JP2006349513A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract


【課題】 ガスセンサの破損、劣化、検出精度の低下を防止する。
【解決手段】 回路基板30を収容するケース21の端面にセラミックスにより形成された筒状部本体26aおよび筒状部先端部26bからなる筒状部26を設け、セラミックヒータをなす筒状部本体26aの内周面26Aによって、ガス検出室27の内周壁面を形成した。ガス検出室27内の先端部には、ガス検出室27の内周壁面をなす筒状部本体26aの内周面26Aに当接する円筒状の除湿材37を設けた。筒状部26の外周面26Cから径方向に所定距離をおいた位置に筒状部26を内部に収容する外周ケース38を設け、外周ケース38の先端側の内部に、焼結フィルタ39と、外周ケース38のガス導入口38bを覆う撥水フィルタ40とを設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば燃料電池車両に搭載される接触燃焼式水素センサ等のガスセンサに関する。
従来、例えば固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極とで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下において燃料電池と呼ぶ)を備えており、燃料極に燃料として水素が供給され、酸素極に酸化剤として空気が供給されて、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過して酸素極まで移動して、酸素極で酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。
このような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池において、従来、例えば燃料電池の酸素極側の排出系に水素検出器(ガスセンサ)を備え、この水素検出器によって、燃料極側の水素が固体高分子電解質膜を通じて酸素極側に漏洩したことを検知したときは、燃料の供給を遮断する保護装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、水素検出器としては、例えば白金等の触媒からなるガス検出素子と温度補償素子とを一対備え、水素が白金等の触媒に接触した際の燃焼により発生する熱によってガス検出素子が相対的に高温の状態になったときに、例えば雰囲気温度下等の相対的に低温の状態の温度補償素子との間に生じる電気抵抗の差異に応じて、水素ガスの濃度を検出するガス接触燃焼式の水素検出器が知られている。
また、従来、例えばガス検出素子と温度補償素子とを収容する筒状のケースの内部に筒型のヒータを配置し、このヒータの放熱面をなす内壁面によってガス検出素子および温度補償素子の周囲を取り囲むように設定するガスセンサが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−223850号公報 特再公表WO2003/042678号公報 (第9頁、第13図)
ところで、上述したような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池においては、固体高分子電解質膜のイオン導電性を保つために、燃料電池に供給される反応ガス(例えば、水素や空気)には加湿装置等によって水(加湿水)が混合されており、さらに、燃料電池の作動時には電気化学反応による反応生成水が生成されるため、燃料電池の排出ガス、特に酸素極側の排出ガスは高湿潤のガスとなっている。
このため、上記従来技術の一例に係る燃料電池の保護装置においては、燃料電池から排出される高湿潤のオフガスによって、オフガスの流路内に配置された水素検出器等に結露が発生する場合があり、この場合には、水素検出器の劣化や破損等が生じる虞がある。特に、上述した固体高分子膜型燃料電池では、通常作動温度が水の蒸気化温度よりも低く、オフガスは多湿度で水分量が多いガスとなって排出されるため、オフガス中の水分が結露しやすいという問題がある。そして、前述のガス接触燃焼式の水素検出器を、特に燃料電池の酸素極側の排出系に備える場合等において、ガス検出素子に加湿水、反応生成水等が付着した状態で通電を行うと、素子表面に局所的な温度分布の不均一が発生し、素子破壊や感度低下が生じる虞がある。
このような問題に対して、例えば上記従来技術の一例に係るガスセンサのように、ガス検出素子と温度補償素子とを収容するケースの内部に、ケース内部の相対湿度を低下させるための特別なヒータを配置する場合には、ガスセンサの構成に要する部品点数が増大してしまうと共に、所望の大きさの検出室内空間を確保する際にガスセンサが大型化してしまうという問題が生じる。しかも、このガスセンサでは、通電用の2本のリード線を接続するために、筒型のヒータの周壁に軸方向に沿って延びる切欠部が形成され、このヒータの軸方向に沿った断面形状が略C字状となるように形成されている。このため、ヒータの切欠部周辺では相対的に温度が低下することになり、ガス検出素子および温度補償素子の周囲における温度分布が不均一となって結露が発生し易くなるという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ガスセンサの破損、劣化、検出精度の低下を防止することが可能なガスセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のガスセンサは、検査対象ガスが導入されるガス検出室(例えば、実施の形態によるガス検出室27)内に配置された検出素子(例えば、実施の形態による検出素子31)の電気抵抗値に基づき前記検査対象ガスに含まれる被検出ガスのガス濃度を検出するガスセンサであって、前記ガス検出室をヒータ(例えば、実施の形態による筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28a)により形成してなることを特徴としている。
上記構成のガスセンサによれば、例えばガス検出室の少なくとも側面全体をヒータにより形成することにより、ガス検出室内の雰囲気ガスの温度状態や湿度状態の空間分布、さらに、検出素子の表面での温度分布が均一状態となるように維持しつつ、所望の温度状態や湿度状態を容易に設定することができ、ガス検出室内での温度状態や湿度状態の分布の不均一に起因して結露が発生することを抑制することができる。
しかも、ガス検出室に付加的にヒータを設ける必要が無いことから、ガスセンサの大きさが過剰に増大することを抑制しつつ、検査対象ガスが導入されるガス検出室内の検出空間の大きさを増大させることができ、検出空間の温度状態や湿度状態が急激に変動することを抑制し、ガス検出室内の雰囲気ガスや検出素子の表面の温度が露点温度以下に急激に低下してしまうことを抑制することができる。また、検出空間の大きさを増大させることによって、ガス検出室内に導入される検査対象ガスの量を増大させることができ、検査対象ガスに対する検出精度を向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサは、前記ヒータに当接する除湿材(例えば、実施の形態による除湿材37)を前記ガス検出室内に配置することを特徴としている。
上記構成のガスセンサによれば、ガス検出室内に侵入する水分を吸着する除湿材の温度状態をヒータにより直接的に制御することができ、ヒータにより除湿材を加熱し、乾燥(つまり放湿)させることで所望の吸着可能な水の量を確保することができる。
請求項1に記載の本発明のガスセンサによれば、ガス検出室内の雰囲気ガスの温度状態や湿度状態の空間分布、さらに、検出素子の表面での温度分布が均一状態となるように維持しつつ、所望の温度状態や湿度状態を容易に設定することができる。しかも、検査対象ガスが導入されるガス検出室内の検出空間の大きさを増大させることができ、検出空間の温度状態や湿度状態が急激に変動することを抑制することができ、ガス検出室内に導入される検査対象ガスの量を増大させることで検査対象ガスに対する検出精度を向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサによれば、ヒータにより除湿材を直接的に加熱し、乾燥(つまり放湿)させることで所望の吸着可能な水の量を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るガスセンサについて添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係るガスセンサ1は、例えば水素を検出する水素センサをなし、例えば図1に示すように、制御装置2と、記憶装置3と、警報装置4と、車両の動力源とされる燃料電池5と、燃料電池5に接続されて反応ガスを供給する各配管6,7,8,9とを備える燃料電池システム10において、酸素極側の出口側配管9の重力方向上側に設けられ、この出口側配管9から水素が排出されていないことを確認するためのものである。
制御装置2は、酸素極側の出口側配管9に取り付けられたガスセンサ1に接続され、例えば、ガスセンサ1から出力される検出信号と、記憶装置3に格納されている所定の判定閾値との比較結果に応じて、燃料電池5の異常状態が発生しているか否かを判定し、異常状態であると判定した際には、警報装置4によって警報等を出力する。ここで、記憶装置3は、燃料電池5の作動状態、例えば極間差圧や作動圧力等に応じた、ガスセンサ1の検出値に対する所定の判定閾値のマップ等を記憶している。
燃料電池5は、例えば電気自動車等の動力源として車両に搭載されており、例えば陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セル(図示略)を多数組積層して構成されている。
燃料極に入口側配管6から供給された水素などの燃料ガスにより、燃料極の触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスあるいは空気が入口側配管7を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管8、9から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
ここで、ガスセンサ1が酸素極側の出口側配管9の重力方向上側に取り付けられることで、酸素極側のオフガス中に含まれる水分が冷却され、結露が発生した場合であっても、この水分が重力方向下側に排出されるようになっている。
例えば図2から図4に示すように、ガスセンサ1は水平方向に伸びる出口側配管9の長手方向、つまり水平方向に沿って長い直方形状のケース21を備えている。ケース21は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部22を備えている。フランジ部22にはカラー23が取り付けられており、例えば図3に示すように、このカラー23内にボルト24が挿入されることで、フランジ部22は酸素極側の出口側配管9に設けられた取付座25に締め付け固定されるようになっている。
また、例えば図3および図4に示すように、ケース21の厚さ方向の端面にはセラミックスにより形成された筒状部26が設けられている。この筒状部26は、例えば円筒状の筒状部本体26aと、円筒状の筒状部先端部26bとが、ガスセンサ1の厚さ方向に沿って互いに同軸に接続されて構成されている。
そして、筒状部26の内部はガス検出室27として形成され、筒状部本体26aの基端側の内部側面には、内側に向かってセラミックスからなる基端側フランジ部28aが一体に形成され、基端側フランジ部28aの内周部分がステー配設部29として開口形成されている。
また、筒状部先端部26bの内部側面には、内側に向かってセラミックスからなる先端側フランジ部28bが一体に形成され、先端側フランジ部28bの内周部分がガス導入部27aとして開口形成されている。
そして、セラミックスからなる筒状部26を構成する筒状部本体26aおよび筒状部先端部26bおよび基端側フランジ部28aおよび先端側フランジ部28bのうち、一体に形成された筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aは、ケース21内の回路基板30から通電配線30aを介して通電されるセラミックヒータであって、このセラミックヒータは、例えば導電性のセラミックス自体を発熱体とするセラミックヒータ、あるいは、例えば非導電性のセラミックスに導電性の金属の抵抗体を備えたセラミックヒータ等である。
つまり、ガス検出室27はセラミックヒータをなす筒状部本体26aにより形成され、筒状部本体26aの内周面26Aによってガス検出室27の内周壁面が形成されている。
回路基板30はケース21内に樹脂で封止され、ガス検出室27内に配置された検出素子31および温度補償素子32は、回路基板30に接続された複数、例えば4個の通電用のステー33およびリード線33aにより回路基板30に接続されている。
4個の通電用のステー33は、筒状部本体26aに開口形成されたステー配設部29を封止する防水栓34と、ガス検出室27内に配置された略円環板状のベース部35とを貫通した状態で、例えばベース部35により固定されている。
なお、例えばゴム等からなる防水栓34は、ステー配設部29および基端側フランジ部28aの内周部に密接すると共に、防水栓34の内部を貫通するステー33の表面に密接して、回路基板30に対する気密性および液密性を確保するようになっている。
また、略円環板状のベース部35はガス検出室27内の基端部に配置され、ベース部35の外周面は、ガス検出室27の内周壁面をなす筒状部本体26aの内周面26Aに当接している。
また、ステー33の表面上には、腐食防止用の適宜の被覆が設けられている。
そして、防水栓34およびベース部35を貫通してガス検出室27内に露出する4個の通電用のステー33の露出部全体および各素子31,32に接続されたリード線33aとステー33との接続部を覆い、これらの箇所での腐食等による劣化を防止するための略円環板状のステーカバー36が配置されている。
そして、各素子31,32は、略円環板状のベース部35およびステーカバー36の各貫通孔35a,36aにより形成されてガス検出室27に連通する空間内において、各ステー33に接続されたリード線33aにより、例えばベース部35からガスセンサ1の厚さ方向に所定距離だけ離間した位置において、所定間隔を隔てて対をなすようにして配置されている。
なお、略円環板状のステーカバー36の外周面は、ガス検出室27の内周壁面をなす筒状部本体26aの内周面26Aに当接している。
そして、ガス検出室27内の先端部には、例えば円筒状であって可逆的に吸湿および放湿可能な除湿材37が配置され、除湿材37の外周面37Aはガス検出室27の内周壁面をなす筒状部本体26aの内周面26Aに当接している。そして、除湿材37は、ステーカバー36と先端側フランジ部28bとによってガスセンサ1の厚さ方向に沿った両側から挟み込まれるようにして配置され、除湿材37の基端側端面37Bはステーカバー36に当接し、除湿材37の先端側端面37Cは先端側フランジ部28bに当接している。
なお、除湿材37は、例えばシリカゲル、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、吸水ポリマー、酸化ジルコニウム等のように雰囲気ガスの湿度状態に応じて物理的に水を吸着する吸着材からなり、水を吸着した除湿材37はセラミックヒータをなす筒状部本体26aによって直接的に加熱されることで吸着した水を脱着して除湿材37の雰囲気ガス中に蒸発させることが可能であり、吸着および脱着の可逆性を有する吸着材とされている。
そして、例えば図3に示すように、ケース21の厚さ方向の端面において、筒状部26の外周面26Cから径方向に所定距離をおいた位置には、筒状部26を内部に収容する略円筒状の外周ケース38が設けられている。そして、外周ケース38の先端側の内部側面には、内側に向かってフランジ部38aが一体に形成され、フランジ部38aの内周部分がガス導入口38bとして開口形成されている。
そして、外周ケース38の先端側の内部には、ガスセンサ1の厚さ方向に沿って基端部から先端部に向かい順次、略円板状の焼結フィルタ39と、略円板状の撥水フィルタ40とが配置され、撥水フィルタ40によってガス導入口38bが覆われている。
焼結フィルタ39および撥水フィルタ40は検査対象ガスを透過可能であって、出口側配管9内を流通するオフガスは、少なくとも焼結フィルタ39および撥水フィルタ40を透過して外周ケース38内およびガス検出室27内に流通するようになっている。
また、焼結フィルタ39と基端側フランジ部28aとを離間させて配置することで、各素子31,32周辺の結露の発生を抑制することができる。
なお、外周ケース38の外周面にはシール材38cが取り付けられ、このシール材38cが出口側配管9の貫通孔9aの内周壁に密接して気密性を確保している。
なお、検出素子31は周知の素子であって、例えば図5に示すように、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイル31aの表面が、被検出ガスとされる水素に対して活性な貴金属等からなる触媒31bを坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子32は、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子31と同等のコイル32aの表面がアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
そして、被検出ガスである水素が検出素子31の触媒31bに接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子31と、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず検出素子31よりも低温の温度補償素子32との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
例えば図5に示すように、検出素子31(抵抗値R4)及び温度補償素子32(抵抗値R3)が直列接続されてなる枝辺と、固定抵抗41(抵抗値R1)及び固定抵抗42(抵抗値R2)が直列接続されてなる枝辺とが、外部の電源43から供給される電圧に基づいて所定の基準電圧を印加する基準電圧発生回路44に対して並列に接続されてなるブリッジ回路において、検出素子31と温度補償素子32同志の接続点PSと、固定抵抗41,42同志の接続点PRとの間に、これらの接続点PS,PR間の電圧を検出する検出回路45が接続されており、さらに、検出回路45には出力回路46が接続されている。
ここで、ガス検出室27内に導入された検査対象ガス中に被検出ガスである水素が存在しないときには、ブリッジ回路はバランスしてR1×R4=R2×R3の状態にあり、検出回路45の出力がゼロとなる。一方、水素が存在すると、検出素子31の触媒31bにおいて水素が燃焼し、コイル31aの温度が上昇し、抵抗値R4が増大する。これに対して温度補償素子32においては水素は燃焼せず、抵抗値R3は変化しない。これにより、ブリッジ回路の平衡が破れて検出回路45に、水素濃度の増大変化に応じて増大傾向に変化する適宜の電圧が印加される。この検出回路45から出力される電圧の検出値は出力回路46へ出力され、出力回路46は入力された検出値を制御装置2へ出力する。そして、制御装置2においては、この電圧の検出値の変化に応じて予め設定された水素濃度のマップ等に基づいて、水素濃度が算出される。
また、基準電圧発生回路44が接続された外部の電源43にはセラミックヒータをなす筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aに適宜の電圧を印加するヒータ電圧発生回路47が接続されている。
制御装置2は、ガス検出室27内のセンサ(図示略)およびセラミックヒータをなす筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aに接続され、例えばセンサから出力されるガス検出室27内の雰囲気ガスの温度状態や湿度状態、燃料電池5の負荷状態や運転状態等に応じて、各素子31,32および筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aの通電状態、例えば通電開始および通電停止の各タイミングや通電量等を制御する。このとき、制御装置2は、例えば筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへ通電する電流値に対するフィードバック制御や、例えばスイッチング素子のオン/オフ動作等に基づくチョッパ制御(つまり、通電のオン/オフの切替制御)等によって筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電量を制御する。
例えば、制御装置2は、センサの検出温度に基づいて筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電を制御し、センサから検出されるガス検出室27内の温度が、少なくとも露点温度よりも高い所定温度範囲の温度となるように、また、センサから検出されるガス検出室27内の相対湿度が、例えば所定湿度範囲の相対湿度や、例えば予め作成されたガス検出室27内の温度状態に応じた相対湿度のマップ等から得られる相対湿度の検索値等となるように、筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電開始および通電停止のタイミングや通電量を制御する。
さらに、制御装置2は、センサにより検出されるガス検出室27内の温度状態に加えて、例えば燃料電池5の運転状態(つまり、燃料電池5の作動開始や作動停止を含む作動状態)や、例えば燃料電池5の運転時における負荷状態、例えば燃料電池5に対する発電指令(FC出力指令値)や、例えば出力電流センサ(図示略)により検出される燃料電池5の出力電流の電流値や、例えば流量センサ(図示略)等により検出されるエアーコンプレッサ(図示略)から燃料電池5へ供給される空気の流量の検出値等に基づき算出される燃料電池5の発電状態に応じてセラミックヒータをなす筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電量を制御する。
例えば、制御装置2は、燃料電池5の負荷状態が高負荷状態に変化する場合等において、酸素極側の出口側配管9内を流通するオフガスの流量が増大してオフガスに曝されるガスセンサ1のガス検出室27内の温度が低下したり、例えば燃料電池5にて生成されオフガスに含まれる生成水の量が増大してガス検出室27内の相対湿度が増大する虞がある場合には、筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電量を増大させてガス検出室27内の温度を上昇させることでガス検出室27内に結露が発生することを防止する。一方、燃料電池5の負荷状態が低負荷状態に変化する場合等においては、制御装置2は、筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電量を低下させて過剰なエネルギ消費を抑制する。
また、制御装置2は、燃料電池5の作動停止時等において、例えば各出口側配管8,9内を流通するオフガスの流量が増大させられて燃料電池システム内に残留する水が外部に排出されるパージ処理が実行される場合には、セラミックヒータをなす筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電量を増大させ、ガス検出室27内の温度を一時的に上昇させることでガス検出室27内の雰囲気ガスの飽和水蒸気量を増大させ、ガス検出室27内に結露が発生することを防止する。
また、制御装置2は、燃料電池5の作動開始時において、酸素極側の出口側配管9内におけるオフガスの流通開始に先立って、ガスセンサ1の各素子31,32と、筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aとに対する通電を開始し、燃料電池5の作動停止時において、酸素極側の出口側配管9内におけるオフガスの流通を停止した後に、ガスセンサ1の各素子31,32と、筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aとに対する通電を停止する。
次に、上述した実施の形態のガスセンサ1の作用について説明する。
ガス検出室27内に配置された除湿材37は、ガス検出室27内の雰囲気ガスの湿度状態に応じて水の吸着または脱着を行う。
例えば、ガスセンサ1の作動時においてセラミックヒータをなす筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電が実行されている際には、ガス検出室27内の温度が相対的に高くなることに伴い、ガス検出室27内の相対湿度が低下し、除湿材37は水が脱着した状態、つまり吸着可能な水の量が増大した状態となる。
そして、燃料電池5の作動停止に伴い、酸素極側の出口側配管9内におけるオフガスの流通が停止された後に筒状部本体26aおよび基端側フランジ部28aへの通電が停止されると、ガス検出室27内の温度が低下することに伴い、ガス検出室27内の相対湿度が増大する。このとき除湿材37は吸着可能な水の量に応じて、ガス検出室27内の雰囲気ガス中の水蒸気を含む水を吸着する。
これにより、ガス検出室27内において結露が発生すること、つまりガス検出室27内の相対湿度が100%に到達したり、ガス検出室27内の温度が露点温度以下に低下することを防止することができると共に、たとえばガス検出室27内において局所的に温度が露点温度以下に低下して結露が発生した場合であっても、生成された結露水を除湿材37により吸着することができる。
また、ガス検出室27内の各素子31,32とガス導入部27aとの間において セラミックヒータをなす筒状部本体26aが配置される位置よりもガス導入部27a側にずれた位置に配置された除湿材37は、各素子31、32の表面が曝される雰囲気ガスの相対湿度を低下させることができ、各素子31、32の表面上にて結露が生じることを防止することができる。
しかも、ガス検出室27の内周壁面自体がセラミックヒータの筒状部本体26aにより形成されていることによって、例えば筒状部26が相対的に熱伝導率が高い金属等により形成されることによって結露が発生しやすくなる場合に比べて、ガス検出室27の内周壁面上での結露の発生を抑制することができる。
上述したように、本実施の形態によるガスセンサ1によれば、ガス検出室27の内周壁面自体がセラミックヒータをなす筒状部本体26aにより形成されていることによって、ガス検出室27内の雰囲気ガスの温度状態や湿度状態の空間分布、さらに、各素子31,32の表面での温度分布が均一状態となるように維持しつつ、所望の温度状態や湿度状態を容易に設定することができ、ガス検出室27内での温度状態や湿度状態の分布の不均一に起因して結露が発生することを抑制することができる。
しかも、ガス検出室27に付加的にヒータを設ける必要が無いことに加えて、焼結フィルタ39および撥水フィルタ40を外周ケース38に備えたことにより、ガスセンサ1の大きさが過剰に増大することを抑制しつつ、検査対象ガスが導入されるガス検出室27内の検出空間の大きさを増大させることができ、検出空間の温度状態や湿度状態が急激に変動することを抑制し、ガス検出室27内の雰囲気ガスや各素子31,32の表面の温度が露点温度以下に急激に低下してしまうことを抑制することができる。また、検出空間の大きさを増大させることによって、ガス検出室27内に導入される検査対象ガスの量を増大させることができ、検査対象ガスに対する検出精度を向上させることができる。
また、除湿材37によってガス検出室27内の雰囲気ガス中の水蒸気を含む水を吸着することができ、この除湿材37はセラミックヒータをなす筒状部本体26aに当接していることから、除湿材37の温度状態をセラミックヒータによって直接的に制御することができ、例えばセラミックヒータにより除湿材37を急速に加熱して迅速に乾燥(つまり放湿)させることができる。これにより、例えば相対湿度が高いオフガス等によってガス検出室27内に水分が侵入した場合であっても、除湿材37の吸湿能力を迅速に制御して、各素子31,32の表面に水が付着してしまったり、ガス検出室27内に結露が発生しまうことを防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、例えば図6から図8に示す変形例のように、筒状部26の外面を覆う断熱材からなる断熱カバー51を設けてもよい。なお、この断熱カバー51には、筒状部26のステー配設部29およびガス導入部27aの各開口部に臨んで連通する各開口部51a,51bが形成されている。
この変形例によれば、ガス検出室27内の温度状態が急激に変動することを抑制し、ガス検出室27内の雰囲気ガスや各素子31,32の表面の温度が露点温度以下に急激に低下してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態において、ガスセンサ1を水素センサとしたが、これに限定されず、その他のガス、例えば一酸化炭素やメタン等の可燃性ガスを検出するガスセンサであってもよい。
また、上述した実施の形態においては、ガスセンサ1を接触燃焼式のセンサとしたが、これに限定されず、例えば半導体式等の他の方式によるセンサであってもよい。
また、上述した実施の形態においては、各素子31,32を接続してなる回路をブリッジ回路としたが、これに限定されず、例えば直列回路等のその他の回路であってもよく、検出素子31の抵抗値R4に関連した状態量として、所定接点間の電圧や電流の検出値が制御装置2へ出力されてもよい。
本発明の一実施形態に係るガスセンサを備える燃料電池システムの要部構成図である。 図1に示すガスセンサの断面図である。 図2に示すA−A線に沿う概略断面図である。 図3に示すガス検出室内の詳細断面図である。 図1に示すガスセンサの回路図である。 本発明の実施の形態の変形例に係るガスセンサ断面図である。 図6に示すA−A線に沿う概略断面図である。 図7に示すガス検出室内の詳細断面図である。
符号の説明
1 ガスセンサ
27 ガス検出室
26a 筒状部本体(ヒータ)
28a 基端側フランジ部(ヒータ)
31 検出素子
37 除湿材

Claims (2)

  1. 検査対象ガスが導入されるガス検出室内に配置された検出素子の電気抵抗値に基づき前記検査対象ガスに含まれる被検出ガスのガス濃度を検出するガスセンサであって、
    前記ガス検出室をヒータにより形成してなることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記ヒータに当接する除湿材を前記ガス検出室内に配置することを特徴する請求項1に記載のガスセンサ。

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