JP2006503247A - 流体アキュムレータ - Google Patents

Abstract

本発明は、アキュムレータハウジング（１）内でその軸線方向において移動することができかつアキュムレータハウジング（１）の気体側（５）と液体側（７）を分離しているピストン（３）を備えている、流体アキュムレータに関する。アキュムレータハウジング（１）の壁部と協働するように形成されているガイド要素（９、１７）と、少なくとも１つのシール要素（１５）が、ピストンの周縁に配置されている。シール要素は、２つのガイド要素（９、１７）の間に位置する、ピストン（３）の周縁部において、ガイド要素（９、１７）に関して軸線方向に偏倚して配置されている。ピストン（３）において、圧力補償チャンネル（１９）があり、このチャンネル（１９）は、ピストン周縁において、液体側（７）と、液体側（７）に最も近いガイド要素（１７）と、軸線方向における直に隣接しているシール要素との間において、液体流路を形成している。圧力補償チャンネル（１９）の通路の断面積を低減している装置（２５）がこの液体流路に位置している。

Description

本発明は、アキュムレータハウジング内でその軸線方向に移動可能なピストンを有し、ピストンは、アキュムレータハウジングの気体側と流体側とを分離しており、ピストンの周縁上において、アキュムレータハウジングの壁部と相互作用することが意図されている複数のガイド要素があり、ガイド要素に対して軸線方向に偏倚している、少なくとも１つのシール要素が、複数のガイド要素の間に位置するピストンの周縁部内に位置する、流体アキュムレータに関する。

この種のピストンアキュムレータは、商業的に利用可能であり、例えば、エネルギ蓄積、緊急作動、漏れオイル補償、体積補償、衝撃吸収、振動減衰などの、様々な用途の流体システムに広く用いられている。

これらのアキュムレータを経済的かつ確実に使用するために長い期間作動することが非常に重要である。この点に関して満足な作動を保証するために、流体オイルを通常含んでいる流体側から気体側へのオイル流出が寿命全体を通して最小化されることが保証されなければならない。現在の流体アキュムレータは、この要求を十分には満たしていない。

本発明の目的は、アキュムレータが従来技術に比べて改良した長期間の作動によって特徴付けられることを考慮した、上記タイプの流体アキュムレータを発明することである。

この目的は、上記のタイプの流体アキュムレータにおいて、特許請求されているように、流体側を境界付けているピストン側面に最も近い、ガイド要素と、気体側へ軸線方向に偏倚しておりかつ軸線方向にガイド要素に追従して隣接している、シール要素との間において、圧力均等化チャンネルは、流体側への流体通路をピストン内で形成している、ピストンの周縁において、出ており、圧力均等化チャンネル内において、その通路断面積を低減した装置がある、本発明によって実現されている。

本発明の原点は、流体側にある流体オイル内に含まれる埃粒子が、流体アキュムレータの長期間の作動に悪影響を及ぼしうるという点、より正確には、埃粒子がピストンの周縁とアキュムレータハウジングの内壁との間において、シール及びガイドシステムの作動を悪化させる可能性があるということが見出されている点である。従来技術の流体アキュムレータにおいて、流体側と、ピストンの流体側端部上のガイド要素と軸線方向においてガイド要素に追従して隣接するシール要素との間におけるピストンの周縁上に位置する中間空間部との間には、圧力差がある。この圧力差により、ガイド要素とシール要素の間の中間空間部へのガイド要素を越えた体積流量は、小さい。伴出された埃粒子は、ガイド要素とピストンとの間に堆積し、ピストンの移動により、システムに対して悪影響を及ぼす擦り傷をもたらしうる。

特許請求されているように、本発明において提供されている圧力均等化チャンネルは、ピストンが移動する時、ガイド要素において圧力差がなく、埃粒子を伴う体積流入が発生しないという点で、問題を解決している。さらに、特許請求されているように、本発明では、圧力均等化チャンネルの通路断面積を低減した装置があり、圧力均等処理中において、流体体積はほんの少量であるということが保証されている。

圧力均等化チャンネルの通路断面積を低減している装置は、好ましくは、断面積の低減によって粒子フィルタの作用が生じるほど劇的に通路断面積を低減している。ピストン移動中において圧力均等のために生じる、圧力均等化チャンネルを通した最小の体積流入があっても、ピストンの周縁上のガイド要素の下流に位置する中間空間部内へ埃粒子を運ばない。

通路断面積を低減した装置は、絞り装置としうる。絞り装置は、例えば、粒子フィルタとして作用する対応して小さなノズル開口を有する、圧力均等化チャンネル内に挿入されているノズルなどである。

絞りノズルの代わりに、断面積を低減している装置として、圧力均等化チャンネル内に挿入されている多孔性のフィルタ要素としうる。

好適な実施例では、ピストンの流体側に最も近いガイド要素は、ピストンの流体側端部に密に隣接して位置し、少なくともおおよそピストンの端部まで延びている埃ストリッパリップを有するガイドベルトによって形成されている。これにより、さらに、ハウジングの内壁上ですでに集まっている埃粒子が、ピストン移動時に食い込まれるのを防ぐ。

好ましくは、埃ストリッパリップを有するガイドベルトは、ピストン周縁の環状溝部内に着座している、平坦な圧縮リングとして形成されており、ストリッパリップは、軸線方向における一方側において、その半径方向外側の環状面を延ばしており、かつその端縁部に向けて傾斜している。

本発明について、図に示す一つの例示的実施例を用いて以下に詳細に説明する。

本発明の一実施例の流体アキュムレータが、ピストン式アキュムレータの形態で記載されている。図１は、ピストン３がその中に位置する、アキュムレータハウジング１の断面のみを示している。ピストン３は、軸線方向に、すなわち、長手軸線４に沿って、アキュムレータハウジング１の気体側５と流体側７の間で移動しうる分離要素を形成している。

流体システムに組み込まれている流体アキュムレータにおいて、気体側５は、従来通り、窒素気体が充填されており、流体側７は、従来通り、作動時に流体オイルを含んでいる。シール及びガイドシステムは、ピストン３の周縁とアキュムレータハウジング１の内壁との間で作用し、ピストンの一方側からピストンの他方側へ媒体が流出するのを防ぎ、ピストン３移動時にピストンガイドを形成している。シール及びガイドシステムは、ピストン３の周縁に設けられている複数の構成要素を有している。さらに、図１において、軸線方向において左から右へ、これら構成要素は、ガイドベルト９の形態の、ピストン３の流体側端部に隣接しているガイド要素と、ピストン３のほぼ中央領域におけるガイドベルト９から一定の軸線方向距離に位置する第一ピストンシール１１と、ピストン３の流体側端部１３に対して、軸線方向において第一ピストンシール１１よりも偏倚している第二ピストンシール１５と、ガイドベルト１７の形態の、ピストン３の端部１３に偏倚しているガイド要素である。

図１から以下において理解されるように、ピストン３において、２つの止まり穴で形成されている圧力均等化チャンネル１９がある。これら２つの止まり穴は、互いへの移行部を有しており、これら２つの止まり穴の１つは、参照番号２０で示されており、ピストン３の端部１３から進み、長手軸線４と平行に延びている。その一方で、参照番号２１で示す他方の止まり穴は、止まり穴２０に対して直角に延びており、ピストン３の周縁から進んでいる。止まり穴２１は、ピストンの周縁上で、ガイドベルト１７と、軸線方向に追従するピストンシール１５との間に位置する、中間空間部に出ている。この中間空間部は、参照番号２３で示されている。

以上の流体力学的な条件の結果として、作動時において、ピストン３の移動時、空間部２３と、流体側７に位置する流体オイルの圧力との間において、圧力差が生じる。この圧力差は、圧力均等化チャンネル１９がない場合、ガイドベルト１７を越えたわずかな体積流量をもたらし、前述のように、伴出された粒子は、ハウジング１の内壁とピストン３との間で堆積し、場合によっては、シール及びガイドシステムを乱す可能性がある。そこで、本発明において提供されている圧力均等化チャンネル１９により、対応の圧力差の形成と、それに対応したオイル流出とを防いでいる。

圧力均等化処理中に圧力均等化チャンネル１９内で生じ、かつ粒子が中間空間部２３内にもたらされうる、流体流れの危険を防ぐために、本発明では、チャンネル１９の通路断面の狭い部分を設けている。

図に示す実施例では、この装置は、ピストン３の端部１３上で、チャンネル１９の穴２０の口内に挿入されるノズル２５によって形成されている。ノズル穴２７は、本実施例では、穴２７の寸法よりも大きな寸法を有する粒子がチャンネル１９を経由して空間部２３内へ移動しえないように、ノズル穴２７が粒子フィルタとして機能するような、小さな寸法として選択されている。

対応した小さな寸法のノズル穴２７を粒子フィルタとして使用する代わりに、フィルタ要素が、圧力均等化チャンネル１９内、好ましくはその止まり穴２０内に挿入されうる。

アキュムレータハウジング１の内壁上にすでに集まった埃粒子によって生じうる、シール及びガイドシステムに悪影響を及ぼすさらなる危険を避けるために、ガイドベルト１７は、特に図２に示す構造を有するストリッパ要素としても形成されている。図示するように、このストリッパ要素は、ハウジング１の内壁と相互作用してピストンガイドの機能を実施する基部として、平坦な圧縮リング２９を有している。この圧縮リング２９は、ピストン３の周縁に機械加工されている環状溝部３１内で支持されている。ガイド面を形成している、平坦な圧縮リング２９の外側環状面３３は、軸線方向に延びており、ストリッパリップ３５を形成している。このストリッパリップ３５は、図２を参照すると、平坦な圧縮リング２９の軸線方向長さの半分よりもやや大きな軸線方向距離にわたって延びている。同様に図２から明確に理解されるように、ストリッパリップ３５は、平坦な圧縮リング２９上で、その根元部から進んで、軸線方向に関して例えば約１０°の傾斜角度αで、端縁３７まで傾斜している。同様に図２から明確に理解されるように、ストリッパリップ３５の半径方向厚さは、平坦な圧縮リング２９を境界付けているその根元において、平坦な圧縮リング２９の半径方向厚さの半分よりもやや小さい。

ガイドベルト１７を形成しているガイド及びストリッパ要素において、平坦な圧縮リング２９と、この圧縮リング２９と一体に形成されているストリッパリップ３５は、エラストマー材からなり、平坦な圧縮リング２９を環状溝部３１内にスナップ嵌めすることができ、ストリッパリップ３５は、柔軟に突出して延びている。図１から見られるように、ストリッパリップ３５は、ピストン３の端部側の周縁部３９にわたって延びており、この周縁部３９は、流体側端部１３の領域に延びており、この周縁部３９は、その外径がやや低減されている。ピストン３とストリッパリップ３５との間の周縁部３９に形成されている中間空間部により、このストリッパリップ３５は、弾性的に柔軟にハウジング１の内壁へ適合されうる。それにより、ストリッパリップ３５は、最適なストリッパ作用を実現する。

ピストン周縁上の空間部２３と流体側７との間の圧力均等化手段と、この手段との組み合わせで設けられている、ハウジング１の内壁上で埃粒子が留まるのを防ぐ手段とを有する、特許請求された本発明のガイド及びシールシステムの構成によって、非常に長い寿命にわたって有効な作動が保証されうる。

図１を見る方向に見て、左に示されているガイドベルト９は、図１において右に示されているガイドベルト１７と同じく形成されうる、及び／又は、ガイドベルト１７に交換されうる。

本発明の一実施例によるピストンアキュムレータの長手軸線方向部分断面図であり、ピストンが位置するアキュムレータハウジングの一部分のみが示されている。 突出している埃ストリッパリップを有する平坦な圧縮リングの形態である、図１の例示的実施例のピストンガイド要素の長手軸線方向部分断面図であり、この断面は、図１と比べて極めて大きく描かれている。

Claims (10)

1. アキュムレータハウジング（１）内でその軸線方向に移動可能なピストン（３）を有し、前記ピストン（３）は、前記アキュムレータハウジング（１）の気体側（５）と流体側（７）とを分離しており、前記ピストンの周縁上において、前記アキュムレータハウジング（１）の壁部と相互作用することが意図されている複数のガイド要素があり、前記ガイド要素（９、１７）に対して軸線方向に偏倚している、少なくとも１つのシール要素（１５）が、前記複数のガイド要素の間に位置する前記ピストンの周縁部内に位置する、流体アキュムレータにおいて、
   前記流体側（７）を境界付けている前記ピストン側面に最も近い、前記ガイド要素（１７）と、前記気体側（５）へ軸線方向に偏倚しておりかつ軸線方向に前記ガイド要素（１７）に追従して隣接している、シール要素（１５）との間において、圧力均等化チャンネル（１９）は、前記流体側（７）への流体通路を前記ピストン（３）内で形成している、前記ピストンの周縁において、出ており、前記圧力均等化チャンネル（１９）内において、その通路断面積を低減した装置（２５）がある、流体アキュムレータ。
2. 前記圧力均等化チャンネル（１９）の通路断面積を低減している装置（２５）は、前記装置（２５）が粒子フィルタとして作用するほど劇的に前記通路断面積を低減している、請求項１に記載の流体アキュムレータ。
3. 前記通路断面積を低減している装置（２５）は、絞り装置（２５）によって形成されている、請求項２に記載の流体アキュムレータ。
4. 前記絞り装置は、ノズル（２５）を有している、請求項３に記載の流体アキュムレータ。
5. 前記ノズル（２５）が、前記流体側（７）を境界付けている前記ピストン側面において、前記圧力均等化チャンネル（１９）の口内に挿入されている、請求項４に記載の流体アキュムレータ。
6. 前記絞り装置は、前記圧力均等化チャンネル（１９）内に位置決めされている多孔性のフィルタ要素によって形成されている、請求項３に記載の流体アキュムレータ。
7. 前記ピストン（３）の前記流体側（７）に最も近い前記ガイド要素は、前記ピストン（３）の前記流体側端部（１３）に密に隣接して位置し、かつ少なくともおおよそ前記ピストン（３）の前記端部（１３）まで延びている埃ストリッパリップ（３５）を有するガイドベルト（１７）によって形成されている、請求項１〜６のいずれか１項に記載の流体アキュムレータ。
8. 前記ガイドベルト（１７）は、前記ピストン周縁の環状溝部（３１）内に着座している、平坦な圧縮リング（２９）と、埃ストリッパリップ（３５）とを有し、前記埃ストリッパリップ（３５）は、軸線方向における一方側において、その半径方向外側の環状面（３３）を延ばしており、かつその端縁部（３７）に向けて傾斜している、請求項７に記載の流体アキュムレータ。
9. 前記ピストン（３）は、前記流体側端部（１３）から前記環状溝部（３１）へ延びている周縁領域において、前記埃ストリッパリップ（３５）がそれにわたって延びている、低減した外径部分（３９）を有している、請求項８に記載の流体アキュムレータ。
10. 前記平坦な圧縮リング（２９）と、前記平坦な圧縮リング（２９）と一体の前記埃ストリッパリップ（３５）は、エラストマー材で形成されている、請求項９に記載の流体アキュムレータ。

Images