JP2006349193A - 製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫 - Google Patents

製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫 Download PDF

Info

Publication number
JP2006349193A
JP2006349193A JP2005171770A JP2005171770A JP2006349193A JP 2006349193 A JP2006349193 A JP 2006349193A JP 2005171770 A JP2005171770 A JP 2005171770A JP 2005171770 A JP2005171770 A JP 2005171770A JP 2006349193 A JP2006349193 A JP 2006349193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ice making
ice
antibacterial
circulation path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005171770A
Other languages
English (en)
Inventor
Kyoko Iimori
杏子 飯盛
Toshiichi Yoshimura
敏一 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2005171770A priority Critical patent/JP2006349193A/ja
Publication of JP2006349193A publication Critical patent/JP2006349193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Production, Working, Storing, Or Distribution Of Ice (AREA)
  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

【課題】一度製氷板を通った製氷用水を循環させ、ふたたび製氷板上に流して製氷を行う製氷方法があり、そのような製氷方法においては、水が循環する循環経路中でのかびの発生や細菌の繁殖が危惧されるが、循環経路中を抗菌効果が持続する方法で抗菌する有力な手段が講じられていない。
【解決手段】抗菌性を有する金属イオンを水に付与して抗菌水を生成する金属イオン溶出ユニット6と、抗菌水の供給を受けて、抗菌水を製氷面上に流し、層状に凍らせる製氷手段2と、を備える製氷装置であって、製氷手段2は、製氷面上を流れる抗菌水を循環させる、貯水タンク22及び循環パイプ23を含む循環経路を有し、金属イオン溶出ユニット6を、循環経路を形成する貯水タンク22中に設ける。
【選択図】 図4

Description

本発明は、製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫に関する。
近年、自動製氷装置が一般的になりつつあり、家庭用冷蔵庫にも搭載されるようになっている。そのような自動製氷装置では、製氷に使用される水や、その水が接触する部分でのかびの発生や細菌の繁殖が問題となっている。この問題を解決すべく、自動製氷装置にカビや細菌の繁殖を抑制する対策手段が講じられている。
例えば、特開平6−213543号公報(特許文献1)では、銀入活性炭を収納したカセットを、水受皿内に着脱自在に設け、且つ水タンクから水受皿内に注水される水中にその銀入活性炭を浸漬させ、発生する銀イオンにより浄化抗菌された水を製氷皿に送り製氷している。
また、特開平6−241630号公報(特許文献2)では、給水タンクから供給される水を、抗菌効果のある銀ゼオライトが混入した樹脂で形成された水受容器に貯留し、水受容器内の水及び水受容器表面にカビなどが繁殖することを銀イオンにより抑制し、この水を製氷皿に送り製氷している。
特開2003―121058号公報(特許文献3)では、給水タンク内に設置した電極材に電圧を印加し、給水タンク内に貯留されている水を電気分解して、電解水を生成し、給水タンクを含む製氷ラインにおけるカビや菌類の発生を抑制し、その電解水を製氷皿に供給して製氷している。
特開2000−258008号公報(特許文献4)では、製氷用水を貯蔵する貯水タンクから氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機であり、製氷用水循環路内に光触媒を配設し、製氷用水が光触媒に接触することにより、製氷用水を殺菌している。
特開平6−42849号公報(特許文献5)では、給水タンクから製氷装置へのパイプに無機系抗菌剤を含有させた合成樹脂を用いて、給水パイプの内壁自体に抗菌性を持たせ、長期間にわたって製氷機が作動せず、パイプ内に水が滞留しても、雑菌の繁殖を抑制している。
特開2000−274900号公報(特許文献6)では、洗浄効果が見込める程度の殺菌塩素水を生成する塩素水生成装置を搭載した自動製氷装置を備えており、この塩素水生成装置により生成される殺菌性塩素水をポンプから給水経路を経て製氷皿まで流通させ、洗浄な困難なポンプ、給水経路および製氷皿内を殺菌洗浄している。
特開2004−191045号公報(特許文献7)では、給水槽から製氷ユニットに至るまでの製氷水の流路に殺菌灯を設け、通過する水を殺菌している。
特開平6−213543号公報 特開平6−241630号公報 特開2003―121058号公報 特開2000−258008号公報 特開平6−42849号公報 特開2000−274900号公報 特開2004−191045号公報
しかしながら、特開平6−213543号公報(特許文献1)では、活性炭は吸着力が非常に強く、一旦吸着したものを取るためには特殊な操作が必要とされる。よって活性炭に含有される銀が水中にイオン化しにくい可能性があり、銀入り活性炭を通過した水を浄化することが可能であっても、銀入り活性炭を通過した水に抗菌に必要である充分な量の銀イオンが付与されて浄化作用を持った水になるとは限らない。
また、特開平6−241630号公報(特許文献2)では、水受容器を構成する樹脂に抗菌剤を含有させているが、一旦、菌やカビの発生により表面にぬめりなどが付着すると、表面から抗菌剤が水に付与されなくなる可能性があり、そのために抗菌効果が十分に発揮されなくなる恐れがあった。
また、特開2003−121058号公報(特許文献3)では、製氷タンク内の水を電気分解し、次亜塩素酸含有水などの殺菌効果のある液体を生成する。しかし、次亜塩素酸は残留性が低く気化(揮発)しやすいため長期間の抗菌には不向きであるとともに、抗菌効果のある次亜塩素酸濃度はppmオーダーの発生量が必要であり、洗浄後の製氷皿で製氷すると塩素臭がする氷ができる可能性もある。
また、特開2000−258008号公報(特許文献4)では、貯水タンクに溶射された光触媒や、製氷用水循環路に取り付けられた光触媒ユニットにより、製氷用水を殺菌、分解している。しかし、光触媒による殺菌は、その光触媒表面に触れた細菌やカビ菌は殺菌、分解できるが、紫外線を照射する必要があるため、紫外線が当たらない部分や紫外線量が充分でない場合には、殺菌効果がないので、紫外線が当たらない部分や紫外線量が充分でない場合には細菌が繁殖したり、繁殖した菌により光触媒の表面にぬめりが発生してしまい光触媒の効果が失われる可能性がある。さらに、充分な量の紫外線を当てている間のみ殺菌効果あるので、紫外線が当たらない間(例えば、光源に通電していない場合)に細菌が繁殖する可能性がある。よって常に殺菌するためには、水が存在する全ての場所に充分な量の紫外線をあてることができる数の光源を用意して通電し続ける必要があり、コストが高くなるとともに、エネルギーを無駄に使用しなければならなかった。
さらに特開平6−42849号公報(特許文献5)では、給水パイプを構成する樹脂に抗菌剤を含有させているが、一旦、菌やカビの発生により表面にぬめりなどが付着すると、表面から抗菌剤が水に付与されなくなる可能性があり、そのために抗菌効果が十分に発揮されなくなる恐れがあった。
さらに特開2000−274900号公報(特許文献6)では、製氷機洗浄モードをユーザーが外部より設定する必要があるので、ユーザーは洗浄のタイミングを常に意識しておかねばならない煩わしさがある。また、塩素は残留性が低く気化(揮発)しやすいため長期間の抗菌には不向きであるとともに、抗菌効果のある塩素濃度はppmオーダーの高濃度の塩素が必要であり、洗浄後の製氷皿で製氷すると塩素臭がする氷ができる可能性もある。
また、特開2004−191045号公報(特許文献7)では、殺菌灯を通過した水が浄化されるのみで、浄化作用を持った水とはならず流路の抗菌・殺菌はできない。
また、自動製氷の手段のひとつに、製氷面に製氷用水を流しながら製氷を行う製氷方法がある。この製氷方法のひとつに、一度製氷板を通った製氷用水を循環させ、ふたたび製氷板上に流して製氷を行う製氷方法があり、そのような製氷方法においては、製氷用水が循環する循環経路中でのかびの発生や細菌の繁殖が危惧されるが、循環経路中を抗菌効果が持続する方法で抗菌する有力な手段が講じられていない。
本発明の目的は、上記問題を鑑みてなされたものであり、製氷用水が接触する部分の殺菌・抗菌を行う製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫を提供することである。
この発明に従った製氷装置は、少なくとも不揮発性且つ抗菌性を有する物質を水に付与して抗菌水を生成する抗菌水生成手段と、抗菌水の供給を受けて、抗菌水を製氷面上に流し、層状に凍らせる製氷手段と、を備える製氷装置であって、製氷手段は、製氷面上を流れる抗菌水を循環させる循環経路を有し、抗菌水生成手段は、循環経路中に設けられていることを特徴とする。
この構成によると、不揮発性且つ抗菌性を有する物質が分散している抗菌水が接触する循環経路が殺菌され、循環経路を清潔に保つことができる。また、循環経路中に供給される水にかびや細菌が混入していたとしても、不揮発性且つ抗菌性を有する物質により抗菌水となるので、抗菌水中でのカビや細菌の増殖を抑制することができ、ぬめりの原因を根本的に排除することができる。
この発明に従った製氷装置においては、製氷された氷を貯氷する貯氷庫をさらに備え、貯氷庫が満氷である場合には製氷を行わず、循環経路中に残留している抗菌水を所定時間毎に循環させることが好ましい。
このような構成にすれば、貯氷庫が満氷である場合は、製氷手段にて製氷が行われないため、循環経路中にて抗菌水が存在しない部分で、カビや細菌の増殖が危惧されるが、所定時間毎に抗菌水を循環することで、循環経路中に抗菌水を接触させることができるので、当該部でのカビや菌の繁殖を抑制することができる。
この発明の製氷装置においては、循環経路中に残留している抗菌水の水量が所定水量以下である場合には、抗菌水を補充することが好ましい。
このような構成にすれば、循環経路中に残留している抗菌水の水量が、ポンプ24の種類や性能などに見合った量でない場合、循環経路において抗菌水の循環ができない可能性があるが、このような事態が発生する可能性を低減することができる。
この発明の製氷装置においては、抗菌水の補充ができない場合には、補充ができないことを報知する報知手段を備えることが好ましい。
このような構成にすれば、ユーザーに循環経路の殺菌・抗菌ができないことを報知できる。
この発明の製氷装置においては、貯氷庫が満氷状態から非満氷状態となった場合には、循環経路中に残留している抗菌水を排水後、循環経路に抗菌水を補充し、製氷を行うことが好ましい。
このような構成にすれば、古い抗菌水を排水するので、新しい抗菌水により製氷を行うことができる。
この発明の製氷装置においては、製氷手段に水を供給する給水経路を備え、抗菌水生成手段は、循環経路に替えて、給水経路中に設けられていることが好ましい。
このような構成にすれば、循環経路中だけでなく、給水経路中の一部または全体をも殺菌・抗菌することができる。
この発明に従った製氷装置は、少なくとも不揮発性且つ抗菌性を有する物質を水に付与して抗菌水を生成する抗菌水生成手段と、水の供給を受けて、水を製氷面上に流し、層状に凍らせる製氷手段と、製氷された氷を貯氷する貯氷庫と、を備える製氷装置であって、製氷手段は、製氷面上を流れる水を循環させる循環経路を有し、貯氷庫が非満氷である場合には、水により製氷を行い、貯氷庫が満氷である場合には製氷を行わず、抗菌水生成手段により生成される抗菌水を所定時間毎に循環させることを特徴とする。
この構成によると、貯氷庫が非満氷である場合には、抗菌水生成手段により不揮発性且つ抗菌性を有する物質を水に付与せずに製氷を行うので、不揮発性且つ抗菌性を有する物質を含まない氷を製氷でき、貯氷庫が満氷である場合には、抗菌水生成手段により生成された抗菌水により、抗菌水が接触する循環経路が殺菌され、循環経路を清潔に保つことができる。
この発明の製氷装置においては、貯氷庫が満氷状態から非満氷状態となった場合には、循環経路中に残留している抗菌水を排水後、循環経路に水を補充し、製氷を行うことが好ましい。
このような構成にすれば、抗菌水により循環経路の殺菌・抗菌を行ったあとでも、不揮発性且つ抗菌性を有する物質を含まない水で製氷を行うことができる。
この発明の製氷装置においては、不揮発性且つ抗菌性を有する物質は、抗菌性を有する金属イオンであることが好ましい。
このような構成にすれば、抗菌性を有する金属イオン(以後、単に金属イオンと呼ぶこともある)は不揮発性であるので、長期にわたり水に抗菌性を付与することができる。また、少量で抗菌効果を得ることができる。
この発明の製氷装置においては、金属イオンは、金属電極に電圧を印加し電流を流す電気分解により水中に生成されることが好ましい。
このような構成にすれば、金属イオンの溶出量や溶出時間などを電気的に制御することが可能であり、水質や水量に応じた金属イオン量、あるいは所望の金属イオン量を得やすくなる。
この発明の製氷装置においては、金属電極へ通電する電気量を制御する制御手段を備えたことが好ましい。
このような構成にすれば、金属電極に印加する電圧や、電圧を印加する時間を電気的に制御することが可能であり、金属イオン量を変化させることができる。
この発明の製氷装置においては、金属イオンは、抗菌性を有する金属イオンを含有している金属イオン含有物質から、水中に徐放または溶解されることが好ましい。
このような構成にすれば、金属イオンの溶出量が減少または皆無となってしまった場合に、金属イオン含有物質を交換または再投入するだけ済み、使い勝手が良い。また、金属イオンの溶出が金属電極の電気分解の手法によらないため、電極部分へのスケール付着による金属イオン溶出障害を危惧しなくてもよい。
この発明に従った冷蔵庫は、上述した構成を有する製氷装置を備える。
この発明の冷蔵庫によれば、家庭や業務用の冷蔵庫でも衛生的な氷を得ることができる。
本発明によると、水が接触する製氷手段の循環経路に、不揮発性且つ抗菌性を有する物質を付与された抗菌水が供給されるため、ぬめりなどの発生を抑制でき、循環経路を清潔に保つことができる。
本発明の製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫の実施の形態を図に従って説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る製氷装置の斜視図である。製氷装置1の正面には、後述する給水タンク4を出し入れする扉1a、製氷された氷を取り出す取り出し口1b、報知手段であるLED1cが設けられており、除霜する際に発生する水分を受ける器である蒸発皿16も正面から引き出すことが可能となっている。なお、報知手段はLEDに限らず電球など他の発光手段を用いても良く、音や音声による手段であってもよい。
図2は製氷装置を垂直面で切断したときの概略垂直断面図である。図2に示すように、製氷装置1は、製氷を行う製氷手段2、製氷手段2が収められている製氷部である製氷室3、製氷用の水(製氷用水)を貯える着脱自在な給水タンク4、給水タンク4に連結され給水タンク4内の水を製氷手段2に供給する給水パイプ5、水に抗菌性を有する金属イオンを付与して金属イオン水を生成する金属イオン水生成手段(抗菌水生成手段)である金属イオン溶出ユニット6、製氷手段2により製氷された氷を保存し貯えておく貯氷庫7、製氷手段2で生成された氷を貯氷庫7に送る開閉部8、製氷室3と貯氷庫7とを仕切る仕切り壁10a、製氷室3と、給水タンク4と制御部9が収められている部屋とを仕切る仕切り壁10b、水量を測定する水量測定手段である水位センサ15、除霜(例えば、貯氷庫7や製氷室3を冷やすために使用されている熱交換器(図示せず)に付着する霜を、ヒーター等を用いて溶かすこと)する際に発生する水分を受ける器である蒸発皿16を備えている。なお、金属イオン溶出ユニット6と水位センサ15は、製氷手段2に設けられている。また、製氷手段2や金属イオン溶出ユニット6、開閉部8、水位センサ15などを電気的に制御する制御部9を製氷装置1は備えており、制御部9は、マイコンやその他の電子部品から構成されている。
なお、金属イオンは、不揮発性且つ抗菌性を有する物質である。また、ここでいう不揮発性とは、一般的に残留性が低くない場合、すなわち、揮発性であっても残留性が高い場合も含むものとする。次亜塩素酸は残留性が低いので揮発性であり、金属イオンは気化(揮発)することはないので不揮発性である。その他の不揮発性物質としては、キトサンやカテキンがある。
図3は金属イオン溶出ユニット6の概略断面図である。図3(A)は金属イオン溶出ユニット6の垂直断面図、図3(B)は金属イオン溶出ユニット6の水平断面図である。図3(A)、図3(B)に示すように、ケース61の内部には大きさ20mm×50mm、厚さ1mm程度の金属電極である銀電極62a、62bが約5mmの距離を隔てて配設されており、銀電極62a、62bにはそれぞれ接続端子63a、63bが形成されている。接続端子63a、63bは例えば、配線(図示せず)により制御部9に接続されている。ケース61には、開口部64a、64bが設けられており、開口部64a、64bからケース内に水が流出入することができる。銀電極62a、62bが水中に浸かった状態で、制御部9により銀電極62a、62b間に電圧が印加されると、陽極側の銀電極において、Ag→Ag++e-の反応が起こり、水中に銀イオン(Ag+)が溶出する。銀イオン(Ag+)が溶出しつづければ陽極側の銀電極は減耗していく。
銀電極62aまたは62bから溶出する銀イオンは、優れた殺菌効果及び防カビ効果を発揮する。従って、銀イオン水は、抗菌性を有する抗菌水として作用する。なお、ここでいう抗菌または殺菌とは、細菌や真菌を殺菌、抗菌することだけでなく、ウイルスを不活化することも含むものとする。また、銀イオンによりウイルスが不活化されることは、「銀イオン水 L.A.クリスキー著 新日本鋳鍛造協会(出版会) 1993年」に記載されている。
他方陰極側の銀電極では、H++e-→1/2H2の反応が生じ、水素が発生するとともに、水中に含まれるカルシウムなどが炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物のスケールとして銀電極の表面に析出する。
また電極の成分金属である銀の塩化物及び硫化物が表面に発生する。従って、使用が長期にわたると、炭酸カルシウムや塩化物や硫化物などのスケールが電極表面に厚く堆積し、金属イオンである銀イオンの溶出を妨げる。このため、銀イオンの溶出量が不安定になったり、電極の減耗が不均一になったりする。そこで、制御部9は、金属イオン溶出ユニット6の銀電極62a、62b間の印加電圧の極性反転を周期的(例えば20秒毎)に行うことにより、銀電極62a、62bへのスケールの付着および、一方の銀電極のみが消耗してしまうことを防いでいる。
なお、金属電極としては、銀電極以外にも、抗菌性を有する金属イオンを溶出可能な金属であれば良く、具体的には、銅、銀と銅との合金、亜鉛などが選択可能である。銀電極から溶出する銀イオン、銅電極から溶出する銅イオン、または亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは、優れた殺菌効果及び防カビ効果を発揮する。銀と銅とからなる合金からは銀イオンと銅イオンとを同時に溶出させることができる。また、陽極が金属イオンを溶出する電極で、陰極が金属イオンを溶出しない電極であっても良い。2枚以上(複数)の電極から構成される電極形態の場合は、すべて同じ材質の金属電極であっても良いし、いずれかが金属電極で、他の電極が非金属電極(例えば、チタン、メッキの電極、炭素電極、導電性プラスチックなど)であっても良く、イオン化しにくい金属電極(例えば、貴金属である白金,金など)であっても良い。あるいは、材質の異なる複数の金属電極(例えば、銀電極と銅電極など)から構成されていても良い。
続いて、製氷手段2の構成について詳しく説明する。本発明においては、製氷手段2として層状に凍らせる製氷方式を用いているが、この製氷方式の一例として流下式製氷方式がある。図4は製氷手段2である流下式製氷手段の主要部の斜視図である。また、図5は製氷手段2である流下式製氷手段の主要部の概略正面図である。
図4、図5の上部を上側、下部を下側として今後説明を行う。図4、図5に示すように、流下式製氷手段は、水を循環させて凍らせる方式が一般的であり、水の循環経路は、製氷板21、貯水タンク22、循環パイプ23から構成されている。循環パイプ23には水を循環させるためにポンプ24が連結されている。なお、貯水タンク22は、内側が見えるように切り欠いて描いてある。貯水タンク22には、金属イオン溶出ユニット6と水位センサ15が設けられている。なお、貯水タンク22には、上限水量(例えば、1回分の製氷に必要な水量の3倍)までしか貯留できないように、水量調整手段である溢水口22aが設けられており、上限水量を超えた水は、溢水口22aから排水管26を介して蒸発皿16に排水されるようになっている。さらに、貯水タンク22には、排水口22bが設けられており、排水管26に連結されている。排水口22bと排水管26の間には電磁弁30が設けられており、前述した制御部9により開閉が制御される。なお、電磁弁30は通常は閉じられており、排水動作を行う際に開かれる。なお、排水口22bから排水された水は、排水管26を介して蒸発皿16に排水される。
製氷板21は、金属の板であるステンレス材から構成されており、その表面である製氷面には、凹部21bと、山型の凸部21aとが交互に複数形成され、製氷される氷を仕切るために複数の仕切り板21cが、製氷板21の製氷面上を上側から下側に向かって水が流れる方向(垂直方向)と平行になるように等間隔で並列に設けられており(本実施例では4枚)、仕切り板21cに囲まれた凹部21bに氷が形成される。貯水タンク22の上部には製氷板21が垂直に設置されている。循環パイプ23の一端側は貯水タンク22から水を吸い込める位置に配置されており、他端側は製氷板21の上部であって、製氷板21の上部から製氷板21の製氷面に水を流すことができる位置に設けられ、製氷板21の製氷面に水を流下させるための多数の散水孔23aが設けられている。貯水タンク22には給水パイプ5から水が供給される。また、製氷板21の裏面には、配管25が凹部21bの裏面を通るように蛇行状に配設されている。この配管25が製氷板21の凹部21bに接触している部分周辺の製氷面が冷却され、凹部21bに氷28が形成される。この配管25には、冷媒ガスが流れるようになっており、この冷媒ガスにより凹部21bでの製氷や、凹部21bからの離氷を行う。このように、氷28のブロック分けが可能となる。これは、製氷板の材質を熱伝導性の良くないステンレス材を用いることで製氷板21全体が均一に冷却されるのではなく、凹部21bの近傍のみが氷点以下になるからである。もちろん、長期間にわたり製氷板21を冷却し続ければ、凹部21b以外の場所も氷点以下になる可能性があるが、本実施例では、後述するように、ホットガス(高温の冷媒)を配管25に流して製氷板21を暖めて離氷を行うため、長期間にわたり製氷板21が冷却され続けることはない。
なお、製氷板21は、熱伝導性の低い材質(例えば、非金属であるプラスチック)からなる第1の製氷板と、熱伝導性の高い材質(例えば、金属)からなる第2の製氷板とを交互に配置したものとしてもよい。このような構成であっても、熱伝導性の高い第2の製氷板の部分に氷ができ、熱伝導性の低い第1の製氷板の部分には氷ができないため、ブロック分けされた氷が製氷される。
この冷媒ガスは図6に示す冷凍サイクル100内を流れる。図6の冷凍サイクル100は、冷媒が流れる配管25、製氷板21の裏面に接触している配管25(以降は製氷板21と表現する)、冷媒を圧縮する圧縮手段である圧縮機101、冷媒の流れる方向を変更する四方弁102、冷媒の熱を外気の熱と交換する熱交換器103、膨張手段である膨張弁104とから構成される。冷媒としては、例えば、ノンフロン冷媒であるHC冷媒(R600a)を使用することができる。
製氷板21の製氷面である凹部21bに氷を形成する場合(製氷時)における冷凍サイクル100内の冷媒の流れは、次の通りである。冷媒は、圧縮機101で圧縮され「高温・高圧の気体」となり、四方弁102を通った後、熱交換器103で外気と熱交換を行い「低温・高圧の液体」となる。続いて膨張弁104を通過することで「低温・低圧の液体」となり、製氷板21と熱交換を行うことで「低温・低圧の気体」となり、四方弁102を通過して圧縮機101へと戻ってくる。
また、製氷板21の製氷面である凹部21bに形成された氷を外す場合(離氷時)における冷凍サイクル100内の冷媒の流れは次の通りである。冷媒は、圧縮機101で圧縮され「高温・高圧の気体」となり、四方弁102を通った後、製氷板21と熱交換を行うことで「低温・高圧の液体」となる。続いて膨張弁104を通過することで「低温・低圧の液体」となり、熱交換器103で外気と熱交換を行い「低温・低圧の気体」となり、四方弁102を通過して圧縮機101へと戻ってくる。
続いて、製氷装置1の動作について説明する。図7は製氷装置の動作を示すフローチャートである。S100から製氷装置の動作が開始される。S101にて給水タンク4が製氷装置1にセットされているかを確認する。なお、確認方法として本実施例では、給水タンク4がセットされていればON、セットされていなければOFFするスイッチ(図示せず)により確認している。セットされていれば(Yesであれば)S102へ移行する。セットされていなければ(Noであれば)、S101に戻る。
S102にて貯氷庫7が満氷になっていないかを確認する。ここで満氷とは貯氷庫7が氷で満タンになっていて、それ以上氷を貯氷できない状態のことである。また、非満氷とは貯氷庫7が満タンになっておらず、まだ氷を貯氷できる状態のことである。満氷であるか、非満氷であるかの確認は、例えば、貯氷庫7内に重量センサ(図示せず)を設けておき、蓄えられている氷の重量を測定し、その重量が所定値以上になれば、満氷であると判断することができる。もちろん、他の手段を用いて満氷であることを判定しても良い。非満氷であれば(Yesであれば)S103に移行する。満氷であれば(Noであれば)後述するS300に移行する。
S103にて給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22に給水を開始する。この給水は図示しない給水用ポンプにより行われる。なお、このとき給水される水量は、1回の製氷に最低限必要な水量とする。次にS104に移行する。S104にて、水位センサ15が出力する水位を示す信号(例えば、0〜5Vの電圧)を制御部9が読み取り、貯水タンク22に給水されている水の水位を判断する。次に、S105に移行し、水位が所定値より大きいかを確認する。水位が所定値未満であれば、S103に戻り、給水を続ける。水位が所定値以上であれば(Yesであれば)、給水を停止してS106に移行する。
S106にて制御部9は、金属イオン溶出ユニット6の銀電極62a、62bに電圧を印加して一定電流(本実施例では約29mA)を流し、上述したようにして銀電極62a、62bを電気分解して貯水タンク22内に貯留されている水に銀イオンを付与し、金属イオン水である銀イオン水を生成する。
次に、S107に移行し、制御部9は、第1所定時間(本実施例では約0.6秒)が経過したかを確認する。この第1所定時間とは、所望濃度の銀イオンを溶出するのに必要な時間のことであり、銀電極62a、62bに電圧を印加して一定電流を流し始めたときからカウントを開始する。なお、本実施例での第1所定時間は、濃度約90ppbの銀イオン水を得るために必要時間であり、次のように実験により求めた。まず、貯水タンク22内に貯留されている水量を、水位の所定値から算出する。例えば、貯水タンク内部形状が底面20cm×5cmの長方形で高さが5cmの長方体であり、給水タンク4から供給される水の水位の所定値が2cmであるとすると、水量は20cm×5cm×2cm=200cm3(200cc)となる。水量が200cm3(200cc)の場合、例えば、約29mAの電流を銀電極62a、62b間に約0.6秒間流すことで約90ppbの銀イオン水を得ることができる。
また、銀イオンの溶出量は低電流域を除いて、電気量(C)=一定電流値(A)×時間(sec)に概ね比例する。よって、電流値が一定であれば、電圧の印加時間を調節することで、所望濃度の銀イオン水を得ることができる。このように、銀電極62a、62bに一定電流を所定時間流すことにより、所望の銀イオン濃度を得ることができる。なお、様々な濃度の銀イオン水を得ることができるように、電流値と時間の組合せを、実験により予め求めておくことが好ましい。さらに好ましくは、電気量を制御する制御手段として、濃度切替え手段を設けておけば、ユーザーが自由に銀イオン濃度を選択できる。濃度切替え手段としては、ロータリースイッチやスライドスイッチなどがある。このスイッチを切り替えることで制御部9が電流値と時間の組合せである電気量を切り替えるようにすればよい。第1所定時間が経過すれば(Yesであれば)、S108に移行する。第1所定時間が経過していなければ(Noであれば)第1所定時間の経過を待つ。
S108にて、制御部9は、金属イオン溶出ユニット6の銀電極62a、62bへの電圧の印加を停止して電流を停止する。
そして、S200に移行し、制御部9は製氷手段2を動作させて、銀イオン水を製氷する。
続いて、S200からの流下式製氷手段の動作について詳しく説明する。なお、流下式製氷手段が設置されている製氷室3の室内温度は水が凍らない温度(例えば5℃)に設定されている。
S200からの動作は、図8の製氷手段2の製氷動作を示すフローチャートを用いて説明する。S201にて、制御部9はポンプ24を駆動させる。ポンプ24は、給水タンク22の銀イオン水を循環パイプ23へと送る。循環パイプ23へ送られた銀イオン水は、図5の矢印に示すように、循環パイプ23の散水孔23aから製氷板21の製氷面の上部(例えば、最も上側にある凸部21aまたは凹部21b)へ向かって、製氷面に沿って均一に流れるように射出される。射出された銀イオン水は、製氷板21の製氷面上を凸部21a、凹部21bを介して下側に向かって流れる。
続いて、S202に移行し、制御部9は冷凍サイクル100を製氷時の冷媒の流れとなるように四方弁102を切り替える。この場合、製氷板21にて熱交換が行われる際の冷媒温度は−20℃近くになっており、製氷板21も充分冷やされている。従って、製氷板21の製氷面である凹部21bを流れる銀イオン水のうち製氷板に直接触れている銀イオン水が薄く凍る。このとき、銀イオン水に含まれていた銀イオンや水以外の物質は、氷の結晶から追い出され、その氷の上を順次流れている銀イオン水に溶け込み、一緒に流れていく。製氷板21を通った銀イオン水は貯水タンク22に集められ、再びポンプ24により循環パイプ23を介して製氷板21へと送られる。そして、銀イオン水は先に製氷面上に薄く凍った氷の上に層状に凍っていく。このように層状とは、製氷板21の製氷面上を流れる銀イオン水が、製氷面において、徐々に凍っていき、製氷される氷の厚みが増していく(成長していく)ことを意味している。例えば、この現象はつららが徐々に成長していくことと同じである。すなわち、氷の結晶が徐々に成長していくのである。
このように、製氷板21の製氷面である凹部21bを流れる銀イオン水は層状に次々と積層しながら凍っていく。このとき、銀イオンやその他水中に含まれる水以外の物質を追い出しながら凍っていくので、銀イオンやその他水中に含まれる物質をほとんど含まない氷28が形成される。これは、氷が凍るときには純粋な水から凍っていき、この氷の結晶格子には他の物質が入り込むことができないという氷の性質によるものである。なお、追い出された銀イオンやその他水中に含まれる物質は、製氷面上を流れても凍らなかった銀イオン水に溶け込んでいる。従って、この銀イオン水にも銀イオンが含有されているので、貯水タンク22や循環パイプ23、ポンプ24も殺菌・抗菌されることになり、清潔に保つことができる。
続いて、S203に移行する。S203にて、制御部9は、第2所定時間(本実施例では約30分であるが、これに限らない)が経過したかを確認する。第2所定時間とは、製氷に要する時間のことであり、製氷時の冷媒の流れとなるように四方弁102を切り替えたときからカウントを開始する。第2所定時間が経過すれば(Yesであれば)S204に移行する。第2所定時間が経過していなければ(Noであれば)第2所定時間の経過を待つ。
S204にて、制御部9はポンプ24を停止する。S205に移行し、開閉部8を開口し、製氷室3と貯氷庫7とを連通する。続いて、S206にて、制御部9は冷凍サイクル100を離氷時の冷媒の流れとなるように四方弁102を切り替える。
続いて、S207移行し、第3所定時間(本実施例では約3分であるが、これに限らない)が経過したかを確認する。第3所定時間とは、離氷に要する時間のことであり、離氷時の冷媒の流れとなるように四方弁102を切り替えたときからカウントを開始する。第3所定時間が経過すれば、S208に移行する。第3所定時間が経過していなければ、第3所定時間が経過するのを待つ。このとき、製氷板21にて熱交換が行われる際の冷媒温度は50℃近くになっており、氷28は製氷板21の製氷面である凹部21bと接触している部分が融け、製氷板21から離れる。氷28は開閉部8を通り貯氷庫7に移動し、貯氷される。
S208にて、制御部9は、開閉部8を閉口し、製氷室3と貯氷庫7とを否連通とし、S200のルーチンから抜け、図7のフローチャートのS101に戻る。
S102にて満氷であれば(Noであれば)S300に移行する。S300の動作は、図9の製氷手段2の洗浄動作を示すフローチャートを用いて説明する。S301にて満氷タイマのカウント(本実施例では0からカウントアップする)を開始し、S302に移行する。なお、満氷タイマは制御部9に設けられている。
S302にて貯氷庫7が満氷であるかを確認する。満氷でなければ(Noであれば)S309に移行する。満氷であれば(Yesであれば)S303に移行する。
S303にて満氷タイマのカウント値が、満氷タイマ≧第4所定時間となっているかを確認する。第4所定時間とは、製氷を行わずに循環経路中の抗菌水を循環させる動作を行う間隔のことである。例えば、第4所定時間が24時間であったとすると、製氷を行わずに循環経路中の抗菌水を循環させる動作は24時間毎に行われることになる。満氷タイマ≧第4所定時間でなければ(Noであれば)S302に戻る。満氷タイマ≧第4所定時間であれば(Yesであれば)S304に移行する。
S304にて水位が所定値以上であるかを確認する。水位が所定値未満であれば(Noであれば)、S312に移行する。水位が所定値以上であれば(Yesであれば)、S305に移行する。
S305にてポンプ24を駆動し、S306に移行する。S306にて第5所定時間(本実施例では約5分であるが、これに限らない)が経過したかを確認する。ここで第5所定時間とは、循環経路内の抗菌水を循環させる時間のことであり、S305でポンプ24を駆動させたときからカウントを開始する。第5所定時間の間、圧縮機101が停止した状態(製氷や離氷が行われない状態)で、循環経路中に銀イオン水を循環させて、循環経路内の抗菌・殺菌を行う。第5所定時間経過していなければ(Noであれば)S306に戻る。第5所定時間経過していれば(Yesであれば)S307に移行する。S307にてポンプ24を停止し、S308に移行する。S308にて満氷タイマをクリア(カウント値を0に戻す)し、再度満氷タイマのカウントを開始し、S302に戻る。
S304にて水位が所定値未満であれば、S312に移行する。S312にて給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22への給水を開始する。この給水は図示しない給水用ポンプにより行われる。なお、このとき給水される水量は、1回の製氷に最低限必要な水量があれば十分である。次にS313に移行する。
S313にて水位が所定値以上であるかを確認する。水位が所定値未満であれば(Noであれば)、S317に移行する。水位が所定値以上であれば(Yesであれば)、S314に移行する。S314にて給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22への給水を停止し、S315へ移行する。S315にてポンプ24を駆動し、S316に移行する。
S316にて銀電極62a、62bに電圧を印加して一定時間の間、一定電流を流す。例えば、この一定時間は約0.6秒、一定電流は約29mAである。次にS306に移行し、前述したS306、S307、S308の動作を行った後、S301に戻る。
S313にて水位が所定値未満であれば、S317に移行する。S317にて第6所定時間(本実施例では約5分であるが、これに限らない)が経過したかを確認する。ここで第6所定時間とは、給水タンク4から貯水タンク22への給水を継続する時間のことであり、S312で給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22への給水を開始したときからカウントを開始する。第6所定時間が経過しても水位が所定値以上にならないということは、給水タンク4内に水がない、あるいは給水タンク4から貯水タンク22への給水が何らかの原因(例えば、給水用ポンプの故障や給水パイプ5の目詰まりなど)のために上手くいかないことが考えられる。第6所定時間経過していなければ(Noであれば)S313に戻る。第6所定時間経過していれば(Yesであれば)S318に移行する。
S318にて給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22への給水を停止し、S319に移行する。S319にて満氷タイマをクリア(カウント値を0に戻す)し、S320に移行する。S320にてLED1cを点灯し、S321へ移行する。S321にて本ルーチンから抜けて、図7のS101に戻る。
S302にて満氷でなければ(Noであれば)S309に移行する。S309にて満氷タイマをクリア(カウント値を0に戻す)し、S310移行する。S310にて、排水動作を行う。排水動作とは、電磁弁30を開き、貯水タンク22内に残っている水や抗菌水を排水口22bから排出するものである。排水が完了すると電磁弁31を閉じ、S311に移行する。S311にて本ルーチンから抜けて、図7のS101に戻る。
以上のような構成により、不揮発性且つ抗菌性を有する物質により、抗菌水が接触する循環経路が殺菌され、循環経路を清潔に保つことができる。また、循環経路中に供給される水にかびや細菌が混入していたとしても、不揮発性且つ抗菌性を有する物質によりその水は抗菌水となるので、抗菌水中でのカビや細菌の増殖を抑制することができ、ぬめりの原因を根本的に排除することができる。また、給水タンク4内に金属イオン溶出ユニット6を設けていないため、給水タンク4内の清掃時に、金属イオン溶出ユニット6が邪魔にならず給水タンク4の内部の清掃がしやすい。
また、貯氷庫7が満氷である場合は、製氷手段2にて製氷が行われないため、循環経路中にて抗菌性を有する物質が存在しない部分で、カビや細菌の増殖が危惧されるが、所定時間毎に抗菌水を循環することで、循環経路中に抗菌性を有する物質を存在させることができる。
さらに、貯水タンク22に貯水されている抗菌水の水量が、ポンプ24の種類や性能などに見合った量でない場合には、ポンプ24の空回りなどにより抗菌水の循環を行えないこともありえるが、そのような場合、抗菌水の補充を行うことにより、このような事態が発生する可能性を低減することができる。
貯水タンク22に貯水されている水の水位が所定値に達しない場合など水の循環ができないときに報知手段であるLED1cを点灯することで、循環経路の殺菌・抗菌ができないことを報知でき、給水タンク4への給水をユーザーに促すことができる。あるいは、給水タンク4から貯水タンク22への給水が、なんらかの不具合(例えば、給水用ポンプの故障や給水パイプ5の目詰まりなど)により上手くいかない場合にもLED1cが点灯するので、エラー報知としても機能することができる。
さらにまた、抗菌水による循環経路の抗菌が行われた後に製氷する際に、貯水タンク22にある古い抗菌水を排水し、新しい抗菌水を貯水タンク22に補充することにより、新しい抗菌水にて製氷を行うことができる。
また、抗菌性を有する金属イオンである銀イオンは不揮発性であるので、長期にわたり水に抗菌性を付与することができ、少量で抗菌効果を得ることができる。金属電極に電圧を印加し電流を流す電気分解により水中に銀イオンを生成するので、銀イオンの溶出量や溶出時間などを電気的に制御することが可能であり、水質や水量に応じた銀イオン量、あるいは所望の銀イオン量を得やすくなる。
本実施例では、上述したような製氷板21の製氷面に水を流す流下式製氷方法により製氷を行ったが、冷却された製氷板上を流れる銀イオン水を層状に凍らせる方式であれば構わない。たとえば、ポンプなどで液体を水平に流水させる方式や、製氷板を斜めにして凍らせる方式などがある。なお、製氷板21の製氷面は、フラットや、波形など他の形状であってもよい。また、他の方式の流下式製氷方法や、噴射方式、セル方式の製氷方法などの水を流動させながら製氷する既知の手段を用いることも可能である。
また、貯水タンク22内の水量は、貯水タンク22に貯水された水の重量を重量センサなどにより求めてもよい。例えば、貯水タンク22単体の重さが100gである場合に、水を入れた状態の貯水タンク22の重量が300gであったとすれば、水量は200g(200cm3)であると求めることができる。そしてこの場合、例えば、図7のフローチャートにおいては、S104にて貯水タンク22の重量を測定し、S105にて貯水タンク22の重量が所定値(例えば、貯水タンク22の重量+αである300g)より大きい場合はS106に進み、所定値以下であればS103に戻るようにすればよい。
なお、製氷が終了したかどうかは、サーミスタなどを使用して製氷板の温度を検知し、所定温度以下になれば製氷終了と判断する一般的な方法を用いて確認しても良い。
また、満氷タイマのカウント方法は、0からカウントアップして所定値と比較する方法ではなく、カウントダウンする方法を用いても良い。
続いて、銀イオンの抗菌効果について説明する。貯水タンク22に貯留された水に銀イオンが付与された場合、その濃度を90ppb程度すると、12日経過しても一般細菌は確認されず、高い透明度を維持していた。一方、銀イオンを付与していない水道水は12日後に一般細菌数が7.7×105個/ml確認され若干黄濁していた。よって、90ppbの銀イオン水により給水タンク4に貯留した水を10日以上衛生的に保つことができる。ただし、銀イオンの濃度はこれに限らず、もっと濃度を上げても構わないが、900ppb以下にすることが好ましい。これは、濃度が高すぎると銀イオンが水中に存在する塩化物イオンと反応し、塩化銀となり沈殿が生じる可能性があるためである。
貯水タンク22の上限水量を超える銀イオン水を溢水口22aから排水管26を介して蒸発皿16に排水するようにしたことや、電磁弁30を開いて排水口22bから蒸発皿16に排水するようにしたことにより、蒸発皿16の水に銀イオンが付与されるので、蒸発皿16での雑菌やカビの発生・繁殖を防ぐことができる。
また、製氷を繰り返す内に貯水タンク22内の水には、氷が凍るときに排出される銀イオンが濃縮されていくため銀イオン水の濃度が高くなり、貯水タンク22に塩化銀が沈殿する恐れもあるが、貯水タンク22内の水を排水口22bから完全に排水できるようにしたことにより、塩化銀が貯水タンク22内に沈殿してしまう可能性を低減することができる。なお、貯水タンク22内の銀イオン水は、排水口22bから排水する方法に替えて、ポンプを使って排水するような構造としてもよい。
また、貯水された水を殺菌するために次亜塩素酸を用いた場合、次亜塩素酸を含有する水の次亜塩素酸は揮発しやすいので、揮発するにつれて抗菌効果の効力が衰えてくると考えられる。これに対し銀イオン水の銀イオンは不揮発性であり、低濃度でも持続的な抗菌効果を得ることができるので、長期間にわたり製氷が行われない場合においても、製氷用水自身や製氷用水が接触する部分を、清潔に保つことができる。また、製氷用水が接触する部分に抗菌性樹脂などを用いる必要がなくなるため、コスト削減にもつながる。
次に、第1の実施の形態の第1の変形例について説明する。図10は本発明の第1の実施の形態に係る流下式製氷手段の主要部の第1の変形例の斜視図である。説明の便宜上、前述の図1から図9に示す実施形態と同一の部分は同一の符号を付してある。本実施例においては、金属イオン溶出ユニット6を循環パイプ23のポンプ24と散水孔23aとの間に配設している。その他の部分については前述した実施の形態と同じである。
このように、金属イオン溶出ユニット6を循環パイプ23に設けることにより、貯水タンク22内の水をポンプ24にて循環させる場合、金属イオン溶出ユニット6内を確実に水が通過するようになるため、銀イオン(金属イオン)を水に確実に付与することができる。また、循環経路を流れる水中の銀イオン(金属イオン)濃度分布のばらつきを低減することができる。
なお、金属イオン溶出ユニット6を、給水タンク4と給水パイプ5とからなる給水経路中に設ける構造としてもよい。このようにすることで、循環経路中に加えて、給水経路中の一部または全体をも殺菌・抗菌することができる。例えば、給水タンク4内に金属イオン溶出ユニット6が設けられた場合、給水タンク4内の水に銀イオン(金属イオン)を付与することになるので、給水タンク4と給水パイプ5と循環経路中を殺菌・抗菌することができる。また、給水パイプ5に金属イオン溶出ユニット6が設けられた場合には、給水パイプ5と循環経路中を殺菌・抗菌することができる。この場合、給水タンク4内に金属イオン溶出ユニット6が設けられていないため、給水タンク4内の清掃時に、金属イオン溶出ユニット6が邪魔にならないので、ユーザーは給水タンク4の内部の清掃を容易に行うことができる。
次に、第1の実施の形態の第2の変形例について説明する。図11は本発明の第1の実施の形態に係る流下式製氷手段の主要部の第2の変形例の斜視図、図12は金属イオン溶出ユニット6aの概略断面図である。図12(A)は金属イオン溶出ユニット6aの垂直断面図であり、図12(B)は金属イオン溶出ユニット6aの水平断面図である。説明の便宜上、前述の図1から図10に示す実施形態と同一の部分は同一の符号を付してある。
図12(A)、図12(B)に示すように、大きさ20mm×50mm、厚さ1mm程度の金属電極である銀電極62a、62bが約5mmの距離を隔てて、ゴムなどの水密性のある材質から成るユニット基板65に配設されている。また、銀電極62a、62bにはそれぞれ接続端子63a、63bが形成されており、接続端子63a、63bの部分がユニット基板65を貫通するように配設されている。ユニット基板65を貫通する接続端子63a、63bは例えば、配線(図示せず)により制御部9に接続されている。
一方、図11に示す流下式製氷手段の貯水タンク22の壁面には金属イオン溶出ユニット6aを貯水タンク22の外側から挿着するためのユニット差込口22cが設けられている。このユニット基板6aは、貯水タンク22の外側から内部に向けてユニット差込口22cに装着する。なお、ユニット差込口22cは、ユニット基板65を挿入した際に、水密になるように形成されている。このようにすることで、金属イオン溶出ユニット6aを取り替える場合に、貯水タンク22内から金属イオン溶出ユニット6aを取り出す必要がなく、貯水タンク22の外側から取り替えることができる。なお、金属イオン溶出ユニット6aをユニット差込口22cに取り付ける方法としては、他に例えば次のようなものがある。ユニット基板65を樹脂で構成し、ユニット差込口22cと接触する部分にねじ山を切り、ねじで固定する。あるいは、スナップフィットを用いて固定する。このようにして取り付ける場合、水密性を保つため、オーリング(Oリング)などを用いることが好ましい。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図13は第2の実施の形態に係る製氷装置を垂直面で切断したときの概略垂直断面図である。説明の便宜上、前述の図1から図12に示す第1の実施形態と同一の部分は同一の符号を付してある。貯水タンク22に供給された水に抗菌性を有する物質である金属イオンを付与する別の手段として、貯水タンク22内に水に浸漬すると金属イオンを溶出する物質である金属イオン含有物質13を使用している。その他の部分は第1の実施の形態と同様である。
金属イオン含有物質13の具体例としては、金属イオンを担持しているゼオライト、シリカゲル、ガラス、りん酸カルシウム、りん酸ジルコニウム、ケイ酸塩、酸化チタン、ウィスカー、セラミックスなど、またはこれらの物質を含む樹脂や繊維などである。これらの金属イオン含有物質13は、水に浸漬することにより金属イオンが水へと徐放または溶解できる構造を持つ物質である。
また、このような構造であれば、前述した第1の実施の形態のように金属イオンを溶出するための電気的制御が必要ではなくなるため、故障の可能性が低減するとともに、部品点数が減るのでコスト削減が図れる。また、金属イオンの溶出が金属電極の電気分解の手法によらないため、電極部分へのスケール付着による金属イオン溶出障害を危惧しなくてもよい。また、金属イオン溶出物質13は貯水タンク22内に浸漬するだけなので、金属イオンの溶出量が減少、またはなくなってしまった場合に、金属イオン含有物質13を交換するか、または再投入するだけ済むので、使い勝手が良い。なお、金属イオン含有物質13が含有する金属イオンとしては、抗菌性を有する金属イオンであれば良く、具体的には、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンなどが選択可能である。
金属イオン含有物質13を用いる場合、貯水タンク22への給水を停止した後、一定時間経過(例えば30分)してから次のステップに移行するようにするのが好ましい。この一定時間(溶出待機時間)は、殺菌または抗菌するのに充分な濃度の銀イオンが、金属イオン溶出物質13から溶出されるのに必要な時間のことである。例えば、図9のS316にて「銀電極に一定時間一定電流を流す」ことに替えて、溶出待機時間が経過するのを待ってからS306へ移行する。また、このときのS306での第5所定時間は、S316からS306へ移行した時から、カウントを開始すればよい。また、例えば、図7においては、S106からS108に替えて、溶出待機時間が経過するのを待ち、その後、S200へ移行するようにすればよい。
また、第1の実施の形態と、第2の実施の形態では、給水タンク4と貯水タンク22とを別体として設けているが、一体化して、貯水タンク22が給水タンク4を兼用するようにしても良い。このようにすれば、給水タンク4から貯水タンク22への給水を行うための給水経路や給水用ポンプ及び給水用ポンプを駆動するための電気部品などが必要なくなるので、故障が発生する可能性を低減でき、コストの削減にもつながる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図14は、本発明の第3の実施の形態に係る製氷装置の動作を示すフローチャートである。説明の便宜上、前述の第1から第2の実施形態と同一の部分は同一の符号を付してある。また、図4と図5に示す製氷手段2と、図3に示す金属イオン溶出ユニット6を用いて説明する。S400から製氷装置の動作が開始される。S401にて給水タンク4が製氷装置1にセットされているかどうかを確認する。セットされていなければ(Noであれば)、S401に戻る。セットされていれば(Yesであれば)、S402へ移行する。
S402にて貯氷庫7が満氷になっていないかを確認する。非満氷であれば(Yesであれば)S403に移行する。満氷であれば(Noであれば)後述するS500に移行する。
S403にて給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22に給水を開始する。この給水は図示しない給水用ポンプにより行われる。なお、このとき給水される水量は、1回の製氷に最低限必要な水量とする。次にS404に移行する。S404にて、水位センサ15が出力する水位を示す信号(例えば、0〜5Vの電圧)を制御部9が読み取り、貯水タンク22に給水されている水の水位を判断する。次に、S405に移行し、水位が所定値より大きいかを確認する。水位が所定値未満であれば、S403に戻り、給水を続ける。水位が所定値以上であれば(Yesであれば)、給水を停止してS200に移行する。
そして、S200にて、制御部9は製氷手段2を動作させて、銀イオン水を製氷する。なお、S200の動作は前述した内容と同じであるためここでは説明を省略する。S200のルーチンから抜けるとS401に戻る。
S402にて満氷であれば(Noであれば)S500に移行する。S500から動作は、図15の第3の実施の形態に係る製氷手段の洗浄動作を示すフローチャートを用いて説明する。S501にて満氷タイマのカウント(本実施例では0からカウントアップする)を開始し、S502に移行する。
S502にて貯氷庫7が満氷であるかを確認する。満氷でなければ(Noであれば)S510に移行する。満氷であれば(Yesであれば)S503に移行する。
S503にて満氷タイマのカウント値が、満氷タイマ≧第4所定時間となっているかを確認する。第4所定時間とは、製氷を行わずに循環経路中の抗菌水を循環させる動作を行う間隔のことである。満氷タイマ≧第4所定時間でなければ(Noであれば)S502に戻る。満氷タイマ≧第4所定時間であれば(Yesであれば)S504に移行する。
S504にて水位が所定値以上であるかを確認する。水位が所定値未満であれば(Noであれば)、S513に移行する。水位が所定値以上であれば(Yesであれば)、S505に移行する。
S505にてポンプ24を駆動し、S506に移行する。S506にて銀電極62a、62bに電圧を印加して一定時間の間、一定電流を流す。例えば、この一定時間は約0.6秒、一定電流は約29mAである。S506での動作を終了すると、S507に移行する。
S507にて第5所定時間(本実施例では約5分であるが、これに限らない)が経過したかを確認する。ここで第5所定時間とは、循環経路内の抗菌水を循環させる時間のことであり、S505でポンプ24を駆動させたときからカウントを開始する。第5所定時間の間、圧縮機101が停止した状態(製氷や離氷が行われない状態)で、循環経路中に銀イオン水を循環させて、循環経路内の抗菌・殺菌を行う。第5所定時間経過していなければ(Noであれば)S507に戻る。第5所定時間経過していれば(Yesであれば)S508に移行する。S508にてポンプ24を停止し、S509に移行する。S509にて満氷タイマをクリア(カウント値を0に戻す)し、再度満氷タイマのカウントを開始し、S502に戻る。
S504にて水位が所定値以下であれば、S513に移行する。S513にて給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22への給水を開始する。この給水は図示しない給水用ポンプにより行われる。なお、このとき給水される水量は、1回の製氷に最低限必要な水量があれば十分である。次にS514に移行する。
S514にて水位が所定値以上であるかを確認する。水位が所定値未満であれば(Noであれば)、S516に移行する。水位が所定値以上であれば(Yesであれば)、S515に移行する。S515にて給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22への給水を停止し、S505へ移行する。この後、前述したS505からS509の動作を行った後、S502に戻る。
S514にて水位が所定値未満であれば、S516に移行する。S516にて第6所定時間(本実施例では約5分であるが、これに限らない)が経過したかを確認する。ここで第6所定時間とは、給水タンク4から貯水タンク22への給水を継続する時間のことであり、S513で給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22への給水を開始したときからカウントを開始する。第6所定時間経過していなければ(Noであれば)S514に戻る。第6所定時間経過していれば(Yesであれば)S517に移行する。
S517にて給水タンク4から製氷手段2の貯水タンク22への給水を停止し、S518に移行する。S518にて満氷タイマをクリア(カウント値を0に戻す)し、S519に移行する。S519にてLED1cを点灯し、S520へ移行する。S520にて本ルーチンから抜けて、図14のS401に戻る。
S502にて満氷でなければ(Noであれば)S510に移行する。S510にて満氷タイマをクリア(カウント値を0に戻す)し、S511移行する。S511にて、排水動作を行う。排水動作とは、電磁弁30を開き、貯水タンク22内に残っている水や抗菌水を排水口22bから排出するものである。排水が完了すると電磁弁31を閉じ、S512に移行する。S512にて本ルーチンから抜けて、図14のS101に戻る。
以上のような構成により、製氷時には、給水タンク4から循環経路に給水される製氷用水に銀イオンを付与せずに製氷を行い、貯氷庫7が満氷時に行われる製氷手段2の洗浄動作にときに、循環経路中の製氷用水に銀イオンを付与して銀イオン水を生成し、銀イオン水を用いて製氷手段2の循環経路の洗浄を行うことができる。したがって、製氷された氷は不揮発性且つ抗菌性を有する物質(銀イオンなどの金属イオン)が含まれていない従来通りの氷を得ることができる。一方で満氷時に行われる製氷手段2の洗浄動作により、製氷手段2の循環経路は、不揮発性且つ抗菌性を有する物質を含む抗菌水が接触するので殺菌・抗菌され、循環経路を清潔に保つことができる。また、循環経路中に供給される水にかびや細菌が混入していたとしても、不揮発性且つ抗菌性を有する物質によりその水は抗菌水となるので、抗菌水中でのカビや細菌の増殖を抑制することができ、ぬめりの原因を根本的に排除することができる。
また、貯氷庫7が満氷である場合は、製氷手段2にて製氷が行われないため、循環経路中にて抗菌性を有する物質が存在しない部分で、カビや細菌の増殖が危惧されるが、所定時間毎に抗菌水を循環することで、循環経路中に抗菌性を有する物質を存在させることができる。
さらに、貯水タンク22に貯水されている水の水量が、ポンプ24の種類や性能などに見合った量でない場合には、ポンプ24の空回りなどにより抗菌水の循環ができないこともありえるが、そのような場合、水の補充を行ってから抗菌水を生成することにより、このような事態が発生する可能性を低減することができる。
貯水タンク22に貯水されている水の水位が所定値に達しない場合など水の循環ができないときに報知手段であるLED1cを点灯することで、循環経路の殺菌・抗菌ができないことを報知でき、給水タンク4への給水をユーザーに促すことができる。あるいは、給水タンク4から貯水タンク22への給水が、なんらかの不具合(例えば、給水用ポンプの故障や給水パイプ5の目詰まりなど)により上手くいかない場合にもLED1cが点灯するので、エラー報知としても機能することができる。
さらにまた、抗菌水による循環経路の抗菌が行われた後に製氷する際に、貯水タンク22にある抗菌水を排水したのち、不揮発性且つ抗菌性を有する物質(銀イオンなど)を含まない水を貯水タンク22に供給し、その水で製氷を行うことができる。
また、抗菌性を有する金属イオンである銀イオンは不揮発性であるので、長期にわたり水に抗菌性を付与することができ、少量で抗菌効果を得ることができる。金属電極に電圧を印加し電流を流す電気分解により水中に銀イオンを生成するので、銀イオンの溶出量や溶出時間などを電気的に制御することが可能であり、水質や水量に応じた銀イオン量、あるいは所望の銀イオン量を得やすくなる。
なお、抗菌水生成手段として、図3や図12に示すような電気分解による金属イオン溶出ユニット6に替えて、金属イオン含有物質13を用いても良い。この場合、貯水タンク22への給水を停止した後、一定時間経過(例えば30分)してから次のステップに移行するようにするのが好ましい。この一定時間(溶出待機時間)は、殺菌または抗菌するのに充分な濃度の銀イオンが、金属イオン溶出物質13から溶出されるのに必要な時間のことである。例えば、図15のS506にて「銀電極に一定時間一定電流を流す」ことに替えて、溶出待機時間が経過するのを待ってからS507へ移行する。また、このときのS507での第5所定時間は、S506からS507へ移行した時から、カウントを開始すればよい。
また、金属イオン溶出ユニット6は、給水経路中の給水パイプ5に設ける構造であってもよい。このような構成であっても、製氷時には、給水タンク4から循環経路に給水される製氷用水に銀イオンを付与せずに製氷を行い、貯氷庫7が満氷時に行われる製氷手段2の洗浄動作にときに、循環経路中の製氷用水に銀イオンを付与して銀イオン水を生成し、銀イオン水を用いて製氷手段2の循環経路の洗浄を行うことができる。
また、本発明の製氷装置を単体として使用するのではなく、家庭用や業務用の冷蔵庫に組み込んでも良い。このような構成にすれば、冷蔵庫のみで衛生的な氷を得ることができる。特に家庭用の冷蔵庫であれば、家庭でも衛生的な氷を得ることができ、ユーザーの健康志向を満たすことができる。
図16は本発明の製氷装置を搭載した家庭用冷蔵庫の斜視図、図17は本発明の製氷装置を搭載した家庭用冷蔵庫の概略垂直断面図である。なお、図17は、正確には後述する製氷室125を通る面で切断した家庭用冷蔵庫の概略垂直断面図である。図16、図17を用いて本発明の第4の実施の形態について説明する。図16、図17に示すように、家庭用冷蔵庫120は、冷蔵室扉121、冷凍室扉122、製氷室扉123、蒸発皿124を備えており、冷蔵室扉121を開閉することで、冷蔵室126に野菜などを収納したり、取り出したりでき、冷凍室扉122を開閉することで、冷凍室(図示せず)に冷凍食品などを収納したり、取り出したりできる。また、製氷室扉123を開閉することで、給水タンク4を出し入れしたり、貯氷庫7から氷を取り出すことができる。なお、製氷は製氷室125にて行われ、製氷された氷は、氷点下以下の温度に保たれた貯氷庫7にて貯えられる。また、蒸発皿124は、蒸発器(図示せず)に付着した霜を取る(除霜する)際に発生する水分を受ける器である。
なお、貯氷庫7は、本実施例では冷凍室(図示せず)とは別に設けられているが、冷凍室内に貯氷庫7を設ける構造としてもよい。
また、貯水タンク22の水や抗菌性を有する物質を含む水(例えば、銀イオン水などの金属イオン水)を、貯水タンク22の溢水口22aや排水口22bから蒸発皿124に排水できるようになっている。このようにすれば、蒸発皿124に溜まった水には雑菌やカビが発生する可能性があるが、抗菌性を有する物質(例えば銀イオン)を含む水を排水することにより雑菌やカビの発生を防ぐことができ、清潔に保つことができる。
なお、貯水タンク22内の水や抗菌性を有する物質を含む水は、排水口22bから排水する方法に替えて、ポンプを使って排水するような構造としてもよい。
また、以上の実施例では、貯水タンク22内などの循環経路内に設けられている金属イオン溶出ユニット6や金属イオン含有物質13により、循環経路内の水に銀イオン(金属イオン)を溶出して、銀イオン水を生成しているが、循環経路内に、金属イオン溶出ユニット6を設けず、製氷装置1以外の場所や装置で生成された不揮発性且つ抗菌性を有する物質が付与された抗菌水(例えば、銀イオン水や、他の金属イオン水)を給水タンク4に給水し、製氷装置1に給水タンク4をセットし、製氷を行うようにしてもよい。このようにすることで、給水タンク4も抗菌水と接触することになり、給水タンク4内部の表面におけるかびや細菌の繁殖及びぬめりの発生を抑えることができる。なお、金属イオン水である場合、この金属イオンは、金属電極に電圧を印加し電流を流すことで金属電極を電気分解して生成しても良いし、抗菌性を有する金属イオンを含有している金属イオン含有物質から、金属イオンを徐放または溶解させることで生成しても良い。
以上の実施の形態は一例に過ぎず、製氷装置の具体的な構成、製氷装置の動作、製氷手段の製氷動作、製氷手段の洗浄方法、金属イオン溶出ユニットと金属イオン含有物質の具体的な形状や構成、取り付け位置などについても、すべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
本発明の第1の実施の形態に係る製氷装置の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る製氷装置を垂直面で切断したときの概略垂直断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る金属イオン溶出ユニットの概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る流下式製氷手段の主要部の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る流下式製氷手段の主要部の概略正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る冷凍サイクル図である。 本発明の第1の実施の形態に係る製氷装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る製氷手段の製氷動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る製氷手段の洗浄動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る流下式製氷手段の主要部の第1の変形例の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る流下式製氷手段の主要部の第2の変形例の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係る金属イオン溶出ユニットの概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る製氷装置を垂直面で切断したときの概略垂直断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る製氷装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る製氷手段の洗浄動作を示すフローチャートである。 本発明の製氷装置を搭載した家庭用冷蔵庫の斜視図である。 本発明の製氷装置を搭載した家庭用冷蔵庫の概略垂直断面図である。
符号の説明
1 製氷装置
1a 扉
1b 取り出し口
1c LED
2 製氷手段
3 製氷室
4 給水タンク
5 給水パイプ
6 金属イオン溶出ユニット
7 貯氷庫
8 開閉部
9 制御部
10a 仕切り壁
10b 仕切り壁
13 金属イオン含有物質
15 水位センサ
16 蒸発皿
21 製氷板
21a 凸部
21b 凹部
21c 仕切り板
22 貯水タンク
22a 溢水口
22b 排水口
22c ユニット差込口
23 循環パイプ
23a 散水孔
24 ポンプ
25 配管
26 排水管
28 氷
30 電磁弁
41a 電極側接続端子
41b 電極側接続端子
45 給水タンク収納ケース
61 ケース
62a 銀電極
62b 銀電極
63a 接続端子
63b 接続端子
64a 開口部
64b 開口部
65 ユニット基板
91a 制御側接続端子
91b 制御側接続端子
100 冷凍サイクル
101 圧縮機
102 四方弁
103 熱交換器
104 膨張弁
120 家庭用冷蔵庫
121 冷蔵室扉
122 冷凍室扉
123 製氷室扉
124 蒸発皿
125 製氷室
126 冷蔵室

Claims (13)

  1. 少なくとも不揮発性且つ抗菌性を有する物質を水に付与して抗菌水を生成する抗菌水生成手段と、前記抗菌水の供給を受けて、前記抗菌水を製氷面上に流し、層状に凍らせる製氷手段と、を備える製氷装置であって、
    前記製氷手段は、前記製氷面上を流れる前記抗菌水を循環させる循環経路を有し、
    前記抗菌水生成手段は、前記循環経路中に設けられていることを特徴とする製氷装置。
  2. 製氷された氷を貯氷する貯氷庫をさらに備え、前記貯氷庫が満氷である場合には製氷を行わず、前記循環経路中に残留している前記抗菌水を所定時間毎に循環させることを特徴とする請求項1に記載の製氷装置。
  3. 前記循環経路中に残留している抗菌水の水量が所定水量以下である場合には、前記抗菌水を補充することを特徴とする請求項2に記載の製氷装置。
  4. 前記抗菌水の補充ができない場合には、補充ができないことを報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の製氷装置。
  5. 前記貯氷庫が満氷状態から非満氷状態となった場合には、前記循環経路中に残留している抗菌水を排水後、前記循環経路に前記抗菌水を補充し、製氷を行うことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の製氷装置。
  6. 前記製氷手段に前記水を供給する給水経路を備え、前記抗菌水生成手段は、前記循環経路に替えて、前記給水経路中に設けられていることを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項に記載の製氷装置。
  7. 少なくとも不揮発性且つ抗菌性を有する物質を水に付与して抗菌水を生成する抗菌水生成手段と、水の供給を受けて、前記水を製氷面上に流し、層状に凍らせる製氷手段と、製氷された氷を貯氷する貯氷庫と、を備える製氷装置であって、
    前記製氷手段は、前記製氷面上を流れる前記水を循環させる循環経路を有し、
    前記貯氷庫が非満氷である場合には、前記水により製氷を行い、
    前記貯氷庫が満氷である場合には製氷を行わず、前記抗菌水生成手段により生成される抗菌水を所定時間毎に循環させることを特徴とする製氷装置。
  8. 前記貯氷庫が満氷状態から非満氷状態となった場合には、前記循環経路中に残留している抗菌水を排水後、前記循環経路に前記水を補充し、製氷を行うことを特徴とする請求項7に記載の製氷装置。
  9. 前記不揮発性且つ抗菌性を有する物質は、抗菌性を有する金属イオンであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の製氷装置。
  10. 前記金属イオンは、金属電極に電圧を印加し電流を流す電気分解により水中に生成されることを特徴とする請求項9に記載の製氷装置。
  11. 前記金属電極へ通電する電気量を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の製氷装置。
  12. 前記金属イオンは、抗菌性を有する金属イオンを含有している金属イオン含有物質から、水中に徐放または溶解されることを特徴とする請求項9に記載の製氷装置。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の製氷装置を備えた冷蔵庫。
JP2005171770A 2005-06-13 2005-06-13 製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫 Pending JP2006349193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005171770A JP2006349193A (ja) 2005-06-13 2005-06-13 製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005171770A JP2006349193A (ja) 2005-06-13 2005-06-13 製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006349193A true JP2006349193A (ja) 2006-12-28

Family

ID=37645231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005171770A Pending JP2006349193A (ja) 2005-06-13 2005-06-13 製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006349193A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4619213B2 (ja) 除菌装置及び空気調和装置
JP4703246B2 (ja) 冷凍装置
KR101430678B1 (ko) 물정화방법과 그 장치
WO1996006237A1 (en) Toilet stool cleaning method and apparatus therefor
JP4789986B2 (ja) 空気調和装置
JP4884000B2 (ja) 空気除菌装置
JP2006255543A (ja) 循環水の浄化方法とその装置
KR101326357B1 (ko) 공기 조화 장치
JP4624130B2 (ja) 空気調和装置
JP2014016128A (ja) 空気加湿装置
CN100545526C (zh) 空调装置以及空调装置的控制方法
JP2006250448A (ja) 製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫、並びに製氷方法
JP2008020134A (ja) 空気調和装置
JP2006349193A (ja) 製氷装置及びそれを備えた冷蔵庫
KR101397606B1 (ko) 물정화 방법과 그 장치
JP2008232552A (ja) 空気調和装置の室外ユニット
JP3794640B2 (ja) 循環冷却水の電解浄化装置
JP2007014888A (ja) 消毒装置
JP2006145193A (ja) 冷蔵庫
JP2006118848A (ja) 冷蔵庫
JPH1119648A (ja) 殺菌装置
JPH1177055A (ja) 風呂水殺菌装置
JP2008145025A (ja) 空気調和機及びその運転方法
JP6017206B2 (ja) 加湿器組込外気処理機
JP2001293476A (ja) 水処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20071024