JP2006502079A - 細胞接着、増殖および分泌を促進するペプチド - Google Patents

細胞接着、増殖および分泌を促進するペプチド Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞接着、増殖、発現または分泌を増強する活性を有することが同定された特異的ペプチドを提供する。本発明のペプチドの多くは、化学合成または組換えDNA法などの手段によって大量に産生することができる。これらは、表面に非特異的に吸着させたり、または化学的に結合させたりすることができるか、または培養細胞に所望する効果をもたらすために培養培地に調合することができる。

Description

本発明は、培養中の細胞の生物学的活性に影響を及ぼすペプチドに関する。特に、本発明は細胞の接着、増殖または分泌に影響を及ぼす特異的ペプチドに向けられる。
1800年代後半から、細胞培養培地中のペプチド源として組織および蛋白質の加水分解物が普通に使用されてきた。これらは現在細菌学で使用されている最も一般的な不定培養培地成分で、哺乳類細胞培養においてはしばしば血清に置き換えられる(非特許文献1)。加水分解物および血清は、培養培地用の最適なペプチド源ではない。さらに、それらの組成は明らかではなく、ロット毎に異なり、BSEなどの病原体が潜んでいる可能性がある。
ペプチドは一般的に構成要素のアミノ酸と比較して細胞培養培地で用いるのに好ましい栄養素であることが認識されている。増殖またはその他いくつかの生物学的活性に影響を及ぼすことが明らかなペプチドを同定するための手段として、どの特異的ペプチドが細胞培養によって利用されるかを決定するいくつかの試みが熱心に行われてきた。例えば、最近のペプチド合成技術の発達によって、個々の明確な配列として、またはペプチドライブラリ中の様々な配列混合物として、大量の培地強化化合物をスクリーニングすることが可能になった。ライブラリ手法は、細胞培養で望まれる生物学的効果についてペプチド配列をスクリーニングする機会を提供してきた。所望の生物学的活性を有するペプチドの配列が同定されると、例えば、化学合成または組換えDNA方法によってこれを大量に生成することができる。その後、ペプチドを、表面にコーティングしたり、培養培地の溶液中に遊離させたりすることによって培養系に含めることができる。いずれの提示方法でも、培養細胞に所望する効果をもたらすことができる。
細胞がin vivoで細胞外マトリックス成分と相互作用する能力は、細胞増殖、移動、および分化を含めたいくつかの重要な生物学的過程に関与する。さらに、足場依存性細胞が表面へ最初に接着する必要性が細胞培養の作業の成功に大きく求められる。特に、細胞が固相基質に接着して、広がり、密着する能力は、in vitroにおいて正常な足場依存性細胞が増殖する必要前提条件である(非特許文献2および3)。細胞が表面に接着する能力は、使用される細胞培養培地、細胞の特定のタイプ、および細胞を培養させる特定の表面を含めた多くの要素によって影響を受ける。最終目的が上清中に生成物を蓄積することである場合、培養細胞は接着型の細胞で、一般的にまず最大限効果的に接着増殖させ、次に最大限効果的に発現させ、最後に最大限効果的に分泌させると、最良の結果が実現する。
一般的に、哺乳類細胞をポリマー表面上で培養する。実際に、合成ポリマー表面に接着する哺乳類細胞はすべて、吸収した蛋白質によって制御され、受容体媒介性である。例えば、フィブロネクチンは組織培養基質への哺乳類細胞タイプの接着に関与することが示された細胞外マトリックスの蛋白質成分である(例えば、非特許文献4および5)。フィブロネクチンが細胞接着を助ける能力は、フィブロネクチンの細胞結合ドメインに位置する3量体配列(RGD)に局在している。
細胞接着を促進する細胞培養基質およびその他の表面の役割に関しては、蛋白質溶液をその上に配置した後、蛋白質が組織培養基質の表面にすぐに吸収されることが知られている。細胞表面上に、吸収された蛋白質のいくつかに対する受容体があるという条件、および、吸収された蛋白質の構造が吸収によってリガンド−受容体親和性が破壊される程までは大きく変化しないというさらなる条件の下で、培養基質に対する細胞接着および細胞拡散が起こりうる。
さらに、細胞接着を可能にする細胞培養基質およびその他の表面の役割を参照すると、吸収蛋白質無しで細胞を基質上に接種した場合、細胞表面上にある蛋白質は表面に直接吸収させることができ、細胞は、適切な条件が存在するという条件の下で、細胞外マトリックスの形態で表面に向けて蛋白質を分泌する。しかし、培養物中の細胞は中間で吸収される蛋白質を介さなければ直接に表面に接触することはないことが知られている。
細胞が表面に短期間接着することを促進するために、特定のペプチドをポリマー表面に吸収させることが提案されている。例えば、Singer他は細胞接着を促進するために前記のRGD配列を含有する13マー(13−mer)ペプチドをポリマー基質に吸収させることを提案した(非特許文献6)。この長さのペプチドを使用する欠点は、それらが細胞培養中で使用されるような高温で非常に分解を受けやすく、培養細胞自体の蛋白質分解作用を非常に受けやすいことであった。
細胞接着を促進するためにペプチドを表面に吸収させることの代替方法は、ペプチドを共有結合的な修飾を介して化学的に表面に接着させることであった。例えば、Brandly他は細胞接着を促進するために9マーペプチドをポリマー基質に含めることを提案した(非特許文献7)。この方法は細胞接着を促進したが、許容できるレベルの細胞接着を促進するためには高濃度のペプチドが必要であった。合成ペプチドを調製する費用が高いと、ペプチドを大量のポリマーに組み込んで商用に経済的に細胞培養基質を調製することは容易ではないだろう。
12個未満のアミノ酸残基を有し、以下のアミノ酸配列:GRGD(配列番号71)、GYIGSR(配列番号72)、GREDV(配列番号73)の1つを含有するペプチドで表面を誘導体化することもまた知られている。これらのペプチはさらに、処理表面への細胞受容体媒介性の、細胞の支持を可能にする最小限の細胞表面受容体認識配列、例えば、RGD(配列番号74)、YIGSR(配列番号75)またはREDV(配列番号76)を含むとして記載された。このペプチドは、表面上にグラフト化されたペプチドに関連する末端1級アミンとポリマー表面上の活性基との反応によって表面に付着されることが好ましい。この方法の欠点は、表面がペプチドで誘導体化されうる前に表面をまず活性化しなければならないことである。表面の活性化に使用される方法は、時間がかかり、細胞に毒性であり得る試薬を必要とする可能性があり、ペプチドで修飾する前および誘導体化された表面上で細胞を培養する前に表面を徹底的に洗浄する必要がある。さらに、ペプチド固定の効率は前のポリマー誘導体化工程に大きく左右される。最終的なペプチド濃度範囲および表面上での配向は制限される。
米国特許第5175255号明細書 S. Saha and A. Sen., Aptavirol 33:338-343, 1989 Grinnell, F., Psychology, 53:67-149, 1978 Couchman, et al., J. Cell Biol., 93:402-410, 1982 Perlstein, E., Nature, 262:497-500, 1976 Kleinman, et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 72:426-432, 1976 Singer, et al., J. Cell Bio., 104:573-584, 1987 Analytical Biochemistry 173:270, 1988 Wodnicka, M., Guarino, R.D., Hemperly, J.J. Temmins, M.R., Stitt, D. and Pitner, J.B.(2000) J. of Biomolecular Screening 5:141-152 FMOC Chemistry of Atherton and Sheppard, 1989 in Solid Phase Peptide Synthesis(Merrifield 1965) Jpn J. Oral Biol 23, 899 (1981) Wodnicka, M., Guarino, R.D., Hemperly, J.J. Temmins, M.R., Stitt, D. and Pitner, J.B.(2000) J. of Biomolecular Screening 5:141-152 Grinnel, F. Psychology, 53:67-149, 1978 Couchman et al., J. Cell Biol., 93:402-410, 1982 Martin et al, REVIEW, J. of Biotechnology. Progress 1998 14,804-833
したがって、熱に安定で、細胞性プロテアーゼまたは組織培養基質から接着型哺乳類細胞を除去するためにしばしば添加されるトリプシンのようなプロテアーゼによる蛋白質加水分解に耐性である、細胞接着および増殖を促進するために、表面を修飾する際に使用する追加の小ペプチドをさらに発見する必要性が当業界において存在している。さらに、小ペプチドは脱着作用に耐性であることが好ましいが、表面への共有結合的な固定を必要としない。
当業界ではまた、発現および分泌を高める小ペプチドの必要性がある。接着性細胞株は、標的薬剤を分泌させるとき産生に対して選択されることが多い。固定化された細胞を有することによって、上清に存在し、増殖段階中に必要な高分子量構成要素を容易に除去することが可能であり、引き続いて、標的薬剤と一緒に精製されない低分子量物質のみを含有する安定化培地と上清を置換することが可能である。残念ながら、これらの安定化培地は発現および分泌レベルをしばしば減少させる。したがって、組織培養ブロス中に生成物の蓄積を増加させる低分子量ペプチドを有することは有利であろう。
最後に、培地または前記の特性を有する培養環境構成要素の発見を加速するペプチドライブラリの必要性がある。ペプチドの性能と物理的特性とを一致させることができれば、多くの細胞タイプおよび培養条件にわたって利益をもたらすペプチドの種類がもたらされるだろう。さらに、このようなペプチドの種類は、幹細胞のような供給が不足している細胞に対する培地構成要素としての高性能生物活性ペプチドを、生体工学研究者が迅速に同定することを可能になるだろう。
本発明は、細胞増殖および/または分泌を高める特性を有するとして定義されるペプチドを提供する。これらの強化特性を有する特異的なペプチドは、化学合成または組換えDNA法による発現のような手段によって大量に産生することができ、例えば、細胞培養系において表面上に吸着させたり、または、代替法として、培養細胞に所望する効果をもたらす培地に調合したりすることができる。
特に、本発明は、細胞培養系において細胞増殖および/または分泌を高め、(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxxおよび(e)kxxxxの少なくとも1種の構造であって、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよい構造を含むペプチドを提供する。
さらに、本発明が提供するのは、細胞増殖および/または分泌を高めるペプチドであり、このペプチドには(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxxおよび(e)kxxxxの少なくとも1種の構造が含まれ、各xは同一であるかまたは異なる疎水性または非荷電極性アミノ酸残基であってよく、kはリジンを表す。
接着および/または増殖を促進する活性を備えた本発明の特異的ペプチドには、以下から選択されるアミノ酸配列:IFFKG(配列番号1)、FIKFG(配列番号2)、FIFAK(配列番号3)、QVVAK(配列番号4)、FKFIG(配列番号5)、AFFKI(配列番号6)、VFPFK(配列番号7)、AKIFF(配列番号8)、AFKIF(配列番号9)、KFAFI(配列番号10)およびFAKFI(配列番号11)およびそれらの組合せを有するペプチドが含まれる。
本発明の更なる態様では、以下の群、(a)AFFFQ(配列番号12)/EEEMY(配列番号13)および(b)FIKLM(配列番号14)/FFIPY(配列番号15)から選択される1または複数のペプチド対を含む、表面上で接着型細胞の接着および/または増殖を促進するペプチド組成物を開示する。
分泌を強化する活性を有する本発明の特異的なペプチドには、以下から選択されるアミノ酸配列:FKLVY(配列番号16)、KKKKK(配列番号17)、KKKKL(配列番号18)、FKKKQ(配列番号19)、FKFIG(配列番号5)、KKKSK(配列番号20)、KKKLK(配列番号21)、FKKKK(配列番号22)、LKKKK(配列番号23)、KKLKK(配列番号24)、KKKKT(配列番号25)、KKPKK(配列番号26)、KKPQY(配列番号27)、SKKKK(配列番号28)、KVKKK(配列番号29)、KNQTY(配列番号30)、FKKKV(配列番号31)、KPKKK(配列番号32)、FFKKK(配列番号33)、HKNQT(配列番号34)、FKLVG(配列番号35)、KKQPK(配列番号36)、EKKQT(配列番号37)、EKKKK(配列番号38)、KKIKQ(配列番号39)、KKKKS(配列番号40)、KKQKK(配列番号41)、KKLNY(配列番号42)、DGKKT(配列番号43)、KKPTT(配列番号44)、KFIFG(配列番号45)、FKKMY(配列番号46)、FFFKK(配列番号47)、KQKKI(配列番号48)、HIKKK(配列番号49)、DFFHK(配列番号50)、AKKKK(配列番号51)、AHIKK(配列番号52)、AHKKK(配列番号53)、LKLVY(配列番号54)、PKQKK(配列番号55)、AKKKT(配列番号56)、DEETY(配列番号57)、HNPPY(配列番号58)、GGHMS(配列番号59)、AADEG(配列番号60)、GGGGS(配列番号61)、EEGLS(配列番号62)、HHPST(配列番号63)、FHHNT(配列番号64)、ADELN(配列番号65)、KKKK(配列番号66)、KKK(配列番号67)、KK(配列番号68)、OrnOrnOrn(配列番号69)、RRR(配列番号70)およびそれらの組合せを有するペプチドが含まれる。
細胞培養基質が本発明によって提供され、この基質には前記の配列番号1から配列番号11、および配列番号16から配列番号70によって表される本発明のペプチドの1または複数が含まれる。さらに、本発明の細胞培養基質には、(a)配列番号12/配列番号13、および(b)配列番号14/配列番号15の前記で定義したペプチド対の1または複数が含まれ得る。
本発明はさらに、前述の本発明のペプチドまたはペプチド組成物を含む組織培養培地を提供する。
本発明は、生物学的に活性なペプチドの迅速な同定に有用なペプチドライブラリであって、該ペプチドライブラリーが以下のライブラリ群、(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxおよびそれらの並べ換えたものから選択されるペプチドライブラリを提供する。ここで、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよい。特定の細胞タイプに対して活性なペプチドを本発明のペプチドライブラリで同定すれば、中心となる特性(電荷、大きさ疎水性)を有するより小さなペプチドライブラリを生じさせ、新規細胞系に適用して、それによってスクリーニングしなければならない化合物の数を減じることができる。
本発明はさらに、細胞培養系で細胞分泌を強化するペプチドであって、ペプチドのアミノ酸がすべて正に荷電された側鎖を有するペプチドを提供する。
細胞培養系において細胞増殖および/または分泌を強化するように細胞培養系の表面を修飾する方法もまた提供し、以下の群、(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxおよびそれらの組合せから選択される構造を含むペプチドであって、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよいペプチドを表面に添加する段階を含む。
本発明の更なる態様では、細胞増殖を促進するために細胞を表面に接着させる方法を開示し、これは、(i)以下のもの、(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxおよびそれらの組合せから選択される構造を含むペプチドであって、各xは同一であるかまたは異なる疎水性または非荷電極性アミノ酸残基であってよく、kはリジンを表すペプチドで少なくとも部分的にコーティングされた表面を提供すること、および(ii)少なくとも部分的にコーティングされた表面を、それへの細胞接着を可能にするのに十分な時間、細胞と接触させる段階を含む。
最後に、本発明は細胞増殖および/または分泌を強化する方法であって、本発明のペプチドまたはペプチド組成物の存在下で細胞または組織を培養する段階を含む方法を提供する。
(図面の簡単な説明)
MC3T3細胞の増殖をモニターするために使用された酸素バイオセンサーアッセイの結果を表すグラフである。本発明のペプチドは、最初の最大多様性ライブラリ(MDL−100)およびMDL−100ライブラリによって粗く網羅されたプロパティスペースを充填する化合物からなるフォローアップMDL−400ライブラリで同定された。細胞に対する生物学的効果は、本発明のペプチドの存在下と非存在下で比較し、細胞外マトリックス(ECM)対照および公知のペプチド対照の存在下および非存在下で比較した。590nmでの吸光度は、細胞増殖に相関する相対酸素消費量の測定値である。
「分泌を高める」、「分泌を促進する」などの用語は、1または複数の本発明のペプチドの存在下では、上清培地中の標的分子のレベルが、それが存在しない場合に比べて高いことを意味する。この効果は、蛋白質発現レベルおよび細胞内輸送の変化(これらに限定されない)を含めた因子の数に関係し得る。
2種類の最初のペプチド最大多様性ライブラリ、MDL−400およびMDL−100および早期リードに関連する化合物からなるフォローアップライブラリは、従来のペプチド合成技術を使用して構築した。フォローアップライブラリ内の候補ペプチドは、「最近隣」技法によって選択した。引き続いて、ある所望の特性を示す生物学的活性ペプチドについてこれらをスクリーニングした。この研究の目的の1つは、表面に非共有的に接着されるか、または非特異的に吸着されたときに細胞増殖を増加させる(これは培養細胞の酸素消費量の増加によって測定される)ことができるペプチドを同定することである。ここで、酸素消費の増加は酸素バイオセンサーを使用することによって測定した。第2の目的は、分泌を高めるペプチドを同定することであった。特に、血小板由来成長因子を分泌する細胞株を選択して、PDGFの上清レベルをサンドイッチELISAによってモニターした。MDLライブラリは、まずPDGF分泌に対するこれらの効果につてスクリーニングされ、次に最近隣の物からなるフォローアップライブラリにおいて追加のリードが見いだされた。さらなる分析で、増殖を促進することが決定された、一連の生物活性異性体が明らかになった。
初期ペプチド候補の各ライブラリは、荷電、分子量、質量および疎水性を含めた特定の設計基準に基づいて選択した。以下の表Aでは、側鎖の極性に基づいてアミノ酸を分類する。
Figure 2006502079
MDLおよび最近隣フォローアップライブラリからの各ペプチドは、5個のアミノ酸残基からなる。ライブラリペプチドを形成するアミノ酸の選択は、一般的に合成の容易さに基づく。
PDGFの分泌を高める配列(配列番号16から配列番号56および配列番号5)のほとんど大部分は以下の構造の1つを有する:(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxx。但し、kはリジンを表し、各xは以下の残基、リジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体から選択される同一または異なるアミノ酸であってよい。増殖用のより小数のMDLペプチドをスクリーニングすることによって、同様の共通構造、(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxが導かれる。ここで、各xは以下の疎水性または非荷電極性残基:フェニルアラニン、イソロイシン、アラニン、バリン、プロリン、グリシンおよびグルタミンから独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよく、kはリジンを表す。増殖および分泌の両スクリーニングについて、リジンを含まない、少数の関連性のない生物活性化合物が見いだされた。
特定のライブラリにおいて細胞発現および分泌に正の影響を及ぼすペプチドを同定するために、試験ペプチドそれぞれをチャイニーズハムスター卵巣細胞の単層を含有するウェルに添加した。選択される細胞は、血小板由来成長因子を分泌することが知られている足場依存性CHO細胞であり、最初に、血清を含む培地を使用して組織培養表面で増殖させた。単層が樹立された後、化学的に規定されている基本培地および単一の試験ペプチドを各ウェルに添加した。本発明の研究では、各ウェルから上清を収集し、この上清についてPDGFに特異的なELISAを実施することによって、PDGFの分泌をライブラリからのペプチドの存在下または非存在下で評価した。出力は492nmでの吸光度であった。分泌は、アミノ酸、必須ビタミン、金属、炭素源および共通なCHO培養因子に富んだ基礎培地で評価した。PDGFレベルは、培養に使用した培地に添加された既知の標準物質と比較した。
分泌を高める活性を持つ特異的な本発明のペプチドには、以下から選択されるアミノ酸配列:配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号5、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、およびそれらの組合せを有するペプチドが含まれる。
細胞培養において細胞増殖に正の影響を及ぼすペプチドを特定のライブラリにおいて同定するために、増殖アッセイでライブラリをスクリーニングした。選択される細胞は本発明のペプチドで予めコーティングした組織培養表面で増殖する足場依存性MC3T3細胞であった。ライブラリ中のペプチドを評価するために使用したスクリーニング培地は、培地中に存在する未定義の物質による妨害が少い状態で、ペプチドの効果を評価することが可能な低血清培地である。本研究では、MC3T3細胞の増殖は、組織培養基質上に乾燥フィルムの形態で存在する、ライブラリ中のペプチドの存在下および非存在下で評価した。増殖は、アミノ酸に富み、必須ビタミン、金属および単純炭素源を含有する基礎培地で評価した。適切なインキュベーション時間の後、それぞれのペプチドを補給した培養物での増殖を、補給していない培養物での増殖と比較する。増殖の程度は、細胞による酸素消費を検出するBecton Dickinson酸素センサーを使用して評価した。次に、特定のペプチドを含有する各ウェルの細胞数を、励起について465nm、そして放出について590nmのバンドパスフィルタを使用して蛍光色素から発生する蛍光を測定する蛍光計で間接的に評価した。
簡単に説明すると、酸素バイオセンサーは、酸素の存在によって消光されるルテニウム色素の蛍光に基づいている。この色素は、マイクロタイターウェルの底に位置する不活性であるが高度に透過性であるシリコーンマトリックスに固定される。以前のデータは、酸素消費量の増加が細胞数の増加に相関することを示唆している(例えば、非特許文献8)。
細胞増殖を高めるいくつかのペプチドが、MDL−400ペプチドライブラリの最初のスクリーニングで同定された。これらのペプチドには、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10および配列番号11およびそれらの組合せが含まれる。特に、以下にさらに詳述するように、これらのペプチドはそれぞれ、表面に吸着されると、コーティングされていない表面上で増殖した細胞と比較して増殖に著しい差異が生じた。
本発明の2種類のペプチド組成物はさらに、増殖を高める特性を有することが同定された。これらの組成物は、MDL−100と称するライブラリのスクリーニング中に選択された。同定された特異的ペプチド対は以下の通りである:(a)配列番号12/配列番号13および(b)配列番号14/配列番号15。
標準のペプチドまたは異性体は同一のアミノ酸組成を有し、配列のみが異なっている。複数の標準ペプチドが強化を起こすことが発見された場合は、広範な非特異的機構が暗示される。ここでは、ペプチドライブラリは最初にCHO細胞におけるPDGF発現の改善についてスクリーニングされた。標準のものであるFKFIG(配列番号5)およびKFIFG(配列番号45)はPDGFに対して陽性であることが見いだされた。同じ標準群の構成要素は、その後MC3T3増殖に対する影響力についてスクリーニングされた。この増殖スクリーニングに基づいて、FKFIG(配列番号5)および標準群のその他の2種類の構成要素、IFFKG(配列番号1)およびFIKFG(配列番号2)は陽性であることが見いだされた。この結果を表1、3および図1に示す。この結果によって、細胞培養に有用な新規化合物の種類が同定される。
前述のように、本発明は細胞培養系において細胞増殖および/または分泌を高めるペプチドを提供し、このペプチドには(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxxおよび(e)kxxxxの少なくとも1種の構造が含まれる。ここで、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよい。
細胞培養系において細胞増殖および/または分泌を促進する本発明のペプチドは、5個を上回るアミノ酸残基を含有しうることは、十分に本発明の企図の範囲内であるが、これらは、その配列内に前述の(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxxおよび(e)kxxxxの少なくとも1種に対応する構造であって、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよい構造を含む。しかし、培養系内の内因性および外因性プロテアーゼの作用に注意を払わなければならないことに留意されたい。このようなプロテアーゼは、配列内にプロテアーゼ切断部位を含みうる長いペプチドを分解しやすい。さらに、完全な蛋白質または大きなペプチドはより分解を受けやすい。
本発明によるペンタペプチドは一般的に内部にプロテアーゼ切断部位がないことに注意されたい。しかし、本発明のペプチドの所望する製造方法に関しては、従来の培養培地加水分解物中の蛋白質の酵素的または化学的分解によって生じたC末端およびN末端に対応するC末端またはN末端を含むペプチドを選択することが特に好ましい。例えば、本発明のペプチドQVVAK(配列番号4)は、内部にトリプシン部位を有さないが、当業界で公知の数多くの組換え産生系においてコンカテマーとして経済的なペプチドの製造に影響を及ぼすことができるC末端リジンを有する。コンカテマーは数百のコーディング配列のコピーを含有することができる。酵素的または化学的切断を受ける、C末端およびN末端を有する本発明のペプチドをコードするコンカテマー核酸構築物は、適切な切断部位によって分離されたペプチドアミノ酸配列の繰り返しサブユニットを含むポリペプチドをもたらす。適切な酵素的または化学的手段を使用した切断によって、ペプチドモノマーが遊離する。この製造のためのアプローチによって、所望するペプチドの収率が増加し、製造費用が減少する。発現後のプロセシングは、コンカテマー構造のクローニングよって提供される切断部位のおかげで簡素化される。
本発明はまた、細胞増殖および/または分泌を高めるペプチドを含み、このペプチドは(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxxおよび(e)kxxxxの少なくとも1種の構造を含む。ここで、各xは同一または異なる疎水性または非荷電極性アミノ酸残基であってよく、kはリジンを表す。一実施形態では、疎水性または非荷電極性残基は、Phe、Ile、Ala、Val、Pro、Gly、Gln、Tyr、Thr、Leuおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。
本発明のペプチドは、当業界で公知の、任意の適切な方法によって合成することができる(例えば、非特許文献9)。様々な異なる固相支持体上での合成、「ティーバッグ」合成(Houghten)、およびスプリット・アンド・ディバイド・コンビナトリアル法ばかりでなく、Boc化学もまた使用することができる。液相ペプチド合成方法もまた、使用することができる。
化学合成の代替法として、本発明のペプチドは組換え方法を使用してより経済的に産生することができる。組換え産生では、ペプチド配列はまずそのペプチドのアミノ酸配列をコードする対応核酸配列に変換される。これは、引き続いて翻訳されてペプチドを産生するRNA配列であってよく、またはDNA配列の転写およびその後のペプチドを産生するmRNAの翻訳を可能にするプロモータの制御下でその後発現ベクターにクローニングされるDNA配列であってもよい。このような所望のペプチドまたは蛋白質配列の多くの組換え産生方法は、専門家には周知であり、本発明のスキルを練習することなく本発明のペプチド産生に適用することができる。必要であれば、専門家に周知である標準的な物理的、化学的およびアフィニティ分離方法を使用してこれらのペプチドを精製することができる。
本発明の有用なペプチドには、C末端(例えば、アミドおよびエステル)、N末端(例えば、アセチル基)および以下にさらに詳細に説明するように、天然には存在しないアミノ酸(例えば、ノルロイシン)の修飾を含めることができる。このような修飾は、ペプチド活性に影響を及ぼしうる。さらに、修飾は、担体またはリンカー分子への共有的接着手段を提供することができる。
本発明のペプチドは、細胞に所望する効果、例えば増強された接着、増殖および/または発現および分泌をもたらすために、原生動物および酵母、ならびに培養細胞および脊椎動物または無脊椎動物に由来する組織用に調製された組織培養培地に含めることができる。ペプチドを添加する基本培地は、化学的に規定された培地または牛胎児血清または酵母加水分解物のような未規定成分を含有する複合培地であってよい。しかし、本発明のペプチドは、未規定の培地成分による性能の変化を減じるかもしくはこれを排除するための手段として、および薬学的製品を製造するために使用される培地中の動物由来成分を減じるかもしくは排除するための手段として最も有利に使用されるので、化学的に規定された培地または半規定培地が好ましい。
選択した培養培地またはコーティング溶液中の本発明のペプチドの適切な濃度を決定することは当業者の能力の範囲内である。一実施形態では、ペプチドを細胞培養系に約550μMから約6mMの濃度で導入する。他の実施形態では、ペプチドを細胞培養系に約220μMから約24mMの濃度で導入する。さらに他の実施形態では、ペプチドを細胞培養系に3mMから約12mMの濃度範囲で導入する。さらに、複数のペプチドを、(これらが細胞について同様の効果を有するならば)相乗作用を生じるため、または(各ペプチドが同じ細胞について異なる効果を有するならば)複数の効果を生じるために、培養培地または表面コーティング用溶液に添加することができる。
当業者は、細胞接着、増殖、発現または分泌を高める本発明のペプチドの能力は基本培養培地および/または他の培地成分の存在によって影響を受け得ることを理解するだろう。培養培地は、関心のあるいかなる細胞、組織、または器官の培養にも使用することができる。培養培地は細胞培養培地であることが好ましい。典型的には、そして好ましくは、本発明のペプチドはin vitroで細胞を培養するための培養培地の成分として使用されうる。特に、本発明は、動物、(より好ましくは哺乳類、鳥または昆虫)、植物、細菌、原生動物、菌類、または酵母培養物を培養するために実施することができる。さらに、この培養培地は、宿主細胞にウイルスまたはバクテリオファージを封入するために使用されるものであってもよい。本発明による培養培地はまた、初代細胞の培養(例えば、インシュリン産生用のベータ島細胞の増殖)に有用でありうる。本発明のペプチドを含有する培地のその他の用途には、組換えペプチドまたは蛋白質を発現するために遺伝子操作されている細胞の培養に使用することが含まれる。最後に、培養培地は、液体、半固形または固形培地であることができる。培養培地は液体培地であることが好ましい。
本発明のペプチドは、水のような担体に溶解されて、組織培養基質をコーティングするためまたは固定タイプの細胞の増殖用の他の表面をコーティングするための溶液を生成することができる。例えば、1種または複数の本発明のペプチドを含有する溶液は、表面上に散布されて、逆気流フードの中で乾燥されて、乾燥フィルムの形態で表面上に存在するペプチドを生じることができる。
本発明の一実施形態では、ペプチドが細胞の酸素消費を増加する。例えば、本発明のペプチドは、乾燥フィルムの形態で表面に吸着させると、細胞の酸素消費増加を測定したところ、コーティングしていない表面で得られた増殖と比較して細胞増殖が高められることが発見された。本発明のペプチドは、in vitroまたはin vivoで細胞増殖を高めることができる。例えば、組織培養表面を処理して、in vitroでの細胞増殖を高めることができ、または、代替法として、ペプチドは移植された生物医学装置の表面上でin vivoでの細胞増殖を高めることができる。
さらなる実施形態では、細胞は、以下の上皮、内皮、皮膚、神経、腫瘍、リンパ球、幹細胞およびそれらの組合せ(これらに限定されない)を含む群から選択される。一般的に、本発明のペプチドは足場依存性細胞の接着および増殖の促進に有用である。
本発明のペプチドの表面への接着様式には、非共有的相互作用、非特異的吸着、および共有結合が含まれる。本発明の一実施形態では、ペプチドを直接表面に吸着させることができる。本発明のさらなる実施形態では、以下のペプチドは既にウシ血清アルブミン、卵白アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、細胞表面受容体認識配列を有するペプチド、免疫グロブリン、多糖、または増殖因子(これらに限定されない)の少なくとも1種で予めコーティングされた表面に吸着させることができる。他の実施形態では、ペプチドおよび前記の蛋白質の1種は、遊離状態で、または複合体として同時に表面に添加される。
本発明の増殖を強化するペプチドは、2次元または3次元表面を含めた表面上での様々な足場依存性細胞の接着および増殖の促進に適している。例えば、表面は、3−Dアレイでの細胞接着を可能にするバイオリアクタのものであってよい。本発明のペプチドで修飾された3−D表面に細胞を接着することによって、現存するものよりも効果的なバイオリアクタを設計することができる。
特に、本発明の実施に使用することができる表面の種類に関しては、適切な表面には、セラミック、金属またはポリマー表面(それらには限定されない)が含まれるであろう。本発明は、ポリマー表面およびセラミック、例えばガラス表面の処理に使用することが最も望ましい。本発明で使用するために適切な表面には、プラスティック皿、プラスティックフラスコ、プラスティックマイクロタイタープレート、プラスティック管、縫合材、膜、フィルム、バイオリアクタ、および微粒子が含まれるが、それらに限定されない。ポリマー表面には、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、フッ化エチレン、ポリ(ジメチルシロキサン)およびその他のシリコンゴムが含まれるが、これらに限定されない。ガラス表面には、グリセロールプロピルシラン結合ガラスを含めることができる。
本発明の特定の一実施形態では、ペプチドを担体に結合することができる。適切な担体分子を選択するための必須条件は、担体またはカップリング方法によってペプチドの機能的生物学的活性が損なわれないことである。本発明の目的のための担体分子は、フィブロネクチン、コラーゲンおよびラミニンのような細胞外マトリックスの蛋白質成分(これらに限定されない)を含む、様々な種類の物質に属することができる。さらに、ペプチドは、ポリリジン、卵白アルブミン、ウシ血清アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン、免疫グロブリン、多糖、リポ蛋白質、増殖因子、およびそれらの任意の組合せ(これらに限定されない)を含む、より明確な物質に共有結合させることができる。適切な多糖類には、澱粉、グリコーゲン、セルロース、ペクチン、アミラーゼ、デキストリン、ポリスクロースまたはキトサンが含まれる。本発明のペプチドと化学的なカップリングをするための適切な増殖因子に関しては、bFGF、GCSF、ILGF−1またはVEGFが含まれるが、これらに限定されない。さらに、本発明のペプチドは、合成ポリマー、例えばポリエチレングリコールもしくはポリビニルアルコールに、セラミックを含むリン脂質もしくはパラフィンに、および、グリセロールのようなアルコールに結合させることができる。
本発明のペプチドと前記の種類の物質のいずれか1種との間の化学的カップリングは、一般的に、担体物質およびペプチドの反応性基を介して直接的に、またはリンカーの補助を用いて行われる。例えば、二官能性リンカーであるスルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレートを使用して、本発明のペプチドを適切な増殖因子または細胞外マトリックス蛋白質にカップリングすることができる。反応性基は既に担体またはペプチド上に存在しうる。しかし、これらはまた、分子中の反応性基を活性化することによって導入することもできる。通常の反応性官能基には、アミノ、イミノ、ヒドロキシル、スルホヒドリルまたはカルボキシル基が含まれる。
強化された接着促進特性および増殖促進特性を容易にするために、複数のペプチド分子を特定の担体に複合体形成させることが有利であることに注意されたい。
本発明の一実施形態では、複合体の担体構成要素を、特定の表面、例えば組織培養表面に吸着させる。例えば、担体は、表面に吸着された細胞外マトリックスであってよく、例えば非天然アミノ酸との反応によって、ペプチドのN末端またはC末端のいずれかにおいて本発明のペプチドまたはペプチド類への結合または複合体をもたらす反応性官能基を含有する。この場合、修飾されたペプチドは既に反応性官能基を含有する担体で予めコーティングされた組織培養基質に添加される。あるいは、予備形成された複合体は、表面に複合体をコーティングするか、または培地成分として複合体を含めることによって培養系に添加される。
前記のように、本発明のペプチドのいくつかは、非コーティング表面上での接着および増殖と比較した場合に、増加された細胞の酸素消費によって測定されるように、表面への細胞の接着を高めるため、およびその上での細胞増殖を高めるために有用である。この目的のために、本発明は配列番号1から配列番号11に対応する1個または複数のペプチドを含む細胞培養物質を提供する。
あるいは、基質は、以下のペプチド対(a)配列番号12/配列番号13および(b)配列番号14/配列番号15の1組または複数組を含むペプチド組成物(これらは、先に説明したように、足場依存性細胞の接着および増殖を高める)でコーティングすることができる。
本発明はまた、配列番号16から配列番号70および配列番号5およびそれらの組合せに対応する分泌強化ペプチドから選択されるペプチドを含む細胞培養基質を提供する。
細胞/組織培養基質は、本発明のペプチドを含むことに加えて、さらに以下の、ウシ血清アルブミン、卵白アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、細胞表面受容体認識配列を有するペプチド、免疫グロブリン、多糖または増殖因子の少なくとも1種を含むことができることは、十分に本発明の計画内である。例えば、本発明によるペプチドは、表面上に存在する蛋白質と相乗作用して、足場依存性細胞の接着を強化させることおよび細胞増殖を強化させることを可能にする。細胞培養基質が細胞の単層を含むことができることを、本発明ではさらに企図する。
基質のコーティングに適したペプチドは、とりわけ細胞外マトリックス蛋白質、ウシ血清アルブミン、ポリリジン、免疫グロブリン、多糖、または増殖因子を含めた前記のもののような担体に共有結合させることができる。前述のように、ペプチドは担体に複合体形成させ、次に表面上に複合体をコーティングすることができ、あるいは、適切な反応性官能基がペプチド、単体、および分子リンカー上に存在するという条件付きで、これらが存在するならば、ペプチドは予め表面上にコーティングした担体に複合体形成されるかまたは共有結合させることができる。
本発明は、以下のライブラリ、(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxxおよび(e)kxxxxおよびそれらの並べ換えから選択されるペプチドライブラリを提供する。ここで、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよい。
一実施形態において、本発明のペプチドライブラリには、特定の担体に共有結合したペプチドが含まれる。適切な担体は、前記のものと同様で、ウシ血清アルブミン、卵白アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、細胞表面受容体認識配列を有するペプチド、免疫グロブリン、多糖および増殖因子を含むがこれらに限定されない。
本発明によって提供される方法に関しては、細胞培養系において細胞増殖および/または分泌を高めるように細胞培養系の表面を修飾するための方法を提供し、この方法には、以下の群、(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxおよびそれらの組合せから選択される構造を含むペプチドであって、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよいペプチドをこの表面に添加する段階が含まれる。
表面上での細胞接着および増殖を促進するように表面を修飾する際に使用するのに適した特異的ペプチドには、以下の、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10および配列番号11およびそれらの組合せから選択されたものが含まれる。
さらに、以下の本発明のペプチド組成物、(a)配列番号12/配列番号13および(b)配列番号14/配列番号15の1または複数は、表面上での細胞接着および増殖を促進させるように表面を修飾するのに適している。
他の実施形態では、細胞分泌を高めるように配列番号16から配列番号56および配列番号5に対応するペプチドの1または複数を細胞培養系の基質に添加することができる。
さらに本発明によって、(i)以下の(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxおよびそれらの組合せ(但し、kはリジンを表し、各xは同一であるかまたは異なる疎水性または非荷電極性アミノ酸であってよい)から選択された構造を含むペプチドで少なくとも部分的にコーティングされた表面を提供する段階、および(ii)それらへの細胞接着を可能にするために十分な時間、少なくとも部分的にコーティングされた表面を細胞と接触させる段階を含む細胞増殖を促進するために表面に細胞を接着させる方法を提供する。一実施形態では、疎水性または非荷電極性アミノ酸は、以下の、Phe、Ile、Ala、Val、Pro、Gly、Glnおよびそれらの誘導体から選択される。
足場依存性細胞を表面に接着させて細胞増殖を促進するために使用するのに適した特異的ペプチドには、配列番号1から配列番号11およびそれらの組合せによって表された配列が含まれる。さらに、以下のペプチド対、(配列番号12/配列番号13)および(配列番号14/配列番号15)に対応する本発明の組成物は有用である。このペプチドは、前記の担体のいずれか1つに共有結合させることができる。
細胞増殖を促進するために表面に細胞を接着させる方法の一実施形態において、細胞増殖は、in vitroで、例えば、マイクロタイターウェル、組織培養フラスコ、皿、および瓶(これらに限定されない)を含む、組織培養基質上で起こる。あるいは、細胞増殖は、体内に移植された生物医学装置上でのようにin vivoで起こり得る。
生物医学的移植における本発明のペプチドの使用に関しては、一般的に組織内の周囲の細胞が移植表面に接着し、その上に広がることが望ましい。本発明のペプチドは、宿主内でこのような望ましい移植物の同化を得るための表面修飾手段を提供する。特に、表面処理された生物医学的移植装置は、表面上での細胞接着の量および速度、ならびに増殖、したがってin vivoでの装置の組織同化速度を増大させる。さらに、細胞の接着および増殖が高められると、生物医学装置と生体組織との間に連続した保護層が提供され、細菌およびその他の感染因子が組織内に進入することを防止する。装置の一部として含められる細胞接着促進表面を強化することで、保護細胞で覆うことが感染因子の進入の可能性の機会を減少するので、望ましくない効果が最小限になる。
さらに、本発明のペプチドは、開示した処理表面に長期安定性を与える細胞性プロテアーゼに対する感受性を減少するという望ましい特性を有する。このことによって、本発明のペプチドで表面を修飾する方法は長期間体に備え付ける様々な生物医学的移植物を調製する際の理想的な系となっている。これらには、神経成長ガイドおよび留置カテーテルが含まれるが、これらに限定されない。本発明の系を使用した表面修飾方法はまた、フィブロネクチンおよびコラーゲンのような中間の細胞接着分子をまったく必要とせず細胞接着および細胞増殖の支持を可能にする安定した完全な表面成分をもたらすので、哺乳類細胞バイオリアクタの設計に有用である。さらに、本発明のペプチドでコーティングした基質は、細胞接着分子が少ないか、または欠如した低血清または血清フリーの培地の使用を可能にするというさらなる利点をもたらす。
本発明のペプチドで表面を修飾する方法は、組織培養フラスコおよびペトリ皿(これらに限定されない)を含む、細胞培養基質として使用される研究室のガラス製品およびプラスティック製品の処理に有用でありうる。大規模な組織および細胞培養に関しては、この方法は、マイクロキャリア、マクロキャリア、中空糸および回転用瓶の表面処理に有用でありうる。さらに、この方法は、表面の内皮化を促進するために移植可能な人工血管移植片の内部処理に有用であることができる。さらに、人工血管移植片の外部および末端領域を本発明のペプチドで処理して組織への同化を促進することができる。本発明のペプチドはまた、組織と移植可能な装置との同化が望ましい人工腱、靱帯、骨用ねじおよび板、骨片、関節および皮膚のような他の移植可能なデバイスに有用でありうる。さらに、縫合材を処理して同化する組織との接着を促進することができる。
細胞接着および増殖に影響を与えるペプチド
細胞株
MC3T3−E1は、ネズミ頭蓋冠由来の骨芽細胞のクローン株である(非特許文献10の新生仔マウス頭蓋冠からのクローン骨芽細胞株の樹立)。
細胞維持
MC3T3細胞は、牛胎児血清2%(FCS、不活性化)およびペニシリン/ストレプトマイシン100単位またはμg/mlを補給したαMEM(GIBCOカタログ番号12561)で使用前1カ月間維持した。細胞は通常培養培地20ml当たり約1×10細胞の濃度で接種し、カンテッドネック(canted neck)ポリスチレン組織培養用処理フラスコ(Becton Dickinson)250mlに入れた。各フラスコから約2×10個の細胞が得られるまで細胞を培養し、ペプチドスクリーニング用の150μl当たり約5×10の最終細胞濃度についてFCS2%を含むαMEM 5mlに再懸濁した。
スクリーニング条件
MC3T3細胞に対するライブラリペプチドおよび適切な対照の生物学的効果を決定するために、細胞(5×10/150μl)を以下に説明するように処理した96ウェル酸素センサープレートで増殖させた。
ライブラリペプチド
スクリーニング用ペプチドを、MDL−400ライブラリまたはMDL−100ライブラリのいずれかから得た。リン酸緩衝生理食塩水中1mM保存濃度で50マイクロリットルのペプチドを96ウェル酸素センサープレートのウェルに入れ、逆流エアーフード中で30時間の間一晩乾燥させた。
対照
Vitrogen−コラーゲン−Iは、Cohesion(Palo Alto、CA、カタログ番号FXP−019)から入手し、フィブロネクチンはSigma(カタログ番号F−0895)から入手した。その他の細胞外マトリックス(ECM)化合物はすべて、Becton Dickinson Labware(Bedford、MA)から入手した。ポリリジンは、Becton Dickinson Labwareから入手し、RGDSP−ローダミンは、AnaSpec Inc.(San Jose、CA)から入手した。細胞外マトリックス成分(ECM)または公知のペプチドは、以下の保存濃度で使用した。
Vitrogen−コラーゲン−I 3.2mg/ml
フィブロネクチン 0.1%
コラーゲン−V 1mg/ml
ラミニン 2mg/ml
h−コラーゲン−I 1mg/ml
コラーゲン−IV 0.5mg/ml
コラーゲン−III 1mg/ml
ポリリジン 5mg/ml
RGDSP−ローダミン 1mg/ml
対照の保存濃縮物25マイクロリットルおよびリン酸緩衝生理食塩水25μlを96ウェル酸素センサープレートのウェルに入れ、前記のように一晩乾燥させた。
細胞増殖のモニター
前記のように処理した96ウェル酸素センサープレートで増殖した細胞は、Becton Dickinson酸素バイオセンサーを使用して増殖をモニターした。増殖は以下の時点、1時間、24時間、32時間、48時間および86時間でモニターした。培地は3日毎に交換した。培地には、培養中追加のペプチドを補給しなかった。
蛍光酸素バイオセンサーアッセイによって、細胞増殖のリアルタイムの非侵襲的モニターが可能であった。このアッセイは、アッセイ培地に溶解した酸素を測定することに基づいている。Becton Dickinsonバイオセンサーは、酸素が存在すると消光されるローダミン色素の蛍光に基づいている。この色素は、不活性であるが、酸素透過性の高いシリコーンマトリックス内に固定される。今までのデータによって、細胞数の増加は酸素消費の増加と良好に相関することが示唆された。
データはすべて、polarstar蛍光計(BMG Lab Technologies、Durham、NC)により、37℃で底プレート読み取り配置を使用して得られた。バンドパスフィルタは、励起に対して465nmで、放出に対して590nmであった。蛍光プレート上の読み取りの強度は、任意の単位であるので、値は選択した時点でのウェルの値を細胞添加前の同ウェルの最初の読み取りで除することによって正規化した(非特許文献11参照)。
酸素バイオセンサーアッセイの結果
この実施例で示したデータは、本発明のペプチドは効果的に足場依存性MC3T3細胞の組織培養表面上での接着および増殖を促進し、これらの効果は公知のECM成分から得られたものと同様であることを示す。前述のように、ライブラリペプチドおよび対照は、細胞を添加する前に酸素バイオセンサーマルチウェルプレートのウェルの底に吸着させる。増殖は、酸素バイオセンサーアッセイで前記のようにモニターする。590nmでの吸光度の読み取りは、細胞増殖に相関する細胞の相対酸素消費の尺度を表す。細胞の増殖は、ペプチドライブラリ(MDL−400およびMDL−100)からのペプチドの有無で比較した。以下にさらに詳細に説明するように増殖はさらにECM対照および公知のペプチド対照と比較した。
本発明のペプチドの選択のための基準は、86時間の時点で相対酸素消費(590nmでの吸光度)が2.0以上であることとした。以下の表1および2に示したように、本発明のペプチド11個のすべては、2.0以上の吸高度を有するものとしてMDL−400ライブラリで同定された。表2を参照にすると、これらのペプチドは配列番号1〜配列番号11に対応する。
さらに表1および2を参照にして、本発明のペプチド組成物2種は、2.0以上の吸高度を有するものとしてMDL−100ライブラリで同定されてた。この組成物は、表2に示したように、以下のペプチド対、(配列番号12/配列番号13)および(配列番号14/配列番号15)に対応する。
表1に示した対照およびペプチドの結果は、86時間の時点での同じ96ウェル酸素センサープレートから得られたことに留意されたい。さらに、より早い時点で同様の吸光度パターンが得られるが、本発明のペプチドおよびペプチド組成物は、同じアッセイプレート上の他のライブラリペプチドに対してより高い吸光度の読みを与えることに留意されたい。しかし、全体的な吸光度の値は、予測通り86時間で得られたものよりも低かった。
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酸素バイオセンサーアッセイから86時間の時点で得られた表1の結果のグラフを図1に示し、本発明のペプチドをECMまたは公知のペプチド対照と比較する。示したように、本発明のペプチドはMC3T3細胞の増殖を促進したが、ペプチド対照、ポリリジンおよびRGDSPは促進しない。これらのペプチド対照は、in vitroにおける足場依存性細胞の増殖に欠くことのできない組織培養基質への細胞接着を促進することが知られている(非特許文献12および非特許文献13)。
さらに、図1のグラフは、本発明のペプチドはVitrogen−コラーゲン−I、コラーゲン−III、コラーゲン−V、h−コラーゲン−I、HECMおよび血清を含むECM対照のいくつかよりもMC3T3細胞の接着および増殖を促進することを示す。
さらに、本発明のペプチドそれぞれは、細胞の接着および増殖の促進についてフィブロネクチンと同等かまたは優れている。最後に、2種類の本発明のペプチド、配列番号1および配列番号9の性能は、相対的酸素消費がそれぞれ2.53および2.78を示し、吸光度3.14および2.65をそれぞれ有するコラーゲン−IVおよびラミニン対照に匹敵した。
PDGFの分泌に影響を及ぼすペプチド
細胞株
PDGFの遺伝子を有するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、分泌スクリーニング用に選択した。CHO細胞は、治療上重要な薬剤を産生するためにバイオテクノロジーの分野で最も広く使用される動物細胞である(非特許文献14)。rPDGFを産生するチャイニーズハムスター卵巣細胞株(CRL9359/CRL9360)は、米国菌培養収集所(American Type Culture Collection)、12301 Parklawn Drive、Rockville、Md.20852から入手した。寄託者はAmegen Inc.of Thousand Oaks、カリフォルニアであった。この細胞株および発現された生成物についてのさらなる詳細は、特許に見いだすことができる(例えば、特許文献1)。
細胞維持
細胞は、5%血清を有するDMEM/FI2培地で、37℃で5〜7%COで増殖させた。継代は接種前5回に限定し、PDGF発現はウェスタンブロットおよびELISAによってモニターした。細胞は、培養培地20ml当たり約1×10細胞の密度で、ごく普通に接種し、250mlのカンテッドネック(canted neck)ポリスチレン組織培養用処理フラスコ(Becton Dickinson)に入れた。細胞は集密的に培養させ、トリプシン処理して接種用の細胞を得た。
補充に富む1A培地の調製および対照
1A培地は、PDGF標準物(培養前)40ngを水和するため、試験ペプチド(培養前)を水和するため、他の全ての試験および対照PDGFの結果(培養後)を正規化するためにPDGF陰性対照(培養前)として使用した。1A培地は、DMEM/FI2(GIBCOカタログ番号11330−032)の500ml瓶に以下の成分:10mM NEAA保存液2.5ml(GIBCOカタログ番号11140−050)、200mM L−グルタミン保存液10ml(GIBCOカタログ番号25030−08)、50mg/ml ゲンタマイシンスルフェート保存液1ml(GIBCOカタログ番号15750−0601)、100μM メソトレキセート保存液150μl(Sigmaカタログ番号M8407)、7.5mg/ml インシュリン保存液0.5ml(Sigma I−6634)、1mg/ml インシュリン様成長因子保存液50μl(Long R3因子、Sigmaカタログ番号I−1271)、ウシ血清アルブミン2.5mg(Sigmaカタログ番号A−7906)、および7.5mg/ml ホロトランスフェリン保存液0.5ml(Sigma T−1283)を添加することによって調製した。
培養プレート設定およびサンプリング
CHOモデル細胞株は、血清を含まない環境には適合しない接着培養物である。したがって、血清を含有する培地をウェルに接種するために使用した。2種類の様式、上層(O)および洗浄(W)を使用して試験ペプチドを含有する培地を接着細胞に導入した。
O様式では、2日目に成分を接種培地の上部にゆっくり添加した。O様式では、9360個の細胞を96ウェル当たり1000個で血清1.5%を含む1A培地125μlに入れて接種した。試験ペプチド12mMを含有する1A培地(−血清)を2日後上層し、最終ペプチド濃度を6mMにし、血清0.75%にした。後のPDGFアッセイ用に細胞培養上清を10日目に各試験環境から収集した。
W様式では、接種培地を除去して2または3日後に成分を添加した。W様式では、9359個および9360個の細胞を96ウェル当たり6000細胞で、5%血清を含むDMEM/FI2の250μlに入れて接種した。3日後、接種培地を除去して、試験ペプチド6mMを含有する1A培地(−血清)250μlと置換した。後のPDGFアッセイのために細胞培養上清を5日目および12日目に収集した。
組織培養上清におけるPDGFのモニター
試験化合物を含有する培地で増殖させたCRL9359/9360の各培養物から上清を収集した。rPDGFレベルは、ここで説明されるELISAによって測定した。
プレートをPharMingen(カタログ番号15−681A)から得られたマウス抗ヒトPDGFAB/BBサブユニット(IgG1)で37℃で1時間コーティングし、次に抗体溶液を傾瀉した。次に、ブロッキング剤を添加し、37℃で1時間インキュベートして、非特異的結合を排除した。ブロッキング剤を傾瀉して、プレートを3回洗浄した。次に、陽性および陰性対照(陽性対照=SigmaヒトrPDGFカタログ番号P3201およびP4306またはP3201単独のプール)と共に試験上清を添加して、37℃で1時間インキュベートした。次に、溶液を傾瀉して、プレートを3回洗浄した。IgG2aアイソタイプのPDGFに特異的な抗体を次に添加して(ATCCから得られたAmgen MAB133)、37℃で1時間インキュベートした。抗体溶液を傾瀉した後、プレートを洗浄した。次に、HRP複合抗マウス二次抗体(IgG2a特異的)を添加して、37℃で1時間インキュベートした。二次抗体溶液を傾瀉した後、プレートを再度洗浄した。次に、ペルオキシダーゼの基質を添加して、色を発色させた。次に、反応を停止して、プレートを492nmで読み取った。
本発明のペプチドからのシグナルは(従来の補給物に富んだ)1A基本培地よりもODが少なくとも0.2高かった。基本培地(培養前)のODが0.2未満(生の値)で、1A基本培地(培養後)とPDGF標準物40ngとの間の間隔が0.5ODである場合のみデータを許容した。
PDGFアッセイの結果
この実施例で提示するデータによって、本発明のペプチドは効果的に組織培養表面上の足場依存性CHO細胞においてPDGFの発現および分泌を促進すること、およびこれらの効果が血清および/または通常の血清補給物のプールを含有する培地で実現される結果を上回ることが示される。前記のように、細胞が接着した後、ライブラリペプチドおよび対照を96ウェルプレートに添加する。上清におけるPDGFの蓄積は、サンドイッチELISAによってモニターした。492nmでの吸光度の読み取りは、各試験ペプチドによって刺激された相対PDGFレベルの測定値である。上清PDGFレベルをいくつかのペプチドライブラリから得られたペプチドの存在下および非存在下で比較した。さらに、PDGFレベルを培地、培養前、培養後および公知の濃度のPDGFでスパイクした培養前と比較した。
本発明のペプチドの選択基準は、相対ELISA PDGF値(492nmでの吸光度)が12日目以前で1A基本培地よりも最低限0.2上回ることである。以下の表3に示したように、56個の本発明のペプチドすべてが、組み合わせたMDL−100/400およびフォローアップライブラリで同定された。これらのペプチドは、MC3T3増殖にまた陽性である配列番号16〜配列番号70および配列番号5に対応した。
以下の表3は、血小板由来成長因子の一般的な酵素結合免疫吸収アッセイの対照から得られた結果を含む。生データおよび正規化したデータは、アッセイ対照、1A培地培養前、1A培地培養後およびPDGFで40ng/mlにスパイクした1A培地培養前について示した。
表3は、血小板由来成長因子の複数の酵素結合免疫吸収アッセイから得られた結果を含む。本発明の5量体は、最初の最大多様性ライブラリ(MDL−100)、プロパティスペースを充填した化合物からなるフォローアップライブラリ(MDL−400)および初期リードの周りのフォローアップライブラリで同定された。本発明の値が1A培地に対して正規化した(培養後の1A培地の値を差し引いた)ので、細胞に対する生物学的影響は基礎培地(1A)を上回ることが示された。492nmでの吸光度は、本発明の5量体の細胞培養上清における相対PDGFレベルの尺度である。5量体51個のうち42個は基本的アミノ酸、リジンを含有することに留意されたい。MDL−100、MDL−400およびフォローアップスクリーニングで見いだされた陰性ペプチドの3例を表3に示す。
表3フォローアップライブラリには、リジンを含有する市販の2量体、3量体および4量体、配列番号68、配列番号67および配列番号66それぞれから得られた結果が含まれる。アルギニンおよびアルギニン前駆体、オルニチンの3量体の値、配列番号70および配列番号69はまた、フォローアップライブラリの欄に示す。これらの結果は、リジンまたはアルギニンまたはアルギニン前駆体オルニチンを完全に含むペプチドは、培地中におけるPDGFの蓄積に陽性の効果を有することを示す。
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【配列表】
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Claims (52)

  1. 細胞培養系において細胞増殖および/または分泌を高めるペプチドであり、前記ペプチドが(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxxおよび(e)kxxxxの少なくとも1種の構造を含み、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよいことを特徴とするペプチド。
  2. 前記ペプチドは足場依存性細胞の表面上での接着を促進することを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  3. 前記ペプチドは細胞増殖を高め、IFFKG(配列番号1)、FIKFG(配列番号2)、FIFAK(配列番号3)、QVVAK(配列番号4)、FKFIG(配列番号5)、AFFKI(配列番号6)、VFPFK(配列番号7)、AKIFF(配列番号8)、AFKIF(配列番号9)、KFAFI(配列番号10)およびFAKFI(配列番号11)、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  4. 前記ペプチドは細胞分泌を高め、FKLVY(配列番号16)、KKKKK(配列番号17)、KKKKL(配列番号18)、FKKKQ(配列番号19)、FKFIG(配列番号5)、KKKSK(配列番号20)、KKKLK(配列番号21)、FKKKK(配列番号22)、LKKKK(配列番号23)、KKLKK(配列番号24)、KKKKT(配列番号25)、KKPKK(配列番号26)、KKPQY(配列番号27)、SKKKK(配列番号28)、KVKKK(配列番号29)、KNQTY(配列番号30)、FKKKV(配列番号31)、KPKKK(配列番号32)、FFKKK(配列番号33)、HKNQT(配列番号34)、FKLVG(配列番号35)、KKQPK(配列番号36)、EKKQT(配列番号37)、EKKKK(配列番号38)、KKIKQ(配列番号39)、KKKKS(配列番号40)、KKQKK(配列番号41)、KKLNY(配列番号42)、DGKKT(配列番号43)、KKPTT(配列番号44)、KFIFG(配列番号45)、FKKMY(配列番号46)、FFFKK(配列番号47)、KQKKI(配列番号48)、HIKKK(配列番号49)、DFFHK(配列番号50)、AKKKK(配列番号51)、AHIKK(配列番号52)、AHKKK(配列番号53)、LKLVY(配列番号54)、PKQKK(配列番号55)、AKKKT(配列番号56)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  5. 前記ペプチドは約500μMから約6mMの濃度で細胞培養系に導入されることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  6. 前記ペプチドは約250μMから約24mMの濃度で細胞培養系に導入されることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  7. 前記ペプチドは約3mMから約12mMの濃度範囲で細胞培養系に導入されることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  8. 前記ペプチドは乾燥フィルム形態で表面上に存在することを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  9. 前記表面は2次元または3次元であることを特徴とする請求項8に記載のペプチド。
  10. 前記細胞培養系は上皮、内皮、皮膚、神経、腫瘍、リンパ球、幹細胞およびそれらの組合せからなる群から選択される細胞を含むことを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  11. 前記ペプチドは前記細胞の酸素消費を増加させることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  12. 前記ペプチドはin vitroまたはin vivoにおける前記細胞の増殖を高めることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  13. 表面に接着されるか、または非特異的に吸着されることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  14. 前記表面はウシ血清アルブミン、卵白アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ポリリジン、細胞表面受容体認識配列を有するペプチド、免疫グロブリン、多糖、または増殖因子の少なくとも1種でコーティングされたことを特徴とする請求項13に記載のペプチド。
  15. 前記表面はプラスティック皿、プラスティックフラスコ、プラスティックマイクロタイタープレート、プラスティック管、縫合糸、膜、フィルム、バイオリアクタ、中空糸、袋および微粒子からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載のペプチド。
  16. 細胞外マトリックス蛋白質、ウシ血清アルブミン、卵白アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、免疫グロブリン、多糖、増殖因子およびそれらの組合せからなる群の構成要素に共有結合されたことを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  17. 前記構成要素は表面に吸着されたことを特徴とする請求項16に記載の共有結合ペプチド。
  18. 前記増殖因子がbFGF、GCSF、ILGF−1またはVEGFの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項16に記載の共有結合ペプチド。
  19. 前記ペプチドが培地成分であることを特徴とする請求項1に記載のペプチド。
  20. 細胞増殖および/または分泌を高めるペプチドであり、該ペプチドが(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxxおよび(e)kxxxxの少なくとも1種の構造を含み、それぞれのxは同一であるかまたは異なる疎水性または非荷電極性アミノ酸残基であってよく、kはリジンを表すことを特徴とするペプチド。
  21. 前記疎水性または非荷電極性残基は、Phe、Ile、Ala、Val、Pro、Gly、Gln、Tyr、Thr Leuおよびそれらの誘導体からなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載のペプチド。
  22. 前記ペプチドは、接着型細胞の細胞接着および増殖を高め、IFFKG(配列番号1)、FIKFG(配列番号2)、FIFAK(配列番号3)、QVVAK(配列番号4)、FKFIG(配列番号5)、AFFKI(配列番号6)、VFPFK(配列番号7)、AKIFF(配列番号8)、AFKIF(配列番号9)、KFAFI(配列番号10)、FAKFI(配列番号11)、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載のペプチド。
  23. 前記ペプチドは細胞分泌を高め、FKFIG(配列番号5)、FKLVY(配列番号16)、KNQTY(配列番号30)、FKLVG(配列番号35)、KFIFG(配列番号45)、LKLVY(配列番号54)およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載のペプチド。
  24. 細胞接着および/または増殖を促進するペプチドであり、前記ペプチドは、IFFKG(配列番号1)、FIKFG(配列番号2)、FIFAK(配列番号3)、QVVAK(配列番号4)、FKFIG(配列番号5)、AFFKI(配列番号6)、VFPFK(配列番号7)、AKIFF(配列番号8)、AFKIF(配列番号9)、KFAFI(配列番号10)、FAKFI(配列番号11)、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とするペプチド。
  25. 表面に接着されるか、または非特異的に吸着されることを特徴とする請求項24に記載のペプチド。
  26. 前記ペプチドが培地成分であることを特徴とする請求項24に記載のペプチド。
  27. 細胞の細胞接着および/または増殖を促進するペプチド組成物であって、(a)AFFFQ(配列番号12)/EEEMY(配列番号13)および(b)FIKLM(配列番号14)/FFIPY(配列番号15)からなる群から選択される1対または複数対のペプチド対を含むことを特徴とするペプチド組成物。
  28. 表面に接着されるか、または非特異的に吸着されることを特徴とする請求項27に記載のペプチド組成物。
  29. 前記組成物が培地成分であることを特徴とする請求項27に記載のペプチド組成物。
  30. 細胞分泌を高めるペプチドであり、FKLVY(配列番号16)、KKKKK(配列番号17)、KKKKL(配列番号18)、FKKKQ(配列番号19)、FKFIG(配列番号5)、KKKSK(配列番号20)、KKKLK(配列番号21)、FKKKK(配列番号22)、LKKKK(配列番号23)、KKLKK(配列番号24)、KKKKT(配列番号25)、KKPKK(配列番号26)、KKPQY(配列番号27)、SKKKK(配列番号28)、KVKKK(配列番号29)、KNQTY(配列番号30)、FKKKV(配列番号31)、KPKKK(配列番号32)、FFKKK(配列番号33)、HKNQT(配列番号34)、FKLVG(配列番号35)、KKQPK(配列番号36)、EKKQT(配列番号37)、EKKKK(配列番号38)、KKIKQ(配列番号39)、KKKKS(配列番号40)、KKQKK(配列番号41)、KKLNY(配列番号42)、DGKKT(配列番号43)、KKPTT(配列番号44)、KFIFG(配列番号45)、FKKMY(配列番号46)、FFFKK(配列番号47)、KQKKI(配列番号48)、HIKKK(配列番号49)、DFFHK(配列番号50)、AKKKK(配列番号51)、AHIKK(配列番号52)、AHKKK(配列番号53)、LKLVY(配列番号54)、PKQKK(配列番号55)、AKKKT(配列番号56)、DEETY(配列番号57)、HNPPY(配列番号58)、GGHMS(配列番号59)、AADEG(配列番号60)、GGGGS(配列番号61)、EEGLS(配列番号62)、HHPST(配列番号63)、FHHNT(配列番号64)、ADELN(配列番号65)、KKKK(配列番号66)、KKK(配列番号67)、KK(配列番号68)、OrnOrnOrn(配列番号69)、RRR(配列番号70)、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とするペプチド。
  31. 表面に接着されるか、または非特異的に吸着されることを特徴とする請求項30に記載のペプチド。
  32. 前記ペプチドが培地成分であることを特徴とする請求項30に記載のペプチド。
  33. 細胞培養系において細胞増殖および/または分泌を高めるように、前記細胞培養系の表面を修飾する方法であって、(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxおよびそれらの組合せ(但し、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよい。)からなる群から選択される構造を含むペプチドを前記表面に添加する段階を含むことを特徴とする方法。
  34. 前記ペプチドは細胞増殖を高め、IFFKG(配列番号1)、FIKFG(配列番号2)、FIFAK(配列番号3)、QVVAK(配列番号4)、FKFIG(配列番号5)、AFFKI(配列番号6)、VFPFK(配列番号7)、AKIFF(配列番号8)、AFKIF(配列番号9)、KFAFI(配列番号10)、FAKFI(配列番号11)、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
  35. 前記ペプチドは細胞分泌を高め、FKLVY(配列番号16)、KKKKK(配列番号17)、KKKKL(配列番号18)、FKKKQ(配列番号19)、FKFIG(配列番号5)、KKKSK(配列番号20)、KKKLK(配列番号21)、FKKKK(配列番号22)、LKKKK(配列番号23)、KKLKK(配列番号24)、KKKKT(配列番号25)、KKPKK(配列番号26)、KKPQY(配列番号27)、SKKKK(配列番号28)、KVKKK(配列番号29)、KNQTY(配列番号30)、FKKKV(配列番号31)、KPKKK(配列番号32)、FFKKK(配列番号33)、HKNQT(配列番号34)、FKLVG(配列番号35)、KKQPK(配列番号36)、EKKQT(配列番号37)、EKKKK(配列番号38)、KKIKQ(配列番号39)、KKKKS(配列番号40)、KKQKK(配列番号41)、KKLNY(配列番号42)、DGKKT(配列番号43)、KKPTT(配列番号44)、KFIFG(配列番号45)、FKKMY(配列番号46)、FFFKK(配列番号47)、KQKKI(配列番号48)、HIKKK(配列番号49)、DFFHK(配列番号50)、AKKKK(配列番号51)、AHIKK(配列番号52)、AHKKK(配列番号53)、LKLVY(配列番号54)、PKQKK(配列番号55)、AKKKT(配列番号56)、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
  36. 細胞を表面に接着して細胞増殖を促進する方法であって、
    (i)(a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxおよびそれらの組合せ(但し、各xは同一であるかまたは異なる疎水性または非荷電極性アミノ酸残基であってよく、kはリジンを表す。)からなる群から選択される構造を含むペプチドで少なくとも部分的にコーティングされた表面を提供する段階、および
    (ii)前記少なくとも部分的にコーティングされた表面を、それに対する細胞接着を可能にするのに十分な時間前記細胞と接触させる段階を含むことを特徴とする方法。
  37. 前記疎水性または非荷電極性残基はPhe、Ile、Ala、Val、Pro、Gly、Glnおよびそれらの誘導体からなる群から選択されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
  38. 前記ペプチドはIFFKG(配列番号1)、FIKFG(配列番号2)、FIFAK(配列番号3)、QVVAK(配列番号4)、FKFIG(配列番号5)、AFFKI(配列番号6)、VFPFK(配列番号7)、AKIFF(配列番号8)、AFKIF(配列番号9)、KFAFI(配列番号10)、FAKFI(配列番号11)およびそれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  39. IFFKG(配列番号1)、FIKFG(配列番号2)、FIFAK(配列番号3)、QVVAK(配列番号4)、FKFIG(配列番号5)、AFFKI(配列番号6)、VFPFK(配列番号7)、AKIFF(配列番号8)、AFKIF(配列番号9)、KFAFI(配列番号10)、FAKFI(配列番号11)、およびそれらの組合せからなる群から選択されるペプチドを含むことを特徴とする細胞培養基質。
  40. (a)AFFFQ(配列番号12)/EEEMY(配列番号13)および(b)FIKLM(配列番号14)/FFIPY(配列番号15)からなる群から選択される1対または複数対のペプチドを含むペプチド組成物を含むことを特徴とする細胞培養基質。
  41. FKLVY(配列番号16)、KKKKK(配列番号17)、KKKKL(配列番号18)、FKKKQ(配列番号19)、FKFIG(配列番号5)、KKKSK(配列番号20)、KKKLK(配列番号21)、FKKKK(配列番号22)、LKKKK(配列番号23)、KKLKK(配列番号24)、KKKKT(配列番号25)、KKPKK(配列番号26)、KKPQY(配列番号27)、SKKKK(配列番号28)、KVKKK(配列番号29)、KNQTY(配列番号30)、FKKKV(配列番号31)、KPKKK(配列番号32)、FFKKK(配列番号33)、HKNQT(配列番号34)、FKLVG(配列番号35)、KKQPK(配列番号36)、EKKQT(配列番号37)、EKKKK(配列番号38)、KKIKQ(配列番号39)、KKKKS(配列番号40)、KKQKK(配列番号41)、KKLNY(配列番号42)、DGKKT(配列番号43)、KKPTT(配列番号44)、KFIFG(配列番号45)、FKKMY(配列番号46)、FFFKK(配列番号47)、KQKKI(配列番号48)、HIKKK(配列番号49)、DFFHK(配列番号50)、AKKKK(配列番号51)、AHIKK(配列番号52)、AHKKK(配列番号53)、LKLVY(配列番号54)、PKQKK(配列番号55)、AKKKT(配列番号56)、DEETY(配列番号57)、HNPPY(配列番号58)、GGHMS(配列番号59)、AADEG(配列番号60)、GGGGS(配列番号61)、EEGLS(配列番号62)、HHPST(配列番号63)、FHHNT(配列番号64)、ADELN(配列番号65)、KKKK(配列番号66)、KKK(配列番号67)、KK(配列番号68)、OrnOrnOrn(配列番号69)、RRR(配列番号70)、およびそれらの組合せからなる群から選択されるペプチドを含むことを特徴とする細胞培養基質。
  42. (a)xxxkx、(b)xxkxx、(c)xxxxk、(d)xkxxx、(e)kxxxxおよびそれらの並べ換えからなるライブラリ群から選択されるペプチドライブラリであって、kはリジンを表し、各xはリジン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジンおよびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される同一または異なるアミノ酸であってよいことを特徴とするペプチドライブラリ。
  43. 前記ライブラリは、ウシ血清アルブミン、卵白アルブミン、スカシ貝ヘモシアニン、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、免疫グロブリン、多糖、増殖因子およびそれらの組合せからなる群の構成要素に共有結合されたペプチドを含むことを特徴とする請求項42に記載のペプチドライブラリ。
  44. 請求項1のペプチドを含むことを特徴とする細胞または組織培養培地。
  45. 請求項24のペプチドを含むことを特徴とする細胞または組織培養培地。
  46. 請求項27のペプチド組成物を含むことを特徴とする細胞または組織培養培地。
  47. 請求項30のペプチドを含むことを特徴とする細胞または組織培養培地。
  48. 請求項1のペプチドの存在下で細胞または組織を培養する段階を含むことを特徴とする細胞増殖および/または分泌を高める方法。
  49. 細胞培養系で細胞分泌を高めるペプチドであって、前記ペプチドのアミノ酸すべてが正に荷電した側鎖を有することを特徴とするペプチド。
  50. アミノ酸2個から約20個の範囲であることを特徴とする請求項49に記載のペプチド。
  51. 前記ペプチドは約250μMから約24mMの濃度範囲で前記系において細胞分泌を高めることを特徴とする請求項49に記載のペプチド。
  52. 前記ペプチドは培地構成物であることを特徴とする請求項49に記載のペプチド。
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