メチルプロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物M);
N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N);
N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P);および
N−tert−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物Q);
からなる群から選択することができる。
別の好ましい実施形態において、Rは、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)またはニトロである。
別の好ましい実施形態において、Rはt−Buである。
別の好ましい実施形態において、nは1である。
別の好ましい実施形態において、nは1であり、Rは、4−アミノ、4−アシルアミノ(NHCOR)または4−ニトロであり、Rはt−Buである。
さらにさらなる好ましい実施形態において、ベンズアミド化合物はN−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)である。
本発明の他の局面、ならびに、関連する目的および利点が、下記の例示的な図面と一緒に解釈される下記の説明を検討することにより明らかになる。
(発明の詳細な説明)
本発明の方法および処置方法論を記載する前に、本発明は、記載される特定の方法および実験条件に限定されないことを、そのような方法および条件は変化し得るので、理解しなければならない。本発明の範囲は、添付された請求項においてのみ限定されるので、本明細書中で使用される用語法は、特定の実施形態を記載する目的のためだけであり、従って、限定であることが意図されないこともまた理解しなければならない。
本明細書および添付された請求項において使用されるとき、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈により、そうでないことが明確に示されない限り、複数形態の参照物を包含する。従って、例えば、「本発明の方法(the method)」に対する参照は、本明細書中に記載され、かつ/または、本開示などを理解したときに当業者には明らかになるタイプの1つまたは複数の方法ならびに/あるいは工程を包含する。
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料はどれも本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料が次に記載される。本明細書中で言及される刊行物はすべて、その全体が参考として本明細書中に組み込まれる。
(定義)
本発明のベンズアミド化合物、医薬組成物および方法を記載するとき、下記の用語は、別途示されない限り、下記の意味を有する。本明細書中で使用されるそれ以外の用語は、当業者によって認識され、また、当業者に知られている意味を有する。しかしながら、便宜上、そして完璧を期すために、いくつかの特定の用語およびそれらの意味が下記に示される。
「アシル」は基−C(O)R(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはシクロアルキルである)を示す。
「アルカノイルアミド」または「アシルアミド」は基−NRC(O)R(式中、それぞれのRは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはシクロアルキルである)を示す。
「アルキル」は、好ましくは1個〜約10個の炭素原子(より好ましくは1個〜8個の炭素原子、さらにより好ましくは1個〜6個の炭素原子)を有する一価の分枝型または非分枝型の飽和炭化水素基を示す。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチルおよびtert−オクチルなどの基によって例示される。用語「低級アルキル」は、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
「アミノ」は基−NHを示す。「置換アミノ」は基−N(R)(式中、1つまでのRが水素であり、かつ、少なくとも1つのRが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキルからなる群から独立して選択され、また、両方のR基が一緒になって、アルキレン基を形成する)を示す。1つのRが水素でないとき、これは「第二級」アミノであり、両方のRが水素でないとき、これは「第三級」アミノである。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを示す。好ましいハロ基はフルオロまたはクロロのいずれかである。
「ニトロ」または「ニトラート」は基−NOを示す。
「医薬的に許容され得る塩」は、その生物学的性質を保持し、かつ、生物学的または他の場合に望ましくないことがない本発明の化合物の任意の塩を示す。そのような塩は、この分野で広く知られている様々な有機対イオンおよび無機対イオンに由来し得るものであり、例示として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど、そして、分子が塩基性官能基を含有するときには、有機酸または無機酸の塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシラート、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などを含む。用語「医薬的に許容され得るカチオン」は酸性官能基の医薬的に許容され得るカチオン性対イオンを示す。そのようなカチオンは、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどによって例示される。
「処置」または「処置する」は、予防(防止)、または、患者が苦しんでいる場合における病気もしく疾患を治療することのいずれかのための、患者に関しての医薬品の投与または医学的手法の実行を示す。
「治療効果的な量」は、医学的状態または病気に関連する症状を軽減または防止するために、あるいは、特定の身体機能の障害をもたらす疾患または障害において身体機能を正常化するために十分な量である。本出願に関連するように、「効果的な痛み処置量」は、処置されている神経学的障害に関連する痛みを軽減するために十分な量であり、「効果的な外傷性傷害処置量」は、脊髄傷害または外傷性脳傷害を有する被験体において感覚機能または運動機能の改善をもたらすために十分な量である。
「局所(的)投与」は、苦痛、障害または感知された痛みの部位またはその近くにおける、全身的でない経路による直接的な投与を意味する。
「徐放性処方物または持続型処方物」は、治療効果的な量の薬物または他の活性な薬剤(例えば、ポリペプチドまたは合成化合物など)を長期間にわたって放出させるために設計された処方物を示し、その結果は、所望される治療効果を達成するために必要な処置回数の削減である。本発明に関しては、徐放性処方物は、例えば、脊髄に傷害を受けた患者、または外傷性脳傷害に苦しんでいる患者において、痛みの軽減に関して、あるいは、そのような治療を必要としている患者おける運動機能または感覚機能の改善に関して所望の結果を達成するために必要な処置回数を減少させる。
用語「患者」および用語「被験体」は、ヒトを含むすべての動物を意味する。患者または被験体の例には、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジおよびブタが含まれる。
「帯状ヘルペス」または「水痘帯状疱疹」は、ヒトヘルペスウイルス3(水痘(すなわち、水疱瘡)を引き起こす同じウイルス)によって引き起こされる一般的な感染症である。このウイルスはまた、帯状疱疹として知られている痛みを伴う状態の原因である。帯状疱疹は、水疱瘡に罹った人に発生し、感覚神経の神経節におけるこの潜伏ヘルペスウイルスの再活性化を表す。この疾患は、一般には高齢者が罹患するが、時折、若年者および/または免疫不全者において生じる。最初の徴候は、通常、皮膚におけるチクチクする感じ、痒み、または刺すような痛みである。2日〜3日の後、発疹が、躯幹の側面または顔に、隆起した小班点の帯またはパッチとして現れる。発疹は、小さい、体液が詰まった水疱に発達し、水疱は数日以内に、乾燥し、かさぶたを形成し始める。発疹がそのピークになったとき、症状は、軽度のむずがゆさから、非常に厳しい激痛にまで及び得る。帯状疱疹者との接触は、水疱瘡に以前にかかったことがない一部の人において、(帯状疱疹ではなく)水疱瘡を生じさせることがある。
「線維筋痛」は、疲労、ならびに、筋肉、靱帯および腱における広範囲に及ぶ痛みによって特徴づけられる慢性的な状態である。以前には、この状態は、結合組織炎、慢性筋肉痛症候群、心因性リウマチおよび緊張性筋肉痛などの他の名称によって知られていた。痛みが、「圧痛点」と呼ばれる領域で生じる。一般的な圧痛点は、膝、肘、股関節の前方、ならびに首の周りである。痛みに対する増大した感受性が線維筋痛の主症状である。線維筋痛患者はある程度の絶え間ない痛みを有することがあり、しかし、その痛みは、活動、ストレス、天気の変化および他の要因に応答して悪化し得る。線維筋痛患者はまた、深部痛または灼熱痛を有することがあり、あるいは、筋肉の緊張または痙攣を有することがある。多くの人々が遊走性の痛み(身体中を移動する痛み)を有する。線維筋痛患者はまた、軽度または重篤であり得る疲労を感じることがある。患者は、その身体の様々な部分においてしびれ感またはチクチクする感じ、あるいは、一部の領域における血行不良の感じを有することがある。多くの人々は、におい、明るい光、やかましい音に対して、また、医薬品に対してさえ非常に敏感である。頭痛および顎の痛みもまた一般的である。また、患者はドライアイを有することがあり、または、すぐ近くの物体に焦点を合わせることが困難である場合がある。めまいおよび平衡に関する問題もまた生じることがある。一部の人々は、胸の痛み、速い鼓動または不規則な鼓動、あるいは息切れを有する。消化系の症状もまた、線維筋痛では一般的であり、これには、嚥下困難、胸やけ、ガス、痙性腹痛、ならびに、交互に起こる下痢および便秘が含まれる。一部の人々は、頻尿、強い尿意、および膀胱領域における痛みを含む泌尿器合併症を有する。線維筋痛の女性は、骨盤痛、痛みを伴う月経期、および性交痛を含む骨盤症候群を多くの場合には有する。
「痛覚過敏」は、通常の場合には痛みのある刺激に対する増大した応答が存在する状態である。痛覚過敏の1つの形態は、内臓痛覚過敏、すなわち、内臓(通常的には、腹部の臓器)において何か痛みのあるものに対する過度な感受性である。内臓痛覚過敏はまた、腸などの内臓の正常な運動の増大した自覚を意味し得る。内臓痛覚過敏は、過敏性腸症候群(様々な徴候および症状を伴う、生物学的原因が不明である腸の障害)を有する人々の一般的な症状である。
「神経障害性の痛み」は、神経における機能の乱れまたは病理学的な変化から生じる痛みである;1つの神経では、単神経障害であり、数個の神経では、多発性単神経障害であり、びまん性および両側性であるならば、多発性神経障害である。神経障害性の痛みは、神経系における一次性の損傷または機能不全によって開始または引き起こされる。末梢の神経障害性の痛みは、損傷または機能不全が末梢神経系に影響を及ぼしたときに生じる。中枢神経系の痛みは、損傷または機能不全が中枢神経系に影響を及ぼしたときの用語として保持され得る。神経障害性の痛みは、痛みの伝播経路または痛みの調節経路における異常なシグナル伝達から生じる。痛みの性状は、典型的には灼熱的であり、多くの場合、突き抜けるような痛み、突き刺すような痛み、または電撃様の痛みなどの発作性の性状である。神経障害性の痛みの例には、単神経根神経症、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、幻想肢痛、複合的局所痛症候群、および様々な末梢神経障害が含まれる。神経障害性の痛みは、オピオイド治療に対して部分的にだけ応答する傾向がある。神経障害性の痛みは、侵害受容性の痛みとは対照的に、現実には、「灼熱的」、「電撃的」、「チクチクする」および「突き抜ける」として記載される。神経障害性の痛みは提示において連続的または発作的であり得る。侵害受容性の痛みは、発痛物質(例えば、ヒスタミン、ブラジキニン、サブスタンスPなど)によるA−δ痛み受容体およびC−ポリモーダル痛み受容体の周辺の刺激によって引き起こされるが、神経障害性の痛みは、末梢神経系または中枢神経系に対する損傷、あるいは、末梢神経系または中枢神経系における病理学的変化によってもたらされる。
「異疼痛」は、通常の場合には痛みを誘発しない刺激による痛みである。異疼痛の用語は最初、接触、光圧力、または適度な冷気もしくは暖かさが、明らかに正常な皮膚に加えられたときに痛みを誘発する神経系の損傷を有する患者において見られる状態を痛覚過敏および知覚過敏から分離するために導入された。異疼痛が、触覚的、熱的または任意の他の種類であったとしても、感覚の特性における変化を伴うことを認めることは重要である。最初の様相は通常的には無痛であり、しかし、応答は痛みを有する。従って、感覚様相の特異性の喪失が存在する。対照的に、痛覚過敏(この語を参照のこと)は、特異的な様式での強化された応答(すなわち、痛み)を表す。他の皮膚様相に関しては、知覚過敏は、痛覚過敏に対応する用語であり、そして、痛覚過敏の場合と同様に、特性は変化していない。異疼痛では、痛覚過敏を伴う状況とは異なって、刺激因子の様式および応答の様式は異なる。この区別は、異疼痛および痛覚過敏が、特定の環境において、例えば、圧力または温度に関して、物理的強度の同じ連続体に沿った重なりとともにプロットされ得るという事実によって混同されることはない。
「神経障害」は、神経における機能の乱れまたは病理学的な変化である;1つの神経では、単神経障害であり、数個の神経では、多発性単神経障害であり、びまん性および両側性であるならば、多発性神経障害である。「神経炎」は神経障害の特別な場合であり、この用語は、現在、神経に影響を及ぼす炎症プロセスのために残されている。神経障害は、ニューラプラキシー、神経断裂症、神経の切断、または、殴打、引き伸ばしもしくはてんかん発射のような一時的衝撃のような場合を包含することが意図されない。用語「神経原性」は、そのような一過性の擾乱による痛みに適用される。
「視神経障害」は視神経の損傷または破壊を伴う。視神経障害は、ほとんどの場合、傷害または外傷から生じる局所的な領域に対する損傷によって引き起こされる。しかし、時折、全身的な障害が、孤立した神経損傷の原因となり得る。通常的な原因は、直接的な外傷、神経に対する長期間の圧力、および、近くの構造体に対する腫れまたは傷害による神経の圧迫である。損傷には、神経のミエリン鞘(被覆)または神経細胞の一部(軸索)の破壊が含まれる。この損傷により、神経を通過するインパルスの伝導が遅くなり、または妨げられる。
「知覚過敏」は、刺激に対する増大した感受性であり、特別な感覚は除かれる。刺激因子および場所は特定されるはずである。知覚過敏は、痛みだけでなく、痛みを伴わない、接触および熱的感覚を含む様々な様式の皮膚感受性を示し得る。この語は、何らかの刺激に対する低下した閾値、および、通常的に認識される刺激因子に対する増大した応答の両方を示すために使用される。異疼痛は、通常的には痛みを有しない刺激の後での痛みについて提案される。知覚過敏には、異疼痛および痛覚過敏の両方が含まれる。しかし、これらのより具体的な用語が、それらが適用可能である場合には常に、使用されるはずである。
「急性の」痛みは、突然的に生じ、かつ、急速に出現または変化または悪化する症状を伴って現れる痛みを示す。急性の痛みにおいて、強い強調が、0〜10のような形式的評価尺度を使用するか、または、強度が、「痛みなし」から「最悪の可能な痛み」まで10cmの線において記録される視覚的なアナログ尺度を使用する痛み強度の連続的評価に置かれる。そのような尺度および形式化された強度評価法は、介護が多くの人々によって果たされ、また、用量および薬物が絶えず変化している病院環境では重要である。慢性的な痛みの管理では、強度尺度は、痛みの障害、機能、影響、および痛みにおける相対的な改善を評価するという役割に対してそれほど大きな役割を果たしていない。
「慢性的な」痛みは、予想された回復期間をはるかに超えて持続する痛みである。慢性痛症候群は、慢性的な痛みが、生活での正常な役割において機能する人の能力を実質的に妨げ、また、痛みに苦しんでいる人の自尊心、健康および人間関係をむしばんでいる状態である。慢性的な痛みは、約3ヶ月〜6ヶ月にわたって存在している痛みである。
「急性の痛み」および「慢性的な痛み」は、それらの病因、病態生理学、診断および処置が異なる。急性の痛みは自己限定的であり、進行している組織損傷の警告として作用することによって保護的な生物学的機能として役立つ。急性の痛みは、傷害を受けた組織または病変組織あるいはそれらの周りにおいて経験される疾患プロセスの症状である。関連した心理学的症状は最小限であり、通常、軽い不安に限定される。急性の痛みは、事実上侵害受容性であり、A−δ痛み受容体およびC−ポリモーダル痛み受容体の化学的刺激、機械的刺激および熱的刺激に対して二次的に生じる。他方で、慢性的な痛みは、保護的な生物学的機能としては役立たない。慢性的な痛みは、疾患プロセスの症状ではなく、むしろ、それ自体が疾患プロセスである。慢性的な痛みは和らぐことがなく、また、自己限定的でなく、そして、以前に述べたように、最初の傷害の後、数年間にわたって、また、数十年間にわたってさえ持続し得る。慢性的な痛みは多数の処置様式に対して無反応性である。慢性的な痛みが十分に処置されない場合、関連する症状には、慢性的な不安、恐れ、ふさぎこみ、不眠症、および社会的相互作用の障害が含まれ得る。慢性的な非悪性の痛みは、事実上主に神経障害性であり、末梢神経系または中枢神経系のいずれかに対する損傷を伴う。
侵害受容性の痛みおよび神経障害性の痛みは種々の神経生理学的プロセスによって引き起こされ、従って、異なる処置様式に応答する傾向がある。侵害受容性の痛みは、皮膚、骨、結合組織、筋肉および内臓に存在するAδ線維およびC線維における受容体によって媒介される。これらの受容体は、有害な化学的刺激、熱的刺激および機械的刺激を突き止めることにおいて生物学的に有用な役割を果たしている。侵害受容的な痛みは、事実上、体性または内臓性であり得る。体性の痛みは、痛烈、またはうずく、またはズキズキする、または差し込むとして記載される十分に限局化された絶え間ない痛みである傾向がある。侵害受容性の痛みの例には、手術後の痛み、外傷に関連する痛み、関節炎の慢性的な痛みが含まれる。侵害受容性の痛みは、通常、オピオイドおよび非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDS)に応答する。病理学的変化の例には、長期間の末梢ニューロンまたは中枢ニューロンの過敏化、神経系阻害機能に対する中枢神経過敏化に関連する損傷、および、体神経系と交感神経系との異常な相互作用が含まれる。神経障害性の痛みの際だった特徴は、慢性的な異疼痛および痛覚過敏である。異疼痛は、痛みのある応答を通常的には誘発しない刺激因子(例えば、軽い接触)から生じる痛みとして定義される。痛覚過敏は、通常の場合には痛みのある刺激因子に対する増大した感受性として定義される。C線維の過敏化によって引き起こされる一次性の痛覚過敏は傷害領域内で直ちに生じる。後角ニューロンの過敏化によって引き起こされる二次的な痛覚過敏は、傷害を取り囲む非損傷領域において生じる。
「内臓痛」は、分布がはっきりせず、事実上発作的である傾向を有し、かつ、通常的には、事実上、深部的、うずく、締め付け、そして疝痛的であると記載される痛みを示す。
「外傷性脳障害(TBI)」は、頭部に対する突然の物理的攻撃が脳に対する損傷を引き起こすときに生じる。損傷は、脳の1つの領域に限定される限局的であり得るか、または、脳の2つ以上の領域を伴う散在的であり得る。TBIは閉鎖頭部傷害または貫通性頭部傷害から生じ得る。閉鎖頭部傷害は、頭部が物体と突然かつ激しく当たり、しかし、その物体が頭骨を突き破っていないときに生じる。貫通性頭部傷害は、物体が頭骨を貫通し、脳組織の中に入ったときに生じる。数タイプの外傷性傷害が頭部および脳に影響を及ぼし得る。頭蓋骨骨折が、頭骨の骨にひびが入ったときに、または頭骨の骨が割れたときに生じる。陥没頭蓋骨骨折が、割れた頭骨の破片が脳の組織の中に押し付けられたときに生じる。これは、挫傷と呼ばれる脳組織の打撲を引き起こし得る。挫傷はまた、頭骨の領域内における脳の振とうに応答して生じ得る(「カウントレクープ(countrecoup)」と呼ばれる傷害)。ゆさぶられっ子症候群は、乳児が、過度なカウントレクープ傷害を引き起こすために十分に強制的に揺さぶられた時に生じる頭部外傷の重篤な形態である。頭部内の大きな血管に対する損傷は、血腫、すなわち、脳内または脳の周りでの大量出血を生じさせ得る。TBIの重篤度は、軽度の脳震とうから、昏睡または死亡さえある極端な状態にまで及び得る。昏睡は、意識がない深刻または重大な状態である。TBIの症状には、頭痛、悪心、意識混濁または他の認知的問題、人格の変化、ふさぎこみ、興奮性、ならびに他の情緒面および行動面での問題が含まれ得る。一部の人々はTBIの結果としての発作を有することがある。
「脊髄傷害」は、鈍的外傷または貫通性外傷による脊髄に対する任意の傷害を示す。背骨の(特に頸部における)極端な屈曲または伸張は、その後の傷害および神経学的症状の発症を伴う脊髄におけるひきつけを生じさせ得る。脊髄傷害(SCI)は、一過性または永続的のいずれかであっても、その正常な運動機能、感覚機能または自律的機能における変化を生じさせる脊髄に対する損傷である。
「座骨神経痛」は、脚内への主要な神経(座骨神経)の興奮によって引き起こされる、脚の下方に向かった痛みに与えられた用語である。この痛みは、神経が通過し、脊椎の下部骨から出るところ(腰椎)で生じる傾向がある。座骨神経痛では、膝の下に伝わり、そして足を伴うことがある、脚の中を下方に向かった痛みが存在する。しびれ感が存在することがあり、また、下部側の脚筋肉の脱力が存在することがある。座骨神経痛は、通常、椎間板ヘルニア(これまたは、脱出した椎間板、椎間板破裂、または挟まれた神経と呼ばれる)からの座骨神経に対する圧力によって引き起こされる。問題は、多くの場合には神経根障害として診断され、このことは、椎間板が脊柱におけるその正常な位置から突き出て、小根神経(神経根)に圧力をかけていることを意味する。一部の人々の場合、座骨神経痛からの痛みは重症かつ衰弱性であり得る。他の人々の場合、痛みは、頻繁ではなく、いらいらを生じさせ得るが、悪化する潜在的可能性を有している。通常、座骨神経痛は片側に影響を及ぼすだけであり、痛みは、多くの場合、臀部および/または脚を通して放射状に広がる。座骨神経に対する興奮または影響を生じさせる状態はいずれも、座骨神経痛に関連する痛みを生じさせ得る。最も一般的な原因は腰椎の椎間板ヘルニアである。他の一般的な原因には、腰椎での脊椎狭窄、椎間板の変性疾患、または峡部脊椎すべり症が含まれる。
「心因性の痛み」は、心理学的な問題によって引き起こされる実際の身体的な痛みを示すために使用された用語である。心因性の痛みは、現在では、心理学的要因に関連する痛み障害として知られている。一部のタイプの精神的または情緒的な問題は痛みの原因となり得る。それらはまた、痛みを増大または長期化させ得る。頭痛、筋肉痛、背痛および胃痛は、心因性の痛みの最も一般的なタイプの一部である。
「知覚不全」は、1つの感覚(通常的には痛み)が別の感覚に取って代わることである。
「帯状疱疹後神経痛」は、神経組織の炎症を引き起こす帯状ヘルペス(帯状疱疹)から生じる。痛みは、一定した深部のうずきまたは灼熱的として、あるいは、鋭い間断的な痛みとして、あるいは、接触または冷気に対する過敏性として感じられる。痛みは衰弱性であり得る。
「反射性交感神経性ジストロフィー」(複合限局性痛み症候群、1型)および灼熱痛(複合限局性痛み症候群、2型)は慢性的な痛み症候群である。それらは、痛みと同じ領域において生じる特定の異常が伴う持続した灼熱的痛みとして定義される。異常には、増大または低下した発汗、腫れ、皮膚の色の変化、ならびに、皮膚、毛髪、爪、筋肉および骨に対する損傷(筋肉消耗および骨喪失を含む)が含まれる。両方の症候群は、典型的には傷害後に生じる。反射性交感神経性ジストロフィーは、(肩手症候群での場合のように)神経組織以外の組織に対する傷害から生じる。灼熱痛は神経組織に対する傷害から生じる。
「顎関節症」は、痛みおよび制限された開口などの共通した症状をそれらのすべてが有する、顎関節、咀嚼筋および付随する構造体に影響を及ぼす数多くの関連した障害を記載するために使用される総称的な用語である。
「筋筋膜痛」は通常、筋肉の激しい過度な引き伸ばし、むち打ち、筋肉疲労、口腔手術、または筋肉の不動化から生じるか、あるいは、食いしばることおよび/または歯ぎしりおよび不正咬合などの筋肉を固定する口腔習癖の結果として生じる。ほとんどの場合に経験する痛みは、通常、数ヶ月間、ときには数年間にわたって絶え間なく続く活発である鈍い深部痛として記載される。痛みは、通常、目を覚ましたとき、より激烈であり、そして一側性または片側性であることが多い。多くの場合、顎関節(TMJ)領域に起源を有するカチカチする音またははじける音が報告されている。患者は、口を開けることが困難であるので、下顎の運動が制限される。顎は、多くの場合、顔面の冒された痛い側にずれる。痛みは、こめかみの筋肉の中に、そして、下降して胸鎖乳突筋および頭板状筋の中に、ならびに頬骨突起に放射状に広がり得る。
「強直性脊椎炎(AS)」は、痛みのある進行性リウマチ性疾患である。強直性脊椎炎は、主に脊椎を冒すが、他の関節、腱および靱帯もまた冒し得る。他の領域、例えば、眼、肺、腸および心臓などもまた関与し得る。強直性は、融合することを意味する。脊椎炎は脊柱の炎症を示す。従って、ASにより、脊椎の関節および骨の一部またはすべてが融合する状態が記載される。脊椎の完全な融合は通常的ではない。多くの人々は、ときには骨盤に限定されることがあるが、部分的な融合を有するだけである。炎症が、特定の靱帯または腱が骨に結合する部位(腱(靱帯)付着部)において生じる。この後、結合部位における骨の何らかの侵食(腱(靱帯)付着部症)が続く。炎症が弱まるに従い、治癒プロセスが生じ、新しい骨が発達する。運動は、骨が靱帯または腱の弾性組織を置き換えるところで制限される。この炎症プロセスの繰り返しはさらなる骨形成をもたらし、そのため、背骨を構成する個々の骨(脊椎)が融合し得る。骨盤が一般には、最初に冒される。下部側の背骨、胸壁および頸部もまた、異なる時期において関与し得る。
(一般的記載)
(ベンズアミド化合物)
本発明の方法では、1つまたは複数のベンズアミド化合物が活性な薬剤として用いられる。これらのベンズアミド化合物には、下記の式Iによって記載されるようなアセトアミドベンズアミド化合物、アミノベンズアミド化合物およびニトロベンズアミド化合物が含まれる。この式において、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1原子〜5原子のアルキルであり、nは1または2である。
Figure 2006514056
アセトアミド基、アミノ基またはニトロ基は環上の任意のところに存在させることができる。従って、nが1であるとき、アセトアミド基、アミノ基またはニトロ基は、環の2位または3位または4位に存在し得る。nが2であるとき、アセトアミド基、アミノ基またはニトロ基は、環の2位および3位、2位および4位、2位および5位、2位および6位、3位および4位、または、3位および5位に存在し得る。Rがtert−ブチルであるとき、Rはアセトアミド基であり、nは1であり、3位におけるアセトアミド基の置換は好ましくない。
アルキル置換基R’に関して、R’が、α−炭素(すなわち、環の窒素に結合する炭素)に水素を有しないアルキルである化合物が好ましい。このような好ましいR’基の例には、tert−ブチルおよびtert−アミルがある。
特に注目される式Iのアセトアミドベンズアミド化合物は、
N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A);
N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B);
N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C);および
N−シクロプロピルメチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物E)
である。
N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)が最も好ましいアセトアミドベンズアミド化合物である。
活性な薬剤として特に注目される式Iのアミノベンズアミド化合物およびニトロベンズアミド化合物は、
N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F);
N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G);
N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H);
N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J);
N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K);
N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミド(化合物L);
N−1−メチルプロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物M);
N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N);および
N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P);
である。
N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N)がこの物質群の中で最も好ましい。
例えば、化合物Nおよび化合物Pが当てはまるように、ベンズアミド化合物がアミノ基を含有するとき、アミン官能基は、そのようなものとして、または塩として存在し得る。塩形態において、アミノは、医薬的に許容され得るアニオン(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、スルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩またはパルモアートなど)との組合せでカチオン形態にプロトン化される。これらのアミノベンズアミド化合物が示されるとき、これらの塩も同様に包含されることを理解しなければならない。
2つ以上のこれらの物質の混合物が、所望される場合には用いられ得る。
(医薬組成物、処方および投与方法)
本発明において用いられるとき、本発明のベンズアミド化合物は、典型的には、医薬組成物の形態で投与される。そのような組成物は、製薬分野において広く知られている様々な手法を使用して調製することができ、少なくとも1つの活性な化合物を含むことができる。
一般に、本発明の化合物は医薬的に効果的な量で投与される。実際に投与される化合物の量は、典型的には、処置される状態、選ばれた投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢および体重および応答、患者の症状の重篤度などを含む関連した状況に照らして、医師によって決定される。
本発明の医薬組成物は、例示として、経口的、局所的、直腸的、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、鼻内、頭蓋内、脳内、脳室内、クモ膜下などを含む任意の好適な経路によって投与することができる。意図された送達経路に依存して、本発明の化合物は、好ましくは、経口用組成物、局所用組成物または注射用組成物のいずれかとして処方される。
経口投与される医薬組成物は、バルク状の液体溶液または懸濁物、あるいはバルク粉末の形態を取ることができる。しかしながら、より一般的には、そのような組成物は、正確な服用を容易にするための単位投薬形態物で提供される。用語「単位投薬形態物」は、所望される治療効果を生じさせるために計算された所定量の活性な物質を好適な医薬用賦形剤と一緒にそれぞれが含有する、ヒト被験体および他の哺乳動物のための単位投薬物として好適な物理的に別個の単位物を示す。典型的な単位投薬形態物には、液体組成物の事前に計量された充填済みのアンプルまたはシリンジ、あるいは、固体組成物の場合におけるピル、錠剤またはカプセルなどが含まれる。そのような組成物において、ベンズアミド化合物は、通常、副成分(約0.1重量%〜約50重量%、好ましくは約1重量%〜約40重量%)であり、残りは、所望される剤形を形成するために役立つ様々なビヒクルまたはキャリアおよび加工助剤である。
経口投与のために好適な液体形態物は、好適な水性ビヒクルまたは非水性ビヒクルを、緩衝剤、懸濁化剤および分散化剤、着色剤、香料などと一緒に含むことができる。液体剤は、スプレー剤、ペースト、ゲルまたは液滴剤として送達することができる。所望される粘稠性が、1つまたは複数のヒドロゲル(水を吸収して、様々な粘度の物質を生じさせる物質)において加えることによって達成される。使用に好適なヒドロゲルがこの分野では広く知られている。例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients(発行:The American Pharmaceutical AssociationおよびThe Pharmaceutical Society of Great Britain、1986年)、および、the Handbook of Water−Soluble Gums and Resins(R.L.Davidson編、McGraw−Hill Book Co.、New York、NY、1980年)を参照のこと。
組成物において使用される好適なヒドロゲルには、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびポリアクリル酸が含まれるが、これらに限定されない。好ましいヒドロゲルは、ヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテルである。組成物において使用されるヒドロキシセルロースの濃度は、使用される特定の粘度規格、および最終製造物において所望される粘度に依存する。数多くの他のヒドロゲルがこの分野では知られており、当業者は、本発明における使用のために好適な最も適切なヒドロゲルを容易に確認することができる。
本発明に関して有用な粘膜輸送増強剤は、粘膜を超えて、患者の血流の中への、請求項に記載される発明における薬剤の輸送を容易にする。粘膜輸送増強剤もまた、米国特許第5,284,657号(これは参考として本明細書中に組み込まれる)に記されるように、この分野では知られている。これらの薬剤は、精油または揮発性油の群から、あるいは、非毒性の医薬的に許容され得る無機酸および有機酸から選択することができる。精油または揮発性油には、ペパーミント油、スペアミント油、メントール、ユーカリ油、桂皮油、ジンジャー油、ウイキョウ油およびディル油などが含まれ得る。本発明のために有用な好適な無機酸または有機酸には、塩酸、リン酸、芳香族および脂肪族のモノカルボン酸またはジカルボン酸、例えば、酢酸、クエン酸、乳酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、安息香酸、サリチル酸、および、類似する特徴をする他の酸が含まれるが、これらに限定されない。用語「芳香族」酸は、ベンゼンに特徴的な6員環系を有する任意の酸を意味し、これに対して、用語「脂肪族」酸は、直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和の炭化水素骨格を有する任意の酸を示す。
他の好適な輸送増強剤には、アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム)、カチオン性界面活性剤(例えば、パルミトイルDL−カミチンクロリド、セチルピリジウムクロリド)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリセリルモノラウラート、ポリオキシアルキレン、ポリオキシエチレン20セチルエーテル)、脂質(例えば、オレイン酸)、胆汁塩(例えば、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム)、および関連する化合物が含まれる。
本発明の組成物および処方物が口内粘膜に投与されることになるとき、好ましいpHはpH3〜約pH7の範囲でなければならず、何らかの必要な調節が、この分野で一般に知られている医薬的に許容され得る非毒性の緩衝剤系を使用して行われる。
固体形態物は、例えば、下記の成分、または同様な性質を有する化合物のいずれかを含むことができる:結合剤、例えば、微結晶セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンなど;賦形剤、例えば、デンプンまたはラクトースなど;崩壊剤、例えば、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプンなど;滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムなど;流動促進剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素など;甘味剤、例えば、スクロースまたはサッカリンなど;または、矯味矯臭剤、例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料など。
局所用組成物は、典型的には、有効成分(1つまたは複数)を、一般には約0.01重量%〜約20重量%の範囲の量で、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%の範囲の量で、より好ましくは約0.5重量%〜約15重量%の範囲の量で含有する局所用の軟膏またはクリームとして処方される。軟膏として処方されるとき、有効成分は、典型的には、パラフィンまたは水に混和し得る軟膏基剤と組み合わせられる。あるいは、有効成分は、例えば、水中油型のクリーム基剤とともに、クリームに処方され得る。そのような局所用処方物は、この分野では広く知られており、一般には、さらなる成分を、有効成分または処方物の皮膚浸透または安定性を高めるために含む。すべてのそのような知られている局所用の処方物および成分は本発明の範囲に含まれる。
本発明の化合物および組成物はまた、経皮デバイスによって投与することができる。従って、局所投与は、リザーバーもしくは多孔性膜のタイプ、または固体マトリックス形態のいずれかのパッチを使用して達成することができる。同様に、本発明の化合物および組成物は、この分野で広く知られている様式で、肺送達のために調製および処方することができ、また、吸入のために適合した形態物(例えば、エアロゾル懸濁物またはエアロゾル溶液など)で調製することができる。
注射用組成物は、典型的には、この分野で知られている注射用の無菌の生理的食塩水もしくはリン酸塩緩衝化生理的食塩水または他の注射用のキャリアに基づく。前述のように、そのような組成物におけるベンズアミド化合物は、典型的には副成分であり、多くの場合、約0.05重量%〜2重量%であり、残りは注射用のキャリアなどである。
経口投与可能な組成物および局所投与可能な組成物または注射可能な組成物のための上記成分は単に代表的なものにすぎない。他の物質ならびに加工技術などが、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第18版、1990年、Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania、18042)の第8部に示される(これは参考として本明細書中に組み込まれる)。
本発明の化合物はまた、持続放出形態物で、または持続放出薬物送達システムから投与することができる。代表的な持続放出物質の記載を、Remington’s Pharmaceutical Sciencesにおける組み込まれた部分において見出すことができる。
ベンズアミド化合物はリポソーム処方物で提供することができる。リポソーム送達は様々な適用のために他の化合物のための薬学的送達システムとして利用されている。例えば、Langer(1990)、Science、249:1527〜1533;Treat他(1989)、Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer(Lopez−BeresteinおよびFidler(編)、Liss:New York、353頁〜365頁、1989年)を参照のこと。多くの好適なリポソーム処方物が当業者には知られており、これらは本発明のために用いることができる。例えば、米国特許第5,190,762号を参照のこと。
さらなる局面において、リポソームにおける本発明の化合物は血液脳関門を横断することができ、このことは静脈内投与または経口投与を可能にする。多くの方策を、血液脳関門を横断するために利用することができ、これらには、分子の疎水性を増大させること、および、血液脳関門における受容体に標的化されるキャリア(例えば、トランスフェリンなど)に対するコンジュゲートとして分子を導入することなどが含まれる。別の実施形態において、分子は頭蓋内または脳室内に投与することができる。さらに別の実施形態において、ベンズアミド化合物は、血液脳関門に標的化されたリポソームで投与することができる。
本発明の化合物の投与は単独であり得るか、または、本発明によって意図される様々な医学的状態を処置することにおいて効果的である他の化合物との組合せであり得る。また、本発明の組成物および処方物は、処置期間中の患者の安楽を増大させるために、様々な鎮痛剤、麻酔剤または不安緩解剤とともに投与することができる。
運動もしくは感覚の改善または痛みの軽減を促進させることにおいて最適であるベンズアミド化合物の量は、本記載に基づく標準的な臨床的技術によって決定することができる。処方において用いられる正確な用量はまた、投与経路、および疾患または障害の重症度に依存し、従って、医師の判断およびそれぞれの被験体の状況に従って決定されなければならない。効果的な用量は、動物モデル試験系から得られる用量応答曲線から外挿することができる。
下記の処方例は本発明の代表的な医薬組成物を例示する。しかしながら、本発明は下記の医薬組成物に限定されない。
(処方1−錠剤)
式Iの化合物が約1:2の重量比で乾燥ゼラチン結合剤と乾燥粉末として混合される。少量のステアリン酸マグネシウムが滑剤として加えられる。混合物は打錠機で240mg〜270mgの錠剤(1錠あたり80mg〜90mgの活性なベンズアミド化合物)にされる。
(処方2−カプセル)
式Iの化合物が約1:1の重量比でデンプン希釈剤と乾燥粉末として混合される。混合物は250mgカプセル(1カプセルあたり125mgの活性なベンズアミド化合物)に充填される。
(処方3−液剤)
式Iの化合物(125mg)、スクロース(1.75g)およびキサンタンガム(4mg)が混合され、No.10メッシュの米国ふるいに通され、その後、微結晶セルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロース(11:89、50mg)の水における以前に作製された溶液と混合される。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料および着色剤が水で希釈され、撹拌下で加えられる。その後、十分な水が加えられ、5mlの総体積にされる。
(処方4−注射剤)
式Iの化合物が、緩衝化された滅菌生理的食塩水の注射用水性媒体に、約5mg/mlの濃度に溶解される。
(処方5−軟膏)
ステアリルアルコール(250g)および白色ワセリン(250g)が約75℃で融解され、その後、式Iの化合物(50g)、メチルパラベン(0.25g)、プロピルパラベン(0.15g)、ラウリル硫酸ナトリウム(10g)およびプロピレングリコール(120g)の混合物が水(約370g)に溶解されて、加えられる。得られる混合物は、混合物が凝固するまで撹拌される。
(化合物の有用性)
本発明の化合物および医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物において、慢性的な痛み(例えば、全身性痛み症候群、頭痛、下部背中および頸部の痛み、ガン痛、関節炎痛、神経障害性の痛み、心因性の痛みなど)、および急性の痛み(例えば、手術後の痛みなど)、ならびに、急性の外傷性傷害(例えば、中枢神経系(例えば、脳および脊髄)に対する急性障害など)を含む痛み状態を処置するための治療剤としての使用が見出される。
神経障害性の痛みの定義に含まれる痛み状態の下記のより完全な列挙は、PAIN MANAGEMENT(Rochelle WagnerおよびRobert R.Myers)に見出され得る。
(神経障害性の痛みの例および原因)
Figure 2006514056
(処置される状態および処置方式)
ベンズアミド化合物含有組成物を用いて処置される状態には、一般に、NPおよび/またはTBIおよび/または脊髄傷害、ならびに、記された状態のすべての定義に含まれる様々な症状が含まれる。ベンズアミド化合物含有処方物は、治療効果を達成するために投与することができる。ベンズアミド化合物は身体において長い滞留を示す。このことは、好都合な1日に1回の投薬方式が可能であることを示唆する。他の結果は、多数回の服用(例えば、典型的には1日あたり3回までの服用など)により、おそらくは、より効果的な治療をがもたらされ得ることを示している。従って、単回服用または多回服用の治療方式を使用することができる。
ベンズアミド化合物含有組成物は、薬物を患者の血流に入れるために設計された様式で投与される。これを達成するための1つの優れた様式が静脈内投与である。NPを処置するための静脈内用量レベルは、活性なベンズアミド化合物が約1時間〜約120時間(特に1時間〜96時間)にわたって、約0.01mg/kg/時間から約100mg/kg/時間の範囲である。約50mg〜約5000mgの事前のボーラス剤もまた、十分な定常状態レベルを達成するために投与することができる。非経口投与の他の形態(例えば、筋肉内注射など)も同様に使用することができる。この場合、類似する用量レベルが用いられる。
経口服用の場合、1日あたり1回〜3回の経口服用(それぞれが約0.1mg/kg〜約150mg/kgの活性なベンズアミド化合物)が要求され、好ましい用量は約0.15mg/kg〜約100mg/kgである。
長期間の状態(例えば、慢性的な神経障害性の痛みなど)を処置する場合、処置のための投薬様式は何ヶ月または何年にわたって延びることがあり、従って、経口服用が患者の都合および寛容性のために好ましい。経口服用の場合、1日あたり1回〜5回の経口服用、特に2回〜4回の経口服用、典型的には3回の経口服用が代表的な様式である。これらの服用パターンを使用した場合、それぞれの用量は約0.1mg/kg〜約20mg/kgのベンズアミド化合物を提供し、好ましい用量はそれそれが約0.1mg/kg〜約10mg/kg(特に約1mg/kg〜約5mg/kg)を提供する。
本発明の化合物は単独の活性な薬剤として投与することができ、または、他の活性な薬剤との組合せで、例えば、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、非ステロイド系抗炎症薬物(NSAID)、ステロイド、末梢鎮痛剤(例えば、ゾメピラックおよびジフルニソールなど)、他の活性な鎮痛剤(例えば、オピオイド鎮痛剤など)、および他の活性なベンズアミド誘導体などとの組合せで投与することができる。
任意の処置様式において、健康管理専門家は、患者の状態を評価し、患者がベンズアミド化合物の処置から利益を受けているか否かを明らかにするはずである。最適な服用レベルおよび服用パターンを決定するためのある程度の実験が必要とされ得る。
正の用量応答関係が認められている。そのため、また、副作用の重篤度、および症状の最大限の可能な緩和をもたらすことの利点を念頭に置くことにより、多量のベンズアミド化合物(例えば、上記で記載された量など)を投与することが一部の状況では所望されることがある。
(化合物の調製方法)
本明細書中で用いられるベンズアミド化合物は、一般に入手可能な出発物質および容易に達成可能な反応を使用して調製することができる。いくつかの合成スキームが知られており、共有の米国特許第6,194,465号(その開示はその全体が参考として本明細書中に組み込まれる)に示される。
下記の合成実施例および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を限定するとして決して解釈してはならない。
本発明は下記の実施例によってさらに記載される。実施例1〜19は、本発明の組成物および方法において用いられるベンズアミド化合物の表すアセトアミドベンズアミド化合物ならびにニトロベンズアミド化合物およびアミノベンズアミド化合物の調製を明らかにする。実施例20〜24は、神経障害性の痛み(NP)、外傷性脳傷害(TBI)および脊髄傷害(SCI)の処置における本発明の組成物の活性を例示する生物学的プロトコルおよび結果を表す。
(実施例1:N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N)の調製)
tert−ブチルアミン(14.6g、0.200mole)を酢酸エチル(150mL、5%炭酸ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ひだ付ろ紙でろ過することにより精製されたもの)において撹拌し、氷浴を用いて5℃に冷却した。4−ニトロベンゾイルクロリド(18.6g、0.100mole)を含む精製酢酸エチル(75mL)を、温度を10℃未満で維持するような速度で滴下して加えた。氷浴を、ベンゾイルクロリド溶液の添加が終了したときに除き、反応液を4時間撹拌した。その後、反応混合物をブフナー漏斗でろ過し、ろ液を、5%HClで3回、飽和塩化ナトリウムで1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ひだ付ろ紙でろ過し、溶媒を除いて、白色の結晶性生成物を得た。生成物を真空乾燥器において24mmおよび45℃で14時間乾燥した。この手順により、N−tert−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物Q)の17.13gの結晶が得られた(77%の収率):mp、162〜163℃。プロトン核磁気共鳴(89.55MHz、CDCl中)は吸収を8.257ppm(d、8.8Hz、2H;3,5−アリールH);7.878ppm(d、8.8Hz、2H;2,6−アリールH);6.097ppm(bs、1H;N−H);1.500ppm(s、9H;tert−ブチルH)において示した。
炭素担持パラジウム(5%、75mg)を55℃で95%エタノール中の化合物Q(5g、22.5mmole)に加えた。95%エタノール(10mL)におけるヒドラジン(1.2mL)の溶液を30分かけて滴下して加え、さらにPd/Cを加えた(75mg)。反応液を3時間還流し、ヒドラジン(0.5g)を含む95%エタノール(5mL)を加えて、反応液をさらに1時間還流した。反応液をブフナー漏斗でろ過し、溶媒の体積を減圧下で減らし、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を一緒にして、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除いて、3,90gのN−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N)が得られた(90%の収率):融点、125〜127℃。90MHzプロトンNMR(CDCl中)は吸収を7.290ppm(2H、d、8.8Hz;2,6−アリールH);6.368ppm(2H、d、8.8Hz;3,5−アリールH);5.45ppm(1H、bs;NHC=O);3.727ppm(2H、bs;アリール−NH);1.186ppm(9H、s;t−ブチルH)において示した。
(実施例2:N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)の調製)
アセチルクロリド(0.45g、5.7mmole)を含む酢酸エチル(25mL)を、温度を10℃未満で維持するような速度で、化合物N(1.0g、5.2mmole)およびトリエチルアミン(0.58g、5.7mmole)を含む3℃での酢酸エチルに滴下して加えた。反応液を室温に加温し、1時間撹拌し、5%HClで洗浄した。アセトンからの再結晶により、1.08gのN−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)が得られた(89%の収率):融点、119〜121℃。90MHzプロトンNMR(DMSO−d6中)は吸収を9.726ppm(1H、bs、N−H);7.715ppm(4H、dd、4.4Hz;アリールH);7.295ppm(1H、bs;NH);2.844ppm(3H、s;CHCO);1.448ppm(9H、s;t−ブチルH)において示した。
(実施例3:N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G)、N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P)およびN−tert−ブチル−3−アセトアミドベンズアミド(化合物D)の調製)
実施例1のアミド化手順を、4−ニトロベンゾイルクロリドの代わりに3−ニトロベンゾイルクロリドを使用して従った。これにより、N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G)が92%の収率で得られた:融点、123〜125℃。プロトンNMR(CDCl中)は吸収を8.517ppm(2−アリールH、s、1H);8.337ppm(4−アリールH、d、8.8Hz、1H);8.121ppm(6−アリールH、d、6.4Hz、1H);7.618ppm(5−アリールH、m、1H);6.032ppm(N−H、bs、1H);1.484ppm(t−ブチルH、s、9H)において示した。
水酸化酸化鉄(III)により触媒されるヒドラジン還元により、N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P)が53%の収率で得られた:融点、118〜120℃。プロトンNMR(CDCl中)は吸収を7.088ppm(4〜6−アリールH、m、3H);6.94ppm(2−アリールH、s、1H);5.902ppm(N−H、bs、1H);3.145ppm(アリールN−H、bs、2H);1.458ppm(t−ブチルH、s、9H)において示した。
実施例2に記載されるような化合物Pのアセチル化により、N−tert−ブチル−3−アセトアミドベンズアミド(化合物D)が75%の収率で得られた:融点、194〜195℃。プロトンNMR(CDCl中)は吸収を7.778ppm(4〜6−アリールH、m、3H);7.392ppm(2−アリールH、s、1H);6.08ppm(N−H、bs、1H);2.174ppm(アセチルCH、s、9H);1.500ppm(t−ブチルH、s、9H)において示した。
(実施例4:N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H)およびN−tert−ブチル−2−アセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において2−ニトロベンゾイルクロリドを使用して繰り返される。これにより、N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H)が得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−tert−ブチル−2−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−tert−ブチル−2−アセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例5:N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F)およびN−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B)の調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において4−ニトロベンゾイルクロリドおよびiso−プロピルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F)が得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−iso−プロピル−4−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B)が得られる。
(実施例6:N−tert−アミル−4−ニトロベンズアミドおよびN−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C)の調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において4−ニトロベンゾイルクロリドおよびtert−アミルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−tert−アミル−4−ニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−tert−アミル−4−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C)が得られる。
(実施例7:N−iso−ブチル−4−アセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において4−ニトロベンゾイルクロリドおよびiso−ブチルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−iso−ブチル−4−ニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−iso−ブチル−4−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−iso−ブチル−4−アセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例8:N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J)およびN−n−ブチル−4−アセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において4−ニトロベンゾイルクロリドおよびn−ブチルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J)が得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−n−ブチル−4−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−n−ブチル−4−アセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例9:N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K)およびN−n−プロピル−4−アセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において4−ニトロベンゾイルクロリドおよびn−プロピルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K)が得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−n−プロピル−4−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−n−プロピル−4−アセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例10:N−1,2−ジメチルプロピル−4−ニトロベンズアミドおよびN−1,2−ジメチルプロピル−4−アセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において4−ニトロベンゾイルクロリドおよび1,2−ジメチルプロピルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−1,2−ジメチルプロピル−4−ニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−1,2−ジメチルプロピル−4−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−1,2−ジメチルプロピル−4−アセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例11:N−n−ペンチル−4−ニトロベンズアミドおよびN−n−ペンチル−4−アセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において4−ニトロベンゾイルクロリドおよびn−ペンチルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−n−ペンチル−4−ニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−n−ペンチル−4−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−n−ペンチル−4−アセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例12:N−2−メチルブチル−4−ニトロベンズアミドおよびN−2−メチルブチル−4−アセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において4−ニトロベンゾイルクロリドおよび2−メチルブチルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−2−メチルブチル−4−ニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−2−メチルブチル−4−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−2−メチルブチル−4−アセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例13:N−n−ペンチル−2−ニトロベンズアミドおよびN−n−ペンチル−2−アセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において2−ニトロベンゾイルクロリドおよびn−ペンチルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−n−ペンチル−2−ニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−n−ペンチル−2−アミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−n−ペンチル−2−アセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例14:N−tert−ブチル−2,3−ジアセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において2,3−ジニトロベンゾイルクロリドを使用して繰り返される。これにより、N−tert−ブチル−2,3−ジニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−tert−ブチル−2,3−ジアミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−tert−ブチル−2,3−ジアセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例15:N−tert−アミル−2,4−ジアセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において2,4−ジニトロベンゾイルクロリドおよびtert−アミルアミンを使用して繰り返される。これにより、N−tert−アミル−2,4−ジニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−tert−アミル−2,4−ジアミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−tert−アミル−2,4−ジアセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例16:N−tert−ブチル−2,5−ジアセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において2,5−ジニトロベンゾイルクロリドを使用して繰り返される。これにより、N−tert−ブチル−2,5−ジニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−tert−ブチル−2,5−ジアミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−tert−ブチル−2,5−ジアセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例17:N−tert−ブチル−2,6−ジアセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において2,6−ジニトロベンゾイルクロリドを使用して繰り返される。これにより、N−tert−ブチル−2,6−ジニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−tert−ブチル−2,6−ジアミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−tert−ブチル−2,6−ジアセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例18:N−tert−ブチル−3,4−ジアセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において3,4−ジニトロベンゾイルクロリドを使用して繰り返される。これにより、N−tert−ブチル−3,4−ジニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−tert−ブチル−3,4−ジアミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−tert−ブチル−3,4−ジアセトアミドベンズアミドが得られる。
(実施例19:N−tert−ブチル−3,5−ジアセトアミドベンズアミドの調製)
実施例3の方法が、アミド化工程において3,5−ジニトロベンゾイルクロリドを使用して繰り返される。これにより、N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミドが得られる。
ヒドラジンを用いた前記ニトロベンズアミドの還元により、N−tert−ブチル−3,5−ジアミノベンズアミドが得られる。
前記アミノベンズアミドのアセチル化により、N−tert−ブチル−3,5−ジアセトアミドベンズアミドが得られる。
(生物学的実験)
本発明の化合物を薬理学的性質および治療活性について試験した。具体的には、一群の試験では、クリアランス速度などの薬理学的事項が観察され、一方で、残る試験では、神経障害性の痛み、外傷性脳傷害および脊髄傷害の動物モデルにおいて特定の生物学的パラメーターに対する特定の化合物の影響が評価された。プロトコルおよび結果を下記に示す。
(実施例20:化合物Aおよび化合物Nの生物学的利用能)
化合物Aの絶対的経口生物学的利用能が、化合物Aの20mg/kgのIV用量(2ml/kg、75%PEG溶液)の後での曲線下面積(「AUC」)を、1%メチルセルロースに溶解された化合物Aの20mg/kgの用量と比較することによって明らかにされた。血中濃度が、IV用量後の0時間、0.083時間、0.15時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間および24時間、ならびに、経口用量後の0時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間および8時間において測定された。4匹の動物が経口投薬を受け、4匹の動物が静脈内投薬を受けた。
別の実験では、6匹のラットが、1%メチルセルロースに溶解された化合物Aの30mg/kgによる経口用量を受けた。血液サンプルが、0.5時間、1時間、2時間、5時間、8時間、12時間、16時間、20時間および24時間において採取された。血液における化合物Aに対する見かけt1/2は8時間であった。これは、ラットにおける薬物については非常に長いt1/2であり、ヒトにおける化合物Aについて1日に1回の服用を良好に予測するものである。そのような投薬様式は臨床における著しい治療的利点である。
血液サンプルはHPLCによって分析された。検出は262nmにおけるUVによって行われた。応答は、カラムに注入された較正標準物から得られた応答と比較することによって濃度に変換された。得られた濃度を使用して、AUCが計算された。経口服用によって、化合物Aの絶対的生物学的利用能は52%であった。
さらに一連の生物学的利用能実験が、化合物Aおよび化合物Nを使用して行われた。これらの研究により、化合物Aの優れた生物学的利用能が確認され、また、化合物Nについて類似した結果が明らかにされた。結果が表1に示される。化合物Nの血漿中濃度の時間経過が同様に図1に示される。
Figure 2006514056
図1では、化合物Nについて、Tmaxが0.5時間の早期に存在することが示され、また、Cmaxが、化合物Aが投薬された後に見出されるCmaxよりも幾分低いが、化合物Nのより低いクリアランスは、与えられた用量について、化合物Nの場合、化合物Aの場合よりも全体的に大きい全身的暴露をもたらしている。また、半減期は、1回の服用後、化合物Nが、完全な多日炎症プロセスの全体を通して実質的な濃度で存在することを可能にするので、化合物Nについて観測された極めて長い最終半減期により、この化合物の飛び抜けた効力を部分的に説明することができる。ラットにおける化合物Nの飛び抜けて長いt1/2により、おそらくは化合物Nによる毎週の服用が予測される。これに関して、吸収期および初期排出期が完了すると、化合物Nの血漿中濃度の変動が比較的低いことには留意すること。
(実施例21:神経障害性の痛み、外傷性脳傷害および脊髄傷害に対する動物モデル)
神経障害性痛みの動物モデルの開発における全般的検討事項
タキソールは、ガン患者を処置するための化学療法試薬である(Polomano、RC他(2001)、Pain、94:293〜304;Wang J他(2002)、Br J Haematol、118:638〜645;Dina OA他(2001)、Neuroscience、108:507〜515;Asakuma J他(2003)、Cancer Res.、63(6):1365〜1370)。タキソール化学療法を受けているガン患者は、重篤な機械的異疼痛の症状を伴う神経障害性の痛みを発症し得る。その結果、軽い接触(正常な状態のもとでは非侵害的な刺激)でさえ痛みを感じるようになる。タキソールは、β−チューブリンと相互作用することが示されており、従って、微小管安定化剤として機能する。最近の研究では、タキソールは小神経膠細胞におけるTNF−αの放出に関与することが示されている(Wang J他(2002)、Br J Haematol、118:638〜645;Asakuma J他(2003)、Cancer Res.、15:63:1365〜1370)。その臨床的関連性のために、タキソール誘導の神経障害性痛みに対するこのモデルがマウスおよびラットにおいて開発された。末梢感覚神経系における小直径の高閾値の侵害受容性C線維は、もっぱらではないとしても、大部分が、タキソール誘導の神経障害性痛みモデルにおいて影響を受けると考えられている(Polomano、RC他(2001)、Pain、94:293〜304;Dina OA他(2001)、Neuroscience、108:507〜515)。このタキソールモデルが、化合物Aの痛覚消失効果を評価するために利用された。
(材料および方法)
(試験品およびコントロール品)
化合物A(ロット番号XX)がCentaurによって合成された。HPLCおよび質量測定法による分析では、99%の純度が示された。ガバペンチン(陽性コントロール)はTocris Cookson Inc.から購入された。
(処方物)
化合物Aのi.p.投与用のPEG−200処方物:PEG−200を脱イオン化蒸留水に希釈して、75%(体積/体積)の最終濃度にした。化合物Aの重量を量り、75%PEG−200ビヒクルにおいて10mg/mlの最終濃度を作製し、氷上における5秒間隔での30秒の超音波処理を12回行って、化合物Aの懸濁物を作製した。20グラムのマウス(体重)あたり100μLの化合物A懸濁物またはコントロールビヒクル(75%PEG−200ビヒクル)のいずれかをi.p.により投与した。従って、50mg/kg(体重)の用量がもたらされた。
化合物Aのi.p.投与用のCremophorEL/アルコール/生理的食塩水の処方物:40mg/ml、20mg/mlまたは10mg/mlの化合物Aを、氷上での短時間の超音波処理によってCremophorEL/アルコール(90:10)(体積/体積)にそれぞれ溶解し、その後、注射前に、生理的食塩水溶液で新たに10倍に希釈して(9%CremophorEL;1%ETOHおよび90%生理的食塩水)、それぞれ、4mg/ml、2mg/mlおよび1mg/mlの最終濃度にした。5mg/ml、2mg/mlおよび1mg/mlの濃度での化合物A溶液の100μLをマウスにi.p.により投与した(20グラムの体重あたり)。従って、それぞれ、20mg/kg(体重)、10mg/kg(体重)および5mg/kg(体重)の用量がもたらされた。コントロールビヒクルは9%CremophorEL/1%ETOH/90%生理的食塩水であった。
ラットにおける化合物Aの経口胃管給餌のためのメチルセルロース処方物:1%のメチルセルロースを水に溶解し、4℃で保った。50mg/mlおよび20mg/mlの化合物A/1%メチルセルロース懸濁物を、氷上における5秒間隔での30秒の超音波処理を12回行うことによって作製した。体重1kgあたり1mlの50mg/mlまたは20mg/mlのいずれかの化合物Aを経口胃管給餌(p.o.)によってラットに投与して、50mg/Kg(体重)または20mg/Kg(体重)のいずれかの用量がもたらされた。1%メチルセルロースの同じ対応する体積がビヒクルコントロールとして使用された。
i.p.投与用のタキソールの処方物(Simmons Z(2002)、Curr Opin Neurol、15:595〜603)。タキソール誘導の神経障害性痛みのマウスモデルにおける使用の場合、1mgのタキソールが50%のCremophorEL/50%の無水ETOH(体積/体積)に溶解され、これは3日を越えることなく4℃で暗所に保存された。投与前に、タキソール溶液を生理的食塩水で希釈し(CremophorEL/ETOH(50:50)における1mgタキソール溶液の1体積を4体積の生理的食塩水に加えて)、10%CremophorEL/10%ETOH/80%生理的食塩水において0.2mg/mlのタキソールにした。マウスの20グラム体重あたり100μLのタキソール溶液をマウスにi.p.により投与して、1mg/kg(体重)の用量がもたらされた。タキソール誘導の神経障害性痛みのラットモデルにおける使用の場合、5mgのタキソールが50%のCremophorEL/50%の無水ETOH(体積/体積)に溶解され、これは3日を越えることなく4℃で暗所に保存された。投与前に、タキソール溶液を生理的食塩水で希釈し(CremophorEL/ETOH(50:50)における1mgタキソール溶液の1体積を4体積の生理的食塩水に加えて)、10%CremophorEL/10%ETOH/80%生理的食塩水において1mg/mlのタキソールにした。ラットの200グラム体重あたり200μLのタキソール溶液をマウスにi.p.により投与して、1mg/kg(体重)の用量がもたらされた。
(試験システム)
実験動物の使用は、IACUCによって承認されたプロトコルREN−6に従った。マウスの神経障害性痛み研究の場合、5週齢のオスC57B16マウスをCharles River(San Diego、CA)から得た。総数120匹のマウスが研究のために使用された。ケージあたり4匹のマウスが、(Renovis,Inc.のSouth San Francisco施設において)12時間の照明および12時間の消灯のサイクルを伴う標準的な条件のもとで飼育された。ラットの神経障害性痛み研究の場合、Sprague−Dawleyオスラット(150グラム〜170グラムの体重)をCharles River(San Diego、CA)から得た。総数42匹のラットがこの研究のために使用された。ケージあたり3匹のラットが、(Renovis,Inc.のRedwood City施設において)12時間の照明および12時間の消灯のサイクルを伴う標準的な条件のもとで飼育された。
(設備)
von FreyフィラメントセットをStoelingから購入した。特注のマウス用囲い[2.5”X2.5”X3”(WxHxL)の大きさを有する]およびラット用囲い[3.5”X4”X10”(WxHxL)の大きさを有する]を機械的異疼痛試験のためにIITCに注文した。
(試薬)
タキソールをICNから購入した。CremophorELをSigma−Aldrichから購入した。化合物A(ロット番号XX)はCentaurによって合成された。PEG−200をSigma−Aldrichから購入した。メチルセルロースをSigma−Aldrichから購入した。ガバペンチンをTocris Cookson Inc.から購入した。
(マウスにおけるタキソール誘導の神経障害性痛みモデル)
C57B16オスマウスは、ベースライン測定の前の1週間、午前中に1日あたり1時間、囲いにおいて事前調整された(慣らされた)。機械的刺激に対するベースライン応答が、0.6グラムの力を有するvon Freyフィラメント(von Frey番号3.84)を使用して測定された。簡単に記載すると、von Freyフィラメントがマウスの右後ろ足の平坦な領域に当てられた。足引込みの頻度が応答パーセントに関して計算された。この場合、より大きいパーセントはより大きな痛みを示し、より低いパーセントはより小さい痛みを示す。C57B16系統の成体オスマウスを用いた過去の経験に基づいて、ベースラインが大きくても40%の応答である動物がさらなる研究のために含められ、一方、この特定の力の刺激に対する40%を越える足引込み応答(これは、自発的な機械的異疼痛として知られている)を有する動物はこれらの研究から除かれた。足引込み行動には、刺激を受けた足をなめること、足を激しく振ること、および、無害な機械的刺激を加えたときの積極的な回避が含まれる。自発的な機械的異疼痛を有しないそのようなマウスの場合、タキソールが、1週間に5日間毎日、1週間以上の期間にわたってマウスに投与された。一般に、1mg/kg(体重)のタキソールの毎日のi.p.投与で処置されたマウスは、比較的安定した機械的異疼痛(神経障害性の痛み)を9日目以降に発症する。化合物Aの投与の前に、0.6グラムのvon Freyフィラメントに対するマウスの応答が、午前中に、2日間連続して測定された。この特定のvon Freyフィラメント刺激に対する足引込み応答が60%未満であるそのようなマウスのみが、機械的異疼痛として数えられ、目的とする化合物を用いたその後の試験のために含められた。
(ラットモデルにおけるタキソール誘導の神経障害性痛み)
体重が150グラム〜160グラムのSprague−Dawleyオスラットが、本実施例に示される研究において使用された。ラットは、ベースライン応答を得る前の1週間の期間にわたって午前中に1日あたり1時間、囲いにおいて慣らされた。マウスでの研究では、応答パーセントが評価されたが、ラットでの研究では、50%の足引込み閾値(これは、Chungおよび共同研究者によって開発されたようなアップ・ダウン方法とも呼ばれる)が測定された。一貫したデータを得るために、足引込み閾値が4グラム未満である実験未使用のラットがさらなる研究のために含められた。1mg/kg(体重)の用量で、タキソールが、毎日、ラットに腹腔内投与された。マウスにおいて観測されたように、タキソールで毎日処置されたラットは、安定した機械的異疼痛を9日目以降に発症した。タキソール誘導の13日目および14日目に、50%の足引込み閾値に関してラットの痛み行動が測定された。足引込み閾値の測定値が2日間連続して大きくても7グラムであるそのようなラットのみが、薬物試験のために含められた。一般的に言えば、タキソール処置ラットにおける機械的異疼痛は1グラム〜4グラムの足引込み閾値の範囲に含まれた。
合計で5回の研究が、神経障害性の痛みの処置における化合物Aの異なる処方物および異なる投薬様式の評価のために齧歯類のタキソールモデルにおいて行われた。これらが下記にまとめられている。
(PEG−200における化合物Aの単回服用を使用した神経障害性痛みのマウスモデルにおける最初の研究)
5週齢のオスのC57B1/6マウスをCharles Riverから購入し、South San FranciscoにあるRenovis動物施設で飼育した。マウスは、網目のある金属支持体を有する2インチX2.5インチX3.5インチ(W、HおよびL)の大きさを有するプレキシガラス製の囲いにおいて1週間にわたって慣らされた。機械的刺激に対する応答のベースラインが、von Freyフィラメント(0.6g=3.84mN)を使用して測定された。通常、ベースライン応答は0〜40%の間である。
タキソールを50%CremophorEL/50%アルコールに溶解し(1mg/ml)、10%CremophorEL/10%アルコールにおける0.2mg/mlの最終濃度に生理的食塩水で新たに希釈した。マウスには、タキソールが、毎日、1mg/kg体重でipにより投与され、一方、コントロール群の動物には、ビヒクル(生理的食塩水における10%CremophorEL/10%アルコール)が投与された。
5週齢のC57B1/6オスマウスをvon Freyフィラメント試験において1週間にわたって慣れさせて、von Freyフィラメント(0.6グラム=3.84mN)に対するベースライン応答(40回の試験についてのパーセント足引込み)を測定した(平均値が「ベースライン(平均)」=31%としてグラフに示される)。
慣らされたマウスは、神経障害性の痛み状態を誘導するために、実験の終わりまで毎日ip注射によって、10%CremophorEL/10%エタノールにおける1mg/kg(体重)のタキソールで処置された。
von Freyフィラメント(0.6グラム=3.84mN)によるパーセント痛み応答(40回の試験についてのパーセント足引込み)が痛み誘導後の8日目および9日目に測定された(これら2つのの平均値が「投薬前(平均)」=75%としてグラフに示される)。タキソール注射の9日後に感受性ベースライン(40%を越える応答)または痛みなし(60%未満の応答)のいずれかを有するそのような動物はデータ分析において含まれなかった。タキソールのこの毎日の投薬を受けている動物が神経障害性の痛みを発症する。
(化合物A溶液の調製)
化合物A(実施例2)の200mgの量を0.4mlの100%DMSOに溶解して、500mg/mlの濃度を作製し、これを使用まで4℃で保存した。メチルセルロースを脱イオン化蒸留水に溶解して、1%の濃度を作製した。新たに調製されたメチルセルロースを使用して、化合物の懸濁物(2.5%DMSO(V/V)および1%メチルセルロースにおいて10mgの化合物)を作製した。懸濁物は、5秒間隔で30秒毎に6分間、超音波処理され、その後、動物に投与された。
(化合物の投与および行動の評価)
50mg/kg(体重)の化合物またはビヒクル(75%ポリエチレングリコール(PEG))の一定量、すなわち、100μl/kg(体重)を無作為盲検様式で動物にi.p.注射によって与えた。その後、動物はアッセイのために囲いに置かれた。機械的異疼痛が、投与後の様々な時間で、von Freyフィラメント(0.6g=3.84mN)を用いて測定された。
(結果:化合物Aは神経障害性痛みモデルにおいて機械的異疼痛を阻害する)
9匹のタキソール処置動物が100μl/kg(体重)のビヒクル(75%ポリエチレングリコール(PEG))をip注射によって受け、8匹のタキソール処置動物には、ビヒクルにおける化合物Aの懸濁物が50mg/kg(体重)の用量でip注射された。von Freyフィラメント(0.6グラム=3.84mN)を用いたパーセント痛み応答(40回の試験についてのパーセント足引込み)が、ビヒクルまたは化合物Aのいずれかの1回の投薬の後の1時間、6時間、24時間および48時間において測定された。結果が、それぞれの群についての平均痛み応答(±SEM)に関して、図2に示される。ビヒクル処置動物の応答に対する化合物Aの応答についての各時点でのP値は、2つのサンプルの、等しくない分散を仮定する片側検定に基づいた。パーセントが大きいほど、推測される痛みが大きい。
(PEG−200処方物を使用するタキソール誘導の神経障害性痛みのマウスモデルにおける化合物Aのさらなる単回服用効力研究)
(投薬方式:)
24匹の成体オスC57B16マウスがこの研究のために用いられた。ベースラインが40%未満の応答であり、タキソール処置後、7日目および9日目において60%を越える応答である基準を満たした17匹の動物が、化合物Aの痛覚消失効果を評価するために使用された。今回のマウスは、平均で30%のベースライン応答を有し、タキソール処置の7日目において平均で80%の応答、9日目において平均で75%の応答を有した。マウスは無作為様式で2つの群に分けられた。9匹のマウスを含有する一方の群には、ビヒクルコントロールとして100μLの75%PEG−200が与えられ、8匹からなるもう一方の群には、100μLの化合物Aが50mg/kg(体重)で与えられた。痛み行動の測定は、明らかにされることなく行われた。簡単に記載すると、試験を受けるマウスは、体重が測定され、適切な用量の化合物A(またはビヒクル)が与えられ、囲いにおいて慣らされ、その後、機械的異疼痛の測定が行われた。それぞれの個々の試験中のマウスの機械的異疼痛が、投薬後の1時間、6時間、24時間および48時間において測定された。最後の時点での測定を終了した後、研究は内容が明らかにされ、von Freyフィラメント刺激に対するパーセント応答のデータが分析された。
(結果:)
図3に示されるように、化合物Aを50mg/kg体重の用量で受けた動物は、0.6グラムのvon Freyフィラメント刺激に応答した:化合物Aで処置された動物に投薬した後の1時間目において20+/−7.6%(+/−SEM);投薬後2時間目において32.5+/−13.1%;投薬後24時間目において50+/−9.3%;および、投薬後48時間目において65+/−6.3%。一方、ビヒクルコントロールを受けたマウスは、投薬後1時間目において80+/−5.8%、投薬後6時間目において66.7+/−10.00%、投薬後24時間目において73+/−9.4%、および投薬後48時間目において80+/−5.8%の応答をもたらした。片側t−検定を使用した統計学的分析では、対応する投薬後の時点において、9.65E−6、0.0283、0.0489および0.0494のp値がそれぞれ得られた。この研究では、化合物Aがタキソール誘導の神経障害性痛みのマウスモデルにおいて強い痛覚消失効果を有することが示された。
(CremophorEL/ETOH/生理的食塩水処方物を使用するタキソール誘導の神経障害性痛みのマウスモデルにおける化合物Aの用量応答研究)
(投薬様式:)
タキソールマウスモデルにおける神経障害性痛み適応についての化合物Aの最初の効力結果は、長期間の投薬様式を使用して化合物Aの用量応答効果および痛み止め効果を明らかにするためのさらなる研究を推進させた。これらの研究のために、新しい処方物が、9%CremophorEL、1%ETOHおよび90%生理的食塩水を腹腔内投与のためのビヒクルとして使用して開発された。この処方物を開発するための理論的根拠は、下記のことを確認することである:1)化合物Aの痛覚消失効果がPEG−200+化合物Aによるものではないこと;2)化合物Aは75%PEG−200において可溶性でなく、むしろ、懸濁物であり、従って、薬物効力に影響を及ぼし、一方、化合物Aは9%CremophorEL/1%ETOH/90%生理的食塩水には完全に可溶性であること;3)75%PEG−200ビヒクルは、マウスに対して毒性であるので、長期の投薬研究のための良好な選択ではないこと;4)タキソールがCremophorEL/ETOH/生理的食塩水の溶液に溶解され、従って、9%CremophorEL、1%ETOHおよび90%生理的食塩水を化合物Aの長期投薬のためのビヒクルとして使用することは、毎日のタキソール処置をあまり妨げないこと。5mg/ml、2mg/mlおよび1mg/mlの濃度での100μLの化合物A溶液がマウスに腹腔内投与された(体重20グラムあたり)。従って、それぞれ、20mg/kg(体重)、10mg/kg(体重)および5mg/kg(体重)の用量がもたらされた。コントロールビヒクルは9%CremophorEL/1%ETOH/90%生理的食塩水であり、100μLのビヒクルがマウスに腹腔内投与された(体重20グラムあたり)。48匹の成体オスC57B16マウスがこの研究のために使用された。ベースライン測定および痛み行動測定は上記に示された通りであった。21日間のタキソール処置の後、39匹のマウスが、上記で述べられたような基準を満たし、従って、化合物Aの試験のために含められた。今回のマウスのベースラインは12.8+/−2.4%(+/−SEM)であり、痛み応答はタキソール処置の21日目において77.2+/−2.6%であった。22日目に、マウスは無作為に4つの群に割り振られた:9匹のマウスには、ビヒクルが与えられた;10匹のマウスには、5mg/kg(体重)の化合物Aが与えられた;10匹のマウスには、10mg/kg(体重)が与えられた;10匹のマウスには、20mg/kg(体重)が与えられた。行動測定は、投薬後の1時間、3時間、6時間および24時間の時点において盲検様式であった。
(結果:)
図4に示されるように、用量応答研究では、化合物Aが5mg/kg(体重)および10mg/kg(体重)において用量依存的な様式で痛覚消失効果を有し、また、投与後3時間の時点において最大効力に達したことが明らかにされた。パーセント応答の数字は、ビヒクル処置動物の75.6+/8.0%(+/−SEM)との比較で、5mg/kgの用量では49+/9.7%(+/−SEM、p値は0.0025に等しい)であり、10mg/kgの用量では40+/−10.9%(+/−SEM、p値は0.0009に等しい)である。10mg/kgの用量は投薬後6時間において痛み阻止効力を示し、応答パーセントは、ビヒクル処置群(65.6+/−9.6%)との比較で、42+/−95%(+/−SEM、p値は0.00496)であった。20mg/kgの用量が投与された群はまた、投薬後3時間目に、弱くなった機械的異疼痛を示した。しかしながら、この群は統計学的有意性(p値は0.08に等しい)に達しなかった。
(CremophorEL/ETOH/生理的食塩水処方物を使用するタキソール誘導の神経障害性痛みのマウスモデルにおける化合物Aの長期投薬研究)
(投薬様式:)
48匹の成体オスC57B16マウスがこの研究のために使用された。ベースライン測定および痛み行動測定は上記に示された通りであった。21日間のタキソール処置の後、36匹のマウスが、上記で述べられたような基準を満たし、従って、化合物Aの試験のために含められた。今回のマウスのベースラインは12.8+/−2.4%(+/−SEM)であり、痛み応答はタキソール処置の21日目および23日目において77.2+/−2.6%であった。24日目に、マウスは無作為に3つの群に割り振られた:12匹のマウスには、ビヒクルが与えられた;12匹のマウスには、5mg/kg(体重)の化合物Aが与えられた;12匹のマウスには、10mg/kg(体重)の化合物Aが与えられた。マウスへの投薬は14日間にわたって1日あたり1回の用量で午前中に行われた(タキソール処置は期間中を通して夕方近くで続けられた)。行動測定は、化合物Aを投薬する前の早朝に1回、そして、化合物Aの投薬後3時間目に1回行われた。2mg/mlおよび1mg/mlの濃度での化合物Aの100μLの溶液がマウスに腹腔内投与された(体重20グラムあたり)。従って、それぞれ、10mg/kg(体重)/日および5mg/kg(体重)/日の用量がもたらされた。コントロールビヒクルは9%CremophorEL/1%ETOH/90%生理的食塩水であり、100μLのビヒクルがマウスにi.p.により投与された(体重20グラムあたり、1日あたり)。動物への投薬は、毎日、1日に1回、14日間にわたって行われた。
(結果:)
図5に示されるように、長期間の投薬研究により、5mg/kg/日および10mg/kg/日を受けた動物はビヒクルコントロール群の機械的異疼痛よりも少ない機械的異疼痛を示したことが明らかにされた。10mg/kg/日の化合物Aが与えられた動物はあまり痛みを経験しなかった。化合物Aの長期間の投薬は著しい薬物寛容性または薬物蓄積効果を示さなかった。
(1%メチルセルロース処方物を使用するタキソール誘導のラットでの神経障害性痛みモデルにおける化合物Aの用量応答研究)
(投薬様式:)
体重1kgあたり1mlの50mg/mlまたは20mg/mlのいずれかの化合物Aが経口胃管給餌(p.o.)によってラットに投与され、これにより、50mg/Kg(体重)または20mg/kg(体重)のいずれかの用量がもたらされた。同じ対応する体積の1%メチルセルロースがビヒクルコントロールとして使用された。34匹のSprague−Dawelyラットがこの研究のために用いられた。1mg/kg(体重)の毎日の腹腔内投与によるベースライン足引込み閾値(右後ろ足の平坦な領域に加えられた力のグラム数)および神経障害性痛み誘導が、前節に示されるように行われた。タキソール処置は、痛み閾値が比較的安定し続けるまで15日間続けられた。4グラムよりも大きいベースラインを有し、かつ、誘導後に7グラム以下の閾値を有する動物が薬物試験に含められた。27匹のラットが、次の段階の研究のための基準を満たし、無作為に4つの群に割り振られた。7匹のラットからなる群1には、ビヒクルコントロール群として、1%メチルセルロースが与えられ、体重1キログラムあたり1mlのビヒクルが動物にp.o.により投与された。6匹の動物を有する群2には、化合物Aが20mg/kg(体重)で経口胃管給餌(p.o.)により投薬された。7匹を有する群3には、化合物Aが50mg/kgので投薬された。7匹を有する第4の群には、ガバペンチンが、陽性コントロール群と同じビヒクルにおいてp.o.により50mg/kgで与えられた。そのようなラットは囲いにおいて慣らされ、50%の足引込み閾値(力のグラム数)が、前節に記載されたように、盲検様式で投薬後の1時間、2時間、3時間、6時間および24時間の時点において、1組のvon Freyフィラメントを使用して測定された。試験者は、どの動物が薬物またはビヒクルを受けているかは知らなかった。試験されたラットは(投薬後6時間での測定の場合)夕方近くにおいて非常に眠たそうにしていることは特筆され、従って、データは、投薬後6時間の時点については信頼性がないと考えられる。1匹のラットが、投薬後6時間での試験のとき、左足からの出血を有していたこともまた特筆され、従って、投薬後6時間の時点においてこの動物から得られたデータは除かれた。投薬後24時間での測定が終了した後、それぞれの動物の足引込み閾値が計算され、データが分析された。
(結果:)
図6に示されるように、結果から、化合物Aが20mg/kgの用量で神経障害性痛みに対する痛覚消失効果を有することが明らかにされる。効果は速い開始(投薬後1時間)を示し、投薬後2時間の時点において最高値に達し、試験期間中、その後も依然として類似するレベルであり、そして、ビヒクルで処置されたラット(約4グラムの閾値)と比較した場合、足引込み閾値を7グラム超に増大させた。化合物Aの痛覚消失効果は陽性コントロールのガバペンチンと匹敵した(50mg/kgの用量において)。ガバペンチンの痛覚消失効果は投薬後3時間〜6時間において最高値に達した。50mg/kgの用量での化合物Aは痛み阻止効果を投薬後1時間において示したが、その後、効果は減少していった。ラットとマウスとの間における用量依存性の違いは、ラットに対してマウスを処置するための処方の違いのため、または種差のためのいずれかであり得るか、あるいはそれらの両方のためであり得る。
(実施例22:外傷性脳傷害モデル)
化合物Aが、外傷性脳傷害の動物モデルにおいて効力について試験された。具体的には、化合物Aが、McIntosh(McIntosh T.K.他(1989)、Neuroscience、28:233〜244)によって開発された側面液体叩打傷害(FPI)モデルにおいて評価された。このモデルは、持続した外傷症脳傷害を有するヒトにおいて見出される病理学的局面の多くを複製している。さらに、傷害により引き起こされる損傷は薬理学的介入を受けやすく、従って、前臨床的な効力試験のための確固とした方法を提供する。このモデルにおいて、動物は液体叩打による脳傷害にさらされ、次いで、化合物Aがその直後に与えられる。特定の時点において、動物は、傷害の結果である認知障害および運動障害を評価する結果指標を使用して評価される。また、行動分析の後、動物は屠殺され、その脳が様々な組織病理学的パラメーターに関して評価される。その後、比較が化合物A処置動物と非処置動物との間で行われて、化合物が、液体叩打傷害により通常の場合には引き起こされる行動障害および組織学的乱れを弱め得るかどうかが明らかにされる。
(実験プロトコル)
これらの研究の場合、Tracy McIntosh博士(ペンシルベニア大学頭部傷害センター長)によって以前に開発された実験パラメーターが使用される。これらの研究では、オスのラット(350g〜400g)が傷害のために使用される。すべての動物は、ブレグマとラムダとの中央にある左頭頂皮質の上方に置かれる開頭術によって適度/重度の傷害レベル(2.5atm〜3.0atm)で傷つけられる。傷害後15分において、動物は無作為に群に割り振られ、本発明の化合物(例えば、化合物Aなど)またはビヒクルのいずれかで処置される。化合物Aは、75%PEG200において、または、50%PEG400および25%エタノールにおいて、そのいずれかで処方することができ、約10mg/kg/BID〜20mg/kg/BIDの用量が投与され得る。1日あたり投与される総量は約20mg/kg〜40mg/kgの範囲でなければならない。化合物またはビヒクルは傷害後15分にIP注射によって送達され、その後、傷害後の5日間〜7日間までb.i.dでの経口胃管法またはIP注射によって送達される。動物は2つの研究群のいずれかに割り振られる。第1の群における動物は、傷害後48時間において記憶障害について試験され、その後、水腫(脳の水分含有量)を直ちに分析するために屠殺される。第2の群における動物は、その後の時点において運動障害および学習障害について試験される。行動試験の後、これらの動物は屠殺され、それらの脳が組織損傷(皮質体積の喪失およびニューロン細胞数)および他の組織学的情報について分析される。
(群1−外傷後の認知障害および脳水分含有量の分析(化合物A=12匹〜20匹の動物、ビヒクル=12匹〜20匹の動物))
(認知障害)
空間記憶および学習における認知障害を回復させる化合物Aの能力が、Morris水迷路パラダイムを使用して傷害後48時間において評価される(Smith D.H.他(1991)、J.Neurotrauma、8(4):259〜269;Schmidt,R.H.他(1999)、J.Neurotrauma、16(12):1139〜1147)。このアッセイにおいて、動物は、水中に没するプラットホームを含有する1mまたは2mの円形の水プールにおいて泳ぐように訓練される。動物は、部屋の壁に置かれた離れている視覚的合図を使用することによって、プールでの自身の位置を確認し、かつ、プラットホームを探し出すことを学習する。この学習パラダイムにおいて、動物は、プラットホームを見つけるように訓練され、訓練回数の数を増大させることに伴う反応時間の減少が記録される。記憶パラダイムにおいて、動物は、傷害前の2日の期間にわたって20回の訓練操作が与えられる。2回目の訓練期間の後、傷害が施される。傷害後48時間目に、動物は、プラットホームが除かれたプールに動物を入れることによって記憶機能について試験され、プールの規定された領域における泳ぎに費やされた時間が記録される。動物が、プラットホームがあった領域、またはプラットホームがあった領域の近くの領域における泳ぎに、プールのそれ以外の領域におけるよりも多くの時間を費やす場合、著しい記憶スコアが与えられる。
例えば、化合物Aを分析するために、動物が記憶パラダイムで試験される。化合物A処置群およびビヒクル処置群に由来する動物が、2日の期間にわたって、水没したプラットホームまで泳ぐように訓練される(1日あたり10回の泳ぎ)。訓練後、動物には傷害が与えられ、傷害後15分でのIP注射によって化合物Aで処置される。その後の48時間にわたって、動物には、化合物Aが、毎日2回、経口胃管法またはIP注射によって投与される。傷害後48時間目に、動物は記憶パラダイムにおいて試験される。
このアッセイは、傷害の程度に対して敏感であるので、認知機能の非常に有用な試験であり、また、薬理学的介入に対して応答し得る。
(脳水分含有量)
水迷路分析の後、動物は安楽死させられ、その脳が解剖される。脳が凍結ブロックの上で冷やされ、傷害部位の周りの3mm〜5mmの冠状断面が解剖される。この断面は下記の領域に細分される:左頭頂皮質(傷害領域)、反対側の頭頂皮質(コントロール)、傷害領域に隣接する頭頂皮質(左右)、および左右の海馬領域。組織片は重量測定され、その後、100℃で一晩乾燥される。
脳水腫は、水が寄与する組織重量のパーセントであり、下記の式によって計算される:
%水分=(湿重量−乾燥重量)/(湿重量)*100
このようにして、外傷後の脳水腫を弱めるために本発明において使用される化合物の能力が評価される。
(群2−外傷後の神経学的障害および組織学的障害の分析(12匹〜20匹の動物が試験化合物Aを受け、12匹〜20匹の動物がビヒクルを受ける))
(神経学的評価)
神経学的試験が、液体叩打傷害により通常的に誘導される運動障害を弱める本発明の化合物(例えば、化合物Aなど)の能力を評価するために使用される。試験は傷害後24時間目に始まり、観測される結果に依存して、1週間〜4週間にわたって毎週続けられる。運動分析は、運動機能および前庭運動機能を主に評価する1組の試験に基づいている。この分析には、ほとんどが反射性運動機能の試験を伴う複合ニューロスコアが含まれる。さらなる試験では、連係および前庭運動機能が試験されるビームバランス(Scherbel,U.他(1999)、Proc.Natl.Acad.Sci.、96:8721〜8726)および回転ポール(Mattiasson、G.V.他(2000)、J.Neuroscience Methods、95:75〜82)が含まれる。複合ニューロスコアでは、下記の行動が評価される:1)尾によって宙づりにされたときの反対側の前肢反射;2)尾によって宙づりにされたときの後肢反射;3)左側への側方圧出および右側への側方圧出に対する抵抗性;4)傾斜角ボード上で我慢する能力。動物は、適切な運動を実行するそれらの能力、ならびにそれらの強さおよび連係について評価される。動物は5段階の尺度で採点され、この場合、段階4は正常な行動を表し、段階0は重傷な障害を表す。統合ニューロスコアは、これら4つの試験から得られたスコアの合計である。
ニューロスコアに加えて、前庭運動機能が、回転ポールおよび平衡ビームを使用して評価される。平衡ビームにおいて、動物は、2cmの木製ビームを横断するように訓練される。訓練後、動物はビームの上に置かれ、試験される。動物は、正常な様式でビームを横断する能力、運動の連係、および足の滑りについて評価され、そして、ニューロスコアの場合のように、障害の程度に依存して0〜4のスコアが与えられる。回転ポールは、時計方向または反時計方向のいずれかで回転することができる約2mのポールである。評価に先立ち、動物は、回転していないポールを一方の端から反対側に横断するように訓練される。試験後、ポールは、一定速度で回転するように設定され、その後、動物がポールの上に置かれる。足の滑りおよび/または落下だけでなく、ポールを横断するための反応時間が評価される。動物は5段階の尺度でスコア化され、この場合、0は最大の障害を示す。
まとめると、運動活動のこれらのスコアは、障害の重篤度の高感度かつ正確な評価を提供する。
(組織病理学的分析)
神経学的分析の後で、動物から得られた脳組織が組織学的分析のための調製される。動物は安楽死させられ、その後、4%パラホルムアルデヒド(PFA)が心臓を介して灌流される。動物の脳が解剖され、4%PFA中で後固定され、30%スクロースにおいて凍結保護され、その後、切片化のために凍結される。傷害領域から得られる連続した冠状面での断面が切断され、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)または5%クレシルバイオレット(Nissl)で染色される。H&E切片が、損傷体積を評価するために使用され、一方で、Nisslは、傷害による細胞喪失を評価するために使用される。それぞれの場合において、反対側が脳の受傷側に対するコントロールとして使用される。
打撲体積分析のために、ブレグマの後方1.3mmから6.3mmまで1ミリメートル毎に得られた単一断面が低倍率で調べられた。画像分析ソフトウエア(例えば、MCID/M4画像ソフトウエアまたはNIH画像)を、像を捕捉するために、そして、各断面の同側側および反対側の半球領域を計算するために使用することができる。同側側半球および反対側半球の体積が、その後、各切片の面積および切片間の距離を積分することによってコンピューター処理される。
傷害後の細胞喪失を評価するために、細胞計数がCA3海馬領域において行われる。Nissal染色された切片が適度な倍率で調べられ、規定された長さの孤に沿ったCA3領域におけるニューロン形態学を有する細胞が計数される。得られた細胞数が、受傷側における細胞喪失の程度を明らかにするために、反対側(非傷害側)のCA3における類似する孤に沿って計数されたニューロンの数と比較される。
(データ分析)
群間で比較される連続変数(例えば、水迷路反応時間)の分析の場合、データは、分散分析(ANOVA)、続いて行われる事後Newman−Keuls試験を使用して調べられる。序数的測定値(例えば、統合ニューロスコアなど)は、非パラメトリックKruskal−Walls ANOVA、続いて行われる事後非パラメトリックMann−Whitney U−検定を使用して分析される。
(結果:)
化合物Aは、上記のような液体叩打傷害モデルにおいて2回試験された。一方の場合において、化合物Aが75%PEG200に処方され、20mg/kg/BIDの用量で、傷害後15分に開始して7日間にわたって毎日2回、腹腔内投与された。化合物Aによる処置は、傷害後48時間において記憶機能を改善させたが、傷害後4週間目において試験された学習パラダイムに対する効果はなかった。この化合物は、複合ニューロスコアに対する確固たる急性効果および長期間の効果を有したが、それ以外の運動試験(ビームバランスおよび回転ポール)に対する効果は限られていた。化合物Aによる処置は、48時間において水腫形成を弱めなかった(研究番号1の結果について図7〜図10および表2を参照のこと)。
Figure 2006514056
MEM:Morris水迷路記憶パラダイム
NS:複合ニューロスコア
BB:ビームバランス
RP:回転ポール
反応時間:Morris水迷路学習パラダイム。
第2の試験において、化合物Aは、50%PEG400および25%エタノールに処方され、10mg/kg/BIDおよび20mg/kg/BIDで傷害後15分に開始して5日間にわたって毎日2回、腹腔内投与された。この化合物の効果は急性または長期の運動試験または認知試験において観測されなかった。さらに、化合物Aで処置された動物では、コントロールと比較した場合、CA3細胞喪失または損傷体積の低下は認められなかった(結果については図11〜図14および表3を参照のこと)。
Figure 2006514056
MEM:Morris水迷路記憶パラダイム
NS:複合ニューロスコア
BB:ビームバランス
RP:回転ポール
反応時間:Morris水迷路学習パラダイム。
これら2つのTBI研究から得られた結果における違いは、化合物の処方における違い、または、手術時に使用された麻酔剤の違い(例えば、最初の試験では、ペントバルビタールが使用され、これに対して、第2の試験では、イソフルオランが使用された)のためであると考えられる。異なる処方物が薬物の生物学的利用能の違いをもたらすかもしれず、従って、これら2つの試験において異なる結果を生じさせることがあり得る。あるいは、ある種の麻酔剤は自身に対する神経保護効果を示すことが可能であり得る。ペントバルビタールおよびイソフルランはともに、何らかの神経保護活性を有することが報告されており、そのような神経保護活性により、薬物の治療的範囲が影響され、従って、これら2つの研究の比較可能性が制限され得る。
(実施例23:脊髄傷害モデル)
化合物Aが、効力評価のために、ラットの背側片側切断モデル(Guth,L.他(1980)、J.Neurosurgery、52:73〜86)および打棒モデル(Scheff、S.W.(2003)、J.Neurotrauma、20:179〜193)の両方において試験された。これらのモデルは、脊髄傷害の分野では広く使用されており、脊髄傷害が持続しているヒトにおいて見出される病理学的局面の多くを複製する。ラットはT8における実験的脊髄傷害にさらされ、化合物Aがその直後に与えられた。運動障害を評価するための行動試験が損傷後に行われた。実験が終了した時、動物は屠殺され、脊髄が組織病理学的分析のために集められた。その後、化合物の投与が行動機能の改善をもたらしているかどうかを明らかにするために、比較が化合物A処置動物と非処置動物との間で行われた。傷害部位における組織の組織学的評価もまた、薬物処置群および薬物非処置群において行われた。具体的には、行動測定の後で、それぞれの動物に由来する脊髄組織を得て、連続した横方向の組織断面を、抗神経フィラメント抗体、または炎症性マーカー特異的抗体(腫瘍壊死因子α(TNFα))および誘導型形態の一酸化窒素合成酵素(iNOS)に特異的な抗体のいずれかで染色し、その後、Alexa Fluor(登録商標)コンジュゲート化二次抗体とインキュベーションした。
(実験プロトコル)
メスのラット(Sprague−Dawley、250g〜300g)をCharles Riverから購入した。脊髄傷害前の1週間、動物は慣らされ、かつ、運動行動試験、すなわち、BBB試験(Beattie Basso Bresnahan法)(Basso,D.M.他(1995)、J.Neurotrauma、12(1);1〜21)についてのベースライン測定が行われた。
BBBスコアは、21段階の脊髄傷害後の運動回復を表す21ポイントでの尺度である。この尺度は、傷害後の出現時間に従ってランク付けされるスコア化された行動の特異な組合せに基づいている。スコアは3つの部分に分けることができる:0〜8、これらのスコアは後肢関節の随意運動を強調する;8〜14、これらのスコアは、徐々に良くなる前肢−後肢の協調を伴う立ち上がりおよび足踏みを表す;15〜21、これらのスコアは、より大きい強度、ならびに、より良好な足設置およびバランスを示す。それぞれのスコアは行動の特異な組合せを表しており、これにより、曖昧でない序数的尺度が提供される。この尺度が表4に記載される。
毎週、ラットは、基準となる開放地(壁を有するプラスチック製たらい)に入れられ、訓練を受けた調査者によって2方向から数分間にわたって観察された。運動特性は、採点用シートに印が付けられ、最終スコアは観察者の一致した意見を表す。詳細な評価者間の信頼性分析により、経験を有する観察者は、尺度において1ポイント未満の標準偏差を達成し得ることが示される。すべてのスコア付けが、盲検的に、すなわち、個々のラットが受けている処置を知らない人々によって行われた。処置は、分析の間中、秘匿にされていた。
Figure 2006514056
Figure 2006514056
(脊髄傷害手法)
手術当日、動物は、加熱された手術表面に置かれ、T7脊椎の椎弓切除が行われた。露出させると、脊髄(T7脊椎に対応するT8)が、背側の片側切除または下への打撲のいずれかからなる傷害にさらされた。背側脊髄傷害研究が下記に要約される。
(14日間の背側片側切断研究(SCI研究番号1))
1つの研究(SCI研究番号1)において、動物は、背側表面から1.5mmの損傷からなる背側の片側切断の損傷を受けた。これは14日間の研究であった。この研究の結果は、図15において見出され得るが、化合物Aの投与は、BBBスコアの増大によって示されるように、神経学的機能の著しい改善をもたらしたことを明らかにした。
(21日間の過度な背側の片側切断研究(SCI研究番号2))
別の研究が、過度な背側の片側切断を使用して21日間にわたって行われた(SCI研究番号2)。この研究では、動物は、背側表面から2mmの深さである損傷を受けた。これは、損傷が背側表面から1.5mmでしかない通常的な背側片側切断モデルよりも重い傷害を表す。SCI研究番号1およびSCI研究番号2では、化合物Aの第1の処方物(下記参照)が使用された。この研究の結果は、図16において見出され得るが、20mg/kg(BID)の用量での化合物Aの投与は、BBBスコアの増大によって示されるように、神経学的機能の著しい改善をたらしたことを明らかにした。
(5週間の過度な背側の片側切断研究(SCI研究番号3))
第3の研究(SCI研究番号3)が行われた。これは、化合物Aの第2の処方物(下記参照)を使用する5週間の研究であった。この研究の結果は、図17において見出され得るが、これもまた、20mg/kg(BID)の用量での化合物Aの投与は、BBBスコアの増大によって示されるように、神経学的機能の著しい改善をもたらしたことを明らかにした。
(14日間の打撲研究(SCI研究番号4))
第4の研究が、脊髄に対する打撲を受け、その後、ビヒクルまたは化合物Aのいずれかが20mg/kg(BID)の用量で投与されたラットにおいて行われた。機能的な神経学的結果の評価が、14日間にわたってBBBスコアを使用して行われた。図18に示される結果は、著しい効果がこの特定の研究では観測されなかったことを明らかにしている。これに対する理由は現時点では不明である。
(TNF−αおよびiNOSを検出するための手順)
傷害部位における組織の組織学的評価もまた、薬物処置群および薬物非処置群の両方において行われた。具体的には、行動測定の後で、それぞれの動物に由来する脊髄組織を得て、連続した横方向の組織断面を、1:25もしくは1:50で希釈されたヤギ抗ラットTNF−α抗体(R&D system)、または、1:500希釈でのマウス抗ラットiNOS抗体のいずれかで染色し、その後、Alexa Fluor(登録商標)コンジュゲート化ロバ抗ヤギIgG(TNF−α評価の場合)またはAlexa Fluor(登録商標)コンジュゲート化ヤギ抗マウスIgG(iNOS評価の場合)のいずれかで染色した。手順は下記の通りである:スライドを55℃で25分間ベーキング処理して、透過処理緩衝液(1XTBS、0.5%Triton)において洗浄し、1XPBSにおける5%正常ロバ血清、1%BSA、0.5%Tritonを用いて非特異的な結合についてブロッキング処理する。スライドを一次抗体と4℃で一晩インキュベーションして、TBSにおいて洗浄し(10分、3回)、その後、二次Abと室温で2時間インキュベーションする。切片をTBSにおいて洗浄し(10分、3回)、ddHOに浸し、FluoromounGで覆う。
(化合物Aの調製物および投薬)
化合物Aの2つの調製物が作製され、比較された。第1の処方物は、化合物を75%PEG200および25%dHOに溶解し、その後、水浴において超音波処理して、化合物の懸濁物を作製することによって調製された。この処方物は、SCI研究番号1、同2および同4のために使用された。第2の処方物は、最初に化合物をエタノールに溶解し、その後、PEG400およびdHOで希釈して、50%PEG400、25%ETOHおよび25%dHOの最終処方物にすることによって調製された。この処方物はSCI研究番号3において使用された。化合物Aは手術後1時間目に腹腔内投与され、投薬が、1日に2回(BID)、20mg/kg/BIDの用量レベル(1日の総用量:40mg/kg/日)または50mg/kg/BIDの用量レベル(1日の総用量:100mg/kg/日)で5日間にわたって繰り返された。
(結果)
化合物A、および運動機能に対するその効果の評価
運動機能が、BBBスコアによって、すなわち、3週間までにわたって3日〜7日の間隔で1〜21の序数的尺度によって評価された。BBB行動試験は手術後の1日目から始まり、手術後の5週間まで毎週、続けられた。結果は、化合物Aが、5日間にわたる1日に2回の腹腔内投与が行われる75%PEG200に処方されて20mg/kg/BID(40mg/kg/日)を受けた動物において運動機能を改善したことを示した。
この化合物は、過度な背側の片側切断モデルにおいてBBB運動試験に対する確固たる急性効果および5週間までの長期間の効果を明らかにした(図17)。この特定の実験は、20mg/kgの化合物Aを、50%PEG400、25%ETOHおよび25%dHOからなる処方物において投与することによって行われた。投薬が手術後1時間目に腹腔内に与えられ、1日に2回で5日間にわたって続けられた。
本明細書中に示されるように、2つの異なる処方物において、化合物Aは、BBBスコアの増大によって示されるような片側切断モデルにおける神経学的機能の著しい改善を明らかにした。
薬物処置群とビヒクルコントロール群との間での運動機能の著しい差は、SCIに対する打撲モデルでは観測されなかった(図18)。その一方で、炎症性マーカーが薬物処置群では低下していた(図21)。2つのSCIモデルの間における運動機能に対する薬物効力に関して観測された差についての理由は、現時点では不明であるが、結果の違いは、片側切断モデルと比較した場合、打撲傷害モデルにおける傷害の性質が異なるためであり得ると推測することができる。
(組織病理学的分析の結果)
図19Aおよび図19Bならびに図20Aおよび図20Bに示されるように、化合物Aで処置された動物から得られた脊髄組織(B)は、ビヒクルコントロール(非処置)動物と比較して、著しくより大きい神経線維密度を示した。具体的には、図19Aおよび図19Bは、中心点の上の側方の白質において特に、薬物処置動物とコントロール動物との間での顕著な差を示している。さらに、中心点の尾側の切片における腹側の白質において、薬物処置動物とコントロール動物との間にもまた顕著な差が存在した。
図21に示されるように、炎症性マーカーのTNFαおよびiNOSが、打撲傷害後において、非処置のコントロール群(それぞれ、パネルCおよびパネルA)と比較したとき、化合物Aで処置された動物における皮質脊髄路の領域において減少していた(それぞれ、パネルDおよびパネルB)。
(脊髄傷害モデルにおける結論)
本明細書中に示されるような結果は、実験的脊髄傷害モデルでの神経学的回復における化合物Aの有益な効果を裏付けている。これらの結果は急性であり、かつ長く持続している。低下した炎症性マーカーが、この回復に関連して見出される。
(実施例24:マウス、ラットおよびリスザルにおける化合物Aの血液脳傾向)
化合物Aの血液−脳分布が、血液および脳組織における化合物Aの濃度を投薬後の特定の時間において測定することによって、マウス、ラットおよびリスザルにおいて評価された。ラットおよびマウスには、30mg/kgの1回のpo用量が投与された。リスザルには、1日に2回の10mg/kgのpo用量の化合物Aが屠殺前の合計で5週間にわたって投与された。化合物Aについての脳対血液比率は、下記の表4に示されるように、血液脳関門の浸透が大きいことを示している。
Figure 2006514056
注:時点あたりの動物の数:ラットおよびマウス、n=5;サル、n=12。脳は組織サンプルの取り出し前に灌流されなかった。
サルはまた、7日目に生理的食塩水または1.0mg/kgもしくは2.0mg/kgのMPTPの1回のsc注射を受けた。
(結果:)
表5における結果から、化合物Aおよび本発明の化合物は、実質的な様式および量で血液脳関門を横断することができることを明らかにしていることが明らかである。そのような能力は、中でも、脳を伴うか、または脳に局在化される傷害および機能不全(例えば、TBIなど)に対する効果的な処置を提供するために迅速に作用し得る薬剤の著しい指標および特徴であり、それにより、本発明の化合物の治療活性をさらに明らかにしている。
前記の記載から、本発明の組成物および方法における様々な改変および変化が当業者にはもたらされる。添付されている請求項の範囲に含まれるすべてのそのような改変は、本発明に含まれることが意図される。
図1:30mg/kgの化合物Nが経口投与されたラットにおける時間の関数とする化合物Nの血漿濃度を示すグラフ。 図2:化合物Aが、マウスモデルにおいてタキソール誘導の痛みを妨げる活性を有することを示すグラフ。 図3:タキソール誘導の機械的異疼痛に対する化合物Aの痛覚消失効果を示すグラフ。白四角:ビヒクルコントロールとして20グラム(体重)あたり100mLの75%PEG−200をi.p.投与により受けたマウス(N=9)。斜線四角:50mg/kgの用量で化合物Aをi.p.投与により受けたマウス(N=8)。機械的異疼痛の阻害が、化合物投薬後の1時間、6時間、24時間および48時間において測定された。足引込み応答パーセントが、0.6グラムのvon Freyフィラメント(von Frey番号3.84)を使用して評価された。誤差バーは+/−SEMを表す。 図4:タキソールによる神経障害性痛みのマウスモデルにおける化合物Aの痛覚消失効果を調べるための用量応答研究の結果を示すグラフ。ビヒクルコントロール群、N=9、マウス体重20mgあたり100uLの9%CremophorEL/1%ETOH/90%生理的食塩水がi.p.により投与された;5mg/kgの用量の化合物A:N=10;10mg/kgの用量の化合物A:N=10;および20mg/kgの用量:N=10。異なる用量での薬物が動物にi.p.により投与された。応答パーセントが、投薬後の1時間、3時間、6時間および24時間の時点において、0.6グラムの力でのvon Freyフィラメント(von Frey番号=3.84)を使用して測定された。ベースラインが、動物がタキソールにさらされる前に得られ、タキソール処置後21日目での足引込み応答が測定された。誤差バーは+/−SEMを表す。 図5:タキソール誘導の神経障害性痛みのマウスモデルにおける化合物Aの長期間投薬の結果を示すグラフ。各群(ビヒクルコントロール、5mg/kg/日および10mg/kg/日)における12匹の動物はビヒクルまたは異なる用量での薬物のいずれかを受けた。薬物またはビヒクルは、1日あたり1回の服用として、午前中に12日間連続したi.p.注射により投与された。足引込みパーセントが、週末である7日目および7日目を除く試験期間中毎日、薬物注射前(前)および薬物注射後3時間(後)にvon Freyフィラメント(0.6グラム)を使用して評価された。タキソール処置が夕方前に経過期間中を通して続けられた。誤差バーは+/−SEMを表す。 図6:ラットモデルにおけるタキソール誘導の神経障害性痛みに対する化合物Aの用量応答。15日間のタキソール処置の後、ラットは無作為に4つの群に割り振られた。ビヒクルコントロール群(N=6)は1ml/kgの1%メチルセルロースを受けた;6匹のラットが化合物Aを20mg/kgの用量で受け、7匹のラットが化合物Aを50mg/kgの用量で受け、7匹のラットが50/kgのガバペンチンを陽性コントロールとして受けた。ビヒクルまたは薬物は経口胃管給餌(p.o.)によって投与された。足引込み閾値が、1組のvon Freyフィラメントを使用するアップ・ダウン測定によって、投薬後の1時間、2時間、3時間、6時間および24時間において得られた。誤差バーは+/−SEMを表す。 図7:ラットにおける流体叩打傷害モデルにおいて化合物Aを20mg/kg/BIDで使用する研究番号1から得られる認知試験の結果。SV=擬似ビヒクル;SD=擬似薬物;IV=受傷ビヒクル;ID=受傷薬物。 図8:ラットにおける流体叩打傷害モデルにおいて化合物Aを20mg/kg/BIDで使用する研究番号1から得られる複合ニューロスコアの結果。SV=擬似ビヒクル;SD=擬似薬物;IV=受傷ビヒクル;ID=受傷薬物。 図9:ラットにおける流体叩打傷害モデルにおいて化合物Aを20mg/kg/BIDで使用する研究番号1から得られるビームバランス試験の結果。SV=擬似ビヒクル;SD=擬似薬物;IV=受傷ビヒクル;ID=受傷薬物。 図10:ラットにおける流体叩打傷害モデルにおいて化合物Aを20mg/kg/BIDで使用する研究番号1から得られる回転ポール試験の結果。SV=擬似ビヒクル;SD=擬似薬物;IV=受傷ビヒクル;ID=受傷薬物。 図11:ラットにおける流体叩打傷害モデルにおいて化合物Aを10mg/kg/BIDおよび20mg/kg/BIDで使用する研究番号2から得られる認知試験結果の結果。IV=受傷ビヒクル;SV=擬似ビヒクル。 図12:ラットにおける流体叩打傷害モデルにおいて化合物Aを10mg/kg/BIDおよび20mg/kg/BIDで使用する研究番号2ら得られる複合ニューロスコアの結果。IV=受傷ビヒクル;SV=擬似ビヒクル。 図13:ラットにおける流体叩打傷害モデルにおいて化合物Aを10mg/kg/BIDおよび20mg/kg/BIDで使用する研究番号2から得られるビームバランス試験の結果。IV=受傷ビヒクル;SV=擬似ビヒクル。 図14:ラットにおける流体叩打傷害モデルにおいて化合物Aを10mg/kg/BIDおよび20mg/kg/BIDで使用する研究番号2におけるCA3細胞カウント数および損傷体積の結果。 図15:T8片側切断の14日間の研究の結果;ラットにおける背側の片側切断損傷(背側表面から1.5mmの深さ)の後でのBBBスコアの平均値。 図16:T8の過度な片側切断の21日間の研究の結果;ラットにおける過度な背側の片側切断損傷(背側表面から2mmの深さ、これは先の片側切断よりも重傷な傷害を表す)の後でのBBBスコアの平均値。 図17:T8の過度な片側切断の5週間の研究の結果;ラットにおける5週間までの過度な背側の片側切断損傷の後でのBBBスコアの平均値。 図18:打撲モデルの結果。ラットにおける打撲による脊髄傷害の後でのBBBスコアの平均値。 図19:横方向での脊髄断面(損傷の中心から2mm上側)における神経フィラメントの免疫組織化学。 図20:横方向での脊髄断面(損傷の中心から2mm上側)における神経フィラメントの免疫組織化学。 図21:打撲傷を受けた脊髄の断面における炎症性マーカー(TNFαおよびiNOS)についての免疫組織化学(傷害後72時間、中心から2mm尾側)。

Claims (50)

  1. 効果的な痛み処置量のベンズアミド化合物を医薬的に許容され得るキャリア中に含有する、痛みを処置するための医薬組成物であって、該ベンズアミド化合物が、下記の式I:
    Figure 2006514056
    式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1〜5のアルキルである、
    を有する物質である、医薬組成物。
  2. 効果的な外傷性傷害処置量のベンズアミド化合物を医薬的に許容され得るキャリア中に含有する、外傷性傷害を処置するための医薬組成物であって、該ベンズアミド化合物が、下記の式I:
    Figure 2006514056
    式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1〜5のアルキルである、
    を有する物質である、医薬組成物。
  3. 前記ベンズアミドが、アセトアミドベンズアミド、アミノベンズアミドおよびニトロベンズアミドからなる群から選択される、請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
  4. 前記ベンズアミドが、
    N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A);
    N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B);
    N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C);
    N−シクロプロピルメチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物E);
    N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F);
    N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G);
    N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H);
    N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J);
    N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K);
    N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミド(化合物L);
    N−1−メチルプロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物M);
    N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N);
    N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P);および
    N−tert−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物Q);
    からなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記ベンズアミドがN−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)である、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記外傷性傷害が、外傷性脳傷害および急性脊髄傷害からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
  7. 処置が必要な哺乳動物被験体において痛みを処置するための方法であって、ベンズアミドを含む医薬組成物の効果的な痛み処置量を該被験体に送達/投与する工程を包含する、方法。
  8. 前記ベンズアミドが、医薬的に許容され得るキャリアにおいて、下記のI:
    Figure 2006514056
    式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1〜5原子のアルキルである、
    に示されるような式を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記痛みが急性の痛みである、請求項7に記載の方法。
  10. 前記痛みは、手術後の痛み、ショック、炎症から生じる痛み、外傷から生じる痛み、慢性的な痛み状態に関連する急性の突発痛、およびそれらの組合せを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記痛みが慢性的な痛みである、請求項7に記載の方法。
  12. 前記痛みは、頭痛の痛み、背痛、座骨神経痛、ガン痛、関節炎痛、神経障害性の痛み、心因性の痛み、およびそれらの組合せを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記医薬組成物が、局所的、経口的、尾骨、皮下、筋肉内、静脈内、神経周囲、腹腔内、硬膜外、鼻内、頭蓋内、局所的脳内、クモ膜下、脳室内、経皮、およびそれらの組合せからなる群から選択される経路によって送達/投与される、請求項7に記載の方法。
  14. 前記医薬組成物が前記被験体の中枢神経系に送達/投与される、請求項7に記載の方法。
  15. 前記中枢神経系に対する送達/投与が、頭蓋内、局所的脳内、クモ膜下および脳室内への送達/投与からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記医薬組成物により、効果的な量が、他の組織にも器官系にも有害な影響を及ぼすことなく中枢神経系に対して直接的に送達される、請求項7に記載の方法。
  17. 前記医薬組成物が注入ポンプによって投与される、請求項13に記載の方法。
  18. 前記医薬組成物がエアロゾル処方物で投与される、請求項13に記載の方法。
  19. 前記医薬組成物が少なくとも数日の期間にわたって投与される、請求項13に記載の方法。
  20. 前記医薬組成物が少なくとも4週間の期間にわたって投与される、請求項13に記載の方法。
  21. 前記医薬組成物が少なくとも3ヶ月の期間にわたって投与される、請求項13に記載の方法。
  22. 前記医薬組成物が必要に応じて投与される、請求項13に記載の方法。
  23. 前記医薬組成物が持続放出処方物として投与されるか、または、血液脳関門を横断することができる処方物で投与される、請求項13に記載の方法。
  24. 前記痛みが、糖尿病性神経障害、帯状ヘルペス、線維筋痛、AIDS、梅毒、神経炎、顎関節症、背痛、筋筋膜痛、急性脊髄傷害、外傷性脳傷害、ガン痛、内臓痛、神経内炎症、視神経障害、神経外傷に対する二次的な神経障害、帯状疱疹後神経痛、反射性交感神経性ジストロフィーおよび強直性脊椎炎からなる群から選択される状態に関連する、請求項7に記載の方法。
  25. 哺乳動物において局所麻酔または局所的痛覚消失を生じさせるための方法であって、ベンズアミドを含む医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む方法。
  26. 前記局所麻酔または局所的痛覚消失が、知覚過敏、痛覚過敏、知覚不全、異疼痛、耳鳴りおよび神経節機能不全からなる群から選択される、増大した感覚機能に関連する状態を処置するために効果的である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記局所麻酔または痛覚消失が、神経障害性の痛みを有するか、または神経障害性の痛みを示す皮膚領域に対して局所的に施される、請求項26に記載の方法。
  28. 哺乳動物の皮膚領域における神経障害性の痛みの前記処置が、前記医薬組成物を含有する経皮パッチを前記皮膚領域に適用することを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 外傷性傷害に苦しんでいる患者を処置するための方法であって、下記の式Iのベンズアミド化合物:
    Figure 2006514056
    式中、nは1または2であり、Rは、アセチル、アルキル、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)、ハロ、ニトロおよびトリフルオロアルキルから選択される基であり、Rは3原子〜5原子の飽和アルキルであり、Rは1原子〜5原子のアルキルである、
    を医薬的に許容され得るキャリア中に含有する医薬組成物の効果的な量を前記患者に投与する工程を含む、方法。
  30. 前記外傷性傷害が中枢神経系に対する傷害である、請求項29に記載の方法。
  31. が、アミノ、アシルアミノ(NHCOR)またはニトロである、請求項8または29に記載の方法。
  32. がt−Buである、請求項31に記載の方法。
  33. nが1である、請求項32に記載の方法。
  34. nが1であり、Rが、4−アミノ、4−アシルアミノ(NHCOR)または4−ニトロであり、Rがt−Buである、請求項8または29に記載の方法。
  35. 前記組成物が経口投与される、請求項8または29に記載の方法。
  36. 前記組成物が非経口投与される、請求項8または29に記載の方法。
  37. 前記非経口投与が、局所的、尾骨、皮下、筋肉内、静脈内、神経周囲、腹腔内、硬膜外、鼻内、頭蓋内、局所的脳内、クモ膜下、脳室内、経皮、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記投与が注入ポンプによって行われる、請求項37に記載の方法。
  39. 前記組成物が直腸投与される、請求項8または29に記載の方法。
  40. 前記外傷性傷害が、外傷性脳傷害および脊髄傷害からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  41. 前記脊髄傷害が急性または慢性の脊髄傷害である、請求項40に記載の方法。
  42. 前記ベンズアミドが、
    N−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A);
    N−iso−プロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物B);
    N−tert−アミル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物C);
    N−メチルシクロプロピル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物E);
    N−iso−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物F);
    N−tert−ブチル−3−ニトロベンズアミド(化合物G);
    N−tert−ブチル−2−ニトロベンズアミド(化合物H);
    N−n−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物J);
    N−n−プロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物K);
    N−tert−ブチル−3,5−ジニトロベンズアミド(化合物L);
    N−1−メチルプロピル−4−ニトロベンズアミド(化合物M);
    N−tert−ブチル−4−アミノベンズアミド(化合物N);
    N−tert−ブチル−3−アミノベンズアミド(化合物P);および
    N−tert−ブチル−4−ニトロベンズアミド(化合物Q);
    からなる群から選択される、請求項8または29に記載の方法。
  43. 前記ベンズアミド化合物がN−tert−ブチル−4−アセトアミドベンズアミド(化合物A)である、請求項42に記載の方法。
  44. 哺乳動物において痛みを処置または防止するための方法であって、請求項1および請求項3〜5のいずれかに記載される医薬組成物の効果的な痛み処置用量または痛み防止用量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
  45. 帯状疱疹の突発を生じやすい患者の予防的処置、または化学療法を受ける予定である患者についての予防的処置のための方法であって、請求項1に記載される組成物の治療効果的な量を投与する工程を包含する、方法。
  46. 哺乳動物の脳または脊髄に対する外傷性傷害を処置するための方法であって、請求項2〜5のいずれかに記載される医薬組成物の効果的な脳外傷処置用量または脊髄外傷処置用量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
  47. 前記哺乳動物がヒトである、請求項44または46に記載の方法。
  48. 被験体において、痛みおよび/または外傷性傷害を処置するための組成物、ならびに/あるいは局所麻酔を生じさせるための組成物を調製するための化合物の使用であって、前記化合物がベンズアミドである、使用。
  49. 前記外傷性傷害は外傷性脳傷害および脊髄傷害を含む、請求項48に記載の使用。
  50. 痛みおよび/または帯状疱疹の突発を予防するための組成物、ならびに/あるいは、化学療法を受ける予定である患者に投与するための組成物を調製するための化合物の使用であって、前記化合物がベンズアミドである、使用。
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