JP2006351080A - 光情報記録媒体、その製造方法およびその記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体、その製造方法およびその記録方法 Download PDF

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克成 花岡
Hajime Yuzurihara
肇 譲原
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Abstract

【課題】 記録型DVDとの互換が容易なNA0.65、記録再生波長380〜410nmの光学系を用いた多値記録システムに用いる光情報記録媒体において、記録パワーマージンの広い実用的な光情報記録媒体、その製造方法およびその記録方法を提供する。
【解決手段】 光照射による結晶とアモルファスの相転移現象を利用する光情報記録媒体であって、同心円または螺旋状の溝形状を有する第1の基板上に、少なくとも反射層、第1保護層、相変化記録層、第2保護層からなる情報記録層をこの順序で有し、さらに接着層を介して第2の基板を有し、該第2の基板側から光照射して記録および再生を行う多値記録方式に用いる光情報記録媒体において、前記第1の基板と前記第2の基板の厚さが各0.6mm±0.05mmで、かつ、情報記録面において、前記第2の基板と前記接着層から構成されるカバー層の厚さむらが0.01mm以下であることを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、記録ピットの記録再生信号レベルが2値より多い相変化型多値記録媒体に関する。
現在、実用化されている光情報記録媒体として、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用した、いわゆる相変化型光情報記録媒体は、記録材料としてGeTe−Sb2Te3擬似2元系組成を有していて、Ge2Sb2Te5などの化合物組成に代表されるGe−Sb−Te3元合金材料、およびSb70Te30共晶組成近傍を主成分とし、Ag−In−Sb−Teに代表される、AgInSbTe系材料がある。前者のGeSbTe系材料はDVD−RAMとして、後者のAgInSbTe系材料は、CD−RW、DVD−RWおよびDVD+RWとして広く実用化されている。これらの相変化型光記録媒体は、いずれも螺旋状もしくは同心円状の溝を有するプラスチック基板上に、下部保護層、記録層、上部保護層、反射層などを積層した構造を有し、記録層の結晶とアモルファスにおける光学定数変化および前記積層構造の多重干渉を利用して反射率を制御し、2値情報の記録・再生を行うものである。
一方、近年、デジタル化の進展やブロードバンドの普及に伴って、扱う情報量が増大し、高密度かつ高速でデータを記録・再生できる新たな記録媒体が求められている。このような背景から、上記相変化型光記録媒体においては、記録再生波長の短波長化や開口数NA(Numerical Aperture)の増大により、集光ビーム径を小さくして、記録されるマークのサイズを小さくし、高密度化および高速化を狙った技術開発が盛んに行われている。例えば、現状の記録型DVDは、記録再生波長λ=650nm、開口数NA=0.65、記録容量4.7GBであるが、記録再生波長をλ=380〜410nmと短波長化し、開口数NA=0.85とした記録容量20GB以上の光記録システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、このシステムでは高NA化によってDVDとの互換が難しくなり、加えて指紋などの記録媒体面の汚れに弱いという致命的な問題を抱えている。
これに対し、開口数NAを従来の記録型DVDシステムの0.65程度に保ったままで、高密度化および高速化を実現する技術として、多値記録方式が注目されている。例えば、本出願人は、アモルファス記録マークの周辺結晶部に対する占有率の違いで多値情報を記録し、2値記録の場合の1.5倍以上の容量を達成する方法について提案した(非特許文献1参照)。すなわち、NA0.65のシステムでは、ワーキングディスタンスが従来のように広く取れるため、CD−RWや記録型DVDと同様に専用ケースを必要としないベアディスクが使用できる。また、従来のDVDと同じNAの光学系であるので、1つの光学系でCDおよびDVDを含めた3世代の互換が取りやすいというメリットもある。
また、従来の2値記録に関する同様な媒体構成に、記録再生波長が青色(390〜440nm)になったときの光透過層の厚さむらの許容値について開示しているものがある(例えば特許文献2参照)が、その内容はDVD(波長650nm、2値記録)の実績から波長依存を考慮したもので、多値記録方式における開示はない。また、光透過層の厚さむらは、量産レベルの基板射出成形の厚さむらから、±0.01mmが実質的に限界値としている。反射率変化に多段階の信号を割り付ける多値記録方式では、2値記録以上のマーク制御が必要であり、システムに要求されるマージンも厳しくなるため、上記開示だけでは、実用的な記録マージンを有する青色波長対応の多値記録システムは実現できない。
さらに、上記のような多値記録方式においては、以下のように、従来の記録型DVDの赤色記録再生波長(約650nm)に比べ、青色記録再生波長(約380〜410nm)とした場合の方が、信号品質に対するマージンはより厳しくなる。すなわち、多値信号の反射率ばらつきを表す指標としてSDR値がある。SDR値とは、多値階調数をnとしたときの各多値信号の標準偏差σiの平均値と、多値Rf信号のダイナミックレンジDR(マーク無の反射率と最大マークとの反射率差)との比=Σσi/(n×DR)で表され、2値記録におけるジッターに相当する信号品質である。一般に、多値階調数nを一定とすると、多値信号の標準偏差σiが小さいほど、かつ、ダイナミックレンジDRが大きいほどSDR値は小さくなり、多値信号の分別性が良くなってエラー率は低くなる。逆に、多値階調数nを大きくすると、SDR値は大きくなりエラー率は高くなる。
基本的にダイナミックレンジDRは、結晶状態とアモルファス状態の反射率差で与えられるが、記録再生波長が短くなると、一般に記録材料の光学定数、特に吸収係数kの差が、これまでの赤色波長に比べて著しく小さくなり、結晶状態とアモルファス状態の反射率差(コントラスト)が得られにくくなる。これに加えて、青色受光素子の量子効率が減少するため、400nm付近でのダイナミックレンジDRは赤色記録再生系のそれに比べて約半減してしまう。このため、許容される反射率変動のマージンはより狭くなる方向にある。
また、記録容量拡大のための多値記録に関し、相変化記録層を有する情報記録媒体であって、該記録層における溶融状態からの再結晶化が、結晶領域からの結晶成長によって実質的に進行するという多値記録用媒体が提案されており(例えば特許文献3参照)、溝を有する第1の基板上に保護層、記録層、保護層、反射層の順に形成され、記録再生光は溝を有する第1の基板側から入射させているが、記録再生波長を略400nmと短波長化した際に生じる前述のような問題点については認識されておらず、また、これを解決するための技術的な開示や示唆も見られない。したがって、この提案による開示だけでは、青色波長対応の多値記録システムは実現することはできない。
特開平10−326435号公報 特開2000−123416号公報 特開2001−84591号公報 Data Detection using Pattern Recognition,International Symposium on Optical Memory 2001,Technical Digest 2001,Pd-27
本発明は前述したような記録型DVDとの互換が容易なNA0.65、記録再生波長380〜410nmの光学系を用いた多値記録方式に用いる光情報記録媒体において、記録パワーマージンの広い実用的な光情報記録媒体、その製造方法およびその記録方法を提供することを目的とする。
上記課題は、次の(1)ないし(7)の発明(以下、本発明1ないし7という)によって解決される。
(1)光照射による結晶とアモルファスの相転移現象を利用する光情報記録媒体であって、同心円または螺旋状の溝形状を有する第1の基板上に、少なくとも反射層、第1保護層、相変化記録層、第2保護層からなる情報記録層をこの順序で有し、さらに接着層を介して第2の基板を有し、該第2の基板側から光照射して記録および再生を行う多値記録方式に用いる光情報記録媒体において、前記第1の基板と前記第2の基板の厚さが各0.6mm±0.05mmで、かつ、前記第2の基板と前記接着層から構成されるカバー層の厚さむらが0.01mm以下であることを特徴とする光情報記録媒体である。
(2)前記第1の基板に、トラックピッチが0.45〜0.50μm、凸部からなるランド幅が0.20〜0.33μmの溝形状を有することを特徴とする(1)に記載の光情報記録媒体である。
(3)前記反射層がAgを主成分として含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の光情報記録媒体である。
(4)前記第1保護層が硫黄を含む保護層材料の場合に、前記反射層と前記第1保護層との間にNb酸化物および/またはTa酸化物とSi酸化物とからなる実質的に硫黄を含まない硫化防止層を有することを特徴とする(3)に記載の光情報記録媒体である。
(5)前記記録層が下記式(I)の組成からなる相変化記録材料であることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の光情報記録媒体である。
Figure 2006351080
(式中、Xは、Ag、Au、Cu、Ca、Cr、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Sn、Pb、Mg、Mn、N、P、Bi、La、Ce、Cd、Tb、Dyの中から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、α、β、γは、それぞれ、0.01≦α≦0.10、0.001≦β≦0.10、0.65≦γ≦0.85を表す。)
(6)少なくとも前記情報記録層を上にして第1の基板を第1の平面に固定する工程と、該情報記録層表面上の所定の点の第1の平面からの高さH1〜Hnを計測する工程と、前記各点の高さH1、・・・、Hnとの距離ΔH1、…、ΔHnの各2乗和が最小となるように仮想平面を計算処理する工程と、第1の基板の情報記録層および/または第2の基板に接着層を塗布する工程と、該接着層が第1の基板と第2の基板との間に形成されるように、第2の基板を第2の平面に固定し、第1の基板に対向させる工程と、第2の平面と前記仮想平面とを実質的に平行な状態に保持しながら、前記接着層を固化する工程とからなることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法である。
(7)NA0.65±0.02、記録再生波長380〜410nmの光学系を用い、媒体上のトラック進行方向に等しい間隔で分割された領域(以後、この分割された仮想的な領域をセルと記す)毎に1つの記録マークを形成し、該セル長を0.26μm以下として、前記非晶質マークとマーク間の結晶領域を含む領域とから反射される反射光強度のレベルによって、6値以上の多値記録を行う(1)ないし(5)のいずれかに記載の光情報記録媒体への記録方法である。
以下、本発明を説明する。
前記した本発明1の光情報記録媒体によれば、光入射側の基板、すなわち、第2の基板と接着層から構成されるカバー層の厚さが略0.6mm、駆動装置への装着部の厚さが略1.2mmであるので、NA0.65の光学系を用いて記録型DVDとの互換が取りやすい。さらに、カバー層の厚さむらが0.01mm以下であるので、収差を小さく抑えることができ、記録マージンの広い光記録媒体が実現できる。カバー層の厚さむらが0.01mmを超えると、カバー層の複屈折やスキューのマージンが小さくなってしまう。
本発明2は、本発明1の光情報記録媒体の第1の基板に設ける溝形状に関する。すなわち、第1の基板に、トラックピッチが0.45〜0.50μm、凸部からなるランド幅が0.20〜0.33μmの溝形状を有することを特徴とする。ここで、ランド幅とは、ランド凸部の最も高い部分の幅寸法を表す。
典型的な波長405nmのレーザとNA=0.65の光学系を用いた場合、レーザビームの収束直径は約0.5μmである。したがって、トラックピッチは0.50μm以下が望ましい。これよりもトラックピッチが広いと、例えば、デジタルハイビジョン放送の2時間録画に必要な20数GBの記憶容量を得るために、多値記録のセル密度を上げなくてはならず、符号間干渉が大きくなって、良好な再生信号品質が得られなくなってしまう。逆に、トラックピッチが0.45μm未満になると、隣接トラック間でのクロスイレースやクロストークが顕著になり、同様に信号品質を落としてしまう。また、トラッキングにプッシュプル法を用いる場合、記録に適した溝深さ20〜30nmにおいて、プッシュプル信号の信号振幅が小さくなるため、安定したトラッキングサーボが困難になる。このような理由から、トラックピッチは0.45〜0.50μmであることが望ましい。
一方、ランド幅は0.33μm以下であることが望ましい。前記トラックピッチの範囲でこれよりもランド幅が広くなると、溝形状の溝部分が狭くなり過ぎ、プッシュプル信号振幅が小さくなってしまうとともに、十分な振幅のウォブル信号を得るのが困難になってしまう。逆に、ランド幅を0.20μm未満にすると、記録マークが溝部にはみ出しやすくなるので、クロスイレースにより信号品質が劣化してしまう。また、記録に適した溝深さ20〜30nmにおいて、反射率およびダイナミックレンジはランド幅が広いほど高くなるため、SDRを十分に低くするためにも、ランド幅は0.20μm以上であることが望ましい。このような理由から、ランド幅は0.20〜0.33μmであることが望ましい。
上記のような溝形状により、本発明による光情報記録媒体は、記録型DVDと同じNA=0.65の光学系を用いて、波長略400nmで安定した記録再生が可能となり、デジタルハイビジョン放送の2時間録画に必要な20数GBの高容量を得ることが可能になる。
本発明3は、本発明1または2の光情報記録媒体における反射層に関する。すなわち、反射層がAgを主成分として含むことを特徴とする。この反射層の熱伝導率は200W/m/K以上であることが好ましい。
この反射層によれば、熱伝導率が十分に高く、大きい冷却能を有するため、記録層への効果的な放熱により、最適な急冷構造が実現できる。これにより、隣接トラックのクロスイレースを抑え、再現性良く微細マークが形成できるため、SDRを低くすることが可能である。また、合金化により、Ag反射膜の結晶サイズが細くなり、反射膜としての平坦性が改善され、その経時劣化も抑えられる。これにより、反射膜に起因する反射率変動(ノイズ)が低減でき、SDR値を低くすることが可能となる。Agに添加される元素としては、Au、Pd、Pt、Ru、Cu、Zn、Nd、In、Bi等が適している。その総含有量は、Agの良好な熱伝導率を損ねることのないよう、望ましくは2原子%以下、より望ましくは1原子%以下、最も望ましくは0.5原子%以下である。
本発明4は、本発明3の光情報記録媒体における第1保護層の保護層材料に関する。すなわち、第1保護層が硫黄を含む保護層材料の場合、反射層と第1保護層との間にNb酸化物および/またはTa酸化物とSi酸化物とからなる実質的に硫黄を含まない硫化防止層を有することを特徴とする。
このような本発明4によれば、硫黄を含まない硫化防止層を有する構成とすることで、Agを主成分とする反射層の保存信頼性を高められる。同酸化物は、一般的な保護層材料ZnS・SiO2混合膜と比較して、青色領域での吸収が小さいことから、ダイナミックレンジを大きく取れ、多値記録の場合には特に有効である。また、TaとNbとSiの比率を変えることにより、熱伝導率および屈折率を調整することができる。例えば、Nbの比率を高くすると屈折率が高くなる。TaとNbとSi材料の選択および比率を、記録層組成、記録線速度、記録密度、それぞれ場合で最適化することにより記録マージンを拡大することができる。硫化防止層の望ましい膜厚としては、2nm以上、より好ましくは4nm以上である。膜厚が2nmより薄いと、耐硫化防止機能が低下する。
本発明5は、本発明1ないし4の光情報記録媒体における記録層に関する。即ち、記録層が上記式(I)の組成からなる相変化記録材料であることを特徴とする。
本発明5によれば、記録層にGeを含むため、アモルファスマークの安定性が高く、実用的な保存信頼性と耐再生光安定性とを満足することができる。さらに、第四元素Xの添加により、記録速度や感度、繰り返し特性等の記録特性を最適に調整できる。
本発明6は、本発明1ないし5の光情報記録媒体の製造方法に関する。
本発明6の光情報記録媒体の製造方法によれば、射出成形等による厚さむらを有する第1の基板および第2の基板に対して、光入射表面である第2の基板の表面と、第1の基板の情報記録面との距離ばらつき、すなわち、カバー層の厚さむらを最小にでき、かつ、第2の基板の厚さむらを接着層で吸収しながら貼り合わせを行うため、実質的にカバー層の厚さむらを第1の基板の厚さむらの約1/2にできる。したがって、量産レベルの射出成形基板の厚さむらの許容値が±0.01〜0.02mmのままで、カバー層の厚さむらを±0.01mm以下にすることができる。
本発明7は、本発明1ないし5の光情報記録媒体への記録方法に関する。
ここで、開口数NA=0.65±0.02とは、多くの記録型DVDで採用されているNA=0.65と実質的に同一の開口数であることを意味する。この記録方法によれば、記録型DVDと同じNA=0.65の光学系を用いるため、一つの光学系でDVDとの互換を取りやすくなる。また、多値判定技術DDPRを用い、トラックピッチ=0.46μm、セル長=0.26μm、フォーマット効率=77%の8値記録により、デジタルハイビジョン放送の2時間録画に必要な20数GBの記憶容量を10E−5台の訂正可能なエラーレートで実現することができる。
本発明によれば、面積変調方式による相変化型多値記録媒体において、記録型DVDとの互換が容易な開口数NAが0.65であり、記録再生波長380〜410nmの光学系を用い、記録パワーマージンの広い実用的な光記録媒体とその製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明で用いる記録方式である多値記録について説明する。
図1に、マーク占有率とRf信号の関係を示す。記録マークは各セルの略中心に位置している。記録マークが、書換え可能な相変化材料あるいは基板の凹凸形状として記録された位相ピットでも同じ関係となる。記録マークが、基板の凹凸形状として記録された位相ピットの場合は、Rf信号の信号利得が最大になるように、位相ピットの光学的溝深さがλ/4(λは記録再生レーザの波長)である必要がある。Rf信号値は、記録再生用の集光ビームがセルの中心に位置する場合の値で与えられ、1つのセルに占める記録マークの占有率の大小によって変化する。一般的に、Rf信号値は、記録マークが存在しないときに最大となり、記録マークの占有率が最も高いときに最小となる。
このような面積変調方式により、例えば、記録マークパタン数(多値レベル数)=6で多値記録を行うと、各記録マークパタンからのRf信号値は図2のような分布を示す。Rf信号値は、その最大値と最小値の幅(ダイナミックレンジDR)を1として正規化された数値で表記されている。記録再生は、λ=650nm、NA=0.65(集光ビーム径=約0.8μm)の光学系を用いて行い、セルの円周方向長さ(以下、セル長と記す)を約0.6μmとした。このような多値記録マークは、図3のような記録ストラテジで、Pw、Pe、Pbのパワーおよびその開始時間をパラメータとして、レーザ変調することで形成できる。
上述のような多値記録方式においては、記録線密度を上げていく(=トラック方向のセル長を短くしていく)と、次第に集光ビーム径に対してセル長さの方が短くなり、対象となるセルを再生するとき、集光ビームが対象となる前後のセルにはみ出すようになる。このため、対象となるセルのマーク占有率が同じでも、前後セルのマーク占有率の組合せにより、対象となるセルから再生されるRf信号値が影響を受ける。すなわち、前後のマークとの符号間干渉が起こるようになる。この影響で、図2に示すように、各パタンにおけるRf信号値は偏差を持った分布になる。対象となるセルがどの記録マークのパタンであるかを誤り無く判定するためには、各記録マークから再生されるRf信号値の間隔が、前記偏差以上に離れている必要がある。図2の場合、各記録マークのRf信号値の間隔と偏差はほぼ同等であり、記録マークパタンの判定ができる限界になっている。
この限界を打破する技術として、前述の多値判定技術DDPRがある。この技術は、連続する3つのデータセルの組み合わせパタン(8値記録時、83=512通り)からなる多値信号分布を学習し、そのパタンテーブルを作成するステップと、未知データの再生信号結果から3連続マークパタンを予測した後、前記パタンテーブルを参照して再生対象となる未知信号を多値判定するステップとからなる。これにより、再生時に符号間干渉が生じるような従来のセル密度あるいはSDR値においても、多値信号判定のエラー率を低くすることが可能になった。ここで、SDR値とは、多値階調数をnとした時の各多値信号の標準偏差σiの平均値と、多値Rf信号のダイナミックレンジDRとの比=Σσi /(n×DR)で表され、2値記録におけるジッターに相当する信号品質である。一般に、多値階調数nを一定とすると、多値信号の標準偏差σiが小さいほど、かつ、ダイナミックレンジDRが大きいほどSDR値は小さくなり、多値信号の分別性が良くなって、エラー率は低くなる。逆に、多値階調数nを大きくすると、SDR値は大きくなりエラー率は高くなる。
このような多値判定技術を用いると、例えば、多値階調数を8に増やして、各Rf信号値の分布が重なり合ってしまう図4のような場合でも、エラーレート10E−5台で8値の多値判定が可能となる。
図5に、本発明による相変化型多値記録媒体の構成例を示す。
第1および第2の基板の材料には、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィンなどの透明樹脂を用いることができる。この場合、媒体の反りを抑えるために、第1の基板と第2の基板は、ほぼ同じ厚さの基板によって構成するのがよい。第1の基板は、転写性、流動性等の成形性や機械的な剛性等に適した不透明基板によって構成することもできる。また、第2の基板は、記録再生波長である400nm近傍で透明性が高いこと、複屈折がより小さいことが望ましい。この点で、吸収が小さく、複屈折がない、ガラス基板を用いることもできる。一般には、CDやDVDにおいて実績があり、より安価なポリカーボネート樹脂を用いるのが良い。第1の基板には、グルーブとランドからなる溝形状が形成されており、その深さは20〜30nm程度である。
反射層としては、熱伝導率の高いAgを主成分とするのが最も好適である。Agに添加される元素としては、Au,Pd,Pt,Ru,Cu,Zn,Nd,Ce,In,Bi,その他遷移金属元素、希土類元素等が適している。これらの不純物添加によって、Ag膜の高温環境下で凝集や結晶粒成長を抑制できる。本発明に使用可能な反射層の熱伝導率は、200W/m/K以上であることが好ましい。このため、不純物元素の総含有量は、望ましくは2原子%以下、より望ましくは1原子%以下、最も望ましくは0.5原子%以下である。
反射膜の膜厚としては、100〜200nmが望ましい。膜厚が100nm以上であれば、透過光が殆どなくなるため、光を効率的に利用できる。反射膜の膜厚が厚いほど、冷却速度が速くなり結晶化速度の速い記録層が使用できるが、200nmより厚くしても記録特性や感度には変化がなくなり、成膜に時間がかかるだけなので、200nm以下とすることが好ましい。
第1および第2保護層の材料には、金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物等の透明性が高い高融点材料を用いることができる。具体的には、SiOx,ZnO,SnO2,Al23,TiO2,In23,MgO,ZrO2,Ta25等の金属酸化物、Si34,AlN,TiN,BN,ZrN等の窒化物、ZnS,TaS4等の硫化物、SiC,TaC,B4C,WC,TiC,ZrC等の炭化物が挙げられ、単体もしくは混合物として用いることができる。同保護層に最適な材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。中でも、ZnSを60〜90mol%含むSiO2との混合膜が最も好ましい。
反射層がAgを主成分とし、第1保護層が上記のように硫黄を含む材料の場合、両者の境界にAgの硫化を防ぐための硫化防止層を設けることが好ましい。この場合、第1保護層の一部を硫黄を含まない誘電体材料で置換する。バリア層としては、ZnO,SnO2,Al23,TiO2,In23,MgO,ZrO2,Ta25等の金属酸化物、Si34,AlN,TiN,BN,ZrN等の窒化物、SiC,TaC,B4C,WC,TiC,ZrC等の炭化物、およびこれらの混合物が用いられる。
中でも、Nb酸化物および/またはTa酸化物とSi酸化物とからなる層が望ましい。同酸化物は、一般的な保護層材料ZnS・SiO混合膜と比較して、青色領域での吸収が小さいことから、ダイナミックレンジを大きく取れ、多値記録の場合には特に有効である。また、TaとNbとSiの比率を変えることにより、熱伝導率および屈折率を調整することができる。例えば、Nbの比率を高くすると屈折率が高くなる。TaとNbとSi材料の選択および比率を、記録層組成、記録線速度、記録密度、それぞれ場合で最適化することにより記録マージンを拡大することができる。硫化防止層の望ましい膜厚としては、2nm以上、より好ましくは4nm以上である。膜厚が2nmより薄いと、耐硫化防止機能が低下する。
第1保護層の膜厚は、10nm以上20nm以下であることが望ましい。膜厚が10nmより薄いと、機械的強度が低下し、繰り返し記録特性上好ましくない。また、レーザーエネルギーの大部分が反射層に伝熱してしまい、溶融領域が小さくなるに伴って、マーク幅が小さくなってしまうため、ダイナミックレンジDRが取れなくなってしまう。また、感度が低く、パワーマージンのない非実用的な媒体になってしまう。逆に、膜厚が20nmより厚いと放熱効果が薄れ、急冷構造が得られないばかりか、逆に隣接トラック間のクロスイレースや前後マーク間の熱干渉が増大してしまう。特に、膜厚が40nm程度以上に厚くなると、アモルファスマークの形成すら困難になってしまう。このため、結晶化速度の遅い記録材料しか使えなくなり、記録線速が上げられなくなる。
硫化防止層を含む構成の場合、硫化防止層の膜厚は、第1保護層の上記膜厚を一部置換して設計される。
記録層は、Sb70Te30共晶組成近傍のSbおよびTeを主成分とした記録材料であることが好ましい。この材料は、繰り返し記録特性に優れた相変化記録材料であり、SbとTeの原子数比を変えることにより、結晶化速度を調整することが可能である。一般に、Sbの比率を高くすると結晶化速度を速くすることができるが、Sbが85原子%を越えると、結晶化速度が急激に上昇して非晶質マークの形成が困難になり、アモルファスマークの保存安定性も著しく劣化してしまう。逆に、Sb比が0.65よりも小さいと、繰り返し記録によるジッターの上昇が大きくなり、かつ、記録線速が遅くなって(1〜2m/s)実用的でなくなる。したがって、記録層のSb比=Sb/(Sb+Te)は、0.65以上0.85以下とするのが好ましい。
記録層には、保存安定性改善のためGeを含むことが望ましい。Sb−Teの二元系だけでは、例えば、70〜80℃程度の高温環境下におかれた場合、数10時間で非晶質マークが消失(結晶化)してしまう。非晶質マークの安定性を確保するために好適なGeの含有量は、10原子%以下、より好ましくは3〜8原子%、さらに好ましくは5〜8原子%である。Ge量が10原子%を超えると、繰り返し記録において、相分離が起こりやすくなる。また、Geは結晶化速度を遅くするため、結晶化速度調整のために、Geの添加に伴いSb比を高くする必要があるが、Sb比が高くなると記録感度が低下してしまい好ましくないため、前述のようにGe量は5〜8原子%が最適である。その他、記録層には、結晶化速度や感度、保存安定性等の調整の目的で、Ag,Au,Cu,Ca,Cr,Zn,B,Al,Ga,In,Si,Sn,Pb,Mg,Mn,N,P,Bi,La,Ce,Cd,Tb,Dy等から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むことができる。
記録層の望ましい膜厚は5〜20nmである。5nm未満では反射率が低くなり過ぎ、また、膜成長初期の不均一な組成、疎な膜の影響が現れ易いので好ましくない。一方、20nmよりも厚いと熱容量が大きくなり記録感度が悪くなる。また、結晶成長が3次元的になるため、非晶質マークのエッジが乱れ、ジッタが高くなる傾向にある。
図6〜8に、本発明による光情報記録媒体製造方法の工程を示す。
本発明による光情報記録媒体の製造方法は、まず、該情報記録層を上にして第1の基板を第1の平面に固定する工程と、該情報記録層表面上の所定の点の第1の平面からの高さH1,H2,H3,…,Hnを計測する工程と、前記各点の高さH1,H2,H3,…,Hnとの距離ΔH1,ΔH2,ΔH3,…,ΔHnの各2乗和が最小となるような仮想平面を計算処理する工程とからなる。ここで、nは、2以上の任意の整数を表す。
図6は、第1の基板の一部断面を模式的に示したものである。第1の基板は、反射層、第1保護層、相変化記録層、第2保護層等からなる情報記録層が形成されていない側の面で、真空吸着や静電吸着等の方法で第1の平面に固定されている。なお、図6の情報記録層の形状は、説明上、誇張して曲面を描いている。
次に、情報記録層表面上の所定の点の第1の平面からの高さH1,H2,H3,…,Hnを計測する。第1の基板の情報記録層面側には、トラッキング用の溝形状が形成されているので、光媒体駆動装置と同様なピッククアップを用いて、そのフォーカスサーボ信号から、H1,H2,H3,…,Hnを計測することができる。あるいは、共焦点顕微鏡、レーザ変位計のような光学的手法、静電容量センサのような電気的手法等でもよい。高さの分解能は、1μm程度あればよい。平面分解能はmmオーダーでも十分である。H1,H2,H3,…,Hnを計測する場所は、第1の基板の一部分に偏ることなく、全面に平均的に分布させるのがよい。
次に、最小2乗法の考え方に基づき前記各点の高さH1,H2,H3,…,Hnとの距離ΔH1,ΔH2,ΔH3,…,ΔHnの各2乗和が最小となるような仮想平面を算出する。ΔH1,ΔH2,ΔH3,…,ΔHnは、第1の基板に厚さむらがあることにより生ずるが、いずれも厚さむらの約1/2以下になる。
次に、図7のように、第1の基板の情報記録層に接着層を塗布し、第2の平面に固定した第2の基板を、第1の基板に対向させる。図7では、接着層を情報記録層側にのみ形成している。接着層は、例えば、第1の基板を第1の平面に固定したままで、UV硬化型樹脂を従来公知の方法でスピンコートすればよい。あるいは、第2の基板側に図示しない従来公知の方法で接着層をスピンコートしたものを、第2の平面に固定して第1の基板に対向させてもよい。接着層は両方の基板に形成されていても良く、その場合、接着層が第1の基板と第2の基板との間に形成されるように、第1の基板と第2の基板を対向させる。また、接着層はUV硬化型樹脂に限定されず、感圧型、嫌気型等の樹脂やシートでも構わない。
次に、図8のように、第2の平面と前記仮想平面とを実質的に平行な状態に保持しながら、前記接着層を固化する。接着層がUV硬化型樹脂の場合、第1の平面あるいは第2の平面は透光性材料で形成される。また、第2の平面を前記仮想平面に平行に保持するため、第1の平面あるいは第2の平面には、第1の基板あるいは第2の基板を任意の方向に傾斜させる機能を有する。
従来、第2の基板の厚さむらと接着層の厚さむらの合計がカバー層の厚さむらとなるため、カバー層の厚さむらをカバー層側基板(本構成の第2の基板に相当)の厚さむら以下にすることは困難であった。射出成形による基板の厚さむらは、量産レベルで±0.01〜0.02mmであるから、カバー層の厚さむらは±0.01〜0.02mm以上であった。本発明によれば、第2の基板の厚さむらを接着層で吸収しながら貼り合わせを行うため、カバー層の厚さむらは第2の基板の厚さむらに依存せず、前述の仮想平面と情報記録面との距離ばらつき、すなわち、ΔH1,ΔH2,ΔH3,…,ΔHnとなり、実質的に第1の基板の厚さむらの約1/2になる。したがって、射出成形基板の厚さむらを量産レベルの±0.01〜0.02mmに抑えたままで、カバー層の厚さむらを±0.01mm以下にすることができる。
次に、本発明による相変化型光情報記録媒体の実施例および比較例を示す。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
実施例および比較例では、トラックピッチ=0.46μmで、溝深さ=21nm、ランド幅溝幅=0.30μmの溝形状が形成された0.6mm厚、直径120mmのポリカーボネート基板を用意し、これに表1〜表2の層構成をスパッタリング法により成膜し、第1の基板とした。
次に、本実施例においては、図6〜8のプロセスに従い、第2の平面側からUV光を照射して0.6mm厚の第2の基板を貼り合わせ、図5構造の媒体を得た。接着層には、紫外線硬化型接着樹脂(日本化薬株式会社DVD003)を20〜25μmスピン塗布した。得られた媒体のカバー層の厚さ分布を、第1の基板の情報記録面と第2の基板の光入射面の距離差として、共焦点顕微鏡を用いて測ったところ、いずれも0.600±0.01mmで、厚さムラ(厚みのばらつき)は±0.01mm以下であった。
一方、比較例においては、第1の基板に紫外線硬化型接着樹脂(日本化薬DVD003)を20〜25μmスピン塗布した後、第2の基板を接着樹脂の表面張力にしたがい静的に密着させ、6000回転で樹脂を振り切った後に、UV硬化させて図5構造の媒体を得た。実施例同様に、共焦点顕微鏡を用いてカバー層の厚さを測ったところ、いずれも0.600±0.01mmを超えており、カバー層の厚さむらは±0.01mmを超えていた。
これらの記録媒体を波長780nm、ビーム径200μm×1μm(半径方向×トラック方向)の大口径LDを用いた初期化装置で記録層を結晶化(初期化)した。媒体はCLV(constant linear velocity)として、線速3.0m/sで媒体を回転させ、一回転させる毎に36μm送りながら行なった。初期化した後、405nmの青色レーザと開口数NA=0.65の光学系を用いて、記録線速=6.0m/s、セル長=0.26μmで8値の多値記録を行った。記録ストラテジーは、Pw幅=4.4ns、Pe/Pw=0.62として、Pw開始時間とPb幅を最適化し、記録パワー=7〜10mWでの記録パワーマージンを評価した。
媒体の評価は、まず、M1からM7(マルチレベル(多値)信号の1番目から7番目)のマーク及びマークなしのM0の8値の情報をランダムに記録した。各レベルの反射信号の変動の揺らぎ、すなわち前記SDRを測定するために、80sector(1sectorは1221個のセル数)分のデータを取りこむ。このときに1sectorの先頭にM0およびM7の連続データを37セル分記録している。再生した信号は、図9のような流れにより、フィルターを通して、トラック1周に存在する数kHzレベル以下の大きな反射信号の変動を除去した後に、先に記録したM0、M7の連続データを用いてAGC処理を行なう。このAGC処理とはM0、M7の振幅を基準に、その後に記録されているランダム信号の振幅変動差をなくし、一定レベルの振幅をもった信号に加工することである。さらにその後、波形等価(EQ)回路を通して、特にM1、M2マークのように振幅の小さな信号を増幅させる。この信号を取りこんで各レベルの反射電位の標準偏差を求め、SDR値を求める。なお、図9中のHPFはハイパスフィルター(High Pass Filter)、LPFはローパスフィルター(Low Pass Filter)を表す。
実施例1および比較例1について、SDRの記録パワーマージンを図10に示す。実施例1では、最も低いSDR(=ボトムSDR)が得られる記録パワーP0=8mWに対して、P0±10%(0.8mW)で実用的なSDR≦3.0%を満足している(表2中、パワーマージン○)。一方、比較例1は、実施例1に比べてボトムSDRが高く、パワーマージンもP0±0.5mW程度と狭かった(表2中「×」で表す)。
同様に、実施例2〜4では、いずれもP0±10%でSDR≦3.0%を満足していたが、比較例2〜4では実用的なパワーマージンは得られなかった。
Figure 2006351080
Figure 2006351080
マーク占有率とRf信号との関係を示す図である。 記録マークパタン数(=6)と各記録マークパタンからのRf信号値の分布を示す図である。 記録ストラテジを示す図である。 記録マークパタン数(=8)と各記録マークパタンからのRf信号値の分布を示す図である。 本発明による光情報記録媒体の構成例を示す図(断面図)である。 本発明による光情報記録媒体の製造方法の工程を説明する図(断面図)である。 本発明による光情報記録媒体の製造方法の工程を説明する図(断面図)である。 本発明による光情報記録媒体の製造方法の工程を説明する図(断面図)である。 SDR評価のための手順を示す図である。 SDRの記録パワーマージンを示す図である。

Claims (7)

  1. 光照射による結晶とアモルファスの相転移現象を利用する光情報記録媒体であって、該光情報記録媒体は、同心円または螺旋状の溝形状を有する第1の基板上に、少なくとも反射層、第1保護層、相変化記録層、第2保護層からなる情報記録層をこの順序で有し、さらに接着層を介して第2の基板を有し、該第2の基板側から光照射して記録および再生を行う多値記録方式を用い、前記第1の基板と前記第2の基板の厚さが0.6mm±0.05mmであり、かつ、前記第2の基板と前記接着層から構成されるカバー層の厚さムラである厚みのばらつきが0.01mm以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記第1の基板は、トラックピッチが0.45〜0.50μm、凸部からなるランド幅が0.20〜0.33μmの溝形状を有することを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記反射層がAgを主として含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 前記第1保護層が硫黄を含む保護層材料の場合に、前記反射層と前記第1保護層との間にSi酸化物と、Nb酸化物および/またはTa酸化物と、からなる実質的に硫黄を含まない硫化防止層を有することを特徴とする請求項3に記載の光情報記録媒体。
  5. 前記記録層が下記式(I)の組成からなる相変化記録材料を用いたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光情報記録媒体。
    Figure 2006351080
    (式中、Xは、Ag、Au、Cu、Ca、Cr、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Sn、Pb、Mg、Mn、N、P、Bi、La、Ce、Cd、Tb、Dyの中から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、α、β、γは、それぞれ0.01≦α≦0.10、0.001≦β≦0.10、0.65≦γ≦0.85を表す。)
  6. 少なくとも前記情報記録層を上にして第1の基板を第1の平面に固定する工程と、該情報記録層表面上の所定の点の第1の平面からの高さH1〜Hnを計測する工程と、前記各点の高さH1〜Hnとの距離ΔH1、・・・、ΔHnの各2乗和が最小となるように仮想平面を計算処理する工程と、第1の基板の情報記録層および/または第2の基板に接着層を塗布する工程と、該接着層が第1の基板と第2の基板との間に形成されるように、第2の基板を第2の平面に固定し、第1の基板に対向させる工程と、第2の平面と前記仮想平面とを実質的に平行な状態に保持しながら、前記接着層を固化する工程とからなることを特徴とする情報記録媒体の製造方法(式中、nは2以上の整数を表す)。
  7. 開口数NAが0.65±0.02、記録再生波長が380〜410nmの光学系を用い、記録媒体上のトラック進行方向に等しい間隔で分割された領域であるセル毎に1つの記録マークを形成し、該セル長を0.26μm以下とし、非晶質マークとマーク間の結晶領域を含む領域とから反射される反射光強度レベルに基づいて、6値以上の多値記録を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の光情報記録媒体を用いた記録方法。
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