JP2006350120A - マイクロレンズアレイシート - Google Patents
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Abstract
【課題】 背面投射型ディスプレイのスクリーンなどにおいて主要部品となるマイクロレンズアレイシートにおいて、スクリーンにおける視野角の減少や表示画像の輝度の低下を招来することなく、主表面に略垂直に光束が入射されるマイクロレンズアレイに対して斜めに入射する光束を十分に遮断できるようにする。
【解決手段】
主表面部に凸レンズ状に突出したマイクロレンズ1が多数密接して配列されて形成されるとともにこれらマイクロレンズ1の表面部にマイクロレンズ1よりも曲率半径の小さい凸レンズ状のサブレンズ2が複数形成されたマイクロレンズアレイ10と、主表面に対して略垂直にサブレンズ2のそれぞれに入射した光のサブレンズ2をそれぞれ透過して合焦するまでに形成する各光路に沿うように形成された光束通過部4を有しこの光束通過部4から外れた光線を遮断する遮光層3とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】
主表面部に凸レンズ状に突出したマイクロレンズ1が多数密接して配列されて形成されるとともにこれらマイクロレンズ1の表面部にマイクロレンズ1よりも曲率半径の小さい凸レンズ状のサブレンズ2が複数形成されたマイクロレンズアレイ10と、主表面に対して略垂直にサブレンズ2のそれぞれに入射した光のサブレンズ2をそれぞれ透過して合焦するまでに形成する各光路に沿うように形成された光束通過部4を有しこの光束通過部4から外れた光線を遮断する遮光層3とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、背面投射型ディスプレイ(リヤプロディスプレイ)用のスクリーンの主要部品となるマイクロレンズアレイシートに関する。
従来、図9に示すように、スクリーン101の背面側より画像を投射し、表示された画像をスクリーン101の正面側より観察するようにした背面投射型ディスプレイ(リヤプロディスプレイ)が提案されている。この背面投射型ディスプレイにおいては、表示画像に応じて強度変調されて光源102より発せられた光束は、ミラー103によって反射されて偏向され、スクリーン101に投射される。
そして、このような背面投射型ディスプレイ用のスクリーンとしては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、透明基材の主表面部に凸レンズ状に突出したマイクロレンズが多数密接して配列されて形成されたマイクロレンズアレイを有するマイクロレンズアレイシートを主要部品として構成されたものが提案されている。
このようなマイクロレンズアレイシートを備えたスクリーンにおいては、図10に示すように、表示画像に応じて強度変調されて光源から発せられた光束は、全体として凸レンズの作用を有するフレネルレンズ104を経て、マイクロレンズ105aの光軸に平行に、すなわち、マイクロレンズアレイ105の主表面に対して垂直に、主表面側よりマイクロレンズアレイ105に入射される。
マイクロレンズアレイ105に入射された光束は、図11に示すように、各マイクロレンズ105aごとに集光され、遮光層106を経て、前面側の透明基板107を透過して、スクリーン101の前面側に出射される。遮光層106は、各マイクロレンズ105aの焦点を含む平面の近傍に位置して配置されており、各マイクロレンズ105aの焦点位置に対応する光束通過部(透明部)106aを有しており、この光束通過部106a以外を通過する光束を遮断するように構成されている。なお、この遮光層106は、マイクロレンズアレイ105の裏面部の所定箇所に遮光物質を塗布することなどによって形成されており、このマイクロレンズアレイ105とともにマイクロレンズアレイシートを構成している。
ところで、前述のような背面投射型ディスプレイ用のスクリーンにおいては、図10に示すように、フレネルレンズ104に入射する光束の一部は、このフレネルレンズ104の入射面104aにおいて反射されてゴースト光Gとなる。このゴースト光Gは、図9に示すように、ミラー103により反射されてフレネルレンズ104に戻り、スクリーン101上において本来の画像表示位置から離れた位置に投影され、いわゆるゴーストを生じさせる。
また、フレネルレンズ104に入射した光束の一部は、図12に示すように、フレネルレンズ104の出射面(フレネル面)104bにおいて内面反射され、さらに入射面104aにおいて内面反射される。このようにフレネルレンズ104の入射面104aにおいて内面反射された光束Dは、出射面104bから出射され、スクリーン101の正面側に到達して、いわゆる二重像を形成することとなる。
このようなゴーストや二重像は、本来の画像に重複されて観察され、ノイズ成分となる。これらゴーストや二重像の原因となる光束G,Dは、本来の画像を表示する光束がマイクロレンズ105aに対して光軸に平行に入射するのに対し、マイクロレンズ105aに対して斜めに入射する。したがって、これらゴーストや二重像の原因となる光束G,Dは、マイクロレンズアレイ105を透過した後の光路が、本来の画像を表示する光束とは異なるため、遮光層106において遮断されるはずである。
しかしながら、これらゴーストや二重像の原因となる光束G,Dは、遮光層106の光束通過部106aを斜めに通過してしまうことがあり、このような場合に、スクリーン101の正面側においてゴーストや二重像として観察されることとなる。すなわち、前述のようなマイクロレンズアレイシートにおいて、遮光層106は、ゴーストや二重像を十分に防止することができない。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、背面投射型ディスプレイのスクリーンなどにおいて主要部品となるマイクロレンズアレイシートであって、スクリーンにおける視野角の減少や表示画像の輝度の低下を招来することなく、主表面に略垂直に光束が入射されるマイクロレンズアレイに対して斜めに入射する光束を十分に遮断できるようになされたマイクロレンズアレイシートを提供しようとするものである。
前述の課題を解決するため、本発明に係るマイクロレンズアレイシートは、透明基材の主表面部に凸レンズ状に突出したマイクロレンズが多数密接して配列されて形成されるとともにこれらマイクロレンズの表面部に該マイクロレンズよりも曲率半径の小さい凸レンズ状のサブレンズが複数形成されたマイクロレンズアレイと、このマイクロレンズアレイの裏面側に配置されており透明基材の主表面部に対して略垂直に該マイクロレンズに入射する光が該マイクロレンズを透過して合焦するまでに形成する光路範囲内にあって、かつ透明基材の主表面部に対して略垂直に該サブレンズにそれぞれ入射する光が該サブレンズをそれぞれ透過して合焦するまでに形成する各光路に沿うように形成された光束通過部を有しこの光束通過部から外れた光線を遮断する遮光層とを備えたことを特徴とするものである。
このマイクロレンズアレイシートにおいては、マイクロレンズアレイをなす複数のマイクロレンズの表面部にサブレンズが複数形成されていることにより、背面投射型ディスプレイのスクリーンを構成した場合に視野角を広くすることができ、そして、マイクロレンズアレイの裏面側に配置された遮光層が、透明基材の主表面に対して略垂直にサブレンズのそれぞれに入射した光がサブレンズをそれぞれ透過して合焦するまでに形成する各光路に沿うように形成された光束通過部を有しており、この光束通過部から外れた光線を遮断するので、マイクロレンズアレイに対して斜めに入射する光束を十分に遮断することができる。
本発明に係るマイクロレンズアレイシートにおいては、マイクロレンズアレイをなす複数のマイクロレンズの表面部にサブレンズが複数形成されていることにより、背面投射型ディスプレイのスクリーンを構成した場合に視野角を広くすることができる。
そして、このマイクロレンズアレイシートにおいては、マイクロレンズアレイの裏面側に配置された遮光層が、透明基材の主表面に対して略垂直にサブレンズのそれぞれに入射した光がサブレンズをそれぞれ透過して合焦するまでに形成する各光路に沿うように形成された光束通過部を有しており、この光束通過部から外れた光線を遮断するので、マイクロレンズアレイに対して斜めに入射するゴーストや二重像の原因となる光束を十分に遮断することができる。
すなわち、本発明は、背面投射型ディスプレイのスクリーンなどにおいて主要部品となるマイクロレンズアレイシートであって、スクリーンにおける視野角の減少や表示画像の輝度の低下を招来することなく、主表面に略垂直に光束が入射されるマイクロレンズアレイに対して斜めに入射する光束を十分に遮断できるようになされたマイクロレンズアレイシートを提供することができるものである。
以下、本発明に係るマイクロレンズアレイシートの構成について詳細に説明する。
〔マイクロレンズアレイシートの構成〕
図1は、本発明に係るマイクロレンズアレイシートの要部の構成を示す断面図である。
図1は、本発明に係るマイクロレンズアレイシートの要部の構成を示す断面図である。
このマイクロレンズアレイシートは、図1に示すように、マイクロレンズアレイ10を有している。このマイクロレンズアレイ10は、透明基材11と、この透明基板11の主表面部11a上に凸レンズ状に突出して形成され多数が密接して2次元的に配列されたマイクロレンズ1とを有して構成されている。
このマイクロレンズアレイ10において、透明基板11は、光透過性を有する透明な樹脂基板や、透明な樹脂シート、または、透明なガラス基板などを用いて、主表面部11a及び裏面部11bがともに平坦な2次元面となされて形成されている。また、各マイクロレンズ1は、透明基板11の主表面11a上において、光透過性を有する透明な樹脂材を用いて、透明基板11に対して一体的に形成されている。このマイクロレンズアレイ10において、透明基材11及びマイクロレンズ1は、それぞれ略同一の屈折率及び透光性を有する材料によって形成されている。
なお、このマイクロレンズアレイ10は、透明基板11上に各マイクロレンズ1を形成することによって構成されるが、これら透明基板11及び各マイクロレンズ1を、例えば射出成型等によって、同時に一体的に形成してマイクロレンズアレイ10を構成するようにしてもよい。
そして、このマイクロレンズアレイ10においては、各マイクロレンズ1の表面部には、各マイクロレンズ1よりも曲率半径が小さく、かつ、小径の凸レンズ状のサブレンズ2が一体的に複数形成されている。これらサブレンズ2は、それぞれの底面積が一つのマイクロレンズ1の底面積よりも小さく、かつ、それぞれの突出量も一つのマイクロレンズ1よりも小さなものとなっている。
このマイクロレンズアレイ10において、サブレンズ2は、透明基材11及びマイクロレンズ1に対して略同一の屈折率及び透光性を有する材料によって形成されている。
なお、このマイクロレンズアレイ10のように、複数のサブレンズ2がマイクロレンズ1の表面に沿って一体的に形成されたものは、「クラスターレンズ」と呼称される場合がある。
図2は、本発明に係るマイクロレンズアレイシートの構成を示す平面図である。
ここでは、説明を容易とするために、各マイクロレンズ1は、図2に示すように、底面が略六角形状であって、かつ、略半球状の形状として形成されているものとする。ただし、マイクロレンズ1の底面の形状は、略六角形状に限られず、例えば、略円形状、略楕円状、六角形以外の略多角形状など、適宜な形状を採用することができる。
このマイクロレンズアレイ10において、各マイクロレンズ1の形状を、曲率半径Rで略半球状に突出しているものとした場合に、これらマイクロレンズ1を最高密度で2次元的に多数配列させるためには、各マイクロレンズ1の底面の形状を六角形状とし、これらマイクロレンズ1を六方稠密状(ハニカム状)に配列することが望ましい。
このように多数のマイクロレンズ1を六方稠密状(ハニカム状)に配列させた場合には、図2に示すように、X軸方向のピッチPxは、2Rcos30°となる。そして、Y軸方向のピッチPyは、X軸方向の隣り合う各マイクロレンズ1,1間に他のマイクロレンズ1がX軸方向に沿って配置された状態となっているために、R+Rsin30°となる。すなわち、この場合には、隣り合うマイクロレンズ1同士は、隙間なく互いに密接している状態となっている。
なお、この実施の形態においては、多数のマイクロレンズ1を六方稠密状(ハニカム状)に配列させてマイクロレンズアレイ10を形成しているが、これに代えて、底面の形状が円形の多数のマイクロレンズ1を最密充填として配列させてマイクロレンズアレイ10を形成してもよい。この場合には、多数のマイクロレンズ1は、直径2Rの円が互いに接合されて配列された状態となり、隣り合うマイクロレンズ1間に僅かな隙間が生じるため、六方稠密状(ハニカム状)よりは僅かに密度が低くなる。この場合、X軸方向のピッチPxは、2Rとなる。Y軸方向のピッチPyは、X軸方向の隣り合うマイクロレンズ1,1間に他のマイクロレンズ1がX軸方向に沿って配置された状態となり、2Rsin60°となる。
また、このマイクロレンズアレイ10において、各マイクロレンズ1の表面部に形成される複数のサブレンズ2は、全てが同一の形状とされる必要はなく、また、必ずしも略半球状でなくともよく、非球面形状でもよい。なお、後述するように、マイクロレンズアレイ用複製型を用いてマイクロレンズアレイ10を作成する場合には、各サブレンズ2は、それぞれの底面積が互いに異なる状態に形成される場合が多い。
〔マイクロレンズアレイシートの作用〕
そして、このマイクロレンズアレイ10は、前述したような背面投射型プロジェクタのスクリーンの主要部分として使用される場合には、光源より発せられ表示画像に応じて強度変調された光束が、図示しないフレネルレンズを介して、マイクロレンズアレイ10の主面部側、すなわち、マイクロレンズ1が形成された側から入射される。このとき、このマイクロレンズアレイ10への入射光は、図1に示すように、マイクロレンズ1の光軸に平行に、すなわち、マイクロレンズアレイ10の主表面に対して垂直に入射される。
そして、このマイクロレンズアレイ10は、前述したような背面投射型プロジェクタのスクリーンの主要部分として使用される場合には、光源より発せられ表示画像に応じて強度変調された光束が、図示しないフレネルレンズを介して、マイクロレンズアレイ10の主面部側、すなわち、マイクロレンズ1が形成された側から入射される。このとき、このマイクロレンズアレイ10への入射光は、図1に示すように、マイクロレンズ1の光軸に平行に、すなわち、マイクロレンズアレイ10の主表面に対して垂直に入射される。
このマイクロレンズアレイ10においては、マイクロレンズ1の光軸に平行に入射する光束は、複数のサブレンズ2にそれぞれ入射し、各サブレンズ2の表面において屈折されて集光される。これらサブレンズ2は、それぞれ凸レンズ状に形成されているため、それぞれが焦点を有している。そして、同一のマイクロレンズ1上に形成されている各サブレンズ2の焦点位置は、マイクロレンズ1が凸レンズ状に形成されていることから、略同一の位置となる。これら同一のマイクロレンズ1上に形成されている各サブレンズ2の焦点位置は、サブレンズ2が形成されていない場合のマイクロレンズ1の焦点位置よりは、マイクロレンズ1に近い位置となる。すなわち、サブレンズ2が形成されていることによって、マイクロレンズ1のみによって集光する場合よりも、焦点距離が短い状態となる。
そして、このマイクロレンズアレイシートは、マイクロレンズアレイ10の裏面側、すなわち、光束が出射される側に配置された遮光層3を有している。この遮光層3は、例えば、マイクロレンズアレイ10の裏面部11bに遮光材料が被着されることによって形成されている。
この遮光層3は、マイクロレンズアレイ10の主表面に対して略垂直に入射した光のマイクロレンズアレイ10の裏面側における光路に沿うように形成された光束通過部、すなわち、透明基材11の主表面部11aに対して略垂直にマイクロレンズ1に入射する光がマイクロレンズ1を透過して合焦するまでに形成する光路範囲内にあって、かつ、透明基材11の主表面部11aに対して略垂直にサブレンズ2にそれぞれ入射する光がサブレンズ2をそれぞれ透過して合焦するまでに形成する各光路に沿うように形成された光束通過部(透明部)4を有している。この光束通過部4は、マイクロレンズアレイ10における各マイクロレンズ1に対応して、マイクロレンズアレイ10の裏面部11において2次元的に配列されて形成されている。
図3は、このマイクロレンズアレイシートの遮光層3における光束通過部4の構成を示す断面図である。
これら光束通過部4は、図3に示すように、同一のマイクロレンズ1上に形成されている各サブレンズ2によって集光される各光路に対応して、複数の透明部4aが集まった状態に形成されている。各光束通過部4をなす複数の透明部4aは、それぞれが各サブレンズ2が形成する焦点に向いて形成されており、すなわち、光束通過部4の周辺側にゆくほど傾斜された透明部として形成されている。また、これら光束通過部4をなす複数の透明部4aは、それぞれが光束の入射側よりも出射側のほうが直径が狭くなっており、略々円錐台状の形状を有して形成されている。
光束通過部4をなす複数の透明部4aがこのような形状に形成されているのは、後述するように、これら透明部が、各サブレンズ2を経た光束に基づいて形成されているからである。
そして、このような光束通過部4を有する遮光層3は、光束通過部4から外れた光線を良好に遮断し、吸収する。このマイクロレンズアレイシートは、このような遮光層3を備えていることにより、前述したような背面投射型プロジェクタのスクリーンの主要部分として使用される場合には、ゴーストや二重像の発生を十分に抑えることができる。
〔マイクロレンズアレイシートの作成方法〕
次に、本発明に係るマイクロレンズアレイシートを作成方法について説明する。
次に、本発明に係るマイクロレンズアレイシートを作成方法について説明する。
図4((a)〜(c))は、マイクロレンズアレイ用複製型の第1の製造工程を示す工程図である。
本発明に係るマイクロレンズアレイシートのマイクロレンズアレイ10を作成するには、まず、マイクロレンズアレイ用複製型を作成する。このマイクロレンズアレイ用複製型を作成するには、図4中の(a)に示すように、マイクロレンズアレイ用複製型となる基板21を用意する。この基板21としては、後述するブラスト研削工程において研削し易いガラス基板、または、セラミック基板などが適している。この基板21の上面21aは平坦面に形成されている。
まず、図4中の(a)に示す感光性フィルム貼り合わせ工程において、基板21の上面21a上に、後述するブラスト研削工程で用いられるブラスト微粉末研磨材に対して耐ブラスト性を有するマスク材として、いわゆるドライフイルム22を、加熱、圧着して貼り合わせる。このドライフイルム22は、紫外線硬化樹脂をフィルム状にした感光性フイルムである。
次に、図4中の(b)に示すネガマスク載置工程において、光を遮蔽する黒色パターン部23aと光を透過する透明パターン部23bとが交互に2次元的に形成されたネガマスク23をドライフィルム22上に載置する。
このとき、ドライフィルム22の各黒色パターン部23aは、マイクロレンズアレイ10において曲率半径Rの各マイクロレンズ1が形成される部位に対応しており、X軸方向のピッチPxが、前述したように、2Rcos30°に設定されている。また、各黒色パターン部23aのX軸方向の幅Axは、所定のピッチPxより小さい値に予め設定されている。そして、ドライフィルム22の各透明パターン部23bは、隣り合う黒色パターン部23a間に(Px−Ax)の幅寸法で形成されている。
次に、図4中の(c)に示す露光工程において、ネガマスク23の上方から紫外線24を照射する。この紫外線24は、ネガマスク23の各黒色パターン部23aにより遮断され、一方、ネガマスク23の各透明パターン部23bを透過する。この露光により、ネガマスク23の下方に設置したドライフィルム22上では、ネガマスク23の各黒色パターン部23aと対応する位置に、各未硬化部22aが形成され、ネガマスク23の各透明パターン部23bと対応する位置には、各硬化部22bが形成される。
図5((d)〜(f))は、マイクロレンズアレイ用複製型の第2の製造工程を示す工程図である。
次に、ネガマスク23をドライフィルム22上から取り除き、図5中の(d)に示す現像工程において、ドライフィルム22の上方に設置した現像液容器25から希釈した炭酸ソーダ(Na2CO3)26をドライフィルム22に向けて噴射させる。このようにして希釈した炭酸ソーダ(Na2CO3)26によりドライフィルム22を洗浄すると、ドライフィルム22の各未硬化部22aは、膨潤して基板21上から除去され、それぞれ開口部22aとして幅Axで開口される。隣り合う開口部22a間に形成された各硬化部22bは、そのまま基板21上に残り、後述するブラスト微粉末研磨材に対するマスク部となる。
このとき、ドライフィルム23上に形成された隣り合う開口部22aは、前述したように、所定のピッチPxを保っている。
次に、図5中の(e)に示すブラスト研削開始工程において、ドライフイルム22の上方に設置したブラストノズル27から、ドライフイルム22に向けて、ブラスト微粉末研磨材28を単位時間当たりの噴射量が一定になるように制御して高速噴射させる。
ドライフィルム22の各開口部22aを通過したブラスト微粉末研磨材28は、基板21の上面21aに衝突し、各開口部22aの幅Axと同じ寸法となる幅Ax1で、各マイクロレンズ用凹部21bの研削を開始する。ドライフィルム22の各硬化部22bの位置では、これら各硬化部22bがブラスト微粉末研磨材28に対するマスク部となって残っているので、ブラスト微粉末研磨材28が基板21の上面21aに衝突することはない。
次に、ブラスト研削加工がさらに進んで図5中の(f)に示すブラスト研削終了工程においては、基板21の上面21a側には、ブラスト微粉末研磨材28による研磨により、略所定の深さHのマイクロレンズ用凹部21bが形成される。
このブラスト研削工程において、基板21のマイクロレンズ用凹部21b内に対するドライフィルム22の開口部22aを通過したブラスト微粉末研磨材28は、マイクロレンズ用凹部21bの中心部21cにおいて多く侵入し、中心部21cを除いた周辺部21d,21eでは、摩擦抵抗を受けることにより速度が中心部21cより遅くなる。
また、基板21のマイクロレンズ用凹部21bに侵入したブラスト微粉末研磨材28がマイクロレンズ用凹部21bの中心部21cの底に到達すると、このブラスト微粉末研磨材28は、中心部21cから周辺部21d,21eに移動した後に、マイクロレンズ用凹部21bの外に放出される。
このとき、ブラストノズル26から基板21のマイクロレンズ用凹部21bの周辺部21d,21eに直接侵入するブラスト微粉末研磨材28と、マイクロレンズ用凹部21bの中心部21cから周辺部21d,21eに移動して放出されるブラスト微粉末研磨材28とは、互いに進行方向が逆方向となっている。そのため、ブラスト微粉末研磨材28の速度は、マイクロレンズ用凹部21bの中心部21cよりも周辺部21d,21eに近づくほど低下する。このように、マイクロレンズ用凹部21bの周辺部21d,21eにおけるブラスト微粉末研磨材28の速度が遅いことにより、マイクロレンズ用凹部21bの断面形状は、曲面状となり、略半球状となる。
さらに、このとき、基板21の上面21a側に形成したマイクロレンズ用凹部21bの形状は、研削条件により大きく変わる。したがって、マイクロレンズ用凹部21bを所定の形状とするには、最適な研削条件を見出す必要がある。
また、ブラスト微粉末研磨材28の粒径は、研削するマイクロレンズ用凹部21bの所定の深さHによるが、研削性能を高めるには、マイクロレンズ用凹部21bの所定の深さHに対して、1/6H以下の粒径とする必要がある。また、ブラスト微粉末研磨材28の粒径にある程度のバラツキがあるほうが、マイクロレンズ用凹部21bの内面において、後述するようなサブレンズ用凹みを形成し易い。
マイクロレンズ用凹部21bの所定の深さHが、例えば、25μm乃至50μmで、基板21として、例えば、ガラス基板を用いる場合には、ブラスト微粉末研磨材28としては、#1000乃至#3000の白色アルミナが適している。
そして、基板21の上面21a側に各マイクロレンズ用凹部21bが略所定の深さHまで研削されたときに、マイクロレンズ用凹部21bの内面には、ブラスト微粉末研磨材28の粒径のバラツキにより、大きさの異なる細かな凹み21fが多数形成される。なお、このとき、マイクロレンズ用凹部21bの所定の深さHは、正確な値として得られるものではない。
図6((g)〜(i))は、マイクロレンズアレイ用複製型の第3の製造工程を示す工程図である。
次に、基板21の上面21aからドライフィルム22を除去する。図6中の(g)に示すエッチング処理開始工程においては、基板21の上面21a側には、各マイクロレンズ用凹部21bが、幅Ax1で略所定の深さHまで研削され、かつ、各マイクロレンズ用凹部21bの内面には大きさの異なる細かな凹み21fが多数形成されている。この状態において、基板21の上面21a側から、エッチング処理を開始する。
ここで行うエッチング処理は、ウェットエッチング処理、または、ドライエッチング処理のいずれかを行う。ウェットエッチング処理を行う場合には、基板21としてガラス基板を用いた場合には、HF系のエッチング液を用い、エッチング液のPH、温度により、エッチングレートを管理する。一方、ドライエッチング処理を行う場合には、例えば、CCl4ガスを使用する。
このとき、ウェットエッチング処理、または、ドライエッチング処理は、等方エッチングになる条件により行い、ブラスト研削工程により研削された基板21の各マイクロレンズ用凹部21bの所定の深さHが、エッチング処理の後も変わらないように、エッチング条件を制御する。
次に、図6中の(h)に示すエッチング処理途中工程において、ウェットエッチング処理、または、ドライエッチング処理が進むと、基板21の上面21aと、各マイクロレンズ用凹部21b内が同時にエッチングされる。このとき、基板21の上面21a側に形成した隣り合うマイクロレンズ用凹部21b間のピッチPxは変わらず、かつ、各マイクロレンズ用凹部21bは略所定の深さHが保たれながら、各マイクロレンズ用凹部21bの幅Ax2が初期の幅Ax1より広がる。ここでは、未だ、隣り合うマイクロレンズ用凹部21b同士は繋がらない状態である。
また、このエッチング工程中に、基板21の各マイクロレンズ用凹部21b内に多数形成された大きさの異なる細かな凹み21fのうち、大きい凹み21fは、小さいさ凹み21fを吸収する(喰い込む)ことで、幾つかの凹み21fを繋げてより大きな凹み21gに成長する。このような、より大きな凹み21gのうちの幾つかが、サブレンズ用凹みの核となる。
この後、エッチング処理がさらに進むと、図6中の(i)に示すエッチング処理終了工程に至る。ここでは、基板21の上面21a側及び各マイクロレンズ用凹部21b内がさらにエッチングされることで、基板21の上面21a側に形成された隣り合うマイクロレンズ用凹部21bのピッチPxは変わらず、かつ、各マイクロレンズ用凹部21bは略所定の深さHを保ちながら、各マイクロレンズ用凹部21bの幅Ax3がさらに広がる。そして、隣り合うマイクロレンズ用凹部21b同士が繋がったときに、エッチング処理が完了する。隣り合うマイクロレンズ用凹部21b同士が繋がることにより、これらマイクロレンズ用凹部21b同士は密接し、略半球状の多数のマイクロレンズ用凹部21bの上面側で六方調密状(ハニカム状)に配列されることになる。
また、エッチング工程中に、基板21の各マイクロレンズ用凹部21bの内面に形成された幾つかのより大きな凹み21gのうち、さらに幾つかが吸収され(喰い込まれ)、各マイクロレンズ用凹部21bの内面には、さらに大きなサブレンズ用凹み21hが最終的に複数形成される。これら複数のサブレンズ用凹み21hにより、マイクロレンズ1の表面に複数のサブレンズ2を形成することが可能になる。
複数のサブレンズ用凹み21hは、マイクロレンズ用凹部21bよりも小さなものであり、複数のサブレンズ用凹み21hの各上部の面積は、マイクロレンズ用凹部21bの上部の面積よりも小さいものとなっている。
このようにしてエッチング処理が終了した基板21が、マイクロレンズアレイ用複製型となる。
図7((a)〜(d))は、マイクロレンズアレイ用複製型を用いて、マイクロレンズアレイを作成する工程を示す工程図である。
次に、前述の方法により作成したマイクロレンズアレイ用複製型(基板)21を用いて、本発明に係るマイクロレンズアレイシートにおけるマイクロレンズアレイ10を作成する工程について説明する。
まず、図7中の(a)に示す紫外線硬化樹脂滴下工程において、マイクロレンズアレイ用複製型(基板)21は、上面側に形成した各マイクロレンズ用凹部21bの内面に沿って、サブレンズ用凹み21hが複数形成されている状態である。ここで、上方から各マイクロレンズ用凹部21b内に向けて、紫外線硬化樹脂31を滴下する。なお、この図では、マイクロレンズアレイ用複製型(基板)21の周囲(図中の左右)の端に設けられる紫外線硬化樹脂31の流れを押さえる押さえ部材を省略して示している。
次に、図7中の(b)に示す透明基板載置工程において、マイクロレンズアレイ用複製型(基板)21上に滴下した紫外線硬化樹脂31上に、透明基板11を載置する。この透明基板11の平坦な主表面(図中の下面)11aによって、紫外線硬化樹脂31が、均一に広がりながら、各マイクロレンズ用凹部21b内及びサブレンズ用凹み21h内に侵入する。
次に、図7中の(c)に示す紫外線照射工程において、透明基板11の上方から紫外線32を照射して、紫外線硬化樹脂31を硬化させる。マイクロレンズアレイ用複製型(基板)21に形成された各マイクロレンズ用凹部21bと、各マイクロレンズ用凹部21b内に形成された複数のサブレンズ用凹み21hとが、紫外線硬化樹脂31側に転写される。
次に、図7中の(d)に示す型剥離工程において、マイクロレンズアレイ用複製型21を剥離させる。各マイクロレンズ用凹部21bに対応して、各マイクロレンズ1が透明基板11の主表面11a側に突出形成され、また、複数のサブレンズ用凹み21hに対応して、各マイクロレンズ1の表面に複数のサブレンズ2が、僅かな高さで突出形成され、マイクロレンズアレイ10が完成する。
このとき、マイクロレンズアレイ10中の各マイクロレンズ1の突出量Tは、マイクロレンズアレイ用複製型21における各マイクロレンズ用凹部21bの所定の深さHと同じになる。このようにして、透明基板11上にマイクロレンズ1が一体的に形成されたマイクロレンズアレイ10が完成する。
なお、上記では、マイクロレンズアレイ10を作成する時に、マイクロレンズ1を透明基板11と一体として形成しているが、透明基板11に代えて、剥離可能な押し板を用いることで、マイクロレンズ1のみが繋がった状態のマイクロレンズアレイ10を作成することも可能である。このとき、押し板は、紫外線硬化樹脂31と接する面が平坦であればよい。
図8((a)〜(d))は、本発明に係るマイクロレンズアレイシートの遮光層を作成する工程を示す工程図である。
次に、本発明に係るマイクロレンズアレイシートにおける遮光層を作成するには、まず、図8中の(a)に示す紫外線硬化樹脂塗布工程において、透明基板11の裏面部に紫外線硬化樹脂41を所定膜厚となるように塗布する。
次に、図8中の(b)に示す紫外線照射工程において、平行光の紫外線42をマイクロレンズ1の光軸に平行に照射し、紫外線硬化樹脂41における光透過部43のみを硬化させる。
このとき、紫外線硬化樹脂41における光透過部43は、各マイクロレンズ1上に形成されている各サブレンズ2によって集光される各光束が透過する箇所である。この光束は、複数の光束が集まった状態となっており、それぞれが各サブレンズ2の焦点に向けて進行する。すなわち、この光束は、光透過部43の周辺側にゆくほど、紫外線硬化樹脂41の層に対して傾斜して透過する。また、これら光束は、それぞれが紫外線硬化樹脂41への
入射側よりも出射側のほうが光束径が細くなっており、紫外線硬化樹脂41において略々円錐台状の形状の領域を透過することとなる。
入射側よりも出射側のほうが光束径が細くなっており、紫外線硬化樹脂41において略々円錐台状の形状の領域を透過することとなる。
次に、図8中の(c)に示す未硬化部洗浄工程において、洗浄を行うことにより、紫外線硬化樹脂41の未硬化部43を除去する。
次に、図8中の(d)に示す遮光層形成工程において、紫外線硬化樹脂41の未硬化部43が除去されて形成された凹部に黒色塗料を浸透させ、遮光層3を形成する。このとき、硬化された光透過部43は、光束通過部4となる。この光束通過部4上に塗布された黒色塗料は、遮光層3の表面をサンドブラストによって均一に研磨することにより、除去する。
なお、この遮光層を作成するには、紫外線硬化樹脂41における光透過部43のみを硬化させた後に、この紫外線硬化樹脂41層上に遮光フィルムを貼り付け、未硬化部の粘着性と硬化部の非粘着性を利用して、この遮光フィルムのうちの硬化した光透過部43上の領域を除去した後、紫外線硬化樹脂41全体を硬化させることによって、遮光フィルムを固着させるようにしてもよい。
この場合にも、先に硬化された光透過部43が光束通過部4となる。紫外線硬化樹脂41層上に固着された遮光フィルムは、光束通過部4上に透孔を有している。
ここで、前述した工程によってマイクロレンズアレイシートを具体的に作成した実施例について述べる。
まず、マイクロレンズアレイ用複製型となる基板として、厚み3mmのソーダガラス基板を用意した。このソーダガラス基板の上面に、厚み50μmのドライフィルムを加熱した状態で圧力をかけて貼り合わせた。
次に、ドライフィルム上に、光を遮蔽する黒色パターン部と光を透過させる透明パターン部とが交互に形成されたネガマスクを載置した。このとき、ネガマスクは、隣り合う黒色パターン部のX軸方向のピッチPxを、90μmに設定し、また、各黒色パターン部のX軸方向の幅Axを、60μmとした。
次に、ネガマスクの上方から紫外線を照射して、ドライフィルム上に各黒色パターン部に対応する位置に未硬化部を形成し、ネガマスクの各透明パターン部に対応する位置に硬化部を形成した。
そして、ネガマスクをドライフィルム上から取り除き、ドライフィルム上を10%の炭酸ソーダで洗浄した。この洗浄によってドライフィルムの各未硬化部を除去し、幅Axの複数の開口部を得るとともに、ドライフィルムの硬化部をソーダガラス基板上に残し、ホワイトアルミナ微粉末研磨材に対するマスク部とした。
次に、ブラストノズルから#1500のホワイトアルミナ微粉末研磨材を高速噴射させ、ドライフィルムの各開口部を通ったホワイトアルミナ微粉末研磨材により、ソーダガラス基板の上面側を研削し、断面形状が曲面状のマイクロレンズ用凹部をピッチPxで形成した。このとき、ソーダガラス基板の上面側に形成する各マイクロレンズ用凹部の深さHが、作成されるマイクロレンズの突出量Tに略達するまで、研削を行った。
次に、ドライフィルムをソーダガラス基板上から除去し、HF系のエッチング液を用いて、ソーダガラス基板の上面と各マイクロレンズ用凹部とをエッチングした。このエッチング中に、前述したように、各マイクロレンズ用凹部内に複数のサブレンズ用凹部が徐々に成長して形成される。また、エッチング量Eが(Px−Ax)/2程度になるまで、ソーダガラス基板の上面をエッチングすると、隣り合うマイクロレンズ用凹部同士が互いに密接し、隙間のないハニカム形状が得られる。このようにして得られたソーダガラス基板は、マイクロレンズアレイ用複製型となる。
そして、マイクロレンズアレイ用複製型(ソーダガラス基板)上に紫外線硬化樹脂を滴下した。この紫外線硬化樹脂上に、透明基板として、厚さ30μmのポリカーボネイト(Polycarbonate)フィルムを載せた。このポリカーボネイトフィルムの上方から紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させた後、マイクロレンズアレイ用複製型(ソーダガラス基板)を剥離させた。硬化された紫外線硬化樹脂とポリカーボネイトフィルムとが、マイクロレンズアレイとなる。
このマイクロレンズアレイにおいては、各マイクロレンズ用凹部に対応して各マイクロレンズがポリカーボネイトフィルムの上面側に突出形成され、複数のサブレンズ用凹みに対応して各マイクロレンズの表面に複数のサブレンズが僅かな高さで突出形成されている。
そして、マイクロレンズアレイの裏面部に、紫外線硬化樹脂を厚さ30μmとなるように塗布した。次に、マイクロレンズの側より、平行な紫外線光束をマイクロレンズの光軸に平行に照射し、紫外線硬化樹脂層における光透過部を硬化させた。そして、紫外線硬化樹脂層における未硬化部をアセトンにより洗浄して除去した。
次に、未硬化の紫外線硬化樹脂が除去された部分に、カーボンを含有した黒色塗料を浸透させ、遮光層を形成した。また、光束通過部上に塗布された黒色塗料は、#3000のホワイトアルミナ微粉末研磨材を用いて、サンドブラスト法により除去した。
〔比較例〕
この比較例では、前述の実施例と同様の工程でマイクロレンズアレイを作成した。このマイクロレンズアレイを用いて、光束通過部4には遮光層が形成されないようにした。すなわち、マイクロレンズの側より平行な紫外線光束をマイクロレンズの光軸に平行に照射し、紫外線硬化樹脂層における光束通過部4を硬化させる際に、紫外線の平行度を実施例におけるより悪くして分散させ、光束通過部4に複数の透明部4aが形成されないようにし、光束通過部4に遮光層が形成されないようにした。そのため、遮光層において形成される光束通過部4は、複数の透明部4aが集まったものではなく、各マイクロレンズごとに単一の透明部として形成された。
この比較例では、前述の実施例と同様の工程でマイクロレンズアレイを作成した。このマイクロレンズアレイを用いて、光束通過部4には遮光層が形成されないようにした。すなわち、マイクロレンズの側より平行な紫外線光束をマイクロレンズの光軸に平行に照射し、紫外線硬化樹脂層における光束通過部4を硬化させる際に、紫外線の平行度を実施例におけるより悪くして分散させ、光束通過部4に複数の透明部4aが形成されないようにし、光束通過部4に遮光層が形成されないようにした。そのため、遮光層において形成される光束通過部4は、複数の透明部4aが集まったものではなく、各マイクロレンズごとに単一の透明部として形成された。
〔実施例と比較例との対比〕
前述の実施例及び比較例により作成した、マイクロレンズアレイシートを用いて、背面投射型ディスプレイ(リヤプロディスプレイ)用のスクリーンを作成した。そして、これらスクリーンを背面投射型ディスプレイに搭載し、ゴーストや二重像の発生状況を比較した。
前述の実施例及び比較例により作成した、マイクロレンズアレイシートを用いて、背面投射型ディスプレイ(リヤプロディスプレイ)用のスクリーンを作成した。そして、これらスクリーンを背面投射型ディスプレイに搭載し、ゴーストや二重像の発生状況を比較した。
その結果、実施例におけるマイクロレンズアレイシートを用いたスクリーンのほうが、ゴーストや二重像の発生が著しく少ないことが確認できた。
また、背面投射型ディスプレイのスクリーンにおける斜め入射光が観察者側に出射される光量の評価方法としては、白黒の市松模様の画像を用いたANSI(AMERICAN NATIONAL STANDARDS INSTITUTE )コントラストがある。
実施例におけるマイクロレンズアレイシートを用いたスクリーンでのANSIコントラストは、150:1であった。比較例におけるマイクロレンズアレイシートを用いたスクリーンでのANSIコントラストは、100:1であった。すなわち、実施例におけるマイクロレンズアレイシートを用いたスクリーンのほうが、斜め入射光が観察者側に出射される光量が著しく少なく、迷光によるノイズが少ない画像を表示できることが確認された。
1 マイクロレンズ
2 サブレンズ
3 遮光層
4 光束通過部
10 マイクロレンズアレイ
11 透明基材
2 サブレンズ
3 遮光層
4 光束通過部
10 マイクロレンズアレイ
11 透明基材
Claims (1)
- 透明基材の主表面部に凸レンズ状に突出したマイクロレンズが多数密接して配列されて形成されるとともに、これらマイクロレンズの表面部に該マイクロレンズよりも曲率半径の小さい凸レンズ状のサブレンズが複数形成されたマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイの裏面側に配置されており、前記透明基材の主表面部に対して略垂直に該マイクロレンズに入射する光が該マイクロレンズを透過して合焦するまでに形成する光路範囲内にあって、かつ前記透明基材の主表面部に対して略垂直に該サブレンズにそれぞれ入射する光が該サブレンズをそれぞれ透過して合焦するまでに形成する各光路に沿うように形成された光束通過部を有し、この光束通過部から外れた光線を遮断する遮光層と
を備えたことを特徴とするマイクロレンズアレイシート。
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