JP2006351508A - 導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材粒子、前記基材粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する金層からなる導電性粒子。
【選択図】なし
Description
以下に本発明を詳述する。
これらの基材粒子は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、上記基材粒子の平均粒子径は、無作為に選んだ50個の基材粒子について粒子径を測定し、これらを算術平均したものとする。
なお、上記ニッケル層の厚さは、無作為に選んだ10個の粒子について測定し、これらを算術平均した厚さである。
ニッケル層の表面に通常の金層を形成させ、該金層の表面に、突起を有する金層を形成させることにより、ニッケル層と突起を有する金層との密着性が高まるため、突起を有する金層が剥れるのを防ぐことが可能となる。
本発明の導電性粒子においては、上記突起が金からなることにより、上記突起が、本発明の導電性粒子を用いてなる異方性導電材料を回路基板等に挟んで導電接続時に圧着することにより崩れる柔らかい突起となる。その結果、回路基板等と本発明の導電性粒子との間に存在する異方性導電材料中のバインダー樹脂等を突き破るとともに(樹脂排除性)、回路基板等の面で突起がつぶれ、先端が平坦化するため、本発明の導電性粒子と回路基板等とが面接触となり、導通不良防止とともに、抵抗値の低減化が可能となる。
また、ニッケル層の表面に金層が存在することにより、ニッケル層の酸化防止、接続抵抗の低減化、表面の安定化等を図ることができる。
特に、本発明の導電性粒子を製造する方法においては、自己触媒型の還元金メッキ法が好ましく、また、自己触媒型の還元金メッキ法と下地触媒型の還元金メッキ法とを併用してもよい。
更に、自己触媒型の還元金メッキ法を用いる際に、置換金メッキが起こっていることが好ましい。置換金メッキが起こっていることにより、ニッケルとの置換領域が形成され、ニッケル層との密着性が優れた金の突起を形成することができる。
また、上記下地触媒型の還元金メッキ法とは、下地ニッケルの表面で酸化反応を起こし析出金属(金)の表面では酸化反応を起こさない還元剤を下地ニッケルの表面に存在させ、金塩を還元させて金を析出させることにより金メッキ被膜を形成する方法である。
基材粒子の表面に触媒付与を行う工程1、ニッケル、及び、メッキ安定剤を含有するメッキ液中で、触媒付与された上記基材粒子の表面にニッケル層を形成させる工程2、及び、
金塩、錯化剤、及び、結晶調整剤を含有する金メッキ浴中で、表面に導電層が形成された上記基材粒子の表面に突起を有する金層を形成させる工程3を有する導電性粒子の製造方法であって、上記金メッキ浴中における上記錯化剤の濃度が0.04〜0.4mol/L、かつ、上記結晶調整剤の濃度が0.01〜0.15mol/Lである導電性粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
なお、センシタイジングとは、絶縁物質の表面にSn2+イオンを吸着させる工程であり、アクチベイチングとは、絶縁性物質表面にSn2++Pd2+→Sn4++Pd0で示される反応を起こしてパラジウムを無電解メッキの触媒核とする工程である。
上記基材粒子が樹脂粒子等の非導電性である場合は、無電解メッキ法が好適に用いられる。
例えば、ニッケル層の表面に置換金メッキ法により通常の金層を形成させ、この金層の表面に突起を有する金層を形成させることにより、ニッケル層と通常の金層、及び、通常の金層と突起を有する金層との密着性が高まるため、突起を有する金層が剥れるのを防ぐことが可能となる。
上記金メッキの形成方法としては特に限定されず、例えば、無電解メッキ、置換メッキ、電気メッキ、還元メッキ、スパッタリング等が挙げられる。
上記ノーシアン系金塩を用いることにより、ノーシアン系の無電解金メッキを行うことができ、シアン浴のように強アルカリで用いられることがないため、基材粒子等への浸食がなく、環境にも配慮したものとなる。上記ノーシアン系金塩のなかでも、塩化金酸ナトリウムが好ましい。
更に、このような物理的方法で凝集を抑制するだけでなく、化学的に凝集を抑制するために、ポリエチレングリコール等の界面活性剤を併用することがより好ましい。
このような塩を含有することにより、金の析出速度が速くなるため、効率よく金の異常析出による突起を形成させることができる。
なかでも、効率よく突起を形成させることができることから、タリウム塩が好適に用いられる。
基材粒子の表面に触媒付与を行う工程1、ニッケル、及び、メッキ安定剤を含有するメッキ液中で、触媒付与された前記基材粒子の表面にニッケル層を形成させる工程2、及び、
金塩、錯化剤、及び、結晶調整剤を含有する金メッキ浴中で、表面に導電層が形成された前記基材粒子の表面に突起を有する金層を形成させる工程3を有する導電性粒子の製造方法であって、前記金メッキ浴は、更に、タリウム塩、銀塩及び鉄塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する導電性粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記銀塩としては特に限定されず、例えば、シアン化銀ナトリウムが挙げられる。
上記鉄塩としては特に限定されず、例えば、硫酸鉄が挙げられる。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型のいずれの硬化型であってもよい。
また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
粒径4μmのジビニルベンゼン樹脂粒子を、イオン吸着剤の10%溶液で5分間処理し、その後、硫酸パラジウム0.01%水溶液で5分間処理し、更にジメチルアミンボランを加えて還元処理を施し、ろ過、洗浄することにより、パラジウムを担持した基材粒子を得た。
次に、コハク酸ナトリウム1%とイオン交換水500mL含む溶液を調製し、基材粒子10gとを混合してスラリーを調製し、更に硫酸を添加してスラリーのpH5に調整した。
一方、ニッケルメッキ液として、硫酸ニッケル10%と次亜リン酸ナトリウム10%、水酸化ナトリウム4%及びコハク酸ナトリウム20%を含む前期ニッケル溶液を調製した。スラリーを80℃にし、これに作製した前期ニッケル溶液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりメッキ反応させた。このメッキ反応中に、著しい凝集はなく、水素の発生がなくなることを確認してメッキ反応を終了させた。
次に、硫酸ニッケル20%、ジメチルアミンボラン5%、水酸化ナトリウム5%を含む後期ニッケル溶液を調製し、後期ニッケル液を調製した。その後、前期ニッケル液反応終了後の溶液に作製した後期ニッケル液を連続的に滴下し、1時間攪拌することによりメッキ反応させた。
実施例1と同様にして基材粒子の表面にニッケルメッキを形成させた後、置換メッキ法により表面に金メッキを形成させた。
次に、塩化金酸ナトリウム10gとイオン交換水1000mLとを含む溶液を調製し、得られた金メッキ粒子12gを混合して水性懸濁液を調製した。得られた水性懸濁液に、チオ硫酸アンモニウム15g、亜硫酸アンモニウム80g、リン酸水素アンモニウム40g、及び、硫酸タリウム0.1gを投入しメッキ液を調製した。得られたメッキ液にヒドロキシルアミン4gを投入後、アンモニアを用いpHを9に合わせ、浴温を60℃にし、15〜20分程度反応させることにより金メッキ被膜が形成された導電性粒子を得た。
ニッケルメッキ液として、硫酸ニッケル10%と次亜リン酸ナトリウム10%、水酸化ナトリウム7%及びコハク酸ナトリウム7%を含む前期ニッケル溶液を調製した。
実施例1と同様のスラリーを80℃にし、これに作製した前期ニッケル溶液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりメッキ反応させた。このメッキ反応中に、著しい凝集はなく、水素の発生がなくなることを確認してメッキ反応を終了させた。
次に、硫酸ニッケル20%、ジメチルアミンボラン5%、水酸化ナトリウム5%を含む後期ニッケル溶液を調製し、後期ニッケル液を調製した。その後、前期ニッケル液反応終了後の溶液に、作製した後期ニッケル液を連続的に滴下し、1時間攪拌することによりメッキ反応させた。
得られた無電解ニッケルメッキ粒子に対して、置換メッキ法により表面に金メッキを施すことで、金メッキ被膜が形成された導電性粒子を得た。
塩化金酸ナトリウム10gとイオン交換水1000mLとを含む溶液を調製し、実施例1と同様の無電解ニッケルメッキ粒子12gを混合して水性懸濁液を調製した。得られた水性懸濁液に、チオ硫酸アンモニウム30g、亜硫酸アンモニウム80g、及び、リン酸水素アンモニウム40gを投入しメッキ液を調製した。得られたメッキ液にヒドロキシルアミン10gを投入後、アンモニアを用いpHを10に合わせ、浴温を60℃にし、15〜20分程度反応させることにより金メッキ被膜が形成された導電性粒子を得た。
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた導電性粒子について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
エタノール20mLにジルコニアボール40g、得られた導電性粒子1gを添加し、4枚羽根を用いて400rpmで2分間攪拌した後、濾過乾燥を行い、導電性粒子を走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。測定は1000倍視野で写真5枚を撮影し、メッキの割れた粒子数をカウントした。
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及びトルエン100重量部に、得られた導電性粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性粒子を含有する接着フィルムを得た。なお、導電性粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cm2とした。
その後、導電性粒子を含有する接着フィルムを、導電性粒子を含有させずに得た接着フィルムと常温で貼り合わせ厚さ17μmで2層構造の異方性導電フィルムを得た。
2枚のガラス基板を、圧力10N、温度180℃の条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値を四端子法にて測定した。
Claims (4)
- 基材粒子、前記基材粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する金層からなることを特徴とする導電性粒子。
- 基材粒子の表面に触媒付与を行う工程1、
ニッケル、及び、メッキ安定剤を含有するメッキ液中で、触媒付与された前記基材粒子の表面にニッケル層を形成させる工程2、及び、
金塩、錯化剤、及び、結晶調整剤を含有する金メッキ浴中で、表面に導電層が形成された前記基材粒子の表面に突起を有する金層を形成させる工程3を有する導電性粒子の製造方法であって、
前記金メッキ浴中における前記錯化剤の濃度が0.04〜0.4mol/L、かつ、前記結晶調整剤の濃度が0.01〜0.15mol/Lである
ことを特徴とする導電性粒子の製造方法。 - 基材粒子の表面に触媒付与を行う工程1、
ニッケル、及び、メッキ安定剤を含有するメッキ液中で、触媒付与された前記基材粒子の表面にニッケル層を形成させる工程2、及び、
金塩、錯化剤、及び、結晶調整剤を含有する金メッキ浴中で、表面に導電層が形成された前記基材粒子の表面に突起を有する金層を形成させる工程3を有する導電性粒子の製造方法であって、
前記金メッキ浴は、更に、タリウム塩、銀塩及び鉄塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする導電性粒子の製造方法。 - 請求項1記載の導電性粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
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