JP2006508272A - 織機 - Google Patents

Abstract

本発明は、作製すべき織布（１６）のためのウィービングポイント（１０）の後方に配置したエキスパンダ（１２）を備える織機に関するものである。前記エキスパンダは織布（１６）のための転向エッジ（１４）を備え、織布の全幅に亘って十分に届く、浮遊して配置した回動自在なロッド（１８）を前記転向エッジ（１４）に対して予圧する。簡素化すると共に、アクセスを容易にするために、ロッド（１８）は少なくとも部分的に強磁性材料から作製されると共に、その長手方向に配分してフレーム（２４）に配置したマグネット（２０）を介し転向エッジ（１４）に対して予圧される。

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載した織機に関するものである。

上述の構成を有する織機は、既に多くのものが公知であり、例えば、ドイツ特許第２３０２９４９号明細書に開示されている。ここに記載された織機は、ウィービングポイントを備え、その後方に作製すべき織布のためのエキスパンダが配置される。エキスパンダは、織布のための転向エッジを有し、織布の全幅に亘って届く、浮遊して配置した回動自在なロッドが前記転向エッジに対して予圧される。しかしながら、ロッドがフレームの凹所に配置されるのは不利である。凹所はスリットを備え、このスリットは織布のための進入／送出を行う転向エッジを形成する。織布はスリット内に導入され、ロッドを迂回し、第２転向エッジを超えて再びスリットに導かれる。転向エッジに対してロッドを押圧する予圧力は、織機のトリガー機構で織布に係る引張力によって決定される。このようにエキスパンダを形成することにより、織布をスリットから凹所へ導入し、ロッドに巻き付け、織布を凹所から導出することが極めて複雑かつ煩雑となり不利である。このことは、織機の整備のみならず、特に、織機の万一の故障に際する復旧にも該当する。

本発明の課題は、従来技術における問題点を解消することにより、織機の改良を提案することにある。

この課題を解決するため、本発明の織機は請求項１の記載事項を特徴とする。ロッドは、その長手方向に分配されたマグネットを介し、転向エッジに対して予圧される。それにより、スリットを備える凹所にロッドを配置する必要が無くなり、ロッドは織布上で自由にアクセス可能となる。更に、織布の引張力によってロッドを転向エッジに対して押圧することも不要となる。ロッドを転向エッジに対して予圧する磁力によって押圧される。織布上にロッドを自由に配置することにより、調整作業および／または修理のためにロッドをフレームから取り外すことができるため、織布は常に自由にアクセス可能である。更に、ロッドの長さに亘って配分されたマグネットは、全長に亘って均等な押圧力を与える。

織機の好適な実施形態については、従属請求項２乃至９に記載したとおりである。

ロッドの予圧に供するマグネットは、請求項２に記載した電磁石とすることができる。この電磁石はオンオフ制御によってロッドの取り外しを容易にする点で有利である。更に、マグネットの電界強度は電流によって広い範囲内で調整可能となるため、エキスパンダを織物および作製方法に最適に調整することができる。しかしながら、マグネットを永久磁石とする請求項３に従って織機を形成することが特に容易である。永久磁石により、特に簡単な構造が確実に実現可能となり、駆動電流が無くとも有効に作動可能となる。

請求項４に記載されたマグネットの押圧力は、トリガー機構によって織布に作用する引張力よりも大きいこととする。必要ならば、請求項５に掲げる支持ローラを備えるのが適切である。この支持ローラは、少なくともロッドの端部を把持すると共に、押圧を支援する。この場合、マグネットの押圧力は必要ならばトリガー機構の引張力より小さくすることも可能である。支持ローラをロッドに対して予圧することは適切である。織機の組立、調整および保守を容易にするため、支持ローラを旋回可能とすることもできる。

通過する織布によってロッドの駆動を向上させるために、ロッドには摩擦を高める表面を備えるのが有利である。ロッドは、請求項６に記載したようにゴム弾性を有するエンベロープ等を備えるか、あるいは請求項７に記載したようなサンドペーパー状のエンベロープを備えることができる。請求項８に記載したように、ロッドは螺旋状に成形したエンベロープを備えることができる。ロッドの両半部に螺旋状として施したプロファイルは、逆方向に整列される。このようなロッドは、平滑な転向エッジと協働するのが適切であり、ロッドは通過する織布を両側へ延ばすことに供する。

請求項９の織機において、転向エッジがリブを備えるように形成するのが特に有効である。これらのリブは、織布の走行方向で見て、中心線の両側で斜め外方に延在する。この場合、ロッドは螺旋状に成形したエンベロープを備えないのが適切である。

以下、本発明を図示した好適な実施形態について更に具体的に説明する。

図１は、本発明による織機の一部分を破断して示す断面図である。たて糸２はシェド４を形成し、よこ糸６を前記シェド４に挿入する。よこ糸６は、リード８を介して織布停止エッジ１０に当接する。

織布停止エッジ１０の後方に配置したエキスパンダ１２は転向エッジ１４を備える。作製された織布１６はロッド１８を介して前記転向エッジ１４に対して押圧される。強磁性材料から成るロッド１８は、マグネット２０を介し転向エッジ１４に対して押圧されるため、織布１６は転向エッジ１４を通過してロッド１８に接触する。したがって、トリガー機構２２によって取り込まれた織布１６はロッド１８を回転させる。ロッドは、フレーム２４上に浮遊して配置され、回動自在となる。ロッドの長さに亘って配置された複数個のマグネットはフレーム２４に固定され、必要な押圧力を生み出す。この押圧力は、織布に作用するトリガー機構の引張力よりも大きいこととする。

本実施例におけるロッド１８は、ゴム弾性を有する材料から成るエンベロープ２８によって包囲された強磁性コア２６から作製される。ゴム弾性を有するエンベロープの代わりに、織布１６とロッド１８との摩擦抵抗を高めるような他のエンベロープを使用することも可能である。そのようなエンベロープは、例えば、サンドペーパーから作製可能である。

請求項２に記載したように、ロッド１８と協働する転向エッジ１４は、リブ３０を備える。これらのリブ３０は、織布１６の走行方向で見て中心線３２の両側で相反する方向の斜め外方に延在する。

図３は、螺旋状リブ３４を有する螺旋状に成形したエンベロープ２８ａを備えるロッド１８ａを示している。螺旋状リブ３４はロッド１８ａの両半部に逆方向として整列する。このようなロッド１８ａは平滑な転向エッジ１４と協働するのが適切であり、通過する織布を長手方向に対して直角に延伸することができる。

図１に破線で示すように、ロッドには少なくとも端部に、必要ならば長手方向に分配して支持ローラ３６を対応させることができる。支持ローラ３６は、それぞれ旋回可能としてフレーム２４に配置したビーム３８を介し配置される。ビーム３８は、支持ローラ３６のシャフト４２のための長穴４０を備える。ロッド１８に対して支持ローラ３６を予圧するためのスプリング４４がシャフト４２に作用する。

織機を破断して示す縦断面図である。 図１に示した織機に投入可能な転向エッジを示す見取り図である。 螺旋形状に成形したエンベロープを備えるロッドを破断して示す断面図である。

符号の説明

２ たて糸
４ シェド
６ よこ糸
８ リード
１０ ウィービングポイント
１２ エキスパンダ
１４ 転向エッジ
１６ 織布
１８ ロッド
１８ａ ロッド
２０ マグネット
２２ トリガー機構
２４ フレーム
２６ コア
２８ エンベロープ
２８ａ エンベロープ
３０ リブ
３２ 中心線
３４ リブ
３６ 支持ローラ
３８ ビーム
４０ 長穴
４２ シャフト
４４ スプリング

Claims (9)

1. 作製すべき織布（１６）のためのウィービングポイント（１０）の後方に配置したエキスパンダ（１２）を備える織機であって、前記エキスパンダ（１２）は織布（１６）のための転向エッジ（１４）を備え、織布の全幅に亘って十分に届く、浮遊して配置した回動自在なロッド（１８、１８ａ）を前記転向エッジ（１４）に対して予圧した織機において、ロッド（１８、１８ａ）は少なくとも部分的に強磁性材料から作製されると共に、その長手方向に配分してフレーム（２４）に配置したマグネット（２０）を介し、転向エッジ（１４）に対して予圧されることを特徴とする織機。
2. マグネット（２０）は電磁石とすることを特徴とする、請求項１に記載の織機。
3. マグネット（２０）は永久磁石とすることを特徴とする、請求項２に記載の織機。
4. マグネットの押圧力は、トリガー機構（２２）によって織布（１６）に生じる引張力より大きいことを特徴とする、請求項１乃至３のいずれかに記載の織機。
5. ロッド（１８）の少なくとも端部には支持ローラ（３６）を付設し、好適には前記支持ローラをロッドに対して予圧することを特徴とする、請求項１乃至４のいずれかに記載の織機。
6. ロッド（１８）はゴム弾性を有するエンベロープ（２８）を備えることを特徴とする、請求項１乃至５のいずれかに記載の織機。
7. ロッド（１８）はサンドペーパーに類似したエンベロープを備えることを特徴とする、請求項１乃至５のいずれかに記載の織機。
8. ロッド（１８ａ）は螺旋形状に成形したエンベロープ（２８ａ）を備え、螺旋形状のリブ（３４）をロッドの両半部に逆方向で整列させることを特徴とする、請求項１乃至５のいずれかに記載の織機。
9. 転向エッジに備えたリブは、織布の走行方向から見て、中心線の両側で斜め外方へ延在することを特徴とする、請求項１乃至８のいずれかに記載の織機。

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