JP2008501005A - ビニルエステルのアルコキシカルボニル化 - Google Patents

ビニルエステルのアルコキシカルボニル化 Download PDF

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Abstract

アルカノールおよび触媒系の存在下でビニルエステルを一酸化炭素と反応させることを含む、ビニルエステルのアルコキシカルボニル化方法。前記方法で使用される触媒系は、a)VIII B属金属またはその化合物、およびb)一般式(I)の二座配位子[前記式中、Rは共有結合性架橋基であり、Rは、それが結合しているQと共に、置換されていてもよい2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3.7}]デシル基またはその誘導体(2−PA)を形成し、R2およびR3は、独立して、20個まで原子を有する一価の基を表すか、あるいは一緒になって20個まで原子を有する二価の基を形成し、Q1およびQ2は、それぞれ独立して、リン、ヒ素、またはアンチモンを表す]を組み合わせることによって得ることができる。該方法は、式(II)CH(OH)CHC(O)R28の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは酸を製造するために実施される。該方法は、式(III)の乳酸エステルまたは酸を製造するためにも実施できる。

Description

本発明は、不飽和エステルの、具体的には酢酸ビニルのアルコキシカルボニル化、ならびに、特に、乳酸メチルおよび3−ヒドロキシメチルプロパノアートの製造における第1段階を提供するためのアルコキシカルボニル化の使用に関するが、これに限定されるものではない。
現在、乳酸メチルは、合成法または発酵によって製造される乳酸をエステル化することによって製造されている。
その主な合成経路は、アセトアルデヒドの反応に基づいている。1つの方法では、アセトアルデヒドをシアン化水素と反応させてラクトニトリルを生成させ、次いでこれを加水分解する。別法としては、アセトアルデヒドを、ヨウ化ニッケル(II)または硫酸触媒の存在下で一酸化炭素および水と反応させることができる。合成経路によって乳酸のラセミ混合物が生成し、その結果、乳酸メチルのラセミ混合物が生じる。近年、発酵方法の改良により、発酵が、乳酸およびその誘導体に至る好ましい経路となっている。注意深く選択したバクテリアを用いた糖類の発酵によって、光学的に純粋な乳酸を生成させることができる。乳酸桿菌(Lactobacilli)は、耐熱性である傾向があり、その結果、約50℃の温度で発酵させると副反応が抑制される。その進行は、遅く、かつpH、温度および酸素濃度の注意深い監視が必要であるが、適切なバクテリア培養を選択することによって、R型およびS型双方の光学的に純粋な乳酸を製造することができる。
乳酸メチルは、高沸点溶媒として使用され、洗剤、脱脂剤、化粧品および食品香料などの種々の素材中に存在する。乳酸メチルは、生分解性であり、それゆえ環境に優しい。
現在、ジオールに至る商業的に実現可能な経路は存在しないので、1,3−プロパンジオールに至る経路は、工業的に有望であろう。1980年代に、デービープロセステクノロジー(Davy Process Technology)は、固体酸触媒上でブタンからマレイン酸ジエチルを形成し、次いでこれを脱水素化してジオールにすることによって1,4−ブタンジオールに至る経路を見出した。現在、1,4−ブタンジオールは、ポリマーの構成成分として、さらには繊維製造で、および高沸点溶媒として広く使用されている。多価アルコールは、ウレタン製造のためのイソシアネートとの反応で、および(ポリ)エステル製造のための酸および酸無水物との反応で使用されることが多い。1,3−プロパンジオールは、ポリマーの構成成分としてのおよび高沸点溶媒としての用途を有すると考えられる。
アルコールまたは水、ならびに、VIB属またはVIII B属金属(例えば、パラジウム)とホスフィン配位子(例えば、アルキルホスフィン、シクロアルキルホスフィン、アリールホスフィン、ピリジルホスフィンまたは二座ホスフィン)からなる触媒系の存在下で一酸化炭素を使用する、エチレン性不飽和化合物のカルボニル化は、数多くの欧州特許および欧州特許出願、例えば、特許文献1〜13に記載されている。特に、特許文献11〜13は、二座ホスフィン配位子が、高い反応速度の達成を可能にする触媒系を提供することを開示している。
特許文献14は、二座ホスフィン化合物の特定のグループが、ほとんどまたは全く補充を必要としない著しく安定な触媒を提供できること、このような二座触媒を使用すると、これまで開示されている触媒より著しく大きな反応速度をもたらすこと、高い転化率において不純物がほとんどまたは全く生成しないことを開示している。
特許文献15は、外部から添加した非プロトン性溶媒の存在下で、高級アルケンに対して使用した場合の同方法の速度を開示している。
特許文献16は、C3架橋ホスフィンである1,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)プロパンを用いる酢酸ビニルのカルボニル化の一例を提供している。例として挙げられている速度は、Pd1モルおよび1時間当たり生成物200モルであり、結果として、1および2−アセトキシプロパン酸メチルが40:60(直鎖:分枝鎖)の比率で生成する。
特許文献17には、特許文献16で使用された二座ホスフィンに関する改良が開示されており、そこでは、一方または双方のリン原子が、置換されていてもよい2−ホスファ−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体中に組み込まれ、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で入れ替えられる(「2−PA」基)。例としては、エテン、プロペン、および若干の高級末端および内部オレフィンに関する幾つかのアルコキシカルボニル化が含まれる。さらに、10:1の分枝鎖:直鎖生成物比を与える酢酸ビニルのヒドロホルミル化も開示されている。酢酸ビニルのアルコキシカルボニル化が開示されていないことは明白である。
特許文献18は、特許文献17の教示を特許文献14に開示されている型の1,2−置換アリール架橋を有する二座ホスフィンへ拡張している。開示されている適切なオレフィン基質には、各種の置換基を有する幾つかの型が含まれる。ビニルエステルについては概括的または具体的のどちらでも言及されていないことは明白である。
欧州特許出願第EP−A−0055875号明細書 欧州特許出願第EP−A−04489472号明細書 欧州特許出願第EP−A−0106379号明細書 欧州特許出願第EP−A−0235864号明細書 欧州特許出願第EP−A−0274795号明細書 欧州特許出願第EP−A−0499329号明細書 欧州特許出願第EP−A−0386833号明細書 欧州特許出願第EP−A−0441447号明細書 欧州特許出願第EP−A−0489472号明細書 欧州特許出願第EP−A−0282142号明細書 欧州特許出願第EP−A−0227160号明細書 欧州特許出願第EP−A−0495547号明細書 欧州特許出願第EP−A−0495548号明細書 国際出願公開第WO98/19434号パンフレット 国際出願公開第WO01/68583号パンフレット 欧州特許第EP0495548B1号明細書 国際出願公開第WO98/42717号パンフレット 国際出願公開第WO03/070370号パンフレット
ビニルエステルは、容易に加水分解して、対応する酸またはアルデヒドになることが知られている。従って、ビニルエステルを酸に暴露することは避けるべきである。二座ホスフィンを用いるアルコキシカルボニル化反応は、VIBまたはVIII B属金属の存在下で進行する可能性があるが、このような金属は、4未満のpKaを有する酸に由来するアニオンの供給源の存在下で利用される。従って、アルコキシカルボニル化は、ビニルエステルのカルボニル化に適していないと考えられ得る。
本発明の第1態様によれば、アルカノールと触媒系の存在下で、ビニルエステルを一酸化炭素と反応させることを含む、ビニルエステルのアルコキシカルボニル化方法が提供される。前記触媒系は、
(a)VIII B属金属またはその化合物、および
(b)一般式(I)の二座配位子を組み合わせることによって得ることができる。
Figure 2008501005
前記式中、
Rは、共有結合性架橋基であり、
は、それが結合しているQと共に、置換されていてもよい2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体(2−PA)を形成し、
R2およびR3は、独立して、20個まで原子を有する一価の基を表すか、あるいは一緒になって20個まで原子を有する二価の基を形成し、
およびQは、それぞれ独立して、リン、砒素、またはアンチモンを表す。
好ましくは、Qはホスファであり、好ましくは、Qはホスファである。
好ましくは、Rは、CR(R)(R)、コングレシル(congressyl)、またはアダマンチルを表し、Rは、CR(R)(R)、コングレシル、またはアダマンチルを表すか、あるいは、RおよびRは、それらが結合しているQと共に、置換されていてもよい2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体を形成する。
好ましくは、二座配位子は、二座のホスフィン、アルシンまたはスチビン配位子、好ましくはホスフィン配位子である。
アダマンチル基は、水素原子の他に、任意で、低級アルキル、−OR19、−OC(O)R20、ハロ、ニトロ、−C(O)R21、−C(O)OR22、シアノ、アリール、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−C(S)(R27)R28、−CF、−P(R56)R57、−PO(R58)(R59)、−PO、−PO(OR60)(OR61)、または−SO62から選択される1つ以上の置換基を含んでいてもよく、前記式中、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、低級アルキル、シアノ、およびアリールは、本願明細書中で定義される通りであり、R56〜R62は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、アリールまたはHetを表す。
適切には、アダマンチル基が、上記で定義されるような1つ以上の置換基で置換されている場合、極めて好ましい置換基には、非置換C〜Cアルキル、−OR19、−OC(O)R20、フェニル、−C(O)OR22、フルオロ、−SOH、−N(R23)R24、−P(R56)R57、−C(O)N(R25)R26、−PO(R58)(R59)および−CFが含まれる。前記式中、R19は、水素、非置換のC〜Cアルキルまたはフェニルを表し、R20、R22、R23、R24、R25、R26は、それぞれ独立して、水素または非置換のC〜Cアルキルを表し、R56〜R59は、それ
ぞれ独立して、非置換のC〜Cアルキルまたはフェニルを表す。
適切には、アダマンチル基は、水素原子の他に、10個までの上記で定義した通りの置換基、好ましくは5個までの上記で定義した通りの置換基、より好ましくは3個までの上記で定義した通りの置換基を含み得る。適切には、アダマンチル基が、水素原子の他に、本願明細書中で定義されるような1つ以上の置換基を含む場合には、好ましくは、各置換基は同一である。好ましい置換基は、非置換C〜Cアルキルおよびトリフルオロメチル、特に、メチルなどの非置換C〜Cアルキルである。極めて好ましいアダマンチル基は、水素原子のみを含む、すなわちアダマンチル基は置換されていない。
好ましくは、式Iの化合物中に2つ以上のアダマンチル基が存在する場合には、各アダマンチル基は同一である。
2−Q(またはQ)−トリシクロ[3.3.1.1.{3,7}]デシル基(以後、便宜上2−メタ−アダマンチル基と称され、ここで、2−メタ−アダマンチルは、2−アルサ−アダマンチルおよび/または2−スチバ−アダマンチルおよび/または2−ホスファ−アダマンチル、好ましくは2−ホスファ−アダマンチルを示す)は、水素原子の他に、任意で1つ以上の置換基を含んでいてもよい。適切な置換基としては、アダマンチル基に関して本願明細書中で定義されるような置換基が挙げられる。極めて好ましい置換基としては、低級アルキル、詳細には非置換C〜Cアルキル特にメチル、トリフルオロメチル、−OR19が挙げられる。ここで、R19は、本願明細書中で定義される通りであり、特に、非置換C〜Cアルキルまたはアリール、および4−ドデシルフェニルである。2−メタ−アダマンチル基が2つ以上の置換基を含む場合には、各置換基が同一であることが好ましい。
好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、1、3、5または7位の1つ以上の位置において本願明細書中で定義されるような置換基で置換されている。より好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、1、3および5位の各位置において置換されている。適切には、このような配置は、2−メタ−アダマンチル基のQ原子が、アダマンチル骨格中の水素原子を有さない炭素原子に結合していることを意味する。最も好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、1、3、5および7位のそれぞれの位置で置換されている。2−メタ−アダマンチル基が2つ以上の置換基を含む場合には、各置換基が同一であるのことが好ましい。特に好ましい置換基は、非置換C〜Cアルキルおよびトリフルオロメチル、特に、メチルなどの非置換C〜Cアルキルである。
好ましくは、2−メタ−アダマンチルは、非置換2−メタ−アダマンチル、または1つ以上の非置換C〜Cアルキル置換基で置換されている2−メタ−アダマンチル、あるいはこれらの組合せを表す。
好ましくは、2−メタ−アダマンチル基には、2−メタ−アダマンチル骨格中に、2−Q原子以外のさらなるヘテロ原子を含む。適切なさらなるヘテロ原子としては、酸素および硫黄原子、特に酸素原子が挙げられる。より好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、6、9および10位に1個以上のさらなるヘテロ原子を含む。さらにより好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、6、9および10位のそれぞれの位置にさらなるヘテロ原子を含む。最も好ましくは、2−メタ−アダマンチル基が、2−メタ−アダマンチル骨格中に2個またはそれ以上のさらなるヘテロ原子を含む場合には、さらなるヘテロ原子の各々は同一である。本願明細書中で定義されるような1つ以上の置換基で置換されていてもよい特に好ましい2−メタ−アダマンチル基は、2−メタ−アダマンチル骨格の6、9および10位のそれぞれの位置に酸素原子を含む。
好ましくは、2−メタ−アダマンチルは、2−メタ−アダマンチル骨格中に1つ以上の
酸素原子を含む。
極めて好ましい本願明細書中で定義される2−メタ−アダマンチル基としては、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、2−ホスファ−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、および2−ホスファ−1,3,5−トリ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサアダマンチル基が挙げられる。最も好ましくは、2−ホスファ−アダマンチルは、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基または2−ホスファ−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基から選択される。
好ましくは、式Iの化合物中に2以上の2−メタ−アダマンチル基が存在する場合には、それぞれの2−メタ−アダマンチル基は同一である。
2−メタ−アダマンチル基は、当業者に周知の方法で調製され得る。適切には、特定の2−ホスファ−アダマンチル化合物は、サイテックカナダインク(Cytec Canada Inc)(カナダ国 L2E 6T4 オンタリオ州 ナイアガラフォールズ ガーナーロード 901所在)から入手可能である。同様に、対応する式Iの2−メタ−アダマンチル化合物等は、同供給業者から入手可能であるか、あるいは類似の方法で調製され得る。
式Iの化合物と組み合わされ得る適切なVIII B属金属またはその化合物としては、コバルト、ニッケル、パラジウム、ロジウムおよび白金が挙げられる。好ましくは、VIII B属金属は、パラジウムまたはその化合物である。このようなVIII B属金属の適切な化合物としては、このような金属と、硝酸;硫酸;酢酸およびプロピオン酸などの低級アルカン酸(C12まで);メタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸、t−ブチルスルホン酸、および2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などのスルホン酸;スルホン化イオン交換樹脂、過塩素酸などの過ハロゲン酸;トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などのハロゲン化カルボン酸;オルトリン酸;ベンゼンホスホン酸などのホスホン酸、およびルイス酸とブレンステッド酸との間の相互作用から誘導される酸との塩、またはそれらの酸に由来する弱く配位したアニオンを含む化合物を含む化合物が挙げられる。適切なアニオンを提供できるその他の供給源としては、ハロゲン化されていてもよいテトラフェニルホウ酸誘導体、例えばペルフルオロテトラフェニルホウ酸塩が挙げられる。さらに、0価のパラジウム錯体、特に、不安定な配位子、例えばトリフェニルホスフィンまたはアルケン(例えばジベンジリデンアセトンまたはスチレンなど)を有するパラジウム錯体、すなわちトリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを使用してもよい。
アニオンは、18℃の水溶液中で測定して4未満、より好ましくは3未満のpKaを有する酸、反応を妨害しないカチオンとの塩、例えば、金属塩または主にアルキルアンモニウムなどの有機塩、および反応条件下で分解してイン・シチュでアニオンを発生し得るエステルなどの前駆体のうちの1つ以上のものから誘導されるか、またはそのようなものとして導入され得る。適切な酸および塩は、前に挙げた非置換カルボン酸塩以外の酸および塩を含む。
存在するアニオンの量は、触媒系の触媒挙動に対してそれほど重要ではない。アニオンのパラジウムに対するモル比は、1:1〜500:1、好ましくは2:1〜100:1、特に3:1〜30:1であり得る。アニオンが酸および塩によって供給される場合には、酸と塩の相対的比率はそれほど重要ではない。しかし、アニオンが酸によって供給されるか、あるいは酸によって部分的に供給される場合には、酸のVIII B属金属に対する
比率は、好ましくは、少なくとも1:1モル(H)/モル(C2+)、好ましくは少なくとも5:1未満モル(H)/モル(C2+)であり、より好ましくは、比率は、少なくとも2:1、好ましくは少なくとも3:1未満であり、最も好ましくは、約2:1の比率が好ましい。Hは、活性酸性部位の量を意味する。よって、1モルの一塩基酸は1モルのHを有し、一方、1モルの二塩基酸は2モルのHを有し、三塩基酸などはそれに応じて解釈すべきである。同様に、C2+は、2の陽電荷を有する金属のモル数を意味する。よって、Mイオンの場合には、金属カチオンの比率はそれに応じて調整すべきである。例えば、Mカチオンは、M1モルにつき0.5モルのC2+を有すると解釈すべきである。
好ましくは、二座配位子の酸に対する比率は、少なくとも1:2のモル/モル(H)であり、好ましくは、二座配位子のVIII B属金属に対する比率は、少なくとも1:1のモル/モル(C2+)である。好ましくは、配位子は、金属のモル/モル(C2+)を上回り、好ましくは、酸に対して1:2のモル/モル(H)の比率を上回る。配位子自体が反応中に酸濃度を緩衝化し、かつビニルエステルの分解を防止する塩基として機能し得るので、過剰な配位子は有利である。他方、酸の存在は、反応混合物を活性化し、反応の総合的な速度を向上する。
言及したように、本発明の触媒系は、均一系でまたは不均一系で使用できる。好ましくは、触媒系は均一系で使用される。
有利には、ビニルエステルのアルコキシカルボニル化において本発明の触媒系を使用すると、主として直鎖生成物が得られる。国際公開第WO98/42717号では、プロパン架橋を有する2−PA配位子を使用する酢酸ビニルのヒドロホルミル化は、主として分枝鎖生成物を与えるので、このことは驚くべきことである。
従って、本発明の第2態様では、式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは酸の製造方法が提供される。
CH(OH)CHC(O)OR28 (II)
該方法は、アルカノールおよび触媒系の存在下で、ビニルエステルを一酸化炭素でアルコキシカルボニル化する工程であって、前記触媒系は、
(a)VIII B属金属またはその化合物と、
(b)本願明細書中で定義されるような第1態様に記載の一般式(I)の二座配位子を組み合わせることによって得ることができ、
前記式中、R28は、H、または、置換または非置換でよく、分枝鎖または直鎖でよいC〜C30アルキルもしくはアリール部分から選択される、工程と、前記の直鎖(n)生成物である1−アセトキシCH.CHC(O)OR28に対して処理工程を実施して、式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは酸を生成する工程とを含む。
アルコキシカルボニル化の直鎖(n)および分枝鎖(iso)生成物は、処理工程の前または後に分離され得る。好ましくは、前記生成物を蒸留によって反応生成物から分離する。
本発明の第3態様によれば、式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルの好ましくは工業的製品を製造するための、本発明の第1および第2態様のいずれかで定義した通りの触媒系の使用が提供される。前記製造は、ビニルエステルをアルコキシカルボニル化する工程、続いてアルコキシカルボニル化の直鎖(n)生成物を処理する工程を含む。
前述にかかわらず、本発明は、反応の分枝鎖生成物を使用する可能性を排除しない。
従って、本発明の第4態様によれば、式IIIの乳酸エステルまたは酸の製造方法が提供される。
Figure 2008501005
前記方法は、アルカノールおよび触媒系の存在下で、ビニルエステルを一酸化炭素でアルコキシカルボニル化し、分枝鎖(iso)生成物である2−アセトキシ(CH).CH.C(O)OR28を含む生成物を生成する工程であって、前記触媒系は、
(a)VIII B属金属またはその化合物と、
(b)本願明細書中で定義した通りの第1態様に従った一般式(I)の二座配位子、好ましくはホスフィン配位子と
を組み合わせることによって得ることができ、前記式中、R28は、H、または、置換または非置換でよく、分枝鎖または直鎖でよいC〜C30アルキルもしくはアリール部分から選択される工程と、前記の分枝鎖(iso)生成物を化学的に処理して対応する式IIIの乳酸エステルまたは酸を生成する工程とを含む。
本願明細書中で、処理する、または処理とは、アルコキシカルボニル化のアセトキシ生成物に対して、アセトキシ基を開裂してヒドロキシ酸またはエステルを生成するのに適した加水分解反応またはエステル交換反応などの通常の化学処理を実施することを意味する。
カルボニル化の直鎖(n)および分枝鎖(iso)生成物は、処理工程の前または後に分離され得る。好ましくは、蒸留によって反応生成物を分離する。分枝鎖および直鎖生成物は、大きく異なる沸点を有することが多く、蒸留が反応生成物のための効率的な分離技術となる。
好ましくは、アルコキシカルボニル化工程からの直鎖生成物:分枝鎖生成物の比率は、1.5:1を超え、より好ましくは2:1を超え、最も好ましくは2.5:1を超える。
本発明の第5態様によれば、式(III )の乳酸エステルまたは酸の製造、好ましくは工業的製造のための、本発明の第1および第2態様のいずれかで定義した通りの触媒系の使用が提供される。前記製造は、ビニルエステルをアルコキシカルボニル化する工程、続いてアルコキシカルボニル化の分枝鎖(iso)生成物を処理してエステルまたは酸を生成する工程を含む。
有利には、本発明の乳酸エステル、または3−ヒドロキシプロパン酸エステルあるいはそれらの酸を水素化して、それぞれ1,2および1,3ジオールを生成することができる。
好ましくは、処理は、加水分解またはエステル交換であり、当業者に周知の任意の適切な技術によって実施される。このような技術は、例えば、「Kirkothmer Encyclopaedia of Chemical Technology」第4版、9巻、783頁〜、「Hydrolysis of Organic Esters」に詳述されている。このような方法には、塩基加水分解、酸加水分解、水蒸気加水分解、および酵素的加水分解が含まれる。好ましくは、加水分解は塩基加水分解であり、より好ましくは、加水分解は過剰の塩基中で実施され、次いで酸性とし、酸生成物を生成する。加水分解生成物の水素化は、当業者に周知の任意の適切な方法によって実施できる。好ましく
は、ヒドロキシアルカン酸エステルの気相水素化を実施する。適切な技術は、クラブツリー(Crabtree)らが国際公開第WO01/70659号中において例示している。適切な実験の詳細は、公開公報の実施例1〜9に詳述されており、3−ヒドロキシプロパン酸エステルから1,3−プロパンジオールに至る経路が例示されている。好ましくは、水素化は、不均一(heterogenous)水素化触媒を含有する水素化ゾーンで実施される。適切な条件および触媒は、国際公開第WO01/70659号に詳述されており、その内容を、その内容が3−ヒドロキシプロパン酸エステルの水素化に関する限りにおいて、参照により本願明細書に援用する。しかしながら、本出願の目的の場合、このような水素化反応は、1,2−プロパンジオールを生成するための乳酸エステルの水素化に適用可能であるとも考えられる。好ましくは、エステル交換は、必要なアルキルエステル生成物のアルキル基に対応するアルカノールを、例えば、アセトキシアルキルエステルをヒドロキシメチルエステルに変換するためにはメタノールを、アセトキシアルキルエステルをヒドロキシエチルエステルなどに変換するためにはエタノールを用いて実施される。有利には、エステル交換は、アセトキシ基を開裂するが、ヒドロキシアルカン酸アルキルを変えない。好ましくは、エステル交換は、例えば、メタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸などの適切な触媒の存在下で起こる。
基Rは、アルキレン架橋基、好ましくは低級アルキレンを表すことができる。
一連の実施形態において、架橋基Rは、−A−(K,D)Ar(E,Z)−B−として定義され得る。ここで、
Arは、QおよびQ原子、好ましくはリン原子が利用可能な隣接炭素原子に結合している、置換されていてもよいアリール部分を含む架橋基であり、
AおよびBは、互いに独立して、低級アルキレンを表し、
K、D、EおよびZは、アリール部分(Ar)の置換基であり、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、アリール、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2526、SR27、C(O)SR27、または−J−Q(X)X(ここで、Jは低級アルキレンを表す)を表すか、あるいは、K、Z、DおよびEから選択される2つの隣接基は、それらが結合しているアリール環の炭素原子と共にさらなるフェニル環を形成し、そのさらなるフェニル基は、任意で水素、低級アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2526、SR27またはC(O)SR27から選択される1つ以上の置換基で置換され得るか、あるいは、Arがシクロペンタジエニル基である場合には、Zは、−M(L(Lで表されることができ、Zは、金属配位子結合を介してシクロペンタジエニル基に結合しており、
は、CR13(R14)(R15)、コングレシルまたはアダマンチルを表し、Xは、CR16(R17)(R18)、コングレシルまたはアダマンチルを表すか、あるいは、XおよびXは、それらが結合しているQと共に、置換されていてもよい2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体を形成し、
好ましくは、Q3はホスファである。
好ましくは、式Iの化合物において、双方のKが−A−Q(X)Xを表し、かつEが−A−Q(X)Xを表す場合には、Dは−A−Q(X)Xを表す。
2−メタ−アダマンチル基は、それぞれ、Rとそれが結合しているQとの組合せによって形成される2−Q−トリシクロ[3.3.1.1.{3,7}]デシル基、RおよびRとそれらが結合しているQとの組合せによって形成される2−Q−トリシクロ[3.3.1.1.{3,7}]デシル基、またはXおよびXとそれらがそれぞれ結合しているQとの組合せによって形成される2−Q−トリシクロ[3.3.1.
1{3、7}]デシル基であり得る。ここで、Q、QおよびQは、一体部分を形成するアダマンチル基の2位に存在し、Q、QおよびQの各々は、リン、ヒ素および/またはアンチモンを表す。好ましくは、Q、QおよびQはリンを表す。
本発明の好ましい実施形態は、以下を含む。
が、CR(R)(R)を表し、RがCR(R)(R)を表し、Rは、それが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
が、CR(R)(R)を表し、Rが、アダマンチルを表し、Rは、それが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
が、CR(R)(R)を表し、Rが、コングレシルを表し、Rは、それが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
およびRが、独立してアダマンチルを表し、Rは、それが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
およびRが、独立してコングレシルを表し、かつRは、それが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
は、それが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成し、RおよびRは、それらが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
本発明の極めて好ましい実施形態は、
は、それが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成し、RおよびRは、それらが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成することを含み、
好ましくは、式Iの化合物において、RはRと同一である。
好ましくは、式Iの化合物において、RおよびRは同一置換基を表し、XおよびXは(存在するなら)、同一置換基を表し、より好ましくは、RおよびRおよびXおよびXは(存在するなら)、Rと同一であるように結合する。
本発明における特に好ましい組合せとしては、次の組合せが挙げられる。すなわち、
(1)Rは、それが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
およびRは、それらが結合しているQと共に、2−ホスファ−アダマンチルを表し、
AおよびBは同一であり、かつ−CH−を表し、
K、DおよびEは同一であり、かつ水素または非置換のC〜Cアルキル、特に水素を表し、
およびQが双方ともリンを表す。
(2)Rは、それが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
およびRは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
Kが、−CH−Q(X)Xを表し、ここで、XおよびXは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
AおよびBは同一であり、かつ−CH−を表し、
、QおよびQは、それぞれリンを表し、
DおよびEは同一であり、かつ水素または非置換C〜Cアルキル、特に水素を表す。
(3)Rは、それが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
およびRは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
Kが、−CH−Q(X)Xを表し、ここで、XおよびXは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
AおよびBは同一であり、かつ−CH−を表し、
、QおよびQは、それぞれリンを表す。
(4)Rは、それが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
およびRは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
AおよびBは同一であり、かつ−CH−を表し、
およびQが、双方ともリンを表し、
Kが、水素、または非置換C〜Cアルキル、特に水素を表し、
DおよびEは、それらが結合しているシクロペンタジエニル環の炭素原子と共に、非置換のフェニル環を形成し、
MはFeを表し、
n=1であり、かつLは、シクロペンタジエニル、特に非置換のシクロペンタジエニルを表し、かつm=0である。
(5)Rは、それが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
およびRは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
AおよびBは同一であり、かつ−CH−を表し、
K、DおよびEは同一であり、かつ水素または非置換C〜Cアルキル、特に水素を表し、
およびQが双方ともリンを表し、
MはFeを表し、
n=1であり、かつLは、シクロペンタジエニル、特に非置換のシクロペンタジエニルを表し、かつm=0である。
(6)Rは、それが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
およびRは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
Kは、−CH−Q(X)Xを表し、ここで、XおよびXは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
AおよびBは同一であり、かつ−CH−を表し、
、QおよびQは、それぞれリンを表し、
DおよびEは、同一であり、かつ水素または非置換C〜Cアルキル、特に水素を表し、
MはFeを表し、
n=1であり、かつLは、シクロペンタジエニル、特に非置換のシクロペンタジエニルを表し、かつm=0である組合せ、
(7)Rは、それが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
およびRは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
Kが、Kが、−CH−Q(X)Xを表し、ここで、XおよびXは、それらが結合しているQと共に、2−メタ−アダマンチルを表し、
AおよびBは同一であり、かつ−CH−を表し、
、QおよびQは、それぞれリンを表し、
DおよびEは、それらが結合しているシクロペンタジエニル環の炭素原子と共に、非置換のフェニル環を形成し、
MはFeを表し、
n=1であり、かつLは、シクロペンタジエニル、特に非置換のシクロペンタジエニルを表し、かつm=0である。
〜RおよびR13〜R18は、それぞれ独立して、低級アルキル、アリール、またはHetを表し、
19〜R27は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、アリールまたはHetを表し、
Mは、VIB属またはVIII B属金属、またはその金属カチオンを表し、
は、シクロペンタジエニル、インデニルまたはアリール基を表し、それらの基の各々は、任意で、水素、低級アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2526、SR27、C(O)SR27またはフェロセニルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、
は、1つ以上の配位子を表し、それらの各々は、水素、低級アルキル、アルキルアリール、ハロ、CO、PR434445またはNR464748から独立して選択され、
43〜R48は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、アリールまたはHetを表し、
n=0または1であり、
かつm=0〜5であり、
但し、n=1である場合にはm=0であり、n=0である場合にはmは0ではなく、
は(存在するなら)、リン、ヒ素、アンチモンを表す。
好ましくは、VIII B属金属はパラジウムである。
好ましくは、K、D、EまたはZは、−J−Q(CR13(R14)(R15))CR16(R17)(R18)を表し、それぞれのK、D、EまたはZは、AまたはBが連結しているアリール炭素に隣接するアリール炭素上に存在するか、あるいはそのように隣接していない場合には、それ自身は−J−Q(CR13(R14)(R15))CR16(R17)(R18)を表す残りのK、D、EまたはZ基に隣接している。
表示の容易にするため、本発明における5つの態様中のいずれか1つ以上の態様を、本願明細書では本発明の方法と呼ぶ場合がある。
適切には、本発明の方法を使用して、一酸化炭素およびヒドロキシル基含有化合物の存在下でのビニルエステルのカルボニル化を触媒することができる。すなわち、本発明の方法は、ビニルエステルの対応するアセトキシカルボン酸エステルへの変換を触媒することができる。好都合なことに、本発明の方法は、典型的なカルボニル化反応の条件下で補充をほとんどまたは全く必要としないような極めて安定な化合物を利用できる。好都合なことに、本発明の方法は、ビニルエステルのカルボニル化反応に関して大きな速度を有することができる。好都合なことに、本発明の方法は、ビニルエステルの高い転化率を促進し、それによって、所望の生成物を、不純物をほとんどまたは全く伴わない高収率で産生できる。結果として、本発明の方法を採用することによって、ビニルエステルのカルボニル化など、カルボニル化方法の商業的実現可能性を高めることができる。
用語「Ar」または「アリール」には、本願明細書中で使用する場合、フェニル、フェロセニルおよびナフチルなどの、5〜10員の、好ましくは6〜10員の炭素環式芳香族または擬似芳香族基が含まれる。これらの基は、K、D、EまたはZに加えて、アリール
、低級アルキル(アルキル基は任意でそれ自体以下で定義されるように置換または終結されていてもよい)、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27またはC(S)NR2526から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。ここで、R19〜R27は、それぞれ独立して、水素、アリールまたは低級アルキル(アルキル基は任意でそれ自体以下において定義されるように置換または終結されていてもよい)を表す。
適切には、Arまたはアリールがシクロペンタジエニルである場合、ならびにDおよびEは、それらが結合しているシクロペンタジエニル環の炭素原子と共に、フェニル環を形成している場合には、金属Mまたはそのカチオンは、インデニル環系に結合している。好ましい実施形態において、Arは、フェニルまたはナフチルを、より好ましくはフェニルを表し、かついずれの場合も、任意で前の段落で詳述したように置換されていてもよい。
式Iの化合物において「Mは、VIB属またはVIII B属金属を表す」との記載には、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Os、Ir、PtおよびPdのような金属が含まれる。好ましくは、金属は、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、RuおよびRhから選択される。不確かさを回避するために、本願明細書中でVIB属またはVIII B属金属を言及することは、現代の周期表命名法における6、8、9および10族を含むと解釈すべきである。
用語「その(それらの)金属カチオン」とは、本願明細書中で定義される式Iの化合物中のVIB属またはVIII B属金属(M)が陽電荷を有することを意味する。適切には、金属カチオンは、塩の形態でもよいし、あるいは、ハロ酸、硝酸;硫酸;酢酸およびプロピオン酸などの低級(C12までの)アルカン酸;メタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸)、t−ブチルスルホン酸、および2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などのスルホン酸;スルホン化イオン交換樹脂;過塩素酸などの過ハロゲン酸;トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などのペルフルオロ化カルボン酸;オルトリン酸;ベンゼンホスホン酸などのホスホン酸;およびルイス酸とブレンステッド酸との相互作用から得られる酸から誘導される弱く配位したアニオンを含むことができる。適切なアニオンを提供できるその他の供給源には、テトラフェニルホウ酸誘導体が含まれる。
好ましくは、Mは、VI B属またはVIII B属金属を表す。換言すれば、金属Mの総電子数は、18である。
が表し得るハロ基であって、それにより上述の基が置換または終結され得るハロ基には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれる。
適切には、Aがシクロペンタジエニルを表し、かつn=1である場合には、式Iの化合物は、2つのシクロペンタジエニル環、2つのインデニル環、または1つのインデニル環と1つのシクロペンタジエニル環を含むことができる(それらの環系の各々は、本願明細書中に記載される通りに置換されていてもよい)。このような化合物は、金属Mまたはその金属カチオンが2つの環系で挟まれているので、「サンドイッチ化合物」と呼ばれる場合がある。それぞれのシクロペンタジエニルおよび/またはインデニル環系は、互いに関してほぼ同一平面に存在するか、あるいは、互いに関して傾斜し得る(一般に湾曲メタロセン(bent metallocenes)と呼ばれる)。
これに代わって、n=1である場合には、本発明の化合物は、1つのシクロペンタジエニル、または1つのインデニル環(それらの環系の各々は、任意で本願明細書中に記載さ
れる通りに置換されていてもよい)と、任意で本願明細書中で定義される通りに置換されていてもよい1つのアリール環(すなわちLがアリールを表す)を含むことができる。適切には、n=1であり、Lがアリールを表す場合には、本願明細書で定義される式Iの化合物中の金属Mは、典型的には金属カチオンの形態である。
適切には、n=0である場合には、本発明の化合物は、ただ1つのシクロペンタジエニル環またはインデニル環を含む(それらの環系の各々は、任意で本願明細書に記載された通りに置換されていてもよい)。このような化合物は、「半サンドイッチ化合物」と呼ばれる場合がある。好ましくは、n=0である場合には、式Iの化合物の金属Mは18個の電子数を有するように、Mは1〜5を表す。換言すれば、式Iの化合物中の金属Mは鉄である場合には、配位子Lによって与えられる電子の総数が典型的には5個である。
適切には、式Iのシクロペンタジエニル化合物中の金属Mまたはその金属カチオンは、典型的には、シクロペンタジエニル環(群)またはインデニル環(群)中のシクロペンタジエニル部分に結合している。典型的には、シクロペンタジエニル環またはインデニル環中のシクロペンタジエニル部分は、金属とペンタハプト(pentahapto)結合方式を示すが、シクロペンタジエニル環またはインデニル環中のシクロペンタジエニル部分と金属との間におけるその他の結合方式(トリハプト配位など)も、本発明の範囲に包含される。
好ましくは、Arがシクロペンタジエニルである式Iの化合物において、Mは、Cr、Mo、Fe、CoまたはRu、あるいはそれらの金属カチオンを表す。さらにより好ましくは、Mは、Cr、Fe、CoまたはRu、あるいはそれらの金属カチオンを表す。最も好ましくは、Mは、VIII B属金属またはその金属カチオンから選択される。特に好ましいVIII B属金属(M)は、Feである。本願明細書中で定義される金属Mは、カチオン型であり得るが、好ましくは、本願明細書中で定義されるLおよび/またはLとの配位により残余電荷を本質的に保持していない。
好ましくは、式Iの化合物においてn=1である場合には、Lは、シクロペンタジエニル、インデニル、またはアリールを表し、それらの環の各々は、任意で、水素、低級アルキル、ハロ、シアノ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、SR27またはフェロセニルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい(Lによって表され得るシクロペンタジエニル、インデニルまたはアリール環が、メタロセニル基中のシクロペンタジエニル環に直接結合していることを意味する)。より好ましくは、Lによって表され得るシクロペンタジエニル、インデニルまたはアリール環が置換されている場合には、それらシクロペンタジエニル、インデニルまたはアリール環はC〜Cアルキル、ハロ、シアノ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324から選択される1つ以上の置換基で好ましくは置換されており、ここで、R19、R20、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して、水素またはC〜Cアルキルを表す。
好ましくは、n=1である場合には、Lは、本願明細書中で定義された通りに任意で置換されていてもよいシクロペンタジエニル、インデニル、フェニルまたはナフチルを表す。好ましくは、シクロペンタジエニル、インデニル、フェニルまたはナフチル基は、非置換である。より好ましくは、Lは、その環のそれぞれが非置換であるシクロペンタジエニル、インデニルまたはフェニルを表す。最も好ましくは、Lは、非置換のシクロペンタジエニルを表す。
本発明の特に好ましい実施形態では、式Iの化合物において、n=1であり、Lは、本願明細書中で定義される通りであり、かつm=0である。
これに代わって、式Iの化合物において、nが0であり、Mは0でない場合には、Lは、1つ以上の配位子を表し、該配位子の各々は、低級アルキル、ハロ、CO、PR434445またはNR464748から独立して選択される。より好ましくは、Lは、1つ以上の配位子を表し、該配位子の各々は、C〜Cアルキル、ハロ、特にクロロ、CO、PR434445またはNR464748から独立して選択される。ここで、R43〜R48は、水素、C〜Cアルキル、またはフェニルなどのアリールから独立して選択される。
本発明の特に好ましい別の実施形態では、式Iの化合物において、n=0であり、Lは、本願明細書中で定義される通りであり、かつm=3または4、特に3である。
Mは、Cr、Mo、Fe、CoまたはRu、またはこれらの金属カチオンから選択される金属を表し、
は、シクロペンタジエニル、インデニル、ナフチルまたはフェニルを表し、該環の各々は、任意でC〜Cアルキル、ハロ、シアノ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、
は、1つ以上の配位子を表し、該配位子の各々は、C〜Cアルキル、ハロ、CO、PR434445またはNR464748から独立して選択され、
n=0または1であり、かつm=0〜4であり、但し、n=1である場合にはm=0であり、Mは0でない場合にはn=0である。
式Iのさらに好ましい化合物としては、
Mは、鉄またはそのカチオンを表し、
は、シクロペンタジエニル、インデニルまたはフェニル基を表し、該基の各々は、任意でC〜Cアルキル、ハロ、シアノ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、
が、1つ以上の配位子を表し、該配位子の各々は、C〜Cアルキル、ハロ、CO、PR434445またはNR464748から独立して選択され、ここで、R43〜R48は、水素、C〜Cアルキル、またはフェニルから独立して選択され、
n=0または1であり、かつm=0〜4である、化合物が挙げられる。
式Iのよりさらに好ましい化合物としては、
が、非置換のシクロペンタジエニル、インデニルまたはフェニル、特に非置換のシクロペンタジエニルを表し、n=1であり、かつm=0である、化合物が挙げられる。
式Iの別の好ましい化合物としては、
n=0であり、
が、1つ以上の配位子を表し、該配位子の各々は、C〜Cアルキル、ハロ、CO、PR434445またはNR464748から独立して選択され、ここで、R43〜R48は、水素、C〜Cアルキルまたはフェニルから独立して選択され、m=1〜4、特に3または4である、化合物が挙げられる。例えば、m=3である場合には、Lにより表され得る3つの配位子としては、(CO)ハロ、(PR434445ハロまたは(NR464748ハロが挙げられる。
本願明細書中でのビニルエステルの言及には、下記式(IV):
29−C(O)OCR30=CR3132
に属する置換または非置換酢酸ビニルへの言及が含まれる。前記式中、R29は、水素、低級アルキル、アリール、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2526、SR27、C(O)SR29から選択することができ、ここで、R
〜R27は本願明細書中で定義される通りである。
好ましくは、R29は、水素、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルから選択される。より好ましくは、水素、フェニル、C〜Cアルキルフェニルまたはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルなどのC〜Cアルキル、さらにより好ましくはC〜Cアルキル、特にメチルから選択される。
好ましくは、R30〜R32は、それぞれ独立して、水素、本願明細書中で定義されるような低級アルキル、アリールまたはHetを表す。最も好ましくは、R30〜R32は水素を表す。上述のように、R28は、好ましくは、任意で本願明細書中で定義されるような低級アルキル、アリール、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2526、SR27またはC(O)SR27から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
28は、最も好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロパノール、iso−ブタノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノールなどのC〜Cアルカノール、フェノールおよびクロロカプリルアルコールに由来するアルキル/アリール基である。最も好ましい基は、メチルおよびエチルであり、最も特に好ましい基はメチルである。
用語「Het」には、本願明細書中で使用する場合、4〜12員の環系、好ましくは4〜10員の環系が含まれ、その環は、窒素、酸素、硫黄およびそれらの混合物から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む。前記環は、1つ以上の二重結合を含んでいてもよいし、あるいは、本質的に非芳香族、部分芳香族、または全芳香属性でもよい。前記環系は、単環式であっても、二環式であってもよく、あるいは縮合されていてもよい。本願明細書中で特定される各「Het」基は、任意で、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、低級アルキル(アルキル基自体が、任意で、以下で定義される通りに置換または終結されていてもよい)、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27またはC(S)NR2526から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。ここで、R19〜R27は、それぞれ独立して、水素、アリールまたは低級アルキル(アルキル基自体が、任意で以下で定義される通りに置換または終結されていてもよい)を表す。従って、用語「Het」には、任意で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、ピリダジニル、モルホリニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピペリジニル、ピラゾリルおよびピペラジニルなどの基が含まれる。Hetにおける置換は、Het環の炭素原子において、または該当するなら、1つ以上のヘテロ原子においてなされる。
「Het」基は、N−オキシドの形態でもよい。
用語「低級アルキル」は、本願明細書中で使用する場合、C〜C10アルキルを意味し、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびヘプチル基を含む。特記しない限り、アルキル基は、十分な数の炭素原子が存在する場合、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、環式、非環式、または部分環式/非環式であってもよい。さらに/または、前記アルキル基は、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27またはC(S)NR2526、アリールまたはHetから選択される1つ以上の置換基で置換または終結されていてもよい。ここで、R19〜R27は、それぞれ独立して、水素、アリールまたは低級アル
キルを表す。さらに/または、前記アルキル基は、1つ以上の酸素または硫黄原子で、あるいはシラノまたはジアルキルケイ素基で割り込まれていてもよい。
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、K、D、EおよびZによって表され、かつアリールおよびHetを置換できる低級アルキル基またはアルキル基は、十分な数の炭素原子が存在する場合、直鎖または分枝鎖でよく、飽和または不飽和でよく、環式、非環式、または部分環式/非環式であってもよい。さらに/または、前記低級アルキル基またはアルキル基は、1つ以上の酸素または硫黄原子で、あるいはシラノまたはジアルキルケイ素基で割り込まれていてもよい。さらに/または、前記低級アルキル基またはアルキル基は、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27またはC(S)NR2526、アリールまたはHetから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。ここで、R19〜R27は、それぞれ独立して、水素、アリールまたは低級アルキルを表す。
同様に、式Iの化合物においてR、A、BおよびJ(存在するなら)が表す用語「低級アルキレン」には、本願明細書中で使用される場合、基の上の2ヶ所において結合可能であり、その他の点については「低級アルキル」と同様に定義されるC〜C10基が含まれる。
上述の基を置換または終結できるハロ基には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれる。
本願明細書中の式(例えば、式I〜IV)に属する化合物が、アルケニル基を含む場合には、シス(E)およびトランス(Z)異性が生じる可能性もある。本発明には、本願明細書中で定義されるいずれかの式に属する化合物の個々の立体異性体、該当するなら、その個々の互変異性体、ならびにそれらの混合物が含まれる。ジアステレオ異性体、またはシスおよびトランス異性体の分離は、従来の技術によって、例えば、前記式のうちに1つの化合物の立体異性混合物、または適当なその塩もしくは誘導体の分別晶析、クロマトグラフィーまたはHPLCによって行なうことができる。前記式のうちの1つの化合物の個々のエナンチオマーは、対応する光学的に純粋な中間体から調製してもよいし、または、適当なキラル担体を使用する対応するラセミ化合物のHPLCによるような分割によって調製してもよく、あるいは、該当するなら、対応するラセミ化合物と適当な光学的に活性な酸または塩基との反応によって形成されるジアステレオ異性体の塩の分別晶析によって調製することもできる。
すべての立体異性体が、本発明方法の範囲に包含される。
当業者は、式Iの化合物(b)が、VIII B属金属またはその化合物(a)に配位し、本発明で使用するための化合物を形成する配位子として機能できることを認識するであろう。典型的には、VIII B属金属またはその化合物(a)は、式Iの化合物中の1個または複数のリン、ヒ素および/またはアンチモン原子に配位する。
好ましくは、R〜R、R13〜R18、およびR28は、それぞれ独立して、低級アルキルまたはアリールを表す。より好ましくは、R〜R、R13〜R18、およびR28は、それぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルフェニル(ここで、該フェニル基は、任意で本願明細書中で定義される通りに置換されていてもよい)またはフェニル(ここで、該フェニル基は、任意で本願明細書中で定義される通りに置換されていてもよい)を表す。さらにより好ましくは、R〜R、R13〜R18、およびR28は、それぞれ独立して、C〜Cアルキルを表し、該アルキルは、任意で本願明
細書中で定義される通りに置換されていてもよい。最も好ましくは、R〜R、R13〜R18、およびR28は、それぞれ、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルなどの非置換C〜Cアルキルを表す。
代わりに、または加えて、R〜R、R〜R、R13〜R15またはR16〜R18の基の各々は、独立して、一緒になって、1−ノルボルニルまたは1−ノルボルナジエニルなどの環状構造物を形成し得る。複合基のさらなる例には、R〜RおよびR13〜R18の間で形成される環状構造物が含まれる。これに代わって、1つ以上の基は、配位子が結合している固相を表すこともできる。
本発明の特に好ましい実施形態において、R、R、R13およびR16は、それぞれ、本願明細書中で定義されるような同一の低級アルキル、アリールまたはHet部分を表す。R、R、R14およびR17は、それぞれ、本願明細書中で定義されるような同一の低級アルキル、アリールまたはHet部分を表す。R、R、R15およびR18は、それぞれ、本願明細書中で定義されるような同一の低級アルキル、アリールまたはHet部分を表す。より好ましくは、R、R、R13およびR16は、それぞれ、同一のC〜Cアルキル、特に、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルなどの非置換C〜Cアルキルを表す。R、R、R14およびR17は、それぞれ独立して、上記で定義したような同一のC〜Cアルキルを表し、R、R、R15およびR18は、それぞれ独立して、上記で定義した通りの同一のC〜Cアルキルを表す。例えば、R、R、R13およびR16は、それぞれメチルを表し、R、R、R14およびR17は、それぞれエチルを表し、R、R、R15およびR18は、それぞれn−ブチルまたはn−ペンチルを表す。
本発明の特に好ましい実施形態において、R〜R、R13〜R18、およびR28基は、本願明細書中で定義されるような同一の低級アルキル、アリール、またはHet部分を表す。好ましくは、アルキル基である場合には、各R〜R、R13〜R18は、同一のC〜Cアルキル基、特に、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルなどの非置換C〜Cアルキルを表す。最も好ましくは、各R〜R、R13〜R18およびR28は、メチルを表す。
式Iの化合物において、好ましくは、各Q、QおよびQは(存在するなら)同一である。最も好ましくは、各Q、QおよびQは(存在するなら)リンを表す。
好ましくは、式Iの化合物において、R(アルキレンの場合)、A、BおよびJ(存在する場合)は、それぞれ独立して、本願明細書中で定義されるように、例えば低級アルキル基で任意に置換されていてもよいC〜Cアルキレンを表す。好ましくは、R(アルキレンの場合)、A、BおよびJ(存在する場合)が表す低級アルキレン基は、非置換である。A、BおよびJが独立して表すことができる特に好ましい低級アルキレンは、−CH−または−C−を表す。最も好ましくは、A、BおよびJ(存在する場合)の各々は、本願明細書中で定義されるような同一の低級アルキルを、特に−CH−を表す。Rにより表され得る特に好ましい低級アルキレンは、エチレン(−C−)、プロピレン(−C−)およびブチレン(−C−)から、より好ましくはエチレンまたはプロピレンから、最も好ましくはプロピレンから選択できる。
好ましくは、式Iの化合物において、K、D、EまたはZが、−J−Q(CR13(R14)(R15))CR16(R17)(R18)を表さない場合には、K、D、EまたはZは、水素、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルを表す。より好ま
しくは、K、D、EまたはZは、水素、フェニル、C〜Cアルキルフェニル、またはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルなどのC〜Cアルキルを表す。最も好ましくは、K、D、EまたはZは、水素を表す。
好ましくは、式Iの化合物において、K、D、EおよびZが、それらが結合しているアリール環の炭素原子と共に、フェニル環を形成していない場合には、K、D、EおよびZは、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルを表す。より好ましくは、K、D、EおよびZは、それぞれ独立して、水素、フェニル、C〜Cアルキルフェニル、またはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルなどのC〜Cアルキルを表す。さらにより好ましくは、K、D、EおよびZは、同一の置換基を表す。最も好ましくは、それらは水素を表す。
好ましくは、式Iの化合物において、K、D、EまたはZが、−J−Q(CR13(R14)(R15))CR16(R17)(R18)を表さず、かつK、D、EおよびZは、それらが結合しているアリール環の炭素原子と共に、フェニル環を形成していない場合には、K、D、EおよびZの各々は、水素、本願明細書中で定義されるような低級アルキル、アリール、またはHetから選択される同一の基、詳細には水素またはC〜Cアルキル(より詳細には、非置換C〜Cアルキル)、特に水素を表す。
好ましくは、式Iの化合物において、K、D、EおよびZの中の2つは、それらが結合しているアリール環の炭素原子と共に、フェニル環を形成している場合には、該フェニル環は、任意で、アリール、低級アルキル(該アルキル基は、それ自体、任意で以下で定義される通りに置換または終結されていてもよい)、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27またはC(S)NR2526から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。ここで、R19〜R27は、それぞれ独立して、水素または低級アルキル(該アルキル基は、それ自体、任意で以下で定義される通りに置換または終結されていてもよい)を表す。より好ましくは、フェニル環は、いかなる置換基でも置換されていない。すなわち、該フェニル環は水素原子のみを保持する。
式Iの好ましい化合物としては、
AおよびBが、それぞれ独立して非置換のC〜Cアルキレンを表し、
K、D、ZおよびEは、それぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルキルフェニルまたは−J−Q(CR13(R14)(R15))CR16(R17)(R18)(式中、Jは非置換C〜Cアルキレンを表す)表すか、あるいは、K、D、ZおよびEの中の2つは、それらが結合しているアリール環の炭素原子と共に、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルから選択される1つ以上の置換基で任意で置換されていてもよいフェニル環を形成している、化合物が挙げられる。
〜RおよびR13〜R18は、それぞれ独立して、C〜Cアルキル、フェニルまたはC〜Cアルキルフェニルを表す。
式Iのさらに好ましい化合物としては、
AおよびBが、双方とも−CH−またはCを、特にCHを表し、
K、D、ZおよびEが、それぞれ独立して、水素、C〜Cアルキルフェニル、C〜Cアルキルまたは−J−Q(CR13(R14)(R15))CR16(R17)(R18)(式中、JはAと同一である)を表すか、あるいは、K、D、EおよびZの中の2つは、それらが結合しているアリール環の炭素原子と共に、非置換のフェニル環を形成しており、
〜RおよびR13〜R18は、それぞれ独立して、C〜Cアルキルを表す、
化合物が挙げられる。
式Iの一層さらに好ましい化合物としては、
〜RおよびR13〜R18は、アルキレンであり、かつ同一であり、かつそれぞれが、C〜Cアルキルを、特にメチルを表す、化合物が挙げられる。
式Iの一層さらに好ましい化合物としては、
K、D、ZおよびEが、それぞれ独立して、水素またはC〜Cアルキルからなる群から選択され、特に、K、D、ZおよびEのそれぞれが同一の基を表し、特にK、D、ZおよびEのそれぞれが水素を表すか、あるいは、
Kが、−CH−Q(CR13(R14)(R15))CR16(R17)(R18)を表し、D、ZおよびEが、それぞれ独立して、水素またはC〜Cアルキルからなる群から選択され、詳細にはDおよびEの双方が同一の基を表し、特にD、ZおよびEが水素を表す、化合物が挙げられる。
式Iの特に好ましい具体的な化合物としては、
〜Rのそれぞれが、同一であり、かつメチルを表し、
AおよびBが、同一であり、かつ−CH−を表し、
K、D、ZおよびEが、同一であり、かつ、水素を表す、化合物が挙げられる。
本発明は、本発明で定義するような触媒化合物の存在下で、ビニルエステルを一酸化炭素およびアルカノールと接触させることを含む、ビニルエステルのカルボニル化方法を提供する。
適切には、アルカノールとしては、ヒドロキシル官能基を有する有機分子が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシル官能基を有する有機分子は、分枝鎖または直鎖でよく、本願明細書中で定義したような低級アルキル、アリール、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)NR2526、SR27またはC(O)SR27から選択される1つ以上の置換基で任意で置換されていてもよいアルカノール、特にアリールアルカノールを含むC〜C30アルカノールからなる。極めて好ましいアルカノールは、メタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロパノール、iso−ブタノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノールなどのC〜Cアルカノール、フェノールおよびクロロカプリルアルコールである。モノアルカノールが最も好ましいが、好ましくは、ジオール、トリオール、テトラオールおよび糖類などのジオール〜オクタオールから選択される多価アルカノールも利用できる。典型的には、このような多価アルカノールは、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ペンタエリスリトール、1,1,1−トリ(ヒドロキシメチル)エタン、マンノース(nannose)、ソルボース(sorbase)、ガラクトースおよびその他の糖類から選択される。好ましい糖としては、スクロース、フルクトースおよびグルコースが挙げられる。特に好ましいアルカノールは、メタノールおよびエタノールである。最も好ましいアルカノールはメタノールである。
アルコールの量は、それほど重要ではない。一般に、カルボニル化される予定のビニルエステル化合物に対して過剰な量を使用する。従って、所望であれば別の溶媒を使用することもできるが、アルコールは、反応溶媒としても機能し得る。
反応の最終生成物は、使用したアルカノールの供給源によって少なくとも部分的には決定されることを理解できるであろう。メタノールを使用すると、好都合なことに、2−ア
セトキシプロパン酸メチルまたは3−アセトキシプロパン酸メチルが生成する。
本発明による方法において、一酸化炭素は、純粋な状態で、あるいは窒素、二酸化炭素などの不活性ガス、またはアルゴンなどの貴ガスで希釈して使用できる。少量の、典型的には5容量%未満の水素が存在していてもよい。
ビニルエステルのアルカノールに対する比率(容積/容積)は、広い範囲内で変化することができ、適切には、1:0.1〜1:10、好ましくは2:1〜1:2の範囲、およびアルカノールが反応溶媒を兼ねている場合には、50:1までのアルカノール過剰など、アルカノールが大過剰であってもよい。
ビニルエステルのカルボニル化方法で使用される本発明の触媒の量は、それほど重要ではない。好ましくは、VIII B属金属の量が、ビニルエステル1モル当たり、10−7〜10−1モル、より好ましくは10−6〜10−2モル、最も好ましくは10−5〜10−2モルの範囲である場合に、良好な結果を得ることができる。好ましくは、不飽和化合物に対する式Iの二座化合物の量は、ビニルエステル1モル当たり、10−7〜10−1モル、より好ましくは10−6〜10−2モル、最も好ましくは10−5〜10−2モルの範囲である。
本発明にとって必須ではないが、適切には、本願明細書中で定義されるビニルエステルのカルボニル化は、1種または複数の非プロトン性溶媒中で実施され得る。適切な溶媒としては、例えばメチルブチルケトンなどのケトン類;例えばアニソール(メチルフェニルエーテル)、2,5,8−トリオキサノナン(ジグライム)、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびジエチレングリコールのジメチルエーテルなどのエーテル類;例えば酢酸メチル、アジピン酸ジメチル、安息香酸メチル、フタル酸ジメチルおよびブチロラクトンなどのエステル類;例えばジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびジメチルホルムアミドなどのアミド類、例えばジメチルスルホキシド、ジイソプロピルスルホン、スルホラン(テトラヒドロチオフェン−2,2−ジオキシド)、2−メチルスルホラン、ジエチルスルホン、テトラヒドロチオフェン1,1−ジオキシドおよび2−メチル−4−エチルスルホランなどのスルホキシド類およびスルホン類;例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼンなどの化合物のハロ変異体を含む芳香族化合物類;例えばヘキサン、ヘプタン、2,2,3−トリメチルペンタン、塩化メチレンおよび四塩化炭素などの化合物のハロ変異体を含むアルカン類;例えばベンゾニトリルおよびアセトニトリルなどのニトリル類が挙げられる。
298.15Kおよび1×10Nm−2において、50未満の値、より好ましくは3〜8の範囲である比誘電率を有する非プロトン性溶媒は極めて適切である。この文脈において、所定の溶媒に対する比誘電率は、誘電体としてその物質を用いたコンデンサーの容量と誘電体として真空を用いた同一コンデンサーの容量の比率を表す、通常の意味で使用される。一般的な有機液体の比誘電率値は、デービッド.アール.ライド(David R.Lide)ら編、「Handbook of Chemistry and Physics」第76版、CRCプレス発行、1995年などの一般的参考書中で見出すことができる。そのような比誘電率値は、通常、20℃または25℃、すなわち約293.15Kまたは298.15K、および大気圧、すなわち約1×10Nm−2に対して示されているか、あるいは、示されている換算係数を用いてその温度および圧力に容易に換算できる。特定の化合物に関する文献データが入手できない場合には、確立された物理化学的方法を使用して、比誘電率を容易に測定できる。
例えば、アニソールの比誘電率は4.3(294.2Kにおいて)であり、ジエチルエーテルの比誘電率は4.3(293.2Kにおいて)であり、スルホランの比誘電率は43.4(303.2Kにおいて)であり、ペンタン酸メチルの比誘電率は5.0(293.2Kにおいて)であり、ジフェニルエーテルの比誘電率は3.7(283.2Kにおいて)であり、アジピン酸ジメチルの比誘電率は6.8(293.2Kにおいて)であり、テトラヒドロフランの比誘電率は7.5(295.2Kにおいて)であり、ノナン酸メチルの比誘電率は3.9(293.2Kにおいて)である。好ましい溶媒はアニソールである。
アルカノールにより、ビニルエステル、一酸化炭素およびアルカノールからの、エステルのカルボニル化生成物は非プロトン性溶媒であるので、反応により、非プロトン性溶媒が生成する。
工程は、過剰の非プロトン性溶媒中で、すなわち少なくとも1:1の非プロトン性溶媒とアルカノールの比率(v/v)で実施することができる。好ましくは、この比率は、1:1〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1の範囲である。最も好ましくは、比率(v/v)が、1.5:1〜3:1の範囲である。
前述に拘わらず、反応は、なんらかの外から添加された非プロトン性溶媒、すなわち、反応自体によって生じたのではない非プロトン性溶媒が存在しない状態で実施されることが好ましい。
本発明の触媒化合物は、「不均一系」触媒または「均一系」触媒として機能し得る。
用語「均一系」触媒は、好ましくは本願明細書中に記載したような適切な溶媒中で、担持はされないが、カルボニル化反応の反応物(例えば、ビニルエステル、ヒドロキシル含有化合物および一酸化炭素)と簡単に混合される、またはカルボニル化反応の反応物を用いてイン・シチュで形成される触媒、すなわち本発明の化合物を意味する。
用語「不均一系」触媒によって、本発明者らは、担体上に保持される触媒、すなわち本発明の化合物を指している。
従って、さらなる態様によれば、本発明は、ビニルエステルの本願明細書中で定義されるようなカルボニル化方法を提供する。該方法は、担体、好ましくは不溶性担体を含む触媒を用いて実施される。
好ましくは、担体は、ポリマー、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー(ジビニルベンゼンコポリマーなど)、あるいは当業者に周知のその他の適切なポリマーまたはコポリマー、ケイ素誘導体(官能化シリカ、シリコーンまたはシリコーンゴム)、あるいはその他の多孔性微粒子状材料(例えば無機酸化物および無機塩化物など)を含む。
好ましくは、担体材料は、10〜700m/gの範囲の表面積、0.1〜4.0cc/gの範囲の全細孔容積、および10〜500μmの範囲の平均粒子径を有する多孔性シリカである。より好ましくは、表面積は50〜500m/gの範囲であり、細孔容積は0.5〜2.5cc/gの範囲であり、かつ平均粒子径は20〜200μmの範囲である。最も好ましくは、表面積は100〜400m/gの範囲であり、細孔容積は0.8〜3.0cc/gの範囲であり、かつ平均粒子径は30〜100μmの範囲である。典型的な多孔性担体材料の平均細孔径は、10〜1000オングストロームの範囲である。好ましくは、50〜500オングストロームの、最も望ましくは75〜350オングストロームの平均細孔直径を有する担体材料が使用される。100℃〜800℃の温度で3〜24時間にわたって、シリカを脱水することが特に望ましいこともある。
適切には、担体は、柔軟性のあるものでも、堅い担体でもよく、不溶性担体を、当業者に周知の技術により、本発明方法の化合物で被覆および/または含浸する。
別法として、本発明方法の化合物は、任意で共有結合によって、不溶性担体の表面に固定され、その配置には、任意で、化合物を不溶性担体から離間するための二官能性スペーサー分子が含まれる。
本発明の化合物は、式Iの化合物中に存在する官能基、例えば、アリール部分の置換基であるK、D、ZおよびEと、担体上に存在するかまたは担体中に前以て挿入された相補的反応性基との反応を促進することによって、不溶性担体の表面に固定され得る。担体の反応性基を本発明の化合物の相補的置換基と組み合わせることにより、本発明の化合物と担体とが、エーテル、エステル、アミド、アミン、ウレア、ケト基などの連結部によって連結された不均一系触媒が得られる。
本発明の方法の化合物を担体に連結するための反応条件の選択は、ビニルエステルおよび担体の基によって決まる。例えば、カルボジイミド、1,1’−カルボニルジイミダゾールなどの試薬、および混合無水物の使用、還元アミノ化の使用などの方法が採用され得る。
さらなる態様によれば、本発明は、触媒が担体に結合している、本発明のいずれかの態様の方法の使用を提供する。
特に好ましいのは、有機基R、R、R、R、R、R、またはR13〜R18が、それらの各炭素原子と会合した場合に、少なくともt−ブチルと同程度に立体障害を生じる複合基を形成する場合である。この状況における立体障害は、1981年Chapman and Hall出版、シー.マスターズ(C Masters)著、「Homogenous Transition Metal Catalysis−A Gentle Art」の14頁以降で考察されている通りである。これらの立体基は、環状、部分環状または非環状であり得る。環状または部分環状である場合には、その基は、置換されていても、または非置換であってもよく、飽和であっても、または不飽和であってもよい。環状または部分環状の基は、その環状構造中に、第三級炭素原子を含む、C〜C30の、より好ましくはC〜C20の、最も好ましくはC10〜C15の炭素原子を含み得る。環状構造は、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27、C(S)NR2526、アリールまたはHetから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。前記式中、R19〜R27は、それぞれ独立して、水素、アリールまたは低級アルキルを表し、かつ/または1つ以上の酸素または硫黄原子によって、あるいはシラノまたはジアルキルケイ素基によって割り込まれている。
架橋基Arは、アリール部分、例えば、フェニル基であり、それらは、任意で置換されていてもよく、但し、2つのリン原子は、隣接する炭素原子に、例えばフェニル基の1および2位において結合している。さらに、アリール部分は、縮合多環基、例えばナフタレン、ビフェニレンまたはインデンであり得る。
適切な二座配位子の例には、1,2−ビス(ジ−2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})フェロセン、1,2−ビス(ジ−2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})ベンゼン、1,2,3−トリス−(ジ−2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})フェロセン、1−(2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル}ホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)ベンゼン、1−(2{1
,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル}ホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)ベンゼン、1,2−ビス(ジ−2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})ナフタレン、1,2−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)エタン(DPA2)、1,3−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}−デシル)プロパン(DPA3)、1,2−P,P’−ジ−ペルフルオロ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}−デシル)エタン、1,3−P,P’−ジ−ペルフルオロ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−プロパン、1,2−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)エタンおよび1,3−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)プロパンがあり、DPA3が最も好ましい。
さらに、二座ホスフィンは、架橋基Ar、連結基Aまたは連結基Bの中の少なくとも1つを介して適切な高分子基材に結合可能であり、例えばビス(ジ−2−{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノ})−o−キシレンは、キシレン基を介してポリスチレンに結合して、固定化不均一系触媒を与え得る。
二座配位子の使用量は、広い範囲内で変化し得る。好ましくは、二座配位子は、存在する二座配位子のモル数と、存在するVIII 属金属のモル数との比率が、金属1モル当たり、1〜50モル、例えば1〜10モル、特に1〜5モルとなるような量で存在する。より好ましくは、式Iの化合物とVIII B属金属とのモル:モルの範囲が、1:1〜3:1の範囲、最も好ましくは1:1〜1.5:1の範囲である。好都合なことに、これらの低いモル比率を適用することが可能であると、式Iの化合物の過剰な使用が回避されることによって、これらの通常は高価である化合物の消費量が最小限となるので有利である。適切には、本発明の触媒は、ビニルエステルのカルボニル化反応における、イン・シチュでのそれらの使用に先立つ別個の工程で調製される。
好都合なことに、本発明の方法は、本願明細書中で定義されたVIII B属金属またはその化合物を、アルカノールまたは前述の非プロトン性溶媒の1種などの適切な溶媒(特に好ましい溶媒は特定のカルボニル化反応のエステルまたは酸生成物、例えば、酢酸ビニルのカルボニル化であれば乳酸メチル)中に溶解すること、および続いて本願明細書中で定義された式Iの化合物と混合することによって実施され得る。
一酸化炭素は、反応に不活性であるその他の気体の存在下で使用され得る。このような気体の例には、水素、窒素、二酸化炭素およびアルゴンなどの貴ガスが含まれる。
反応で使用されるビニルエステルの量のアルカノールの量に対するモル比は、それほど重要ではなく、広い範囲、例えば0.001:1〜100:1モル/モルの範囲で変更できる。
反応生成物は、なんらかの適切な手段によりその他の成分から分離され得る。しかしながら、本発明方法の利点は、一般に著しく高い選択性からも明らかなように、副生物の形成が極めて少ないことによって、生成物を最初に分離した後のさらなる精製の必要性が低減されることにある。さらなる利点は、触媒系を含有するその他の成分を、新品触媒の最小の補充で、さらなる反応において再循環および/または再使用できることである。
好ましくは、カルボニル化は、−10℃〜150℃、より好ましくは0℃〜140℃、最も好ましくは20℃〜120℃の温度で実施される。特に好ましい温度は、80℃〜120℃から選択される温度である。有利には、カルボニル化は、中程度の温度で実施できる。室温(20℃)で反応を実施し得ることは、特に有利である。
好ましくは、低温でのカルボニル化を行なう場合には、カルボニル化は、−30℃〜49℃、より好ましくは−10℃〜45℃、さらにより好ましくは0℃〜45℃、最も好ましくは10℃〜45℃で実施される。特に好ましいのは10℃〜35℃の範囲である。
好ましくは、カルボニル化は、0.80×10N.m−2〜90×10N.m−2、より好ましくは1×10N.m−2〜65×10N.m−2、最も好ましくは1〜30×10N.m−2のCO分圧で実施される。特に好ましいのは5〜20×10N.m−2のCO分圧である。
好ましくは、低圧カルボニル化も考慮される。好ましくは、低圧カルボニル化を行なう場合には、カルボニル化は、0.1〜5×10N.m−2、より好ましくは0.2〜2×10N.m−2、最も好ましくは0.5〜1.5×10N.m−2のCO分圧で実施される。
本発明の触媒系は、好ましくは、1種または複数の反応物によって、または適切な溶媒の使用によって形成され得る液相中において構成される。
前述のように、酢酸ビニルは、置換されていても非置換であってもよい。そかしながら、酢酸ビニルは非置換であるのことが好ましい。
触媒系と一緒に安定化化合物を使用することも、触媒系から失われている金属の回収率を向上させるのに有益であり得る。液状の反応媒質中で触媒系を利用する場合には、このような安定化化合物は、VIII B属金属の回収を援助し得る。
従って、好ましくは、触媒系は、液体反応媒質中において、液体キャリア中に溶解された高分子分散剤を含み、該高分子分散剤は、液体キャリア内において、触媒系のVIII
B属金属または金属化合物の粒子のコロイド状懸濁液を安定化することができる。
液体反応媒質は、反応用溶媒でもよいし、または1種もしくは複数の反応物、あるいは反応生成物自体を含んでいてもよい。液体の形態の反応物および反応生成物は、溶媒または液体希釈剤と混和可能であってもよいし、あるいはそれらの中に溶解していてもよい。
高分子分散剤は、液体反応媒質に可溶であるが、反応媒質の粘度を、反応速度論または熱伝導に対して不利益を与えるように、著しく増加させてはならない。反応条件下の温度および圧力における液体媒質に対する分散剤の溶解度は、分散剤分子の金属粒子上への吸着を著しく阻止するほど大きくてはならない。
高分子分散剤は、液体反応媒質内で前記VIII B属金属または金属化合物粒子のコロイド状懸濁液を安定化することができ、それにより、触媒の分解の結果として形成される金属粒子は、液体反応媒質中に懸濁状で保持され、再生のため、および場合によってはさらなる量の触媒の調製における再使用のために、液体と一緒に反応器から排出され得る。金属粒子は、通常、コロイドの大きさ、例えば5〜100nmの範囲の平均粒径を有するが、より大きな粒子が生じる場合もある。高分子分散剤の一部は、金属粒子の表面に吸着されるが、残りの分散剤分子は、液体反応媒質で少なくとも部分的に溶媒和される。かくして、分散されたVIII B金属粒子は、反応器壁へのまたは反応器デッドスペースでの沈降、および粒子の衝突によって成長し、最終的に凝析する可能性のある金属粒子の
集塊物の形成に対して安定化される。適切な分散剤の存在下でさえ、粒子の若干の集塊が起こる可能性はあるが、分散剤の種類および濃度を最適化すると、このような集塊は、比較的低レベルになるはずであり、集塊物は、緩いものとなり、その結果、撹拌によって、それらの集塊物を崩し、粒子を再分散することができる。
高分子分散剤としては、グラフトポリマーおよび星状ポリマーなどのポリマーを含む、ホモポリマーまたはコポリマーを挙げることができる。
好ましくは、高分子分散剤は、前記のVIII B属金属または金属化合物のコロイド状懸濁液を実質的に安定化するのに十分な酸性または塩基性官能基を有する。
実質的に安定化するとは、溶液相からのVIII B属金属の析出を実質的に回避することを意味する。
この目的に関して特に好ましい分散剤としては、ポリアクリレート、または複素環、特に窒素複素環、ポリビニルピロリドンなどの置換ポリビニルポリマー、または前述のコポリマーなど、カルボン酸、スルホン酸、アミンおよびアミドを含む酸性または塩基性ポリマーが挙げられる。
このような高分子分散剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ−L−ロイシン、ポリ−L−メチオニン、ポリ−L−プロリン、ポリ−L−セリン、ポリ−L−チロシン、ポリ(ビニルベンゼンスルホン酸およびポリ(ビニルスルホン酸)から選択され得る。
好ましくは、高分子分散剤は、ペンダントとしてまたはポリマー骨格内に、酸性または塩基性部分を組み込んでいる。好ましくは、酸性部分は、6.0未満の、より好ましくは5.0未満の、最も好ましくは4.5未満の解離定数(pK)を有する。好ましくは、塩基性部分は、6.0未満の、より好ましくは5.0未満の、最も好ましくは4.5未満の塩基解離定数(pK)を有し、pKおよびpKは、希薄水溶液中、25℃で測定される。
適切な高分子分散剤は、反応条件で反応媒質に可溶であることに加え、ポリマー骨格内に、またはペンダント基として少なくとも1種の酸性または塩基性部分を含む。本発明者らは、ポリビニルピロリドン(PVP)、およびポリアクリル酸(PAA)のようなポリアクリレートなど、酸およびアミド部分を組み込んだポリマーが、特に適切であることを見出した。本発明で使用するのに適したポリマーの分子量は、反応媒質の性質および反応媒質に対するポリマーの溶解度によって決まる。本発明者らは、通常的には、前記平均分子量は、100,000未満であることを見出した。好ましくは、平均分子量は、1,000〜200,000、より好ましくは5,000〜100,000、最も好ましくは10,000〜40,000の範囲である。例えば、PVPを使用する場合には、Mwは、好ましくは10,000〜80,000、より好ましくは20,000〜60,000の範囲であり、PAAの場合には、1,000〜10,000程度である。
反応媒質内における分散剤の有効濃度は、使用する予定である各反応/触媒系ごとに決定すべきである。
分散されたVIII B属金属は、反応器から取り出される液体流から例えば濾過によって回収され、次いで、廃棄するか、あるいは触媒としての再使用またはその他の応用に向けて処理することができる。連続法では、液体流を、外部熱交換器を通って循環させることができ、このような場合には、これらの循環装置中にパラジウム粒子用の濾過器を設置するのが好都合であり得る。
好ましくは、ポリマー:金属の質量比(g/g)は、1:1〜1000:1、より好ましくは1:1〜400:1、最も好ましくは1:1〜200:1である。好ましくは、ポリマー:金属の質量比(g/g)は、1000まで、より好ましくは400まで、最も好ましくは200までである。
<1,2−ビス−(ジ−(1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−2−ホスファ−アダマンチルメチル))フェロセンの調製>
1,3,5,7−テトラメチル−2,4,8−トリオキサ−6−ホスファ−アダマンタン(Cytecから入手、14.0g、0.066モル)を、1,2−ビス(ジメチルアミノメチル)フェロセン(実施例1、10g、0.033モル)の無水酢酸(100ml)溶液に窒素下で添加し、得られた混合物を80℃で72時間撹拌する。無水酢酸を約70℃で真空下に除去し、橙色/黄色固体として標記の粗生成物を得る。これを熱メタノールで洗浄し、橙色固体として異性体の混合物としての生成物を得る(12.0g、58%)。
H−NMR(250MHz、CDCl):δ4.25〜3.95(8H、br、m)、3.46(4H、br)、1.57〜2.0(8H、br、m)、1.43〜1.23(24H、br、m)。
31P−NMR(101MHz、CDCl):δ−27.41(br)、−29.01(s)、−33.9(br)ppm。
元素分析:実測値:C:57.80%、H:7.35%、計算値:C:57.87%、H:7.40%。
<1,2−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ[3.3.1.1[3,7]デシル]−メチレン−ベンゼンの合成>
(合成工程1)
2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ[3.3.1.1{3.7}]デカンヒドリド(H−PA)(13g、60ミリモル)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に、三水素化ホウ素の1Mテトラヒドロフラン溶液(73ミリモル)を0℃で5分間に渡って添加した。室温(20℃)で4時間撹拌した後、溶媒を除去し、粗生成物を最小限の熱テトラヒドロフラン(20ml)から再結晶し、ヘキサン(2×5ml)で洗浄し、無色の結晶として2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ[3.3.1.1[3,7]]デカンボラン(H−PA.BH)を得た。濾液を熱テトラヒドロフラン(7ml)から再結晶することによってさらなる生成物を得た。H−PA.BHの収率は、H−PAに基づいて86%であった。
(合成工程2)
H−PA.BH(3.67g、16ミリモル)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に、ヘキシルリチウム(6.4ml(2.5M)、16ミリモル)を−75℃で添加した。1時間撹拌した後、α,α’−ジブロモ−o−キシレン(2.1g、8ミリモル)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液を−75℃で添加し、室温まで戻した。3時間後、ジエチルアミン(3ml、28ミリモル)を添加し、反応物を2時間還流した。冷却後、溶媒を除去し、粗生成物をトルエン(60ml)に溶解し、水(4×40ml)で洗浄した。溶媒を除去し、白色固体として1,2−P,P−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ[3.3.1.1{3.7}デシル]−メチレン−ベンゼンを得た(3.9g、91%)(NMRの同定に関しては、2
000年4月にブリストル大学に提出されたロバート.プー(Robert Pugh)による論文を参照されたい)。ジホスフィンは、メタノールからの再結晶によってさらに精製されてもよい。
<酢酸ビニルのカルボニル化>
1,2−ビス(ジ−2{1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})フェロセン(FePA)(金属:配位子:酸の比率(M:L:A)=1:1.25:2)
標準的条件は次の通りである。無酸素(O2<10ppm)環境において、Pd(OAc)(134.7mg、0.6ミリモルPd)および1,2−ビス(ジ−2{1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})フェロセン(492.3mg、0.75ミリモル)を500ml丸底フラスコ中で秤量した。窒素による保護的環境下で、このフラスコに300mlの脱気メタノールを添加し、溶液を1時間撹拌した。次いで、メタンスルホン酸(77.9μl、1.2ミリモル)を添加し、50mlの脱ガスした酢酸ビニル(VAM)を添加した。この溶液を、真空下でオートクレーブに入れ、10バールのCOを添加したら60℃まで加熱し、溶液を3時間反応させた。次いで、溶液を冷却し、圧力を開放し、オートクレーブを空にした。分析用にGCサンプルを採取した。
Figure 2008501005
1,2−ビス−(ジ−2{1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})ベンゼン(XylyPA)(M:L:A=1:1.25:2)
標準的条件は次の通りである。無酸素(O2<10ppm)環境において、Pd(OAc)(134.7mg、0.6ミリモルPd)および1,2−ビス(ジ−2{1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})ベンゼン(411.4mg、0.75ミリモル)を500ml丸底フラスコ中で秤量した。窒素による保護的環境下で、このフラスコに300mlの脱気メタノールを添加し、溶液を1時間撹拌した。次いで、メタンスルホン酸(77.9μl、1.2ミリモル)を添加し、50mlの脱気した酢酸ビニル(VAM)を添加した。この溶液を、真空下でオートクレーブに入れ、10バールのCOを添加したら60℃まで加熱し、溶液を3時間反応させた。次いで、溶液を冷却し、圧力を開放し、オートクレーブを空にした。分析用にGCサンプルを採取した。
Figure 2008501005
カルボニル化の生成物を蒸留した後、2−アセトキシプロピオン酸メチルおよび3−アセトキシプロピオン酸メチルを異なる留出物として回収した。
<乳酸エステルおよび3−ヒドロキシエステルの製造>
(3−ヒドロキシプロピオン酸メチルの調製)
25gの3−アセトキシプロピオン酸メチル(0.171モル)に、1(w/w)%のメタンスルホン酸を含有する25gのMeOH(0.78モル)を添加した。この溶液を60℃で6時間撹拌した後、室温まで冷却した。サンプルをGCで分析すると、3−アセトキシプロピオン酸メチルに相当するピークが完全に消失し、3−ヒドロキシプロピオン酸メチルに相当するピークで置き替えられていた。
(2−ヒドロキシプロピオン酸メチルの調製)
25gの2−アセトキシプロピオン酸メチル(0.171モル)に、1(w/w)%のメタンスルホン酸を含有する25gのMeOH(0.78モル)を添加した。この溶液を60℃で6時間撹拌した後、室温まで冷却した。サンプルをGCで分析すると、2−アセトキシプロピオン酸メチルに相当するピークが完全に消失し、2−ヒドロキシプロピオン酸メチルに相当するピークで置き替えられていた。
(2−ヒドロキシプロピオン酸(乳酸)の調製)
25gの2−アセトキシプロピオン酸メチル(0.171モル)に25gのMeOHを添加した。撹拌されたこの溶液に、20mlの水に溶解した20gの水酸化ナトリウム(0.5モル)を添加した。この溶液を50℃で1時間撹拌した後、室温まで冷却した。次いで、溶液のpHを、HClを徐々に添加することによってpH3.0に調整し、サンプルを1時間撹拌した。サンプルをGCで分析すると、2−アセトキシプロピオン酸メチルに相当するピークが完全に消失し、2−ヒドロキシプロピオン酸に相当するピークで置き替えられていた。
(3−ヒドロキシプロピオン酸の調製)
25gの3−アセトキシプロピオン酸メチル(0.171モル)に25gのMeOHを添加した。撹拌されたこの溶液に、20mlの水に溶解した20gの水酸化ナトリウム(0.5モル)を添加した。この溶液を50℃で1時間撹拌した後、室温まで冷却した。次いで、溶液のpHを、HClを徐々に添加することによってpH3.0に調整し、サンプルを1時間撹拌した。サンプルをGCで分析すると、3−アセトキシプロピオン酸メチルに相当するピークが完全に消失し、3−ヒドロキシプロピオン酸に相当するピークで置き替えられていた。
読者の関心は、本出願に関連して、本願明細書と同時にまたは本願明細書に先立って提出され、かつ本願明細書と共に公衆の閲覧のために開示されているすべての論文および文献に向けられており、すべてのこのような論文および文献の内容を参照により本願明細書に援用する。
本願明細書(付随する特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)で開示された特徴のすべて、および/またはそのように開示された任意の方法または処理の工程のすべては、このような特徴および/または工程の少なくとも幾つかが、相互に両立しない場合を除いて、任意の組合せで併用できる。
本願明細書(付随する特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)で開示されたそれぞれの特徴は、明白に特記しない限り、同一の、等価のまたは類似の目的に役立つ替りの特徴で置き替えることができる。従って、明白に特記しない限り、開示されたそれぞれの特徴は、包括的な一連の等価または類似の特徴の一例に過ぎない。
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本願明細書(付随する特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示された特徴の、任意の新規な1つ、または任意の新規な組合せに、またはそのように開示された任意の方法または処理の工程の、任意の新規な1つ、または任意の新規な組合せに及ぶ。
適切な二座配位子の例には、1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)フェロセン、1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)ベンゼン、1,2,3−トリス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)フェロセン、1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)ベンゼン、1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)ナフタレン、1,2−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)エタン(DPA2)、1,3−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)プロパン(DPA3)、1,2−P,P’−ジ−ペルフルオロ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}−デシル)エタン、1
,3−P,P’−ジ−ペルフルオロ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−プロパン、1,2−P,P’−ジ−(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)エタン、および1,3−P,P’−ジ−(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)プロパンがあり、DPA3が最も好ましい。
さらに、二座ホスフィンは、架橋基Ar、連結基Aまたは連結基Bの中の少なくとも1つを介して適切な高分子基材に結合可能であり、例えばビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−o−キシレンは、キシレン基を介してポリスチレンに結合して、固定化不均一系触媒を与え得る。
<酢酸ビニルのカルボニル化>
1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)フェロセン(FePA)(金属:配位子:酸の比率(M:L:A)=1:1.25:2)
標準的条件は次の通りである。無酸素(O2<10ppm)環境において、Pd(OAc)(134.7mg、0.6ミリモルPd)および1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)フェロセン(492.3mg、0.75ミリモル)を500ml丸底フラスコ中で秤量した。窒素による保護的環境下で、このフラスコに300mlの脱気メタノールを添加し、溶液を1時間撹拌した。次いで、メタンスルホン酸(77.9μl、1.2ミリモル)を添加し、50mlの脱ガスした酢酸ビニル(VAM)を添加した。この溶液を、真空下でオートクレーブに入れ、10バールのCOを添加したら60℃まで加熱し、溶液を3時間反応させた。次いで、溶液を冷却し、圧力を開放し、オートクレーブを空にした。分析用にGCサンプルを採取した。
1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)ベンゼン(XylyPA)(M:L:A=1:1.25:2)
標準的条件は次の通りである。無酸素(O2<10ppm)環境において、Pd(OAc)(134.7mg、0.6ミリモルPd)および1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)ベンゼン(411.4mg、0.75ミリモル)を500ml丸底フラスコ中で秤量した。窒
素による保護的環境下で、このフラスコに300mlの脱気メタノールを添加し、溶液を1時間撹拌した。次いで、メタンスルホン酸(77.9μl、1.2ミリモル)を添加し、50mlの脱気した酢酸ビニル(VAM)を添加した。この溶液を、真空下でオートクレーブに入れ、10バールのCOを添加したら60℃まで加熱し、溶液を3時間反応させた。次いで、溶液を冷却し、圧力を開放し、オートクレーブを空にした。分析用にGCサンプルを採取した。

Claims (19)

  1. アルカノールおよび触媒系の存在下でビニルエステルを一酸化炭素と反応させることを含むビニルエステルをアルコキシカルボニル化する方法であって、前記触媒系が、
    (c)VIII B属金属またはその化合物と、
    (d)一般式(I)の二座配位子と
    Figure 2008501005
    を組み合わせることによって得られ、
    前記式中、Rは、共有結合性架橋基であり、
    は、それが結合しているQと共に、任意で置換されていてもよい2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体(2−PA)を形成し、
    R2およびR3は、独立して、20個まで原子を有する一価の基を表すか、または一緒になって20個まで原子を有する二価の基を形成し、
    Q1およびQ2は、それぞれ独立して、リン、ヒ素、またはアンチモンを表す、方法。
  2. 式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは酸の製造方法において、
    CH(OH)CHC(O)OR28 (II)
    アルカノールおよび触媒系の存在下で、ビニルエステルを一酸化炭素でアルコキシカルボニル化する工程であって、前記触媒系は、
    (a)VIII B属金属またはその化合物と、
    (b)請求項1に記載の一般式(I)の二座配位子と
    を組み合わせることによって得ることができ、
    前記式中、R28は、H、または、置換されていても非置換でもよく、かつ分枝鎖でも直鎖でもよいC〜C30アルキルもしくはアリール部分から選択される工程と、直鎖(n)生成物の1−アセトキシCH2.CHC(O)OR28に対して処理工程を実施して式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは酸を生成する工程とを有する製造方法。
  3. 式IIIの乳酸エステルまたは酸の製造方法において、x
    Figure 2008501005
    アルカノールおよび触媒系の存在下で、ビニルエステルを一酸化炭素でアルコキシカルボニル化して、分枝鎖(iso)生成物である2−アセトキシ(CH).CH.C(O)OR28からなる生成物を生成する工程であって、前記触媒系は、
    (a)VIII B属金属またはその化合物と、
    (b)請求項1に記載の一般式(I)の二座配位子と
    を組み合わせることによって得ることができ、前記式中、R28は、H、または置換されていても非置換でもよく、かつ分枝鎖でも直鎖でもよいC〜C30アルキルもしくはア
    リール部分から選択される工程と、前記分枝鎖(iso)生成物を化学的に処理して対応する式IIIの乳酸エステルまたは酸を生成する工程とを有する製造方法。
  4. がリンである、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. がCR(R)(R)、コングレシルまたはアダマンチルを表し、RがCR(R)(R)、コングレシルまたはアダマンチルを表すか、あるいはRおよびRは、それらが結合しているQと共に、任意で置換されていてもよい2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体を形成している、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記アダマンチル基が、水素原子の他に、任意で低級アルキル、−OR19、−OC(O)R20、ハロ、ニトロ、−C(O)R21、−C(O)OR22、シアノ、アリール、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−C(S)(R27)R28、−CF、−P(R56)R57、−PO(R58)(R59)、−PO、−PO(OR60)(OR61)、または−SO62から選択される1つ以上の置換基を含んでいてもよく、前記式中、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、低級アルキル、シアノ、およびアリールが、本願明細書中で定義される通りであり、R56〜R62が、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、アリールまたはHetを表す、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記2−Q(またはQ)−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基(以後、便宜上、2−メタ−アダマンチル基と称し、2−メタ−アダマンチルとは、2−アルサ−アダマンチルおよび/または2−スチバ−アダマンチルおよび/または2−ホスファ−アダマンチルを示す)が、水素原子の他に、任意で請求項6で定義した1つ以上のアダマンチル置換基を含んでいてもよい、請求項1乃至5に記載の方法。
  8. 前記2−メタ−アダマンチル基が、2−メタ−アダマンチル骨格中に、2−Q原子以外にさらなるヘテロ原子を含んでいる、請求項7に記載の方法。
  9. 本願明細書中で定義した通りの前記2−メタ−アダマンチル基は、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、2−ホスファ−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、2−ホスファ−1,3,5−トリ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサアダマンチル基を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
  10. 式Iの化合物と組み合わせることができる適切なVIII B属金属またはその化合物は、コバルト、ニッケル、パラジウム、ロジウムおよび白金を含む、請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
  11. アルコキシカルボニル化工程から得られる直鎖生成物:分枝鎖生成物の比が1.5:1を超える、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記二座配位子は、1,2−ビス(ジ−2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})フェロセン、1,2−ビス(ジ−2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})ベンゼン、1,2,3−トリス−(ジ−2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})フェロセン、1−(2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル}ホスフィ
    ノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)ベンゼン、1−(2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル}ホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)ベンゼン、1,2−ビス(ジ−2{1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチルホスフィノメチル})ナフタレン、1,2−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)エタン(DPA2)、1,3−P,P’−ジ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)プロパン(DPA3)、1,2−P,P’−ジ−ペルフルオロ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}−デシル)エタン、1,3−P,P’−ジ−ペルフルオロ(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−プロパン、1,2−P,P’−ジ−(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)エタンおよび1,3−P,P’−ジ−(2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)プロパンから選択されるか、
    または、前記二座配位子は、Ar、連結基Aまたは連結基Bのような少なくとも1つの架橋基を介して適切な高分子基体に結合している、請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記カルボニル化が、−10℃〜150℃の温度で実施される、請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記カルボニル化が、0.80×10N.m−2〜90×10N.m−2のCO分圧で実施される、請求項1乃至13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記基Rが、アルキレン架橋基を表す、請求項1乃至14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記架橋基Rが、−A−(K,D)Ar(E,Z)−B−として定義されてもよく、前記式中、
    Arは、QおよびQ原子が利用可能な隣接炭素原子上に連結している、任意で置換されていてもよいアリール部分からなる架橋基であり、
    AおよびBは、それぞれ独立して、低級アルキレンを表し、
    K、D、EおよびZは、アリール部分(Ar)の置換基であり、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、アリール、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2526、SR27、C(O)SR27、または−J−Q(X)X(ここで、Jは低級アルキレンを表す)を表すか、あるいは、K、Z、DおよびEから選択される2つの隣接基は、それらが結合しているアリール環の炭素原子と共にさらなるフェニル環を形成し、その更なるフェニル基は、任意で水素、低級アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2526、SR27またはC(O)SR27から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、あるいは、Arがシクロペンタジエニル基である場合には、Zは、−M(L(Lで表されることができ、かつZは、金属配位子結合を介してシクロペンタジエニル基に結合しており、
    は、CR13(R14)(R15)、コングレシルまたはアダマンチルを表し、Xは、CR16(R17)(R18)、コングレシルまたはアダマンチルを表すか、あるいは、XおよびXは、それらが結合しているQと共に、任意で置換されていてもよい2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体を形成
    している、請求項1乃至14のいずれかに記載の方法。
  17. 本願明細書中でおよび実施例に関して説明した通りの、ビニルエステルのアルコキシカルボニル化方法。
  18. 本願明細書中でおよび実施例に関して説明した通りの、式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは酸の製造方法。
  19. 本願明細書中でおよび実施例に関して説明した通りの、式IIIの乳酸エステルまたは酸の製造方法。
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