JP2006507949A - 金属バンドを圧延するための装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願人は、本出願人による1970年のプッシュ・ベルトの発明以来変化していない方法で金属バンドを圧延してきた。その方法の原理は最近、日本特許公報第JP−11−290908号(特許文献2)に公開されている。プッシュ・ベルトおよびそのバンドの特性に対する洞察が進み、無段階変速装置の人気が高まるにつれ、特に技術の現状に応じたバンドの品質要件を鑑みて、さらに本出願人の長年の経験、現代のプッシュ・ベルトの要件、および技術の一般的開発の進歩が反映された完全に現代的なプロセス、および対応する装置を達成するために、圧延プロセスおよび圧延装置の原理を改善する必要性が生じている。特に、プッシュ・ベルトの技術の進歩により、プッシュ・ベルトの単位質量ごとに伝達される動力を増大させることが必要になり、したがってこのために、プッシュ・ベルトの生産プロセスの各部分を、技術的に非常に進歩した状態で実行することが望ましい。
この目的は、本発明により、請求項1の特徴が記載されている部分による措置を追加した圧延装置で達成される。この措置により、圧延中に必要なバンドの締め付けを、第2のベアリング・ローラによって加える引張り力だけによって非常によく制御され、技術的に単純かつ頑強な方法で達成できることが可能になるので有利である。このような構造が、バンドの締め付けに2つのローラしか使用せず、その場合にバンドに加える引張り力によってローラの一方の動作しか制御しなくてよいことにより、都合よく比較的単純な設計であることとは別に、上記構造は、現代の生産手段に通常存在する電子制御ユニットが、加える引張り力に関して都合よくフィードバックを提供できるという利点も与える。本出願人が以前に使用していた構造のように2つのベアリング・ローラの動作を制御する必要がある装置とは異なり、新しい構造では、バンドに加える引張り力は、一組の起動手段によって十分に制御することができ、その結果、上記力が圧延プロセスにさらに迅速かつさらに正確に作用する。これらの利点は、圧延プロセス中に圧延ローラとともに厚さ方向でバンドに作用する第1のベアリング・ローラ、すなわち中心ローラが、装置内に非常に安定した状態で収容されることによって可能になる。すなわち、バンドが第1のベアリング・ローラに加える引張り力は、実質的にバンドがたるむことなく装置内で支持される。そのために、本発明によれば、2つの支持ローラが装置に収容され、このローラは、圧延ローラのシャフトと中心、すなわち第1のベアリング・ローラのシャフトとの間の想像軸線に対して偏心位置から第1のベアリング・ローラと接触する。動作上の利点は、ローラの数が減少し、その新しい構成のために、新しい構造が本質的に安定していることであり、それにより比較的高い生産速度が可能になり、その結果、圧延するバンドごとのサイクル時間が短縮される。
装置の代替的または追加的実施形態では、圧延作業中にバンドと直接接触するローラの直径に大きい差がある。すなわち、この構成は、バンドの内側および外側がそれぞれローラに接触することによって表面の曲率が異なる結果、達成すべきバンドの厚さが典型的に非常に薄い状態で、装置に加えた圧力により最適な方法で材料を押し出すという効果を有するので、獲得される圧延性能の品質が非常に高くなる。
バンドの薄さに関して、本発明によれば、一部は実際の経験に基づいて圧延ローラの直径は第1のベアリング・ローラの少なくとも3倍であり、好ましくは4倍にほぼ等しいことが特に望ましい。したがって、本発明は別個の圧延装置にも関し、ここで圧延作業中にバンドと直接接触するローラの直径は、相互に大きく異なる。
この点で本発明は、任意の圧延力で、例えば、40mmの直径などの比較的小さい2つのローラが、比較的大きい2つのローラより、または大きいローラと小さいローラとの組み合わせより大きい圧延効果を有すると述べる既存の教示に反する。本発明の圧延プロセスの効率低下を補償するために、本発明によれば、圧延プロセス中に、バンドを圧延するサイクル時間も効果的に短縮されるような方法で、圧延ローラの回転速度を比較的高レベルで選択する。このような設定で、特にプロファイルをバンドに同時に圧延する場合に、最適な圧延結果をなお達成するために、本発明によれば、圧延プロセスを主位相と減速位相に分割することが好ましい。減速位相では、主位相で使用したローラの比較的高い回転速度を劇的に低下させ、減速位相では、比較的小さい圧延力を使用することも好ましい。減速位相では、主位相で迅速に達成されるが、ある程度不正確であるバンドの厚さの減少が、所望の均一に分布したバンドの厚さへと正確かつ安定して丸められる。減速位相は、主位相のそれより短い期間で実行することが好ましい。
次に、本発明について、例を参照しながらさらに詳細に説明する。
図1は、本発明による圧延プロセスの概要に関し、対応する圧延装置の概略的洞察を提供する。
図2は、圧延プロセスの一部を示す。
図3は、圧延プロセスの一部を示す。
図4は、圧延プロセスの一部を示す。
図5は、加える回転速度および圧延力で識別する位相の図であり、この位相は、サイクル時間を最適な方法で短縮するために、本発明による圧延プロセスで使用される。
図6は、本発明によるプロセスおよび装置により優れた方法で形成されるようなバンドの側面図および断面図である。
図1は、使用する圧延プロセスも見られるような方法で概略的に示した圧延装置を示す。装置は3つの圧延装置部材またはモジュールを備える。図は、このために右から左へと第1の測定モジュール1、ローラ・モジュール2、および第2の測定モジュール3を示す。圧延装置および圧延プロセスは電子制御ユニットで制御され、これについては図示していない。
バンド10は初期状態で、すなわち圧延前では、その円形で比較的剛性の性質から、リングという用語でも示すことがある。圧延後、バンドは、また、その可撓性の性質からベルトという用語で示すこともある。
測定モジュール1および3は測定ローラ4、5を備え、その周囲に圧延するか他のバンド10を、バンド10の厚さDの測定を実行できるような方法で配置することができる。バンド10の周囲の数カ所で厚さの測定を実行し、それについて平均値を決定できるように、ローラ4または5のうちの少なくとも一方は駆動可能であることが好ましい。上記駆動可能なローラ4または5は、他方のローラ5または4から離れるように動作できることが好ましく、その場合、バンドは引張応力を受け、これは厚さ測定の正確さ、特に再現性にとって有利である。厚さの測定は、測定ローラ4と5の間に収容された運動センサDSによって実行することができる。本発明による厚さ、すなわち平均厚さは、圧延するバンド10の材料体積を、したがって圧延プロセスのプロセス設定を決定する測定値である。材料体積に関する上記測定値は、圧延するバンドの長さ、および場合によっては幅も同様に決定されれば、さらに正確に決定することができる。このバンドの生産プロセスでは、本発明により、厚さの測定のみを実行すれば十分である。何故なら、バンド10の長さおよび幅が一定であると仮定され、これは圧延するバンドの既知の生産方法との組み合わせで非常に可能性が高い。この既知の生産方法では、薄板材料を圧延して円筒形を形成し、その時に相互に当たっている薄板材料の側部を相互に溶接して、この方法で生成したチューブをリングに切断することによってバンドが生産される。
運動センサLSが図示され、そのセンサによってローラ・ホルダー8の基準部材9による後者の動作を決定することができ、それにより圧延バンド10の長さLも決定することができる。実際に加えられる引張り力は、これも図示されたロード・セルLCによって測定することができる。圧延が終了した後、得られたバンドの長さLは、運動センサLSの助けにより、プロセス中に圧延ローラ11と第1のベアリング・ローラ7の間に圧延力Fuまたは押込み力Fuを加えずに、上記センサをベアリング・ローラ6および7の周囲で回転させることにより、ベアリング・ローラ6と7の間で測定した距離、およびその直径から正確に決定することができる。本発明により測定したバンド長さLは、フィードバックによって圧延プロセスの設定を最適化するために使用できるので有利であるが、圧延したバンド10で実行するその後のプロセス・ステップの制御パラメータとしての役割も果たすことができる。
圧延プロセス前に各バンド10で測定した厚さDに応じて、制御ユニットが関連するバンド10にとって望ましい引張り力Flおよび押込み力Fuを決定し、この力は、圧延プロセス中に起動手段21または22によって加えられる。
第1のベアリング・ローラ7が指示ローラ12と接触すると、図3で示すように圧延ローラ11のシャフトに力Fpが加わる。これは、圧延ローラ11も図4に示すように、バンド10に接触させる。圧延ローラ11が回転状態で通電されると、上記力Fpによって、バンド10、支持ローラ12および圧力ローラ13が確実にその回転を引き継ぐ。締付力Fmによって、第2のベアリング・ローラ6が確実にバンド10の回転を引き継ぎ、バンド10が適正な、またはセンタリングした状態でベアリング・ローラ6および7上で動作する。
実際の圧延プロセス中に、バンド10が十分に圧延装置に収容され、ローラ6、7、11、12および13が必要な回転速度に到達した後、第2のベアリング・ローラ6によって引張り力Flが加えられ、圧力ローラ13によってバンド10に押込み力Fuがかけられる。この場合、引張り力Flは第1のベアリング・ローラ7によって支持され、押込み力Fuは最終的に、圧延ローラ11によって加えられる反力Frによって支持される。
本発明による圧延プロセスでは、正確なバンド厚さDとは別に、バンド10の長さLに関する高度の正確さを達成することも目指す。したがって、圧延作業後に得られるバンド幅Bの安定性は、まだ圧延されていないバンド10の材料体積の安定性に大きく依存する。圧延するバンド10の材料体積のサイズの安定性が有限である結果、圧延後に得られるバンド幅Bにおける拡散の効果、すなわち実際には欠点であり、したがって望ましくない効果を低下させるために、本発明の特別な実施形態によれば、圧延するバンド10を少なくとも2つの圧延グループに分割する措置がとられ、このグループは、圧延後に目指すバンドの長さLによって識別され、そのために圧延プロセスの設定が圧延グループごとに異なる。
実際には、これは、比較的大きい厚さDのバンド10を、比較的大きい長さLまで圧延される第1の圧延グループに入れ、比較的小さい厚さDのバンド10を、比較的小さい長さLに圧延される第2の圧延グループに入れるという意味である。特に、圧延プロセス設定は、第1の圧延グループについて、引張り力Flと押込み力Fuとの比率が、第2の圧延グループの場合より高いレベルに選択されることを特徴とする。このように許容され、さらには得ようと努力する圧延バンド10の長さLの拡散の結果、圧延後に得られるバンド幅Bは、実際には個々のバンド10ごとに呈する拡散が小さくなる。
圧延プロセス中にかけられる押込み力Fuおよび引張り力Flは、ロード・セルの助けにより測定されている実際に加えた力のフィードバックにより、制御ユニットによって調整される。また、本発明によれば、圧延プロセスの品質は、上記力FlおよびFuに基づいて制御されているという事実によってほぼ決定される。これは、ベアリング・ローラ6と7の、および圧延ローラ11と中心ローラ7の相対的位置に基づいて可能なプロセス制御とは対照的である。
図1で示すように、圧延後に得られるバンドの厚さDは、第2の測定モジュール3の助けにより測定することができる。厚さの測定は、装置を効率的に使用するためにローラ・モジュール2の外側で実行することが好ましい。このような測定によって、選択した圧延プロセス設定が実際に望ましい圧延結果をもたらすか、チェックすることができ、例えば、第1のベアリング・ローラ7などの摩耗を検出することができる。
本発明によれば、上記低下は少なくとも10%であるが、25%と50%の間であることが好ましい。このような圧延プロセスは、主位相にて、バンド10の厚さのかなりの初期減少が比較的迅速に達成できるが、プロセスの最終結果の正確さまたは安定性が多少犠牲になり、減速位相では、バンド10の所望の厚さDが正確に、かつ安定した方法で達成され、また、バンド長さLにわたって均一に分布するという利点を有する。
上記測定とは別に、実際の経験に基づいて、上記で検討した圧延結果の再現性およびサイクル時間tの短縮を含む圧延プロセスの特徴が、圧延ローラ11と第1のベアリング・ローラ7の間の固有の直径比によって改善されることが判明し、これらのローラ間でバンド10が圧延され、ローラの一方は図1で示すように他方よりはるかに大きくなければならない。特に、圧延ローラ11の直径は、第1のベアリング・ローラ7の直径のサイズの少なくとも3倍でなければならないが、好ましくは約4倍である。このような直径比は、圧延ローラ11の摩耗速度が非常に遅くなるという追加の利点を有し、したがって大部分のケースで作業中に、摩耗のためにベアリング・ローラ7のみを交換する必要があり、これは取り外しと分解点検が比較的容易である。その結果、圧延装置の生産容量および保守費用に有利な影響を及ぼす。
この圧延装置の構成、特に圧延ローラ11と第1のベアリング・ローラ7の固有の直径比は、所望のバンド形状を得るために非常に適切である。本発明によれば、ローラ7、11の少なくとも一方の形状に応じて、バンド10の断面の所望の形状を得ることも可能である。例えば、本発明によれば、特に上記樽形を得るために、各ローラ7または11に、例えば、上記ローラを縁部からローラの中心点に向かってわずかに狭くする、すなわち凹状の砂時計状形状を設けることにより、非円筒形の形状を設けることができるので有利である。
以上の記述とは別に、本発明は、また、図面の全ての詳細、上記詳細な説明が当業者によって即座にかつ明白に推論できる程度まで、および特許請求の範囲に記載されている全てに関する。
3 第2の測定モジュール 4,5測定ローラ
6,7 回転式ベアリング・ローラ 8 ローラ・ホルダー
9 基準部材 10 バンド 11 圧延ローラ
Claims (12)
- 金属プッシュ・ベルトの独立型無端バンド(10)を圧延するための圧延装置であって、バンド(10)が周囲に配置され、細長い形態で保持されるように意図された第1および第2の回転式ベアリング・ローラ(6,7)が設けられ、第2のベアリング・ローラ(6)が装置内に可動状態で収容され、さらにバンド(10)と接触している回転ローラ(11)と、圧延ローラ(11)の反対側でバンド(10)と接触する中心ローラ(7)と、支持ローラ(12)によって中心ローラ(7)と接触する圧力ローラ(13)とが設けられ、圧延ローラ(11)と中心ローラ(7)との間に押込み力(Fu)を生成することができ、バンド(10)が押込み力を受ける圧延装置であって、中心ローラ(7)が第1のベアリング・ローラ(7)も形成することを特徴とする圧延装置。
- 圧延ローラ(11)の直径が、中心ローラ(7)の直径より非常に大きいことを特徴とする、請求項1に記載の圧延装置。
- 圧延ローラ(11)の直径が、中心ローラ(7)の直径のサイズの少なくとも3倍、および好ましくは少なくとも約4倍であることを特徴とする、請求項2に記載の圧延装置。
- 圧延ローラ(11)の直径が、120から200mmに範囲であり、中心ローラ(7)の直径が30から50mmの範囲にあることを特徴とする、請求項2または3に記載の圧延装置。
- 圧力ローラ(13)の直径が、圧延ローラ(11)の直径にほぼ対応することを特徴とする、前記請求項の1項に記載の圧延装置。
- 支持ローラ(12)の直径が、中心ローラ(7)の直径より大きいが、圧力ローラ(13)の直径より小さいことを特徴とする請求項の1項に記載の圧延装置。
- 前記圧力ローラ(13)が、2つの支持ローラ(12)によって第1のベアリング・ローラ(7)と接触し、支持ローラ(12)が圧延ローラ(11)の中心シャフトと第1のベアリング・ローラ(7)の中心シャフトを通る想像軸線の各側で装置内にて相互に対応する請求項の1項に記載の圧延装置。
- 圧延ローラ(11)の中心シャフトと、支持ローラ(12)のうち1つの中心シャフトとを通る想像軸線が、第1のベアリング・ローラ(7)の隣に位置することを特徴とする、前記請求項の1項に記載の圧延装置。
- 第2のベアリング・ローラ(6)を動作させるために第1の起動手段(21)を設け、起動手段が、第2のベアリング・ローラ(6)に加えられる動作を測定する運動センサ(LS)、および第2のベアリング・ローラ(6)に加えられる引張り力(Fl)を測定するロード・セル(LC)を備えることを特徴とする、前記請求項の1項に記載の圧延装置。
- 押込み力(Fu)をとにかく部分的に生成するために第2の起動手段(22)を設け、起動手段が例えばシャフトによって圧力ローラ(13)に作用し、それにより後者が圧延装置に収容されることを特徴とする、前記請求項の1項に記載の圧延装置。
- 第1のベアリング・ローラ(7)がバンド(10)を圧延ローラ(11)から離す回転方向で駆動可能であるように、すなわち圧延ローラ(11)と中心ローラ(7)との間に生成される押込み力(Fu)がバンド(10)の伸張部分に加えられるように、ローラ(6,7,11,12,13)のうち少なくとも1つが、圧延装置に収容されることを特徴とする、前記請求項の1項に記載の圧延装置。
- 潤滑剤および冷却剤の供給が提供され、供給が、その間の接触部に向かって動作するバンド(10)および/または圧延ローラ(11)の部分に配向されることを特徴とする、前記請求項のうち1つに記載の圧延装置。
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