JP2006351448A - 不飽和結合含有有機ケイ素化合物及びリン酸基含有不飽和単量体を付加共重合してなる固体高分子電解質膜並びにその用途 - Google Patents

不飽和結合含有有機ケイ素化合物及びリン酸基含有不飽和単量体を付加共重合してなる固体高分子電解質膜並びにその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 不飽和結合を有する有機ケイ素化合物と、リン酸基を有する不飽和単量体とを付加共重合させてなり、プロトン導電率の湿度依存性が低い固体高分子電解質膜及び用途を提供する。
【解決手段】 (a) 分子内に少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する不飽和結合含有有機ケイ素化合物と、(b) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体とを付加共重合してなり、かつ実質的にシロキサン架橋していない固体高分子電解質膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、一次電池、二次電池、燃料電池等の電解質膜、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜等に好適な固体高分子電解質膜に関し、常用の温度範囲及び湿度範囲にわたり高いプロトン伝導性を示す固体高分子電解質膜及びその用途に関する。
固体高分子電解質材料として、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、パーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー[Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 7, pp. 2490〜2492 (1993), Polymer Preprints, Japan Vol. 43, No. 3, pp. 735〜736 (1994), Polymer Preprints, Japan Vol. 42, No. 3, p. 730 (1993)]等が報告されている。
特に側鎖にスルホン酸基を有する固体高分子材料は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過したりする性質を有しているので、粒子状、繊維状又は膜状に成形され、電気透析膜、拡散透析膜、電池隔膜等の各種用途に利用されている。中でもNafion(デュポン株式会社製)の商標で知られるパーフルオロ骨格の側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質膜は耐熱性及び耐薬品性に優れており、苛酷な条件下での使用に耐える電解質膜として実用化されている。しかし上記のようなフッ素系電解質膜は非常に高価であり、しかも対環境性に劣っているという問題を抱えている。
このような状況下、特開2003-86021号は分子内に1個以上のリン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するリン酸基含有不飽和単量体と、分子内に1個以上のスルホン酸基及び1個以上のエチレン性不飽和結合を有するスルホン酸基含有不飽和単量体との共重合体からなる固体高分子電解質膜を提案している。この固体高分子電解質膜は比較的安価に製造できるだけでなく、伝導性が著しく高く、導電率の温度依存性が低く、耐熱性及び耐溶剤性に優れている点で従来の固体高分子材料と一線を画すものであった。
しかし固体高分子電解質膜を燃料電池、特に直接型メタノール固体高分子型燃料電池に用いる場合、固体高分子電解質膜の一面に設けられた燃料極に、メタノール及び水からなる燃料を直接供給するので、伝導性だけでなく、耐溶剤性及び耐水性が求められる。そこで特開2005-5046号(特許文献1)は、(メタ)アクリル酸エステル基を有するアルコキシシラン又はその加水分解生成物と、リン酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとを付加共重合してなり、かつシロキサン架橋してなる固体高分子電解質を開示している。この固体高分子電解質膜は、ポリシロキサンを有することにより耐熱性、耐溶剤性及び耐水性に優れ、リン酸基による高い伝導性を有する。
しかし近年燃料電池システムの加湿装置及びその付随装置を縮小化し、システム構築コストを低減するために、燃料電池用の固体高分子電解質膜には、低湿度下でも優れたプロトン伝導性を有することが求められている。
特開2005-5046号公報
従って、本発明の目的は、不飽和結合を有する有機ケイ素化合物と、リン酸基を有する不飽和単量体とを共重合してなり、プロトン伝導性の湿度依存性が低い固体高分子電解質膜及び用途を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、(a) エチレン性不飽和結合を有するが、アルコキシ基及びシラノール基を有しない有機ケイ素化合物と、(b) リン酸基を有する不飽和単量体とを付加共重合させることにより、プロトン伝導性が高く、プロトン伝導性の湿度依存性が低い固体高分子電解質膜が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の固体高分子電解質膜は、(a) 分子内に少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する不飽和結合含有有機ケイ素化合物と、(b) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体とが付加共重合してなり、かつ実質的にシロキサン架橋していないことを特徴とする。
前記有機ケイ素化合物はポリシロキサンからなる主骨格を有するとともに、ポリシロキサン主骨格の各ケイ素原子には有機基が結合して側鎖及び末端を形成している。前記ケイ素原子と前記有機基はケイ素−炭素結合を形成しているのが好ましい。前記有機基のうち少なくとも一個はエチレン性不飽和結合を有するのが好ましい。
前記有機ケイ素化合物は、下記一般式(1):
Figure 2006351448
(ただしR1〜R4はそれぞれ独立にエチレン性不飽和結合を有する有機基、置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、かつR1〜R4のいずれかはエチレン性不飽和結合を有する有機基であり、R5及びR6はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、m及びnは各々1以上の整数である。)により表される化合物であるのが好ましい。
式(1)により表される有機ケイ素化合物の中でも、下記一般式(3):
Figure 2006351448
(ただしR1'〜R3'はそれぞれ独立に(メタ)アクリレート基、メチル基又はフェニル基であり、かつR1'〜R3'のいずれかは(メタ)アクリレート基であり、m及びnは各々1以上の整数である。)により表される化合物がより好ましい。
本発明の別の好ましい例では、前記有機ケイ素化合物は、下記一般式(2):
Figure 2006351448
(ただしR7は水素基又はアルキル基であり、R8は置換又は無置換のアルキレン基であり、R9〜R12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、pは0〜2の整数である。)により表される化合物である。
式(2)により表される有機ケイ素化合物の中でも、下記一般式(4):
Figure 2006351448
(ただしR7'は水素基又はメチル基である。)により表される化合物がより好ましい。
式(1)により表される化合物、及び式(2)により表される化合物は、各々単独で用いてもよいし、併用してもよい。
リン酸基含有不飽和単量体としては、下記一般式(5):
Figure 2006351448

(ただしR13は水素基又はアルキル基であり、R14は置換又は無置換のアルキレン基であり、xは1〜6の整数である。)により表される化合物が好ましい。R13は−H基又は−CH3基であるのが好ましく、R14は−(CH2)2−基、−CH2CH2(CH3)−基、−CH2CH2(CH2Cl)−基又は−(CH2)4−基であるのが好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体は下記一般式(6):
Figure 2006351448
(ただしR15及びR17はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R16及びR18はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、x'及びx''はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有ジエステル系不飽和単量体を含んでもよい。R15及びR17はそれぞれ独立に−H基又は−CH3基であるのが好ましく、R16及びR18はそれぞれ独立に−(CH2)2−基、−CH2CH2(CH3)−基、−CH2CH2(CH2Cl)−基又は−(CH2)4−基であるのが好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体は下記一般式(7):
Figure 2006351448
(ただしR19及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R20及びR22はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、y及びy'はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体を含んでもよい。R19及びR21はそれぞれ独立に−H基又は−CH3基であるのが好ましく、R20及びR22はそれぞれ独立に−(CH2)2−基、−CH2CH2(CH3)−基、−CH2CH2(CH2Cl)−基又は−(CH2)4−基であるのが好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体は下記一般式(8):
Figure 2006351448
(ただしR23、R25及びR27はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R24、R26及びR28はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、z、z'及びz''はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有トリエステル系不飽和単量体を含んでもよい。R23、R25及びR27はそれぞれ独立に−H基又は−CH3基であるのが好ましく、R24、R26及びR28はそれぞれ独立に−(CH2)2−基、−CH2CH2(CH3)−基、−CH2CH2(CH2Cl)−基又は−(CH2)4−基であるのが好ましい。
固体高分子電解質膜は、前記有機ケイ素化合物及び前記リン酸基含有不飽和単量体以外の他の不飽和化合物も共重合成分として含んでもよい。前記他の不飽和化合物は、(c) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが酸性基を有しない不飽和化合物、及び/又は(d) 分子内にエチレン性不飽和結合と酸性基とを各々1個以上有する不飽和化合物であるのが好ましい。前記(c) 酸性基を有しない不飽和化合物は(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、ビニル化芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、置換又は無置換のスチレン、ハロゲン化ビニル、脂肪酸置換ビニルエステル及びフッ素基含有不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。前記(d) 酸性基を有する不飽和化合物はスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基及び硼酸基からなる群から選ばれた少なくとも一種を有するのが好ましい。
前記他の不飽和化合物は分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上含む硬化剤であるのが好ましい。前記硬化剤は、下記式(9):
Figure 2006351448
(ただしR29〜R32はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33はアルキレン基である。)により表される4官能性ウレタン(メタ)アクリレート、下記一般式(10):
Figure 2006351448

(ただしR29'〜R31'はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33'はアルキレン基である。)により表される3官能性ウレタン(メタ)アクリレート、及び下記一般式(11):
Figure 2006351448
(ただしR29''及びR31''はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33''はアルキレン基である。)により表される2官能性ウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
本発明の好ましい実施態様による固体高分子電解質膜は、95%以下の相対湿度及び室温〜60℃の温度でのプロトン導電率が1×10-3 S/cm以上である。
本発明の固体高分子電解質膜の製造方法は、溶媒中で、少なくとも上記有機ケイ素化合物と上記リン酸基含有不飽和単量体とを付加共重合させ、得られた固体高分子電解質を含む溶液又は分散液を水平な支持体上に流延し、前記溶媒を除去することを特徴とする。
上記製造方法において、(a) 前記有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液に、前記リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液を滴下するか、(b) 前記リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液に、前記有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液を滴下するか、(c)前記有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液と、前記リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液とを一括混合し、重合開始剤の存在下付加共重合させるのが好ましい。溶媒としては、(a) 炭素数1〜6の脂肪族アルコール溶媒、及び(b) ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン及びジメチルスルホキシドからなる群から選ばれた少なくとも一種と、炭素数1〜6の脂肪族アルコールとの混合溶媒が好ましい。
本発明の固体高分子電解質膜は燃料電池用途に好適である。
本発明の固体高分子電解質膜は、プロトン伝導性が高く、かつプロトン導電率の湿度依存性が低い。特に相対湿度95%以下の低湿度下でも優れたプロトン伝導性を示す。このような特性を有する本発明の固体高分子電解質膜を燃料電池用電解質膜として用いると、燃料電池システムの加湿装置及びその付随装置を縮小化し、システム構築コストを低減することができる。さらに本発明の固体高分子電解質膜は、一次電池用電解質膜、二次電池用電解質膜、表示素子膜、各種センサー膜、信号伝達媒体膜、固体コンデンサー膜、イオン交換膜などにも好適に利用できる。
[1] 固体高分子電解質膜の原料及び配合割合
本発明の固体高分子電解質膜は、少なくとも(a) 分子内に少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する不飽和結合含有有機ケイ素化合物と、(b) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体とが付加共重合してなり、かつ実質的にシロキサン架橋していない。以下不飽和結合含有有機ケイ素化合物、リン酸基含有不飽和単量体、これらの配合割合、及び共重合し得る他の不飽和化合物について説明する。
(1) 不飽和結合含有有機ケイ素化合物
不飽和結合含有有機ケイ素化合物(以下特段の断りがない限り、単に「有機ケイ素化合物」と呼ぶ)は、下記一般式(1):
Figure 2006351448
(ただしR1〜R4はそれぞれ独立にエチレン性不飽和結合を有する有機基、置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、かつR1〜R4のいずれかはエチレン性不飽和結合を有する有機基であり、R5及びR6はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、m及びnは各々1以上の整数である。)により表すことができる。
式(1)に示すように、有機ケイ素化合物はポリシロキサンからなる主骨格を有し、ポリシロキサン主骨格の各ケイ素原子には有機基が結合して側鎖及び末端を形成しており、分子内に少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する。ケイ素原子と有機基はケイ素−炭素結合している。分子中のケイ素原子に対する炭素原子の原子比(C/Si原子比)は2以上であるのが好ましい。
式(1)中のエチレン性不飽和結合を有する有機基(R1〜R4のいずれか)としては、例えば下記式(12):
Figure 2006351448
(ただしR34は置換又は無置換のアルキレン基であり、R35は水素基又はメチル基である。)により表される(メタ)アクリレート基が挙げられ、それ以外のものとして(メタ)アリルエステル基、ビニル基、メチルビニル基、(メタ)アリル基、スチリル基、エポキシ(メタ)アクリレート基等が挙げられるが、(メタ)アクリレート基が好ましい。(メタ)アクリレート基のアルキレン基R34の炭素数は特に制限されないが、1〜6が好ましい。アルキレン基R34の具体例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基等が挙げられる。
R1〜R6のいずれかが置換又は無置換のアルキル基である場合、その炭素数は1〜6が好ましい。R1〜R6のいずれかが置換又は無置換のアリール基である場合、その炭素数は6〜12が好ましい。具体的には、アルキル基としてはメチル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基が好ましい。R1〜R6のいずれかが置換アルキル基又は置換アリール基である場合、置換により有してもよい他の原子団としては、炭化水素基、水酸基、各種酸性基、イソシアネート基、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合等が挙げられる。
中でも式(1)により表される有機ケイ素化合物としては、下記一般式(3):
Figure 2006351448
(ただしR1'〜R3'はそれぞれ独立に(メタ)アクリレート基、メチル基又はフェニル基であり、かつR1'〜R3'のいずれかは(メタ)アクリレート基であり、m及びnは各々1以上の整数である。)により表される化合物が好ましい。
有機ケイ素化合物として、下記一般式(2):
Figure 2006351448
(ただしR7は水素基又はアルキル基であり、R8は置換又は無置換のアルキレン基であり、R9〜R12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、pは0〜2の整数である。)により表される化合物を用いてもよい。式(2)において、pが0のときR9は無い。
アルキレン基R8の炭素数は特に制限されないが、1〜6が好ましい。アルキレン基R8の具体例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基等が挙げられる。R9〜R12のいずれかがアルキル基又はアリール基である場合、それらの炭素数はR1〜R6と同じでよい。具体的には、アルキル基としてはメチル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基が好ましい。
式(2)により表される有機ケイ素化合物としては、下記一般式(4):
Figure 2006351448
(ただしR7'は水素基又はメチル基である。)により表される化合物が好ましい。
式(1)により表される有機ケイ素化合物の平均分子量は特に制限されないが、500〜20,000であるのが好ましい。式(1)又は式(2)により表される有機ケイ素化合物の官能基(エチレン性不飽和結合を有する基)当量(g/mol)は特に制限されないが、300〜10,000が好ましい。
式(1)により表される化合物、及び式(2)により表される化合物は、各々単独で用いてもよいし、併用してもよい。式(3)により表される化合物のうち3官能型の市販品として、例えば「X-22-2457」(商品名、信越化学工業株式会社製)等がある。式(3)により表される化合物のうち2官能型の市販品として、例えば「X-22-164AS」、「X-22-164A」、「X-22-164B」、「X-22-164C」、「X-21-5822」、「X-22-5825」、「X-22-2445」、「X-22-2426」(以上商品名、信越化学工業株式会社製)等がある。式(3)により表される化合物のうち1官能型の市販品として、例えば「X-24-8201」、「X-22-174DX」(以上商品名、信越化学工業株式会社製)等がある。式(4)により表される各化合物の市販品として、例えば「X-22-2404」(商品名、信越化学工業株式会社製)等がある。
(2) リン酸基含有不飽和単量体
リン酸基含有不飽和単量体は下記一般式(5):
Figure 2006351448
(ただしR13は水素基又はアルキル基であり、R14は置換又は無置換のアルキレン基であり、xは1〜6の整数である。)により表すことができる。R1は−H基又は−CH3基であるのが好ましい。アルキレン基R14について、「置換又は無置換」であるとは、直鎖状又は分岐状であることも含む。アルキレン基R14の炭素数は2〜4が好ましい。
式(5)により表されるリン系酸残基含有不飽和単量体は、下記一般式(13):
Figure 2006351448
(ただしR13は水素基又はアルキル基であり、R14'は水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、xは1〜6の整数である。)により表される化合物が好ましい。式(13)により表されるリン系酸残基含有不飽和単量体において、R14'はH、CH3又はCH2Clであるのが好ましい。
一般式(5)により表されるリン酸基含有不飽和単量体のうち代表的なものの構造式及び物性をそれぞれ表1及び表2に示す。これらの単量体はユニケミカル株式会社から商品名Phosmer(登録商標)として販売されている。ただし本発明に使用できるリン酸基含有不飽和単量体はこれらに限定されるものではない。一般式(5)により表されるリン酸基含有不飽和単量体は単独で用いることができるが、2種以上を併用しても良い。
Figure 2006351448
Figure 2006351448
一般式(5)により表されるリン酸基含有不飽和単量体のうち、アシッド・ホスホオキシブチルアクリレートもユニケミカル株式会社から商品名Phosmer BAとして入手可能である。
リン酸基は解離していてもよいし、錯塩を形成していても良い。錯塩を形成する場合、電荷を中和させるため、例えば第1級、第2級、第3級又は第4級のアルキル基、アリル基、アラルキル基等を含有するアンモニウムイオンやモノ、ジ又はトリアルカノールアミン残基と錯塩を形成するのが好ましく、特にN+R4−f(OH)f(但しRは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基及び炭素数6〜12の脂環族基からなる群から選ばれた少なくとも一種を表し、fは1〜3の正の整数を表す。)が好ましい。
リン酸基含有不飽和単量体としては、下記一般式(6):
Figure 2006351448
(ただしR15及びR17はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R16及びR18はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、x'及びx''はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有ジエステル系不飽和単量体、下記一般式(7):
Figure 2006351448
(ただしR19及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R20及びR22はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、y及びy'はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体、及び下記一般式(8):
Figure 2006351448
(ただしR23、R25及びR27はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R24、R26及びR28はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、z、z'及びz''はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有トリエステル系不飽和単量体も使用可能である。各アルキレン基R16、R18、R20、R22、R24、R26及びR28の炭素数は2〜4が好ましい。
一般式(6)により表されるリン酸基含有ジエステル系不飽和単量体としては、下記一般式(14):
Figure 2006351448
(ただしR15及びR17はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R16'及びR18'はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、x'及びx''はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表される化合物が好ましい。
一般式(7)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体としては、下記一般式(15):
Figure 2006351448
(ただしR19及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R20'及びR22'はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、y及びy'はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表される化合物が好ましい。
一般式(8)により表されるリン酸基含有トリエステル系不飽和単量体としては、下記一般式(16):
Figure 2006351448
(ただしR23、R25及びR27はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R24'、R26'及びR28'はそれぞれ独立に水素基又は置換もしくは無置換のアルキル基であり、z、z'及びz''はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表される化合物が好ましい。
リン酸基含有ジエステル系不飽和単量体としては、ジ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート及びジ(アクリロイルオキシエチル)ホスフェートが好ましい。ピロリン酸基含有不飽和単量体としては、ジ(メタクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェート及びジ(アクリロイルオキシエチル)アシッド・ピロホスフェートが好ましい。
一般式(5)により表されるリン酸基含有不飽和単量体はプロトン伝導性に優れており、一般式(6)〜(8)により表されるリン酸基含有不飽和単量体は硬化作用を有し製膜性に優れているので、一般式(5)により表されるリン酸基含有不飽和単量体と、一般式(6)〜(8)により表されるリン酸基含有不飽和単量体とからなる群から選ばれた少なくとも一種とを併用してもよい。このような併用により膜のプロトン伝導性と耐溶剤性と膜強度のバランスが向上する。中でも一般式(5)及び(6)により表されるリン酸基含有不飽和単量体を併用するのが好ましい。一般式(5)により表されるリン酸基含有不飽和単量体と、一般式(6)〜(8)により表されるリン酸基含有不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種とを併用する場合、式[一般式(5)により表されるリン酸基含有不飽和単量体]/[一般式(6)〜(8)により表されるリン酸基含有不飽和単量体の合計]により表される配合モル比は1/0.05〜1/2であるのが好ましい。
固体高分子電解質膜が上記のようなリン酸基含有不飽和単量体成分を含むことにより、固体高分子電解質に高い水保持能力を付与でき、高伝導性を有する膜が得られる。
(3) 配合割合
有機ケイ素化合物及びリン酸基含有不飽和単量体の配合割合は、溶媒中での付加共重合反応中にゲル化しない限り特に制限されないが、モル比で(有機ケイ素化合物)/(リン酸基含有不飽和単量体)=90/10〜10/90であるのが好ましく、この比が90/10〜50/50であるのがより好ましい。この比を10/90未満とすると、共重合体の耐熱性等の向上効果が不十分となる恐れがあり、一方90/10超とすると、リン酸基が不足してプロトン伝導性が不十分となる恐れがある。
(4) 共重合できる他の不飽和化合物
固体高分子電解質膜は、有機ケイ素化合物及びリン酸基含有不飽和単量体以外の他の不飽和化合物を共重合成分として含んでもよい。他の不飽和化合物は以下の2群(a) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが酸性基を有しない不飽和化合物、及び(b) 分子内にエチレン性不飽和結合と酸性基とを各々1個以上有する不飽和化合物に大別できる。
(a) 酸性基を含有しない不飽和化合物
固体高分子電解質膜は、造膜性、耐水性、耐薬品性等の向上を目的として、酸性基を含有しない不飽和化合物(酸性基非含有不飽和化合物)を共重合成分として含んでもよい。酸性基非含有不飽和化合物としては、常温で気体でない、分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する不飽和化合物がすべて対象になるが、中でも(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、ビニル化芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、置換又は無置換のスチレン、ハロゲン化ビニル(例えば塩化ビニル等)、脂肪酸置換ビニルエステル(例えば酢酸ビニル等)、及びフッ素基含有不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
(i) (メタ)アクリル酸エステル
(メタ)アクリル酸エステルとして、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、上記のもの以外に下記一般式(9):
Figure 2006351448
(ただしR29〜R32はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33はアルキレン基である。)により表されるウレタン(メタ)アクリレートも挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルはアルコール性水酸基を含有するものであってもよい。アルコール性水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、グリセロールジメタクリレート[例えば商品名「ブレンマーGMR」、「同GMR-R」、「同GMR-H」(以上日本油脂株式会社製)等]、グリセロールメタクリレートアクリレート[例えば商品名「ブレンマーGAM」、「同GAM-R」(以上日本油脂株式会社製)等]等のグリセロールジ(メタ)アクリレート;1, 6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-5521」(新中村化学工業株式会社製)等];1, 4-ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-5520」(新中村化学工業株式会社製)等];ビスフェノールA型エポキシアクリレート[例えば商品名「NK オリゴ EA-1020」(新中村化学工業株式会社製)等];2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の2-ヒドロキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコール性水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては下記一般式(10):
Figure 2006351448
(ただしR29'〜R31'はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33'はアルキレン基である。)により表される3官能性ウレタン(メタ)アクリレート、下記一般式(11):
Figure 2006351448
(ただしR29''及びR31''はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33''はアルキレン基である。)により表される2官能性ウレタン(メタ)アクリレート等も挙げられる。
上記の2〜4官能型のウレタン(メタ)アクリレートは、例えばジイソシアネートとグリセロールジアクリレートとを反応させることにより得られ、市販品として例えば「NK オリゴ U-4HA」(商品名、新中村化学工業株式会社製)等がある。
(ii) 共役ジエン系液状オリゴマー
共役ジエン系液状オリゴマーとしては、分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するブタジエンオリゴマー、イソプレンオリゴマー及びこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。共役ジエン系液状オリゴマーとしては、下記一般式(17):
Figure 2006351448
(ただしR36及びR37はそれぞれ独立に(I) エチレン性不飽和結合を1個以上有し、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基、(II) エチレン性不飽和結合を有さず、かつ他の原子団を有してもよい炭化水素基又は(III) 水素基であり、かつR36及びR37の少なくとも一方は上記(I)のエチレン性不飽和結合を有する炭化水素基であり、R38及びR39はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、かつR38及びR39の少なくとも一方は水素基であり、rは重合度である。)により表されるものがより好ましい。ただし共役ジエン系液状オリゴマーとしては、式(17)に示すような重合体鎖中の共役ジエン単位が1, 2−結合であるものに限定する趣旨ではなく、共役ジエン単位が1, 4−結合であるものであってもよい。
R36及びR37の具体例として(メタ)アクリル基が挙げられる。R36及びR37が有してもよい他の原子団としては、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合、イソシアネート基、水酸基及びアルコキシ基からなる群から選ばれた少なくとも一種が挙げられる。共役ジエン系液状オリゴマーは、必要に応じて他の共役ジエンを重合成分として含有してもよい。
共役ジエン系液状オリゴマーの分子量に特に制限はないが、数平均分子量が500〜50,000のものが好ましい。式(17)により表される共役ジエン系液状オリゴマーの市販品として、例えば「NISSO-PB TEA-1000」、「NISSO-PB TE-2000」(以上日本曹達株式会社製)等がある。
共役ジエン系液状オリゴマーは水素化されたものであってもよい。水素化共役ジエン系液状オリゴマーは、下記一般式(18):
Figure 2006351448
(ただしR36〜R39及びrは式(17)と同じである。)により表されるものが好ましい。式(18)により表される水素化共役ジエン系液状オリゴマーの市販品として、例えば「NISSO-PB TEAI-1000」(日本曹達株式会社製)等がある。
(iii) ビニル化芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー
ビニル化芳香族−共役ジエン系共重合体は、少なくともビニル化芳香族単位及び共役ジエン単位を有する共重合体からなる。ビニル化芳香族成分としてはスチレンが好ましい。共役ジエン成分としてはイソプレンが好ましい。ビニル化芳香族−共役ジエン系共重合体中のビニル化芳香族成分及び共役ジエン成分の割合は特に制限されず、固体高分子電解質膜に要求される靭性、可撓性、機械的強度等の物性に応じて適宜設定すればよい。ビニル化芳香族−共役ジエン系液状オリゴマーの分子量に特に制限はないが、例えば質量平均分子量が1,000〜100,000であればよい。
ビニル化芳香族−共役ジエン系共重合体は官能基や他の原子団の導入、水素添加等の処理により変性された誘導体であってもよい。官能基としては、(メタ)アクリル基、イソシアネート基、水酸基、アルコキシ基、エポキシ基、炭化水素基等が挙げられる。他の原子団としては、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合等が挙げられる。ビニル化芳香族−共役ジエン系共重合体の市販品として、例えば「クラプレン LIR-310」(株式会社クラレ製)等がある。
(iv) フッ素基含有不飽和単量体
フッ素基含有不飽和単量体としては、例えば特開2005-11789号に記載のものが挙げられる。具体的には、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のハイドロフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル;パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル;α-(トリフルオロメチル)アクリル酸等のハイドロフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸;パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル基含有ビニル;ハイドロフルオロアルキル基含有ビニル等が好ましい。フッ素基含有不飽和単量体を共重合成分として含むことにより、固体高分子電解質膜の耐熱性及び耐水性が一層向上する。
(v) 酸性基を有さないが分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有する化合物
固体高分子電解質膜の耐溶剤性を向上させるために、酸性基を有さない不飽和化合物として、複数個のエチレン性不飽和結合を含有するものを使用し、固体高分子電解質膜を硬化するのが好ましい。そのような硬化剤として、各々上記の式(9)〜式(11)により表される2〜4官能型ウレタン(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1, 6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、1, 4-ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ヘキサメチレンジオールジアクリレート、共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、及びビニル化芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体が挙げられる。その他にジビニルベンゼン等も挙げられる。
(b) 酸性基を含有する不飽和化合物
酸性基は特に制限されないが、例えばスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、硼酸基等が挙げられる。中でもスルホン酸基、カルボン酸基及びホスホン酸基からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する骨格としては、(メタ)アクリレート骨格、(メタ)アリルエステル骨格、置換又は無置換の不飽和脂肪族炭化水素骨格、不飽和基により置換された芳香族炭化水素骨格等を挙げることができる。
(i) スルホン酸基を含有する不飽和単量体
スルホン酸基を含有する不飽和単量体としては、例えば特開2004-179154号に記載のものが挙げられる。具体的には、ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸等が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
(ii) カルボン酸基を含有する不飽和単量体
カルボン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸無水物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
(iii) アルコール性水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルのリン酸エステル化物
上記のアルコール性水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルは、その水酸基をリン酸エステル化してもよい。特にエチレン性不飽和基を分子中に2個以上有するアルコール性水酸基含有不飽和単量体のリン酸エステル化物は、硬化能が良い。そのようなリン酸エステル化物の中でもグリセロールジ(メタ)アクリレートをリン酸エステル化した化合物、すなわち下記式(19):
Figure 2006351448
(ただしR40及びR41はそれぞれ独立に水素基又はメチル基である。)により表される化合物、及び下記式(20):
Figure 2006351448
(ただしR40及びR41はそれぞれ独立に水素基又はメチル基である。)により表される化合物が好ましい。
アルコール性水酸基含有不飽和単量体をリン酸エステル化するには、例えばアルコール性水酸基含有不飽和単量体の水酸基に対して0.5〜0.6モル当量の無水リン酸を加えて反応させ、必要に応じて得られた反応生成物を加水分解すればよい。
(iv) 共役ジエン系液状オリゴマーの酸性基導入誘導体
上記式(17)及び(18)により表される(水素化)共役ジエン系液状オリゴマーは、式(17)及び(18)中のR36及びR37に、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等が導入された誘導体であってもよい。
(v) ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド誘導体
ホスホン酸基含有(メタ)アクリルアミド誘導体は、(メタ)アクリルアミド系単量体と、リン酸源化合物とを反応させ、得られた反応生成物を加水分解してなるものである。具体例として、アクリルアミドホスホン酸、アクリルアミドジホスホン酸及びホスホン酸基含有ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。
(vi) ビニル化芳香族−共役ジエン系液状オリゴマーの酸性基導入誘導体
上記ビニル化芳香族−共役ジエン系液状オリゴマーは、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等が導入された誘導体であってもよい。
(vii) 酸性基を有し、かつ分子内に複数個のエチレン性不飽和結合を含有する単量体
固体高分子電解質膜の耐溶剤性(例えば耐メタノール性等)を向上させるために、酸性基を含有する不飽和化合物として、複数個のエチレン性不飽和結合を含有する硬化剤を使用し、固体高分子電解質膜を硬化してもよい。そのような硬化剤として、上記の式(6)〜(8)により表されるリン酸基含有不飽和単量体、並びに上記の式(19)及び(20)により表されるグリセロールジ(メタ)アクリレートのリン酸エステル化物が好ましい。
(c) 他の不飽和化合物の添加量
他の不飽和化合物の添加量は、有機ケイ素化合物及びリン酸基含有不飽和単量体と溶媒中で共重合した時にゲル化しない限り特に制限されない。他の不飽和化合物の添加量は、有機ケイ素化合物、リン酸基含有不飽和単量体及び他の不飽和化合物の合計を100質量%として、一般的に50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。限定する趣旨ではないが、上記硬化剤の添加量は10質量%以下が好ましい。
(5) 混合できる他の重合体
固体高分子電解質膜を製造する際の造膜性や、得られる固体高分子電解質膜の強度、疎水性、耐溶剤性等を一層向上させるために、固体高分子電解質膜を形成する共重合体と相溶し得るその他の(共)重合体を混合することができる。その他の(共)重合体としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メラミン、セルロース及びその変性物等を挙げることができる。本発明の固体高分子電解質膜は、その他の(共)重合体からなる膜を支持膜として用いた構成とすることもできる。
[2] 固体高分子電解質膜の製造方法
本発明の固体高分子電解質膜は、少なくとも上記有機ケイ素化合物及び上記リン酸基含有不飽和単量体を溶媒中で共重合させた溶液を調製し、得られた固体高分子電解質溶液をキャスト法により製膜することにより製造できる。
(1) 共重合による固体高分子電解質の調製
まず(a) 有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液に、リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液を滴下するか、(b) リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液に、有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液を滴下するか、(c) 有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液と、リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液とを一括混合し、重合開始剤の存在下付加共重合させる。
以下(有機ケイ素化合物+溶媒)からなる溶液又は分散液(有機ケイ素化合物含有液)に、[リン酸基含有不飽和単量体+重合開始剤+溶媒(+他の不飽和化合物)]からなる溶液又は分散液(リン酸基含有不飽和単量体含有液)を滴下し、付加共重合する方法について説明する。溶媒としては、有機ケイ素化合物、リン酸基含有不飽和単量体及び生成する共重合体が全て溶解する共通溶媒を用いる。そのような溶媒としては(a) 炭素数1〜6の脂肪族アルコール溶媒、及び(b) ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラヒドロフラン(THF)及びジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群から選ばれた少なくとも一種と、炭素数1〜6の脂肪族アルコールとの混合溶媒が好ましい。炭素数1〜6の脂肪族アルコールとしては、ブタノールがより好ましく、n-ブタノールが特に好ましい。上記(a)及び(b)の溶媒は各々一種のみを使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
重合開始剤としては、2, 2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2, 2'-アゾビス(2, 4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2, 2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ジメチル2, 2'-アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、あるいはラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert-ブチルパーオキシ・ピバレート等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。
重合手順について述べる。まず攪拌器、添加器及び還流冷却器付き反応器に有機ケイ素化合物含有液を入れるとともに、添加器にリン酸基含有不飽和単量体含有液を入れる。リン酸基含有不飽和単量体含有液の不飽和化合物成分の濃度は5〜30質量%とするのが好ましい。反応器内の気相部に窒素を流通させながら、反応器内を40℃〜100℃、好ましくは50℃〜100℃の温度に昇温する。所定温度到達直後に、添加器内のリン酸基含有不飽和単量体含有液を所定の時間をかけて滴下する。滴下にかける時間は15〜120分が好ましい。
有機ケイ素化合物含有液に、リン酸基含有不飽和単量体含有液を全量添加した後、1〜10時間共重合する。リン酸基含有不飽和単量体含有液を有機ケイ素化合物含有液に全量添加した後に、必要に応じて再び重合開始剤を添加してもよい。共重合温度は85℃〜100℃が好ましい。共重合温度は最初から最後まで一定である必要はなく、共重合末期に上記範囲内で温度を上げて共重合率を増加させ、未反応単量体を極力少なくする方法をとってもよい。
重合液中の原料[リン酸基含有不飽和単量体+有機ケイ素化合物(+その他の不飽和化合物)]の濃度は、できるだけ高い方が好ましいが、反応試験機の撹拌強度の観点から、20質量%以下であるのが好ましい。重合液中の原料濃度が20質量%超であると、反応途中でゲル化物が生じる恐れがある。重合開始剤のトータル使用量は、リン酸基含有不飽和単量体を100質量%として0.005〜0.5質量%であるのが好ましく、0.01〜0.3質量%であるのがより好ましい。
一括混合法は、有機ケイ素化合物含有液に、リン酸基含有不飽和単量体含有液を一括添加すること以外上記滴下法と本質的に同じでよい。
(2) キャスト法による製膜
付加共重合により調製した共重合体溶液を用い、キャスト法により製膜する。上記他の(共)重合体を混合する場合、これを固体電解質の溶液又は分散液に予め添加し、溶解又は分散させる。キャスト法は、固体電解質の溶液又は分散液を水平な支持体(例えばガラス板、トレイ等)上に流延し、重合反応に用いた溶媒を蒸発させるものである。溶媒は、キャストした溶液又は分散液を減圧及び/又は加熱することにより蒸発させる。具体的には90〜150℃の温度で1〜180分程度加熱乾燥処理するのが好ましい。加熱乾燥処理時の圧力は常圧〜10 mmHg(絶対圧)とするのが好ましい。
製膜したフィルム(皮膜)をさらに加熱するのが好ましく、これにより共重合体中に組み込まれたリン酸基間で縮合が起こり、機械的強度及び耐溶剤性が向上する。具体的には90〜100℃で20分〜3時間程度加熱乾燥処理するのが好ましい。加熱乾燥処理時の圧力は常圧〜10 mmHg(絶対圧)とするのが好ましい。
減圧及び/又は加熱により溶媒を蒸発させて得られた膜は、不純物(残留溶媒、単量体等の未反応成分等)を抽出するのが好ましい。抽出は膜を貧溶媒に浸漬した後、取り出すことにより行う。貧溶媒としては水、メタノール等が好ましい。1回の抽出操作に使用する貧溶媒の量は、膜の10倍容積〜100倍容積とする。浸漬温度は通常室温でよく、必要に応じて膜が劣化しない程度に加熱しても構わない。浸漬時間に関して、例えば貧溶媒として水又はメタノールを用いて室温で抽出する場合、約24時間浸漬すれば、1回の抽出操作でほぼ不純物を抽出できる。必要に応じて、貧溶媒による抽出を繰り返してもよい。
本発明の固体高分子電解質膜の厚さは通常30〜200μmとし、好ましくは30〜150μmとする。本発明の固体高分子共重合体からなる膜は、共重合後に不純物を抽出しない場合、メタノール抽出率が15質量%以下であるが、耐メタノール性が格段に優れているわけではない。ここでメタノール抽出率は、膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬し、105℃で10分間乾燥した後の質量減少を測定したものである。
このような特性を有する本発明の固体高分子電解質膜は、直接型メタノール固体高分子型燃料電池に用いる場合、上記のように貧溶媒(メタノール)を用いて抽出した上で用いるのが好ましい。
[3] 固体高分子電解質膜の特性
以上のような製造方法により得られる本発明の固体高分子電解質膜は、上記有機ケイ素化合物とリン酸基含有不飽和単量体とが付加共重合してなり、かつ実質的にシロキサン架橋していない。ここで「実質的にシロキサン架橋していない」とは、有機ケイ素化合物に由来するポリシロキサン主骨格(主鎖)同士がシロキサン結合した構造(シロキサン架橋構造)を有しないことを意味する。上記のように有機ケイ素化合物は、側鎖及び末端が有機基により形成されているが、有機基はケイ素−炭素結合により直鎖状ポリシロキサン主骨格の各ケイ素原子に結合している。有機基の一部は水素基に置換されていてもよいが、その場合、水素基はケイ素−水素結合によりポリシロキサン主骨格のケイ素原子に結合している。そのため有機ケイ素化合物は、アルコキシ基及びシラノール基を含まない。よって上記のような方法により固体高分子電解質膜を製造しても、一般的にアルコキシ基間又はシラノール基とアルコキシ基間の縮合反応(ゾルゲル反応)により生じるシロキサン結合が生成しないので、シロキサン架橋構造は形成されない。固体高分子電解質膜の共重合構造に特に制限はなく、例えばブロック共重合体又はグラフト共重合体のいずれでもよい。
本発明の固体高分子電解質膜は、50〜95%の相対湿度及び30〜90℃の温度条件下において導電率が10-4〜10-2 S/cmの優れたプロトン伝導性を有し、かかるプロトン導電率の温度依存性及び湿度依存性が小さい。例えば50℃の温度で相対湿度を90%から50%まで降下させながら測定した場合でも、50℃の温度で相対湿度を50%から90%まで上昇させながら測定した場合でも、プロトン伝導性の湿度依存性は小さい。特に50%の相対湿度及び50℃の温度でのプロトン導電率は1×10-3 S/cm以上であるという特徴を有する。
そのため本発明の固体高分子電解質膜を用いると、燃料電池システムの加湿装置及びその付随装置を縮小化し、システム構築コストを低減することができる。ここで導電率とは、複素インピーダンス法により測定したデータを平面複素インピーダンス解析し、さらにcole-cole プロット図形処理をして得られた抵抗値から求めたものである。本発明の固体高分子電解質膜は、(1) 有機ケイ素化合物単位のポリシロキサン主骨格及び側鎖・末端の有機基、並びにリン酸基含有不飽和単量体単位のエチレン性不飽和結合に由来する炭化水素骨格からなる疎水部と、(2) リン酸基含有不飽和単量体に由来するリン酸基、エステル結合及びアルキレンオキシド基の連鎖からなる親水部とを有する構造をとるので、リン酸基等からなる親水部が効率的なプロトン伝導経路となるものと推測される。
[4] 燃料電池
燃料電池の構造は公知のものでよい。通常燃料電池は複数個の単位燃料電池(膜−電極接合体)を、セパレータを介して積層することにより形成することができる。単位燃料電池は、固体高分子電解質膜と、その両側に接合されたアノード電極及びカソード電極とから構成される。電極は、ガス拡散層(多孔性の炭素系材料等)と触媒層(白金粒子等)とからなる。触媒層はガス拡散層上に触媒粒子が塗布されることにより形成される。
セパレータは、燃料ガス(水素、メタン、メタノール等)と酸化剤ガス(酸素又は空気)とを分離すると共に、燃料ガス及び酸化剤ガスの流路を確保し、さらに燃料電池セルで発電した電気を外部へ伝達する役割を担う。従ってセパレータは、炭素材料、炭素複合材料(カーボンと熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂との複合材料等)、金属材料、金属複合材料(金属とカーボンとの複合材料等)等の導電性材料から形成される。またセパレータの表面には電極との接触部分に燃料ガス及び酸化剤ガスの流路をなす溝(反応ガス流路)が形成されている。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1〜18
表3に示す組成のリン酸基含有不飽和単量体(Phosmer)含有液、及び有機ケイ素化合物(両末端メタクリル変性シリコーン、商品名「X-22-164AS」、Mw:973、信越化学工業株式会社製)含有液(溶媒:n-ブタノール、濃度:10質量%)を各々調製し、表4に示す配合割合に従い、共重合体を調製した。還流冷却管、滴下漏斗、温度計及び窒素ガス導入管を接続した反応装置に、両末端メタクリル変性シリコーンオイル(X-22-164AS)含有液を入れ、気相部に窒素ガスを導入しながら攪拌し、重合温度80℃まで昇温した。内温が80℃に到達したことを確認後、滴下漏斗に入れたリン酸基含有不飽和単量体含有液を滴下した。その後3時間共重合させて、共重合体を含む溶液を得た。冷却した後、溶液をテフロン(登録商標)シート上に流延し、減圧加熱して溶媒を除去した後、表4に示す条件で加熱することにより固体高分子電解質膜を作製した。
Figure 2006351448
注:(1) n-ブタノール溶媒。Phosmerに対して0.2質量%のAIBNを含む。
(2) アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(分子量:342)。
(3) アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート(分子量:456)。
(4) アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート(分子量:210)。
(5) 商品名「NK オリゴ U-4HA」(Mw:516、新中村化学工業株式会社製)。
Figure 2006351448
表4(続き)
Figure 2006351448
表4(続き)
Figure 2006351448
表4(続き)
Figure 2006351448
表4(続き)
Figure 2006351448
表4(続き)
Figure 2006351448
注:(1) アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(分子量:342)。
(2) アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート(分子量:456)。
(3) アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート(分子量:210)。
(4) 両末端メタクリル変性シリコーン、商品名「X-22-164AS」、Mw:973、信越化学工業株式会社製。
(5) 商品名「NK オリゴ U-4HA」(Mw:516、新中村化学工業株式会社製)。
(6) リン酸基含有不飽和単量体含有液を有機ケイ素化合物含有液に滴下。
(7) 反応溶液中の原料[リン酸基含有不飽和単量体+有機ケイ素化合物(+その他の不飽和化合物)]の初期濃度。
(8) 2, 2 ’ -アゾビスイソブチロニトリル。
(9) ビスメトロン粘度計により測定。
(10) 膜を大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬し、105℃で10分間乾燥した後の質量減少を測定。
<メタノール抽出試験>
実施例1〜18の固体高分子電解質膜を、大過剰のメタノールに室温で24時間浸漬し、105℃で10分間乾燥した後の質量減少を測定した。表4から、いずれの膜でも15質量%以下の優れたメタノール抽出率を示した。
<プロトン伝導性の評価>
プロトン伝導性は複素インピーダンス法を用いて測定した。実施例1〜18の膜から切り出した3cm×1cmの矩形状サンプルを、開放系インピーダンスセルに設置した。このセルを恒温恒湿器内に設置し、インピーダンス測定を行った(相対湿度:90%、測定温度:35、50、65、80℃)。得られたデータを平面複素インピーダンス解析し、その結果をcole-cole プロット図形処理をして得られたサンプルの抵抗値から導電率を求めた(以下同じ)。結果を図1〜6に示す。
実施例2、7及び8の膜について、50℃の一定温度で、相対湿度を段階的に降下させて(相対湿度:90、70、60、50%)、各相対湿度でインピーダンス法により導電性測定を行った。参考例として、パーフルオロ骨格の側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質膜(商品名「Nafion112」、デュポン株式会社製)についても同様にして測定した。結果を図7に示す。
実施例2、7及び8の膜について、50℃の一定温度で、相対湿度を段階的に上昇させて(相対湿度:50、60、70、90%)、各相対湿度でインピーダンス法により導電性測定を行った。参考例として、Nafion112についても同様にして測定した。結果を図8に示す。
図1〜6に示す結果から、実施例1〜18の固体高分子電解質膜の導電率は、90%の相対湿度及び35〜80℃の温度範囲において、10-3〜10-2 S/cmのオーダーにあり、リン酸基を官能基とする高分子電解質としては良好な水準であり、かつ導電率の温度依存性が小さいことが分かる。また図7及び8に示す結果から、50℃の温度及び50〜90%の相対湿度範囲において、Nafion112は湿度低下に従い導電率が低下しているが、実施例2、7、8の固体高分子電解質膜は導電率が10-3〜10-2 S/cmのオーダーにあり、かつNafion112に比べて導電率の湿度依存性が小さいことが分かる。本発明の固体高分子電解質膜は、高湿度下のみならず50%の低湿度下でのプロトン伝導性にも優れていた。
実施例1〜3の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例4及び5の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例6〜8の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例9〜11の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例12〜15の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例16〜18の固体高分子電解質膜について、温度T(℃)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例2、7、8及び参考例の固体高分子電解質膜について、相対湿度を段階的に降下させながら導電率を測定した場合の相対湿度(%)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。 実施例2、7、8及び参考例の固体高分子電解質膜について、相対湿度を段階的に上昇させながら導電率を測定した場合の相対湿度(%)と導電率log(σ/S・cm−1) との関係をcole-cole プロットにより示すグラフである。

Claims (20)

  1. (a) 分子内に少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する不飽和結合含有有機ケイ素化合物と、(b) 分子内にリン酸基及びエチレン性不飽和結合を各々1個以上有するリン酸基含有不飽和単量体とが付加共重合してなり、かつ実質的にシロキサン架橋していないことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 請求項1に記載の固体高分子電解質膜において、前記有機ケイ素化合物はポリシロキサンからなる主骨格を有し、前記ポリシロキサン主骨格の各ケイ素原子には有機基が結合して側鎖及び末端を形成しており、前記ケイ素原子と前記有機基はケイ素−炭素結合を形成しており、前記有機基のうち少なくとも一個はエチレン性不飽和結合を有することを特徴とする固体高分子電解質膜。
  3. 請求項1又は2に記載の固体高分子電解質膜において、前記有機ケイ素化合物は、下記一般式(1):
    Figure 2006351448
    (ただしR1〜R4はそれぞれ独立にエチレン性不飽和結合を有する有機基、置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、かつR1〜R4のいずれかはエチレン性不飽和結合を有する有機基であり、R5及びR6はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、m及びnは各々1以上の整数である。)により表される化合物、及び/又は下記一般式(2):
    Figure 2006351448
    (ただしR7は水素基又はアルキル基であり、R8は置換又は無置換のアルキレン基であり、R9〜R12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基であり、pは0〜2の整数である。)により表される化合物であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  4. 請求項3に記載の固体高分子電解質膜において、前記有機ケイ素化合物は、下記一般式(3):
    Figure 2006351448
    (ただしR1'〜R3'はそれぞれ独立に(メタ)アクリレート基、メチル基又はフェニル基であり、かつR1'〜R3'のいずれかは(メタ)アクリレート基であり、m及びnは各々1以上の整数である。)により表される化合物、及び/又は下記一般式(4):
    Figure 2006351448
    (ただしR7'は水素基又はメチル基である。)により表される化合物であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体は、下記一般式(5):
    Figure 2006351448
    (ただしR13は水素基又はアルキル基であり、R14は置換又は無置換のアルキレン基であり、xは1〜6の整数である。)により表されることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  6. 請求項5に記載の固体高分子電解質膜において、R13は−H基又は−CH3基であり、R14は−(CH2)2−基、−CH2CH2(CH3)−基、−CH2CH2(CH2Cl)−基又は−(CH2)4−基であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体は下記一般式(6):
    Figure 2006351448
    (ただしR15及びR17はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R16及びR18はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、x'及びx''はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有ジエステル系不飽和単量体を含むことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  8. 請求項7に記載の固体高分子電解質膜において、R15及びR17はそれぞれ独立に−H基又は−CH3基であり、R16及びR18はそれぞれ独立に−(CH2)2−基、−CH2CH2(CH3)−基、−CH2CH2(CH2Cl)−基又は−(CH2)4−基であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記リン酸基含有不飽和単量体は下記一般式(7):
    Figure 2006351448
    (ただしR19及びR21はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R20及びR22はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、y及びy'はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるピロリン酸基含有不飽和単量体、及び/又は下記一般式(8):
    Figure 2006351448
    (ただしR23、R25及びR27はそれぞれ独立に水素基又はアルキル基であり、R24、R26及びR28はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキレン基であり、z、z'及びz''はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)により表されるリン酸基含有トリエステル系不飽和単量体を含むことを特徴とする固体高分子電解質膜。
  10. 請求項9に記載の固体高分子電解質膜において、前記ピロリン酸基含有不飽和単量体のR19及びR21はそれぞれ独立に−H基又は−CH3基であり、R20及びR22はそれぞれ独立に−(CH2)2−基、−CH2CH2(CH3)−基、−CH2CH2(CH2Cl)−基又は−(CH2)4−基であり、前記リン酸基含有トリエステル系不飽和単量体のR23、R25及びR27はそれぞれ独立に−H基又は−CH3基であり、R24、R26及びR28はそれぞれ独立に−(CH2)2−基、−CH2CH2(CH3)−基、−CH2CH2(CH2Cl)−基又は−(CH2)4−基であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記有機ケイ素化合物及び前記リン酸基含有不飽和単量体以外の他の不飽和化合物も共重合してなることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  12. 請求項11に記載の固体高分子電解質膜において、前記他の不飽和化合物は、(c) 分子内に1個以上のエチレン性不飽和結合を有するが酸性基を有しない不飽和化合物、及び/又は(d) 分子内にエチレン性不飽和結合と酸性基とを各々1個以上有する不飽和化合物であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  13. 請求項12に記載の固体高分子電解質膜において、前記(c) 酸性基を有しない不飽和化合物は(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、ビニル化芳香族−共役ジエン系液状オリゴマー又はその誘導体、置換又は無置換のスチレン、ハロゲン化ビニル、脂肪酸置換ビニルエステル及びフッ素基含有不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種であり、前記(d) 酸性基を有する不飽和化合物はスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基及び硼酸基からなる群から選ばれた少なくとも一種を有することを特徴とする固体高分子電解質膜。
  14. 請求項11〜13のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、前記他の不飽和化合物は分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上含む硬化剤であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  15. 請求項14に記載の固体高分子電解質膜において、前記硬化剤は、下記一般式(9):
    Figure 2006351448
    (ただしR29〜R32はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33はアルキレン基である。)により表される4官能性ウレタン(メタ)アクリレート、下記一般式(10):
    Figure 2006351448
    (ただしR29'〜R31'はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33'はアルキレン基である。)により表される3官能性ウレタン(メタ)アクリレート、及び下記一般式(11):
    Figure 2006351448
    (ただしR29''及びR31''はそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R33''はアルキレン基である。)により表される2官能性ウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の固体高分子電解質膜において、95%以下の相対湿度及び室温〜60℃の温度でのプロトン導電率が1×10-3 S/cm以上であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の固体高分子電解質膜の製造方法であって、溶媒中で、少なくとも前記有機ケイ素化合物と前記リン酸基含有不飽和単量体とを付加共重合させ、得られた固体高分子電解質を含む溶液又は分散液を水平な支持体上に流延し、前記溶媒を除去することを特徴とする方法。
  18. 請求項17に記載の固体高分子電解質膜の製造方法において、(a) 前記有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液に、前記リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液を滴下するか、(b) 前記リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液に、前記有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液を滴下するか、(c) 前記有機ケイ素化合物を含む溶液又は分散液と、前記リン酸基含有不飽和単量体を含む溶液又は分散液とを一括混合し、重合開始剤の存在下付加共重合させることを特徴とする方法。
  19. 請求項17又は18に記載の固体高分子電解質膜の製造方法において、(a) 炭素数1〜6の脂肪族アルコール溶媒中か、(b) ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン及びジメチルスルホキシドからなる群から選ばれた少なくとも一種と、炭素数1〜6の脂肪族アルコールとの混合溶媒中で、前記有機ケイ素化合物と前記リン酸基含有不飽和単量体とを付加共重合させることを特徴とする方法。
  20. 請求項1〜16のいずれかに記載の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とする燃料電池。
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