JP2006352952A - 渦電流式減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁石量を増加することなく制動力を向上できる渦電流式減速装置を提供する。
【解決手段】 回転軸1に結合されたロータ2と、ロータ2に磁力を作用させるための永久磁石15,16を有する磁石環10,11と、を備えた渦電流式減速装置において、上記永久磁石15,16が回転軸1の周方向に間隔を隔てて複数配置され、各永久磁石15,16はその周方向両端部に磁極面15a,16aを有し、その磁極面15a,16aが、回転軸1の径方向に延出するラインLに対して傾斜して形成されるものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、渦電流式減速装置に係り、特に、磁石量を増加することなく制動力を向上できる渦電流式減速装置に関するものである。
渦電流式減速装置(以下、リターダと言う)は、回転軸に連結されたロータに磁界を作用させて渦電流を生じさせ、その渦電流と磁界との相互作用により発生する力を利用して回転軸を制動するものであり、大型車両の補助ブレーキ等として用いられている。
このリターダは、ロータに作用させる磁力(磁界)を発生する磁力源として永久磁石を用いるタイプと、電磁石を用いるタイプとに大別されるが、永久磁石を用いるタイプとしては、次のようなものが知られている。
例えば、図9〜図11に示したリターダは、回転軸1(例えば、車両の変速機出力軸)に相対回転不可に連結された有底円筒形状の制動ドラム(ロータ)2と、その制動ドラム2の内側に配置された環状の保護ケース3とを備える。
制動ドラム2は、回転軸1に連結されたホイール5と、そのホイール5から径方向外側に放射状に延出する複数本のアーム6と、アーム6の外側端部に連結されたドラム7とを有する。
保護ケース3は非磁性体からなる外筒部40を有し、その外筒部40には、強磁性体からなるポールピース41が周方向に等間隔を隔てて複数埋設される。保護ケース3の内部には、磁石環42が、回転軸1の軸方向にスライド可能に収容される。この磁石環42は、磁性体からなる磁石支持筒(ヨーク)43と、磁石支持筒43の外周面に配置された複数の永久磁石45とを備える。永久磁石45は、磁石支持筒43及び回転軸1の周方向に沿って、上述したポールピース41と同間隔で同数配置される。各永久磁石45は、その径方向両端部に磁極面を有し、ポールピース41と対向する磁極面の極性が、周方向に隣接する永久磁石45で交互に異なるように配置される(図11参照)。
磁石環42の磁石支持筒43は、ロッド46(図9参照)を介して図示しないアクチュエータに連結されており、その永久磁石45がポールピース41と対向する制動位置と、ポールピース41と対向しない非制動位置との間で移動できるようになっている。
回転軸1を制動する場合、図示しないアクチュエータにより、磁石環42を制動位置へ移動させて、永久磁石45をポールピース41と対向させる。すると、図11に示すように、各永久磁石45からの磁束がポールピース41を経て回転する制動ドラム2に作用するため、制動ドラム2に渦電流が発生し、回転軸1に対する制動トルクが発生する。
非制動時には、磁石環42を、その永久磁石45がポールピース41と対向しない非制動位置まで移動させる。その結果、永久磁石45からの磁束が制動ドラム2に作用しなくなるため、回転軸1に対する制動トルクは発生しない。
他方、図12及び図13に示すタイプのリターダでは、保護ケース3の内部に二つの磁石環50,51が配置される。これら磁石環50,51は、図11に示したリターダの磁石環42と同様に、強磁性体からなる磁石支持筒52,53と、磁石支持筒52,53の外周面に配置された複数の永久磁石55,56とを備えており、一方(図13中左側)の磁石環50は保護ケース3に対して相対回転不可に固定され、他方(図13中右側)の磁石環51は保護ケース3に対して周方向に相対回転可能に設けられる。そこで、以降は磁石環50を不動磁石環と、磁石環51を可動磁石環と言う。
可動磁石環51はアクチュエータ57(図12参照)に連結されており、可動磁石環51の各永久磁石56と不動磁石環50の各永久磁石55とが、同じ磁極で隣接する制動位置(図12参照)と、異なる磁極で隣接する非制動位置(図13参照)との間で移動できるようになっている。
制動ドラム2が接続された回転軸(図示せず)を制動する場合、アクチュエータ57により可動磁石環51を制動位置へと回転させて、図12に示すように、可動磁石環51の各永久磁石56と不動磁石環50の各永久磁石55とを同極で隣接させる。すると、図11に示したリターダと同様に、可動磁石環51及び不動磁石環50の各永久磁石56,55からの磁束がポールピース41を経て回転する制動ドラム2に作用するため、制動ドラム2に渦電流が発生し、回転軸に対する制動トルクが発生する。
非制動時には、可動磁石環51を非制動位置へ移動させて、図13に示すように、可動磁石環51の各永久磁石56と不動磁石環50の各永久磁石55とを異極で隣接させる。その結果、可動磁石環51及び不動磁石環50の各永久磁石56,55からの磁束が、ポールピース41で短絡して軸方向に隣接する他方の磁石環50,51の永久磁石55,56へと流れるため、回転軸に対する制動トルクは発生しない。
このように、従来のリターダはいずれも、制動時に、ポールピース41、制動ドラム(ロータ)2及び磁石支持筒43,52,53を介して磁気回路を形成する構成であったため、磁束が磁石支持筒43,52,53を通過する分、磁気回路長が無駄に長くなり、制動ドラム2に作用する磁力の低下、ひいては制動トルクの低下を招いていた。
そこで本出願人は、特許文献1に示されるようなリターダを開発した。
このリターダは、図14に示すように、磁石環60の各永久磁石61の磁極面を周方向両端部に形成し、周方向に隣接する永久磁石61同士が同じ磁極で対向するようにすると共に、各永久磁石61の間に強磁性体からなるポールピース62を介設したものである。また、このリターダでは、保護ケース63の外周部が開放され、図11や図13に示したような外筒部40及びポールピース41は省略される。また、このリターダでは、永久磁石61を支持する磁石支持筒65が非磁性体で形成される。
このリターダによれば、図14に示すように、制動時に、制動ドラム2と、ポールピース62との間で磁気回路を形成できるため、磁束が磁石支持筒65を通らず、磁気回路長が図11や図13に示したものと比べて短くなる。従って、制動力が向上する。
このコンセプトは、図9〜図11に示したような、軸方向にスライドする一つの磁石環42を用いるタイプ、図12及び図13に示したような、可動磁石環51と不動磁石環50との二つの磁石環を用いるタイプのいずれにも適用可能である。
特開2000−184690号公報
ところが、リターダに対する制動力の向上要求は年々高まっており、更なる改良が望まれている。
ここで、永久磁石の個数や体積、つまり磁石量を増加させれば、ロータに作用する磁力が大きくなるので、当然、制動力を高めることができるが、磁石量を増加させると、装置の大型化や高コスト化を招いてしまうため、磁石量を増加させずに制動力を向上させることが要求されている。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、磁力源として永久磁石を用いる渦電流式減速装置において、磁石量を増加することなく制動力を向上できる渦電流式減速装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、回転軸に結合されたロータと、そのロータに磁力を作用させるための永久磁石を有する磁石環と、を備えた渦電流式減速装置において、上記永久磁石が上記回転軸の周方向に間隔を隔てて複数配置され、各永久磁石はその周方向両端部に磁極面を有し、その磁極面が、上記回転軸の径方向に延出するラインに対して傾斜して形成されるものである。
ここで、上記複数の永久磁石の磁極面が全て、上記回転軸の径方向に延出するラインに対して同方向に同角度で傾斜して形成されても良い。
また、上記永久磁石の磁極面の傾斜方向が、上記回転軸の回転方向又はその反対方向であっても良い。
また、上記ロータが有底円筒形状の制動ドラムからなり、上記磁石環は、上記制動ドラムの内側に配置され、非磁性体からなる環状の磁石支持筒と、その磁石支持筒の外周面に周方向に間隔を隔てて複数配置された上記永久磁石と、それら永久磁石の間に配置され、磁性体からなるポールピースとを備えても良い。
また、上記磁石環として、上記回転軸の周方向に回転可能な可動磁石環と、その可動磁石環に軸方向から隣接し、上記回転軸の周方向に回転不可な不動磁石環とを備え、上記可動磁石環の位相を調節して、上記制動ドラムに上記可動磁石環及び不動磁石環の上記永久磁石の磁力を作用させる制動位置と、上記制動ドラムに上記可動磁石環及び不動磁石環の上記永久磁石の磁力を作用させない非制動位置とを切り換えるアクチュエータを備えても良い。
本発明によれば、磁石量を増加することなく制動力を向上できるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本実施形態の渦電流式減速装置(以下、リターダと言う)の上半分側面断面図、図2は図1のリターダのロータ及び磁石環の部分正面断面図、図3は磁石環の部分平面図である。なお、これらの図において、図9〜図14に示したものと同一の構成要素については同一の参照番号が付されている。
図に示すように、本実施形態のリターダは、例えば、車両の変速機出力軸などの回転軸1に一体的に連結された有底円筒形状の制動ドラム(ロータ)2と、その制動ドラム2の内側に配置された環状の保護ケース3とを備える。
制動ドラム2は、回転軸1に相対回転不可に連結されたホイール5と、そのホイール5から径方向外側に放射状に延出する複数本のアーム6と、アーム6の外側端部に連結され、導体からなるドラム7とを有し、ドラム7の外周面には多数の冷却フィン9が形成される。
保護ケース3はアルミニウムなどの非磁性体からなり、その外周部が開放した形状を有している。保護ケース3の内部には、二つの磁石環10,11が回転軸1の軸方向に隣接させて配置される。これら磁石環10,11はそれぞれ、非磁性体(例えば、アルミニウム)からなる磁石支持筒(ヨーク)12,13と、その磁石支持筒12,13の外周面に配置された複数の永久磁石15,16と、それら永久磁石15,16の間に介設されたポールピース17,18とを備えており、一方(図1中左側)の磁石環10は保護ケース3に対して周方向(回転軸1の周方向と同方向)に相対回転可能に設けられ、他方の磁石環11は保護ケース3に対して相対回転不可に固定される。そこで、以降は磁石環10を可動磁石環と、磁石環11を不動磁石環とも言う。
図2に示すように、両磁石環10,11の各永久磁石15,16は、磁石支持筒12,13の周方向(回転軸1の周方向と同方向)に等間隔を隔てて複数配置され、それぞれ周方向両端部に磁極面を有する。各永久磁石15,16は、周方向に隣接する永久磁石15,16同士が周方向に同極で対向するように配置される。また、各永久磁石15,16の径方向外側端面には、熱、埃、水分などの対策用のコーティングが施される。なお、本実施形態のリターダの特徴は、これら永久磁石15,16の形状にあるが、その点については後程詳述する。
ポールピース17,18は鉄などの強磁性体からなり、その径方向外側端面が、永久磁石15,16の径方向外側端面よりも外方に位置する。従って、ポールピース17,18の径方向外側端面は、永久磁石15,16の径方向外側端面よりも制動ドラム2に近接する。
可動磁石環10は、その磁石支持筒12が、エアシリンダ等のアクチュエータ20(図1参照)に連結されており、各永久磁石15が不動磁石環11の各永久磁石16と同極で隣接する制動位置(図1の状態)と、異なる磁極で隣接する非制動位置(図3の状態)との間で移動できるようになっている。
回転軸1を制動する場合、アクチュエータ20により可動磁石環10を制動位置へと回転させて(位相を調節して)、図1に示すように、可動磁石環10の永久磁石15と不動磁石環11の永久磁石16とを同極で隣接させる。すると、図2に示すように、可動磁石環10及び不動磁石環11の各永久磁石15,16の一方の磁極面からの磁束がポールピース17,18を経て回転する制動ドラム2に作用して、他方の磁極面へと流れるため、制動ドラム2に渦電流が発生し、回転軸1に対する制動トルクが発生する。このように、本実施形態のリターダでは、制動時に永久磁石15,16からの磁束が磁石支持筒12,13を通らないため、磁気回路長が短く、制動トルクの向上が図れる。
非制動時には、可動磁石環10を非制動位置へ移動させて、図3に示すように、可動磁石環10の永久磁石15と不動磁石環11の永久磁石16とを異極で隣接させる。その結果、可動磁石環10及び不動磁石環11の各永久磁石15,16からの磁束が、ポールピース17,18で短絡して軸方向に隣接する他方の磁石環11,10の永久磁石16,15へと流れ、制動ドラム2に磁束(磁力)が作用しないため、制動ドラム2に渦電流は生じず、回転軸1に対する制動トルクは発生しない。
さて、本実施形態のリターダの特徴は、可動磁石環10及び不動磁石環11の永久磁石15,16の形状にあるので、以下、図2及び図4を用いてその特徴部分について説明する。
図から分かるように、可動磁石環10及び不動磁石環11の各永久磁石15,16はそれぞれ、その周方向両端部に磁極面15a,16aを有し、その磁極面15a,16aは、回転軸1の径方向に延出するラインL(以下、径方向ラインと言う)に対して所定角度θで傾斜する。より具体的には、可動磁石環10及び不動磁石環11の全ての永久磁石15,16の磁極面15a,16aが、その径方向内側端部から径方向外側端部に向かうほど、制動ドラム2(回転軸1)の回転方向と反対側に後退するように、径方向ラインL(放射ライン)に対して傾斜して形成される。このように磁極面15a,16aが傾斜した永久磁石15,16を磁化する際には、その磁化方向を磁極面15a,16aに対して垂直にして行う。なお、各永久磁石15,16の間に配置されるポールピース17,18の周方向両端面も、永久磁石15,16の磁極面15a,16aと併せて同方向に同角度で傾斜して形成される。
このように、各永久磁石15,16の磁極面15a,16aを回転軸1(制動ドラム2)の径方向ラインLに対して傾斜させることにより、永久磁石15,16の体積(磁石量)を増加することなく各永久磁石15,16の磁極面15a,16aの面積を大きくすることができる。
これを図4を用いて説明すると、径方向ラインLと平行な永久磁石15’,16’の磁極面15’a,16’aの径方向長さをL2とすると、その永久磁石15’,16’と同体積(同じ磁石量)であって、磁極面15a,16aが径方向ラインLに対して角度θ(θ=ゼロは除く)で傾斜した永久磁石15,16の磁極面15a,16aの径方向長さL1は、L2/cosθとなり、L2よりも長くなる。例えば、永久磁石15,16の磁極面15a,16aの傾斜角度θを30°とした場合、L1=L2×2/(31/2 )となり、磁極面15a,16aの径方向長さL1が、径方向ラインLと平行な磁極面15’a,16’aの径方向長さL2の約1.15倍となる。
このように、永久磁石15,16の磁極面15a,16aを回転軸1の径方向ラインLに対して傾斜させることにより、磁石量を増加することなく永久磁石15,16の磁極面15a,16aの径方向長さ、つまり磁極面15a,16aの面積を増加させることができる。これにより、各永久磁石15,16の磁力が高まり、制動時に制動ドラム2へと進入する磁束が多くなるため、制動ドラム2及び回転軸1に作用する制動トルクが従来よりも大きくなる。
本発明者は、本実施形態のリターダの制動トルク向上効果を確認すべく、永久磁石15,16の磁極面15a,16aが、回転軸1の径方向ラインLに対して傾斜したリターダの制動トルクの測定を行った。その結果を図5に示す。なお、ここでは磁極面15a,16aの傾斜角度は30°とした。
図中三角ポイントをつなぐラインが本実施形態のリターダの結果である。四角ポイントをつなぐラインは、永久磁石の磁極面が回転軸の径方向ラインLと平行な従来のリターダの結果を比較のために示したものである。なお、本実施形態のリターダと従来のリターダとで、永久磁石の個数及び体積、つまり磁石量は同一である。
図から分かるように、永久磁石15,16の磁極面15a,16aが回転軸1の径方向ラインLに対して傾斜した本実施形態のリターダの制動トルクは、全ての回転数領域において、従来のリターダの制動トルクを上回った。
この結果から、本実施形態のリターダによれば、高価な磁石の個数や体積、つまり磁石量を増やすことなく、制動力の向上が図れることが確認された。従って、本実施形態のリターダによれば、装置の大型化や高コスト化を招くことなく、制動力の向上が図れる。
なお、上記実施形態では、可動磁石環10及び不動磁石環11の永久磁石15,16の磁極面15a,16aを、回転軸1の径方向ラインLに対して、制動ドラム2の回転方向と反対側に傾斜させるとしたが、本発明はこの点において限定されず、制動ドラム2の回転方向と同方向に傾斜させても良い。
また、上記実施形態では、全ての永久磁石15,16の磁極面15a,16aの傾斜方向及び傾斜角度を同一としたが、本発明はこの点において限定されず、傾斜方向及び/又は傾斜角度を各永久磁石15,16で異ならせるようにしても良い。
また、上記実施形態では、保護ケース3の外周部が解放されると説明したが、本発明はこの点において限定されず、保護ケース3の外周部に非磁性体からなるカバー等を設けても良い。
更に本発明は、上述した実施形態の他にも様々なタイプのリターダに適用可能である。
例えば、本発明は、図9〜図11を用いて「背景技術」の欄で説明したような、回転軸の軸方向にスライド可能な一つの磁石環を用いるタイプにも適用できる。つまり、図9〜図11に示した磁石環42に代えて、図2に示した磁石環10,11と同構造の磁石環を一つ保護ケース3内に軸方向にスライド可能に設けると共に、保護ケース3の外筒部40及びポールピース41を省略して外周部が開放した形状とすれば良い。
また本発明は、図6及び図7に示すように、二つの磁石環22,23が回転軸1の径方向に隣接配置されるタイプのリターダにも適用できる。
このリターダでは、保護ケース3の外筒部24が磁性体から形成されると共に、その外筒部24に、周方向に等間隔を隔てて複数の永久磁石25が埋設され、これら外筒部24と永久磁石25とにより不動磁石環(外側磁石環)22が構成される。つまり、この不動磁石環22では、外筒部24がポールピースの役割を有することになる。
他方、保護ケース3の内部には、周方向に回転可能な可動磁石環(内側磁石環)23が、不動磁石環22の径方向内側に対向させて配置される。この可動磁石環23は、保護ケース3に対して相対回転可能に設けられ、非磁性体からなる磁石支持筒26と、その磁石支持筒26の外周面に周方向に間隔を隔てて配置された複数の永久磁石27と、各永久磁石27の間に介設され、磁性体からなるポールピース29とを備える。この可動磁石環23は、アクチュエータ20(図6参照)に接続されており、保護ケース3及び不動磁石環22に対して周方向に相対回転できるようになっている。
このようなリターダにおいても、図7(a)及び図7(b)に示すように、磁石環22,23の各永久磁石25,27の周方向両端部に形成される磁極面を、回転軸1(図6参照)の径方向ラインLに対して所定角度で傾斜させることで、磁石量を増加させることなく永久磁石25,27の磁力を高めることができるので、制動ドラム2及び回転軸1に対する制動トルクを向上させることができる。
なお、このリターダでは、可動磁石環23を回転させて、図7(a)に示すように、可動磁石環23の各永久磁石27と不動磁石環22の各永久磁石25とを同極で隣接(径方向に隣接)させれば、可動磁石環23及び不動磁石環22の各永久磁石27,25の磁束がポールピース29,24を介して制動ドラム2に作用するため、制動ドラム2及び回転軸1に対する制動トルクが発生し、図7(b)に示すように、可動磁石環23の各永久磁石27と不動磁石環22の各永久磁石25とを異極で隣接させれば、可動磁石環23の永久磁石27と不動磁石環22の永久磁石25との間で短絡的磁気回路が形成されるため、制動ドラム2に磁束は作用せず、制動トルクは発生しない。
更に、図8に示すように、可動磁石環23’の各永久磁石27’が径方向両端部に磁極面を有し、可動磁石環23’の磁石支持筒26’が磁性体から構成されるタイプのリターダにおいても、不動磁石環22の各永久磁石25の磁極面を、回転軸(図示せず)の径方向ラインLに対して傾斜させれば、制動トルクを向上させることができる。
このように、本発明は、周方向両端部に磁極面を有する永久磁石を備えるタイプであれば、あらゆる構造のリターダに適用できるものである。
本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置の上半分側面断面図である。 本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置のロータ(制動ドラム)及び磁石環を示す部分正面断面図である。 本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置の磁石環の部分平面図である。 永久磁石の磁極面長さの違いを説明するための図である。 回転軸に作用する制動トルクの解析結果を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る渦電流式減速装置の上半分側面断面図である。 本発明の他の実施形態に係る渦電流式減速装置のロータ(制動ドラム)及び磁石環を示す部分正面断面図であり、(a)が制動時の状態を、(b)が非制動時の状態を示している。 本発明の他の実施形態に係る渦電流式減速装置のロータ(制動ドラム)及び磁石環を示す部分正面断面図であり、(a)が制動時の状態を、(b)が非制動時の状態を示している。 従来の渦電流式減速装置の上半分側面断面図である。 従来の渦電流式減速装置の保護ケース及び磁石環を示す部分破断斜視図である。 従来の渦電流式減速装置の部分正面断面図である。 従来の渦電流式減速装置の部分破断斜視図である。 従来の渦電流式減速装置の部分側面断面図である。 本出願人が先に提案した渦電流式減速装置の部分正面断面である。
符号の説明
1 回転軸
2 制動ドラム(ロータ)
3 保護ケース
10 磁石環(可動磁石環)
11 磁石環(不動磁石環)
12 磁石支持筒(ヨーク)
13 磁石支持筒(ヨーク)
15 永久磁石
15a 磁極面
16 永久磁石
16a 磁極面
17 ポールピース
18 ポールピース
L 回転軸の径方向に延出するライン

Claims (5)

  1. 回転軸に結合されたロータと、そのロータに磁力を作用させるための永久磁石を有する磁石環と、を備えた渦電流式減速装置において、
    上記永久磁石が上記回転軸の周方向に間隔を隔てて複数配置され、各永久磁石はその周方向両端部に磁極面を有し、その磁極面が、上記回転軸の径方向に延出するラインに対して傾斜して形成される
    ことを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 上記複数の永久磁石の磁極面が全て、上記回転軸の径方向に延出するラインに対して同方向に同角度で傾斜して形成される
    請求項1記載の渦電流式減速装置。
  3. 上記永久磁石の磁極面の傾斜方向が、上記回転軸の回転方向又はその反対方向である
    請求項1又は2記載の渦電流式減速装置。
  4. 上記ロータが有底円筒形状の制動ドラムからなり、
    上記磁石環は、上記制動ドラムの内側に配置され、非磁性体からなる環状の磁石支持筒と、その磁石支持筒の外周面に周方向に間隔を隔てて複数配置された上記永久磁石と、それら永久磁石の間に配置され、磁性体からなるポールピースとを備える
    請求項1〜3いずれかに記載の渦電流式減速装置。
  5. 上記磁石環として、上記回転軸の周方向に回転可能な可動磁石環と、その可動磁石環に軸方向から隣接し、上記回転軸の周方向に回転不可な不動磁石環とを備え、
    上記可動磁石環の位相を調節して、上記制動ドラムに上記可動磁石環及び不動磁石環の上記永久磁石の磁力を作用させる制動位置と、上記制動ドラムに上記可動磁石環及び不動磁石環の上記永久磁石の磁力を作用させない非制動位置とを切り換えるアクチュエータを備えた
    請求項4記載の渦電流式減速装置。
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