JP2006503293A - バイオセンサ - Google Patents

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Abstract

バイオセンサを、細菌周辺質結合タンパク質(bPBP)の1以上の特定の位置に対して少なくとも1つのレポーター基を共通結合またはそれ以外の方法で結合させることによって作製する。バイオセンサにリガンドが結合すると、レポーター基によって変換されたシグナルの変化が生じる。

Description

関連出願との相互参照
本出願は、2002年10月16日に出願された仮特許出願No.60/418,359の利益を主張する。
連邦政府支援の研究または開発
本発明はNIH-RO1-GM49871およびONR-N00014-98-1-0110のもとで提供されたので、アメリカ合衆国政府は本発明について一定の権利をもつ。
本発明は、バイオセンサおよびこれを製造および使用する方法に関する。
バイオセンサは、生物学的巨大分子の精巧な分子認識性質と、リガンドの結合を容易検知可能な物理学的変化に結び付けるシグナル変換機構とを組み合わせることにより、複雑な混合物中の1分子種の存在を測定するのに使用することができる分析学的ツールである(Hall, Biosensors, Prentice-Hall, Englewood Cliffs, New Jersey;Scheller et al., Curr. Op. Biotech. 12: 35-40,2001)。理想的には、バイオセンサは試薬が不要であり、酵素に基づいた分析または競合的免疫学的分析とは対照的に、測定を行う結果として組成を変化させない(Hellinga & Marvin, Trends Biotech. 16: 183-189,1998)。大部分のバイオセンサは、天然に存在する巨大分子、例えば酵素または抗体を、問題の分子に対する特定の適切な物理学的シグナルの同定部、およびその系に特異的な検出器の構造部と組み合わせる(Meadows, Adv. Drug Deliv. Rev. 21:177-189, 1996)。近年、多くの異なる分析物のための包括的検出系を構築するために、分子工学的技術を使用し、広範な結合特異性および親和性を共通のシグナル変換機構と組み合わせた巨大分子が開発されてきた(Hellinga & Marvin, Trends Biotech. 16: 183-189,1998)。
大腸菌の周辺質結合タンパク質は、膜タンパク質のスーパーファミリー(細菌周辺質結合タンパク質、bPBPs)であり(Tam & Saier, Microbiol. Rev. 57: 320-346,1993)、バイオセンサの加工に非常に適していることが解っている(米国特許6,277,627)。これらのタンパク質は、ヒンジ領域によって連結された2つのドメインを含む(Quiocho & Ledvina, Molec. Microbiol. 20: 17-25,1996)。リガンド結合部は、2つのドメイン間の境界部に位置する。タンパク質は、典型的には2つの高次構造(リガンド遊離開放形態およびリガンド結合閉鎖形態)をとり、リガンド結合時にヒンジ屈曲機構を介して相互変換する。この全体的なリガンドに媒介された高次構造変化を利用し、全体的変化に合わせて局所的な高次構造変化を受ける位置に、環境的に感受性のフルオロフォアを1つ配置させることによって、リガンド結合と蛍光強度の変化とを結び付ける(Brune et al., Biochemistry 33: 8262-8271,1994 ; Gilardi et al. , Prot. Eng. 10: 479-486, 1997; Gilardi et al., Anal. Chem. 66: 3840-3847,1994 ; Marvin et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4366-4371,1997, Marvin and Hellinga, J. Am. Chem. Soc. 120: 7-11,1998 ; Tolosa et al. , Anal. Biochem. 267: 114-120, 1999 ; Dattelbaum & Lakowicz, Anal. Biochem. 291: 89-95, 2001 ; Marvin & Hellinga, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 4955- 4960,2001 ; Salins et al., Anal. Biochem. 294: 19-26,2001)。
また、高次構造共役機構を工夫して、共有結合した酸化還元補因子を含む加工されたbPBPで誘導体化された電極の表面間の電流の流れを変えることができる(Benson et al., Science 293: 1641-1644, 2001)。
本発明は、糖質、アミノ酸、ジペプチド、カチオン、およびアニオンを含む様々な化学的部類のためのバイオセンサを生み出すためにbPBPsを利用する方法を提供する。これらのバイオセンサは、臨床的、工業的、および環境的設備内を含む広範囲の有用性をもつ。
本発明の概要
本発明は、バイオセンサ、細菌周辺質結合タンパク質(bPBP)スーパーファミリーの変異型または野生型の膜からのその製造、およびリガンドについて分析(すなわち検出および/または定量)するためのその使用に関する。bPBPsの三次構造は、ヒンジ領域によって連結された2つのドメインと、2つのドメイン間の境界部に位置するリガンド結合ポケットとによって構成されている。これらは典型的には2つの高次構造(リガンド遊離開放形態およびリガンド結合閉鎖形態)をとり、リガンドが前記部位に結合するか否かに依存するヒンジ屈曲機構を介して相互変換する。バイオセンサは、bPBPの1以上の特定の位置に少なくとも1つのレポーター基を共有結合またはそれ以外の方法で結合させることによって作製される。バイオセンサにリガンドが結合すると、レポーター基によって変換されるシグナルの変化が起こり、この変化は、何らかの観察可能な特性(例えば、光学的または電気化学的特性)を評価することで分析可能である。バイオセンサは、レポーター基の結合部位とリガンドの結合部位との関係(すなわち、アロステリック、エンドステリック、またはペリステリック)、またはこれらの部位間の距離(すなわち、遠位または近位)によって分類化される。
本発明によれば、バイオセンサにリガンドが結合すると、位置特異的に結合したレポーター基の局所的環境が変化する。レポーター基のシグナルを、1以上のフルオロフォアおよび/または酸化還元補因子によって生み出すことができる。このバイオセンサは、追加の試薬を伴わずに生理学的条件下で動作することができる。
本発明の目的および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明の詳細な説明
本発明は、加工されたbPBPs、例えば大腸菌bPBPsを使用して構築されたバイオセンサに関する。本発明によれば、bPBPsへのリガンドの結合を観察するのに使用することができる複合体を構築する。タンパク質(bPBP)構造内の1以上の特定の位置に変異を導入することによってこの複合体を作り出すことができる。この位置では、共有結合したレポーター基(例えば、フルオロフォアまたは酸化還元補因子)が、リガンド結合が引き起こすbPBPの高次構造変化に反応する。変異型または野生型bPBPの1次アミノ酸配列中の1以上のアミノ酸残基の位置に、少なくとも1つのレポーター基を共有結合またはそれ以外の方法で結合させる他の方法には、任意の活性化可能な架橋剤の追加または置換、設計または加工されたtRNAsの使用、配位部位の導入などが含まれる。
bPBPsの加工された高次構造共役機構の普遍性を、本明細書中に開示する。以下の例に説明するように、既知構造の10個のbPBPsを使用し、8つの異なる環境的感受性のフルオロフォアを、リガンドに媒介されたヒンジ屈曲運動によって局所的高次構造変化が起こると推定される様々な位置に導入した。バイオインフォマティクス技術を使用し、未知の構造のbPBPs中の連結部位の位置を予測することができるので、ゲノムシークエンスの研究によってこのファミリーの中で最近同定された多数のパラログおよびホモログを使用することができる(Blattner et al., Science 277: 1453-1474,1997; Quentin et al., J. Mol. Biol. 287: 467-484, 1999)。リガンド結合特異性の構造に基づいた再設計の機会に加えて(Hellinga & Richards, J. Mol. Biol. 222:763-785, 1991: Marvin & Hellinga, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98:4955-4960, 2001)、以下に与えられた例は、幅広い用途に適したバイオセンサシステムの主成分としてのbPBPスーパーファミリーの高い潜在能力を実証する。
さらに、野生型のbPBPとは結合しないリガンドと結合するように、リガンド結合ポケットを加工することができる。リガンド結合部位は、bPBPの2つのドメイン間の境界部に位置する。野生型bPBPの結合部位の近く(即ち、内部または周辺部)に位置するその境界部でアミノ酸残基に変異を入れると、リガンド(例えば、MBPではZn++)との新しい接触を生み出すことができ、同種のリガンド(例えば、MBPではマルトース)との結合を破壊または変更することができる。リガンド結合ポケットの特異性を変化させるのにこれを使用することができる。例えば、マルトース結合タンパク質に変異を入れて、異なる種のリガンド:例えば、金属イオンZn++、トリニトロトルエン、L-乳酸塩、およびセロトニンに特異的に結合させている(Marvin & Hellinga, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 4955-4960, 2001; Looger et al., Nature 423: 185-190, 2003; Dwyer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100: 11255-11260, 2003)。従って、2つのbPBPドメインの境界部に位置するアミノ酸残基に変異を入れることによって新しいリガンド結合ポケットを生み出し、異なる種のリガンドと結合するバイオセンサを作り出すことができる。このようなバイオセンサと結合するリガンドは、野生型bPBPとは結合することができない。
バイオセンサの機能に影響を与えるために、bPBPに他の変異を入れることができる:例えば、前記変異は、結合親和性または特異性を増加または減少させることができ;シグナル変換を増強または減少させることができ;他の炭水化物、脂質、またはタンパク質ドメインとの融合によって新しい機能性を加えることができ;熱安定性または熱不安定性を改善することができ;触媒活性を導入することができ;操作時間を短くまたは長くすることができ;操作条件を広げまたは狭めることができ;またはこれらの任意の組み合わせを実現することができる。好ましくは、レポーター基が結合していないbPBPの位置でアミノ酸残基に変異を入れる(例えば、チオール結合を通してフルオロフォアと結合したシステインではない少なくとも1つのミスセンス変異)。
1つの実施形態において、本発明は、試薬不要の蛍光バイオセンサを構築する方法に関する。本方法は、リガンド媒介性のヒンジ屈曲運動に連動して局所的高次構造変化を受けるbPBP上の位置を同定することを含む。システイン残基を、1以上のこのような部位に導入することができ、かつフルオロフォアの蛍光強度がリガンド結合時に変化するように、当該部位にフルオロフォアを結合させることができる。
本方法における使用に適したbPBPsを選択または設計することができる。bPBPスーパーファミリーは、検出対象のリガンド(例えば、表1で参照した分析物)に基づいたコンピューターを使った方法または他の方法またはその両方による、リガンド結合特異性の再設計に非常に適している。1以上のレポーター(例えば、フルオロフォアまたは酸化還元補因子)の結合に適したbPBP上の部位には、アロステリック部位、ペリステリック部位、およびエンドステリック部位が含まれる(レポーターは、例えば基準として使用するために、非シグナル部位に存在することもできる)。アロステリック部位の場合には、レポーター(例えば、フルオロフォア)は、リガンド結合時に局所的な高次構造変化を受ける、リガンド結合部位から離れた(すなわち、リガンド結合ポケットから遠位にある)1以上の位置に配置させることができる。ペリステリック部位の場合には、レポーター(例えば、フルオロフォア)は、結合部位の「周縁」上に配置できるが、リガンドとは直接的には相互作用しない。エンドステリック部位では、レポーター(例えば、フルオロフォア)は結合部位に存在することができ、リガンドと直接的に相互作用する。後者の2つの例は、リガンド結合ポケットに対して近位の結合を示す。
Figure 2006503293
以下の例に詳述するように、アロステリック、ペリステリック、およびエンドステリック部位を、少なくとも2つの異なる方法で設計することができる。一般には、構造に基づいた設計手法を使用することができる。この手法では、開および閉状態(アロステリック設計)または閉状態のみ(ペリステリックおよびエンドステリック設計)の構造を調べることができる。代わりに、配列に基づいた設計手法を使用することもできる。この手法では、既知の構造のタンパク質中でシステインの変異が解明されているという条件のもと、ホモロジーの関係を利用し、3次構造が決定されていないタンパク質中のシステイン変異の位置を予測することができる。
上記に示したように、本発明の使用に適したレポーターには、フルオロフォアおよび酸化還元補因子が含まれるがこれに限定されない。フルオロフォアの場合には、その選択は特定のタンパク質内の当該位置の性質に依存している。あるフルオロフォアが他のものと比較して特定の位置で良好に機能することができるとき、当業者は、特定の用途について好ましいフルオロフォアを容易に選択することができる(米国特許6,277,627を参照)。以下の例では、8つの異なるフルオロフォアを、蛍光センサーの設計に使用している:
アラビノース アラビノース結合タンパク質(ABP)
ジペプチド ジペプチド結合タンパク質(DPP)
グルタミン酸塩および
アスパラギン酸塩 Glu/Asp結合タンパク質(EBP)
グルタミン グルタミン結合タンパク質(QBP)
Fe(III) 鉄結合タンパク質(FeBP)
ヒスチジン ヒスチジン結合タンパク質(HBP)
マルトース マルトース結合タンパク質(MBP)
グルコース グルコース結合タンパク質(GBP)
リン酸塩 リン酸塩結合タンパク質(PhBP)
硫酸塩 硫酸塩結合タンパク質(SBP)。
しかしながら、本発明は、これらの特定の実施形態に決して限定されない。
本発明の使用に適した酸化還元レポーターは、酸化還元活性金属中心または酸化還元有機分子とすることができる。また、天然有機補因子、例えばNAD、NADP、FADまたは天然の金属中心、例えば硫酸銅、硫化鉄塊、ヘム、または合成中心、例えば有機金属化合物、例えばルテニウム錯体、有機リガンド、例えばキノン、またはタンパク質内に導入された加工された金属中心、または加工された有機補因子結合部位とすることができる。補因子結合部位を、合理的な設計または指向性の改良技術を使用して加工することができる。酸化還元レポーターを、補因子とタンパク質との間の部位特異的または外因性の相互作用によってタンパク質に共有結合させることができる。それは、金属中心(天然または加工された)または天然有機物(NAD、NADP、FAD)または有機金属補因子(ヘム)のようにタンパク質に固有のものであることができ、または外来物質(例えば共有結合的に共役した、合成有機金属塊)であることができる。酸化還元レポーターを、例えば、前記アミノ酸残基がタンパク質表面上に位置する場所に結合(例えば、共有結合)させることができる。
酸化還元レポーターは、1以上の電子を可逆的または半可逆的に移動させることができる金属含有群(例えば、遷移金属群)とすることができる。多くの可能な遷移金属含有レポーター基を使用することができる。有利には、レポーター基は、それ以下では酸素分子によって妨害を受ける電位窓内の酸化還元電位をもち、かつタンパク質との共有結合に適した官能基をもつ(例えば、タンパク質の唯一のシステイン残基と結合するチオール反応性官能基、例えばマレイミドまたはヨードアセトアミド)。レポーター基の金属は、還元または酸化状態では置換不活性になるだろう(すなわち、有利には、外来性の基が、レポーター基と二次的結合を形成しない)。レポーター基は、リガンド結合に反応して電流測定的または電位差測定的な変化を起こすことができる。好ましい実施形態では、レポーター基は水溶性であり、タンパク質と部位特異的に結合することができ(例えば、タンパク質の唯一のシステインと反応するレポーター基上のチオール反応性官能基を介して)、かつリガンド結合時に電位差測定応答を起こす。本発明の使用に適した遷移金属は、銅(Cu)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)、レニウム(Re)、白金(Pt)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、タングステン(W)、およびイリジウム(Ir)を含むがこれらに限定されない。すなわち、Fe、Re、W、MoおよびTcと共に、第1シリーズの遷移金属、白金金属(Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPt)が好ましい。特に好ましくは、ルテニウム、オスミウム、鉄、白金およびパラジウムを含む(ルテニウムが特に好ましい)、酸化状態が変化したときに配位部位の数を変化させない金属である。
レポーター基は、タンパク質との共有結合型の複合体としてのバイオセンサ内に存在することができ、あるいはタンパク質マトリックスの一部を形成する金属中心であることができる(例えば、酸化還元中心、例えば硫化鉄塊、ヘム、硫酸銅、これらの電気化学的性質はその局所的環境に対して感受性である)。代わりに、レポーター基は、タンパク質と金属結合ドメインとの間に融合体として存在することができる(例えば、シトクロムといった小さな酸化還元活性タンパク質)。好ましくは、レポーター基を、タンパク質上でシステイン(チオール)と結合したマレイミド官能基を介してタンパク質に共有結合させる。如何なる場合においても、レポーター基は、タンパク質と電極との間に位置するようにタンパク質に結合される。
本発明の加工されたタンパク質は、全合成、半合成、または遺伝子融合によって、レポーター基を部位特異的に導入することによって生成することができる(例えば、Adams et al., Nature 39: 694-697,1991 ; Brune et al., Biochemistry 33: 8262-8271,1994 ; Gilardi et al. , Anal. Chem. 66: 3840-3847,1994 ; Godwin et al. , J. Am. Chem. Soc. 118: 6514-6515,1996 ; Marvin et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94: 4366-4371, 1997; Post et al. , J. Biol. Chem. 269: 12880-12887,1994 ; Romoser, J. Biol. Chem. 272: 13270-13274,1997 ; Thompson et al. , J. Biomed. Op. 1: 131-137,1996 ; Walkup et al., J. Am. Chem. Soc. 119: 5445-5450,1997を参照)。
リガンドの分析をバイオセンサで行うことができる。適切な分析条件のもとで、サンプルをバイオセンサに接触させる。サンプル中にリガンドが存在するならば、これをバイオセンサに結合させ、分析中のリガンド結合バイオセンサによって変換されたシグナルを測定することによって検出することができる。検出が目的であれば、リガンドが存在するか否か(検出限界内で)の決定を行うだけで足りるので、結合を定量化する必要はない。これとは別に、サンプル中のリガンドの量または濃度を定量化するためには、一連の対照サンプル(例えば、既知量のリガンド)との比較が必要である。サンプルの容積が与えられれば、リガンドの量(すなわち質量)およびリガンドの濃度は、相互変換可能である。リガンドを含まないブランクサンプルは、バックグラウンドシグナルを決定するのに使用することができる。未知のサンプルを定量するのに使用される標準曲線(例えば、双曲線)を作成するために、標準品を使用することができる。ホモジニアスな分析方式(すなわち、リガンド結合およびリガンド未結合を分離する必要がない)が好ましいが、シグナル変換および/または測定で激しく干渉する物質がサンプル中に存在する場合には、ヘテロジニアスな分析方式で分離を行ってもよい。シグナル変換は、好ましくは外来の試薬の追加を必要としないので、体液の分析を、最小のサンプル調製と生理学的条件下で行うことができる。バイオセンサを移植可能な医学的装置に適合させる場合、in vivoで行うこともできる。代わりに、肌に接触するバイオセンサは、組織液または発汗を分析することができる。粘膜組織を調べるために洗浄液を分析してもよい。
実験室設備(例えば、診療所または研究所)において、サンプルは、環境的供給源(例えば、空気、海産物および水生の他の生命体、陸生の動物または植物生産物、土壌)から;工業的供給源(例えば、食品、バイオ製薬、化学、または他の製造工業)から得ることができる。分析対象の分析物は、リガンドと同一であるか、リガンドの多数の複製を含むか、リガンドとはシグナル変換の変化によって識別される化学的関連物であるか(例えば、関連した化学構造は、その「正しい」リガンドと比較して、バイオセンサとより強力にまたはより弱く結合する)、あるいはこれらの任意の組み合わせである。シグナル変換の変化は、非同一の分析物を区別できるように、化学構造の変化と相互に関係している(統合的分析(integrative assays)の以下の詳細な説明を参照)。検出または定量可能なリガンドの例は、アミノ酸;炭水化物;生物活性固体および水性サンプル中で溶解性のあるガス状化合物;禁制または管理物質(すなわち、使用または保有行為が違法となる物質、またはより厳しく規制されている物質);環境汚染物質(例えば、リン酸塩、硫酸塩);爆発物(例えば、TNT);食品汚染物質および副産物(例えば、発癌物質、植物毒素、催奇形物質);脂質;金属イオン(例えば、二価のカチオン、第二鉄イオン);微生物毒素(例えば、ウイルス、細菌、または原生動物の毒性生成物);神経伝達物質(例えば、セロトニン);ヌクレオシドまたはヌクレオチド(例えば、NAD、NADP、FAD); ペプチドまたはステロイド(例えば、成長因子、ホルモン、形態形成または発生シグナル);および治療学的薬剤を含む。物体(例えば、手荷物、郵便物、他の容器);チェックポイントを通過する人または乗り物;および国境または安全地帯において、安全または軍事目的で、生物学的薬剤、禁制品、爆発物、毒物、および毒素について調べることができる。
1以上のバイオセンサを、固相または多孔質基体に共有結合またはそれ以外の方法で結合させることができる。基体は、平らでかつ平面的(例えば、フィルター膜、ガラススライド、半導体チップ)であり;円筒型(例えば、光学繊維、プラスチックロッド)であり;球形(例えば、架橋ポリマーまたはガラス玉);または容器(例えば、セルまたはキュベット、マルチウェルプレート)として形成することができる。レポーター基によって変換されたシグナルを測定する機器(例えば、顕微鏡、光度計、分光計)による分析に適した基体を作製することができる。個々のバイオセンサを、結合標識(例えば、バーコード、ラジオ周波数またはRFID、または生物ポリマー)によってコード化することができる。この標識は、読み取り機(例えば、明暗パターンのスキャナー、ラジオ波受信機、特別な結合プローブまたは自動シークエンサー)によってデコード化することができ、これらの標識に従ってソーターで分離することができる。コードで識別した各バイオセンサを並列分析に使用し、多数のリガンドを含むサンプルを迅速に分析することができる。複数のリガンドを同時に検出および/または定量するために、異なるリガンド結合特異性をもつ複数のバイオセンサを同一分析物中で使用する。代わりに、基体上の特定のスポットに異なるバイオセンサを結合させたものを使用して、シグナルが生み出される場所によってそのリガンドの結合特異性を同定することができる。重複分析では同じ特異性をもつ複数のバイオセンサを使用して、分析を繰り返すことによって、または、統合的分析では特異性をオーバーラップさせて複数のバイオセンサからの結果を相互に関連させることによって、シグナルを確証的なものにすることができる。後者では、バイオセンサの特定の反応パターンは、これと結合した分析物の同定と相関関係がある。その化学的構造においてリガンドとより密接に関連性のある分析物は、同種のバイオセンサとより強力に結合するだろう。オーバーラップする多数のバイオセンサからのシグナルと、既知のリガンド結合特異性とを統合し、分析物の正体を導き出す。
本発明は、さらなる実施形態において、上述した方法を使用して構築されたバイオセンサ、並びに、例えば、臨床的、工業的、および環境的設備内での分析物の検出におけるその使用に関する。特別な有用性を、以下の特定の例において説明する。GBPに基づいた光学的グルコースセンサについて使用され得る数多くの部位の説明を行う(アクリロダンと共役したW183Cを、グルコースセンサの繊維光学プロトタイプにおいてうまく使用した)。
本手法によって構築された特定のバイオセンサのうち、権利消滅後の公共財産に属する範囲のバイオセンサは、本発明の範囲内に属さない(例えば、Marvin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4366-4371,1997または米国特許6,277,627内で開示されている)。
本発明の一定の態様を、以下の制限のない例においてより詳細に説明する。

実験の詳細
分子クローニング。 大腸菌株CSH100のゲノムDNAからのbPBPs(アラビノース、ジペプチド、ヒスチジン、リボース、硫酸塩、およびグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BP);大腸菌株W1485のゲノムDNAからのbPBPs(グルコースおよびグルタミンBP)および大腸菌株RU1012のゲノムDNAからのbPBPs(リン酸塩BP)、またはインフルエンザ菌(H. influenzae)株RdのゲノムDNAからのbPBPs(Fe(III)BP)のために、PCRを使用して野生型遺伝子を増幅した。増幅した産物を、タンパク質発現ベクターpAED4(Doering、博士論文「f-アクチン結合小ドメインの機能的および構造的研究」、マサチューセッツ工科大学、1992年);pKK223-3(Brosius & Holy, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 6929-6933,1984);またはpETベクター(Studier et al., Meth. Enzymol. 185: 60-89,1990) (Novagen)の1つにクローン化した。シグナル配列を除いて、プロセスされた周辺質形態のみをクローン化するようにN-末端オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。配列Gly-Ser-Gly-(His)nまたはGly-Ser-(His)n(n=5、6、または10)を付加するようにC-末端のプライマーを設計した。2つの直列終止コドン(TAATGA)が、最後のヒスチジンコドンの後に続いている。マルトースBP変異体をプラスミドpMAL-c2X(New England BioLabs)中に設計し、ここから発現させた。大腸菌株XL1-BLUE(Stratagene)およびDH5α(Hanahan, J. Mol. Biol. 166: 557-580, 1983)を、プラスミド構築のために使用した。オーバーラッピングPCR突然変異生成によって1アミノ酸置換体を生成した(Ho et al., Gene 77: 51-59, 1989)。全てのクローンおよび変異体を、ヌクレオチドシークエンシングによって確認した。アラビノースBPの場合では、野生型配列中の1つのシステインをアラニンによって置換し、このチオールに対するレポーター基結合の可能性を排除した(Miller et al., J. Biol. Chem. 254: 7521-7528, 1979)。さらに、Glu57をAspに置換することによってFe(III)BPの配列に変異を入れ、クエン酸Fe(III)を使用して測定可能な濃度範囲までKdを上昇させた。
タンパク質の発現。 プラスミドを大腸菌株BL21-DE3に導入した。ブイヨン栄養素中で37℃で終夜にわたって増殖させ、新鮮培地中で100倍に希釈し、37℃または25℃でさらに増殖させた。600nmでの培養物の光学密度が0.4に達したとき、1mMのイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシドを添加して発現を誘導した。2〜4時間後、細胞を遠心分離によって収集し、20mMの3-モルフォリノプロパンスルホン酸(MOPS)、100mM NaCl、pH6.9中で再懸濁し、冷凍して貯蔵またはタンパク質精製のために直ちに溶菌させた。
タンパク質の精製。 超音波処理によってまたはフレンチ加圧セル(French pressure cell)を通して細胞を溶菌させた。溶菌液にPolymin Pを0.33%(w/v)まで添加し、15分間にわたって氷上で冷やし、その後に遠心処理をして細胞破片をペレット化した。20mM MOPS、500mM NaCl、10mMイミダゾール、pH 7.5で平衡化されたChelating SepharoseTM Fast Flow(Amersham Pharmacia Biotech)のNi(II)充填カラム上に上清を取り込んだ。カラムをローディングバッファーで洗い流し、次に60mMイミダゾールを含む同じ液体で洗い流し、続いて100mMイミダゾールを含む同じ液体で洗い流した。最後に、400mMイミダゾールを含むローディングバッファーでタンパク質を溶出し、画分を収集してゲル電気泳動によって純度について評価を行った。全ての調製物はこの判定方法によって少なくとも95%の純度があった。タンパク質含有画分を、バッファー(20mM MOPS、100mM NaCl、pH6.9または20mM NaH2PO4、100mM NaCl、pH 6.9)で徹底的に透析するかまたはゲル濾過によって脱塩し、結合リガンドを除去した。
システイン置換bPBPsに対するフルオロフォアの結合。 Molecular Probes(Eugene, Oregon)から入手したチオール反応性フルオロフォアは、5-ヨードアセトアミドフルオレセイン(フルオレセイン); N-(1-ピレン)ヨードアセトアミド(ピレン); N,N'-ジメチル-N(ヨードアセチル)-N'-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)エチレンジアミド(NBD); N-((2-(ヨードアセトキシ)エチル)-N-メチル)アミノ-7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾール(NBDE); および6-アクリロイル-2-ジメチルアミノナフタレン(アクリロダン)である。スチリルおよびナフチル色素JPW4039、JPW4042、およびJPW4045(図3)は、コネティカット大学で合成された。全てのフルオロフォアの結合工程を、典型的には室温で行った。100μM濃度のタンパク質に対して、トリス-(2-カルボキシエチル)ホスフィンHClを5倍のモル超過で添加し、分子間のジスルフィド結合を減少させた。チオール反応性フルオロフォア(アセトニトリルまたはジメチルスルホキシド中で20〜25 mM)を、タンパク質に対して5倍のモル超過で小アリコット中に加えた。暗所において室温で4時間または4℃で終夜にわたって結合を進行させた。未反応のフルオロフォアからのタンパク質の分離を、徹底的な透析またはサイズ排除クロマトグラフィーによって達成した。レポーター基結合の効果を、エルマン試薬(Ellman, Arch. Biochem. Biophys. 74:443-450, 1958)を用いた未反応チオールの定量によって、または精製された複合体の吸光スペクトルからタンパク質に対するフルオロフォアの比率を測定することによって評価した。
硫酸塩およびリン酸塩の除去。 混入している硫酸塩およびリン酸塩の濃度をそれぞれ減少させるために、硫酸塩BPおよびリン酸塩BPおよびこれらのバッファーの溶液に処理を施した。硫酸塩BPバッファー(20 mM Tris-HCl, pH 8.0)を、塩化物形態のDowex 1X2-100強塩基性アニオン交換樹脂を通過させた。処理済みバッファーに対する透析によって硫酸塩BP溶液を処理した;また、個別の透析チューブの中に保持されたDowex樹脂が含まれている。リン酸塩BP溶液およびバッファー(20mM MOPS、100mM NaCl、pH 6.9)は、1 mMまでの7-メチルグアノシンの添加によってリン酸塩が枯渇し、個別の透析チューブで分配された細菌ヌクレオシドホスホリラーゼ(1単位/ml)(Sigma-Aldrich)に対して透析を受けた(Brune et al., Biochem. 33: 8262-8271, 1994)。
蛍光測定。 全ての測定を、25℃でサンプルを撹拌しながらSLM Aminco-Bowmanシリーズ2蛍光測定器で行った。蛍光発光スペクトルを、それぞれ4および8nmの励起および発光スリット幅で得た。光電子増倍管の電位を400〜800ボルトの間で維持した。タンパク質濃度は50〜100nMの範囲内とした。フルオロフォア特異的励起は、次のおおよその波長:トリプトファン、290nm; アクリロダン、390nm; フルオレセイン、485nm; ピレン、340nm; NBDおよびNBDE、490nm; JPW4039、485nm; JPW4042、470 nm; JPW4045、470nmであった。
リガンドの結合親和性を測定するために、リガンドを50〜1000 nMの濃度で3 mlのbPBPに連続的に加え、発光強度を記録した。タンパク質の希釈液およびバッファーからのバックグラウンドシグナルについて補正を行った。結合曲線を、必要に応じて等式3または4を使用して結合等温曲線にあてはめた。
Fe(III)BPは、10-21MオーダーのFe(III)の解離定数を示し(Adhikari et al., J. Biol. Chem. 270:25142-25149, 1995)、ナノモルのタンパク質濃度における親和性の正確な蛍光に基づいた測定を妨害する。従って、我々は、競合分析のリガンドとしてクエン酸Fe(III)(logK〜10.25)(Martell and Smith, Critical Stability Constants, Plenum Press, New York, 1977)を使用した。
結果
バイオセンサのファミリー。 リガンド結合特異性を幅広く変化させる11個のbPBPsのセットを、バイオセンサ機能を加工するために選択した(表2)。これらの全ては、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)由来のFe(III)BPを除いて、大腸菌由来である。これらのタンパク質のそれぞれのリガンドに対する結合特異性および親和性は特定されている(表2を参照)。3つのタンパク質が単糖類と結合し(アラビノース、グルコースおよびリボースBP)、1つがグルコースの2糖類および3糖類と結合し(マルトースBP)、3つがアミノ酸と結合し(グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩、ヒスチジン、およびグルタミンBP)、1つがジペプチドおよびトリペプチドと結合し(ジペプチドBP)、2つがオキシアニオン(oxyanions)と結合し(リン酸塩および硫酸塩BP)、そして1つが金属イオンと結合する(Fe(III)BP)。これらのbPBPsの大部分は、高い親和性をもち(マイクロモルまたはそれよりも優れた)、多くて2つまたは3つの関連したリガンドと結合する。例えば、リン酸塩BPは、リン酸塩および砒酸塩と結合するが、他のオキシアニオンとは結合せず(Luecke & Quiocho, Nature 347: 402-406,1990)、一方、グルコースBPは、グルコースおよびガラクトースと結合するが、他の単糖類とは結合しない(Anraku, J. Biol. Chem. 243:3116-3122, 1968)。ジペプチドBPは、多様な種類のジペプチドおよびトリペプチドと結合するという点で例外である(Smith et al., Microbiology 145: 2891-2901, 1999)。これらのタンパク質で測定されたリガンド解離定数は、典型的には0.1〜1 μMの範囲にある。例外はFe(III)BPであり、Fe(III)(aq)のKdは、Fe(III)キレート化合物との競合分析において10-21Mであると測定された(Adhikari et al., J. Biol. Chem.270 : 25142-25149, 1995)。
Figure 2006503293
a:タンパク質データバンク(Berman et al., 2000)

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本研究のために選択された11個のタンパク質のうち9個については、閉状態(リガンド結合状態)で結晶構造が解明されている(表2)。硫酸塩BPの場合では、大腸菌タンパク質の結晶構造は報告されておらず、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)硫酸塩BPの結晶構造を、大腸菌タンパク質のモデルとして採用している。大腸菌およびネズミチフス菌由来の硫酸塩BPはアミノ酸配列の95%が同一であり、それゆえに非常に似通った構造を有しており、これら2つの微生物由来のヒスチジンBPとも類似している(Oh et al., J. Biol. Chem. 269: 4135-4143,1994 ; Yao et al., Biochemistry33 : 4769-4779, 1994)。同様に、11個のタンパク質のうち6個については、開状態(リガンド未結合状態)で構造が解明されている(表2)。
高次構造的結合の構造に基づいた設計。 フルオロフォアの局所的環境が複合体の形成およびこれに関連した高次構造変化の結果として変化する場合、リガンドの結合と、共通結合した環境的に感受性のフルオロフォアの蛍光シグナルの変化との共役を確立することができる。このような構造的につながりのある関係を確立するための2つの機構を区別することができる。直接的なつながりは、結合したリガンドと結合したフルオロフォアとの間に未結合の接触の形成を伴う。間接的なつながりは、結合したフルオロフォアの直近において局所的タンパク質構造の変化を伴い、リガンドに媒介された高次構造変化、例えばbPBPsで観察されるヒンジ屈曲運動に依存する。
直接的結合関係は、リガンドがフルオロフォアが結合しているシステインとの接触を形成するように既知の残基を置換することによって容易に設計される(「エンドステリック」な結合部位)。間接的結合関係は、2つの方法で築くことができる。最も直接的な方法は、リガンド複合構造の視覚的検査によるものであり、結合部位の近傍に位置するがリガンドとは直接的に相互作用せず、かつ高次構造変化に関与しているであろう残基を同定する。bPBPsの場合では、このような残基は、リガンド結合部位を形成するドメイン間の裂溝の周辺に位置する。このような「ペリステリック」部位の環境は、閉状態の形態を著しく変化させる。これらは、リガンド結合ポケットと近接する位置の例である。第2の手法は、リガンド結合部位とはある程度離れて位置する(すなわち、リガンド結合部位の遠位にある)タンパク質構造中の部位を同定し、リガンドの結合に合わせて局所的高次構造変化を起こす。開および閉状態の両方の構造が知られている場合、このような「アロステリック」な部位は、高次構造変化を分析するコンピュータを使った方法で同定することができる(Marvin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4366-4371,1997)。代わりに、アロステリック部位を1つのbPBP内でいったん同定すれば、モデリングおよび構造的相同性の議論を行うことで、1つの状態だけが特定された他のbPBPs内のこのような部位を同定することができる(Marvin & Hellinga, J. Am. Chem. Soc. 120: 7-11,1998)。表3は、本研究で使用された各々のレポーターにおける3つのクラスの部位の全ての設計を概説する。11個のbPBPsにおけるこれらの部位の位置は図1に示している。
Figure 2006503293
高次構造的結合の配列に基づいた設計。 既知配列のbPBPsの数は、構造が解明され、または機能が遺伝的または生化学的性質によって割り当てられているbPBPsの数よりも大きく上回る。潜在的なバイオセンサの候補を開拓するために、bPBPsのコード配列を同定しなければならず、かつこれらの推定上のリガンド結合特異性を確立しなければならない。微生物ゲノム中のbPBPsの同定は、bPBPファミリーの特定の集団とのアミノ酸配列の相同性を見つけ出すことによって行う(Tam & Saier, Microbiol. Rev. 57: 320-346, 1993)。その後、リガンドの結合を、直接的な実験によって決定することができ、または、既知の機能をもつbPBPsとの構造的関係によって、もしくは既知の機能の他の遺伝子との遺伝的関連性を明らかにすることによって推測することができる(Pellegrini et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96: 4285-4288, 1999)。続いて、局所的高次構造変化を起こすホモログ内の部位であって、レポーター基が結合することができる部位を同定しなければならない。レポーター基を結合させる部位の選別は、既知構造のbPBPsとの相同性に頼る。
これらの原理を例示するために、ゲノム配列のデータのみから開始して、グルタミン酸塩バイオセンサを構築した。大腸菌K12のゲノムは、グルタミンおよびヒスチジンBPとのアミノ酸配列の相同性(それぞれ26%および23%の配列が同一; 41%および43%の配列が類似)に基づいた推定上のbPBPとして同定されたタンパク質をコードする遺伝子座ybeJを含む(Blattner et al., Science 277:1453-1474, 1997)。アミノ酸結合タンパク質としてのYBEJの割当ては、大腸菌で同定された既知構造の全てのbPBPアミノ酸結合タンパク質の中で、リガンドのα-アミノ基およびα-カルボキシル基との結合に関係している保存された残基の存在によって強化された(表4)。さらに興味深いことは、他のアミノ酸結合タンパク質において、結合アミノ酸の側鎖と直接的に相互作用する場所に位置するYBEJ中のアルギニン残基の存在であり、YBEJが負に帯電した側鎖を有するアミノ酸と結合することを示唆している。最後に、ybeJは、グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩の輸送系内に含まれると想定される3つのタンデム遺伝子(gltJ, gltK, gltL)に隣接して位置しているので(Lum & Wallace, GenBank Accession NumberU10981, 1995)、ybeJが、グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BPをコードしていることを示唆している。推定上のアロステリック、エンドステリック、およびペリステリック部位を、グルタミンBPおよびヒスチジンBPを含むYBEJの構造に基づいた配列の整列から同定した(図2)。
Figure 2006503293
変異生成とタンパク質の生成。 この研究において使用されたbPBPsについての全ての遺伝子を、大腸菌またはインフルエンザ菌のゲノムDNAからPCRを使用してクローン化した。周辺質での発現を指揮するリーダーペプチド配列を、既知のタンパク質のN末端との比較によって、あるいはYBEJの場合では、既知のリーダー配列との相同性によって同定を行った(von Heijne, Nucl. Acids Res. 14: 4683-4690,1986)。pAED4(Doering、博士論文「f-アクチン結合小ドメインの機能的および構造的研究」、マサチューセッツ工科大学、1992年);pET-21a(Studier et al., Meth. Enzymol. 185: 60-89,1990)(Novagen);またはpKK223-3(Blattner et al., Science 277: 1453-1474,1997)プラスミド中の強力な誘導プロモーターの制御のもと、プロセスされたタンパク質のN-末端の直前に位置する開始メチオニンを含む、細胞質内においてプロセスされた形態の過剰発現によってタンパク質を生成した。固定化された金属アフィニティークロマトグラフィーによる容易な精製を可能にするために、オリゴヒスチジンのタグをクローン化された受容体のカルボキシ末端に融合させた(Hochuli et al. , J. Chromatogr. A 411: 177-184,1987)。全ての場合において、受容体は良好に発現した(1リットル当り少なくとも50mgの精製タンパク質の発酵)。ゲル電気泳動によって測定された分子量は、発現した読取り枠の予測された質量と一致する。
システインの変異をPCRオーバーラップ法によって導入した(Ho et al., Gene 77: 51-59,1989)。典型的には、変異型タンパク質を野生型タンパク質と同様に発現させた。アラビノースBP中の全てのシステインの置換を、C64Aバックグラウンド中で構築し、この内在性のシステインからの干渉を防いだ(Miller et al., J. Biol. Chem. 254: 7521-7528,1979)。Fe(III)BPの場合では、全ての変異体をE57Dバックグラウンド中で構築した。Fe(III)BPの結晶構造では、このグルタミン酸塩が鉄に配位している(Bruns et al., Nat. Struct. Biol. 4: 919-924,1997)。E57D変異体は、1:1のクエン酸Fe(III)錯体についてlogK=10.25の安定度定数を想定する、約1×10-21(Adhikari etal., J. Biol. Chem. 270: 25142-25149,1995)〜約3×10-8のFe(III)のために、Fe(III)BPの親和性を弱めることが解った(Martell & Smith, Critical Stability Constants, Plenum Press, New York, 1977)。これは、ナノモル濃度のFe(III)BPにおいて、クエン酸Fe(III)での直接的な滴定によってFe(III)親和性の直接的な定量を可能にした。
蛍光によるシグナル変換。 11個のbPBPsのセットによるリガンドの結合を報告するために、蛍光性のレポーター基を、結合依存性の高次構造変化を受けるものと予測される部位の加工された1つのシステイン(チオール)と結合させた。環境中で変化する発光スペクトルの感受性に基づいて選択され、発光および励起波長が広範な範囲に及ぶ8個のチオール反応性フルオロフォアを調査した(図3)。本発明の例示であるバイオセンサ複合体についての結果を、表5に示した(11個の受容体、68個のシステイン変異体、320個のフルオロフォア複合体)。
Figure 2006503293
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Figure 2006503293
蛍光バイオセンサ機能の評価。 bPBP-フルオロフォア複合体の蛍光発光スペクトルを、飽和状態のリガンド濃度の欠損および存在中で記録した。スペクトル変化を4つのパラメータによって特徴づけた:波長シフト(非結合状態における発光最大値の波長とリガンド飽和状態における発光最大値の波長との差)、強度変化の方向(前記2つの状態における発光最大値の波長での強度の増加または減少)、標準強度変化(ΔIstd)、および標準レシオメトリック変化(ΔR)。ΔIstdは、前記2つの発光最大値間の中間点の波長で決定された平均強度に関連した正規化強度変化(ΔIstd)として定義される。
Figure 2006503293
{式中、λstd=(λmax, unbound+λmax, saturated)/2、I1, I2は、それぞれλstdでの各スペクトルの蛍光強度である(図4A)。}
ΔRは、2つの発光バンド、A1([λ12])およびA2([λ34])によって定められる(図4B)。
Figure 2006503293
{式中、0A1, A2はリガンドの欠損領域であり、A1, A2は、飽和状態のリガンドの存在領域である。コンピュータープログラムを使用して2つのスペクトルにおける波長バンドの全ての可能な組についてΔRを列挙し、ΔRの最大値として定義された最適なセンシング条件を同定した。本明細書中で報告されたΔRmax量のために使用されたアルゴリズムの調整可能なパラメータおよびその値は、ステップサイズ(2nm)、ステップ幅(10nm)、最小積分領域限界(全体のフラクション:0.1)、および最大積分領域限界(全体のフラクション:1)である。
分析物の親和性の測定。 ΔIstd>0.1の133bPBP-フルオロフォア複合体を使用して蛍光測定の滴定によってリガンド結合親和性を決定した(表5)。モニターされた発光波長は、リガンド未結合状態と結合状態の間の最大強度差の発光波長である。各複合体について、蛍光強度測定値を、2つの状態モデルのための双曲線結合等温線に適合させた(Marvin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4366-4371, 1997)。
Figure 2006503293
{式中、Fはリガンド濃度[S]での蛍光、Kdは解離定数、FF, FBはそれぞれリガンド無しの状態とリガンド飽和の状態の蛍光強度である。結合等温線の例を、グルコースBPおよびグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BPについて図5に示した。レシオメトリックの観測については、2つの発光バンドの差分重量寄与(differentially weighted contribution)を説明するために等式3を変形しなければならない(Lakowicz, Principlesof Fluorescence Spectroscopy, 2 d Ed. Kluwer Academic Press, New York, p. 698, 1999)。
Figure 2006503293
{式中、RはA1/A2、RB=A1/A2、RF=0A1/0A1の比であり、appKdは見かけの解離定数である。}
Figure 2006503293
蛍光バイオセンサの設計戦略の成功を、効果的に反応する蛍光複合体に出会う確率を決定することによって評価し、リガンド結合親和性がフルオロフォア複合体によってどのような影響を受けるかについて評価した。
リガンドに媒介された蛍光の変化の評価。 全ての複合体(n=320)についての波長シフト、ΔIstd、およびΔRmaxの概要を、図6A中のヒストグラムとして表わした。波長シフトの分布は、約0を中心に対称的であった(すなわち、青または赤シフトのいずれかに向けた全体的傾向はなかった)。複合体の全集団のうち、130個の複合体は結合時に蛍光強度の増加を示し、190個は減少を示す。この非対称の部分は、全てのFe(III)BP複合体に対するクエン酸Fe(III)の添加が蛍光発光の減少を引き起こすという知見によるものである。このことが溶液中のFe(III)による消光によるものであったのかどうかを調べるために、クエン酸Fe(III)を他のbPBPsの複合体に加え、発光強度の影響を観察した。全ての場合において、Fe(III)BPの効果を導く濃度よりも十分に高い濃度でのみ、クエン酸Fe(III)は蛍光を消光させることが見出された。Fe(III)BPの全ての複合体において観察された蛍光強度の増加は、結合特異的プロセスによるものであり、金属に媒介された酸化還元機構を介した励起状態の緩和を伴うことができる(Lakowicz, Principles of Fluorescence Spectroscopy, 2nd Ed. Kluwer Academic Press, New York, p.698, 1999)。特定の強度で反応する複合体と出会う確率は、ΔIstdの大きさが増加するとともに減少する(図6B)。レシオメトリックレスポンスも同様の挙動を示す(図6C)。
光学センシングについて最大の有用性をもつ2つの判定基準は、ΔIstdおよびΔRmaxである。bPBP複合体の集団を、立体的位置、フルオロフォア、およびタンパク質骨格の種類によって分類し、各分類ごとにΔIstd>0.25およびΔRmax>1.25の割合について数値化した。結果(表6〜8)は、潜在的に有用な蛍光バイオセンサ複合体を見出すための全体的成功率の指標を与える。320個の複合体の集団のうち、約24%がΔIstdについての判定基準に合致し、約28%がΔRmaxについての判定基準に合致する。
Figure 2006503293
Figure 2006503293
Figure 2006503293
ΔIstdおよびΔRmaxについて最も高い成功率を示す骨格は、アラビノースBP、グルコースBP、リボースBP、およびリン酸塩BPである(表6)。前から3つは、六炭糖および五炭糖のための結合タンパク質を含むクラスター2に属し、一方、リン酸塩BPは、硫酸塩BPとともに、無機ポリアニオンのための結合タンパク質を含むクラスター6に属する。最も低い成功率を示す骨格は、ジペプチドBP(クラスター5、ペプチドおよびニッケル結合)およびクラスター3(極性アミノ酸結合)タンパク質であるグルタミンBP、ヒスチジンBP、およびGlu/Asp BPであった。
結合部位の3つのクラスの中で、エンドステリックおよびアロステリック部位は、ペリステリック部位よりも閾値判定基準に合致する確立が高い(表7)。ΔIstdの観点からの成功率は、フルオロフォアの環境的感受性によって変化し、スチリルおよびナフチル色素JPW4039, JPW4042およびJPW4045で最も高い。同様に、ΔRmaxについてのより高い成功率は、JPW4045およびアクリロダンと結び付いた(表8)。
リガンド結合親和性の変化の評価。 各リガンドについての結合曲線から導き出された解離定数Kdの範囲を表9に示す。リガンドの結合と、結合したフルオロフォアのタンパク質との相互作用との間に熱力学的関連性があるので、フルオロフォアは固有のリガンド解離定数を変化させるものと予想される。フルオロフォアによって与えられた親和性の変化は、タンパク質中のその位置に依存しているものと予期される。様々な複合体が広範な範囲の親和性を示す(表9)。log(mutKd/wtKd)として定義された親和性の変化を、解離定数が測定されかつ未結合のタンパク質の解離定数が知られている108個の複合体の中で、結合部位の分類(エンドステリック、アロステリック、またはペリステリック)の関数として調査した(表2)。この結果は、3つのクラスの部位が親和性について異なる効果を示すことを明らかにしている(図7)。エンドステリック部位でのフルオロフォア結合は、親和性を最も大きく乱す傾向にあり、野生型よりもKdの値が一様に高い傾向にある。アロステリックおよびペリステリック結合は、野生型よりもKdの値が高いかまたは低く、ペリステリック部位で、効果における最も大きな変化を示す。興味深いことに、野生型(より低いKd)よりもより高い親和性をもつこれらの複合体のうち、より大きな割合は、アロステリック部位での複合体に由来する。このことは、アロステリック部位の残基の体積を操作することによって親和性を増加させる、マルトースBPの詳細な研究を支持する(Marvin & Hellinga, Nat. Struct. Biol. 8:795-798, 2001)。特定の複合体が、リガンド結合部位(エンドステリック部位、および幾つかのペリステリック部位)に直接立体的に干渉するか、あるいは開状態と閉状態(アロステリック部位、ペリステリック部位)との間の固有の平衡状態に影響を与えることによって干渉する可能性の観点から、効果の差異を合理的に扱うことができる。
Figure 2006503293
解離定数の効果は、アラビノースBPについて示されるように、結合部位だけではなく、結合したフルオロフォアの性質によっても決定される。トリプトファンの蛍光によって測定された、5つのシステイン置換変異体のアラビノースについての解離定数(全てC64A変異体との)は、5.0μM(F23C)、3.2μM(L253C)、3.4μM(D257C)、7.6μM(L298C)、および1.6μM(K301C)である。従って、システイン置換は、アラビノースについての親和性をわずかに乱す(C64A変異体のKd 〜2.2μM)。結合したフルオロフォアに最も依存するのは、Kd値が0.7μM(アクリロダン)〜775μM(NBD)の範囲にあるL253C変異体であった。同様に、ジペプチドBPのK394C変異体では、Gly-Leuジペプチドについての親和性が6nM(NBD)〜93μM(フルオレセイン)の範囲にある。大部分の変異体は、このような広い範囲のフルオロフォア依存リガンド親和性を示さなかった。例えば、リボースBP E192Cと結合した5つの異なるフルオロフォアでは、リボースについての親和性が2.6μM(NBDおよびJPW4039)〜15μM(JPW4045)の範囲にある。
配列情報を使用した新規なバイオセンサの構築。 設計が既知構造をもつ上記のbPBPsに限定されないことを実証するために、グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BPについてコードしていると推定されたパラログにシステイン変異を導入し、有望なペリステリック部位およびアロステリック部位についての位置を導く構造体としてヒスチジンおよびグルタミンBPを使用した。全部で10個の部位について、グルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩に依存した蛍光の変化を示す複合体を得ることを試みた。幾つかの部位では、良好なまたは優れた強度測定またはレシオメトリックセンサが得られた。表10は、反応がアスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩の両者について特異的であり、グルタミンおよびアスパラギンについての親和性が50〜500倍に弱くなることを示している。他のアミノ酸および糖類では、リガンドに媒介された蛍光の変化は表れなかった。
Figure 2006503293
バイオインフォマティクスでは、直接的な実験を行わないで新しい生化学的な適用を発見することができる。バイオセンサの場合では、個々の微生物のゲノムが、特定の分子を初期輸送またはシグナル変換につなげる多数のbPBPsをコードしていることがある(Blattner et al., Science 277: 1453-1474, 1997 ; Quentin et al., J. Mol. Biol. 287: 467-484, 1999)。これらのうちのいくつかは特徴づけられているものの、潜在的なバイオセンサについての骨格として利用されていない膨大な数がある。相同性タンパク質からの構造的情報と組み合わせて、新規な特異性のバイオセンサを構築するためにゲノム情報を適用する可能性について実証を行った。
あらかじめ、グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BPを大腸菌から精製し(Barash & Halpern, Biochim. Biophys. Acta 386: 168-180,1975 ; Willis & Furlong, J. Biol. Chem. 250: 2574-2580,1975)、特徴づけた。いくつかの証拠の断片は、YBEJがこのタンパク質に対応することを示している。第1に、グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BPは周辺質抽出物から単離され、推定上の周辺質局在性シグナル配列をもつタンパク質をコード化するybejと一致する。第2に、32kDa(Barash & Halpern, Biochim. Biophys. Acta 386: 168-180, 1975)または31kDa(Willis & Furlong, J. Biol. Chem. 250: 2574-2580, 1975)のグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BPのあらかじめ決定された分子量は、プロセスされたybeJ生成物について推定された32.5kDaの分子量に一致し、かつ本研究におけるゲル電気泳動によって得られた30kDaの分子量とも一致する。第3に、あらかじめ決定されたアミノ酸組成(Barash & Halpern, Biochim. Biophys. Acta 386: 168-180,1975 ; Willis & Furlong, J. Biol. Chem. 250: 2574-2580,1975)は、ゲノム配列から推定されたものと近似しており、その差異は酸性タンパク質の加水分解物の分析における必然的な不正確さに留まる。最後に、グルタミン酸塩について報告されたKd値(0.8μM)、アスパラギン酸塩について報告されたKd値(1.2μM)、並びにグルタミンおよびアスパラギンについてのかなり低い親和性(Willis & Furlong, J. Biol. Chem. 250: 2574-2580, 1975)は、本明細書で決定された値に近似しており、Q123C-蛍光複合体に匹敵する(表10)。以上より、ybeJは、あらかじめ特徴づけられたグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BPをコードしているであろう。
効果的なセンサの設計。 複合体の有用性を、シグナル強度の絶対変化、レシオメトリック変化、およびセンサが正確に反応することができる作動濃度範囲によって決定する。2つの観察可能なパラメータのうち、レシオメトリック変化はプローブ濃度の影響を受けないので、絶対強度よりも好ましい。
有効な結合を、ΔIstd>0.25かつΔRmax>1.25を示すものとして定義することができ、「優れた」センサを、ΔIstd>0.9かつΔRmax>2.5を示すものとして定義することができる。優れたセンサの変化の大きさは、血液のような複雑な液体における「リアルな世界」の適用での粗野な測定を可能にするほど十分に大きいものであろう。これらの判断基準に基づくと、優れた絶対強度に基づいたセンサは13個のみであるが(全体の4%)、36個の優れたレシオメトリックセンサがある(全体の11%);優れた絶対強度センサであってかつ優れたレシオメトリックセンサでもある7つの複合体がある(表5)。ジペプチドBP、Fe(III)BP、およびヒスチジンBPを除けば、全てのタンパク質は、少なくとも1つの優れたレシオメトリックおよび強度に基づいた複合体をもつ。グルコースBPは、非常に多くの優れた複合体をもつ。これらの複合体の全ては、特に環境的に感受性であることが知られているフルオロフォア(アクリロダン、NBD、ピレン、およびスチレン色素)を含む。優れたセンサの出現率は、アロステリック部位とペリステリック部位との間で等しく分布する。全てのエンドステリック部位は、優れたセンサを生み出す。複合体の解離定数は、センサが正確に反応することができる作動濃度範囲を決定する。この作動範囲は、Kd値の5倍以内の濃度では5%未満の誤差範囲であることを保証する(Marvin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4366-4371, 1997)。正確な決定に必要な範囲がより広い場合、マルトースBPについて実証したように、親和性を変化させる受容体を使用して複合体バイオセンサを構築することができる(Marvin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4366-4371, 1997)。解離定数に影響を与える3つの要因がある(複合体の性質、レシオメトリックセンサのための発光バンドの選択(等式2)、および追加の変異)。特定の用途では、好適なセンサを構築するためにこれらの3つの要素を操作することができる。
グルコースのセンサ。 臨床医薬に適用可能な分析物の中では、特に糖尿病を診断および治療することに関して、グルコースが最も重要なものの1つである。成人の血清中のグルコース濃度の正常範囲は4〜6 mMである(Burtis & Ashwood, Teitz Textbookof Clinical Chemistry, 2nd Ed. W. B. Saunders Co., Philadelphia, Pennsylvania, 1994)。グルコースBPの中のエンドステリック部位W183Cのアクリロダン複合体は、優れたレシオメトリックレスポンス(ΔRmax=5.57)および5.98 mMの解離定数をもち、それゆえ生理学的範囲におけるグルコースの増減をレシオメトリー(ratiometry)によって検出するための有力な候補である(図8A)。さらに、レシオメトリックのパラメータを調整することによって、観察窓は容易に5.0〜17.4mMに拡大し、全ての医療学的に関連のある範囲を1つのセンサで観察することができる(図8A)。
臨床化学のための他のセンサ。 アミノ酸はまた、疾病状態の指標として臨床試験において一般に分析される。ヒスチジンは、ヒスチダーゼの欠乏の指標である(Taylor et al., Molec. Biol. Med. 8: 101-116, 1991)。最高のシグナリングヒスチジンBP複合体V163C-JPW4042は、約48〜125μMの血清中の正常範囲を下回る、0.25μMのKdをもつ。しかしながら、サンプルを希釈すると、この複合体は効果的に機能することができる。代わりに、マルトースBP(Marvin & Hellinga, Nat. Struct. Biol. 8: 795-798,2001)およびE57D変異を含むFe(III)BPについて行ったような突然変異誘発によってKdを調節することができる。神経系興奮性のアミノ酸グルタミン酸塩は、20〜220μMの正常血清濃度をもつ(Burtis & Ashwood, TeitzTextbook of Clinical Chemistry, 2nd Ed. W. B. Saunders Co., Philadelphia, Pennsylvania, 1994)。最適なバイオセンサは、Kd〜80μMおよびΔRmax=2.70を示すグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BP F126C-アクリロダンである。グルタミンは多くの場合、脳脊髄液中で測定され(Smith & Forman, Clin. Lab. Sci. 7: 32-38, 1994)、その正常範囲は120〜360μMであり、最高のシグナリンググルタミンBP複合体Y163C-アクリロダンのKd(〜1.4μM)よりもかなり高い。Kdを調節する突然変異誘発またはサンプルの希釈によってこのような目的のためにこのバイオセンサを使用することができる。
血清および尿中のリン酸塩濃度は、臨床的に明らかである(Burkhardt et al., Am. J. Clin. Pathol. 72: 326-329, 1979)。いくつかのリン酸塩BP複合体は良好なシグナルを示し、最良なものはS39C-JPW4045であり、これらのKd値は全て2μM未満である。血清中の無機リン酸塩は典型的には1〜3mMであり(Burtis & Ashwood, Teitz Textbook of Clinical Chemistry, 2nd Ed. W. B. Saunders Co., Philadelphia, Pennsylvania 1994)、これらのセンサでの正確な測定のために、Kdの調節またはサンプルの希釈を必要とする。
マルトース濃度は酸マルターゼの欠乏と関連性があり、正常な血漿濃度で約2μMである(Rozaklis et al., Clin. Chem. 48: 131-139, 2002)。本研究における最高のマルトースセンサは、マルトースBP複合体S233C-JPW4042(ΔRmax=4.0)およびS233C-JPW4045(ΔRmax=3.9)であり、両者とも同様の親和性(Kd〜400μM)をもつ。2μM範囲の親和性をもつマルトースBP変異体の蛍光複合体は、マービン他によって記述されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4366-4371, 1997)。
工業的および環境的な適用。 bPBP複合体は、工業的および環境的な分析物のためのセンサとして機能することができる。アラビノースは、コーンからのエタノール生成の効率を向上させることに関連している(Deanda et al., Appl. Environ. Microbiol. 62: 4465-4470, 1996)。アラビノースBP複合体のうち、最大のシグナルは、K301C-NBD(Kd〜31μM、ΔRmax=3.2)およびL253C-蛍光(Kd〜48μM、ΔRmax=2.7)である。食品および飲料中で分析されるリボース濃度(AOAC, Official Methods of Analysis of AOAC International,16th Ed. AOAC International, Arlington, Virginia, 1995)を、リボースBP複合体T135C-アクリロダン(Kd〜0.4mM、ΔRmax=6.3)およびA234C-JPW4045(Kd〜3.8μM、ΔRmax=4.1)によって測定することができる。シグナルリボースBP誘導体を使用するリボースのレシオメトリックセンシングは、T135C-アクリロダン複合体によって例示される(図8B)。蛍光比率の発光波長バンドを変化させることによって(等式4、5)、リボースのappKdを、41〜146μMの範囲で調節することができる(図8B)。飲み水の硫酸塩濃度は関心事であり(U.S. EPA, Health Effects From Exposure to High Levels of Sulfate in Drinking Water, pp. 1-25, Office of Drinking Water and Ground Water, 1999)、硫酸塩BP複合体R134C-アクリロダン(Kd〜4μM、ΔRmax=2.3)によって分析を行うことができる。高濃度のリン酸塩は環境的に有害であり、医療用途について上述したように、リン酸塩BP複合体を使用して観察することができる。鉄濃度は、海の一定領域における一次生産能力を制限する(Martin, Iron asa Limiting Factor in Primary Productivity and Biogeochemical Cycles in the Sea. Falkowski & Woodhead, eds., pp. 123-137, Plenum Press, New York)。複合体E203C-アクリロダン(Kd〜138μM、ΔIstd0.4)といったFe(III)BPから誘導されたバイオセンサを使用して、得られた第二鉄イオンを決定することができる。
上記に列挙した全ての文献は、参照によってその全体が本明細書中に組み込まれる。また、生物電子工学的センサを含む電子デバイスの開示のために、参照によって組み込まれた文献は、U.S. Appln. No.10/229,286(US 2003/0129622として発行)およびInt'l Appln. No.PCT/US02/27279(WO 03/021247)である。
図1は、使用されるアロステリック、エンドステリック、およびペリステリック部位の位置を示す、11個のbPBPsの3-D構造を示す。各タンパク質を、球および棒状構造によって示された結合リガンドとともに、閉鎖形態で示した。各bPBPの2つのドメインは、第1のドメイン(N-末端を含む)が第2のドメイン(C-末端を含む)の上にくるように垂直に置かれている。ヒンジ部分は両ドメインを接続している。まだ未解明のグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BPの構造を表わすために、ヒスチジンBPの構造を使用している。システインで変異を入れた残基を異なる色調の球によって示し、アロステリック(濃い色調)、エンドステリック(中間の色調、GBPのみ)、またはぺリステリック(薄い色調)として区別した。これらの構造は、配列に基づいた関係によってTam & Saier(Microbiol. Rev. 57:320-346, 1993)によって定義されたクラスターによってグループ化される。クラスター2: アラビノースBP(ABP)、グルコースBP(GBP)、およびリボースBP(RBP)。クラスター5: ジペプチドBP(DPP)。クラスター3: グルタミンBP(QBP)、ヒスチジンBP(HBP)、およびグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BP(EBP)。クラスター6: リン酸塩BP(PBP)および硫酸塩BP(SBP)。クラスター1: マルトースBP(MBP)およびFe(III)BP(FeBP)。分子のグラフィックスは、Molscript (Kraulis, J. Appl. Crystallogr. 24: 946-950, 1991)で与えられた。 図2は、clustal W(Thompson et al., Nucl. Acids Res. 22: 4673-4680, 1994)を使用して大腸菌YBEJ(推定上のグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BP)、グルタミンBP、およびヒスチジンBPの配列の整列を示す。番号は、リーダー配列を含むYBEJについてのオープンリーディングフレームの推定上の最初のコドンから始まる。下線を引いたメチオニンは、本研究で使用されたYBEJ発現のための最初のコドンである。フルオロフォア結合のためにシステインで変異を入れた各タンパク質中の残基を、太いフォントで示した。これらの残基の下にある記号「a」および「p」は、それぞれアロステリックまたはペリステリックとしてのこれらの分類を示す。 図3は、チオール反応性フルオロフォアの構造式を示す。タンパク質結合フルオロフォアの最大蛍光励起および発光のおおよその波長(nm)は、ピレン(340, 390); アクリロダン(390, 500); フルオレセイン(485, 520); NBD(490, 540); NBDE(490, 530); JPW4039(485, 590); JPW4042(470, 640); およびJPW4045(470, 640)である。 図4Aおよび4Bは、蛍光測定のパラメータの定義を示す。図4Aは標準強度変化ΔIstdを決定するために使用されるパラメータλstd, I1, およびI2を示す。図4Bは、ΔRを決定するために使用されるパラメータA1、A20A、およびAを示す。各々の領域のAは、それぞれの領域0Aを包含する。 図5Aおよび5Bは、グルコースBP複合体とグルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BP複合体の蛍光測定の滴定を示す。図5Aは、BP W183C-アクリロダンのグルコースでの滴定を示す。図5Bは、グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩BP T129C-NBDのアミノ酸での滴定を示す。データポイント:黒丸 グルタミン酸;+アスパラギン酸;◆アスパラギン;×グルタミン。図5Aおよび図5Bにおいて示した曲線は最良適合の結合等温線である。 図6A〜6Cは、320組の蛍光複合体における蛍光測定のパラメータの出現頻度を示す。図6Aは、最大蛍光強度(maxλsaturatedmaxλapo)の波長のシフトの分布を示す。図6Bは、強度変化パラメータΔIstdの分布を示す。図6Cは、レシオメトリック変化のパラメータΔRmaxの分布を示す。各パラメータは、各区画の上限値を示す。 図7は、3つのクラスのフルオロフォア結合部位におけるリガンド親和性の変化の出現頻度を示す。図説:エンドステリック部位、黒色棒:ペリステリック部位、斜線棒:アロステリック部位、白色棒。アラビノースBPの場合において、wtKdの値は、全ての複合体が作られたC64A変異体の値である。ジペプチドBPおよびFe(III)BPのデータは含まれていない。前者については、野生型のGly-LeuジペプチドのKdが報告されていない。Fe(III)BPの場合では、未結合の変異体E57DのKdが決定されなかった。x軸の各区間は上限値を示す。例えば、「0」の記載された区画は、log(mutKd/wtKd)>−1かつ≦0の値を含む。 図8Aおよび8Bは、異なる組の発光波長帯を使用した、bPBPフルオロフォア複合体のレシオメトリック滴定を示す。図8Aは、次の比率の蛍光発光(波長nm)においてグルコースアクリロダンに結合されたBP-W183C複合体を示す:◇, F450-459/F550-559(appKd〜5.0mM);□, F450-459/F486-495(appKd〜10.4mM); ○, F472-481/F450-459(appKd〜17.4mM)。ラインは等式4への適合を示す。4〜6 mMの正常な血清グルコース範囲(euglycemia)は、垂直線によって定められる。図8Bは、次の範囲の蛍光発光(波長nm)においてリボースで滴定された、アクリロダンと結合したリボースBP-T135Cを示す: □, F501-510/F450-459(appKd〜41μM); ○, F450-459/F501-510(appKd〜254μM); ◇, F450-459/F547-556(appKd〜461μM)。

Claims (23)

  1. マルトース結合タンパク質ではない細菌周辺質結合タンパク質(bPBP)と、前記bPBPの1以上の特定の位置に結合した少なくとも1つのレポーター基とを含む、リガンドのためのバイオセンサであって、前記バイオセンサのリガンド結合ポケット内への前記リガンドの結合が、前記レポーター基によるシグナルの変化を引き起こすバイオセンサ(但し、グルコース結合タンパク質(GBP)を含むバイオセンサは、10, 93, 149および183からなる群から選択される前記GBPの1以上の位置に少なくとも1つのレポーター基を結合させているものに限定される)。
  2. 前記bPBPが、アラビノース結合タンパク質(ABP)、リボース結合タンパク質(RBP)、ジペプチド結合タンパク質(DPP)、グルタミン結合タンパク質(QBP)、ヒスチジン結合タンパク質(HBP)、グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩結合タンパク質(EBP)、リン酸塩結合タンパク質(PBP)、硫酸塩結合タンパク質(SBP)、およびFe(III)結合タンパク質(FeBP)からなる群から選択される請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記レポーター基が共有結合していない位置において、前記bPBPが1以上の変異を含んでいる請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記リガンド結合ポケットが1以上の変異を含み、かつ前記リガンドが野生型bPBPと結合しない請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  5. 前記レポーター基が、前記リガンド結合ポケットから離れた1以上の位置で前記bPBPに結合している請求項1ないし4のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  6. 前記レポーター基が、前記リガンド結合ポケットと近接した1以上の位置で前記bPBPに結合している請求項1ないし4のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  7. 前記レポーター基が、前記bPBPの1以上の特定の位置に共有結合している請求項1ないし6のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  8. 前記レポーター基が、前記bPBPの1以上の特定の位置に共有結合以外の方法で結合している請求項1ないし6のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  9. 前記レポーター基が、酸化還元補因子である請求項1ないし8のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  10. 前記レポーター基が、フルオロフォアである請求項1ないし7のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  11. リガンド結合時の前記バイオセンサの標準強度変化(ΔIstd)が、0.25よりも大きい請求項10に記載のバイオセンサ。
  12. 前記ΔIstdが、0.9よりも大きい請求項11に記載のバイオセンサ。
  13. リガンド結合時の前記バイオセンサの標準レシオメトリック変化(ΔRmax)の最大値が、1.25よりも大きい請求項10に記載のバイオセンサ。
  14. 前記ΔRmaxが、2.5よりも大きい請求項13に記載のバイオセンサ。
  15. 細菌周辺質結合タンパク質(bPBP)と、エピステリックまたはエンドステリック部位である前記bPBPの1以上の特定の位置に結合した少なくとも1つのレポーター基とを含む、リガンドのためのバイオセンサ。
  16. リガンドについて分析するための、請求項1ないし15のいずれか1項に記載のバイオセンサの使用。
  17. サンプル中のリガンドの有無を検出する方法であって、
    前記バイオセンサが前記サンプル中に存在するリガンドと結合することができるような条件下で、請求項1ないし15のいずれか1項に記載のバイオセンサを前記サンプルと接触させる工程と、
    前記バイオセンサが前記サンプルと接触したときに前記レポーター基によって変換されたシグナルと、前記バイオセンサが既知量のリガンドを含む少なくとも1つの対照サンプルと接触したときに前記レポーター基によって変換されたシグナルとを比較する工程と、
    前記比較結果から前記サンプル中のリガンドの有無を決定する工程と
    を含む方法。
  18. サンプル中のリガンドの量または濃度を定量化する方法であって、
    前記バイオセンサが前記サンプル中に存在するリガンドと結合することができるような条件下で、請求項1ないし15のいずれか1項に記載のバイオセンサを前記サンプルと接触させる工程と、
    前記バイオセンサが前記サンプルと接触したときに前記レポーター基によって変換されたシグナルを、既知量のリガンドを含む一連の対照サンプルによって変換されたシグナルに対して比較する工程と、
    前記比較結果から前記サンプル中のリガンドの量を算出する工程と
    を含む方法。
  19. サンプル中のリガンドについて分析する方法において、
    (a) 細菌周辺質結合タンパク質(bPBP)で構成されたバイオセンサと、前記bPBPの1以上の特定の位置に結合した少なくとも1つのレポーター基とを前記サンプルに接触させる工程であって、前記バイオセンサのリガンド結合ポケット内への前記リガンドの結合により、前記レポーター基によるシグナルの変化を引き起こさせる工程と;
    (b) 前記リポーター基によって変換されたシグナルについてのレシオメトリック変化(ΔR)を測定する工程と;
    (c) 前記サンプル中に存在するリガンドを少なくとも検出または定量化する工程と
    を含む方法。
  20. 前記サンプルが、生理学的液体を含んでいる請求項17ないし19のいずれか1項の方法。
  21. 前記生理学的液体が、血液、組織液、洗浄液、汗、血漿、唾液、血清、および尿からなる群から選択される請求項20の方法。
  22. 前記サンプルが、可溶性であるアミノ酸、生理活性固体およびガス状化合物、炭水化物、禁制物質または管理物質、環境汚染物質、爆発物、食品汚染物質および副産物、脂質、金属イオン、微生物毒素、神経伝達物質、ヌクレオシドまたはヌクレオチド、ペプチド、ステロイド、および治療用薬物からなる群から選択されたリガンドを含むことが疑われる請求項17ないし19のいずれか1項の方法。
  23. バイオセンサを構築する方法であって、
    (a) 3次元構造が解明されていない、既知のアミノ酸配列をもつ第1の細菌周辺質結合タンパク質(bPBP)を選択する工程と、
    (b) 前記第1のbPBPの3次元構造を、3次元構造が解明されている第2のbPBPを利用してモデリングする工程と、
    (c) 前記第2のbPBPの少なくとも1つのアロステリック、エンドステリック、またはフェリステリック部位を、リポーター基が前記第1のbPBPと結合可能な1以上の推定位置に整列させる工程と、
    (d) 少なくとも1つのレポーター基を、前記第1のbPBPの1以上の推定位置に結合させて推定上のバイオセンサを形成し、前記推定上のバイオセンサが機能的であるか否かを決定する工程と
    を含む方法。
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