JP3655298B2 - 情報記録媒体 - Google Patents
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Description
(1)クロススピードオーバーライト性能の悪化(課題5)
(2)クロススピードクロストーク性能の悪化(課題6)
(3)クロススピードクロスイレーズの悪化(課題7)
これらの課題は、同一媒体の同一半径に、高速で記録された記録マークと比較的低速で記録された記録マークが混在して存在することに起因している。
課題1:CAV記録時の最内周部の信号劣化
課題2:CAV記録時の最内周部における多数回書換え性能の劣化
課題3:CAV記録時の最内周部と最外周部の保存寿命劣化
課題4:CAV記録時の最内周部におけるクロスイレーズ性能の悪化
課題5:クロススピードオーバーライト性能の悪化
課題6:クロススピードクロストーク性能の悪化
課題7:クロススピードクロスイレーズ性能の悪化
課題8:クロススピード性能確保の為の総数増加(核生成層付加)
再結晶化とはレーザービームにより記録層材料を融点以上に加熱した直後の冷却過程で、溶融領域外縁から結晶成長が起こり、記録マークのサイズを小さくしてしまう現象(シュリンク)である。この現象は、記録層材料の結晶化速度を低下させることにより解決するため、現在、実用化されているCLV記録方式の相変化光ディスクでは問題となっていない。しかしながら、CAV記録を行う場合、内周部の再結晶化を抑制できる程度に記録層材料の結晶化速度を低下させた場合、外周部において記録マークの消去が不可能となり、再生信号品質を劣化させるという問題が発生するのである。
発明者らはCAV記録対応のDVD−RAM媒体用にBi−Ge−Te系材料を使用した際、最外周部の線速度に相当する高速記録(転送レート:55Mbps、線速度20.5m/s)を行った際には10万回の繰り返し記録を行っても全く再生信号劣化が発生しないにもかかわらず、最内周相当の線速度に相当する低速記録(転送レート22Mbps、線速度8.2M/s)を行うと、わずか1000回程度の繰り返し記録を行うと、再生信号が大幅に劣化するという現象を明らかにした。この繰り返し書換え耐性の相違は、低速記録時と高速記録時のレーザービーム照射時間の違いからだけでは説明できないほどの大きさである。この現象を詳細に調べた結果、最内周部の線速度に相当する記録速度で記録した場合、繰り返し記録に伴い、再結晶化量が徐々に増大しており、このために特に記録マークのエッジの形状が変化していることがわかった。これは、再結晶化領域の結晶化速度が繰り返し記録により、徐々に増大していることに起因していると考えられる。マークエッジ記録においては、マークポジション記録に比べ、記録膜の劣化が信号品質に及ぼす悪影響の程度が大きいため、特に再生信号の劣化が大きい。
最外周部相当の高速記録を行うと、記録マークの結晶化速度が長期保存に伴い徐々に低下し、最悪の場合、ほとんど、結晶化しなくなるという現象が発生する。この原因は長期保存により、記録マークのアモルファス状態が徐々に変化し、より安定なアモルファス状態に変化するためと考えられる。このように、複数のアモルファス状態が存在する理由は、明らかになっていないが、おそらく、溶融前の記録膜内に複数の結晶状態が存在し、その結晶状態が溶融後にも反映され、様々なアモルファス状態が分散して存在しているからと考えられる。この結果、アモルファスの結晶化速度が経時変化し、徐々に結晶化速度が低下していくのであろう。
原因3で述べた現象とは反対に、最内周相当の低速記録を行った場合、長期保存により、記録マークが徐々に結晶化されてしまうという問題が発生する。この原因は、記録層材料の結晶化温度が低すぎ、かつ、アモルファスから結晶に変化する際の活性化エネルギーが小さいことに起因しているものと考えられる。また、低速記録時には溶融領域の冷却速度が小さいことから、冷却過程において、結晶核が生成されているからと考えられる。
Ge:約937℃
GeTe:約725℃
Bi2Ge3Te6:約650℃
Bi2Te3:約590℃
Bi2GeTe4:約584℃
Bi4GeTe7:約564℃
Te:約450℃
Bi:約271℃
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55)
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55)
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55)
図1は本発明の情報記録媒体の基本構成である。すなわち、基板上に第1保護層、第1熱安定化層、記録層、第2熱安定化層、第2保護層、吸収率制御層、熱拡散層、紫外線硬化性保護層が順次積層された構造である。ここで、基板にはポリカーボネート製の厚さ0.6mmの基板を使用しており、基板にはあらかじめ4.7GBDVD−RAMと同じフォーマットの溝形状、および、プリピット形状が形成されている。具体的には記録領域内周23.8mmから外周58.6mmにランドとグルーブがトラックピッチ0.615μmで形成されている基板を用いた。各トラックはセクターに分割され、1セクターには43152チャネルビットの情報を格納した。このうちの2048チャネルビットはアドレス情報などを含むヘッダー信号領域、32チャネルビットはランドもグルーブも形成されていないミラー領域とした。記録可能領域41072チャネルビットは、ギャップ領域160+Jチャネルビット、ガード1領域320+(16×K)チャネルビット、VFO領域560チャネルビット、PS領域48チャネルビット、データ領域38688チャネルビット、ポストアンブル領域16チャネルビット、ガード2領域880−(16×K)チャネルビット、バッファー領域400−Jチャネルビットとし、同一のセクターに情報の書換(オーバーライト)を行う場合には、Jを0から15の間で、またKを0から7の間でランダムに変化させた。データ領域38688チャネルビットは32768チャネルビットのメインデータのほか、データID、エラーディテクションコード、エラーコレクションコード、パリティコード、SYNCコードなどからなる。トラックは186チャネルビットの周期でウォブルを施した。ウォブルC/Nは40dBであった。
以下に本発明の情報記録媒体の情報記録、再生、及び装置の動作を、図2を使用して説明する。なお、記録再生を行う際のモーター制御方法としては、記録再生を行うゾーン毎にディスクの回転数を変化させるCAV方式を採用している。ディスク線速度は最内周(半径24mm)で8.2m/秒、最外周(半径58.5mm)で20m/秒である。なお、本発明では、基本的に「内周部」とは約半径24mm、外周部とは約半径58.5mmを指している。また、実験の都合上、中周部(半径40mm)において、回転数を変えることにより、内周部相当の記録線速度、外周部相当の記録線速度で上記情報記録媒体を回転させ、実験を行うこともあるが、このような実験を行っても本発明の効果が失われないことは言うまでもない。
内周部および外周部の記録消去性能、信号品質を評価するため、内周部および外周部相当の記録線速度におけるジッター(ランダム信号を10回記録後のジッター)を測定した。また、書換寿命の試験を行うため、内周部および外周部相当の記録線速度における1万回書換え後のジッターをそれぞれ測定し、10回記録後のジッターからの上昇量を測定した。さらに、内周部相当の記録線速度で記録された記録マーク内の再結晶化の影響を評価するため、上記内周部相当の記録線速度と、外周部相当の記録線速度において11Tの単一周波数信号を記録し、内外周振幅比(内周部振幅/外周部振幅)を測定した。この際、レーザーパワー設定の誤差による影響を排除するため、最適パワーを記録開始パワーの1.7倍として記録を行った。また、保存寿命の評価を行うため加速試験を行った。具体的には測定対象媒体に内周部相当の線速度でランダム信号を10回記録し、そのジッターを測定しておき、90℃に加熱されたオーブンに20時間放置後のジッター上昇量との差を測定した(いわゆる、アーカイバル再生ジッター)。さらに、上記試験と同時に異なるトラックに外周部相当の記録線速度でランダム信号を10回記録後にジッターを測定しておき、90℃の温度で20時間維持した後に同一トラック上にオーバーライトを1回だけ行い、加速試験前のジッターとの差を測定した(いわゆる、アーカイバルオーバーライトジッター)。なお、本情報記録媒体ではランド-グルーブ記録を採用している。このため、ここではランドとグルーブに情報を記録した際の平均値を示した。なお、各性能の目標値は以下の通りである。
ジッター:10%以下
書換寿命:2%以下
内外周振幅比:0.8以上
保存寿命(内周):2%以下
保存寿命(外周):3%以下
ジッター
◎:9%以下、○:10%以下、×:10%より大きい
書換寿命
◎:1%以下、○:2%以下、×:2%より大きい
内外周振幅比
◎:0.9以上、○:0.8以上、×:0.8より小さい
保存寿命(内周)
◎:1%以下、○:2%以下、×:2%より大きい
保存寿命(外周)
◎:2%以下、○:3%以下、×:3%より大きい
総合評価
◎:以上の評価項目すべてが◎の場合、
○:以上の評価項目中に×がなく、一つでも○がある場合、
×:以上の評価項目中に一つでも×の項目がある場合、
記録層の組成を変化させるため、本実施例ではGe50Te50とBi2Te3ターゲットの同時スパッタリングを行った。また、本実施例ではBi,Ge、Teを頂点とする三角組成図のGe50Te50とBi2Te3を結ぶ線上以外にも過剰なGeが添加されている組成、過剰なTeが添加されている組成についても検討を行ったが、この際には、Bi2Te3ターゲットにGeの小片、あるいはTeの小片を貼り付けたスパッタリングターゲットを用い、Ge50Te50のスパッタリングターゲットと同時にスパッタリングした。さらに、同時スパッタリングする2種類のターゲットに印加するスパッタリングパワーを、各々調整することにより所望の組成の記録層材料を得た。
1.A系列
A系列ではBi,Ge,Teを頂点とする三角組成図上のGe50Te50とBi2Te3を結ぶ線上よりも過剰にTeが添加されている記録層材料を有する情報記録媒体を作成し、評価を行った。この際、Bi−Te側のスパッタリングターゲットにより製膜された記録層材料の組成はBi35Te65であった。以下に各組成の記録層の評価結果を、図3を用いて説明する。
A1:記録層の組成はBi1Ge49Te50であった。内周部の書換寿命、外周部のジッター、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
A2:記録層の組成はBi4Ge44Te52であった。内周部の書換寿命、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
A3:記録層の組成はBi5Ge43Te52であった。内周部の書換寿命、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
A4:記録層の組成はBi6Ge41Te53であった。内周部の書換寿命、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
A5:記録層の組成はBi7Ge40Te53であった。内周部の書換寿命、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
A6:記録層の組成はBi10Ge36Te54であった。内周部の書換寿命、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
A7:記録層の組成はBi15Ge29Te56であった。内周部の書換寿命、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
A8:記録層の組成はBi18Ge24Te58であった。内周部の書換寿命、外周部の保存寿命、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
A9:記録層の組成はBi22Ge19Te59であった。内周部の書換寿命、内周部の保存寿命、外周部の保存寿命、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
B系列ではBi,Ge,Teを頂点とする三角組成図上のGe50Te50とBi2Te3を結ぶ線上の記録層材料を有する情報記録媒体を作成し、評価を行った。この際、Bi−Te側のスパッタリングターゲットにより製膜された記録層材料の組成はBi40Te60であった。以下に各組成の記録層の評価結果を、図4を用いて説明する。
B1:記録層の組成はBi1Ge49Te50であった。内周部の書換寿命、外周部のジッター、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
B2:記録層の組成はBi2Ge47Te51であった。すべての項目で目標を達成しているが、外周部ジッターの評価が○であったため、総合評価は○であった。
B3:記録層の組成はBi3Ge46Te51であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
B4:記録層の組成はBi6Ge42Te52であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
B5:記録層の組成はBi7Ge41Te52であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
B6:記録層の組成はBi12Ge35Te53であった。すべての項目で目標を達成していたが、内周部ジッター、内周部書換寿命、内周部保存寿命、外周部保存寿命、内外周振幅比の評価が○であったため、総合評価は○であった。
B7:記録層の組成はBi19Ge26Te55であった。すべての項目で目標を達成していたが、内周部ジッター、内周部書換寿命、内周部保存寿命、外周部保存寿命、内外周振幅比の評価が○であったため、総合評価は○であった。
B8:記録層の組成はBi21Ge24Te55であった。内周部の保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
B9:記録層の組成はBi25Ge19Te56であった。内周部の保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
C系列ではBi,Ge,Teを頂点とする三角組成図上のGe50Te50とBi2Te3を結ぶ線上よりも過剰にGeが添加されている記録層材料を有する情報記録媒体を作成し、評価を行った。この際、Bi−Te側のスパッタリングターゲットにより製膜された記録層材料の組成はBi32Ge20Te48であった。以下に各組成の記録層の評価結果を、図5を用いて説明する。
C1:記録層の組成はBi2Ge48Te50であった。外周部ジッターが目標未達であったため、総合評価は×であった。
C2:記録層の組成はBi3Ge47Te50であった。すべての項目で目標を達成していたが、外周部ジッターの評価が○であったため、総合評価は○であった。
C3:記録層の組成はBi4Ge46Te50であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
C4:記録層の組成はBi7Ge43Te50であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
C5:記録層の組成はBi10Ge41Te49であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
C6:記録層の組成はBi14Ge37Te49であった。すべての項目で目標を達成していたが、外周部の保存寿命の評価が○であったため、総合評価は○であった。
C7:記録層の組成はBi19Ge32Te49であった。すべての項目で目標を達成していたが、内周部ジッター、内周部書換寿命、内周部保存寿命、外周部保存寿命、内外周振幅比の評価が○であったため、総合評価は○であった。
C8:記録層の組成はBi30Ge22Te48であった。すべての項目で目標を達成していたが、内周部ジッター、内周部書換寿命、内周部保存寿命、外周部ジッター、外周部保存寿命、内外周振幅比の評価が○であったため、総合評価は○であった。
C9:記録層の組成はBi33Ge19Te48であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
D系列ではBi,Ge,Teを頂点とする三角組成図上のC系列の組成線上よりも、さらに過剰にGeが添加されている記録層材料を有する情報記録媒体を作成し、評価を行った。この際、Bi−Te側のスパッタリングターゲットにより製膜された記録層材料の組成はBi30Ge26Te44であった。以下に各組成の記録層の評価結果を、図6を用いて説明する。
D1:記録層の組成はBi3Ge48Te49であった。外周部ジッターが目標未達であったため、総合評価は×であった。
D2:記録層の組成はBi4Ge47Te49であった。すべての項目で目標を達成していたが、外周部ジッターの評価が○であったため、総合評価は○であった。
D3:記録層の組成はBi5Ge46Te49であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
D4:記録層の組成はBi8Ge44Te48であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
D5:記録層の組成はBi10Ge42Te48であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
D6:記録層の組成はBi16Ge37Te47であった。すべての項目で目標を達成していたが、外周部ジッターおよび外周部保存寿命の評価が○であったため、総合評価は○であった。
D7:記録層の組成はBi19Ge35Te46であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
D8:記録層の組成はBi23Ge31Te46であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
D9:記録層の組成はBi28Ge27Te45であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
E系列ではBi,Ge,Teを頂点とする三角組成図上のD系列の組成線上よりも、さらに過剰にGeが添加されている記録層材料を有する情報記録媒体を作成し、評価を行った。この際、Bi−Te側のスパッタリングターゲットにより製膜された記録層材料の組成はBi27Ge32Te41であった。以下に各組成の記録層の評価結果を、図7を用いて説明する。
E1:記録層の組成はBi2Ge49Te49であった。外周部ジッターが目標未達であったため総合評価は×であった。
E2:記録層の組成はBi3Ge48Te49であった。外周部ジッターが目標未達であったため総合評価は×であった。
E3:記録層の組成はBi8Ge45Te47であった。外周部ジッターが目標未達であったため総合評価は×であった。
E4:記録層の組成はBi11Ge43Te46であった。外周部ジッターが目標未達であったため総合評価は×であった。
E5:記録層の組成はBi13Ge41Te46であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
E6:記録層の組成はBi16Ge39Te45であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
E7:記録層の組成はBi20Ge37Te43であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
E8:記録層の組成はBi24Ge34Te42であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
E9:記録層の組成はBi27Ge32Te41であった。外周部ジッターおよび外周部保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
以上の実施例1の、総合評価の結果を図8にまとめた。また、この結果をもとに総合評価が○となる組成範囲を図9の三角組成図に示した。すなわち、以下の組成点により囲まれる組成範囲である。
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55)
B3(Bi3,Ge46,Te51)
C3(Bi4,Ge46,Te50)
D3(Bi5,Ge46,Te49)
D5(Bi10,Ge42,Te48)
C5(Bi10,Ge41,Te49)
B5(Bi7,Ge41,Te52)
上記したように、記録層に含有されるBi、Ge、およびTeの組成比がGeTeとBi2Te3を結ぶ線上よりもGeが過剰に存在する範囲にあることにより、記録時における溶融領域の外縁部にGeが偏析しやすくなる。また、Geの結晶化速度は上記したTe化合物、Biと比較して、非常に遅い。この結果、溶融領域の外縁部の結晶化速度が遅くなり、結果的に溶融領域外縁部からの再結晶化を抑制できる。特に、上記再結晶化を抑制できることによって、多数回書換え後の記録膜組成の偏析による信号劣化を抑制できる。したがって、わずかでも上記過剰なGeが存在することにより、本発明の効果が発現する。一例として以下に示したF系列の実験結果を示す。
F1:記録層の組成はBi1Ge49Te50であった。内周部の書換寿命、外周部のジッター、および内外周振幅比が目標未達であった。このため、総合評価は×であった。
F2:記録層の組成はBi2.5Ge47Te50.5であった。すべての項目で目標を達成しているが、外周部ジッターの評価が○であったため、総合評価は○であった。
F3:記録層の組成はBi3.5Ge46Te50.5であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
F4:記録層の組成はBi6.5Ge42Te51.5であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
F5:記録層の組成はBi7.5Ge41Te51.5であった。すべての項目で目標を十分に達成しているため、総合評価は◎であった。
F6:記録層の組成はBi13Ge35Te52であった。すべての項目で目標を達成していたが、内周部ジッター、内周部書換寿命、内周部保存寿命、外周部保存寿命、内外周振幅比の評価が○であったため、総合評価は○であった。
F7:記録層の組成はBi19Ge27Te54であった。すべての項目で目標を達成していたが、内周部ジッター、内周部書換寿命、内周部保存寿命、外周部保存寿命、内外周振幅比の評価が○であったため、総合評価は○であった。
F8:記録層の組成はBi22Ge24Te54であった。内周部の保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
F9:記録層の組成はBi26Ge19Te55であった。内周部の保存寿命が目標未達であったため、総合評価は×であった。
以上の実施例の、総合評価の結果を図14にまとめた。また、この結果を元に総合評価が○となる組成範囲を図15の三角組成図に示した。すなわち、以下の組成点により囲まれる組成範囲である。
F2(Bi2.5,Ge47,Te50.5)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
F7(Bi19,Ge27,Te54)
F3(Bi3.5,Ge46,Te50.5)
C3(Bi4,Ge46,Te50)
D3(Bi5,Ge46,Te49)
D5(Bi10,Ge42,Te48)
C5(Bi10,Ge41,Te49)
F5(Bi7.5,Ge41,Te51.5)
本発明の情報記録媒体に使用される、各層の最適組成、および最適膜厚について説明する。
第1保護層の光入射側に存在する物質はポリカーボネート等のプラスチック基板、あるいは、紫外線硬化樹脂等の有機物である。また、これらの屈折率は1.4から1.6程度である。上記有機物と第1保護層の間で反射を効果的に起こすためには第1保護層の屈折率は2.0以上であることが望ましい。第1保護層は光学的には屈折率が光入射側に存在する物質(本実施例では基板に相当する)以上であり、光の吸収が発生しない範囲において屈折率が大きいほうが良い。具体的には屈折率nが2.0〜3.0の間であり、光を吸収しない材料であり、特に金属の酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、セレン化物を含有することが望ましい。また、熱伝導率が少なくとも2W/mk以下である事が望ましい。特にZnS−SiO2系の化合物は熱伝導率が低く第1保護層として最適である。さらに、SnO2、あるいはSnO2にZnS,CdS、SnS、GeS,PbS等の硫化物を添加した材料、あるいはSnO2にCr2O3、Mo3O4等の遷移金属酸化物を添加した材料は、熱伝導率が低く、ZnS−SiO2系材料よりも、熱的に安定であるため、第1熱安定化層の膜厚が2nm以下となった場合においても、記録膜への溶け込みが発生しないため、特に第1保護層として優れた特性を示す。また、基板と記録層との間の光学干渉を有効に利用するためには、レーザーの波長が650nm程度の場合、第1保護層の最適膜厚は110nm〜145nmである。
本発明の相変化記録層材料の融点は650℃以上と高温であるため、第1保護層と記録層の間に熱的に極めて安定な第1熱安定化層を設けることが望ましい。具体的には、Cr2O3、Ge3N4、SiC等の高融点酸化物、高融点窒化物、高融点炭化物が熱的に安定で、長期保存時においても膜はがれによる劣化を引き起こさない材料が適している。また、第1熱安定化層にはBi,Sn,Pb等の記録層の結晶化を促進する材料が含有されていると、記録層の再結晶化を抑制する効果が得られるためさらに望ましい。特に、Bi,Sn,PbのTe化物、酸化物、あるいはBi,Sn,PbのTe化物、酸化物と窒化ゲルマニウムとの混合物、あるいはBi,Sn,PbのTe化物、酸化物と遷移金属酸化物、遷移金属窒化物との混合物が望ましい。遷移金属は価数を容易に変化させるため、たとえBi,Sn,Pb,Te等の元素が遊離しても、上記遷移金属が価数を変え、遷移金属とBi,Sn,Pb,Teの間で結合が起こり、熱的に安定な化合物を生成するからである。特に、Cr,Mo,Wは融点が高く、容易に価数を変えやすく、上記金属との間で、熱的に安定な化合物を生成しやすいため優れた材料である。第1熱安定化層中の上記Bi,Sn,PbのTe化物、酸化物の含有量は、記録層の結晶化を促進するためには可能な限り多いほうが、第1熱安定化層は第2熱安定化層と比較して、レーザービーム照射により、高温になりやすく記録膜に熱安定化層材料が溶け込む等の問題が発生するため、少なくともBi,Sn,PbのTe化物、酸化物の含有量を70%以下に抑える必要がある。
すでに述べたように、Bi−Ge−Te系相変化記録層材料の組成が以下の組成点B2,C2,D2,D6,C8,B7で囲まれている場合、Geの代わりに適当な量のSi,Sn,Pbを添加することにより、容易に、対応可能な線速度範囲を調整することができる。例えば、SiによりGeを置換した場合、GeやGeTeよりも融点が高く結晶化速度が小さいSiTeが生成するため、溶融部外縁部にSiTeが偏析し、再結晶化が抑制される。また、SnTeやPbTeによりGeTeを置換した場合、核生成速度が向上するため、高速記録時の消去不足を補うことができる。
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55)
4元系記録層材料:Bi−Ge−Si−Te,Bi−Ge−Sn−Te,Bi−Ge−Pb−Te
5元系記録層材料:Bi−Ge−Si−Sn−Te,Bi−Ge−Si−Pb−Te,Bi−Ge−Sn−Pb−Te
6元系記録層材料:Bi−Ge−Si−Sn−Pb−Te
第1熱安定化層と同様に、本発明の相変化記録層材料の融点は650℃以上と高温であるため、第2保護層と記録層の間に熱的に極めて安定な第2熱安定化層を設けることが望ましい。具体的には、Cr2O3、Ge3N4、SiC等の高融点酸化物、高融点窒化物、高融点炭化物が熱的に安定で、長期保存時においても膜はがれによる劣化を引き起こさない材料が適している。また、第2熱安定化層にはBi,Sn,Pb等の記録層の結晶化を促進する材料が含有されていると、記録層の再結晶化を抑制する効果が得られるためさらに望ましい。
第2保護層は光を吸収しない材料であり、特に金属の酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、セレン化物を含有することが望ましい。また、熱伝導率が少なくとも2W/mk以下である事が望ましい。特にZnS−SiO2系の化合物は熱伝導率が低く第2保護層として最適である。さらに、SnO2、あるいはSnO2にZnS、CdS、SnS、GeS、PbS等の硫化物を添加した材料、あるいはSnO2にCr2O3、Mo3O4等の遷移金属酸化物を添加した材料は、熱伝導率が低く、ZnS−SiO2系材料よりも、熱的に安定であるため、第2熱安定化層の膜厚が1nm以下となった場合においても、記録膜への溶け込みが発生しないため、特に第2保護層として優れた特性を示す。また、記録層と吸収率制御層との間の光学干渉を有効に利用するためには、レーザーの波長が650nm程度の場合、第2保護層の最適膜厚は25nm〜45nmである。
吸収率制御層は複素屈折率n、kが1.4<n<4.5、−3.5<k<−0.5の範囲が良く、特に2<n<4、−3.0<k<−0.5の材料が望ましい。吸収率制御層では光を吸収するため、熱的に安定な材料が好ましく、望ましくは融点が1000℃以上であることが要求される。また、保護層に硫化物を添加した場合、特に大きなクロスイレーズ低減効果があったが、吸収率制御層の場合、 ZnS等の硫化物の含有量が少なくとも保護層に添加される上記硫化物の含有量よりも少ないことが望ましい。融点低下、熱伝導率低下、吸収率低下等の悪影響が現れる場合があるからである。上記吸収率制御層の組成として、金属と金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物との混合物であることが望ましく、CrとCr2O3の混合物が特に良好なオーバーライト特性向上効果を示した。特にCrが60〜95原子%の場合、本発明に適した熱伝導率、光学定数の材料を得ることができる。具体的には上記金属としてはAl、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、Co、Ti、Cr、Ni、Mg、Si、V、Ca、Fe、Zn、Zr、Nb、Mo、Rh、Sn、Sb、Te、Ta、W、Ir、Pb混合物が望ましく、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物としてはSiO2、SiO、TiO2、Al2O3、Y2O3、CeO、La2O3、In2O3、GeO、GeO2、PbO、SnO、SnO2、Bi2O3、TeO2、MO2、WO2、WO3、Sc2O3、Ta2O5、ZrO2が好ましい。この他にSi−O−N系材料、Si−Al−O−N系材料、Cr2O3などのCr−O系材料、Co2O3,CoOなどのCo−O系材料などの酸化物、TaN,AlN,Si3N4などのSi−N系材料、Al-Si−N系材料(例えばAlSiN2)、Ge−N系材料などの窒化物、ZnS,Sb2S3,CdS,In2S3,Ga2S3,GeS,SnS2,PbS,Bi2S3どの硫化物、SnSe3,Sb2S3,CdSe,ZnSe,In2Se3,Ga2Se3,GeSe,GeSe2,SnSe,PbSe,Bi2Se3などのセレン化物、あるいは、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化物、または、上記の材料に近い組成のものを用いた吸収率制御層を用いてもよい。
熱拡散層としては高反射率、高熱伝導率の金属あるいは合金が良く、Al、Cu、Ag、Au、Pt、Pdの総含有量が90原子%以上であることが望ましい。また、Cr,Mo,W等の高融点で硬度が大きい材料、および、これらの材料の合金も多数回書換え時の記録層材料の流動による劣化を防止することができ好ましい。特にAlを95原子%以上含有する熱拡散層とした場合、廉価であり、高CNR、高記録感度、多数回書換え耐性に優れ、しかもクロスイレーズ低減効果が極めて大きい情報記録媒体を得ることができる。特に、上記熱拡散層の組成がAlを95原子%以上含有する場合、廉価でしかも耐食性に優れた情報記録媒体を実現することができる。Alに対する添加元素としてはCo、Ti、Cr、Ni、Mg、Si、V、Ca、Fe、Zn、Zr、Nb、Mo、Rh、Sn、Sb、Te、Ta、W、Ir、Pb、BおよびCが耐食性の点において優れているが、添加元素がCo、Cr、Ti、Ni、Feの場合、特に耐食性向上に大きな効果がある。また、上記熱拡散層の膜厚は、30nm以上、100nm以下であることが良い。熱拡散層の膜厚が30nmより薄い場合、記録層において発生した熱が拡散しにくくなるため、特に10万回程度書換えた際に、記録層が劣化しやすくなり、また、クロスイレーズが発生しやすくなる場合がある。また、光を透過してしまうため熱拡散層として使用することが困難になり再生信号振幅が低下する場合がある。また、吸収率制御層に含まれる金属元素と熱拡散層に含まれる金属元素が同じ場合、生産上は大きな利点がある。すなわち、同一ターゲットを用いて吸収率制御層と熱拡散層の2層の層を製膜することができるからである。つまり、吸収率制御層製膜時にはAr−O2混合ガス、Ar−N2混合ガス等の混合ガスによりスパッタリングして、スパッタリング中に金属元素と酸素、あるいは窒素を反応させることにより適当な屈折率の吸収率制御層を作成し、熱拡散層の製膜時にはArガスによりスパッタリングし熱伝導率が高い金属の熱拡散層を作成するのである。
図17は本発明の情報記録媒体の基本構成である。すなわち、基板上に熱拡散層、第2保護層、第2熱安定化層、記録層、第1熱安定化層、第1保護層を順次積層し、最後にカバー層を形成している。ここで、基板にはポリカーボネート製の厚さ1.1mmの基板を使用しており、記録領域内周23.8mmから外周58.6mmにグルーブがトラックピッチ0.32μmで形成されている基板を用いた。
以下に本発明の記録再生条件について説明する。モーター制御方法としては、ゾーンごとにディスクの回転数変化させるCAV方式を採用している。
内周部、および外周部の記録消去性能、信号品質を評価するため、内周部および外周部相当の記録線速度におけるジッター(ランダム信号を10回記録後のジッター)を測定した。ここでのジッター測定は、連続する5トラックの内周から外周方向に順番にランダムパターンを記録した後に、5トラックの中心トラックでジッターを測定した。また、書換寿命の試験を行うため、内周部および外周部相当の記録線速度における1万回書換え後のジッターをそれぞれ測定し、10回記録後のジッターからの上昇量を測定した。また、10万回書換後のジッターも同様に測定し、10回記録後のジッターからの上昇量を測定した。さらに、内周部相当の記録線速度で記録された記録マーク内の再結晶化の影響を評価するため、上記内周部相当の記録線速度と、外周部相当の記録線速度において8Tの単一周波数信号を記録し、内外振幅比(内周部振幅/外周部振幅)を測定した。また、保存寿命の評価を行うため加速試験を行った。具体的には測定対象媒体に内周部相当の線速度でランダム信号を10回記録し、そのジッターを測定しておき、90℃に加熱されたオーブンに20時間放置後のジッター上昇量との差を測定した(いわゆる、アーカイバル再生ジッター)。さらに、上記試験と同時に異なるトラックに外周部相当の記録線速度でランダム信号を10回記録後にジッターを測定しておき、90℃の温度で20時間維持した後に同一トラック上にオーバーライトを1回だけ行い、加速試験前のジッターとの差を測定した(いわゆる、アーカイバルオーバーライトジッター)。なお、各性能の目標値は以下の通りである。
ジッター:7%以下
書換寿命:2%以下
内外周振幅比:0.8以下
保存寿命(内周):2%以下
保存寿命(外周):3%以下
ジッター
◎:7%以下、○:8%以下、×:8%より大きい
書換寿命
◎:1%以下、○:2%以下、×:2%より大きい
内外周振幅比
◎:0.9以上、○:0.8以上、×:0.8より小さい
保存寿命(内周)
◎:1%以下、○:2%以下、×:2%より大きい
保存寿命(外周)
◎:2%以下、○:3%以下、×:3%より大きい
総合評価
◎:以上の評価項目すべてが◎の場合、
○:以上の評価項目中に×がなく、一つでも○がある場合、
×:以上の評価項目中に一つでも×の項目がある場合、
記録層の製膜方法は実施例1と同様の方法で行った。
実施例1と同様にA〜F系列の記録層を検討し、実施例1と同様の結果が得られた。
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55)
4元系記録層材料:Bi−Ge−Si−Te,Bi−Ge−Sn−Te,Bi−Ge−Pb−Te
5元系記録層材料:Bi−Ge−Si−Sn−Te,Bi−Ge−Si−Pb−Te,Bi−Ge−Sn−Pb−Te
6元系記録層材料:Bi−Ge−Si−Sn−Pb−Te
課題1:CAV記録時の最内周部の信号劣化
課題2:CAV記録時の最内周部における多数回書換え性能の劣化
課題3:CAV記録時の最内周部と最外周部の保存寿命劣化
課題4:CAV記録時の最内周部におけるクロスイレーズ性能の悪化
課題5:クロススピードオーバーライト性能の悪化
課題6:クロススピードクロストーク性能の悪化
課題7:クロススピードクロスイレーズ性能の悪化
課題8:クロススピード性能確保の為の総数増加(核生成層付加)
2−2:モーター
2−3:光ヘッド
2−4:プリアンプ回路
2−6:記録波形発生回路
2−7:レーザー駆動回路
2−8:8−16変調器
2−9:L/Gサーボ回路
2−10:8−16復調器
Claims (10)
- レーザービームの照射による、相変化により情報の記録が行われ、複数回書換え可能な記録層を、基板上に備え、上記レーザービームをある線速度で相対的に走査することより情報の記録が行われる情報記録媒体であって、上記記録層材料がBi,GeおよびTeを含み、その組成が、Bi、Ge、Teを頂点とする三角組成図上の以下の各点により囲まれた範囲である組成の記録層を備え、かつ記録層には熱安定化層が密着されていることを特徴とした情報記録媒体。
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55) - 請求項1に記載の情報記録媒体であって、上記熱安定化層の融点が650℃以上の材料により構成されることを特徴とした情報記録媒体。
- 請求項2に記載の情報記録媒体であって、上記融点が650℃以上の材料として、酸化物、炭化物及び窒化物からなる群から選ばれる1種により構成されることを特徴とした情報記録媒体。
- 基板と、レーザービームの照射による、相変化により情報の記録が行われ、複数回書換え可能な記録層を、基板上に備え、上記レーザービームをある線速度で基板に対して相対的に走査し、記録層に入射させることで情報の記録が行われる情報記録媒体であって、上記記録層材料がBi,GeおよびTeを含み、その組成が、Bi、Ge、Teを頂点とする三角組成図上の以下の各点により囲まれた範囲である組成の記録層を備え、かつ記録層のレーザービーム入射側と反対側に吸収率制御層を形成することを特徴とした情報記録媒体。
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55) - 請求項4に記載の情報記録媒体であって、上記吸収率制御層が複素屈折率n、kが、1.4<n<4.5、−3.5<k<−0.5の吸収率制御材料により構成されることを特徴とした情報記録媒体。
- 請求項5に記載の情報記録媒体であって、上記吸収率制御材料が、金属酸化物、金属硫化物及び金属窒化物からなる群から選ばれる1種と、金属との混合物により構成されることを特徴とした情報記録媒体。
- 基板と、レーザービームの照射による、相変化により情報の記録が行われ、複数回書換え可能な記録層を、基板上に備え、上記レーザービームをある線速度で基板に対して相対的に走査し、記録層に入射させることで情報の記録が行われる情報記録媒体であって、上記記録層材料がBi,GeおよびTeを含み、その組成が、Bi、Ge、Teを頂点とする三角組成図上の以下の各点により囲まれた範囲である組成の記録層を備え、かつ記録層のレーザービーム入射側と反対側に熱拡散層を形成することを特徴とした情報記録媒体。
B2(Bi2,Ge47,Te51)
C2(Bi3,Ge47,Te50)
D2(Bi4,Ge47,Te49)
D6(Bi16,Ge37,Te47)
C8(Bi30,Ge22,Te48)
B7(Bi19,Ge26,Te55) - 請求項7に記載の情報記録媒体であって、上記熱拡散層が、Al、Cu、Ag、Au、Pt及びPdからなる群から選ばれる1種を主成分とすることを特徴とした情報記録媒体。
- 請求項7に記載の情報記録媒体であって、上記記録層と熱拡散層の間に少なくとも保護層を設け、保護層の膜厚を25nm以上45nm以下とすることを特徴とした情報記録媒体。
- 請求項9に記載の情報記録媒体であって、上記保護層と熱拡散層の間に吸収率制御層を設け、記録層と熱拡散層の間を35nm以上125nm以下とすることを特徴とした情報記録媒体。
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