JP2006510369A - 細胞画分の分離方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、細胞の分離方法、特に、腫瘍診断におけるサンプル調製方法に関する。特に、本発明は、療法の予後及び階層構造の診断の過程で充実性腫瘍の腫瘍細胞を検出するためのサンプル調製方法であって、この診断をより困難に又は全く不可能にする細胞を破壊することを含む方法に関する。さらに、本発明は、サンプルを調製し、変化細胞の存在を検出するためのキットに関する。最後に、本発明は、例えば腫瘍細胞のような変化細胞の診断と、体液及び体組織中の腫瘍細胞を検出するためのPCR反応の実施とにおける該方法及び該キットの使用に関する。

Description

本発明は、細胞の分離方法、特に、腫瘍診断におけるサンプルの調製方法に関する。より正確には、本発明は、療法の予後及び階層構造(stratification)の診断過程において充実性腫瘍の腫瘍細胞を検出するための、この診断を困難又は全く不可能にする細胞を破壊することを含む、サンプル調製方法に関する。さらに、本発明は、サンプルを調製し、変化細胞(altered cells)の存在を検出するためのキットに関する。最後に、本発明は、例えば腫瘍細胞のような変化細胞の診断における該方法及び該キットの使用、体液及び体組織における腫瘍細胞を検出するためのPCR反応の実行に関する。
先行技術
異なる細胞集団の分離は、異なる細胞集団の分析における重要な態様である。細胞の分離のためには非常に多様な方法が先行技術で知られており、これらの方法は、ある一定の分子の、異なる物理的特性又は発現の相違に主として基づいている。
異なる細胞集団の細胞の混合物における、例えば腫瘍細胞のような、循環する及び/又は微小転移した、変化細胞の存在を検出することは、患者の予後及び可能な、いわゆる補助治療段階の階層構造の早期評価を可能にする。
有意義な早期診断を可能にするためには、分析すべきサンプル中の極度に少ない数の変化細胞の存在を特に検出することが可能でなければならない。
腫瘍細胞と他の変化細胞は実際に常に、それらの正常な前駆体に比べて、遺伝的な変化を有する。これらの変化は、腫瘍に関連した遺伝子発現プロフィル及び特徴的な遺伝子発現プロフィルのいずれかに関する、及び/又は特異的な遺伝子突然変異を特徴とする。後者(例えば、遺伝子p53、BRCA1&2、APC等)の存在の検出は、今までは、腫瘍細胞がサンプル中の正常細胞に比べて充分に表現されていない場合には、DNAレベルでは、必要な診断感度において技術的に不可能であった。
対照的に、例えば腫瘍細胞のような変化細胞の存在の、必要な感度での検出は、次の前提条件が満たされるならば、いわゆる“組織特異的mRNA発現”(分子ステージング(molecular staging))の増幅によって可能になる:
(a)腫瘍の出所起源が知られている。組織特異的mRNAマーカーは次のように定義することができる:(i)一般的上皮マーカーであり、その存在が上皮起源の悪性腫瘍(癌)のために検出可能に留まるサイトケラチン。(ii)異なる組織のいわゆる分化マーカー、例えば、CEA(大腸癌のため)、PSA(前立腺癌のため)、AFP(肝癌のため)、チロシナーゼ(悪性黒色腫のため)等。
(b)さもなくば試験サンプル中にまだ存在する正常細胞(血液サンプルの正常白血球)は、分子ステージングのターゲットとして用いられるmRNAマーカーを発現しない;逆に言えば、正常細胞に発現されるmRNAマーカーはステージングに適当ではない。
該前提条件が満たされるならば、非常に過剰な正常細胞中であっても、特異的−特異的遺伝子突然変異とは対照的に、適当な感度の方法を用いて、試験サンプル中の例えば腫瘍細胞のような、移動する変化細胞の存在を組織特異的mRNA発現プロフィルによって検出することができる.
技術的には、該検出は、逆転写とその後のDNAポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を用いる、ターゲットmRNAのcDNAコピーのin vitro産生に基づく。この検出は、高感度で可能であり、一般には、10〜10正常血液細胞(即ち、血液1ml)中の単一腫瘍細胞を受容する(embrace)。
しかし、今までは、RT−PCR試験の使用には厳しい制限が置かれていた。例えば腫瘍細胞のような、原則として、組織に由来する変化細胞の存在を検出するために適した、多数の組織特異的に発現した遺伝子が今までに述べられている。しかし、それらの検出は、以下に記載するような増幅系の、系に内在する、特別な特徴の結果として、下記理由から必ずしも成功するとは限らない:
RT−PCRに基づく検出方法の分析及び診断の感度は非常に高い。換言すると、この方法は、試験系及び臨床試験材料中の個別分子の信頼できる検出を可能にする。さらに、分析の特異性が非常に高い。換言すると、プライマーのいわゆるクロスハイブリダイゼーション(cross-hybridization)による、目的mRNA分子以外の分子の如何なる間違った増幅も、適当な条件下で確実に除外することができる。
しかし、診断の特異性は不充分である。このことは、正常な個人又は非悪性疾患を有する患者からの臨床サンプル中に選択された“腫瘍関連”ターゲットmRNAに関する陽性の結果が恒常的に見出されることを意味する。それ故、サンプル中の非悪性細胞が陽性なRT−PCR結果を招来する可能性がある。相応して、個々の場合の結果を診断目的のために解釈することは困難である。
結果として生じる、低い診断特異性が、RT−PCRによる循環腫瘍細胞の存在の検出が最小の後遺症(minimal residual disease)の診断のために広く採用されていない理由である(Jung et al.,EJCCCB,1997,Jung et al.,J Lab Med,1999)。実際に、偽陽性の結果は、この本質的に非常に有利な方法の使用を許さない。
不充分な診断特異性の主な理由は、試験サンプル中の正常細胞(例えば、血液及び骨髄中の白血球)の存在によるmRNAバックグラウンド発現(非相同的転写又はバックグラウンド転写とも呼ばれる)である。正常な白血球が腫瘍関連mRNAマーカーを発現できることは判明している。この“非相同的(illegitimate)”発現は個々の細胞レベルでは低い値を有するが、サンプル中にこれらの自然発生細胞が多数であるために、顕著な測定可能シグナルを生じ、このようにして、上記の非特異的で、陽性な結果を招来する。バックグラウンド発現のパターンは、構成性でありうるか(Jung et al.,Br.J.Cancer(1999))、又は例えば炎症反応の過程では誘導性でありうる(Jung et al.,Br.J.Cancer,(1998))。
その後、バックグラウンド発現の問題が該方法の有用性を実質的に減ずることは、文献から明らかである。相応して、通常の分離方法と同様に、特異性を高め、分離すべき細胞の物理的特徴又は発現特異的な特徴を利用するために、種々な方法が提案されている。しかし、これらの方法は、それらの臨床使用のために実質的な診断的制限をしばしば有する。
例えば全血からの細胞集団の分離のために最も頻繁に用いられる方法は、いわゆるFICOLL密度勾配遠心分離である。FICOLL勾配に関しては、同じ原理の非常に多くの変形が存在する。これは単核細胞の富化(enrichment)に基づいており、次に、これらの単核細胞中に腫瘍細胞の存在を検出する。
FICOLL方法は標準化することができない、即ち、この方法は、分離した細胞の回収において効果が変化する。腫瘍細胞の存在を検出する感度の主な決定因子は、研究者の技術的専門知識である(Krueger et al.,Clin.Chem.2000)。さらに、例えば腫瘍細胞のような、変化細胞の回収及び富化は、それらの予測不能な沈降挙動のために、不確定である。要約すると、腫瘍細胞が沈降の過程で失われるのかどうか、そうであるならば、どのくらい多くであるのか、腫瘍細胞が一般にそれらの比重に関して、それらが単核細胞と一緒に常に分離されることができ、廃棄される顆粒球画分中に沈降しないほど、充分に均一に挙動するのかどうかが不明である。全体的に10〜70%の回収率が報告される。
ターゲット細胞の富化の第2主要原理は、イムノビーズ富化(immunobead enrichment)である。この方法は、常磁性粒子への結合によって、細胞集団から例えば腫瘍細胞のような変化細胞を選択的に引き出すことができるという事実に基づいている。このための前提条件は、腫瘍細胞の表面における適当な密度での腫瘍関連マーカーの発現である。このマーカーに対する抗体がその上部に結合されている常磁性粒子はターゲット細胞に吸着され、次に、磁石の使用によって溶液から富化される。抗体の上首尾な結合は、細胞表面上のマーカーの充分な密度を必要とする。
イムノビーズ富化方法は、次の2つの限定前提条件を有する:(1)マーカーは表面マーカーでなければならず、それ故、腫瘍の種類に依存する。しかし、癌の不均質性は、全ての個々の腫瘍又はそれらの転移上にマーカーが均一な高さで、適切に発現されていないことである。上首尾な富化のために必要な表面上の分子数は、本質的に未知である。(2)完全な状態での細胞の処理を可能にするために、この方法は、サンプリング工程の直後のネイティブな試験サンプルの処理を必要とする。血液サンプリング後の数時間内に、敏感なmRNAの分解が観察されている(Gerhard et al.,J.Clin.Oncol.1994 Apr;12(4):725-9)。関連した、mRNA質の低下は、RT−PCR試験の診断感度を迅速に低下させる。その結果として、組織特異的mRNAに基づいて、個別腫瘍細胞の存在を検出するには、サンプル調製と、イムノビーズ分離の時間的要因の両方が決定的に重要である。これらの前提条件が、ルーチンの診断使用のためには満たされない。
米国特許出願2002/0012931は、循環腫瘍細胞の存在の検出方法を述べており、この方法では、GC−C(グアニリル・シクラーゼC)の検出において偽陽性シグナルの原因である細胞は、血液中のCD−34陽性細胞として同定されている。これに記載されている方法によると、これらの偽陽性細胞は、例えばイムノビーズによるような、排除によって除去するべきである。その後に、残りの細胞中のGC−CmRNAの存在が実証される。それ故、この方法は、変化細胞の陰性選択を必要とする、即ち、偽陽性シグナルの原因となる細胞は分離除去される。
上記で略述した両方法にための必須の必要条件は、サンプルをさらにサンプリング直後に処理して、mRNAの完全さが維持されることを保証することである。
本発明の目的は、同様に、方法の実施の標準化における、これらの制限を除去することである。このことは、特に、RT−PCRを分離工程後のルーチン診断手段の過程に用いることになるような場合に該当する。それ故、本発明による方法は、下記前提条件を満たさなければならない。
(1)非相同的発現の原因となる試験サンプル中の細胞(亜集団)を容易に除去することが可能でなければならない。
(2)分離すべき上記亜集団と、それらの構成要素をサンプルから“除去する”べきである。バックグラウンド細胞によるmRNA発現は、この除去によって克服しなければならない。
(3)方法が標準化されるように、信頼できるやり方でサンプリングの場において最小の努力で方法を実施することが可能でなければならない。これに関連して標準化(standardized)とは、第一に、サンプリングに用いる系がプレファブリケーション(pre-fabrication)に役立たなければならないことを意味する。他方では、異なる研究者が方法を、同じ形式で進行する場合に、等しい効率で実施することができるように、サンプリング・プロトコールを考案することが必要である。このために、技術的に標準化されない方法(例えば、FICOLL密度勾配又はイムノ分離(immunoseparation))を用いることは不可能である。
(4)サンプリングの場に複雑な技術的装置を維持する必要性に方法を関連付けてはならない、関連付けても、そのことがルーチンな規模での広範囲な使用のためにもはや適さないからである。
(5)サンプル中のmRNAの完全さを危なくするのを避けるほど迅速に、方法を実施することが可能でなければならない。このことが事実でない場合には、診断感度が決定的に低下すると考えられる。
発明の簡単な説明
上記必要条件を満たすために、サンプル中の変化細胞から・・以下で定義するような・・正常細胞亜集団(単数又は複数)/画分(単数又は複数)を分離するための本発明による方法は、低張液中で正常細胞と変化細胞との混合物をインキュベートし、その画分を破壊する工程を含む。
この方法は、溶液中の研究下mRNAマーカーの非相同性発現の原因となる、1つ以上の異なる細胞亜集団(単数又は複数)/画分(単数又は複数)を低張性影響(hypotonic influence)によって破壊してから、変化細胞の分析のためにサンプルをさらに処理するという、今まで一般に採られてきた方法とは対照的な、新規な概念に基づいている。
本発明による方法は、さらに、非排除細胞(non-eliminated cells)を集めて、回収する工程を含むことができる。集めた細胞をさらに分析するために、この方法を用いる予定である場合には、例えばRT−PCRのような分析工程を回収工程後に用いる。
低張液中でのインキュベーションがサンプル中の細胞画分の差別された破壊を生じることが、発見された。特に、例えば腫瘍細胞のような変化細胞は、溶液中の低張条件に対して、サンプル中に通常存在する細胞集団よりも、大きな耐性を有する。
本発明による方法は、例えば腫瘍細胞のような変化細胞の存在を検出するために用いることができる。1つの可能性は、転移癌の診断のために該方法の使用である。
本発明は、例えば腫瘍細胞のような変化細胞の存在を検出するためのキットを提供する。このキットは、低張液、又は溶液を低張にする手段と、特異的−特異的マーカーをコードするmRNAを検出するためのプライマーを含む。さらに、該キットは好ましくは、高濃度カオトロピック塩を含むRNA安定化溶液を含む。
このキットは転移癌の診断に用いることができる。
発明の詳細な説明
本明細書で用いる下記用語を、本出願の理解を助けるためにさらに詳しく説明する。
オスモル濃度(osmolarity)/モル浸透圧濃度(osmolality):オスモル濃度は、試験物質1リットル中の浸透圧的に有効な粒子の濃度(osm/L)である。モル浸透圧濃度は、溶媒1kg中の浸透圧的に有効な粒子の濃度(osm/kg)である。Milliosmoleはmosmと略記される。
低張性:同じ浸透圧の溶液は等張性である。大きいモル浸透圧濃度の溶液は高張性と呼ばれ、低いモル浸透圧濃度の溶液は低張性と呼ばれる。
細胞の破壊:化学的/生物学的又は物理的方法による細胞完全性の解消。例は、細胞に低張液を添加して、細胞を破壊することである。
腫瘍関連/特異的mRNA:遺伝子発現の過程において、遺伝子(DNA)の1つ以上の“コピー”がmRNA(メッセンジャーRNA)の形で作製される。このプロセスは転写と呼ばれる。その後、mRNAの遺伝情報がアミノ酸配列に変換される(翻訳として知られる)。これは、多重の役割を負うことができるタンパク質を生じる。腫瘍特異的/関連RNA分子は、腫瘍にとって特徴的であり、正常細胞によって形成されないか、又はしばしば少量で形成されるかのいずれかである。したがって、腫瘍関連分子をコードするmRNAは、免疫細胞化学的方法によって検出可能な腫瘍マーカーの前駆体である。
充実性腫瘍:充実性腫瘍は、非充実性腫瘍とは、測定可能な凝集腫瘍塊(coherent tumor mass)の形成によって区別される。癌は充実性腫瘍の例であり、白血病は非充実性腫瘍の例である。
安定化(stabilizing):本発明に関連して、安定化は、第一にRNA分解の防止であり、第二に低張液による破壊からの腫瘍細胞の保護である。
細胞構成要素:細胞構成要素は、細胞をその形及び機能で定義する、全ての構造、物質及び分子を含む。これらは、例えば、細胞核、細胞膜、細胞質、DNA、RNA及びタンパク質等を包含する。
細胞:これに関連して、細胞とは、人体(human being)を構成する、それらの全体での全ての細胞である。
細胞種類:細胞の種類は、例えば、血液細胞又は腫瘍細胞、腸上皮細胞等である。
細胞集団:これらは、例えば血液細胞内の白血球(leukocytes)及び赤血球(erythrocytes)のような、細胞種類内のサブグループである。
亜集団:これらは、例えば、白血球(leukocytes)内の顆粒球及びリンパ球のような、細胞集団内のサブグループである。
細胞画分:細胞画分は、例えば、顆粒球内の好酸球及び好塩基球のような、亜集団内のサブグループである。
正常細胞/非腫瘍細胞:これらは、悪性でない又は、何らかの他の意味で、変化していない細胞の全てである。本発明の場合には、正常な血液細胞が想定される。これらとは対照的に、例えば腫瘍細胞又は腫瘍細胞前駆体のような、変化細胞が存在する。
バックグラウンド発現:例えば腫瘍細胞のような変化細胞は、例えば上皮細胞のような、ある一定の細胞種類に特徴的である、ある一定のマーカー分子(例えば、腫瘍関連mRNA、例えば、CK20 mRNA、CEA mRNA又はPSA mRNA)を多量に発現する。一部の正常血液細胞は、これらのmRNAを非常に少量発現する。それ故、サンプル中の多数の正常血液細胞の存在は、多量にマーカー分子を産生する腫瘍細胞の少数の存在に相当するシグナルを発することになるであろう。
正常血液細胞による非常に低レベルでのマーカー分子のこの発現を、本明細書では、バックグラウンド発現と定義する。バックグラウンド発現の同義語は、非相同的転写及びバックグラウンド転写である。
CP値:LightCycler(登録商標)(Roche)において測定される、PCR反応の“クロシング・ポイント(crossing point)”(CP値;閾値サイクル(threshold cycle))は、PCR増幅が対数期に入るPCRサイクルである。これが意味することは、ある一定の反応の蛍光がバックグラウンド蛍光を超える、PCR反応の正確な時点(サイクル数)である。この時点は、増幅プロセスの開始時に存在するテンプレートの濃度に非常に確実に比例する。この時点は、グラフ形において、Roche LightCyclerソフトウェアによって自動的に確立される。
CP値が低ければ低いほど、サンプル中に存在する増幅すべき核酸部分のコピーは多くなる。CP値が確立されない場合には、サンプルは、増幅可能なターゲット分子を含有しない。
ポルホビリノーゲン・デアミナーゼ(PBGD):PBGDは、いわゆる“ハウスキーピング遺伝子(housekeeping gene)”であり、あらゆる体細胞によって低レベルで構成的に発現される。これは、サンプル中のmRNAの存在に関して陽性対照として作用する。
本発明は、正常細胞及び変化細胞を含む細胞画分の分離方法を提供する。正常細胞及び変化細胞を含む細胞画分を低張液中でインキュベートする。このプロセスで1つ以上の細胞画分が破壊される。
本発明は、細胞完全性が破壊される前の低張液に対する耐性において、細胞が異なるという発見に基づく。より正確には、例えば腫瘍細胞のような変化細胞が、正常細胞よりも低張性影響に耐性であることが、本発明者によって発見された。
低張液における2回インキュベーションによる、正常細胞に比較した変化細胞のこの新規な性質。
低張液中でのインキュベーション工程に続いて、精製工程を行なうことができる。分解していない細胞をこの工程で回収する。このようにして得た細胞を次に分析することができる。この分析は、例えば、RT−PCRを用いる分析の形式をとることができる。
誘導細胞(derived cells)の分析は、例えば関連/特異的mRNAのような、腫瘍マーカーの発現の測定を含むことができる。特に、この方法が例えば循環腫瘍細胞及び微小転移腫瘍細胞のような腫瘍の診断方法の一部を形成する場合に。
本発明による方法は、腫瘍マーカーのバックグラウンド発現の原因となる細胞を含む細胞画分を、試験サンプル中に少数で存在しうる、例えば腫瘍細胞のような、変化細胞から分離することを可能にする。本発明による方法は、試験サンプル中の例えば腫瘍細胞のような変化細胞の存在の検出を可能にする、このような検出は、通常は、正常細胞による、選択された腫瘍マーカーのバックグラウンド発現のために不可能であると考えられる。正常細胞によるバックグラウンド発現は、試験サンプルの偽陽性シグナルを招来しうる。
試験サンプルは、体液又は体組織からの正常細胞と変化細胞との混合物であることができる。特に、体液は下記:血液、尿、脳脊髄液、骨髄、リンパ液、腹水又は痰のいずれかであることができる。
既に上述したように、変化細胞は腫瘍細胞であることができる。腫瘍細胞、例えば、この種類の腫瘍が発生しないような組織及び体液中の癌のような、充実性腫瘍の循環腫瘍細胞及び/又は微小転移腫瘍細胞が好ましい。
特に、微小転移腫瘍細胞は、上皮起源の腫瘍細胞である。
本発明の好ましい実施態様では、試験サンプルは骨髄又は全血である。
1種類以上の腫瘍関連mRNA種を発現することができる、試験サンプルの正常細胞を以下に記載する:
種々な成熟期における骨髄又はリンパ分化系列の細胞。これらは、未分化骨髄芽球と、分節(segmented)顆粒球及び単球/マクロファージまでの成熟期;未分化巨核芽球と、血小板までの成熟期;前赤芽球と、網状赤血球までの成熟期を包含する。
リンパ系列は、種々な分化期におけるリンパ系列の白血球、特に、リンパ幹細胞と、T−リンパ球/B−リンパ球系列の分化エフェクター細胞までの成熟期を包含する。
本発明によると、休止状態で又は活性化/刺激された状態のみで関連−関連mRNAを発現する、これらの正常細胞又は非腫瘍細胞は、腫瘍細胞の存在を検出する前に、低張液の使用時にのみサンプルから排除される。
低張液は、100mosm/kg未満のモル浸透圧濃度を有する。溶液の好ましいモル浸透圧濃度は、30〜60mosm/kgの範囲内であり、より正確には、40mosm/kgである。
低張液は細胞にそれ自体で加えることも、又は溶液のモル浸透圧濃度を下げるために例えばSephadex、活性炭若しくはイオン交換剤(ion exchanger)のような補助剤を用いて加えることもできる。好ましい低張液は、例えば、NaCl、KCl、NHCl、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、ハンクス平衡塩類溶液(HBBS)又はこれらの混合物のような塩溶液に基づくものである。或いは、純粋な水を用いることができる。
低張液は、該低張液の分解効果を促進する、又は分解する細胞の構成要素の分解を促進するアジュバントをさらに含有することができる。これらのアジュバントは、イオン性及び非イオン性界面活性剤、例えば、サポニン、Triton、Tween、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)であることができる。他のアジュバントは、核酸を分解する酵素(RNアーゼ及びDNアーゼ)、及び/又はタンパク質分解酵素(プロテイナーゼK、プロナーゼ等)である。
好ましい実施態様では、低張液は、核酸を分解する酵素及び/又はタンパク質分解酵素、例えばRNアーゼを含有する。
細胞mRNAの一般的な不安定性を考慮すると、サンプリング後に迅速にかつ直接、同じ位置で非腫瘍細胞の排除を行なうことが有利である。経過時間の短いことは、試験サンプルの完全性が維持されることを保証し、サンプル中の少量の腫瘍細胞の存在が検出されることを可能にする(診断感度)。
本発明によると、排除(破壊)は試験サンプルの細胞を低張液中でインキュベートすることによって行なわれる。プロセス中に放出される、例えばRNアーゼのような、細胞の構成要素、又はRNアーゼを含めた、例えば酵素のような、人為的添加構成要素は、損傷した又は溶解した細胞を分解し、このようにして、特に、それらのmRNA−及び非相同的(illegitimate)mRNA転写産物を除去することができる。
本発明は、サンプルのその後のいわゆる安定化を提供する。この安定化工程は、非破壊細胞の回収の前又は後に行なうことができる。安定化を非破壊細胞の回収後に行なう場合には、溶液が、変化細胞、特に腫瘍細胞を含めた、残りの細胞全ての溶解を生じ、これらの細胞のmRNAを同時に安定化する。溶解によって、核酸分解活性を有する遊離酵素が不活化されて、同時に放出される、例えば腫瘍細胞のような変化細胞の関連−関連mRNAを破壊しないことが保証されなければならない。
この溶液は、RNAの安定化のために高濃度カオトロピック塩(例えば、イソチオシアン酸グアニジニウム又は塩酸グアニジニウム)を含有することができる。
その存在が誘導細胞の分析において実証される腫瘍関連/特異的mRNAは、サイトケラチン18(CK18)、サイトケラチン19(CK19)、サイトケラチン20(CK20)並びにサイトケラチン・ファミリーの他のメンバー、癌胎児性抗原(CEA)、ErbB2、ErbB3、上皮ムチン−1、上皮ムチン−18、グアニリル・シクラーゼC、Cdx−1、Cdx−2、前立腺特異的抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、スクロース・イソマルターゼ、ラクターゼ、カルボニック・アンヒドラーゼ、チロシナーゼ、チログロブリン、チロシン ヒドロキシラーゼ、ニューロン特異的糖タンパク質、デスモプラキンI、上皮糖タンパク質40、及び胃腸腫瘍関連抗原から選択することができる。
血液の細胞画分に対する低張液の溶解効果の増強が、補体の使用と組み合わせた、低張溶解によって破壊される細胞画分に対する特異的抗体の使用によって可能になる。例えば顆粒球のような細胞はこのプロセスにおいて、例えばCD123、CD125のような表面抗原及び補体に対する抗体(antibodies directed against surface antigens,e.g.CD123,CD125and complement)によって、次の工程で、より低い低張液(>100mosm/kg)がターゲット細胞を溶解するために充分であるような点まで、前損傷される。前提条件は、用いる抗体が補体溶解(complement lysis)をトリガすることができることである。

しかし、補体溶解を仲介することができない抗体も、本発明による実施態様形では、系を補助するために同様に用いることができる。このような抗体は、それらが結合する腫瘍細胞上の表面抗原に対して向けられ、該表面抗原を安定化するので、検出されるべき腫瘍細胞は非常に低いモル浸透圧濃度(<15mosm/kg)でも完全な状態に留まる。
本発明による方法を既知方法と組み合わせて用いることができることは、明らかである。
サンプル中の腫瘍細胞を検出するための、本発明によるキットは、例えば腫瘍細胞のような変化細胞のマーカーをコードするmRNAの存在を検出するために、低張液及びプライマーを含む。このマーカーは、腫瘍関連/特異的mRNAの形をとることができる。分析がmRNAの検出を含む場合には、キットが、高濃度カオトロピック塩を含むRNA安定化溶液を含有することが有利である。
キット内に含有される、低張条件をもたらす低張液又は手段は、100mosm/kg未満のモル浸透圧濃度を生じる。低張液の好ましいモル浸透圧濃度範囲は、30〜60mosm/kgである。
本発明によるキットは、特に、転移癌の診断のためにルーチンの診断条件下で用いることができる。試験サンプル中の腫瘍細胞の存在は、正常細胞によるマーカーの非相同的発現に由来する偽陽性シグナルなしに、検出される。
本発明を以下では実施例によってさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を如何なる意味でも限定するものではない。
実施例
1.定義した低張液の製造と測定
定義した低張液:
モル浸透圧濃度は次の装置を用いて測定した:
Fiske Osmometer, model 2400 Multisample(Dr. Berthold G. Schlag Wissenschaftliche Messinstrumente Nachf. GmbH, Am Muehlenberg 19, D-51465 Bergisch Gladbach,Germany)。.これは、氷点降下による浸透圧の測定のために、一般的に用いられる機器である。製造者の使用説明書に従った。
PBS(リン酸緩衝化生理食塩水、BioWhittaker,BE17−516F,0.0067M(PO))の連続希釈物を調製した。希釈しない溶液には、100%の値を割り当てた。種々な低張液を製造して、それらのモル浸透圧濃度を測定した(P−溶液)、表1参照。
表1
Figure 2006510369
HBSS(ハンクス平衡塩類溶液(PAA,Cat No.,H15-012))の連続希釈物を調製した。希釈しない溶液には、100%の値を割り当てた。種々な低張液を製造して、それらのモル浸透圧濃度を測定した(H−溶液)、表2参照。
表2.
Figure 2006510369
溶液のモル浸透圧濃度を次のように測定した:
サンプル量:測定に関して校正した、20μlのサンプル量を機器の測定セルに導入した。測定の良好な正確さを保証するために、適当な内部精度管理(internal quality controls)を用いて、測定を行なった。
方法:
等張性出発溶液の各異なる希釈物20μlを、その全体で、気泡が形成しないように、ピペットでとって、サンプル・リング(sample ring)内のサンプル容器の底部に入れる。20サンプルまでに対して測定を完全に自動的に行なって、測定値を統合プリンターによってプリントアウトした。
基準実施例:
(A)血液細胞のみ:
ボランティア試験対象からの血液を用いた。事前にリチウム−ヘパリンを加えることによって、凝固を防止した。
1.ヘパリン−Li全血2mlを反応器に分配した(対応するH/P溶液18mlを各反応器に事前に導入した)。溶液を回転によって混合して、室温で15分間インキュベートした。
2.セルを350xgで遠心分離して、上澄み液を廃棄し、ペレットを溶解緩衝液(lysis buffer)(R&D Systems,Cat No.WL1000)10ml中に再懸濁させた。渦流を起こさずに、振とうを用いて、混合を行なった。
第1工程は、低張ショックによる、“偽陽性”バックグラウンドの原因となる細胞の排除を保証する。第2工程では、残留細胞(変化細胞/腫瘍細胞)を回収する。
この工程以後からのRNAの単離のためには、商業的な標準化系が利用可能であり、これらの系は主として、Chomczynski とSacchiの方法(Anal Biochem.1987 Apr;162(1):156-9)に基づいている。ここに述べる場合では、RNAはQiagen社(QIAmp RNA Blood Mini Kit,Cat.No.523003,Qiagen,Hilden)からのキットを用いて単離した。製造者の使用説明書に従った。
3.単離したRNAは、ddHO30μlによって膜から溶離し、真空遠心分離機で濃縮した。次に、ペレットをddHO13μl中に再懸濁させた。
4.RNA濃度の測定に、3μlを用いた。
5.cDNA合成のためにRNA10μlを用いた。cDNA合成は、Roche CK20 PCRキット(Cat.No.3118 835)の構成部分であり、製造者の使用説明書に従って行なった。
6.得られたcDNA4μlをCK-20 LightCycler PCRに導入して、製造者の使用説明書に従って機器を用いた。
7.LightCycler Software3.5を用いて、試験を評価した。
(B)混合腫瘍細胞と一緒にした血液細胞
1.AccutaseTM(PAA-Laboratories GmbH,Cat No.L11-007)をT175培養フラスコ当り3mlの量で用いて、HT29結腸癌細胞をそれらの基質から分離した。次に、細胞培地(RPMI 1640 + 10%FCS + 2mMグルタミン + 1mMピルビン酸ナトリウム、Invitrogen,Life Technologies Karlsruhe)を加えて、Accutaseを不活化するために量を30mlまでにして、細胞を遠心分離した(1400rpm、5分間)。ペレットを20ml中に再懸濁させ、Neubauer細胞カウンティング室を用いて、細胞カウントを測定した。次に、培地でさらに希釈して、目的の細胞数/mlを導出した。
アリコート当りに>100細胞/ランを加える場合には、細胞数を希釈によって調節した。細胞数<100に関しては、再懸濁した腫瘍細胞懸濁液から腫瘍細胞をマイクロマニピュレーターを用いてカウントして、予めPBS又はHBSS100μlを導入した反応器に移した。対応するP/H溶液と共に血液(2ml)を添加する前に、100μlを添加することによって、細胞を血液と混合した。
方法及び評価におけるさらなる工程は、(A)1〜7に記載した通りであった。
実施例1:
血液ドナーから血液を採取して、2アリコートに分配した。第1アリコートは単独で処理し、第2アリコートに関しては、1000HT29腫瘍細胞の添加後に処理した。得られたcDNAの20%のみをCK−20 PCRのために用いることができるので、シグナルは200HT29細胞に関するシグナルに相当する。基準実施例と同じやり方で、サンプルを処理し、分析した。
図1aは、腫瘍細胞を添加しない試験ランの結果を示す。276mosmole(H100)の溶液で処理した血液細胞に関しては、CK20及びPBGDのシグナルを検出する。低いモル浸透圧濃度(<46mosm/kg)のH溶液(H15−H0)による処理後には、CK20シグナルが見られないが、PBGDシグナルは存在する(それ故、充分なサンプル物質が存在した)。
図1bは、腫瘍細胞(HT29)を添加した試験ランの結果を示す。低い及び非常に低いモル浸透圧濃度の溶液(H15、H0)によるサンプルの処理後には、CK20及びPBGDのシグナルも検出される。46mosm/kg未満のモル浸透圧濃度での腫瘍細胞を添加しない並行試験ランでは、CK20シグナルが見られなかったので、これらのシグナルは明らかに添加した腫瘍細胞に帰因する。
図に示した結果は、異なる低張液による幾つかの試験ランからの代表的な抽出である。図に示した試験ランを超える実験結果を表3と4に要約する。
表3
Figure 2006510369
表3:用いた低張性塩溶液(H溶液)の関数としての血液細胞中のCK20/PBGDシグナルの検出
56mosmole溶液(H20)の使用は、PBGDシグナルの100%検出と共に、CK20シグナルの60%排除を生じた。約42mosmoleの溶液(H15)によって、CK20バックグラウンド・シグナルの100%排除が達成された。PBGDシグナルも100%維持された。
表4
Figure 2006510369
表4:用いた低張性塩溶液(H溶液)の関数としての、腫瘍細胞を添加した血液細胞中のCK20/PBGDシグナルの検出
全ての試験条件下で、CK20とPGBDの両シグナルが見られた。このことは、用いた低張液に対して腫瘍細胞が耐性であるので、血液細胞から区別することができることを意味する。
少数の腫瘍細胞を加えた、さらなる試験は、5腫瘍細胞に関してもCK20シグナルを検出することができることを示した。
実施例2
血液ドナーから血液を採取して、2アリコートに分配した。第1アリコートは腫瘍細胞を添加せずに用いて、第2アリコートには、25HT29腫瘍細胞を混合した。基準実施例と同じやり方で、サンプルを処理し、分析した。
得られたcDNAの20%のみをCK−20 PCRのために用いることができるので、シグナルは5HT29細胞に関するシグナルに相当する。このドナーに関して、バックグラウンド・シグナルは、丁度103mosm./kgのモル浸透圧濃度の低張液によって得られた。
図2は、CK−20及びPBGDに関する定量的RT−PCRの結果を示す。低張液によって血液細胞を処理せずに(血液のみ)CK20及びPBGDシグナルを検出することができる。P35溶液(103mosm./kg)とのインキュベーションは、CK20シグナルの排除を生じる。PBGDシグナルは維持される(P35によって)。25HT29腫瘍細胞を含有する並行ランでは、CK20シグナルは検出可能な状態である(血液+25HT29+P35)。
実施例3
RNアーゼの添加による溶解結果の改善
実施例1を繰り返した。RNアーゼA(1mg/アリコート)を血液に加えてから、イソチオシアン酸グアニジニウムを含有するRLT緩衝液による最終溶解前に、RNAの迅速な分解を可能にするためにP/H溶液で処理した。これによって、溶解結果が改善される、即ち、より高いモル浸透圧濃度の溶液によっても溶解が可能であった。
実施例4
試験サンプル中の正常細胞の細胞画分としての顆粒球に対するP/H溶液の主要な効果
CK20シグナルが白血球の顆粒球画分によって発現されるという発見は、ここに提示する結果の基礎をなす。P/H溶液を加えた又は加えない血液細胞画分の組成を研究するために、FACS分析を行なった、CK20データと一致して、顆粒球数の顕著な減少が観察された。
25〜40mosm/kgのモル浸透圧濃度において、最も顕著な減少が観察された。
試験方法は次の通りであった:
1.ヘパリン血液4mlに、表面抗原CD45/CD14(Simultest LeucoGate,BD-Bioscience,Cat.No.342408)及びCD16(Caltag,Cat.No.MHCD1606)に対する抗体溶液100μlを、製造者の使用説明書に従って、混合して、室温(RT)で15分間インキュベートした。
2.各々がH溶液2mlを含有するFACS管24本を用意した。
3.各H溶液2mlに血液150μlを加えて、充分に混合し、続いて、室温で15分間インキュベートした。
4.該管を300xgで5分間遠心分離した。
5.ペレットを赤血球溶解緩衝液(R&D Systems Inc.,Cat.No.WL1000)2〜3ml中に再懸濁させた。
6.サンプルを室温で10分間インキュベートした。
7.サンプルを300xgで5分間遠心分離した。
8.ペレットを洗浄緩衝液(R&D Systems Inc.,Cat.No.WL1000)2〜3ml中で洗浄した。
9.サンプルを再び300xgで5分間遠心分離し、Cellwash(BD Biosciences Cat. No.349524)5mlで洗浄した。次に、これを300xgで5分間再遠心分離した。
10.ペレットをCellwash(BD Biosciences Cat. No.349524)500μl中に再懸濁させ、固定液(R&D Systems Inc.,Cat.No.WL1000)60μlを加えた。
11.免疫学的に区別される表面(immunologically-differentiated surface)によるFACS測定をFACSCalibur フローサイトメーター(BD Biosciences,Germany)によって行なった。
図3は、低張液による処理の関数として、血液細胞内の血液細胞の顆粒球亜集団の相対的割合を示す。低張液による処理に依存する、顆粒球集団の減少を見ることができる。この減少は、20〜40mosm/kgの範囲内の溶液では非常に顕著である。総細胞数に
対する顆粒球の割合は、約66%〜約13%のこの範囲内に入った。<20mosm/kgの溶液に関しては、顆粒球の割合は総細胞数の約10%のレベルで安定化した。
独立した3実験を、異なる記号で表示して、示す。
図1aは、正常血液に対する異なる低張条件下でのサイトケラチン20(CK20)及び(PBGD)の存在の検出を示す。 図1bは、ある一定数の腫瘍細胞を有する正常血液に対する異なる低張条件下でのサイトケラチン20(CK20)及び(PBGD)の存在の検出を示す。 図2は、25腫瘍細胞(HT29)を有する正常血液に対する異なる低張条件下でのサイトケラチン20(CK20)及び(PBGD)の存在の検出を示す。 図3は、血液細胞中の顆粒球亜集団の相対的割合を、低張液による処理の関数として示す。

Claims (25)

  1. 正常細胞及び変化細胞を含む細胞画分の分離方法であって、低張液中で正常細胞と変化細胞との混合物をインキュベートし、その1つ以上の細胞画分を破壊する工程を含む方法。
  2. 破壊されなかった細胞画分を回収する、次の工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 回収した細胞画分の細胞を分析する、次の工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 誘導細胞の分析をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行なう、請求項3記載の方法。
  5. 正常細胞と変化細胞との混合物が体液又は体組織に由来する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 体液が、血液、尿、脳脊髄液、骨髄、リンパ液、腹水及び痰を含む群から選択される、請求項5記載の方法。
  7. 変化細胞が腫瘍細胞である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 腫瘍細胞が循環腫瘍細胞及び/又は微小転移腫瘍細胞である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 正常細胞が血液からの単核細胞のみである、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 腫瘍細胞が、上皮起源の充実性悪性腫瘍(癌)グループから成る群から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 低張液のモル浸透圧濃度が100mosm/kg未満である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 低張液が、塩 NaCl、KCl、NHCl、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、ハンクス平衡塩類溶液(HBBS)又はこれらの混合物から選択される塩溶液である、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 低張液がさらに、核酸を分解する酵素及び/又はタンパク質分解酵素を含有する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 低張液がRNアーゼをさらに含む、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 誘導細胞の分析が、腫瘍マーカーの発現の測定を含む、請求項3〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 腫瘍マーカーが、サイトケラチン18(CK18)、サイトケラチン19(CK19)、サイトケラチン20(CK20)及びサイトケラチン・ファミリーの他のメンバー、癌胎児性抗原(CEA)、ErbB2、ErbB3、上皮ムチン−1、上皮ムチン−18、グアニリル・シクラーゼC、Cdx−1、Cdx−2、前立腺特異的抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、スクロース・イソマルターゼ、ラクターゼ、カルボニック・アンヒドラーゼ、チロシナーゼ、チログロブリン、チロシン ヒドロキシラーゼ、ニューロン特異的糖タンパク質、デスモプラキンI、上皮糖タンパク質40、及び胃腸関連抗原から選択される、請求項15記載の方法。
  17. 変化細胞、特に腫瘍細胞の存在を検出するための、請求項1〜16のいずれかに記載の方法の使用。
  18. 転移癌の診断のための、請求項1〜16のいずれかに記載の方法の使用。
  19. サンプル中の腫瘍細胞の存在を検出するためのキットであって、
    (a)低張液、及び
    (b)腫瘍マーカーをコードするmRNAの存在を検出するためのプライマー
    を含むキット。
  20. (c)高濃度カオトロピック塩を含むRNA安定化溶液
    をさらに含む、請求項19記載のキット。
  21. 低張液が100mosm/kg未満のモル浸透圧濃度を有する、請求項19又は20に記載のキット。
  22. 低張液が、塩 NaCl、KCl、NHCl、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、ハンクス平衡塩類溶液(HBBS)及びこれらの混合物から選択される塩溶液である、請求項1〜21のいずれかに記載のキット。
  23. 転移癌の診断のための請求項1〜22のいずれかに記載のキット。
  24. 該マーカーが、サイトケラチン18(CK18)、サイトケラチン19(CK19)、サイトケラチン20(CK20)及びサイトケラチン・ファミリーの他のメンバー、癌胎児性抗原(CEA)、ErbB2、ErbB3、上皮ムチン−1、上皮ムチン−18、グアニリル・シクラーゼC、Cdx−1、Cdx−2、前立腺特異的抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、スクロース・イソマルターゼ、ラクターゼ、カルボニック・アンヒドラーゼ、チロシナーゼ、チログロブリン、チロシン、ヒドロキシラーゼ、ニューロン特異的糖タンパク質、デスモプラキンI、上皮糖タンパク質40、及び胃腸関連抗原から選択される、請求項1〜23のいずれかに記載のキット。
  25. サンプル中の腫瘍細胞の存在を検出するための、請求項19〜24のいずれかに記載のキットの使用。
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