JP2005174423A - 相変化型多値情報記録媒体及びその記録方法 - Google Patents

相変化型多値情報記録媒体及びその記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、面積変調方式による相変化型多値記録媒体において、記録再生波長が405nm付近の青色レーザを用いて、良好なSDRと実用的なパワーマージンを有する相変化型多値記録媒体およびその記録方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の光情報記録媒体は、基板上に少なくとも第1保護層、SbおよびTeを主成分とする相変化型記録層、第2保護層および金属反射層からなる情報記録層が形成されており、該記録層を記録マークを形成する領域を互いに等しい面積に分割すると共に、記録マークを形成する領域に対して1つの記録マークを形成し、この記録マークを記録マークを形成する領域に対して占有する割合の情報として、記録すべき情報が多値情報に変調され、記録・再生される方式に用いられる光情報記録媒体であり、上記基板に溝深さ0.015〜0.030μm、トラックピッチ0.4〜0.5μm、溝幅0.25〜0.33μmの案内溝が形成されていると共に、該基板のレーザビームが入射する側の面に多層の反射防止層が形成されている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、記録ピットの記録再生信号レベルが2値より多い相変化型多値記録媒体およびその記録方法に関する。
近年、デジタル化の進展に伴って扱う情報量が増大し、高密度かつ高速でデータを記録・再生できる記録媒体が求められている。こうした用途に応える記録媒体として、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用したいわゆる相変化型光記録媒体が知られている。この可逆的に変化する記録材料としては、GeTe−SbTe擬似2元系組成を有する化合物、例えば、GeSbTeなどの化合物組成に代表される(a)GeSbTe系材料、およびSb70Te30共晶組成近傍を主成分とし、これに総量10原子%程度以下の種々の添加元素を含んだSbTe共晶系記録材料、例えば(b)AgInSbTe系材料がある。
前者の(a)GeSbTe系材料はDVD−RAMとして、後者の(b)AgInSbTe系材料は、CD−RW、DVD−RWおよびDVD+RWとして広く実用化されている。これらの相変化型光記録媒体は、いずれも基板上に、下部保護層、記録層、上部保護層、金属反射層などを積層した構造を有し、記録層における結晶とアモルファスの間の光学定数変化および積層構造における多重干渉を利用して反射率を制御し、2値情報の記録・再生を行うものである。
上記の(a)GeSbTe系材料と(b)AgInSbTe系材料の間には、以下のような結晶化時の相変化メカニズムの違いがあることが知られている。
すなわち、(a)GeSbTe系材料が非晶質マーク内で生じる均一核形成とそれに続く結晶成長により進行するのに対して、(b)AgInSbTe系材料では、非晶質マークを囲む結晶部の境界から結晶成長が進行する(不均一核形成)。このような違いから、(b)AgInSbTe系材料は、(a)GeSbTe系材料に比べ、シャープな結晶−非晶質マークの境界が得られ、その結果、マーク形状の揺らぎ(=再生時のジッター)が小さい材料であることが知られている(ISOM and ODS joint meeting 1999 WA2,P191,chapter2,L1−L26)。
このような背景から、AgInSbTe系材料に代表されるSbTe共晶系材料は、高密度記録に好適な記録材料として、従来の記録型DVDの容量を超える光情報記録媒体への応用が盛んに検討されている。
具体的には、記録再生波長の短波長化や開口数NA(Numerical Aperture)の増大により、集光ビーム径を小さくして、記録されるマークのサイズを小さくすることで、高密度化および高速化が検討されている。例えば、現状の記録型DVDは、記録再生波長λ=650nm、開口数NA=0.65の光学系により、記録容量4.7GBを実現しているが、記録再生波長をλ=400〜420nmと短波長化し、開口数NA=0.85とした記録容量20GB以上の光記録システムが提案されている(ISOM Technical Digest 2000,P.210)。しかしながら、このシステムでは、高NA化によって記録系と情報記録面とのワーキングディスタンスが小さくなるため、ピックアップがディスクと衝突して故障し易くなったり、入射面上のビームスポットが小さくなって(〜φ120μm)、指紋などの汚れに弱くなるため専用ケースが必要になるといった実用上の問題を抱えていた。
一方、開口数NAを従来の記録型DVDシステムの0.65程度に保ったままで、高密度化および高速化を実現する技術として、多値記録方式が注目されている。多値記録方式については、例えば特開2001−84591号公報(特許文献1)に開示されている。
このような多値記録方式によれば、ワーキングディスタンスが従来のように広く取れるため、入射面上のビームスポットが十分に大きく(〜φ530μm)、これまでのCD−RWや記録型DVDと同様に、専用ケースを必要としないベアディスクとして使用が可能である。また、光学系のNAが従来のDVDと同じなので、1つの光学系でCDおよびDVDを含めた3世代の互換が取りやすいというメリットもある。
次に、代表的な多値記録方法として、記録マーク占有率の違いで多値情報を記録する従来方法について説明する。
図1に、マーク占有率とRf信号の関係を示す。記録マークは各セルの略中心に位置している。記録マークが、書換え可能な相変化材料あるいは基板の凹凸形状として記録された位相ピットでも同じ関係となる。記録マークが、基板の凹凸形状として記録された位相ピットの場合は、Rf信号の信号利得が最大になるように、位相ピットの光学的溝深さがλ/4(λは記録再生レーザの波長)である必要がある。Rf信号値は、記録再生用の集光ビームがセルの中心に位置する場合の値で与えられ、1つのセルに占める記録マークの占有率の大小によって変化する。一般的に、Rf信号値は、記録マークが存在しないときに最大となり、記録マークの占有率が最も高いときに最小となる。
このような面積変調方式により、例えば、記録マークパタン数(多値レベル数)=6で多値記録を行うと、各記録マークパタンからのRf信号値は図2のような分布を示す。Rf信号値は、その最大値と最小値の幅(ダイナミックレンジDR)を1として正規化された数値で表記されている。記録再生は、λ=650nm、NA=0.65(集光ビーム径=約0.8μm)の光学系を用いて行い、セルの円周方向長さ(以下、セル長と記す)を約0.65μmとした。このような多値記録マークは、図3のような記録ストラテジで、Pw、Pe、Pbのパワーおよびその開始時間をパラメータとして、レーザ変調することで形成できる。
上述のような多値記録方式においては、記録線密度を上げていく(=トラック方向のセル長を短くしていく)と、次第に集光ビーム径に対してセル長さの方が短くなり、対象となるセルを再生するとき、集光ビームが対象となる前後のセルにはみ出すようになる。このため、対象となるセルのマーク占有率が同じでも、前後セルのマーク占有率の組合せにより、対象となるセルから再生されるRf信号値が影響を受ける。すなわち、前後のマークとの符号間干渉が起こるようになる。この影響で、図2に示すように、各パタンにおけるRf信号値は偏差を持った分布になる。対象となるセルがどの記録マークのパタンであるかを誤り無く判定するためには、各記録マークから再生されるRf信号値の間隔が、前記偏差以上に離れている必要がある。図2の場合、各記録マークのRf信号値の間隔と偏差はほぼ同等であり、記録マークパタンの判定ができる限界になっている。
このような符号間干渉を許容し、セル密度の限界を打破する技術として、連続する3つのデータセルを用いた多値判定技術DDPR(Data Detection using Pattern Recognition,International Symposium on Optical Memory 2001,Technical Digest 2001,Pd−27)が提案されている。この技術は、連続する3つのデータセルの組み合わせパタン(8値記録時、8=512通り)からなる多値信号分布を学習し、そのパターンテーブルを作成するステップと、未知データの再生信号結果から3連続マークパタンを予測した後、前記パタンテーブルを参照して再生対象となる未知信号を多値判定するステップとからなる。これにより、再生時に符号間干渉が生じるようなセル密度においても、SDR値を低く保ち、多値信号判定のエラー率を低くすることが可能になる。ここで、SDR値とは、多値階調数をnとした時の各多値信号の標準偏差σiの平均値と、多値Rf信号のダイナミックレンジDRとの比=Σσ/(n×DR)で表され、2値記録におけるジッターに相当する信号品質である。
多値階調数nを一定とすると、多値信号の標準偏差σが小さいほど、且つダイナミックレンジDRが大きいほどSDR値は小さくなり、多値信号の分別性が良くなって、エラー率は低くなる。逆に、多値階調数nを大きくすると、SDR値は大きくなりエラー率は高くなる。このような多値判定技術を用いると、例えば、多値階調数を8に増やし、各Rf信号値の分布が重なり合ってしまう図4のような場合でも、エラー率BER(Bit Error Rate)を光記録システムとして誤り訂正可能な10−5台に抑えることができる。
λ=650nm、NA=0.65の光学系を用いた場合、上記多値判定技術DDPRによれば、W=0.82×λ/NA(λ:記録再生波長、NA:光学系の開口数)で示されるレーザビームの収束直径W=0.82μmの略1/2以下まで、セル密度を上げることが可能である。例えば、セル長さ=0.40μmでSDR=2.5%、BER<1E10−4が得られている(同、Data Detection using Pattern Recognition,International Symposium on Optical Memory 2001,Technical Digest 2001,Pd−27)。
このような多値記録システムにおいて、更なる高容量化のために、記録再生に400nm付近の青色レーザを用いた場合、以下のような理由によって、実用的な多値記録媒体の実現が困難であった。すなわち、従来の記録型DVDの赤色記録再生系(波長650nm、NA=0.65)に比べ、青色記録再生系(約405nm、NA=0.65)では、実用可能な十分に低いSDR値を得ることが困難であった。
その最も大きな原因は、従来の記録層において、青色波長域でのDRが取れないことによる。前述のように、面積変調による多値記録方式では、多値信号の標準偏差σが小さいほど、また、ダイナミックレンジDRが大きいほど、SDR値=Σσ/(n×DR)が小さくなり、エラー率を低くできる。
ここで、上記ダイナミックレンジDRは、基本的には、記録層の結晶状態とアモルファス状態との反射率差で与えられる。SbTe共晶系記録材料の場合、図5に示すように、現在実用化が進みつつある青色レーザ(約405nm)の波長域で、光学定数、特に吸収係数kの差が、これまでの赤色波長に比べて著しく小さくなる。このため、図6に示すように、結晶状態とアモルファス状態の反射率差(コントラスト)が得られにくくなり、ダイナミックレンジDRが赤色記録再生系のそれに比べて1/2〜1/3に激減してしまう。これは、回路システム側の電気ノイズが変わらないとすれば、信号のCNRが1/2〜1/3に悪化することを意味する。なお、図6は代表的なSbTe共晶組成Sb75Te25について、それぞれの波長における光学定数を求め、ディスクへの入射損失やグルーブ溝の回折効率等を補正して光学シミュレーションを行ったものである。
このような青色記録再生系の狭いダイナミックレンジに多値レベルを割り付けようとすると、標準偏差σ、すなわち、図2あるいは図4に示す多値信号のRf信号分布を、これまでの赤色記録再生系以上に相対的に小さく抑えなければならないので、多値の割り付けが困難であった。加えて、現状では、青色LDの発振ノイズが赤色のそれに比べ高く、青色での多値化をさらに困難にしていた。このような青色記録再生系を用いた多値記録光システムの実現については、例えば特開2001−84591号公報(特許文献1)にはなんら開示されていない。
特開2001−84591号公報 特開2001−143327号公報
本発明は、前述のごとき実情に鑑みてなされたもので、面積変調方式による相変化型多値記録媒体において、記録再生波長が短波長化した際に生じる前述の問題点を解決し、良好なSDRと実用的なパワーマージンを有する相変化型多値記録媒体および該記録媒体を用いた多値記録方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下に示す相変化型多値記録媒体および該記録媒体を用いた多値記録方法が提供される。
〔1〕 基板上に少なくとも第1保護層、SbおよびTeを主成分とする相変化型記録層、第2保護層および金属反射層からなる情報記録層が形成されており、該記録層を記録マークを形成する領域を互いに等しい面積に分割すると共に、記録マークを形成する領域に対して1つの記録マークを形成し、この記録マークを記録マークを形成する領域に対して占有する割合の情報として、記録すべき情報が多値情報に変調され、記録・再生される方式に用いられる光情報記録媒体において、上記基板に溝深さ0.015〜0.030μm、トラックピッチ0.4〜0.5μm、溝幅0.25〜0.33μmの案内溝が形成されていると共に、該基板のレーザビームが入射する側の面に多層の反射防止層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
〔2〕 該反射防止層形成後の基板の表面反射率が0〜1%であることを特徴とする前記〔1〕に記載の光情報記録媒体。
〔3〕 該反射防止層が第一反射防止層と第二反射防止層からなり、第一反射防止層と第二反射防止の各々について、λ/4nで示される光学膜厚と実際の膜厚dとの差が±10nm以内であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の光情報記録媒体。
但し、λは記録再生波長であり、nは波長λの光の屈折率であり、第一反射防止層が第二反射防止に対してレーザービームの入射側に位置するものとする。
〔4〕 該記録再生波長λが390〜420nmであり、第一反射防止層がMgFからなり、第二反射防止層がAlからなることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の光情報記録媒体。
〔5〕 該記録再生波長λが390〜420nmであり、第一反射防止層がITOからなり、第二反射防止層がTiOからなることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光情報記録媒体。
〔6〕 該記録層が、組成Geαβ(SbγTe1−γ1−α−βの材料からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光情報記録媒体。
但し、Xは、Ag、Au、Cu、Ca、Cr、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Sn、Pb、Mg、Mn、N、P、Bi、La、Ce、Cd、Tb、Dyの中から選ばれる少なくとも1種類の元素であり、0.01≦α≦0.10、0.001≦β≦0.10、0.65≦γ≦0.85である。
〔7〕 前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光情報記録媒体を用い、W=0.82×λ/NA(λ:記録再生波長、NA:光学系の開口数)で示される集光レーザビームの収束直径Wの0.4〜0.5のセル長さで記録することを特徴とする多値記録方法。
本発明の請求項1に係わる発明によれば、特定の案内溝と特定の反射防止層を設けたことにより、基板−空気での再生光の反射損失を無くせるため、DRを大きくとることができ、実用上十分に低いSDR値とパワーマージンを備えた多値記録媒体が実現できる。
本発明の請求項2に係わる発明によれば、反射防止層形成後の基板の表面反射率が0〜1%であることにより、基板−空気界面での再生光の反射損失が実質的になくなるため、DRを約5%増大させることができ、実用上十分に低いSDR値とパワーマージンを備えた多値記録媒体が実現できる。
本発明の請求項3に係わる発明によれば、反射防止層が2層膜で形成されており、光学膜厚が特定の値であることにより、基板−空気界面での再生光の反射損失が実質的になくなるため、DRを約5%増大させることができ、実用上十分に低いSDR値とパワーマージンを備えた多値記録媒体が実現できる。
本発明の請求項4に係わる発明によれば、第一反射防止層と第二反射防止層を特定の屈折率、光学膜厚を有する材料で構成したことにより、400nm近傍の記録再生波長における反射損失を実質的に0%にでき、反射防止膜の経時的安定性を維持することができる。
本発明の請求項5に係わる発明によれば、第一反射防止層と第二反射防止層を特定の屈折率、光学膜厚を有する材料で構成したことにより、400nm近傍の記録再生波長における反射損失を実質的に0%にでき、レーザービーム入射面の帯電防止効果が得られる。
本発明の請求項6に係わる発明によれば、相変化型記録層を特定の組成にしたことにより、アモルファスマークの安定性が高く、実用的な保存安定性を満足することができ、記録速度や感度、繰り返し特性等の記録特性を最適に調整できる。
本発明の請求項6に係わる発明によれば、第一反射防止層と第二反射防止層を特定の屈折率、光学膜厚を有する材料で構成したことにより、アモルファスマークの安定性が高く、実用的な保存安定性を満足することができる。さらに、記録速度や感度、繰り返し特性等の記録特性を最適に調整できる。
本発明の請求項7に係わる発明によれば、DRが大きく取れる記録媒体を用い、DDPRによって実用上多値判定できる限界のセル密度によって、大容量の多値記録システムを提供できる。
以下、本発明の相変化型光情報記録媒体(以下、単に光情報記録媒体ともいう。)について詳細に説明する。
本発明の光情報記録媒体は、記録層に対する光照射によって結晶状態と非晶質状態との間で相変化を生じさせる際に、記録層を記録マークを形成する領域を互いに等しい面積に分割すると共に、記録マークを形成する領域に対して1つの記録マークを形成し、この記録マークを記録マークを形成する領域に対して占有する割合の情報として、記録すべき情報が多値情報に変調され、記録・再生される方式に好適に用いられるものである。
本発明の光情報記録媒体は、特に、集光レーザビーム径の0.4〜0.5の長さの周期で、高密度に多値信号を記録・再生する際に好適に用いれらるものである。各多値レベルに相当する記録マークを記録する際には、従来例図4と同様に、記録パワー(Pw)、消去パワー(Pe)、ボトムパワー(Pb)の3値を用い、主に、記録パワー(Pw)とその照射時間を一定として、記録パワー(Pw)のパルス開始タイミングとボトムパワー(Pb)の照射時間を制御して行なう。
図7に、本発明の光情報記録媒体の一例を示す。本発明の光情報記録媒体においては、基板1の上に、少なくとも第1保護層2、SbおよびTeを主成分とする相変化記録層3、第2保護層4および金属反射層5からなる情報記録層が形成されており、基板1に溝深さ0.015〜0.030μm、トラックピッチ0.4〜0.5μm、溝幅0.25〜0.33μmの案内溝が形成されていると共に、基板1のレーザビームが入射する側の面に多層の反射防止層8が形成されている。
本発明においては、基板1に溝深さ0.015〜0.030μm、トラックピッチ0.4〜0.5μm、溝幅0.25〜0.33μmの案内溝が形成されていること(以下、単に構成(1)ともいう。)について説明する。かかる溝形状hが光学的に好適なものであり、記録再生波長λを390〜420nmとしたとき、開口数NA=0.65の光学系を用いて良好なトラッキング特性が得られ、且つ案内溝の回折効率が高いため、DRが大きく取れて実用上十分に低いSDR値を得ることができる。
次に、上記溝形状が好ましいことにつき、詳しく説明する。
光学的には、トラッキングが安定であることと、DRが大きく取れるようにグルーブ溝9からの反射率が高いことが望ましい。
溝深さに関しては、グルーブ溝9からの反射率が、光学的溝深さλ/4で最小になり、これより浅くなるほど高くなることが周知である。例えば、波長400nm、屈折率1.6のポリカーボネート基板を用いた場合、光学的溝深さλ/4は約0.060μmである。通常、グルーブ記録の相変化記録媒体に用いられる溝深さはこれ以下なので、溝深さが浅くなるほど、グルーブ溝からの反射率(回折効率)は高くなる。すなわち、光学的にDRを大きく取るためには浅溝の方がより有利である。
グルーブ溝幅に関しては、特にグルーブとランドの幅が等しい場合、トラッキングエラー信号が光学的溝深さλ/8で最大になることが周知である。ここで、グルーブとランドの幅の比を変えていくと、グルーブ溝幅が広くなるほど、グルーブ溝9からの反射率が高くなり、大きなDRを得る上では有利になる。しかし、逆にランド部10の反射率は低くなり、トラッキングエラー信号が小さくなるので、トラッキング安定性の面では不利になる。
そこで、本発明者等は光学的溝深さλ/8付近の溝深さにおいて、安定なトラッキングが得られる溝深さとグルーブ/ランド比について調べた。具体的には、0.6mm厚のポリカーボネート基板1を用いて、波長略400nm、NA0.65の光学系で、トラックピッチ0.4〜0.5μm、溝深さ0.012〜0.045μm、溝幅0.18〜0.35μmの溝形状について、良好なトラッキングを得るための溝条件を検討した。なお、ここで言う溝幅とは、溝深さ中央部での幅(=開口部と溝底の幅の平均値)を指す。
その結果、層構成にもよるが、溝深さとして、好ましくは0.015μm以上、より好ましくは0.020μm以上が必要であることがわかった。また、溝幅に関しては、好ましくは0.33μm以下、より好ましくは0.30μm以下が必要であることがわかった。すなわち、溝深さが0.015μm未満あるいは溝幅が0.33μmを超えた場合、反射率が最も大きく取れるような層構成(例えば、図6における第1誘電体層=65nmのような層構成)においても、トラッキングが外れやすくなり、一般的なプッシュプル法で安定したトラッキングができなかった。
したがって、トラッキングを安定させ、且つ光学的にDRをより大きく取るためには、上記の好ましい範囲において、最もグルーブ溝が浅く、最も溝幅が広い組み合わせである、溝深さ0.015μm、溝幅0.33μmを選択することが好ましい(トラックピッチ=0.5μmの場合)。トラックピッチがこれより狭いときは、溝幅を0.30μm以下とすることがより好ましい。さらに、トラッキングの安定性を重視する場合には、溝深さを0.020μm以上とすることがより好ましい。
次に、溝深さ0.015μm以上、溝幅0.33μm以下の様々な溝形状の組み合わせにおいて、最適パワーにおけるDRとSDRを調べた。その結果、図9のように、DRの大きい方がSDRが低くなるという相関が得られた。これより、目標仕様のSDR≦3.2%が得られるのは、溝深さ0.015〜0.030μm、溝幅0.25〜0.33μmの溝条件であることを知見するに至った。
ただし、最適パワーにおいて目標とするSDR≦3.2%はクリアできたが、実用的なパワーマージンを得るためには、さらに最適パワーでのSDRを3.0%以下にまで下げる必要があった。すなわち、基板に溝深さ0.015〜0.030μm、トラックピッチ0.4〜0.5μm、溝幅0.25〜0.33μmの案内溝を形成するだけでは、実用的な多値記録媒体の実現は未だ困難であった。本発明においては、構成(1)と次に説明する反射防止層8を基板1のレーザー入射面側に設けるという構成を組合わせることにより所期の目的が達成される。
本発明においては、基板1のレーザビームが入射する側の面に多層の反射防止層8が形成されている(以下、単に構成(2)ともいう。)。前記構成(1)と構成(2)を組合わせることにより、本発明の光情報記録媒体は、基板−空気での再生光の反射損失を無くすことができ、ダイナミックレンジDRを増大でき、実用上十分に低いSDR値とパワーマージンを備えた多値記録媒体となる。
多層の反射防止層8を構成する層の数に制限はないが、第一反射防止層と第二反射防止の2層からなることが製造が容易で経済性にも優れることから好ましい。例えば、基板1がポリカーボネートの場合、基板−空気界面で約5%の再生光の反射損失が生じる。このような反射損失は、2層以上からなる反射防止層8を入射面側に形成することで、その損失をより少なくすることができる。
更に、第一反射防止層と第二反射防止の各々について、λ/4nで示される光学膜厚と実際の膜厚dとの差が±10nm以内であることがより好ましく、該差が±5nm以内であることが更に好ましく、±3nm以内であることが特に好ましい。但し、λは記録再生波長であり、nは波長λの光の屈折率であり、第一反射防止層が第二反射防止に対してレーザービームの入射側に位置するものとする。
このように構成されていると、基板−空気界面での再生光の反射損失が実質的になくなるため、DRを約5%増大させることができ、実用上十分に低いSDR値とパワーマージンを備えた多値記録媒体が実現できる。
反射防止層8が第一反射防止層と第二反射防止から構成されている場合、波長λが390〜420nmの光を用いて記録再生するには、第一反射防止層がMgFからなり、第二反射防止層がAlからなることが好ましく、第一反射防止層がITOからなり、第二反射防止層がTiOからなることも好ましい。
屈折率が1.4のMgFと屈折率が1.8のAlを光学膜厚を上記のように積層することで、記録再生波長を略400nmにおける反射損失を0〜1%にできる。また、最表面を化学的に安定なMgF膜とすることで、反射防止層8の経時的安定性を維持することができる。
また、屈折率が2.0のITOと屈折率が2.5のTiOを上記のように積層することで、記録再生波長を略400nmにおける反射損失を0〜1%にできる。最表面を導電性を有するITO膜とすることで、レーザービーム入射面の帯電防止効果が得られる。
具体的には、MgFおよびAlを、レーザー入射側からそれぞれ72nmおよび57nm積層することで、記録再生波長略400nmにおける反射損失を0〜1%にでき、反射防止層8のない媒体に比べDRを約5%大きくすることができた。
多層の反射防止層8が設けられていないと、例えば基板1がポリカーボネートの場合、基板−空気界面で約5%の再生光の反射損失が生じる。このような反射損失は、反射防止層8を基板1の入射面側に形成することで、その損失を0〜1%(以下、単に実質的に0%ともいう。)にでき、反射防止層8のない媒体に比べDRを約5%大きくすることができる。
この媒体の多値記録特性を評価したところ、最適パワーでのSDRを3.0%にできた。また、実用的なパワーマージン(=最適パワー±15%)において、SDR≦3.2%が実現できた。このように、構成(1)と構成(2)を組み合わせることで、初めて実用的なSDRが得られる多値記録媒体を得ることができる。
また、反射防止層が設けられていても単層で構成されている場合、最も低屈折率物質であるMgF(屈折率約1.4)を用いても、基板1がポリカーボネートのような透明樹脂基板の場合、その反射損失が2.3〜3%残ってしまう。本発明者らが実験したところでは、反射損失が実質的に0%でない場合、実用的なパワーマージンを得ることはできない。
本発明においては、反射防止膜8が形成された後の基板1の表面反射率が、0〜1%であることが好ましく、0〜0.5%であることがより好ましい。表面反射率がこの範囲内であれば、基板−空気界面での再生光の反射損失が実質的になくなるため、DRを約5%増大させることができ、実用上十分に低いSDR値とパワーマージンを備えた多値記録媒体が実現できる。
基板1の材料には、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィンなどの透明樹脂を用いることができる。中でもポリカーボネート樹脂は、CDやDVDにおいて実績があり、安価な上に、波長400nm付近でも高い透過率を示すため最も好ましい。本発明で好適なトラックピッチ0.4〜0.5μm、溝深さ0.015〜0.030μm、溝幅0.25〜0.33μmの溝形状は、上記基板材料によらず同一である。案内溝の形状は、原子間顕微鏡や電子顕微鏡等のデジタル画像処理で計測できる。
第1保護層2、第2保護層4の材料には、金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物等の透明性が高い高融点材料を用いることができる。具体的には、SiOx、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrO、Ta等の金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、TaS等の硫化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrC等の炭化物が挙げられ、単体もしくは混合物として用いることができる。同保護層に最適な材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。中でも、ZnSを60〜90mol%含むSiOとの混合膜が最も好ましい。
第2保護層4の膜厚は、10nm以上20nm以下であることが望ましい。膜厚が10nmより薄いと、機械的強度が低下し、繰り返し記録特性上好ましくない。また、レーザーエネルギーの大部分が金属反射層5に伝熱してしまい、溶融領域が小さくなるに伴って、マーク幅が小さくなってしまうため、ダイナミックレンジDRが取れなくなってしまう。また、感度が低く、パワーマージンのない非実用的な媒体になってしまう。
逆に、膜厚が20nmより厚いと放熱効果が薄れ、急冷構造が得られないばかりか、逆に隣接トラック間のクロスイレースや前後マーク間の熱干渉が増大してしまう。特に、膜厚が40nm程度以上に厚くなると、アモルファスマークの形成すら困難になってしまう。このため、結晶化速度の遅い記録材料しか使えなくなり、記録線速が上げられなくなる。
相変化記録層3は、Sb70Te30共晶組成近傍のSbおよびTeを主成分とした記録材料であることが好ましい。この材料は、繰り返し記録特性に優れた相変化記録材料であり、SbとTeの原子数比を変えることにより、結晶化速度を調整することが可能である。一般に、Sbの比率を高くすると結晶化速度を速くすることができるが、Sbが85原子%を越えると、結晶化速度が急激に上昇して非晶質マークの形成が困難になり、アモルファスマークの保存安定性も著しく劣化してしまう。逆に、Sb比が0.65よりも小さいと、繰り返し記録によるジッターの上昇が大きくなり、かつ記録線速が遅くなって(1〜2m/s)実用的でなくなる。したがって、記録層のSb比=Sb/(Sb+Te)は、0.65以上0.85以下とするのが好ましい。
相変化記録層3は、保存安定性改善のためGeを含むことが望ましい。Sb−Teの二元系だけでは、例えば、70〜80℃程度の高温環境下におかれた場合、数10時間で非晶質マークが消失(結晶化)してしまう。非晶質マークの安定性を確保するために好適なGeの含有量は、10原子%以下、より好ましくは3〜8原子%、さらに好ましくは5〜8原子%である。Ge量が10原子%を超えると、繰り返し記録において、相分離が起こりやすくなる。また、Geは結晶化速度を遅くするため、結晶化速度調整のために、Geの添加に伴いSb比を高くする必要があるが、Sb比が高くなると記録感度が低下してしまい好ましくないため、前述のようにGe量は5〜8原子%が最適である。
その他、記録層には、結晶化速度や感度、保存安定性等の調整の目的で、Ag、Au、Cu、Ca、Cr、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Sn、Pb、Mg、Mn、N、P、Bi、La、Ce、Cd、Tb、Dy等から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むことができる。
以上説明したように、相変化記録層3は、組成Geαβ(SbγTe1−γ1−α−βの材料からなることが好ましい。但し、Xは、Ag、Au、Cu、Ca、Cr、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Sn、Pb、Mg、Mn、N、P、Bi、La、Ce、Cd、Tb、Dyの中から選ばれる少なくとも1種類の元素であり、0.01≦α≦0.10、0.001≦β≦0.10、0.65≦γ≦0.85である。
相変化記録層3の望ましい膜厚は5〜20nmである。5nm未満では反射率が低くなり過ぎ、また、膜成長初期の不均一な組成、疎な膜の影響が現れ易いので好ましくない。一方、20nmよりも厚いと熱容量が大きくなり記録感度が悪くなる。また、結晶成長が3次元的になるため、非晶質マークのエッジが乱れ、ジッタが高くなる傾向にある。
金属反射層5としては、Au、Ag、Cuおよび/またはAlが好ましく、中でも熱伝導率の高いAgを主成分とするのが最も好適である。Ag合金は比較的安価であり、経時安定性に優れた媒体を形成することができる。反射膜の膜厚としては、100〜200nmが望ましい。膜厚が100nm以上であれば、透過光が殆どなくなるため、光を効率的に利用できる。反射膜の膜厚が厚いほど、冷却速度が速くなり結晶化速度の速い記録層が使用できるが、200nmより厚くしても記録特性や感度には変化がなくなり、成膜に時間がかかるだけなので、200nm以下とすることが好ましい。
金属反射層5がAgを主成分とし、且つ第3保護層4が硫黄を含む材料の場合、両者の境界にAgの硫化を防ぐための硫化バリア層を設けても良い。この場合、金属反射層5側の第3保護層4の一部を、硫黄を含まない誘電体材料で置換する。硫化バリア層としては、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrO、Ta等の金属酸化物、Si、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrC等の炭化物、およびこれらの混合物が用いられる。硫化バリア層の膜厚は、2〜5nm程度である。
本発明においては有機保護層6を設けることが好ましい。有機保護層6は、金属反射層の密着性を維持し、環境に対する耐食性を維持するために設けられる。有機保護層6を構成する材料としては、紫外線硬化樹脂が好ましく用いられ、例えば、大日本インキ(株)製SD318が挙げられる。
本発明においてはカバー基板7を設けることが好ましい。カバー基板7は従来のCDとDVDと形状互換性を保ち、良好な機械的特性を得るために、基板1と同じ材料を用いることが好ましい。
本発明の多値記録方法においては、前述した光情報記録媒体を用い、W=0.82×λ/NA(λ:記録再生波長、NA:光学系の開口数)で示される集光レーザビームの収束直径Wの0.4〜0.5のセル長さで記録する。ここで、集光レーザビームの収束直径Wの0.45〜0.5のセル長さで記録することがより好ましい。DDPRによって多値判定できるセル長さの下限は、ピックアップの性能やドライブシステム側のマージンにもよるが、集光レーザビーム収束直径の0.4〜0.45程度である。本発明の記録方法によれば、DRが大きく取れる記録媒体を用いるので、DDPRによって実用上多値判定できる限界のセル密度によって、大容量の多値記録システムを提供できる。
各多値レベル0〜7に相当する記録マークを記録する際には、図4に示すように、記録パワー(Pw)、消去パワー(Pe)、ボトムパワー(Pb)の3値を制御して行なう。波長405nm、NA=0.65の光学系を用いた場合、好ましいセル長さは0.23〜0.26μmであり、記録速度が6m/sのとき、Pw=7〜10mW、Pe=3〜5mW、Pb=0.4〜0.6mWが好ましい。また、記録パワー(Pw)とその照射時間を一定とし、長いマークほど記録パワー(Pw)を照射するためのパルス開始時間を速くし、ボトムパワー(Pb)の照射時間を長くすることで良好な記録が行える。
次に、本発明による相変化型光情報記録媒体の実施例および比較例を示す。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
表1に示す実施例および比較例では、表中の溝形状を有する0.6mm厚、直径120mmのポリカーボネート基板を用意し、以下に示す各層を情報記録面に形成し、これに0.6mm厚のカバー基板を貼り合わせて、図7に示す構造の1.2mm厚記録媒体を作製した。
1)第1保護層 ZnS・20mol%SiO2 50nm
2)記録層 Sb75Te20Ge5.0 15nm
3)第2保護層 ZnS・20mol%SiO2 12nm
4)硫化バリア層 SiC 3nm
5)金属反射層 Ag 150nm
この記録媒体を初期化した後に、405nmの青色レーザとNA=0.65の光学系(収束直径=φ0.51μm)を用いて、記録線速=6.0m/sで多値記録を行った。セル長は0.24μmとした。記録ストラテジーは、図3に示す従来の波形を用い、Pw、Pe、Pbのパワーおよびそれぞれの開始時間を最適化して行った。
記録特性の評価は、多値判定技術DDPRを用いてSDRを求め、パワーマージンが最適パワー±15%において、SDR≦3.2%の場合を○、それ以上で3%台の場合を△、4%以上を×とした。
Figure 2005174423
表1の結果から以下のことが言える。
実施例1〜4は、いずれも、溝深さが最も好ましい0.020〜0.025μmの範囲、溝幅が0.25〜0.33μmの範囲にあり、且つレーザー入射側の面に反射防止層を有するので、実用的なパワーマージンが得られている。波長400nmにおいて、屈折率1.4、1.8、2.0および2.5のMgF、Al、ITOおよびTiOの光学膜厚略λ/4は、それぞれ72nm、57nm、51nmおよび41nmなので、実施例1〜4の基板面での表面反射率は実質的に0%である。
これに対し、比較例1は、溝深さがやや深いため、SDRが十分に下がらなかった。また、比較例2は、溝深さが過度に深いため、SDRは4%台であった。
次に、比較例3は、溝幅がやや狭いため、SDRが十分に下がらなかった。比較例4は、溝幅が過度に狭いため、SDRは4%台であった。
次に、比較例5は、単層の反射防止層を光学膜厚略λ/4有するが、表面反射率が2.3〜3%残ってしまうため、SDRは4%台であった。
次に、比較例6および7は、いずれも、溝深さが最も好ましい0.020〜0.025μmの範囲、溝幅が0.25〜0.33μmの範囲にあったが、最表面の反射防止層であるMgFおよびITOの膜厚が光学膜厚略λ/4からずれているため、表面反射率が1〜2%残ってしまい、SDRが十分に下がらなかった。
マーク占有率とRf信号の関係を示す説明図である。 各記録マークパタンからのRf信号値についての分布を示す説明図である。 多値記録マークの記録ストラテジの説明図である。 多値階調数を8に増やすことにより、各Rf信号値の分布が重なり合ってしまう場合の説明図である。 波長に対する光学定数の変化についての説明図である。 赤色波長、青色波長についてのUL厚さとダイナミックレンジDRの関係を示す説明図である。 光情報記録媒体の一例を示す層構成の一例を示す説明図である。 DRとSDRの関係を示す説明図である。
符号の説明
1 基板
2 第1保護層
3 相変化記録層
4 第2保護層
5 金属反射層
6 有機保護層
7 カバー基板
8 反射防止層
9 グルーブ溝
10 ランド部

Claims (7)

  1. 基板上に少なくとも第1保護層、SbおよびTeを主成分とする相変化型記録層、第2保護層および金属反射層からなる情報記録層が形成されており、該記録層を記録マークを形成する領域を互いに等しい面積に分割すると共に、記録マークを形成する領域に対して1つの記録マークを形成し、この記録マークを記録マークを形成する領域に対して占有する割合の情報として、記録すべき情報が多値情報に変調され、記録・再生される方式に用いられる光情報記録媒体において、上記基板に溝深さ0.015〜0.030μm、トラックピッチ0.4〜0.5μm、溝幅0.25〜0.33μmの案内溝が形成されていると共に、該基板のレーザビームが入射する側の面に多層の反射防止層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 該反射防止層形成後の基板の表面反射率が0〜1%であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 該反射防止層が第一反射防止層と第二反射防止層からなり、第一反射防止層と第二反射防止の各々について、λ/4nで示される光学膜厚と実際の膜厚dとの差が±10nm以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光情報記録媒体。
    但し、λは記録再生波長であり、nは波長λの光の屈折率であり、第一反射防止層が第二反射防止に対してレーザービームの入射側に位置するものとする。
  4. 該記録再生波長λが390〜420nmであり、第一反射防止層がMgFからなり、第二反射防止層がAlからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光情報記録媒体。
  5. 該記録再生波長λが390〜420nmであり、第一反射防止層がITOからなり、第二反射防止層がTiOからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  6. 該記録層が、組成Geαβ(SbγTe1−γ1−α−βの材料からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光情報記録媒体。
    但し、Xは、Ag、Au、Cu、Ca、Cr、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Sn、Pb、Mg、Mn、N、P、Bi、La、Ce、Cd、Tb、Dyの中から選ばれる少なくとも1種類の元素であり、0.01≦α≦0.10、0.001≦β≦0.10、0.65≦γ≦0.85である。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光情報記録媒体を用い、W=0.82×λ/NA(λ:記録再生波長、NA:光学系の開口数)で示される集光レーザビームの収束直径Wの0.4〜0.5のセル長さで記録することを特徴とする多値記録方法。
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