JP2006500414A - 第一級アルコールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
第二級アルコール、第三級アルコール、ケトン、またはその混合物から選択された化合物と、一酸化炭素および水素を、(i)VIII族金属源と、(ii)一般式(I)R1−R2M1−R−M2R3R4(式中、M1およびM2は独立にP、As、またはSbであり、R1およびR2は一緒になって2個の遊離価がM1に結合する二価の置換または非置換の環状基を表し、R3およびR4は独立に置換または非置換のヒドロカルビル基を表し、または一緒になって2個の遊離価がM2に結合する二価または置換の環状基を表し、Rは二価の脂肪族架橋基を表す)を有する二座配位子と、(iii)pKaが3以下である酸(酸はVIII族金属よりも化学量論的に過剰である)とをベースとする触媒の存在下で反応させることを含む、第二級アルコールおよび/または第三級アルコールおよび/またはケトンから第一級アルコールを製造する方法。
Description
本発明は第一級アルコールの製造方法に関する。詳細には、本発明は第二級アルコールおよび/または第三級アルコールおよび/またはケトンから第一級アルコールを製造する方法に関する。
C10〜C18範囲のものなどの高分子の第一級アルコールは、広範囲の製品と用途に適している良く知られた有用な化合物である。例えば、それらは硫酸化および/またはエトキシ化によって有用な界面活性剤に変換することができ、洗濯用洗剤や他の家庭用洗浄製品に使用することができる。
第一級アルコールの製造方法は当技術分野に良く知られている。残念ながら第一級アルコールをパラフィンの酸化から直接製造することは商業的に実現不可能である。これは、パラフィンの酸化が主として第二級アルコール、第三級アルコールまたはケトン、あるいはそれらの混合物を生成し、第一級アルコールを高収率で生成しないからである。したがって、パラフィンは比較的安価な原料であるにもかかわらず、第一級アルコールを製造する他の方法が必要である。
良く知られた商業的に用いられる第一級アルコールの製造方法のひとつは、均一なヒドロホルミル化触媒を用いるオレフィンのヒドロホルミル化である。それらの方法を用いて高い選択性と収率で第一級アルコールが製造できる。それらの方法では、出発材料としてオレフィン原料を使用する必要がある。オレフィンはエチレンのオリゴマー化を含む様々な方法で製造することができる。
国際公開第95/05354号は、VIII族金属カチオン、すなわちカチオン性パラジウム、および二座配位子、すなわちジホスフィンを含む触媒系の存在下で、一酸化炭素および水素との反応によるエチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化について述べている。実施例において、いくつかの二座ジホスフィンが使用されている。
しかし、現在知られている第一級アルコールの製造方法には、パラフィンの熱分解から製造される高価な原材料、特にエチレンによって制約を受けるという欠点がある。さらに、現在の方法はいくつかの工程およびいくつかの触媒を必要とする。ヒドロホルミル化による第一級アルコールの製造を考えると、第一にパラフィンの熱分解によるエチレンの調製が必要である。その後、例えばオリゴマー化触媒の存在下でエチレンのオリゴマー化によってオレフィン原料を調製する必要があり、最終的に、オレフィンはさらに他の別の工程において、ヒドロホルミル化触媒の存在下でヒドロホルミル化によってアルコールに変換される。
コスト低減の観点から、比較的安価な原材料、例えばパラフィンの酸化から誘導される第二級アルコールまたは第三級アルコール、およびケトンを使用することのできる方法を開発することが明らかに望まれている。また、第一級アルコールを現在知られている方法よりも少ない工程数で製造する方法を提供することも望ましいことであろう。
ここで、驚くべきことに、第二級アルコール、第一級アルコールまたはケトン、あるいはこれらの1種または複数の混合物と、一酸化炭素および水素を、過剰の酸および二座配位子を有するVIII族金属触媒の存在下で反応させることによって、第一級アルコール製造の「単一釜(single pot)」方法が達成されることが見出された。
また、本発明の方法は、第一級アルコールに加えて、オレフィンを同時にまたは別途に調製することが可能な利点を有する。より高級のオレフィンは、掘削泥水用途ならびに他の様々な用途において有用である。
本発明のさらに他の利点は、直鎖第一級アルコールに向けて高い選択性があることで、これは分岐第一級アルコールよりも生分解性があることが知られており、したがって、洗濯洗剤の用途に使用される表面活性剤として特に有用な中間体である。
本発明の一態様によれば、第二級もしくは第三級アルコールまたはケトンから第一級アルコールを製造する方法であって、第二級アルコール、第三級アルコールまたはケトン、またはその混合物と、一酸化炭素および水素を、
(i)VIII族金属源と、
(ii)一般式(I):
R1R2M1−R−M2R3R4(I)
(式中、M1およびM2は独立にP、As、またはSbであり、R1およびR2は一緒になって2個の遊離価がM1に結合する二価の置換または非置換の脂環式基を表し、R3およびR4は独立に置換または非置換のヒドロカルビル基を表し、あるいは一緒になって2個の遊離価がM2に結合する二価の置換または非置換の脂環式基を表し、Rは二価の有機架橋基を表す)を有する二座配位子と、
(iii)pKaが3以下の酸(酸はVIII族金属に対して化学量論的に過剰である)とをベースとする触媒の存在下で反応させることを含む方法が提供される。
(i)VIII族金属源と、
(ii)一般式(I):
R1R2M1−R−M2R3R4(I)
(式中、M1およびM2は独立にP、As、またはSbであり、R1およびR2は一緒になって2個の遊離価がM1に結合する二価の置換または非置換の脂環式基を表し、R3およびR4は独立に置換または非置換のヒドロカルビル基を表し、あるいは一緒になって2個の遊離価がM2に結合する二価の置換または非置換の脂環式基を表し、Rは二価の有機架橋基を表す)を有する二座配位子と、
(iii)pKaが3以下の酸(酸はVIII族金属に対して化学量論的に過剰である)とをベースとする触媒の存在下で反応させることを含む方法が提供される。
本発明の方法は、VIII族金属に対して化学量論的に過剰な酸の存在下で行われる。適切な酸は、18℃の水性溶液中で測定したpKaが3以下のものである。pKaが3以下である任意の酸がここで使用するのに適している。好ましい酸はpKaが2.5以下であり、2以下が好ましい。
本明細書で使用される用語pKaは、平衡定数Kaの負の対数、すなわちpKa=−logKaであり、式中、部分的に溶液に解離する任意の酸HAについて、平衡式HA=HA++A−は平衡定数Kaで定義される。
適切な酸の例には、リン酸、硫酸、スルホン酸、ホスホン酸、フッ化ホスホン酸などのハロゲン化ホスホン酸、カルボン酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン化カルボン酸、芳香族カルボン酸、およびその混合物が含まれる。
スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、tert−ブタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸は特に好ましい。
本発明の方法に使用する特に好ましい酸はメタンスルホン酸とリン酸の混合物である。
本発明の方法は、VIII族金属および上の式(I)の二座配位子をベースとする触媒の存在下で行われる。
本明細書において、VIII族金属は金属ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金として定義される。これらの中で、パラジウムおよび白金が好ましく、特にパラジウムが好ましい。
適切な金属源の例は、パラジウムまたは白金と硝酸、硫酸、またはスルホン酸との塩、白金またはパラジウムと炭素数が最大12のカルボン酸との塩、パラジウムまたは白金の、例えば、一酸化炭素またはアセチルアセトナートとの錯体などの白金またはパラジウム化合物、またはイオン交換樹脂または炭素などの固体材料と結合したパラジウムまたは白金である。パラジウム(II)アセタートおよび白金(II)アセチルアセトナートは好ましい金属源の例である。
上の式(I)の二座配位子において、M1およびM2は同じであることが好ましく、それらは両方ともリン原子を表すことがさらに好ましく、この場合配位子はビスホスフィンである。
一般式(I)において、Rは二価の有機架橋基を表し、架橋の中に、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは2〜6個、さらに好ましくは2〜4個、特に好ましくは2〜3個の原子を含む。好ましい実施形態は架橋中に2個の原子を有する。
「架橋中の」は原子M1とM2の間の最短結合であると理解される。架橋は置換することができる。ある実施形態では、架橋は少なくとも2個の置換基で置換される。架橋は架橋の任意の部分上で置換することができるが、M1およびM2に結合している架橋基の炭素原子上であることが好ましい。
適切な架橋基は置換または非置換のアルキレン基を含む。アルキレン基は場合によって、N、S、Si、またはOなどの1個または複数のヘテロ原子を含むことができる。しかし、アルキレン基は架橋中に炭素原子だけを含むことが好ましく、2個または3個の炭素原子が好ましく、2個の炭素原子が最も好ましい。
アルキレン基は1個または複数の置換基で置換することができ、少なくとも2個の置換基が好ましい。置換基は結合の任意の部分に付着することができる。好ましい実施形態において、M1およびM2原子に結合している結合の炭素原子が置換される。この場合、二座配位子は2個のキラルC−原子を有し、RR、SS、またはR、S−メソ形態を有することができる。R、S−メソ形態が好ましい。
アルキレン架橋基上の置換基は炭素原子および/またはヘテロ原子を含むことができる。適切な置換基は、場合によってSi、S、N、またはOなどのヘテロ原子、塩化物、臭素化物、ヨウ化物などのハロゲン化物、チオール、−OH、A1−O−、−S−A1、−CO−A1、−NH2、−NHA1、−NA1A2、−CO−NA1A2、−PO4、−NO2、−NOH、−CO、−SO2、−SOH(式中、A1およびA2は独立に、好ましくは1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルである。)を含むことのできるヒドロカルビル基を含む。
アルキレン架橋基が置換されるとき、置換基はヒドロカルビル基であることが好ましい。これらは直鎖または分岐、飽和または不飽和とすることができる。ヒドロカルビル置換基は芳香族または脂肪族とすることができる。
適切な芳香族ヒドロカルビル置換基は、フェニルなどのアリール基およびC1−C4のアルキルフェニル基とすることができる。
適切な脂肪族ヒドロカルビル置換基は、好ましくは1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキルまたはシクロアルキル基である。好ましいヒドロカルビル置換基はC1〜C4のアルキル基であり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、最も好ましくはメチルである。
アルキレン架橋基上の好ましい置換基は脂肪族アルキル基である。
置換されていないアルキレン架橋基の例には、メチレン、エチレン、トリメチレン基が含まれる。置換されたアルキレン架橋基の例には、2,2−ジメチル−トリメチレン、2,2−ジエチル−トリメチレン、2,2−ジメチル−テトラメチレン、2−メチル,2−ヒドロキシメチル−トリメチレン、2,2−ジ−ヒドロキシメチル−トリメチレンが含まれる。
本明細書の特に好ましい実施形態において、架橋基はエチレン、すなわち−CH2−CH2−である。
他の適切な架橋基は結合が脂肪族または芳香族環構造の一部を形成するものである。それらの架橋基は、1個または複数の、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和の脂肪族環構造および/または1個または複数の、置換もしくは非置換の芳香族環構造を含むことができる。それらの架橋基は架橋中にやはり2〜6個の炭素原子だけを含むことが好ましい。
適切な脂肪族環構造は、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンテン、3,4−フラン、3,4−チオフェンを含む。脂環式環は、1個または複数のN、S、Si、またはOなどのヘテロ原子によって妨害することができる。
環構造は、ヘテロ原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を含んで任意の種類の置換基で置換することができる。適切な置換基はアルキレン架橋基に関して上述したものを含む。M1およびM2は隣接位置、すなわち1および2の位置で環系に付着することが好ましい。
芳香族環を含む架橋基の例は、2個の芳香族環を含むものであり、2個のベンゼン環が好ましい。これらの芳香族環構造は互いに結合し、かつ2個のアルキレン基に結合し、それら自体はそれぞれM1およびM2に結合していることが好ましい。アルキレン基は、芳香族環構造が結合している炭素原子に関して、それらのオルソ位置で芳香族環構造に結合していることが好ましい。
また、二価の架橋基は、国際公開第95/06027号のフェロシレン(ferrocylene)または国際公開第95/30680号のオルソ飽和化(orthoanellated)系などの有機金属基を含むことができ、M1およびM2原子は炭素原子を経由して結合する。
R1とR2は一緒になって、かつ/またはR3とR4は一緒になって、置換されていてもよい二価の脂環式基を表すことができる。さらにR3とR4は、独立に置換または非置換のヒドロカルビル基とすることができる。
適切なヒドロカルビル基は、好ましくは約1〜10個の炭素原子を含むアルキル、シクロアルキル、アリール基である。適切なヒドロカルビル基の例には、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシルなどの1〜6個の炭素原子を含むアルキル基、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニルおよびトリル基などのアリール基、ヘキサメチレン基などの二価の基が含まれる。
本明細書においてR1とR2が一緒になって、かつR3とR4が一緒になって、両方とも置換されていてもよい二価の脂環式基であることが好ましい。
「脂環式基」は、二環基または三環基などの単環基または多環基であることを理解すべきである。好ましい環状基は二環基である。脂環式基は少なくとも1個のヘテロ原子、すなわちそれぞれM1およびM2原子を含むが、より多くのヘテロ原子を含むことができる。環状基にさらに存在することのできる適切なヘテロ原子は、P、As、Sb、O、N、S、Siを含む。置換されていてもよい脂環式基は、少なくとも5個の環原子を含む。環状基は6〜20個の環原子を含むことが好ましく、さらに好ましくは6〜12個の環原子であり、特に6〜10個の環原子が好ましい。
脂環式基はシクロアルキレン基であること、すなわち、M1またはM2で二環基を形成することが有利である。M1およびM2は両方ともリンであり、R1とR2とM1が一緒になって、R3とR4とM2が一緒になって、両方ともホスファビシクロアルキル基を表すことが好ましい。
ホスファビシクロアルキル環の1個または両方とも、炭素原子および/またはヘテロ原子を含む1個または複数の適切なヒドロカルビル基で置換することができる。適切な置換基は、ハロゲン化物、硫黄、リン、酸素、窒素などのヘテロ原子を含む基を含む。それらの基の例には、塩化物、臭化物、ヨウ化物、チオール、および一般式−Y1−OH、−Y1−CO−OH、−Y1−SH、−S−Y1、−O−Y1、−CO−Y1、−NH2、−NHY1、−NY1Y2、−CO−NY1Y2、−OH、−PO4、−NO2、−NOH、−CO、−SO2、−S−OHの基(式中、Y1およびY2は独立にC1〜C10のアルキル基を表す)が含まれる。ホスファビシクロアルキル環が置換されるならば、炭素含有基で置換されることが好ましい。しかし、それらの炭素含有基は、ハロゲン化物、硫黄、酸素、窒素などの追加のヘテロ原子、または前述のヘテロ基を含むことができる。置換されたホスファビシクロアルキル環は、好ましくは1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されることが好ましい。直鎖の、分岐の、または環状のアルキル基を使用することができる。適切なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチルを含む。メチル基を使用することがさらに適切である。ホスファビシクロアルキル環が置換されるならば、それは単一置換または多置換されることができ、二置換が好ましい。この場合、ホスファビシクロアルキル環は、2個のメチル基で置換されていることがさらに好ましい。ホスファビシクロアルキル環は環の全ての炭素原子で置換することができる。しかし、ある炭素原子上に置換基を有する環の使用はさらに有利なはずである。ホスファビシクロノニル環は2個の炭素原子上、適切には1,2,8の炭素原子、および4,5または6の炭素原子上の置換基で使用することが適切である。
適切な二価の脂環式基の例には、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘプチレン、1,3−シクロヘプチレン、1,2−シクロオクチレン、1,3−シクロオクチレン、1,4−シクロオクチレン、1,5−シクロオクチレン、2−メチル−1,5−シクロオクチレン、2,6−ジメチル−1,4−シクロオクチレン、2,6−ジメチル−1,5−シクロオクチレン基である。二価の環状基は、1,4−シクロ−オクチレン、1,5−シクロ−オクチレン、およびそのメチル(二)置換された誘導体、特に1,4−シクロ−オクチレンおよび1,5−シクロ−オクチレンから選択することが好ましい。
高度に好ましい実施形態において、環状基は8個の環原子を含み、リン原子と一緒に9−ホスファビシクロノニル基を形成する。9−ホスファビシクロノニル基はいくつかの異性体構造を有することができる。本発明の目的のためには、[3,3,1]および[4,2,1]異性体が好ましい。R1とR2が一緒になって、かつR3とR4が一緒になって、両方とも同一または異なる異性体構造を有することができる。R1とR2が一緒になって、かつR3とR4が一緒になって、両方とも[3,3,1]構造を有することが好ましい。両方のホスファビシクロノニル基用に[3,3,1]構造を有する二座ジホスフィン配位子を多量に有する二座ジホスフィンの組成物は、国際公開第02/064250号に記載のようにして調製することができる。
式(I)の好ましい二座配位子の例には、
2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ブタン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ブタン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ブト−2−エン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ブト−2−エン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ペンタン、2,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ペンタン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ペンタン、2,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ペンタン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ペント−2−エン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ペント−2−エン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−シクロペンタン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−シクロペンタン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−シクロヘキサン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−シクロヘキサン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−シクロヘキサン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−シクロペンタン、3,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−フラン、3,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−チオフェン、1,3−ビス−(1,4−シクロオクチレン−ホスフィノ)−プロパン、即ち1,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−プロパン;1,3−ビス−(1,5−シクロオクチレン−ホスフィノ)−プロパン、即ち1,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−プロパン;1,2−ビス−(1,4−シクロオクチレン−ホスフィノ)−エタン、即ち1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−エタン;1,2−ビス−(1,5−シクロオクチレン−ホスフィノ)−エタン、即ち1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−エタン;およびその混合物が含まれる。
2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ブタン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ブタン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ブト−2−エン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ブト−2−エン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ペンタン、2,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ペンタン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ペンタン、2,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ペンタン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ペント−2−エン、2,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−ペント−2−エン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−シクロペンタン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−シクロペンタン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−シクロヘキサン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−シクロヘキサン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−シクロヘキサン、1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−シクロペンタン、3,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−フラン、3,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−チオフェン、1,3−ビス−(1,4−シクロオクチレン−ホスフィノ)−プロパン、即ち1,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−プロパン;1,3−ビス−(1,5−シクロオクチレン−ホスフィノ)−プロパン、即ち1,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−プロパン;1,2−ビス−(1,4−シクロオクチレン−ホスフィノ)−エタン、即ち1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[4,2,1]ノニル)−エタン;1,2−ビス−(1,5−シクロオクチレン−ホスフィノ)−エタン、即ち1,2−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−エタン;およびその混合物が含まれる。
これらの配位子は、p−シクロ−オクチレンヒドリド(ホスファビシクロノナンヒドリド)とブチルリチウムを反応させ、リチウムシクロ−オクチレンホスフィド(リチウム化ホスファビシクロノナン)を生成させることによって調製することができる。後者のホスフィドは、好ましくはトシル化または環状硫酸塩の脱離基で置換した脂肪族基と適切な方法で反応させる。好ましい脂肪族基は、脱離基として環状の置換または非置換の環状硫酸アルキルとも呼ばれるアルカンジオールの硫酸エステルなどの環状硫酸塩を有するものである。例えば、2,4−PP’ビス(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ペンタンは、ホスファビシクロノナンヒドリドとブチルリチウムを反応させて対応するリチウムホスフィドを生成させ、続いてこのリチウムホスフィドを、例えばテトラヒドロフラン中0℃または環境温度(25℃)で、2,4−ペンタンジオールジ−p−トシル化エステルと反応させることによって調製することができる。2,3−PP’(9−ホスファビシクロ[3,3,1]ノニル)−ブタンは、例えば、ホスファビシクロノナンヒドリドとブチルリチウムを反応させて対応するリチウムホスフィドを生成させ、続いてこのリチウムホスフィドを、例えばテトラヒドロフラン中0℃〜還流温度の範囲で変化する温度で、2,3−ブタンジオール環状硫酸エステル(IUPAC名は環状2,3−ブチルスルファート)と反応させることによって調製することができる。
p−シクロ−オクチレンヒドリド(ホスファビシクロノナンヒドリド)は、Elsnerら(Chem.Abstr.1978、vol.89、180154x)によって記載されたようにして都合よく調製することができる。
架橋基がM1またはM2に結合しているトリメチレン基を含み、その架橋基中の中間の炭素原子が非水素原子との2個の追加の結合を有する配位子の例が、国際公開第03/040065号に開示されており、2,2−ジメチル,1,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ−[3,3,1]ノニル)−プロパン、2―メチル,2−ヒドロキシメチル,1、3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ−[3,3,1]ノニル)−プロパン、2,2―ジメチル,1,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ−[4,2,1]ノニル)−プロパン、2―メチル,2−ヒドロキシメチル,1,3−PP’ビス(9−ホスファビシクロ−[4,2,1]ノニル)−プロパン、およびその混合物を含む。
ジメチレンビフェニル架橋を有する二座ジホスフィン配位子の例が、国際公開第03/040065号に開示されており、2,2’−ビス−(1,4−シクロオクチレン−ホスフィノ−メチル)−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビス−(1,5−シクロオクチレン−ホスフィノ−メチル)−1,1’−ビフェニル、およびその混合物を含む。
二価の脂環式基の特別の種類は、第三級の環状構造を含む。例えば、R1とR2および/またはR3とR4は、それが付着しているリン原子と一緒にアルキル置換された2−ホスファトリシクロ[3.3.1.1{3,7}]−デシル基であるか、または1個または複数の炭素原子がヘテロ原子、例えば酸素で置換されているその誘導体である二価のラジカルを表すことができる。
アルキル置換された2−ホスファ−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基を含む配位子は式(II)による化合物であることが好ましく、式中、R5は1〜6子の炭素原子のアルキル基、好ましくはメチルである。
それらの配位子の例には、2,3−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−[3.3.1.1{3,7}]デシル)ブタン、および2,4−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ[3.3.1.1{3,7}]−デシル)ペンタンが含まれる。それらの配位子は国際公開第−A−98/42717号にさらに詳細に記述されているようにして調製することができる。
本明細書に使用するのに適した他の種類の配位子は、リモネンから誘導された配位子を含み、国際公開第02/14248号に開示されている。
本明細書に使用するための適切な配位子のさらに他の詳細は、その調製方法を含んで、国際公開第03/040065号、国際公開第02/064250号、国際公開第95/05354号、国際公開第00/56695号、国際公開第01/28972号、欧州特許出願公開第A−971940号、国際公開第01/87899号に開示されている。
本明細書で使用するのに最も好ましい配位子は1,2−P,P’−ビス(9−ホスファビシクロノニル)エタンである。
本発明の方法は溶媒の存在下で都合よく行うことができる。それらは、飽和炭化水素、例えば、パラフィンおよびイソアルカンさらに他のアルコールが推奨され、飽和炭化水素およびアルコールは、ブタノール、エチルヘキサノール−1、ノナノール−1または一般的にカルボニル化製品として形成されたアルコールなど分子あたり4〜10個の炭素原子を有することが好ましく、2,5,8−トリオキサノナン(ジグリム)、ジエチルエーテル、およびアニソールなどのエーテル、およびメチルブチルケトンなどのケトンが推奨される。また、スルホンを含みまたは実質上スルホンからなる溶媒も好ましい。スルホンは特に好ましく、例えばジメチルスルホンおよびジエチルスルホンなどのジアルキルスルホン、スルホラン(テトラヒドロチオフェン−2,2−ジオキシド)、スルホラン、2−メチル−スルホラン、2−メチル−4−エチルスルホランなどの環状スルホンは特に好ましい。
使用される触媒系の量は重要ではなく、広範囲で変化することができる。通常、第二級アルコール、第三級アルコール、ケトン、またはその混合物から選択された出発化合物モルあたり、10−8〜10−1モル原子の範囲、好ましくは10−7〜10−2モル原子の範囲のVIII族金属が使用される。触媒系に関与する物質の量は、白金族金属のモル原子あたり、0.5〜10モル、好ましくは1〜6モルの二座配位子が使用されるように都合よく選択される。
さらに、例えばHIまたはHClなどのハロゲン化物アニオン源を含む少量の触媒促進剤の存在は、穏やかな温度でさえも高い速度で変換反応が進む点で非常に好ましい効果を有することができる。ハロゲン化物と白金金属カチオン間のモル比は、1:20〜5:1の範囲であることが好ましい。
一酸化炭素および水素は、等モル比または不等モル比、例えば、5:1〜1:5の範囲内、好ましくは3:1〜1:3の範囲で供給することができる。それらは2:1〜1:2の範囲内で供給することが好ましい。
本発明の方法は穏やかな反応条件で適切に行うことができる。したがって、50〜200℃の範囲の温度が推奨され、好ましい温度は70〜160℃である。5〜100バールの反応圧力が好ましい。より低い圧力またはより高い圧力を選択することができるが、特に利点はないと考えられる。さらに、より高い圧力は特別の装置を提供する必要がある。
本発明による第一級アルコールを製造するための第二級アルコールおよび/または第三級アルコールおよび/またはケトンの反応は、単一触媒を用いる「単一釜」方法として有利に行うことができる。
また、パラフィン工程で反応を開始し、最初にパラフィンを酸化することによって第二級アルコール、第三級アルコール、ケトンまたはその混合物を製造することが可能である。
したがって、本発明のさらに他の態様によれば、
(a)直鎖および/または分岐パラフィンを含む原材料を酸化触媒の存在下で酸化反応させて、第二級アルコールおよび/または第三級アルコールおよび/またはケトンを形成するステップと、
(b)第二級アルコールおよび/または第三級アルコールおよび/またはケトンと、一酸化炭素および水素を、
(i)VIII族金属源と、
(ii)一般式(I):
R1R2M1−R−M2R3R4(I)
(式中、M1、M2、R1、R2、R3、R4、およびRは前記定義の通りである)を有する二座配位子と、
(iii)pKaが3以下の酸(酸はVIII族金属よりも化学量論的に過剰な量である)とをベースとする触媒の存在下で反応させるステップとを含む、パラフィンを第一級アルコールに変換する方法が提供される。
(a)直鎖および/または分岐パラフィンを含む原材料を酸化触媒の存在下で酸化反応させて、第二級アルコールおよび/または第三級アルコールおよび/またはケトンを形成するステップと、
(b)第二級アルコールおよび/または第三級アルコールおよび/またはケトンと、一酸化炭素および水素を、
(i)VIII族金属源と、
(ii)一般式(I):
R1R2M1−R−M2R3R4(I)
(式中、M1、M2、R1、R2、R3、R4、およびRは前記定義の通りである)を有する二座配位子と、
(iii)pKaが3以下の酸(酸はVIII族金属よりも化学量論的に過剰な量である)とをベースとする触媒の存在下で反応させるステップとを含む、パラフィンを第一級アルコールに変換する方法が提供される。
本発明によって製造された第一級アルコールは、出発アルコールまたはケトンよりも常に1個以上の炭素原子を含む。
本発明によって製造された第一級アルコールは、約6〜18個の炭素原子を含むことが好ましく、10〜16個の炭素原子が好ましい。本発明の方法は以下の実施例で示すように、直鎖第一級アルコール化合物に向けて高い選択性を有する。
本発明を以下の非制限的な実施例で示す。
(実施例1〜5)
実施例1〜5は250mlの磁石で攪拌したバッチ式オートクレーブ中で行った。オートクレーブに30mlの第二級アルコールまたはケトン(各実施例で使用したアルコール/ケトンの種類を以下の表1に示す)、パラジウムよりも化学量論的に過剰量の酸(各実施例で使用した酸の種類と酸の量を以下の表1に示す)、10mlのスルホン、0.25ミリモルのパラジウム(II)アセチルアセトナート、0.4ミリモルの1,2−ビス(1,4−チクロオクチレンホスフィノ)エタン、0.1ミリモルのHClとを装填した。一酸化炭素でフラッシュした後、オートクレーブを一酸化炭素および水素でそれぞれ分圧20バールおよび40バールに加圧した。続いて、反応器を封止し、内容物を160℃で5時間反応させた。冷却の後、反応器の内容物からサンプルを取り出し、ガス液体クロマトグラフで分析した。結果を以下の表1に示す。MSAはメタンスルホン酸の略語である。PAはリン酸の略語である。
実施例1〜5は250mlの磁石で攪拌したバッチ式オートクレーブ中で行った。オートクレーブに30mlの第二級アルコールまたはケトン(各実施例で使用したアルコール/ケトンの種類を以下の表1に示す)、パラジウムよりも化学量論的に過剰量の酸(各実施例で使用した酸の種類と酸の量を以下の表1に示す)、10mlのスルホン、0.25ミリモルのパラジウム(II)アセチルアセトナート、0.4ミリモルの1,2−ビス(1,4−チクロオクチレンホスフィノ)エタン、0.1ミリモルのHClとを装填した。一酸化炭素でフラッシュした後、オートクレーブを一酸化炭素および水素でそれぞれ分圧20バールおよび40バールに加圧した。続いて、反応器を封止し、内容物を160℃で5時間反応させた。冷却の後、反応器の内容物からサンプルを取り出し、ガス液体クロマトグラフで分析した。結果を以下の表1に示す。MSAはメタンスルホン酸の略語である。PAはリン酸の略語である。
実施例1〜5は、本発明の方法を適切に使用して、第二級アルコールまたはケトンを高い直鎖第一級アルコールの収率と選択性で第一級アルコールに変換できることを示している。オレフィンおよび他の物質も副生成品として少量形成される。
Claims (10)
- 第二級アルコールおよび/または第三級アルコールおよび/またはケトンから第一級アルコールを製造する方法であって、
第二級アルコール、第三級アルコール、ケトン、またはその混合物から選択された化合物と、一酸化炭素および水素を、
(i)VIII族金属源と、
(ii)一般式(I):
R1R2M1−R−M2R3R4(I)
(式中、M1およびM2は独立にP、As、またはSbであり、R1およびR2は一緒になって2個の遊離価がM1に結合する二価の置換または非置換の環状基を表し、R3およびR4は独立に置換または非置換のヒドロカルビル基を表し、あるいは一緒になって2個の遊離価がM2に結合する二価または非置換の環状基を表し、Rは二価の有機架橋基を表す)を有する二座配位子と、
(iii)pKaが3以下である酸(酸はVIII族金属よりも化学量論的に過剰である)とをベースとする触媒の存在下で反応させることを含む方法。 - 前記酸のpKaが2.5以下である請求項1に記載の方法。
- 前記酸のpKaが2以下である請求項1または2に記載の方法。
- 前記酸が、リン酸、硫酸、スルホン酸、ホスホン酸、ハロゲン化ホスホン酸、カルボン酸、ハロゲン化カルボン酸、芳香族カルボン酸、およびその混合物から選択される請求項1から3のいずれかに記載の方法。
- M1とM2の両方ともリン原子である請求項1から4のいずれかに記載の方法。
- 前記二価の有機架橋基が、2〜4個の炭素原子を含む脂肪族架橋基である請求項1から5のいずれかに記載の方法。
- R1とR2および/またはR3とR4で表される前記二価の環状基が6〜9個の環原子を含み、その中の1個の環原子がそれぞれM1とM2である請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- R1とR2が一緒になって、かつR3とR4が一緒になって、二価の脂環式基となる請求項1から7のいずれかに記載の方法。
- 前記二価の脂環式基が、1,4−シクロ−オクチレン、1,5−シクロ−オクチレン、およびその混合物から選択される請求項1から8のいずれかに記載の方法。
- 前記VIII族金属がパラジウムである請求項1から7のいずれかに記載の方法。
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