JP2006509843A - ケラチンを含むパーソナルケア配合物 - Google Patents

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Abstract

本出願はケラチン蛋白質画分を含むパーソナルケア製品の範囲を記載する。画分は未加工のものであることができるか、または加水分解されることができる。それは好ましくはS−スルホン化される。画分の含量は0.001%から50%の範囲に及ぶことができる。殆どの配合物ではその含量は1%未満であるであろうが、ネールケア製品のようなある製品では含量はより高いであろう。シャンプー、ボディジェル及びローション、コンディショナー、クリーム及び化粧品を含む広範囲のパーソナルケア製品が広く記載されている。

Description

本発明はケラチンを含むパーソナルケア配合物及び化粧品でのそれらの使用に関する。
蛋白質及びそれらの誘導体は毛髪、皮膚及び爪での使用を意図したそれらを含む広範囲のパーソナルケア配合物で使用されている。パーソナルケア配合物の成分として、蛋白質は湿潤剤及びエモリエント剤として、コンディショニング、膜形成を含む多くの機能を実行する。最も普通に用いられる蛋白質は配合物中への包含を容易とする十分な溶解度を与えるために加水分解される。これは特にケラチン蛋白質の場合にそうであり、これらの蛋白質はこの蛋白質内に存在する特徴的に高度のシステインと関連した架橋のために本質的に不溶性である。ケラチンを含む加水分解された蛋白質の使用の多くの例がパーソナルケア配合物で従来公知である。
WO 9851265は環境及び化学損傷の傷害から毛髪を保護する配合物での加水分解された蛋白質及びそれらの誘導体、特に高硫黄含量を持つもの、の使用を開示する。WO 9851265の発明者は希望の配合物を調製するために加水分解された蛋白質とポリアミノカチオン剤の組合せを使用する。
US 4948876はウール及び毛髪の染色での補助剤として使用するための酵素加水分解により製造されたS−スルホシステインケラチンペプチドを記載する。低分子量ペプチドを調製し、かつ希望の溶解度を達成するために酵素消化がこの著者により使用されている。
US 4895722は化粧製品の調製のために、化学及び酵素加水分解により得られたケラチン分解生成物を含む、広範囲のケラチン分解生成物の使用を検討している。
人間の毛髪、ウール及び他の動物繊維のようなケラチン繊維はケラチンファミリーの全ての部分である関連蛋白質の複合混合物からなる。これらの蛋白質はそれらの構造及び繊維内の役割により次の群に分けられることができる:
中間フィラメント蛋白質(IFP)、これらはほとんど繊維皮質内に見出される繊維蛋白質である;
高硫黄蛋白質(HSP)、これらは繊維皮質のマトリックス内に並びに小皮内に見出される球状蛋白質である。
高グリシン−チロシン蛋白質(HGTP)、ほとんど繊維皮質内に見出される。
ケラチン繊維の超微構造は従来周知であり、R.C.Marshall,D.F.G.Orwin及びJ.M.Gillespie,Structure and Biochemistry of Mammalian Hard Keratin,Electron Microscopy Reviews,4,47,1991により詳細に検討されている。記載された従来技術では蛋白質は化粧品の成分として使用され、用いられるケラチンは一材料として加水分解され、ケラチン源をその構成成分に分割する試みはない。蛋白質加水分解の結果として、蛋白質の多くの望ましい性質が失われる。低分子量ケラチンペプチドはかなり低度の状態で凝集し、それらが誘導される高分子量ケラチンよりかなり劣る物理的性質を持つ物質を製造する。加えて、ケラチン分解の化学方法と共に起こるかもしれないシステインの不可逆転換は他の蛋白質材料からそれを区別するコア機能を失ったペプチド製品を産出する。
天然のケラチンの望ましい特性の多くを維持し、かつケラチン基質への反応性を有する天然のケラチンから誘導される未加工のケラチンを使用するパーソナルケア配合物に対する要求が存在する。
本発明の目的はケラチン蛋白質を用いるパーソナルケア配合物を提供すること又は少なくとも公衆に有用な選択を提供することである。
本発明はケラチン蛋白質画分を含むパーソナルケア配合物を提供する。
ケラチン蛋白質画分は未加工のものであることができる。
本発明はまた、ケラチン蛋白質画分が加水分解されているパーソナルケア配合物を提供する。
特に、本発明はS−スルホン化されたケラチン蛋白質画分を含むパーソナルケア配合物を提供する。
本発明はケラチン蛋白質画分が中間フィラメント蛋白質ファミリーからのものであるパーソナルケア配合物を提供する。
本発明はまた、ケラチン蛋白質画分が高硫黄蛋白質ファミリーからのものであるパーソナルケア配合物を提供する。
ケラチン蛋白質のシステイン含量は約4%であることができる。
本発明はまた、ケラチン蛋白質画分が高グリシン−チロシン蛋白質ファミリーからのものであるパーソナルケア配合物を提供する。
好ましくは配合物中の未加工のS−スルホン化されたケラチン蛋白質画分の百分率は10重量%未満である。
より好ましくはその比は0.001と1重量%(それら自身を含む)の間にある。しかし、その比はケラチン蛋白質画分の0.001%から50%までであることができる。
本発明はまた、約0.001%から50%までのケラチン蛋白質画分を含むパーソナルケア配合物を提供する。
その比は好ましくは0.001%から10%まで、より好ましくは0.001%から1%までである。
本発明はまた、ケラチン蛋白質画分を含むパーソナルケア配合物のための添加剤を提供する。
パーソナルケア配合物は次のものを含むことができる:
コンディショニングシャンプー;
ボディ/顔面クレンザー/シャンプー;
ヘアコンディショナー;
ヘアジェル;
ヘアムース、セッティングローション;
ヘアスプレー;
プレパーマソリューション;
ポストパーマソリューション;
モイスチャリングクリーム;
シャワージェル;
発泡バスジェル;
マスカラ;
ネールポリッシュ;
リクイッドファウンデーション;
シェービングクリーム;及び
リップスティック。
しかし、他のパーソナルケア配合物も本発明内に含まれる。
本発明はまた、未加工のスルホン化されたケラチン画分を含むパーソナルケア配合物を提供し、そこではケラチン画分の比は配合物の約10%である。この配合物はネールポリッシュまたはネールグロッサーとして使用されるのに適合している。
パーソナルケア配合物は適当な重量%の化粧品基剤を含む。
ビタミン及びミネラルのような追加の要素が配合物の保護効能を強化するために添加されることができる。
紫外線保護性を持つ日焼け止め要素もまた添加されることができる。
本発明はまた、パーソナルケア配合物または本発明による添加剤を使用する方法を提供する。
図面の詳細説明
本発明が今や例としてのみ説明されるであろう。
図1は5%SIFPで処理されたパーマをかけた毛髪繊維に対するインストロン試験結果を示す。
図2は2%SIFPで処理されたパーマをかけた毛髪繊維に対するインストロン試験結果を示す。
図3は5%SIFPで処理された漂白された毛髪繊維に対するインストロン試験結果を示す。
図4は2%SIFPで処理された縮毛矯正された毛髪繊維に対するインストロン試験結果を示す。
図5は50%相対湿度における損傷されていない及び損傷された毛髪のSIFP,SHSP及びSPEPの直接付着性(substantivity)を示す。
図6はSIFP,SHSP及びSPEPで処理された損傷されていない及び損傷された毛髪の相対湿度増加による湿潤化を示す。
図7はワーリングブレンダー試験から得られたEDTAの存在及び不存在下における一般的な界面活性剤とSIFP,SHSP及びSPEPに対する発泡結果を示す。
図8はSIFP,SHSP及びSPEPを含む及び含まないシャンプー配合物に対する発泡結果を示す。
図9はSIFPの存在及び不存在下でのシャンプー配合物の主観評価のまとめである。
人間の毛髪、ウール、動物繊維、角、ひづめまたは他の哺乳類源から誘導されたもののような硬質アルファケラチン蛋白質はそれらの生物化学的性質により、特にそれらの分子量及びアミノ酸組成により特定の成分に類別されることができる。表1は従来公知の及びまた本発明の主題の典型的なケラチン蛋白質画分の通常の分析法により決定されたアミノ酸組成を示す。これは全てのシスチン及び不安定なシステイン誘導体をシステインに変換する、典型的には半システインとして記録されるアナライト(analyte)の酸加水分解を含む。
Figure 2006509843
表1は本発明で使用されるケラチン画分のアミノ酸組成を示す:S−スルホン化ケラチン中間フィラメント蛋白質(SIFP)、S−スルホン化ケラチン中間フィラメント蛋白質から誘導されたペプチド(SIFP−pep)、S−スルホン化ケラチン高硫黄蛋白質(SHSP)、S−スルホン化ケラチン高硫黄蛋白質から誘導されたペプチド(SHSP−pep)、S−スルホン化ケラチンペプチド(SPEP)。Gillespie and Marshall,Variability in the proteins of wool and hair,Proc.Sixth Int.Wool Text.Res.Conf.,Pretoria,2,67−77,1980の提供による中間フィラメント蛋白質(IFP)、高硫黄蛋白質(HSP)、高グリシン−チロシン蛋白質(HGTP)及び全ウール。全てモル%として表示されている。S−スルホシステイン、シスチン及びシステインは還元及びアルキル化後のS−カルボキシメチルシステインとして測定され、cysとして報告されている。
表2は従来公知の及びまた本発明の主題の典型的なケラチン蛋白質画分の通常の分析法により決定された分子量を示す。通常の分析は還元を用いるケラチン内のシスチン結合の開裂を含み、従って蛋白質質量は蛋白質の脱ケラチン化状態に最も似たその本来の脱架橋状態で決定される。質量はポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて決定される。ペプチドSPEPの場合、質量は質量分光法を用いて決定される。これらの方法を用いるとケラチンはペプチド結合のどのような加水分解もなしに可溶化され、分子量の正確な値が決定される。
Figure 2006509843
表2:本発明で使用されるケラチン画分の分子量:S−スルホン化ケラチン中間フィラメント蛋白質(SIFP)、S−スルホン化ケラチン中間フィラメント蛋白質から誘導されたペプチド(SIFP−pep)、S−スルホン化ケラチン高硫黄蛋白質(SHSP)、S−スルホン化ケラチン高硫黄蛋白質から誘導されたペプチド(SHSP−pep)、S−スルホン化ケラチンペプチド(SPEP)。Gillespie and Marshall,Variability in the proteins of wool and hair,Proc.Sixth Int.Wool Text.Res.Conf.,Pretoria,2,67−77,1980の提供による中間フィラメント蛋白質(IFP)、高硫黄蛋白質(HSP)、高グリシン−チロシン蛋白質(HGTP)及び全ウール。
アミノ酸組成及び分子量の両者ともケラチン形式に渡って種間で及びまた一つの種の種属内で変わり、例えば異なる種属の羊からのウール間で変わる。表1と2に与えられた数字は述べたケラチン源に対する表示である。しかし、個々の形式のケラチン蛋白質、またはケラチン蛋白質画分は特有の特性、特に分子量及びアミノ酸含量を持つ。
本発明の主題は未加工のS−スルホン化ケラチン蛋白質画分を含む配合物である。“未加工(intact)”は有意に加水分解されていない蛋白質に関し、ここで加水分解とは水の添加を通しての結合の開裂として定義される。Gillespie(Biochemistry and physiology of the skin,vol 1、Ed.Goldsmith Oxford University Press,London,1983,pp475−510)は“未加工”をケラチン化された高分子状態の蛋白質に関するものであると考えており、更にウール及び毛髪内に未加工のケラチンを形成するように錯体を作るポリペプチドサブユニットに関する。本発明の目的に対し、“未加工”はGillespieにより述べられたポリペプチドサブユニットに関する。これらはケラチン化の工程を通して形成されたジスルフィド架橋なしのそれらの本来の形のケラチン蛋白質に等しい。
ケラチン蛋白質画分は従来周知の中間フィラメント蛋白質、高硫黄蛋白質または高グリシン−チロシン蛋白質のようなケラチン蛋白質ファミリー内からの個々の群である。中間フィラメント蛋白質は詳細にOrwinら(Structure and Biochemistry of Mammalian Hard Keratin,Electron Microscopy Reviews,4,47,1991)により述べられており、またGilliespie(Biochemistry and physiology of the skin,vol 1,Ed.Goldsmith Oxford University Press,London,1983,pp475−510)により低硫黄蛋白質と呼ばれている。この蛋白質ファミリーの鍵となる特性は40−60kDの範囲の分子量と略4%のシステイン含量(半シスチンとして測定した)である。高硫黄蛋白質ファミリーはまた、同じ刊行物中にOrwin及びGillespieにより十分述べられている。この蛋白質ファミリーは大きな不均一度を持つが、10−30kDの分子量及び10%を越えるシステイン含量を持つものとして特徴付けられることができる。このファミリーのサブセット、超高硫黄蛋白質は34%までのシステイン含量を持つことができる。高グリシン−チロシン蛋白質ファミリーはまた、同じ刊行物中にOrwin及びGillespieにより十分述べられている。このファミリーはまた、高チロシン蛋白質と呼ばれており、10kD未満の分子量、典型的に10%を越えるチロシン含量及び典型的に20%を越えるグリシン含量の特性を持つ。
この発明の目的のための“ケラチン蛋白質画分”は全体的ではないが優勢的に上述の一つの個々の蛋白質群を含むケラチンの精製された形である。本発明の文脈において、S−スルホン化ケラチンは優勢的にBunte塩として一般的に知られるS−スルホシステインの形で存在するシステイン/シスチンを持つ。この高度に極性な基は蛋白質に対しある程度の溶解度を与える。溶液中で安定であるが、S−スルホ基は不安定なシステイン誘導体であり、システインのようなチオール類及び他の還元剤に対して高度に反応性である。還元剤との反応はS−スルホシステイン基のシステインへ戻る変換を導く。S−スルホシステインはシステイン酸とは両基ともSO 基を含むが化学的に異なる。システイン酸はシステインまたはシスチンの酸化により不可逆的に製造され、一且形成されるとシステインに戻るジスルフィド架橋を形成することができない。S−スルホシステインはシステインに向けて反応的であり、容易にジスルフィド架橋を形成する。
本発明の一態様はS−スルホン化ケラチン中間フィラメント蛋白質(SIFP)を含むパーソナルケア配合物である。これらの蛋白質は40−60kDの範囲の分子量とアミノ酸分析を通して決定された略4%のシステイン含量を持つことを特徴とする。この物質はNZ/PCT02/00125に記載された方法を含む多種の方法により調製されることができる。この物質は優れた膜形成性を持ち、NZ/PCT02/00169に概説された方式のような多種の方式で再構成されることができる。この物質の特徴は少なくとも一部は繊維状蛋白質の未加工の性質から発生する。中間フィラメント蛋白質は分子レベルで会合することが知られており、これが蛋白質の物質中への再形成への基礎である。膜形成剤として作用するこの物質の能力は有用な化粧品特性である。加えて、S−スルホ基は共有ジスルフィド結合を形成するチオールに向けて高度に反応性であるのでパーソナルケア配合物で用いられる。チオールは特にパーマ掛けのような還元工程を通して損傷された毛髪中に、システインの形で存在する。加えて、高度に極性の基としてS−スルホ基は酸化工程及び漂白を通して損傷された毛髪の表面のような極性基質に引き付けられる。この形式の毛髪によりSIFPは塩橋及び水素結合を形成することができ、その結果永続性のあるコンディショニング効果を与えることができる。
本発明の更なる態様はS−スルホン化ケラチン高硫黄蛋白質(SHSP)を含む化粧配合物である。これらの蛋白質は10−30kDの範囲の分子量及びアミノ酸分析を通して決定される10%を越えるシステイン含量を持つことで特徴付けられる。この物質はNZ/PCT02/00125に記載された方法を含む多種な方法により調製されることができる。ケラチン繊維皮質のマトリックス蛋白質、及びまた小皮細胞から誘導された未加工の球状蛋白質として、この物質は損傷された毛髪を修復する可能性を持ち、そこでは特に裂けた端部がこの未加工の蛋白質の繊維中への浸透を可能とするであろう。加えて、典型的にパーソナルケア配合物中で使用される商業的に入手可能なケラチン誘導体より高い割合のシステインを持つので、損傷された毛髪に結合する、またはパーマネント掛け工程の一部として使用されるときの毛髪に結合する可能性はかなり大きい。
本発明の一態様はケラチン蛋白質画分から誘導されたケラチンペプチドである。これらのペプチドはペプチドが誘導される画分に似たシステイン含量(SIFP−pepに対しては略4%でSHSP−pepに対しては10%を越える)を持つ。低分子量であるこれらの物質は毛髪及び皮膚の表面を浸透することができ、基質内に化粧機能を提供する。この物質は特定のケラチン蛋白質画分から誘導されており、しかもシステインがS−スルホシステインとして存在しているため、他の加水分解ケラチンとは差別化される。可変量のシステインを持つペプチド源は化粧品の配合に特別の価値を持つ。
本発明の一態様はバルクケラチンから誘導されたS−スルホン化ケラチンペプチドを含むパーソナルケア配合物である。これらのペプチドは略1kD以下の分子量とアミノ酸分析を通して決定された略4%のシステイン含量を持つことで特徴付けられる。この物質はNZ/PCT02/00125に記載された方法を含む多種の方法により調製されることができる。この物質はシステインがS−スルホ基の形で存在しているため、他の加水分解ケラチンから差別化される。この物質の低分子量は毛髪小皮を通して浸透することを可能とする。ペプチドに存在するS−スルホ基とこの基の反応性とを組合せたこの特徴は化粧品、特に毛髪化粧品の配合のための有用な成分を作り出す。
ケラチンは他の蛋白質より高いシステイン含量を持つことにより特徴付けられる。ウールから誘導された幾つかの蛋白質画分において30%もの高さのシステイン含量が報告されている。システインは既知の還元体であり、本発明の主題であるケラチン蛋白質画分は老化防止、またはフリーラジカル、汚染物質及び環境に起因する毛髪及び皮膚への酸化的損傷を減らすことを目標としたパーソナルケア配合物の活性成分として使用されることができる還元体及び酸化防止剤である。ケラチン蛋白質画分の酸化防止性の測定は表3に詳記されている。
Figure 2006509843
表3:ケラチン画分の抗酸化活性。結果は試料の100グラムまたはミリリットル当たりのTrolox等価酸化防止剤容量の量として表示され(μモルTEAC/100gまたはμモルTEAC/100mL)、それは試料の100グラムまたはミリリットルと同じ応答を与えるTrolox(ビタミンE)の量を示す。各抽出物につき3回の分析(異なる濃度で)が実施された。用いた試料の蛋白質濃度に基づき等価活性が計算された(SPEP及びSHSPは15%溶液、SIFPは5%溶液)。
パーソナルケア配合物は:
− 身体の臭いを変えるために、
− その外観を変えるために、
− それを浄化するために、
− それを良好な状態に維持するために、または
− それに芳香をつけるために、
口腔及び歯の粘膜を含む人体のいずれかの外部と接触して置かれることを意図したどのような物質または調剤も含むが、医薬として、治療物質または装置として、食品としてまたは栄養または食事療法補助剤として法律により規制される必要のあるどのような製品も含まない。
それはまた、外観を改善することを意図したどのようなパーソナルケア配合物も含む。
文脈が明らかにそうでないことを要求しないならば、明細書及び請求項を通して“含む”、“含んでいる”等の言葉は排他的または網羅的な意味に対向したすべてを含んだ意味で、すなわち“含むがそれに限定されない”意味で解釈されるべきである。
本発明は今や例示としてのみの添付実施例に関してかつ例としてのみ説明されるであろう。
各配合物において‘ケラチン画分’は表示水準で含まれる。ケラチン画分はSIFP,SIFP−pep,SHSP,SHSP−pep,HGTPまたはS−スルホン化ケラチンぺプチドと呼ばれ、それらのすべては上述されている。もしそうでないと述べられない限り、ケラチン画分を希水溶液の形で提供し、配合物中にこの溶液の適切な量を含ませて示されたケラチン画分水準を達成することが好都合である。ケラチン画分形式のための典型的な水溶液濃度はSIFP5%、SHSP15%及びS−スルホン化ケラチンぺプチド15%である。従って、SIFPの0.5%ケラチン画分の表示水準を達成するためには、10%のSIFP溶液が配合物中に用いられるであろう。百分率はw/vとして表示される。
試料配合物
コンディションニングシャンプー

ラウリル硫酸Na28% 25.0%
ラウレス−2−硫酸Na70% 4.0
コカミドDEA70% 3.5
コカミドプロピルベタイン(30%) 3.0
ケラチン画分 0.5
塩化Na 適量
クエン酸 適量
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
工程:A.35.0gの水をラウレス硫酸Na及びラウリル硫酸Naと混合する。溶解するまで65℃に加熱する。コカミドDEAを添加し、冷却させる。B.ベタインを水と混合し、工程Aに加える。ケラチン画分を添加し、pHをクエン酸により6.5に調整する。必要により防腐剤と香料を添加し、希望の濃度に塩化Naにより調整し、残りの水を加える。
ヘアジェル

カルボマー(Carbopol Ultrez 10) 0.5%
EDTA−2Na 0.05
グリセリン 4.0
トリエタノールアミン(TEA)(20%) 3.0
ケラチン画分 0.45
防腐剤 適量
香料 適量
水 適量から100
工程:A.60.0gの水を70℃に加熱し、Carbopol、EDTA及びグリセロールに加える。強く混合する。冷却する。TEAをpHを6.3に調整するように加える。ケラチン画分を添加する。防腐剤と残りの水を混合して添加する。十分混合し、希望により香料を添加する。
透明ボディ/顔面クレンザー及びシャンプー

ラウリル硫酸アンモニウム28% 25.0%
スルホコハク酸ラウレス2Na 20.0
コカミドプロピルベタイン 8.0
ケラチン画分 0.5
塩化Na 適量
香料(parfum) 適量
防腐剤 適量
水(aqua) 適量から100
ヘアコンディショナー

セトリモニウムクロリド 5.0%
ステアリルアルコール 4.5
ケラチン画分 0.25
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
ヘアムース

ケラチン画分 0.25%
水添タロウトリモニウムクロリド 0.20
ノノキシノール−10 0.35
アルコール 10.0
ブタン−48 10.0
水 適量から100
セッティングローション

カルボマー(Carbopol Ultrez 10) 2.0%
ミネラルオイル(軽) 0.20
ケラチン画分 0.25
アルコール 37.5
香料 適量
水 適量から100
ヘアスプレー

(VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル) 1.60%
コポリマー(Resyn 28−2930)
アミノメチルプロパノール(AMP) 0.15
PEG−75ラノリン 0.20
ケラチン画分 0.25
アルコール 65.05
ブタン30 28.0
プレパーマソリューション

ラウリル硫酸TEA 30.0%
コカミドプロピルジメチルアミンオキシド 10.0
コカミドDEA 7.5
コカミドプロピルベタイン 20.0
コカミドMEA 3.0
ケラチン画分 0.5
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量
ポストパーマソリューション

ケラチン画分 0.5%
コカミドプロピルジメチルアミンオキシド 10.0
PPG−5セテス−10リン酸 0.5
グリセリン 3.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.5
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
湿潤クリーム

セテアリルアルコール及びセテアレス−20 5.0%
セテアリルアルコール 2.0
ミネラルオイル(軽) 5.0
ケラチン画分 0.5
防腐剤 0.3
香料 適量
水 適量から100
ハンドボディローション

ジステアリン酸メチルグルコースポリグリセリル−3 4.0%
ステアリル/ベヘニルミツロウ 3.0
オクチルドデカノール 4.0
アボカド油 6.0
ミネラルオイル 3.0
ホホバ油 2.0
ケラチン画分 0.5
セラミドIII 0.2
プロピレングリコール 3.0
防腐剤 適量
香料 適量
水 適量から100
しわ防止トリートメントクリーム

ベヘノイル乳酸Na 2.0%
セテアリルアルコール 3.0
ステアリン酸グリセリル 2.6
パルミチン酸イソプロピル 6.0
ヒマワリ油 6.0
ケラチン画分 0.5
グリセリン 3.0
リン酸アスコルビルMg(及び)レシチン 6.0
(Rovisome−C、R.I.T.A)
防腐剤 適量
水 適量から100
顔面湿潤クリーム

乳酸ミリスチル 3.0%
ラネス−25(及び)セテス−25(及び) 1.0
オレス−25(及び)ステアレス−25
(Solulan25,Amerchol)
ミネラルオイル(70粘度) 16.5
ワセリン 3.0
トコトリエノール 1.0
カルボマー934 0.75
ケラチン画分 0.5
トリエタノールアミン(TEA)(10%水溶液) 7.5
防腐剤 適量
香料 適量
水 適量から100
湿潤ボディローション

ジオレイン酸メチルグルコース 2.0%
セスキステアリン酸メチルグルコース 1.5
ジステアリン酸メチルグルセス−20 1.5
セテアリルアルコール(及び)セテアレス−20 1.5
パルミチン酸イソプロピル 3.0
セラミド3、ヘキシルデカノール 2.0
メチルグルセス−10 3.0
ケラチン画分 0.5
カルボマー1342 0.2
トリエタノールアミン(TEA) 0.2
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
カチオン性エモリエントローション

イソステアラミドプロピルラウリル 5.0%
アセトジモニウムクロリド
ラクトアミドMEA 3.0
ネオペンタン酸イソステアリル 15.0
ミリスチン酸ミリスチル 1.0
セチルアルコール 4.0
イソステアリン酸グリセリル 3.5
ケラチン画分 0.5
防腐剤 適量
水 適量から100
男性用顔面コンディショナー

カルボマー(Ultrez 10 Carbopol) 0.4%
プロピレングリコール(PG) 1.0
PPG−5ブテス 0.5
ベータグルカン 2.0
PEG−60水添ヒマシ油 0.5
トリエタノールアミン(TEA)(99%) 0.4
ケラチン画分 0.5
SD−39C アルコール(Quantum) 5.0
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
湿潤付与アフターシェーブトリートメント

セテアレス−12(及び)セテアレス−20(及び) 6.0%
セテアリルアルコール(及び)パルミチン酸セチル
(及び)ステアリン酸グリセリル
(Emulgade SE,Henkel)
セテアリルアルコール 1.0
ジカプリリルエーテル 8.0
オクチルドデカノール 4.0
グリセリン 3.0
カルボマー(Ultrez 10 Carbopol) 0.3
ケラチン画分 0.5
ビサボロール 0.2
エチルアルコール 3.0
水(及び)ヒアルロン酸Na、(及び)コムギ 4.0
(tritium vulgare)胚芽エキ
ス(及び)サッカロミセス属(及び)セレビシ
アエエキス(Eashave,Pentapharm)
トリエタノールアミン(TEA) 適量
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
酸化防止クリーム

グリセリン(99.7%) 3.0%
キサンタンガム 0.15
EDTA−2Na 0.05
水添ポリイソブテン 1.0
パルミチン酸イソプロピル 5.0
ワセリン 0.75
ジメチコン 0.75
シクロペンタシロキサン 3.0
ステアレス−2 1.0
ステアリン酸PEG−100 1.9
セチルアルコール 2.0
パルミチン酸オクチル 3.0
ポリアクリルアミド(及び)C13−14 2.0
イソパラフィン(及び)ラウレス−7
(sepigel 305、Seppic)
ケラチン画分 0.5
グリセリン(及び)水(及び)ブドウ 0.5
(vitis vinitera)
種子エキス(Collaborative)
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
液状洗剤

ラウレス硫酸Na 50.0%
コカミドDEA 3.0
ケラチン画分 0.25
塩化Na 適量
防腐剤 適量
クエン酸 適量
水 適量から100
シャワージェル

ラウレス硫酸Na 35.0%
ラウロイルサルコシンNa 5.0
コカミドプロピルベタイン 10.0
コカミドプロピルヒドロキシルスルタイン 5.0
グリセリン 2.0
ケラチン画分 0.15
EDTA−4Na 0.25
クエン酸 適量
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
発泡浴用ジェル

ラウリル硫酸TEA 40.0%
ラウロイルジエタノールアミド 10.0
リノール酸ジエタノールアミド 7.0
PEG−75液状ラノリン 5.0
ケラチン画分 0.25
EDTA−4Na 0.5
香料 適量
防腐剤 適量
染料 適量
水 適量から100
ネールエナメル
この例のためにはケラチン画分を乾燥粉末としてS−スルホン酸の形で提供するのが好都合である。

第一コート

ケラチン画分(SIFP) 10.0%
水酸化Na(4%) 10.0
ケラチン画分(SHSPまたはSPEP) 適量
ラウリル硫酸Na 適量
染料または顔料 適量
水 適量から100

ネールグロッサー

ケラチン画分(SIFP) 10.0%
ケラチン画分(SHSPまたはスルホン化 適量
ケラチンペプチド)
水酸化Na(4%) 10.0
ラウリル硫酸Na 適量
水 適量から100

硬化剤

クエン酸 21.0%
水 79.0
マスカラ

PEG−8 3.0%
キサンタンガム 0.50
テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン 1.3
カルナウバロウ 8.0
ミツロウ 4.0
イソエイコサン 4.0
ポリイソブテン 4.0
ステアリン酸 5.0
ステアリン酸グリセリル 1.0
ケラチン画分 0.25
顔料 10.0
ポリウレタン−1 8.0
VP/VA共重合体 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
水 適量から100
液状ファウンデーション

ポリソルベート80 0.1%
水酸化K 0.98
ケラチン画分 0.25
二酸化チタン/タルク、80% 0.1
タルク 3.76
黄色酸化鉄/タルク、80% 0.8
赤色酸化鉄/タルク、80% 0.38
黒色酸化鉄/タルク、80% 0.06
プロピレングリコール(PG) 6.0
ケイ酸(Al/Mg) 1.0
セルロースガム 0.12
アジピン酸ジ−PPG−3 ミリスチル 12.0
セテアリルアルコール(及び)セテス−20 3.0
リン酸(及び)リン酸ジセチル
(Crodafos CS 20 Acid)
ステアレス−10 2.0
セチルアルコ−ル 0.62
ステアレス−2 0.5
防腐剤 適量
水 適量から100
シェービングクリーム

ココ硫酸Na 5.0%
ケラチン画分 0.25
グリセリン 7.0
スルホコハク酸ラウリル2Na 50.0
EDTA−2Na 適量
塩化Na 適量
クエン酸 適量
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
リップスティック

オクチルドデカノール 22.0%
オレイルアルコール 8.0
ケラチン画分 0.16
C30−45アルキルメチコン 20.0
液状ラノリン 14.0
ワセリン 5.0
ベントーン36(Rheox) 0.6
テノックス20(Eastman) 0.1
顔料/ヒマシ油 10.0
防腐剤 適量
シクロメチコン 適量から100
亜硫酸縮毛矯正剤

カルボマー(Carbopol 940) 1.5%
硫酸水素アンモニウム 9.0
ジエチレン尿素 10.0
セテアレス20 2.0
ケラチン画分 0.5
香料 適量
アンモニア水28% 適量からpH7.2
水 適量から100
縮毛矯正後中和溶液

炭酸水素Na 2.35%
炭酸Na 2.94
EDTA 0.15
セテアレス20 0.2
ケラチン画分 0.5
香料 適量
水 適量から100
縮毛矯正前コンディショナー

カチオン性ポリアミン 2.0%
イミダゾリジニル尿素 0.25
ケラチン画分 0.5
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
水酸化アルカリ金属縮毛矯正剤(Lye)

ベントナイト 1.0%
ラウリル硫酸Na 1.5
PEG−75ラノリン 1.5
ワセリン 12.0
セテアリルアルコール 12.0
水酸化Na 3.1
ケラチン画分 0.5
香料 適量
水 適量から100
縮毛矯正後シャンプー

ラウリル硫酸Na 10.0%
コカミドDEA 3.0
EDTA 0.2
ケラチン画分 0.5
クエン酸 適量からpH5.0
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
ヘアトニック/小皮カバー

グリセリン 5.5%
EDTA 0.07
カルボマー(Carbopol Ultrez 10) 0.33
トリエタノールアミン(TEA)(20%) 1.0
ケラチン画分 0.5
エタノール 10.0
防腐剤 適量
水 適量から100
リーブインヘアコンディショナー

セチルアルコール 5.0%
ステアリン酸グリセリル 3.0
ワセリン 0.7
ミリスチン酸イソプロピル 1.5
ポリソルベート60 1.0
ジメチコノール&シクロメチコン 4.0
グリセリン 7.0
EDTA 0.1
D−パンテノール 0.2
ケラチン画分 0.5
シクロメチコン 4.0
香料 適量
防腐剤 適量
水 適量から100
毛染め後コンディショナー

クオタニウム−40 2.0%
ケラチン画分 0.5
アンホテリック−2 4.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
リン酸 適量からpH4.5
香料 適量
水 適量から100
一時的毛着色スタイリングジェル

ジメチコンコポリオール 1.5%
PPG−10 メチルグルコース 1.0
ポリビニルピロリドン 2.5
トリイソプロパノールアミン(TIPA) 1.1
カルボマー(Carbopol 940) 0.6
ラウレス−23 1.0
フェノキシエタノール 0.2
ケラチン画分 0.5
EDTA 0.01
D&Cオレンジ4 0.12
Ext D&Cバイオレット2 0.02
FD&Cイエロー6 0.02
エタノール 5.0
香料 適量
水 適量から100
ケラチン画分を含む配合物は毛髪の美容性を改善することができる。これは以下の実施例により示される。
実施例1:強化
インストロン法
インストロン引張試験機による測定に先立ち毛髪繊維は水中に置かれた。ロードセル10N、荷重範囲10%、速度30mm/分、ゲージ長15mm。
個々の毛髪繊維を2%及び20%延ばすのに必要なエネルギーが50繊維に対して記録され、平均化された。
材料
パーマ溶液
8%チオグリコール酸、pHはアンモニア溶液で8に調整された。
パーマ中和剤
2.5%過酸化水素
漂白溶液
9%過酸化水素、1%過硫酸アンモニウム、pH8.3
縮毛矯正溶液
2.5%水酸化Na
縮毛矯正剤中和剤
9.5%クエン酸
パーマプロトコル
1.同じ出所(白色人種)からの毛髪繊維(長さ〜4cm)がパーマ溶液に3時間浸漬された。
2.中和溶液中に30分間置かれ、空気乾燥された。
3.ケラチン画分の適当量を含む溶液中に30分間置かれた。
4.処理された繊維は“洗い落とし(wash off)”法の場合、すすぎ洗いされ、乾燥され、50%相対湿度で23℃で一夜平衡させた。“放置(leave on)”法の場合、すすぎ洗い工程は省略された。
5.延ばすに必要なエネルギーがインストロン装置で測定された。
漂白プロトコル
1.同じ出所(白色人種)からの毛髪繊維(長さ〜4cm)が漂白溶液に3時間浸漬された。
2.ケラチン画分の適当量を含む溶液中に30分間置かれた。
3.すすぎ洗いされ、乾燥され、50%相対湿度で23℃で一夜平衡させた。
4.延ばすに必要なエネルギーがインストロン装置で測定された。
縮毛矯正プロトコル
1.同じ出所(白色人種)からの毛髪繊維(長さ〜4cm)が縮毛矯正溶液に30分間浸漬された。
2.中和溶液中に5分間置かれ、RO水中ですすぎ洗いされ、空気乾燥された。
3.ケラチン画分の適当量を含む溶液中に30分間置かれた。
4.すすぎ洗いされ、乾燥され、50%相対湿度で23℃で一夜平衡させた。
5.延ばすに必要なエネルギーがインストロン装置で測定された。
試験例1:パーマプロトコルは5%SIFP(5%水溶液として供給された)、すなわち0.25%有効量のケラチン画分で使用された。先に述べたインストロン引張試験法を用いた。結果は表4と図1に示されている。
Figure 2006509843
表4.5%SIFPにより処理されたパーマをかけた及び未損傷毛髪繊維に対するインストロン試験結果。結果は毛髪繊維をゲージ長(15mm)の2及び20%だけ延ばすに必要な平均エネルギー(ミリジュール)として示されている。
この研究はパーマ工程により弱化された毛髪繊維がケラチン画分を含む溶液による続く処理により洗い落とし及び放置の両プロトコルで強度を回復することを示す。パーマを掛けた繊維に関してパーマ掛け/ケラチン処理された繊維を延ばすに必要なエネルギーの増加はスチューデントのt試験を用いて統計的に測定され、全ての場合に有意であることが見出された。
試験例2:パーマプロトコルは2%SIFP(5%水溶液として供給された)、すなわち0.1%有効量のケラチン画分で使用された。先に述べたインストロン引張試験法を用いた。結果は表5及び図2に示されている。
Figure 2006509843
表5.2%SIFPにより処理されたパーマをかけた及び未損傷毛髪繊維に対するインストロン試験結果。結果は毛髪繊維をゲージ長(15mm)の2及び20%だけ延ばすに必要な平均エネルギー(ミリジュール)として示されている。
この研究はパーマを掛けた毛髪繊維が放置プロトコルの一部として用いられるときケラチン画分の0.1%有効溶液による処理後に強化されることを示す。差はスチューデントのt試験を用いて統計的に分析され、統計的に有意であること(2%延びでp<0.001及び20%延びでp<0.054)が見出された。
試験例3:漂白プロトコルは5%SIFP(5%水溶液として供給された)、すなわち0.25%有効量のケラチン画分で使用された。先に述べたインストロン引張試験法を用いた。結果は表6と図3に示されている。
Figure 2006509843
表6.5%SIFPにより処理された漂白された及び未損傷毛髪繊維に対するインストロン試験結果。結果は毛髪繊維をゲージ長(15mm)の20%だけ延ばすに必要な平均エネルギー(ミリジュール)として示されている。
この研究は漂白を受けた毛髪繊維が放置プロトコルの一部として0.25%有効ケラチン蛋白質画分を含む溶液で処理後に強度を増大したことを示す。差はスチューデントのt試験を用いて統計的に分析され、統計的に有意であること(p<0.03)が見出された。
試験例4:縮毛矯正プロトコルが2%SIFP(5%水溶液として供給された)、すなわち0.1%有効量のケラチン画分で使用された。先に述べたインストロン引張試験法を用いた。結果は表7及び図4に示されている。
Figure 2006509843
表7.2%SIFPにより処理された縮毛矯正された及び未損傷毛髪繊維に対するインストロン試験結果。結果は毛髪繊維をゲージ長(15mm)の20%だけ延ばすに必要な平均エネルギー(ミリジュール)として示されている。
この研究は縮毛矯正法を受けた毛髪繊維が洗い落としプロトコルの一部として0.1%有効ケラチン蛋白質画分を含む溶液で処理後に強度を増大したことを示す。差はスチューデントのt試験を用いて統計的に分析され、統計的に有意であること(p<0.015)が見出された。
試験例1−4はケラチン蛋白質画分が日常的に美容処理で使用されているパーマ掛け、漂白及び縮毛矯正を受けた毛髪に強化効果(個々の毛髪繊維を延ばすのに必要なエネルギーの増加により測定される)を与えることを証明する。
実施例2:直接付着性(Substantivity)
ケラチンシャンプー配合物

ラウリル硫酸アンモニウム 25.0重量%
スルホコハク酸ラウレス2Na 20.0
コカミドプロピルベタイン 8.0
防腐剤 0.3
ケラチン画分 0.5
塩化Na 適量
水 適量から100
実験手順
毛髪見本2−3gが使用された。実験は2度実施された。見本は残留コンディショニング剤を除去するために使用前にシャンプーされた。見本は未損傷のまま残されるか、または多数回のパーマ掛け工程または漂白工程を受けさせた。見本は50%RHで平衡させられ正確に計量された。ケラチン画分は見本に水溶液からまたはシャンプー配合物の一部としてのいずれかで見本当たり3.0mlの水準で付与された。処理溶液は見本上に指先で拡げられ、1分間吸収させられ、RO水の流れですすぎ洗いされた。見本は空気乾燥され、計量に先立ち50%RHで24時間平衡させられた。
結果は表8と図5にまとめられている。
Figure 2006509843
表8.SIFP,SHSP及びSPEPを含む溶液またはシャンプー配合物で処理した及び処理しない損傷した及び未損傷の毛髪に対する50%相対湿度での重量増加百分率。
この研究はSIFPケラチン画分が水溶液及びシャンプー配合物の両者から未損傷、パーマ掛け及び漂白毛髪に対して直接付着性があることを示す。SHSPケラチン画分はまた、水溶液及びシャンプー配合物から直接付着性があり、漂白した及びパーマをかけた毛髪に対してかつシャンプーよりむしろ溶液として適用されたときより大きな範囲で吸着すると思われる。1kD未満の分子量を持つケラチン画分SPEPは水溶液及びシャンプーから漂白及びパーマをかけた毛髪に対して直接付着性があるが、未損傷毛髪では重量増加と関連付けられなかった。かなり大きな重量増加が水溶液から観察され、これはシャンプー中に存在する界面活性剤がケラチン画分を除去しているかもしれないことを示す。
これらの結果は異なるケラチン画分が毛髪繊維に異なる表面活性を持つことを示す。より大きな画分は吸着層を形成するより大きな能力を持ち、低分子量SPEPと比べてコンディショニング及び平滑化(光沢)効果を持つ。
実施例3:湿潤化
実験手順
毛髪見本2−3gが用いられた。実験での各処理は2度行われた。見本は残留コンディショニング剤を除去するために使用する前に高表面活性剤(非コンディショニング)シャンプーでシャンプーされた。見本は未損傷のまま残されるか、または多数回のパーマ掛けまたは漂白工程を受けさせた。見本は50%RHで24時間平衡され、正確に計量された。見本は73%RHで24時間平衡され、正確に計量された。増加した湿分(蛋白質処理なしの)の結果としての重量の差が計算された。見本はケラチン画分を含む水溶液またはケラチン画分(先に述べた)を含むシャンプーのいずれかで処理(2度)された。見本は50%RHで24時間平衡され、計量された。見本は73%RHで24時間平衡され、計量された。ケラチン溶液またはシャンプーで処理された後の増加した湿分の結果としての重量の差が計算された。結果は表9及び図6にまとめられている。
Figure 2006509843
表9.SIFP,SHSPまたはSPEPを含む水溶液またはシャンプーで処理された損傷された及び未損傷の毛髪繊維の相対湿度増加による重量増加百分率。
この研究は湿潤化が付与されたケラチン画分に依存して増減されうることを示す。SIFPケラチン画分は水溶液またはシャンプーとして付与されたとき高湿分でパーマを掛けた、漂白した及び未損傷の毛髪の湿分吸収を減少させた。SHSP画分は高湿度での湿分吸収に影響が少なかったこと及び水溶液よりはむしろシャンプーから付与されたとき湿潤化が減少したことを示した。SPEPは特にシャンプーから付与されたとき湿分吸収を増加した。
実施例4.配合物の発泡。
実験手順
ワーリングブレンダー試験
方法:
1.試験される物質の5%溶液の100mLを調製する。
2.ブレンダー中に注入する。
3.1分間高速で混合する。
4.全液体を500mL測定シリンダー中に注入する。
5.直後の発泡量(−100mL)を記録する。
6.5分後のmLでの発泡量を記録する(これが“低発泡”測定を与えるであろう)。
試験例7.一般的な界面活性剤を含むケラチン画分の発泡の比較及び0.5%金属イオン封鎖剤エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の添加効果。ワーリングブレンダー試験が適用された。結果は表10及び図7にまとめられている。
Figure 2006509843
表10.ワーリングブレンダー試験での発泡量及び安定性。結果は混合直後及び5分後の発泡容積として表されている。
この研究はSIFPケラチン画分が軽い発泡を示し、安定な発泡を形成することを示す。SHSP画分は中間発泡性を示し、非常に安定な発泡を形成した。SPEPは不安定な発泡を形成した。イオン封鎖剤EDTAの添加は全ての画分の発泡能力を増加した。
試験例8.ケラチン画分混合物の発泡性。ケラチン画分が混合され、ワーリングブレンダー試験が発泡を評価するために使用された。結果は表11にまとめられている。
Figure 2006509843
表11:ワーリングブレンダー試験のケラチン画分混合物の発泡量及び安定性。結果は混合直後及び5分後の発泡容積として表されている。
この研究は発泡の少ないSIFP画分へのSHSPケラチン画分の添加が発泡能力を増加することを示す。
試験例9.ケラチン画分を含むシャンプー配合物の発泡。先に述べた0.5%有効活性ケラチン画分を含むシャンプー配合物。ワーリングブレンダー試験結果が表12及び図8にまとめられている。
Figure 2006509843
表12.ワーリングブレンダー試験でのSIFP,SHSP及びSPEPを含む及び含まないシャンプーの発泡量及び安定性。結果は混合直後及び5分後の発泡容積として表されている。
蛋白質が配合物の発泡に逆効果を持つことが多いことは知られている。この研究はSIFPケラチン画分のシャンプー配合物への添加が発泡に有害な影響を持たないこと、更に発泡安定性が増加している幾らかの証拠があることを示す。更にSHSP画分のシャンプー配合物への添加が発泡能力を増加し、ケラチンの不存在下での結果に比べて5分後のより大きい発泡をもたらす。SPEPケラチン画分は発泡形成を抑制する。
実施例5:シャンプー配合物でのケラチン画分の主観評価。
方法
志願者が二つのラベルを付していないシャンプー配合物(先に述べた)を与えられた。その一方はSIFPケラチン画分の0.5%有効量を含んでいた。志願者は1週間に渡り通常と同じ回数で一試料で毛髪を洗浄すること、次いで他の試料で繰り返すことを要求された。志願者は次いで発泡能力、光沢付与性、毛髪感触、櫛梳き性、及び外観の項目で各試料をランク付けするよう質問表を与えられた。低い数字は望ましくない効果と関連付けられ、例えば櫛梳き性1=梳くのが極めて困難、そして6=優れた櫛梳き性を示す。
試験例10.
質問表が集められ、点数が記録され、平均化された。結果は表13と図9にまとめられている。
Figure 2006509843
表13.SIFPを含む及び含まないシャンプー配合物の主観評価。結果は志願者により記録された点数の平均値である。
この研究は志願者がケラチン画分の添加の結果としてシャンプー配合物の発泡に大きな変化を観察しなかったことを示す。更にケラチン画分の存在がコンディショング剤として作用することを示す優れた光沢、感触、櫛梳き性及び改善された外観を配合物に与えることが観察された。
本発明は上記の例に関して述べられたが、多くの改良及び変更がこの明細書中に記載された本発明の範囲を逸脱することなくなされることができることは認められるであろう。
産業的利用性
この出願で述べられた組成物は湿潤剤、ローション、クリーム及びジェルのような化粧品を含む、シャンプー、ジェル、コンディショナー、クリーム及び洗剤のようなパーソナルケア製品の広範囲で有用であるであろう。
5%SIFPで処理されたパーマをかけた毛髪繊維に対するインストロン試験結果を示す。 2%SIFPで処理されたパーマをかけた毛髪繊維に対するインストロン試験結果を示す。 5%SIFPで処理された漂白された毛髪繊維に対するインストロン試験結果を示す。 2%SIFPで処理された縮毛矯正された毛髪繊維に対するインストロン試験結果を示す。 50%相対湿度における損傷されていない及び損傷された毛髪のSIFP,SHSP及びSPEPの直接付着性を示す。 SIFP,SHSP及びSPEPで処理された損傷されていない及び損傷された毛髪の相対湿度増加による湿潤化を示す。 ワーリングブレンダー試験から得られたEDTAの存在及び不存在下における一般的な界面活性剤とSIFP,SHSP及びSPEPに対する発泡結果を示す。 SIFP,SHSP及びSPEPを含む及び含まないシャンプー配合物に対する発泡結果を示す。 SIFPの存在及び不存在下でのシャンプー配合物の主観評価のまとめである。

Claims (42)

  1. ケラチン蛋白質画分を含むことを特徴とするパーソナルケア配合物。
  2. ケラチン蛋白質画分が未加工のものであることを特徴とする請求項1に記載のパーソナルケア配合物。
  3. ケラチン蛋白質画分が加水分解されていることを特徴とする請求項1に記載のパーソナルケア配合物。
  4. ケラチン蛋白質画分がS−スルホン化されていることを特徴とする請求項1−3のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  5. ケラチン蛋白質画分が中間フィラメント蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  6. ケラチン蛋白質画分が高硫黄蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  7. ケラチン蛋白質のシステイン含量が約4%であることを特徴とする請求項5に記載のパーソナルケア配合物。
  8. ケラチン蛋白質のシステイン含量が10%より大きいことを特徴とする請求項6に記載のパーソナルケア配合物。
  9. ケラチン蛋白質画分が高グリシン−チロシン蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  10. 約0.001%から50%のケラチン蛋白質画分を含むことを特徴とするパーソナルケア配合物。
  11. 0.001%から10%のケラチン蛋白質画分を含むことを特徴とする請求項10に記載のパーソナルケア配合物。
  12. 0.001%から1%のケラチン蛋白質画分を含むことを特徴とする請求項11に記載のパーソナルケア配合物。
  13. ケラチン蛋白質画分が未加工のものであることを特徴とする請求項10−12のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  14. ケラチン蛋白質画分が加水分解されていることを特徴とする請求項10−12のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  15. ケラチン蛋白質画分がS−スルホン化されていることを特徴とする請求項10−14のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  16. ケラチン蛋白質画分が中間フィラメント蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項13から15のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  17. ケラチン蛋白質画分が高硫黄蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項13から15のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  18. ケラチン蛋白質のシステイン含量が約4%であることを特徴とする請求項16に記載のパーソナルケア配合物。
  19. ケラチン蛋白質のシステイン含量が10%より大きいことを特徴とする請求項17に記載のパーソナルケア配合物。
  20. ケラチン蛋白質画分が高グリシン−チロシン蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項13から15のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物。
  21. ケラチン蛋白質画分を含むことを特徴とするパーソナルケア配合物のための添加剤。
  22. 蛋白質画分が未加工のものであることを特徴とする請求項21に記載の添加剤。
  23. 蛋白質画分が加水分解されていることを特徴とする請求項21に記載の添加剤。
  24. 蛋白質画分がS−スルホン化されていることを特徴とする請求項21−23のいずれか一つに記載の添加剤。
  25. 蛋白質画分が中間フィラメント蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項21−24のいずれか一つに記載の添加剤。
  26. 蛋白質画分が高硫黄蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項21−24のいずれか一つに記載の添加剤。
  27. 蛋白質のシステイン含量が約4%であることを特徴とする請求項25に記載の添加剤。
  28. 蛋白質のシステイン含量が10%より大きいことを特徴とする請求項26に記載の添加剤。
  29. 蛋白質画分が高グリシン−チロシン蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項21から24のいずれか一つに記載の添加剤。
  30. 0.001%から50%のケラチン蛋白質画分を含むことを特徴とするパーソナルケア配合物のための添加剤。
  31. 0.001%から10%のケラチン蛋白質画分を含むことを特徴とする請求項30に記載の添加剤。
  32. 0.001%から1%のケラチン蛋白質画分を含むことを特徴とする請求項30に記載の添加剤。
  33. ケラチン蛋白質画分が未加工のものであることを特徴とする請求項30−32のいずれか一つに記載の添加剤。
  34. ケラチン蛋白質画分が加水分解されていることを特徴とする請求項30−32のいずれか一つに記載の添加剤。
  35. ケラチン蛋白質画分がS−スルホン化されていることを特徴とする請求項30−32のいずれか一つに記載の添加剤。
  36. ケラチン蛋白質画分が中間フィラメント蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項33から35のいずれか一つに記載の添加剤。
  37. ケラチン蛋白質画分が高硫黄蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項33から35のいずれか一つに記載の添加剤。
  38. ケラチン蛋白質のシステイン含量が約4%であることを特徴とする請求項36に記載の添加剤。
  39. ケラチン蛋白質のシステイン含量が10%より大きいことを特徴とする請求項37に記載の添加剤。
  40. ケラチン蛋白質画分が高グリシン−チロシン蛋白質ファミリーからのものであることを特徴とする請求項30−35のいずれか一つに記載の添加剤。
  41. 請求項1−20のいずれか一つに記載のパーソナルケア配合物を使用することを特徴とする方法。
  42. 請求項1−40のいずれか一つに記載の配合物または添加剤の使用を含むことを特徴とする毛髪を処理する方法。
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