JP2006512062A - トランスジェニック鳥類におけるタンパク質産生 - Google Patents

トランスジェニック鳥類におけるタンパク質産生 Download PDF

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Abstract

本発明は、レンチウィルスベクター系を用いて外因性遺伝物質を移行するトランスジェニック鳥類の作製方法に関する。本発明はさらに、トランスジェニック鳥類による、好ましくは卵白内でのタンパク質の生産、および鳥類の卵における発現の見込みの試験方法に関する。

Description

本発明は、トランスジェニック鳥類の作製および組換えタンパク質の産生に関する。より詳細には、本発明は、外因性遺伝物質による鳥細胞の形質導入の改善に関する。これにより、遺伝物質を鳥ゲノムに組み込んでその修飾が生殖細胞系列(germline)に組み込まれるようにし、その結果、コードされたタンパク質が鳥の卵の中で発現される。
バイオテクノロジー分野および医薬分野において、医薬グレードタンパク質の大量生産能力が益々重要になってきている。最近、市場におけるこのような製品、とりわけモノクローナル抗体製品の成功により、生産設備は、既に世界規模に拡大しているにもかかわらず重圧に直面している。この製造能力に対する高い要求をはじめ、その結果生じるプレミアの問題、生産スペース取得のための待ち時間の長さ、さらに、細胞系を用いたタンパク質産生に要するコストやこれに伴う種々の問題によって、各社は、伝統的な生産形態とは異なる生産方法を模索するようになった(アンダーソン(Andersson)およびマイナハン(Myhanan)、2001)。伝統的な組換えタンパク質製造方法は、例えば細菌細胞や哺乳動物細胞内で産生させるものであった。これに替わる一製造方法として出現したのがトランスジェニック動物やトランスジェニック植物を使用してタンパク質を産生させる方法である。
遺伝子修飾された(トランスジェニック)動物の最初の作製は、遺伝子操作によって得られた。すなわち、目的のタンパク質をコードする遺伝子を、ターゲット動物に組み込んだ。現在のトランスジェニック技術は、1968〜1981年に行われた一連の重要な実験、例えば、胚性幹細胞の胚盤胞注入によるキメラマウスの作製(ガードナー(Gardner)、1968)や、精子を用いたウサギ卵母細胞への外来DNAの移送(ブラケット(Brackett)ら、1971)、着床前胚盤胞へのウィルスDNA注入によるトランスジェニックマウスの作製(ジャニッシュ(Jaenisch)およびミンツ(Mintz)、1974)、マウスにおける前核注入によるトランスジーンの生殖細胞系列伝達(germlinetransmission)(ゴードン(Gordon)およびルドル(Ruddle)、1981)等を起源とするものである。トランスジェニック技法の歴史の初期においては、動物の遺伝的性質の改善ひいては木綿や肉、卵の収量の改善に焦点が当てられていた(カーティス(Curtis)およびバーンズ(Barnes)、1989;エッチズ(Etches)およびギビンズ(Gibbins)、1993)。しかしながら、近年においては、医療用途、例えば臓器移植やヒト疾患モデル、ヒト用途に特化したタンパク質の産生のためのトランスジェニック系の使用が注目されている。
種々のタンパク質系バイオ医薬が、トランスジェニックのマウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシのミルク中に適度なレベルで産生させることにより生産されてきたが、このような系は世代時間の長いものが多く、大型哺乳類の中には、初代トランスジェニックが生まれてからミルクを出すようになるまで数年かかるものもある。さらに、ミルクの生化学的複雑性やヒトと哺乳類の進化過程における保存性の相違に関する問題もある。進化過程における保存性の相違により、医薬を生産している哺乳類の体内で、その医薬に対する好ましくない反応が惹き起されることもある(ハーベイ(Harvey)ら、2002)。
医薬として重要なタンパク質、とりわけ組換えヒト抗体の媒体として使用できる可能性のあるものとして、鶏卵の使用に対する注目が高まっている。医療界が一年に必要とする治療用途の抗体の量は膨大であり、年間キログラム乃至メートルトンにもなるため、この不足を解決できる製造手法があれば、非常に有利であろう。一旦最適化さえされれば、鶏卵に基づく製造方法は、哺乳類細胞培養やトランスジェニック哺乳類系の使用に優る利点が幾つかある。
第1の利点は、ニワトリの世代時間は短い(24週)ことである。このため、トランスジェニック群はすぐに確立できるであろう。表1に、種々のトランスジェニック系の比較を示す。
第2の利点は、細胞培養に比べ、トランスジェニック動物作製設備への資本投資が非常に少ないことである。特別な処理装置は、細胞培養に必要な装置に比べ極力少なくできる(BioPharm、2001)。これら資本投資が少なくて済む結果、医薬の単位あたりの製造コストは、細胞培養により製造した場合に比べ低くなるであろう。さらに、トランスジェニック系を用いた場合、精製バッチサイズと精製頻度に関しかなりの柔軟性を持たせることができ、バッチサイズの最適化により精製における資本コストおよび運転コストをさらに削減することができる。
第3の利点は、より早く市場に出せるという点であり、これは、技術が商業的に実行できる程度にまで発展したときに明らかとなるであろう。トランスジェニック哺乳類は、ミルク1Lあたり数グラムのタンパク質を産生できるため、商業的大規模生産が可能である(ウエック(Weck)、1999)。哺乳類は、生産規模を拡大するのに要する時間に関してはそれ程大きな利点はない。というのは、ウシ、ヤギの妊娠期間はそれぞれ9ヶ月、5ヶ月であり(ダブ(Dove)、2000)、商業的に実行可能な群れを作るのに長くて5年もかかることがある。しかしながら、一旦群れを確率してしまえばミルクから高い収量で得られるようになるであろう。
Figure 2006512062
鳥類は世代時間が短いので、迅速な規模拡大が可能である。ニワトリの孵化期間は21日にすぎず、孵化後6ヶ月以内に成熟に達する。実際、群れの初代動物が確立されてしまえば、18ヶ月以内に群れが確立できる(ダブ(Dove)、2000)。生産能力の拡大は、ヒツジやヤギ、ウシの場合よりも簡単な方法で且つかなり迅速に達成できる筈である。
さらに別の利点は、卵が天然の殺菌容器であることである。細胞培養による生産方法に伴う本質的な一問題点は細菌汚染の危険である。これは、使用する媒体が栄養分に富んでいるため、細菌が増殖しやすいためである。これに比べ、トランスジェニックによる生産では、タンパク質が産生されるのは動物自身の体内であり、動物の体は殆どの感染に対し抵抗性を有しているため、感染の危険はより低い。鶏卵はさらに危険が低い。すなわち、卵は殻と膜の中に密封されているため、周囲とは充分に隔離されている。ヒトと鳥類の進化論的距離から見れば、両者に共通する疾患は殆どない。
さらに別の潜在的な利点は、ニワトリタンパク質の翻訳後修飾にある。現在、産生されるタンパク質に天然の糖プロファイルをどの程度上手く再生できるかという点が、生産技術の成功において鍵を握る要素として認識されている(パレック(Parekh)ら、1989;ルーティエル(Routier)ら、1997;モロウ(Morrow)、2001;ラジュ(Raju)ら、2000、2001)。細胞培養手法に使用される主要な細胞のタイプは、ハムスター由来またはマウス由来であり、ヒト細胞と同一の糖パターンをタンパク質上に形成しない(スクリップ(Scrip)、2001年6月8日)。哺乳類トランスジェニック系および、特に植物トランスジェニック系においては、種々の発現タンパク質について異なる翻訳後修飾を示す。糖プロファイルは、ヒト免疫系がタンパク質に対しどのように反応するかを定める極めて重要なものである。ラジュ(Raju)ら(2000)は、ニワトリグリコシル化タンパク質が有する糖プロファイルは、非ヒト哺乳類タンパク質の糖プロファイルよりもヒトグリコシル化タンパク質の糖プロファイルに類似しており、医薬品を開発する上で、非常に有利であることを見出した。
したがって、鳥類の卵、とりわけ鶏卵には、生産手段としての細胞培養や哺乳類または植物に基づく他のトランスジェニック生産システムに優る幾つかの大きな利点があることが分かる。これまで、トランスジェニック哺乳類の作製に用いた方法を鳥類の遺伝子操作に直接適用しても、放卵中の雌鶏の繁殖系特有の問題のため成功しなかった。雌鶏は、自然受精または人工授精後約10日間、受精卵を放卵する。放卵は1日1回であり、卵管の先端に卵子があるため、殆どすぐに受精が起こる。卵は、その後20〜24時間は卵管内に留まる。卵管内では、アルブメン(卵白)が卵黄を取り囲んでおり、プランピング液(plumping fluid)がアルブメンに添加されて、最終的に殻膜と卵殻自体とが形成される。この間の細胞分裂は活発であり、放卵までに、胚は、胞胚葉、すなわち比較的未分化の細胞約6万個からなる盤が卵黄上に形成された状態になる。
卵の形成過程は複雑であり、ニワトリ胚発生の最も初期のステージは他のステージに比べアクセスしにくい。初期ステージの胚にアクセスするのに使用される方法では、通常、ドナー雌鶏を犠牲にして胚を得るか、卵管への直接注入を用いる。これまでのトランスジェニック哺乳類作製方法は、殆ど受精卵のマイクロインジェクションのみに焦点を当てており、マイクロインジェクションによりDNAをin vitroで前核に注入し、操作後の卵を代理母に移行して満期まで生育する。この方法は雌鶏では実現できない。これまでに主に4種類のトランスジェニック鳥類創製方法が開発された。
第一は、芽盤の細胞質へのDNAマイクロインジェクションによりトランスジェニックニワトリを作製する方法である。放卵中の雌鶏の卵管から、最初の卵割分裂の前のニワトリ接合体を採取し、代理卵殻(surrogate shells)に移行後、操作し培養して孵化させる(ペリー(Perry)、1988;ロスリン(Roslin)US5011780およびEP0295964)。ラブ(Love)ら(1994)は、少なくとも12日の培養期間経過後に生残している胚を分析し、約半分の胚がプラスミドDNAを含んでいること、そして6%は細胞あたりのコピー数が1のレベルであることを示した。注入した卵子の全数の5.5%にあたる7羽の雛は性成熟まで成育した。そのうちの1羽の雄鶏は潜在的モザイクトランスジェニックトリとして特定されたが、この一羽はその子孫の3.4%にトランスジーンを伝達していた。これらトリは、安定したトランスジーン伝達を示すまで生育された。前核注入により作製されたトランスジェニックマウスと同様、プラスミドDNAの組込みは明らかにランダムイベントである。しかしながら、卵への直接DNAマイクロインジェクションは、トランスジーン組込み効率が低い(サン(Sang)およびペリー(Perry)、1989)。マイクロインジェクションを行った卵子の1%しかトランスジェニック胚を形成せず、孵化に至るのはこの内の10%であると見積もられる。この方法の効率は、培養胚の生存率および注入DNAの染色体組込み頻度を高めることにより改善できる。
第2の方法は、始原生殖細胞のin vitroトランスフェクションと、適切に準備されたレシピエントへの移植とを行うものである。始原生殖細胞の移行は成功し、移行した生殖細胞から生育可能な配偶子が得られている。しかしながら、トランスジェニック子孫を移行前の始原生殖細胞への遺伝子導入により得ることについては、何ら文献報告がない。
第3の方法は、癌遺伝子レトロウィルス由来の遺伝子導入ベクターを使用するものである。初期のベクターは複製可能(replication competent)であった(サルター(Salter)、1993)が、複製欠陥を有するベクターも発生した(米国特許5162215、WO97/47739等参照)。これらの系は、A型細網内皮症ウィルス(REV−A)または鳥類白血病ウィルス(ALV)を用いている。これらベクターの初代トランスジェニックトリ作製効率は低く、これら初代からのベクター遺伝も効率的でない(ハーベイ(Harvey)ら、2002)。文献が示唆する低タンパク質発現レベル(ハーベイ(Harvey)ら、2002)からわかるように、これらベクターはまた、保持しているトランスジーン発現のサイレンシングの影響を受けてしまうことがある。
第4の方法は、ニワトリ胚細胞をin vitroで培養した後、これら培養細胞をレシピエントの胚に導入してキメラのトリを作製するものである(ペイン(Pain)ら、1996)。この胚細胞には、キメラ作製前にin vitroで遺伝修飾を行うことができ、この場合キメラのトランスジェニックトリが作製される。しかしながら、遺伝的修飾を施した細胞からの生殖細胞系列伝達(germline transmission)についての報告はされていない。
上記のように、ALVやREV等のウィルス由来のレトロウィルスベクターについて多くの研究がなされてきたが、このようなベクターには制限があるため、さらに広範な用途での使用の障害となっている。このようなウィルスベクターの研究開発の多くは、遺伝子治療用途における使用に基づくものであり、成果として、レンチウィルスに基づくベクターは非分裂細胞を感染させることができることが示された。これは明らかに、臨床遺伝子治療用途に有利である。レンチウィルスは、ヒト免疫不全ウィルスHIV−1および2、類人猿免疫不全ウィルス(SIV)等の種々の霊長類ウィルスや非霊長類ウィルス(例えばマエディ・ビスナウィルス(MVV)、ネコ免疫不全ウィルス(FIV)、ウマ伝染性貧血ウィルス(EIAV)、ヤギ関節炎・脳脊髄炎ウィルス(CAEV)、ウシ免疫不全ウィルス(BIV))を含むレトロウィルスのサブグループである。これらウィルスはとりわけ遺伝子治療処置の開発において注目されている。というのは、レンチウィルスは宿主細胞DNAへの不可逆組込みという一般的なレトロウィルス特性を有しているだけでなく、既に述べたように、非増殖細胞を感染させる能力を有するためである。レンチウィルス以外の種のレトロウィルスは細胞増殖状態に依存性があるため、遺伝子導入媒体としての使用に何らかの制限が生じてしまう。レンチウィルス感染の生物学的側面については、コフィン(Coffin)ら(1997)やサンジャイ(Sanjay)ら(1996)を参照することができる。
ウィルスベクターの設計において考慮すべき重要な点は、細胞のゲノムに安定して組み込まれる能力である。これまでの研究から、遺伝子導入媒体としての癌レトロウィルスベクターを使用しても、発生過程における遺伝子サイレンシング作用のため、幾分限定された成功しか得られないことが分かっている。ジャナー(Jahner)ら(1982)は、モロニーマウス白血病ウィルス(MoMLV)等に基づくベクターの使用は、発生フェーズにおけるウィルスのサイレンシングのため、トランスジェニック動物作製には適さず、トランスジーンの発現は非常に低いことを示した。したがって、トランスジェニックトリの作製に使用するためのウィルスベクターはいずれも遺伝子サイレンシングを示さないことが必須である。マウスに関するファイファー(Pfeifer)ら(2002)やロイス(Lois)ら(2002)の研究により、HIV−1に基づくレンチウィルスベクターは発生の過程においてサイレンシングされないことが示されている。
レンチウィルスベクターに関する開発研究は全体として、HIV−1系に焦点を当てている。これは主に、HIVは、ヒトにおける高い病原性のためレンチウィルスの特徴を最も良く現しているからである。このようなベクターは、調節遺伝子や付属遺伝子を除去して複製させないようにすることにより、複製不可能となるように遺伝子操作されることが多い。これらベクターのうち最も進んだものは、調節遺伝子の殆ど全てと付属遺伝子の全てを取り除いた程度まで極力小さくしたものである。
レンチウィルス属は、例えば、類似のゲノム構成、類似の複製サイクル、成熟マクロファージを感染させる能力等、多くの類似した特徴を有している。(クレメンツ(Clements)およびペイン(Payne)、1994)。このようなレンチウィルスの一例はウマ伝染性貧血ウィルス(EIAV)である。レンチウィルス属の他のウィルスと比較すると、EIAVのゲノムは比較的単純である。すなわち、ゲノムを構成する遺伝子は、レトロウィルスgag、pol、env遺伝子の他、3の調節/付属遺伝子(tat、revおよびS2)だけである。安全で効率的なレンチウィルスベクター系の開発は、ベクター自体の設計に依存する。形質導入ベクター機能を保持したままベクターのウィルス成分を極力少なくすることが重要である。あるEIAV由来のベクター系は、分裂細胞および非分裂細胞を形質導入し、HIV系ベクターと同程度の効率を示した(ミトロファナス(Mitrophanous)ら、1999)。癌レトロウィルスベクター系およびレンチウィルスベクター系は、形質導入可能な細胞の種類および種の範囲を広げるように修飾することができる。これは、ウィルスのエンベロープ糖タンパク質を他のウィルスのエンベロープタンパク質に置換することにより達成できる。他のウィルスのエンベロープタンパク質としては、アンホトロピックMLVエンベロープ糖タンパク質(ページ(Page)ら、1990)、バキュロウィルスGP64エンベロープ糖タンパク質(クマール(Kumar)ら、2003)、アデノウィルスAD5繊維タンパク質(ボン・セゲン(Von Seggern)ら、2000)、狂犬病G−エンベロープ糖タンパク質(マザラキス(Mazarakis)ら、2001)、水疱性口内炎ウィルスG−タンパク質(VSV−G)(イー(Yee)ら、1994)等が挙げられる。また、VSV−Gのシュード・タイピング(pseudotyping)を使用すると、ウィルス粒子の安定性が増し、より高い力価でウィルスを産生できる。
本発明の目的は、トランスジーンコンストラクトを鳥類胚細胞に導入し、組織内、特に卵管を覆う細胞内で遺伝子を発現するトランスジェニックトリを創製し、翻訳されたタンパク質がその卵に取り込まれるようにする効率的な方法を提供することである。但し、遺伝子を発現させる組織はこれらに限定されるものではない。
本発明の別の目的は、鳥類胚細胞へ遺伝子を導入し、トランスジーンが生殖細胞の一部または全部に安定して取り込まれたトランスジェニックトリを創製するための媒体および方法を提供することである。その結果、トランスジーンはそのトランスジェニックトリの子孫の一部に伝達される。この生殖細胞系列伝達の結果、初代トリの子孫の一部は、変更された遺伝子型を示すようになる。
本発明のさらに別の目的は、生殖系列トランスジェニックトリを高効率で作製でき且つトランスジーンの信頼性の高い発現を可能とする、鳥類の効率的な遺伝子修飾方法を提供することである。
本発明によると、レンチウィルスベクター系を用いて外因性遺伝物質を鳥類の胚細胞または精巣細胞に移行する段階を含む、トランスジェニック鳥類の作製方法が提供される。
レンチウィルスベクター系は、鳥類の胚細胞または精巣細胞のゲノムに移行されうるあるいは該ゲノムに組み込まれうる形態のレンチウィルストランスジーンコンストラクトを含む。
好ましくは、レンチウィルスベクター系の移行または組込みは、細胞分裂が数回(a few)しか行われていない初期卵割等の発生初期ステージで行う。
一実施形態においては、レンチウィルストランスジーンコンストラクトを、開いた卵の内容物の胚下腔(subgerminal cavity)に注入し、その後この卵を発育させる。
代理卵殻のペリー培養系を用いることができる。
別の方法としては、卵に窓を開けるボッセルマン(Bosselmann)らの方法またはスペックスニジャー(Speksnijder)とイヴァリエ(Ivarie)の方法を使用できる。これらの方法では、放卵されたばかりの卵の胚へのアクセスは、卵の殻に窓を切り欠き、レンチウィルスベクター系を胚の胚下腔に注入することにより行う。その後、卵を密封してインキュベートする。
別の実施形態においては、コンストラクトは卵の胞胚下腔に直接注入される。
通常、前記遺伝物質はタンパク質をコードしている。
前記遺伝物質は、ヒトおよび/または脊椎動物のための治療および診断等の各種用途に使用される多種のタンパク質のいずれかをコードすることができる。また、この遺伝物質は、抗体、抗体断片、抗体誘導体、一本鎖抗体断片、融合タンパク質、ペプチド、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、成長因子、任意の組換えタンパク質をコードする配列を含むことができる。
このようにして、本発明はトランスジェニック鳥類を提供する。
好ましくは、本発明の方法により作製されたトランスジェニック鳥類の生殖細胞の少なくとも一部には、前述の遺伝物質が、トランスジェニック鳥類の子孫の少なくとも一部に伝達されるように組み込まれている。
また、本発明は、トランスジェニック鳥類の作製におけるレンチウィルスベクター系の使用を提供する。
驚くべきことに、本発明に記載されたレンチウィルストランスジーンコンストラクトの使用により、鳥類の胚の生殖細胞の形質導入が意外な程高効率で行えることがわかった。得られた鳥類はさらに、組み込まれたベクターを、子孫の大きな割合を占める部分に伝達し、ベクターに保持されたトランスジーンの発現レベルは比較的高い。
このようにして本発明は、さらに後代のトランスジェニック鳥類を提供する。
本発明はさらに、レンチウィルスベクターコンストラクト内に存在するタンパク質コード遺伝物質を鳥類胚細胞に移行し、組織内でこの遺伝物質を発現するトランスジェニック鳥類を創製する段階を含む、鳥類における異種タンパク質産生方法を提供する。
好ましくは、トランスジェニック鳥類は前記遺伝子を卵管において発現し、翻訳されたタンパク質が卵に取り込まれる。
次いでタンパク質は、公知の方法により卵から単離できる。
本発明は、トランスジェニック鳥類の作製のための、レンチウィルスコンストラクトの使用を提供する。
本発明は、トランスジェニック鳥類におけるタンパク質産生のための、レンチウィルスベクターコンストラクトの使用を提供する。
好ましくは、レンチウィルスベクターコンストラクトは、特定の組織、好ましくは卵白または卵黄において異種タンパク質を発現させるために使用される。
この用途に用いるレンチウィルスは任意のレンチウィルスベクターとすることができるが、好ましくは、EIAV、HIV、SIV、BIVおよびFIVからなる群から選択される。
特に好ましいベクターはEIAVである。
市販のレンチウィルスベクターはいずれも、外因性遺伝物質を移行するためのコンストラクトの基礎として好適に使用できる。
好ましくは、コンストラクトは、後にタンパク質を産生するのに適したエンハンサープロモーター要素を含む。
レンチウィルスベクターコンストラクトと共に特定のプロモーターを用いることもでき、この場合DNAコード配列は組織特異的に発現する。このプロモーターとしては、CMVやpCAGGS等のプロモーターや、鳥類の卵において通常発現するタンパク質に基づく任意のプロモーター、例えばオボアルブミン、リゾチーム、オボトランスフェリン、オボムコイド、オボスタチン、リボフラビン結合タンパク質、アビジン等が挙げられる。
好ましくは、ベクターコンストラクト粒子は市販のパッケージングシステムによりパッケージ化され、エンベロープ、通常はVSV−Gエンベロープを有するベクターが産生される。
通常、ベクターは、ATCCから入手可能な受託番号VR−778のEIAV、または他の市販のベクターに基づくものとすることができる。
市販のレンチウィルス系ベクターは、本発明の各方法において使用するためには、生きたウィルスを産生することなく多様な種を感染させることができ、且つ細胞毒性または組織毒性を惹き起こさないものでなければならない。
本発明の各方法によって任意のトランスジェニック鳥類を作製することができる。鳥類としては、ニワトリ、七面鳥、アヒル、ウズラ、ガチョウ、ダチョウ、キジ、クジャク、ホロホロチョウ、ハト、ハクチョウ、チャボ、ペンギン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらレンチウィルスに基づくベクター系の遺伝子転換能(transgene capacity)は大きく、抗体コードコンストラクト等の大型のタンパク質コードコンストラクトを保持することができる。
好ましいレンチウィルスベクター系は、オックスフォードバイオメディカ(Oxford BioMedica)のLentiVector(R)系である。
本発明はさらに、鳥類卵管細胞におけるタンパク質の発現をin vitroで測定する段階を含む、タンパク質発現の見込みをin vivoで測定する方法を提供する。
したがって、本発明は、タンパク質発現の見込みをin vivoで測定するための、鳥類細胞のin vitroでの使用を提供する。
本発明によれば、トランスジーンコンストラクトを鳥類胚細胞に導入し、組織内、特に卵管を覆う細胞内で遺伝子を発現するトランスジェニックトリを創製し、翻訳されたタンパク質がその卵に取り込まれるようにする効率的な方法を提供することができる。
次に、各種実験および添付図面を参照しつつ本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実験に限定されるものではない。
(実験1)
発生ステージX−XIII(イヤル−ギラディ(Eyal-Giladi)およびコチャブ(Kochav)、1976)のニワトリ発生胚を含む放卵されたばかりのニワトリ受精卵を得た。その内の1個の卵を開き、内容物を皿に移し、レンチウィルスベクターウィルス粒子の浮遊液(2〜3μL)を胚下腔(発生胚の下、卵黄の上)に注入した。使用したベクターは、ウマ伝染性貧血ウィルス(EIAV)由来であり、CMV(サイトメガロウィルス)エンハンサー/プロモーターの制御下においてレポーター遺伝子(β−ガラクトシダーゼ(lacZ))を保持していた。パッケージングシステムを用いてベクターウィルス粒子を発育させ、VSV−Gエンベロープを有するベクターを作製した。形質導入ウィルス粒子の濃度はおよそ5×10〜1×10/mLであった。ペリー培養系(Perry、1988)の第2相および第3相を用いて培養し胚を発生させた。2日間インキュベーションした胚12個を取り出してlacZの発現について解析した。3日間インキュベーションした胚12個も同様に解析した。胚とその周囲の膜を切開して卵黄から切り離し、固定後、染色してlacZレポーター遺伝子の発現を検出した。全ての胚が、胚とその周囲の膜の幾つかの細胞においてlacZの発現を示した。発現は、胚に近い発生胚外膜において最も高く、解析した胚の内の少数の細胞に限定されていた。これらの結果から、全ての胚が、注入したレンチウィルスベクターによりうまく形質導入できたことが分かる。
(実験2)
さらなる実験においては、産卵された40個の卵の各々の胞胚下腔に、EIAVベクター(2〜3μL、力価5×108/mL)の浮遊液を注入した。13羽(33%)の雛が孵化したが、これらをスクリーニングしてレンチウィルスベクター配列を有するトランスジェニック子孫を特定した。すなわち、孵化した個々の雛から残存した胚外膜試料を採取し、ゲノムDNAを抽出し、レンチウィルスベクター配列に特異的なプライマーを用いたPCRによりDNA解析を行った。このような篩い分けにより、11羽(85%)の雛をトランスジェニックとして特定した。ベクター配列は胚外膜にコピー数0.4%〜31%で検出されたことから、これら雛はベクター組込みに関しモザイクであることがわかる。この結果は予想通りである。というのは、胚を構成する細胞数が少なくとも6万個以上のステージでベクターを注入したためである。胚の全細胞がウィルスベクターによって形質導入されベクター組込みに関しキメラな雛が得られるという可能性は低い。この11羽の雛を性成熟まで育てたところ、7羽が雄性であることが分かった。これら雄鶏が16〜20週齢に達したとき、精液試料を採取した。これら試料のDNAをPCRにより測定したところ、7羽の雄鶏の精液にレンチウィルスベクター配列が含まれ、そのレベルは0.1%〜80%と見積もられた。試料の大半は、ベクター配列の含有レベルが10%を超えていた。このことから、これら雄鶏の子孫の少なくとも10%はトランスジェニックになるであろうことが示唆される。1羽の雄鶏(コード番号:LEN5−20)から精液を採取した。この雄鶏の血液試料中のDNAにおけるウィルスベクターのコピー数は予め6%と見積もられていた。精液試料から求めたコピー数は80%であった。この精液を用いて家畜用の雌鶏を受精し、受精卵を回収してインキュベートした。3日間のインキュベーション後、9個の胚を採取しPCRにより測定してトランスジェニック胚を特定し、染色してlacZレポーター遺伝子の発現を調べた。9個の胚の内、3個がトランスジェニックであり、この3個は全てlacZを発現していたが、発現レベルは非常に低く発現が見られたのは少数の細胞のみであった。インキュベーションを10日間行った胚を12個採取し、上と同様に測定した。6個の胚がトランスジェニックとして特定され、4個においてlacZの発現が認められた。この内の1個の胚においては数組織において高い発現が見られたが、これ以外の3個における発現レベルはこれより低かった。これらの結果から分かるように、雄鶏LEN5−20の子孫の43%がトランスジェニックであった。レンチウィルスベクターが保持するレポーターコンストラクトの発現は、個々のトランスジェニック雛毎に異なっていた。ベクターゲノムのコピーが組み込まれる染色体部位は個々の雛によって異なり、そのためトランスジーンの発現が影響されるのであろう。また、雛によっては複数コピーのトランスジーンを有する場合もあろう。
ここに記載した結果から、特定のEIAV由来レンチウィルスベクター(VSVエンベロープタンパク質でシュード・タイピングしたもの)は、非常に高効率でニワトリ胚の生殖細胞に形質導入を行うことができることが分かる。この結果得られたトリは、組み込まれたベクターを多数の子孫に伝達する。ベクターに担持されるトランスジーンが発現すると、機能的タンパク質が比較的高レベルで得られる。ベクターに担持するトランスジーンは、特定の組織において外来タンパク質を発現するように設計することができる。
レンチウィルスベクターの雛への導入は、上の例において記載した方法を変形して、種々の発生ステージにおいて行うことができる。
ウィルス浮遊液は、放卵されたばかりの卵の胞胚葉胚の上に注入することができる。ウィルス浮遊液は、受精したばかり、すなわち初期卵割ステージからステージX(イヤル−ギラディ(Eyal-Giladi)およびコチャブ(Kochav)、1976)の卵に注入することができ、この注入はペリー培養法(1988)を用いて、または卵管から採取した卵を卵細胞移入(ovum transfer)によりレシピエント雌鶏に戻すことにより行うことができる。
ウィルス浮遊液は、放卵されたばかりの卵の胞胚葉胚の上または下に注入することもできる。この場合、卵の殻を切り欠いて設けた窓からアクセスする。窓は再度シールして、卵をインキュベートし孵化させる(ボッセルマン(Bosselmann)ら、1989)。
ウィルス浮遊液は、雄鶏の精巣に注入することもできる。この場合、精液を検査し、精原細胞の形質導入およびその結果であるトランスジェニック精子の発育を検出する。
(実験3)
(材料および方法)
(各種EIAVベクター、ウィルスストックの調製)
ベクターpONY8.0cZおよびpONY8.0Gについては既に文献記載されている(ファイファー(Pfeifer)ら、2002)。ベクターpONY8.4GCZは複数の修飾を有しており、これには、5’LTRの下流のeGFPを発現させるためgag由来領域の全てのATG配列のATTGへの変更が含まれる。3’U3領域は、モロニー白血病ウィルスU3領域を含むように修飾されていた。ベクターストックはHEK293T細胞のFuGENE6(ロッシュ、英国ルイス)トランスフェクションにより作製した。細胞を2μgのベクタープラスミド、2μgのgag/polプラスミド(pONY3.1)、および1μgのVSV−Gプラスミド(pRV67)(Loisら、2002)と共に10cmの皿に入れ、トランスフェクションの36〜48時間後、上清を濾過(0.22μm)して−70℃で保存した。ベクター濃縮調製物は、まず低速遠心分離(6000×g)を4℃で16時間行った後、超遠心分離(50500×g)を4℃で90分行ない調整した。ウィルスは定式化バッファ(formulation buffer)(ロイス(Lois)ら、2002)に2〜4時間再浮遊させておき、分液して−80℃で保存した。
(トランスジェニックトリの作製と解析)
放卵したばかりの卵の胞胚葉胚の下の胚下腔に約1〜2μLのウィルス浮遊液をマイクロインジェクションした。胚をインキュベートし、代理卵殻ex vivo培養系(カリタ(Challita)およびコーン(Kohn)、1994)のフェーズIIおよびIIIを用いて孵化させた。発生から12日以上経過後、培養中に死んだ胚のCAMからPuregeneゲノムDNA精製キット(フローゲン(Flowgen)、英国アシュビー・デ・ラ・ズーシュ)を用いてDNAを抽出した。ゲノムDNA試料は孵化したての雛のCAMから得た。血液試料は、生育したトリから得た。精液は成熟した雄鶏から得た。PCR解析を50ngのDNA試料を用いて行ない、プロウィルス配列の存在を調べた。コピー数を求めるため、ニワトリゲノムDNAの50ngずつのアリコートに対して対照PCR反応を同時並列的に行った。すなわち、Perry、1988に記載のように、ベクタープラスミドDNAを、単一コピー遺伝子(1×)、10倍希釈液(0.1×)および100倍希釈液(0.01×)と同量だけ添加した。プライマーは、5’CGAGATCCTACAGTTGGCGCCCGAACAG3’および5’ACCAGTAGTTAATTTCTGAGACCCTTGTA−3’を用いた。個々のGトリにおけるプロウィルスの挿入の数はサザントランスファーにより測定した。全血から抽出したゲノムDNAはXbaIまたはBamHIで切断した。切断したDNAは、0.6%(w/v)アガロースゲル上で分離した後、ナイロン膜に移した(Hybond−N、アマーシャムファルマシアバイオテク、英国アマーシャム)。膜は、レポーター遺伝子lacZ用またはeGFP用の32P標識プローブと65℃でハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションはオートラジオグラフィーで検出した。実験、動物の飼育および管理の手続きは全て英国内務省(Home Office)のライセンスの下で行なった。
(発現の解析)
成体の組織を分離し、パラホルムアルデヒド4%とグルタルアルデヒド0.25%とを含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で30分間固定した。組織は凍結包埋(cryo-embedded)し14μmに切断した。5mMフェリシアン化リン、5mMフェロシアン化リン、2mM MgCl、0.5mg/mL X−gal中37℃で90分(切断物)または4時間(胚)インキュベートしてβ−ガラクトシダーゼ活性を測定した。孵化したばかりの鶏のGFP画像は、富士フィルムデジタルカメラ(ニコン60mmレンズ)を用いてGFsP−Sレンズ系(BLS社、チェコ共和国)により撮影した。選択された組織を瞬間凍結し、プロテアーゼインヒビター(コンプリート・ミニ;ロッシュ社、英国ルイス)を含有するPBSにホモジナイズして全タンパク質を抽出した。タンパク質濃度はブラッドフォードアッセイにより測定した。タンパク質抽出物50μg(図4)(または100μg(図3))12%ポリアクリルアミドゲル(インビトロジェン、英国ペイズリー)上で分離しPDVF膜に移した。膜をマウス抗β−ガラクトシダーゼ抗体(プロメガ、英国サザンプトン)1:5000希釈物およびロバ抗−マウスIgG−HRP抗体(サンタクルズバイオテク(Santa Cruz Biotech))1:2000希釈物と共にインキュベートし、ECLウェスタンブロッティング検出システム(アマーシャムバイオサイエンス、英国アマーシャム)を用いて視覚化した。ELISAは、β−gal ELISAキット(ロッシュ、英国ルイス)を用いて行なった。
(結果)
(図中の記号等の詳細な説明)
(図1.この検討に用いた各種EIAVベクターの概略の説明)
薄い灰色の四角はEIAVパッケージングシグナルを示し、pONY8.4GCZにおいて斜線を付した四角はMLV U3領域を示す。サザンブロット解析に用いた制限部位(XbaI[X]、BstEII[B])が示されている。レポーター遺伝子lacZをプローブとして用いた(図2)。
(図2.プロウィルスの挿入を調べるために行なった、個々のトリ個体からのゲノムDNAのサザントランスファー解析)
ゲノムDNA試料をXbaI(a、c、d)またはBstEII(b)で切断し、lacZ用のプローブとハイブリダイズした。(a、b)Gトリ番号1−4(表2)のG子孫の内の14羽を解析したところ、Gトリには複数のプロウィルス挿入物があることが分かった。(c)Gトリ番号2−2/19(レーン1)およびそのG子孫14羽(レーン2〜15)と、(d)Gトリ2−2/6(レーン1)およびそのG子孫9羽(レーン2〜10)とを解析したところ、生殖細胞系列伝達後もプロウィルス挿入物が安定していることが分かった。
(図3.pONY8.0cZ−GトランスジェニックトリおよびpONY8.0G−Gトランスジェニックトリにおけるレポーター遺伝子の発現)
a:5羽のG成鳥から肝臓、心臓、骨格筋、脳、卵管、皮膚、脾臓、腸、腎臓、膵臓および骨髄のタンパク質抽出物を得て、ウェスタンブロット解析を行なった。各成鳥には、pONY8.0cZが単一コピー、独立挿入物として含まれている。各レーンに100μgのタンパク質を載せ、β−ガラクトシダーゼタンパク質を実験プロトコルに記載の方法で検出した。b:Gトリ2−2/19から皮膚、膵臓、および腸の一部を切断しこれを染色してβ−ガラクトシダーゼ活性を測定した。対照用非トランスジェニックトリの比較用切断部についても同様に測定した(矢頭は皮膚の上皮、腸の絨毛を示す)。太線=0.5mm。c:単一コピーのトランスジェニックトリおよび野生のトリからの胸筋、膵臓および皮膚の一部をGFP蛍光により視覚化した(矢頭は皮膚の上皮を示す)。太線=0.5mm。
(図4.pONY8.4GCZ−Gトランスジェニックトリにおけるレポーター遺伝子の発現)
a:単一コピーのGトリからの組織の一部を染色しβ−ガラクトシダーゼ活性を調べた(矢印は腸の平滑筋を示す)。太線=0.5mm。パネルA:高倍率の卵管部。矢印は、断面で示す管状腺と並んでいる細胞を特定している。太線=0.05mm。b:pONY8.0cZおよびpONY8.4GCZの各系統においてβ−ガラクトシダーゼタンパク質のレベルを測定した。データポイントは独立した3つの実験から得た。
(図5.Gトランスジェニックトリにおけるレポーター遺伝子の発現)
a:G雄鶏2−2/19および2−2/6ならびにそれらのG子孫2羽ずつの腸、皮膚、肝臓および膵臓から抽出されたタンパク質のウェスタン解析。b:上のパネル:トリ(ID4−1)の5羽のG子孫。この内の左側の4羽のトリはpONY8.0Gについてトランスジェニックであり、eGFPを発現する。右側のトリはトランスジェニックではない。下のパネル:トリ(ID4−1/66)の5羽のG子孫。中央のトリはトランスジェニックではない。
(図6.pONY8.4GCZ−Gトリのウェスタン解析)
4羽のG成鳥から肝臓、心臓、骨格筋、脳、卵管、皮膚、脾臓、腸、腎臓、膵臓および骨髄のタンパク質抽出物を得てウェスタンブロット解析を行なった。各成鳥には、pONY8.0cZが単一コピー、独立挿入物として含まれている。各レーンに100μgのタンパク質を載せ、β−ガラクトシダーゼタンパク質を実験プロトコルに記載の方法で検出した。
(図7.pONY8.0cZ−Gトランスジェニックトリにおけるレポーター遺伝子の発現)
2−2/19のG子孫からの皮膚、膵臓および腸(矢頭は上皮を示し、矢印は羽嚢を示す)の一部を染色しβ−ガラクトシダーゼ活性を調べた。対照である非トランスジェニックトリの比較用の部分も同様に測定した。太線=0.5mm。
(Gトランスジェニックトリの作製)
3種の自己不活性EIAVベクター(図1)を用いた。これらを水疱性口内炎ウィルス糖タンパク質(VSV−G)でシュード・タイピングした。これらベクターはこれまでにも、数種の動物モデル系においてin vitroまたはin vivoで種々の組織の形質導入を行うのに使用されている(ファイファー(Pfeifer)ら、2002;ロール(Rholl)ら、2002;コルコラン(Corcoran)ら、2002;アズーズ(Azzouz)ら、2002)。pONY8.4ベクターは、pONY8.0を修飾して得た。すなわち、5’LTRのモロニーマウス白血病ウィルス(MoMLV)配列を置換し、ウィルスenv遺伝子の大半を欠失させた。ベクター調製物を濃縮して力価を約10〜1010形質導入ユニット/mL(T.U./mL)とした。1〜2μLの濃縮ベクターを放卵されたばかりの卵の発生胚盤の下方の胚下腔に注入し培養して孵化させた。孵化したG雛の漿尿膜(CAM)からゲノムDNAを抽出しPCRにより解析し、EIAVパッケージング部位配列を検出した。存在するゲノムDNAの量に関するベクターの概略コピー数を求めたところ、ゲノムあたり1コピー〜0.01コピー等量の範囲であった(実験プロトコル参照)。全ての雛を性成熟まで生育し、雄の精液試料から得たゲノムDNAを同様にPCRによりスクリーニングした。
4種の実験を行った。ウィルスpONY8.0cZの注入は、実験3.1では力価5×10T.U./mLで、実験3.2では5×10T.U./mLで行った。実験3.3では、ウィルスpONY8.4GCZの注入は7.2×10T.U./mLの濃度で行い、実験3.4ではpONY8.0Gは9.9×10T.U./mLで使用した。4種の実験においては全部で73個の卵に注入したが、その内20個(27%)の卵が孵化し雛となった。各実験において得た孵化した雄性および雌性の雛についてPCRスクリーニングを行った結果を表2に示す。20羽のGトリの内14羽はベクター配列を含んでおり、そのレベルは0.5〜0.01コピー/ゲノム等量であった。同様の濃度で注入した場合、ベクターpONY8.0cZはベクターpONY8.4GCZよりも効率的にニワトリ胚に形質導入を行った。これは恐らく、ウィルスDNAゲノムの核内移行(nuclear import)に関与するウィルスcPPT配列が存在するためである(Loisら、2002)。この結果からさらに、トランスジェニックトリは、力価が5×10T.U.mLと低くても作製できるが、使用する力価が高い程、形質導入頻度は増加することが分かる。
(G雄鶏からの生殖細胞系列伝達)
性成熟に達した16〜20週齢のGの雄12羽から精液試料を採取した。これら試料から抽出したゲノムDNAのPCRスクリーニングの結果を表2に示す。この結果から、孵化時に行ったスクリーニングにおいてトランスジェニックでないと判断されたものを含め、全ての雄鶏の生殖細胞系列(germline)にベクター配列が存在することが分かった。これを確認するため、この12羽の雄鶏の内の10羽を家畜用雌鶏と交配させて成育し、得られたG子孫をスクリーニングしてトランスジェニックトリを特定した。10羽の雄鶏は全てトランスジェニック子孫を作り、その頻度は4%〜45%であった。この生殖細胞系列伝達頻度は、精液DNAのPCR解析からの予想に非常に近いものであったが、全てのケースにおいて、孵化時に採取したCAM試料のDNA解析から予想した値よりも高いものであった。数羽の雄鶏から血液試料を採取しPCR解析を行ったところ、その結果は、CAMのDNA解析の結果と非常に適合していた(データは示さず)。この結果から、生殖系列を用いた形質導入の頻度は、体細胞組織を用いた形質導入の頻度より約10倍高いことが示唆される。
(Gトランスジェニックトリの解析とGへの伝達)
初代トランスジェニックトリに形質導入を行った発生ステージでは、胚を構成する細胞数はおよそ6万個であり、その内の約50は始原生殖細胞になると考えられる(ビエネマン(Bienemann)ら、2003;ギンスバーグ(Ginsburg)およびイヤル−ギラディ(Eyal-Giladi)、1987)。我々は、各Gトリは、個々の始原生殖細胞の別個の形質導入イベントの結果得られること、および、トリが異なればプロウィルス挿入物も独立的に異なり、単一生殖細胞前駆体の形質導入を示すこと、を予想した。さらに、個別の細胞が複数のプロウィルス挿入物を有することも可能であろう。4羽のG雄鶏にはpONY8.0cZを形質導入したが(実験3.1および3.2)、これらの鶏から選択したものをさらに、トランスジェニック子孫の解析に用いた(表3)。各Gトリから得たゲノムDNAをサザンブロットにより解析した。試料をそれぞれ制限酵素XbaIまたはBstEIIで切断した。これら制限酵素が切断を行う位置は、組み込まれたEIAVプロウィルス内であるがプローブ領域の外側である(図1)。これら制限酵素をプローブとハイブリダイズして、組込み部位におけるプロウィルス挿入物とゲノムDNAの結合を示すであろう制限断片を特定した。これにより、各Gトリ内のプロウィルス挿入物数および解析した各Gの子孫に存在する、互いに異なる挿入物の種類数を求めることができた。この解析の例を図2a、bに、その結果の概要を表3に示す。Gトリの大半は単一コピーのプロウィルス挿入物群(single proviral insertions)を保持していたが、数羽は複数コピーを含み、1羽のトリにおいては最大数の4コピーが検出された。各Gトリの子孫には同一のプロウィルス挿入物を有するものがあった。これら子孫は、同一の生殖細胞前駆体由来であることがわかる。
トリ2−2のG子孫の3羽の雄(2−2/6、16、19)を家畜用雌鶏と交配させ、G世代への伝達頻度を解析した。雄鶏2−2/6と2−2/19は単一コピーのプロウィルス挿入物を有しており、トランスジェニック子孫対非トランスジェニック子孫の比は14/30(47%)および21/50(42%)であり、予想されるメンデル比とは大きく違わなかった。雄鶏2−2/16は2個のプロウィルス挿入物を有しており、G子孫の79%(27/34)がトランスジェニックであった。これは、2個の挿入が独立した伝達であることを反映している。サザントランスファー解析により、トリ2−2/6およびトリ2−2/19に存在するプロウィルス挿入物と、それらのG子孫それぞれ9羽および14羽のプロウィルス挿入物とを比較した(図2c、d)。親および子において、同一の制限断片を観察したところ、一度ゲノムに組み込まれたプロウィルスは安定であることがわかった。
(GおよびGトランスジェニックトリにおけるトランスジーンの発現)
ベクターpONY8.0cZおよびpONY8.4GCZは、ヒトサイトメガロウィルス(CMV)極初期エンハンサー/プロモーター(CMVp)の制御下にあるレポーター遺伝子lacZを保持しており、pONY8.0Gは、同じくCMVpに制御されるレポーターeGFPを保持している。lacZの発現の解析は、組織の一部を染色してβ−ガラクトシダーゼ活性を測定することにより、および成鳥から分離した選択した組織からのタンパク質抽出物をウェスタン解析してβ−ガラクトシダーゼタンパク質を特定することにより行った。eGFPの発現はUV照射により調べた。
異なる単一コピーのプロウィルス挿入物を含む7羽のpONY8.0cZ−Gトリの種々の組織からタンパク質抽出物を作製した。各トランスジェニックトリの幾つかの組織において、予想通りの110kDaのタンパク質が検出された。膵臓においては安定して高発現を示したが、肝臓、腸、骨格筋等の組織に存在するタンパク質レベルはより低かった。これらのトリの内の5羽の解析結果を図3aに示す。ウェスタンブロットの曝露時間をより長くしたところ、殆どの組織においてβ−ガラクトシダーゼが検出された(データは示さず)。どのトリにおいても一貫した発現パターンが見られたが、タンパク質の総量は異なっていた。pONY8.0cZ−G成鳥から得た組織の一部を染色した(図3b)。膵臓外分泌部全体の他、皮膚上皮、小腸の絨毛等の組織に強い染色が観察された。pONY8.0Gトリから得た組織の一部におけるGFP発現解析では、膵臓、皮膚および胸筋(図3c)に発現が見られ、腸においても弱い発現が見られた(データは示さず)。これらの結果から、同一のEIAVベクターにより作製され異なるレポーター遺伝子を有するトランスジェニックトリであっても、類似した発現パターンを示すことが分かる。
pONY8.4GCZの単一コピーのプロウィルス挿入物が異なる6羽のGトリから得た組織のウェスタン解析を行ったところ、4羽のトリにおいてlacZの発現を検出した。発現のパターンは、pONY8.0cZ トランスジェニックトリで観察されたものと同様であった(図6)。しかしながら、組織の一部を染色したところ、pONY8.0cZに関してトランスジェニックなトリにおいて観察された発現よりも広範な発現パターンを示した。すなわち、上に記載の組織に加え、腸の平滑筋、上皮の下の血管、卵管の管状腺細胞においてβ−ガラクトシダーゼ活性が検出された(図4a)。ELISAアッセイにより、pONY8.0ベクターを有するトランスジェニックトリとpONY8.4ベクターを有するトランスジェニックトリにおけるβ−ガラクトシダーゼ発現レベルの差を定量化した(図4b)。β−ガラクトシダーゼレベルは、分析した全ての組織においてpONY8.4GCZトリの方がpONY8.0cZトリよりも高かった。膵臓抽出物におけるレベルは約6倍高く、トリ番号3−5/337における発現は、組織μgあたり30pg、すなわち全タンパク質の3%であった。
生殖細胞系列伝達後もトランスジーン発現が維持されたかどうかを確認するため、ベクターpONY8.0cZまたはpONY8.0Gを保持するGトリにおける発現を調べた。単一コピーのプロウィルス挿入物を有する2羽のG雄鶏2−2/6および2−2/19と、それらのG子孫2羽ずつから組織抽出物を得てウェスタン解析を行った(図5a)。親と2羽の子におけるβ−ガラクトシダーゼタンパク質レベルは非常に近く、発現パターン、とりわけ膵臓における発現パターンも非常に似ていた。Gトリから得た組織の一部を染色したところ、親の発現パターンと類似した発現パターンを示した(図7)。pONY8.0Gを保持し生きている複数のG雛においてGFP蛍光が容易に検出され、その内の1羽のG子孫も同様の発現レベルを示した(図5b)。
図8は、レポーター遺伝子lacZを含有するベクターpONY8.4GCZが保持されたトランスジェニック雌鶏の卵管から得た各部分の範囲を示す。これら部分は明らかに青色に染色されており、lacZの発現を示している。
Figure 2006512062
Figure 2006512062
(検討)
我々は、試験に用いたレンチウィルスベクター系は、生殖系列トランスジェニックトリを作製するのに非常に効率的な方法であることを示した。本明細書に記載した各実験において、放卵されたばかりの卵の胞胚葉ステージの胚のすぐ下にウィルスベクター粒子の濃縮浮遊液を注入して12羽の雄鶏を作製した。10羽の初代雄鶏を生育したところ、これら雄鶏の全てからトランスジェニック子孫が生まれ、その頻度は4〜45%であった。異なるプロウィルス挿入物が保持された独立した系統を確立するためには、得られた中で最も生殖細胞系列伝達頻度の低いものであっても、1羽の初代雄鶏から数羽のGトランスジェニックトリを得る育種に関しては実地に有用である。この胞胚葉下注入を用いる方法は、レトロウィスルをニワトリに導入するのにこれまでに使用された各種方法(サルター(Salter)およびクリッテンデン(Crittenden)、1989;ボッセルマン(Bosselman)ら、1989;ハーベイ(Harvey)ら、2002)に非常に類似している。本方法が高い成功率を達成できるのは、複数の要因、例えば、レンチウィルスベクターが非分割細胞に形質導入可能であること、レトロウィルスベクターをウズラに導入するのに使用されていたVSV−Gシュード・タイピングを用いたこと(カラジェンツ(Karagenc)ら、1996)、従来のトランスジェニック研究に比べ高い力価を用いたこと等によるものであろう。放卵された卵のニワトリ胚は、卵黄の表面に横たわった単層の細胞からなる盤であり、細胞は、胚盤の下方に内胚葉を形成するために胚内を移動し始めている(ミズアライ(Mizuarai)ら、2001)。始原生殖細胞も、胚盤から胚下腔を通って下方の内胚葉に移動する。ウィルス注入直後の各発生ステージにおいて、始原生殖細胞はウィルス粒子浮遊液内を移動しうるため、CAMや血液の細胞に比べて高い生殖細胞形質導入頻度が達成される。
我々は、大半のGトランスジェニックトリは単一のプロウィルス挿入物(a single proviral insertion)を含むが、複数の挿入物(multiple insertions)を含んでいるトリもあることを示した。この結果から、このベクター系を用いると、容易に、単一コピーのベクター−トランスジーン挿入物(single vector-transgene insertions)を有するトランスジェニックトリを作製し、同一Gトリから、異なる染色体遺伝子座にプロウィルスが挿入された数系統を生育することができることが分かる。トランスジーンは特定のベクターによりニワトリゲノム内に導入されるが、トランスジーンが組み込まれる部位によって、トランスジーンの発現は変わるであろう。GからGへの伝達を分析した結果、上述の各種レンチウィルスベクターにより、トランスジーン挿入部が安定して保持された系統が簡単に確立できることが分かる。
レポーター遺伝子lacZの発現は、初代(G)、GおよびGの各トリにおいて検出された。lacZの発現はヒトCMVp(ヌクレオチド−726〜+78)により方向付けた。ヒトCMVpは、一般に各種細胞に普遍的に機能することが文献記載により知られているエンハンサー/プロモーターである。細胞培養トランスフェクション実験においてはCMVpを用いれば通常方向付けを行えるが、CMVpからトランスジェニックマウスを発現させると、発現は組織により異なる結果となる。特に、CMVpトランスジーンは、トランスジェニックマウスの脾臓外分泌部に主要な発現を示すことが報告されている(イヤル−ギラディ(Eyal-Giladi)およびコチャブ(Kochav)、1976)。我々は、胚およびトリにおけるlacZおよびGFPの発現パターンは、殆どの組織において様々なレベルで見られるものの、膵臓で高い発現が見られることを示した。第3世代のEIAVベクターpONY8.4からの発現は、pONY8.0ベクターからの発現よりも有意に高かった。これは恐らく、前者のenv領域における不安定要素を除去したため前者のmRNA安定性が向上したからであろう。少数のpONY8.4GCZトランスジェニックトリにおいてはトランスジーンの発現が検出されなかった。これは恐らく、MoMLV配列がベクターに導入されたことでサイレンシングが惹き起こされたことによるものであろう(チャン(Zhan)ら、2000)。Gトリに見られる発現パターンはGへの生殖細胞系列伝達後も維持されている。この結果は、レンチウィルスベクターを用いて導入したトランスジーンからのトランスジーン特異的発現は生殖細胞系列伝達後も維持されていることを示しており、このことはマウスおよびラットでも同様であることが記載されている(ナルディーニ(Naldini)ら、1996)。レンチウィルスベクターに導入可能なトランスジーンのサイズは限定されるため、組織特異的調節配列の中には大きすぎてこれらベクターに使用できないものもある。サイズ制限はまだ確定されていないが、9kbのEIAVベクターが既に得られている(ロイス(Lois)ら、2002)ので、8kbまでのサイズが使用できるであろう。
卵管におけるlacZの発現(図8)から、卵白タンパク質を合成する細胞は、タンパク質をコードするレンチウィルスベクター系が組み込まれたトランスジェニックトリにおいて、外来タンパク質を発現させることができることが分かる。
本明細書に記載した研究は、トランスジェニックトリを作製するためにレンチウィルスベクターを使用できるかを評価したものである。我々は、生殖細胞系列トランスジェニックトリを非常に高い出現頻度で得ることができ、世代間の安定した伝達が達成され、生殖細胞系列伝達後も維持されるトランスジーン発現パターンが達成されたことを示した。この結果は、レンチウィルスベクターの使用により、確実なトランスジェニックトリ作製方法の開発においてこれまでに存在した多くの問題が克服されることを示している。このトランスジェニック作製方法を適用すれば、多種のトランスジーンコンストラクトを試験して適切な組織において必要なレベルで発現するものを選択することができる。最近、ALVベクターを用いて、卵白において少量の生物学的活性タンパク質の発現および蓄積を示すトランスジェニック系統が作製された(ラップ(Rapp)ら、2003)。タンパク質産生量(卵あたりタンパク質μgレベル)は商業生産には適さないが、卵白から精製したタンパク質の分析結果は、トランスジェニック雌鶏をバイオリアクターとして使用するという目的に役立つものである。レンチウィルスベクターの使用により、トランスジーン取込みや癌レトロウィルスベクターを用いた発現に関する問題が克服されるであろう。本年、ニワトリゲノム配列が完全解読されることになっており、脊椎動物遺伝子機能の解析用モデルとしてのニワトリの価値が高まりつつあるため、効率的なトランスジェニックトリ作製方法の開発はとりわけ時宜を得たものである(モジアック(Mozdziak)ら、2003)。
(実験4)
インビトロジェンビラパワー(ViraPowerTM)システムを用いて種々の実験を行っている。チキナイズしたR24ミニボディ(chickenised R24 minibody)コード配列をpLenti6/V5プラスミドの構成CMVプロモーターのすぐ下流に挿入する。次にビラパワー293FT細胞を、pLenti6/V5/R24発現コンストラクトおよび最適化ビラパワーパッケージングミックスで同時トランスフェクションする。最後に、パッケージ化ウィルス含有組織培養上清を回収する。インビトロジェンビラパワーシステムを使用する一目的は、高効率トランスフェクション試薬としての使用にある。pLenti6/V5プラスミド上にブラストサイジン抵抗性遺伝子が存在するので、形質導入済みの集団を優先的に選択する能力がある。これは、比較的力価の低いウィルス調製物であっても十分であることを意味する。しかしながら、下に述べる実験作業には、さらに濃縮したウィルス調製物が必要である。ウィルス濃縮方法として2種の方法を評価している。第一は、セントリコンプラス20(Centrikon Plus 20)スピンカラムによるスピン濃縮による濃縮方法、第二は、標準的な超遠心分離プロトコルによる濃縮方法である。
濃縮パッケージ化ウィルスベクターのRNAゲノム構造をノーザンブロッティングと逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)の両方で分析している。ウィルスゲノムの代表的試料をcDNAに確実に変換するため、逆転写は、数種のリバースプライマー、オリゴdT、ランダムヘキサマー、3’LTR特異的プライマーを用いて行う。cR24コード配列のcDNA試料への組込みは、特定の配列を増幅するのに適した個別のPCR反応により確認する。
パッケージ化pLenti6/V5/R24ウィルスベクターは、in vitroでの293T細胞の形質導入にも用いる。複数のpLenti6/V5/R24ウィルス希釈物を調製して標準組織培養培地に入れポリブレンを添加する。次にウィルス/培地/ポリブレン混合物を細胞に添加する。3時間後、組織培養培地を補充し、それから72時間後、培地を回収する。次にcR24ミニボディの分泌レベルをELISAにより定量する。培地回収の7〜10日前の期間に、形質導入された細胞をブラストサイジンを用いて選択する。再度cR24ミニボディの分泌レベルをELISAにより定量する。
さらに、パッケージ化pLenti6/V5/R24ウィルスベクターを用いてin vivoでニワトリ胚の形質導入を行う。形質導入は、胚下腔(発生胚の下、卵黄の上)への注入により行う。
(引用文献)
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この研究に用いた各種EIAVベクターの概略説明図である。 プロウィルス挿入物を特定するために個別のトリから得たゲノムDNAのサザントランスファー解析結果を示す図である。 pONY8.0cZ−GトランスジェニックトリおよびpONY8.0G−Gトランスジェニックトリにおけるレポーター遺伝子発現を示す図である。 pONY8.4GCZ−Gトランスジェニックトリにおけるレポーター遺伝子発現を示す図である。 トランスジェニックトリにおけるレポーター遺伝子発現を示す図である。 pONY8.4GCZ−Gトリのウェスタン解析結果を示す図である。 pONY8.0cZ−Gトリにおけるレポーター遺伝子発現を示す図である。 トランスジェニックトリの卵管におけるlacZ発現を示す図である。

Claims (18)

  1. レンチウィルスベクター系を用いて外因性遺伝物質を鳥類の胚細胞または精巣細胞に移行する段階を含む、トランスジェニック鳥類の作製方法。
  2. レンチウィルスベクター系は、鳥類の胚細胞または精巣細胞のゲノムに移行されうるあるいは該ゲノムに組み込まれうる形態のレンチウィルストランスジーンコンストラクトを含む、請求項1に記載の方法。
  3. レンチウィルスコンストラクトを、開いた卵の内容物の胚下腔に注入し、その後この卵を発生・発育させる、請求項2に記載の方法。
  4. コンストラクトを卵の胞胚下腔に直接注入する、請求項2に記載の方法。
  5. ベクターコンストラクトは、生殖細胞の形質導入を高効率で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 遺伝物質はタンパク質をコードする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により作製されたトランスジェニック鳥類。
  8. 請求項7に記載のトランスジェニック鳥類の子孫として作製されたトランスジェニック鳥類およびそのトランスジェニック子孫。
  9. レンチウィルスベクターコンストラクト内に存在するタンパク質コード遺伝物質を鳥類胚細胞に移行し、この遺伝物質が組織内で発現されるトランスジェニック鳥類を創製する段階を含む、鳥類における異種タンパク質産生方法。
  10. トランスジェニック鳥類は前記遺伝子を卵管において発現し、翻訳されたタンパク質が卵に取り込まれる、請求項9に記載の方法。
  11. タンパク質を卵から単離する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. トランスジェニック鳥類の作製のためにレンチウィルスコンストラクトを使用する、レンチウィルスコンストラクトの使用方法。
  13. トランスジェニック鳥類においてタンパク質を産生させるためにレンチウィルスベクターコンストラクトを使用する、レンチウィルスベクターコンストラクトの使用方法。
  14. 特定の組織、好ましくは卵白または卵黄において異種タンパク質を発現させるための、請求項13に記載のレンチウィルスベクターコンストラクトの使用方法。
  15. レンチウィルスは、EIAV、HIV、SIV、BIVおよびFIVからなる群から選択される、請求項12〜14のいずれかに記載の使用方法。
  16. コンストラクトは、後にタンパク質を産生するのに適したエンハンサープロモーター要素を含む、請求項12〜15のいずれかに記載の使用方法。
  17. ベクターコンストラクト粒子はパッケージ化され、エンベロープを有するベクターが産生される、請求項12〜16のいずれかに記載の使用方法。
  18. トランスジェニック鳥類におけるタンパク質の発現の見込みを予測する方法であって、卵管細胞におけるタンパク質の発現をin vitroで検出する段階を含む方法。
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