JP3794640B2 - 循環冷却水の電解浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はオフィスや工場等の設備用冷却水や冷房に使用されている空気調和機の凝縮器とクーリングタワーとの間を循環している冷却用の水の中のスケール成分を電気的に除去する循環冷却水の電解浄化装置、該電解浄化装置用負極板及び該電解浄化装置用負極板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の空調システムの説明図である。同図に示すように、空気調和機64は冷媒ガスを圧縮する圧縮器(図示せず)と、圧縮された冷媒ガスを冷却水により冷媒液に冷却する凝縮器66と、冷媒液が膨張弁を介して減圧されて流入する蒸発器(図示せず)とを有している。
【0003】
凝縮器66内を流れる冷媒を冷却するために凝縮器66は冷却槽68内に設けられている。冷却槽68に冷却水を循環供給するためのクーリングタワー70は、筒形の塔本体72とこの下部に設けられる受水槽74とを有しており、受水槽74と冷却槽68は供給配管76により接続され、受水槽74内の循環冷却水は冷却槽68に送られるようになっている。
【0004】
塔本体72内には循環冷却水と冷却風とが流れる多数の通路を有する充填体78が組み込まれている。この充填体78に循環冷却水を噴霧するために、塔本体72にはスプレーノズル80が取り付けられており、このスプレーノズル80は冷却槽68に戻し配管82により接続され、冷却槽68内の循環冷却水は供給配管76に設けられた循環ポンプ84によりスプレーノズル80に供給されるようになっている。
【0005】
スプレーノズル80から充填体78に噴霧された循環冷却水は充填体78に形成された多数の通路を流れて受水槽74に落下する。このように、クーリングタワー70と冷却槽68とこれらを接続する供給配管76と戻し配管82により水が循環する循環冷却水路が形成されることになり、循環ポンプ84の駆動により循環冷却水路内を水が流れることになる。
【0006】
塔本体72内には送風機86が設けられ、この送風機86によって塔本体72内には、その下部から流入した後に充填体78内の通路を循環冷却水に対して逆流する空気流れが形成される。これにより、循環冷却水は空気と直接接触して熱交換されるとともに、循環冷却水の蒸発潜熱によって冷却される。循環冷却水の蒸発によって減少した循環冷却水を補充するために、塔本体72にはフロート88により開閉される補充配管90を介して冷却水が補充される。
【0007】
ところで、クーリングタワー70は上記のように水の蒸発潜熱を利用して冷却用の循環冷却水を冷却しているために、循環冷却水はクーリングタワー70で常時蒸発している。そして、クーリングタワー70の循環冷却水として使用される水道水や地下水にはカルシウムイオン、マグネシウムイオンおよび溶存シリカなどの金属イオンが含まれている。しかも、蒸発により減少した循環冷却水には水道水や地下水が絶えず補充されている。
【0008】
このため、循環冷却水に含まれている金属イオンの濃度は次第に高くなる。具体的には、当初供給された水道水の電気伝導度100〜200μS/cmが、数日から1週間で1000μS/cm以上に上昇する。そして、この金属イオンは凝集してスケールとなり、凝縮器66の熱交換面に付着して熱交換効率を低下させたり、循環冷却水を循環させている配管の内面に付着して冷却水の流通抵抗を高めるという問題を生じていた。
【0009】
この場合、定期的に循環冷却水を交換して金属イオンの濃度を低下させればスケールの発生を防止することができるが、そのようにすると水道水や地下水の値段が高いところでは循環冷却水の費用が嵩み、空気調和機の維持管理のコストが高くなるという不都合があった。
【0010】
このため、水道水や地下水を安価に入手できない事業所では、循環冷却水に薬剤を添加し、循環冷却水の電気伝導度を制御し、凝縮器の熱交換面や配管の内面へのスケールの付着を防止する方法を採っているが、薬剤は定期的に循環冷却水に添加しなければならないので、この方法を採る場合もかなりの費用がかかっていた。
【0011】
そこで、これらの問題を解消するために、循環冷却水を電気分解して循環冷却水中の金属イオンを電気的に除去するようにした電解浄化装置が、特開2001−259690、特開平4−18982、特開昭61−181591、特開昭58−35400、特開2001−137891、特開平9−103797、特開2001−137858、特開平9−38668、特開平11−114335等において種々提案されている。
【0012】
そして、そのような電解浄化装置として、例えば、電解浄化槽内に電極板を対向させた電極板ユニットを入れ、この電解浄化槽内に上記循環冷却水を導き、各電極板に正負の電圧を印加し、循環冷却水中に含まれている金属イオンを負極板側の電極板にスケールとして析出させ、循環冷却水から金属イオンを除去させるタイプの電解浄化装置が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このタイプの電解浄化装置は、長期間運転していると負極板側の電極表面に析出したスケールが次第に厚く堆積し、電流が流れなくなり、循環冷却水を浄化する機能が低下してしまうので、スケールが一定レベル以上堆積した場合、サービスマンが負極板側の電極板を電解浄化装置から取り外し、この電極板からスケールを物理的に除去しなければならず、電解浄化装置の維持管理が面倒で、コストがかかるという問題があった。
【0014】
この問題に対しては、正極板側の電極板と負極板側の電極板の極性を自動で定期的に逆転させて負極板側の電極板の表面に付着しているスケールを剥落させるようにした電解浄化装置も提案されているが、この電解浄化装置であっても、現実には、電極板の表面に強固に固着したスケールは剥落せず、スケールの一部が残り、残ったスケールが次第に堆積し、いずれは電流が流れなくなって、循環冷却水の浄化ができなくなってしまうので、結局はサービスマンが負極板側の電極板の表面に固着したスケールを剥離除去しなければならず、依然として電解浄化装置の維持管理が面倒で、コストがかかっていた。
【0015】
また、このタイプの電解浄化装置は、電極板としてPt等の高価な貴金属材料を使用したり、すぐに消耗する材料を使用しているので、装置が高価になったり、維持費がかなり掛かるという問題もあった。
【0016】
この発明は、電解浄化槽から電極板を取り外して電解浄化槽内のスケールの清掃除去をするというような面倒な清掃作業のない、できるだけ維持管理にコストのかからない、安価な循環冷却水の電解浄化装置、該電解浄化装置用負極板及び該電解浄化装置用負極板の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、浄化処理すべき循環水を受け入れて排出する電解浄化槽と、該電解浄化槽内に設置されている1又は2以上の正極板と、該電解浄化槽内に該正極板と所定間隔をおいて設置されている1又は2以上の負極板と、該正極板及び該負極板に電流を供給する直流電源装置とを備え、該正極板は該直流電源装置の正極側出力端子と接続され、該負極板は該直流電源装置の負極側出力端子と接続され、該正極板及び該負極板はいずれもチタン板からなることを特徴とするものである。
【0018】
ここで、前記正極板は表面が酸化していない金属状態のチタン板でもよいが、できれば酸化チタンの不働態皮膜で予め被覆されているチタン板が好ましい。表面が酸化していない金属状態のチタン板を正極板に使用した場合は、循環冷却水を電気的に浄化している段階で陽極酸化されて酸化チタンの不働態被膜で被覆されることになる。
【0019】
また、前記負極板は表面に不働態化し難い導電性の高い微小な通電領域が多数存在しているチタン板が好ましい。すなわち、この発明に係る電解浄化装置用負極板は、不働態化し難い導電性の高い微小な通電領域が表面に多数存在しているチタン板からなるものである。この通電領域としては、例えばCu、Ni、Ag、Zn、Cr、Sn及びMoから選択された1種又は2種以上の金属元素を含むTi合金を挙げることができるが、不働態化し難ければ、これら以外のTi合金でもよい。
【0020】
また、上記電解浄化装置用負極板は、金属イオンを含む水中にチタン板を対向電極とともに浸漬し、該対向電極に正電圧を、該チタン板に負電圧を印加することにより製造することができる。前記金属イオンとしては、例えばCu、Ni、Ag、Zn、Cr、Sn及びMoから選択された1種又は2種以上の金属イオンを使用することができる。
【0021】
上記のような電解浄化装置用負極板は、前記電解浄化装置とは別に、金属イオンを含む水中にチタン板を対向電極とともに浸漬し、該対向電極に正電圧を、該チタン板に負電圧を印加する装置を構成し、この装置を使って形成してもよいし、電解浄化装置の循環系のどこかに金属イオン溶出器を設置し、電解浄化しながら形成させるようにしてもよい。
【0022】
また、前記正極板と前記負極板の間を流れる電流は負極板の面積当たりで0.01A/m〜1.0A/m、前記直流電源装置の出力電圧Vでは、0.01R〜1.0R{Rは前記正極板と前記負極板の間の電気抵抗(Ω)}が好ましい。
【0023】
前記負極板を流れる電流が0.01A/m未満の場合、すなわち前記直流電源装置の出力電圧Vが0.01R未満の場合はスケールの析出速度が遅すぎ、前記負極板を流れる電流が1.0A/mを超えた場合、すなわち出力電圧Vが1.0Rを超えた場合、スケールが負極板に固着するようになるが、負極板の電流密度0.01A/m〜1.0A/m、すなわち直流電源装置の出力電圧Vが0.01R〜1.0Rの範囲ではこのような不都合がなく、スケール成分が効率よく析出沈殿するからである。
【0024】
なお、電解浄化槽の底部に自動または手動の排出バルブを設け、電解浄化槽の底部に溜まったスケールを電解浄化槽中の水とともに下方に排出させるようにしてもよい。また、電解浄化槽から排出された水を濾過して含まれるスケールを除去するような濾過装置を電解浄化槽の下方に設けてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施の形態に係るクーリングタワー循環冷却水の電解浄化装置の説明図、図2は図1の電解浄化装置に使用されている電極板ユニットの説明図である。
【0026】
これらの図において、10は電解浄化装置であり、電解浄化装置10は電解浄化槽12と、電解浄化槽12の中に収容された電極板ユニット14と、電極板ユニット14に直流電流を供給する直流電源装置16とを備えている。
【0027】
電解浄化槽12は箱状の容器からなり、電解浄化槽12の底部18で電解浄化槽12の側部に近い位置には後述するクーリングタワー70の受水槽74から給水ポンプ20を介して抜いた循環冷却水を受け入れる給水口22が設けられている。電解浄化槽12及び給水ポンプ20の大きさ(容量)はクーリングタワー70の大きさ(容量)に応じて作られている。
【0028】
電極板ユニット14は複数枚の正極板24と複数枚の負極板26とからなり、正極板24と負極板26は所定間隔をおいて交互に平行に配置されている。電極板ユニット14の大きさは対象となるクーリングタワーの大きさ(容量)に応じて作られ、例えば、40冷凍トンのクーリングタワーを対象とする場合、幅500mm×高さ600mm×厚さ1mmのチタン板からなる正極板24と負極板26を各5枚ずつ、18mmピッチで対向させたものを使用した。
【0029】
正極板24は直流電源装置16の正極側の出力端子に接続され、負極板26は直流電源装置16の負極側の出力端子に接続されている。正極板24と負極板26の間に印加できる電圧の範囲は0.1V〜100V程度であるが、5〜30Vが好ましい。また、正極板24と負極板26の間に流すことのできる電流の範囲は10mA/m〜1000mA/m程度である。
【0030】
正極板24は予め陽極酸化処理して表面に不働態化被膜を形成させておいてもよいし、電解浄化槽12の中で陽極酸化させて表面に不働態化被膜を形成させてもよい。正極板24の表面を予め陽極酸化処理して表面に不働態化被膜を形成させておいた場合は、容量の小さな直流電源装置16を使用することができるので、この電解浄化装置の製造コストを低減できる。
【0031】
負極板26は金属イオン(Cu、Ni、Ag、Zn、Cr、Sn及びMoから選択された1種又は2種以上の金属イオン)を含む水中に対向電極とともに浸漬し、該対向電極に正電圧を印加し、負極板26に負電圧を印加し、負極板26の表面に不働態化し難い導電性の高い微小な通電領域を多数形成させてもよいし、後述する金属イオン溶出器62により循環水中に金属イオンを溶出させておいて、電解浄化中に負極板26の表面に不働態化し難い導電性の高い微小な通電領域を多数形成させてもよい。
【0032】
電解浄化槽12の側部28と電極板ユニット14との間で、給水口22の反対側になる場所には2枚の平行なオーバーフロー仕切り30が上下に若干ずれた状態で略垂直に所定間隔をおいて設置されている。電解浄化槽12の側部28で、オーバーフロー仕切り30が設けられている側の上位置には浄化された循環冷却水を流出させる流出口32が設けられている。
【0033】
電解浄化槽12の側部28とオーバーフロー仕切り30との間で、流出口32の近くには循環冷却水の電気伝導率を測定する電気伝導率計34が設置され、電気伝導率計34は警報装置38に接続され、循環冷却水の電気伝導率が所定値以上になった場合に警報ランプ40が点灯するか警報ブザー42が鳴るようになっている。
【0034】
電解浄化槽12の上部にはフロートスイッチ36が設置され、フロートスイッチ36は受けタンク44の濾過部60にスケールが蓄積し、それが処理水流れの抵抗となり電解浄化槽12からの排出を阻害した場合に警報ランプ40が点灯し、警報ブザー42が鳴る。
【0035】
電解浄化槽12の下方には電解浄化槽12で浄化した循環冷却水を一時的に蓄える受けタンク44が設けられ、流出口32は流出配管46を介して受けタンク44につながっている。
【0036】
受けタンク44の近傍には浄化した受けタンク44の循環冷却水をクーリングタワー68に戻す戻しポンプ48が設置され、受けタンク44の中には受け入れた循環冷却水が所定高さ以上になると戻しポンプ48を作動させて受けタンク44内の循環冷却水をクーリングタワー68に戻すフロートスイッチ50が設けられている。
【0037】
電解浄化槽12の底部18の中央付近には剥離したスケールを排出させる排出口52が設けられ、電解浄化槽12の底部18は排出口52に向けて低くなるように傾斜し、その傾斜角は25度〜35度の範囲にある。
【0038】
電解浄化槽12の底部18の裏側で、排出口52が設けられている部位には排出装置54が下方に向けて設けられている。排出装置54は開閉装置である排出バルブ56を備え、排出バルブ56は排出用タイマー58によって開閉のタイミング及び時間が制御されている。
【0039】
排出装置54の出側は別の配管に接続されることなく開放状態になっており、排出装置54の直下で受けタンク44の上には循環冷却水とともに排出されたスケールを分離する濾過部60が設けられている。
【0040】
排出装置54の排出能力は、電解浄化槽12に水が所定高さまで入れられていて排出バルブ56が全開状態になったときに排出される水の最大流量が30リットル/分以上となるようになっている。
【0041】
クーリングタワー70から給水口22の間、又は受けタンク44からクーリングタワー70の間には銅イオン等の金属イオンを溶出させる機能を有する金属イオン溶出器62を設けても良い。金属イオン溶出器62としては、例えば巻回した銅コイル、多数の銅板の切れ端又は多数の銅粒を循環水中に浸漬するようにしたものを用いることができる。
【0042】
次に、このクーリングタワー循環冷却水の電解浄化装置の動作について、図3及び図4を参照しながら説明する。ここで、図3は図1の電解浄化装置を組み込んだ空調システムの説明図、図4はこの発明の一実施の形態に係るクーリングタワー循環冷却水の電解浄化装置の制御機構の説明図である。
【0043】
まず、給水ポンプ20を作動させると、クーリングタワー70の受水槽72内の循環冷却水が吸い出され、この吸い出された循環冷却水が電解浄化槽12の給水口22から電解浄化槽12の内部に供給される。
【0044】
供給された循環冷却水は電極板ユニット14を浸漬し、オーバーフロー仕切り30を通り、流出口32から電解浄化槽12の外部に溢れ、受けタンク44に入る。
【0045】
受けタンク44のフロートスイッチ50は所定の高さでスイッチが入るように設定してあり、受けタンク44の循環冷却水の量が設定高さになるとフロートスイッチ50が入り、戻しポンプ48が作動し、受けタンク44に入った循環冷却水は戻しポンプ48によってクーリングタワー70の受水槽72に戻される。
【0046】
電解浄化槽12内に循環冷却水が満たされた状態で直流電源装置16をオンにすると、正極板24に正電圧が印加され、負極板26に負電圧が印加され、循環冷却水中に含まれているカルシウムイオン、マグネシウムイオン等の陽イオンや溶存シリカは負極板26に引き寄せられ、負極板26の表面で還元され、負極板26の表面又は表面近傍にスケールとして析出し、循環冷却水中のこれらの陽イオンは次第に減少する。
【0047】
ここで、負極板26を流れる電気の電流密度が小さい場合、析出したスケールは負極板26の表面に固着せず、電解浄化槽12の底部に沈殿するが、スケールの析出除去効率が悪い。負極板26を流れる電気の電流密度が大きい場合、スケールの析出量は増加するものの、析出したスケールが負極板26の表面に強固に固着してしまう。
【0048】
この発明の実施の形態では、表面に不働態化し難い導電性の高い微小な通電領域を多数形成させたチタン板を負極板26としているので、循環水中からスケールが効率良く析出し、しかも析出したスケールが負極板26の表面に固着せずに、電解浄化槽の下方に沈降・堆積する。
【0049】
そして、このような電気分解による循環水の浄化が継続すると、電解浄化槽12の底部18にスケールが次第に溜まってくる。
【0050】
次に、排出用タイマー58に予め作動時間と保持時間が設定してあり、予め設定した作動時間が経過した後、排出用タイマー58により排出用バルブ54が開かれ、電解浄化槽12内の循環冷却水は底部18に堆積していたスケールとともに排出装置54を通って排出される。
【0051】
排出された循環冷却水中のスケールは濾過部60で濾過されて除かれ、循環冷却水は受けタンク44に入る。予め設定した保持時間が経過すると排出用バルブ54が閉じられ、電解浄化槽12内に再び循環冷却水が溜まりだす。濾過部60に残されたスケールはある程度溜まった時点で順次搬出除去されることになる。
【0052】
なお、電解浄化槽12の流出口の近くに設置されていた電気伝導率計34は循環冷却水の電気伝導率を常時計測しており、循環冷却水の電気伝導率が設定値以上になった場合は、警報装置38が作動し、警報ランプ40が点灯し、警報ブザー42が鳴る。
【0053】
電解浄化槽12の上部のフロートスイッチ36は、受けタンク44の濾過部60にスケールが蓄積しそれが処理水流れの抵抗となることを監視しており、抵抗以上になった場合水位が上昇しフロートスイッチ36が感知し警報ランプ40が点灯し、警報ブザー42が鳴る。
【0054】
【発明の効果】
この発明によれば、正極板と負極板がいずれもチタン板からなるので、電気分解の過程で正極板が陽極酸化され、表面に不働態被膜が形成され、正極板と負極板の間に流れる電流が微弱になり、負極板の表面又は近傍で析出したスケールは負極板の表面に強固に固着せず、電解浄化槽の底に沈殿するという効果がある。
【0055】
また、この発明によれば、直流電源装置の出力電圧Vを、0.01R〜1.0R{Rは前記正極板と前記負極板の間の電気抵抗(Ω)}とした場合、負極板に流れる電流が微弱になり、負極板の表面又は近傍で析出したスケールは負極板の表面に固着せず、電解浄化槽の底に沈殿するという効果がある。
【0056】
また、この発明によれば、正極板が予め不働態皮膜で被覆されている場合、正極板と負極板の間を流れる電流が小さくなるので、容量の小さな直流電源装置を使用することができ、従って、電解浄化装置を安価に製造することができるという効果がある。
【0057】
また、この発明によれば、負極板の表面に導電性の高い微小な通電領域が多数存在している場合、スケールが負極板の表面に固着することなく効率よく析出するので、循環冷却水中のスケール成分を除去する効率が高まるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施の形態に係るクーリングタワー循環冷却水の電解浄化装置の説明図である。
【図2】図2は図1の電解浄化装置に使用されている電極板ユニットの説明図である。
【図3】図3は図1の電解浄化装置を組み込んだ空調システムの説明図である。
【図4】図4はこの発明の一実施の形態に係るクーリングタワー循環冷却水の電解浄化装置の制御機構の説明図である。
【図5】図5は従来の空調システムの説明図である。
【符号の説明】
10 電解浄化装置
12 電解浄化槽
14 電極板ユニット
16 直流電源装置
18 底部
20 給水ポンプ
22 給水口
24 正極板
26 負極板
28 側部
30 オーバーフロー仕切り
32 流出口
34 電気伝導率計
36 フロートスイッチ
38 警報装置
40 警報ランプ
42 警報ブザー
44 受けタンク
46 流出配管
48 戻しポンプ
50 フロートスイッチ
52 排出口
54 排出装置
56 排出バルブ
58 開閉用タイマー
60 濾過部
62 金属イオン溶出器

Claims (5)

  1. 浄化処理すべき循環冷却水を受け入れて排出する電解浄化槽と、該電解浄化槽内に設置されている1又は2以上の正極板と、該電解浄化槽内に該正極板と所定間隔をおいて設置されている1又は2以上の負極板と、該正極板及び該負極板に電流を供給する直流電源装置とを備え、該正極板は該直流電源装置の正極側出力端子と接続され、該負極板は該直流電源装置の負極側出力端子と接続され、該正極板及び該負極板はいずれもチタン板からなることを特徴とする循環冷却水の電解浄化装置。
  2. 前記正極板が酸化チタンの不働態皮膜で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の循環冷却水の電解浄化装置。
  3. 不働態化し難い導電性の高い微小な通電領域が前記負極板の表面に多数存在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の循環冷却水の電解浄化装置。
  4. 前記通電領域がCu、Ni、Ag、Zn、Cr、Sn及びMoから選択された1種又は2種以上の金属元素を含むTi合金からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の循環冷却水の電解浄化装置。
  5. 前記正極板と前記負極板の間を流れる電流が該負極板の面積当たり0.01A/m〜1.0A/mであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の循環冷却水の電解浄化装置。
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