JP2006349161A - ディスクブレーキ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駐車ブレーキの制動力は電動駐車ブレーキ機構の動作前に、シリンダ部2aへ導入した液圧による弾性変形量を大きくして、大きな変位量をロック機構で保持することにより、液圧除去後やパッド4,4の熱収縮後も制動力が維持される。キャリパ2の一部を大径にすることにより、低い液圧で高い駐車ブレーキ制動力を得ることができる。さらに、予め所定量弾性変形させておくことにより通常ブレーキ使用時の液量増加を低減することができる。
【選択図】図1
Description
特許文献1の駐車ブレーキは、駐車ブレーキ時に液圧ポンプによりキャリパに液圧を導入してピストンを推進させパッドをロータに押し付けた後に、電動モータによりピストンの保持機構(ロック機構)を駆動してピストンを制動状態に維持させるようにして、モータ所要動力を低減した液圧補助式駐車ブレーキ機構が付加されたものである。
図9(A)は駐車ブレーキをかけるために、従来技術による液圧補助式駐車ブレーキにおけるキャリパ101のシリンダ102内に液圧を印加した状態の模式図である。このとき、液圧によりピストン103が図中左方へ、また、キャリパ101のシリンダ底部104が図中右方へ、液圧にピストン受圧面積を乗じた推力と等しい推力で付勢され、キャリパ101のツメ部105とピストン103間に挟まれた一対のパッド106とロータ107との間の摩擦力により制動力を発生する。この状態では、シリンダ底部104に基端を固定されたロック機構108の先端は、ピストン103から所定のギャップを持って離れている。図9(B)はロック機構108を動作させて先端をピストン103に当接した後にシリンダ102内の液圧を解除した状態である。このとき、液圧に代わってロック機構108がピストン103を図中左方へ、シリンダ底部104を図中右方へ付勢して駐車時の制動力を得ている。ここで、キャリパ101、パッド106,106、ロータ107、ピストン103、およびロック機構108はそれぞれ弾性係数に応じた剛性を持っており、駐車時のピストン推力(ピストン103の推力)つまり制動力は各部品の剛性により決まるようになっている。
このバランス状態について、キャリパバネ110及びロック機構バネ111とも線形を仮定して計算すると、液圧によるキャリパバネ110の変形量δは、
δ=FC/KC
となり、また、駐車ブレーキ推力FPKBでバランスするので、
FPKB=δ’×KC=(δ−δ’)×KL
となり、前記両式から
FPKB=FC/(1+KC/KL)
である。
図10により上述した動作との関係を説明すると、ピストン103の推力と変位との関係は、液圧印加時には推力FCかつキャリパバネ変形量(キャリパバネ110の変形量)δのa(○印)の位置にある。その後、ロック機構108をピストン103に接触させて液圧を解除すると、キャリパバネ110の変形量δの一部がロック機構バネ111に分担され、曲線KLを推力0かつ変形量δを通るように横軸に平行に移動した曲線と曲線KCとの交点b(●印)の位置に移り、キャリパバネ110の変形量はδ’に減少し、駐車ブレーキ推力はFPKBのレベルに下がってしまう。
δ=FC/KC−ΔX
になり、熱収縮後のキャリパバネ変形量をδ”とすると、熱収縮後の駐車ブレーキ推力FPKB’は
FPKB’=δ”×KC=(δ−δ”)×KL
となり、前記両式から
FPKB’=(FC−ΔX×KC)/(1+KC/KL)
である。
図10ではピストンの推力(ピストン103の推力)と変位との位置は、曲線KLを推力0かつ変形量δ-ΔXを通るように平行移動した曲線と曲線KCとの交点c(□印)の位置に移り、駐車ブレーキ推力はFPKB’のレベルまで下がってしまう。図10の例ではFPKBはFCの75%であるが、FPKB’はFCの60%以下となってしまう。
以上のような理由により従来構造では大幅な必要液圧の低減は困難であった。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のディスクブレーキにおいて、前記弾性変形部およびシリンダ底部の液圧を受ける面積は、前記ピストンの液圧を受ける面積よりも大きいことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のディスクブレーキにおいて、前記シリンダ底部の移動は、前記シリンダ内が所定の液圧になったときに開始するように、前記弾性変形部を予め変形させておくことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のディスクブレーキにおいて、前記シリンダ底部の変位量を、キャリパの組み立て時に予め調整可能であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4または5に記載のディスクブレーキにおいて、前記シリンダ底部の変位量が、所定量未満となるようにストッパ機構を設け、その所定量がキャリパの組み立て時に調整可能であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載のディスクブレーキにおいて、前記ウォール部材は、縦弾性係数が、前記シリンダ本体の縦弾性係数より小さい材料で構成されたことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、大径部を設けて、低い液圧で高い駐車ブレーキの推力を維持することができる。
請求項3記載の発明によれば、弾性変形部およびシリンダ底部をキャリパと一体成形するので、部品数の増加および原価の上昇を抑えることが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、上記予変形量をキャリパ組み立て時に調整することで、部品バラツキの影響を吸収することが可能となる。
請求項6記載の発明によれば、弾性変形部の過大な変形を防止することにより、印加液圧の変動による影響を低減することができるとともに、過大な液圧印加による弾性変形部の特性変化を防ぐことができる。
請求項8記載の発明によれば、ウォール部材は、縦弾性係数が、前記シリンダ本体の縦弾性係数より小さい材料で構成されているので、ウォール部材中間部分の変形量は大きく、一層の駐車能力の向上が期待できる。
送りネジ9の軸方向中央部には、フランジ部9aが形成されており、このフランジ部9aとシリンダ底部2cとの間に、スラスト軸受け12が設けられるようになっており、これにより送りネジ9は、スラスト軸受け12を介してシリンダ底部2cに支持されるようになっている。また、送りネジ9の他端側にはおねじ部9bが形成されており、このおねじ部9bにナット10が螺合している。
ナット10には、その内側にめねじ部10aが形成され、上述のように送りねじ9のおねじ部9bに螺合するようになっており、外側には軸方向溝10bが形成され、この軸方向溝10bに回り止め11が当接してナット10が回転不能となっている。また、ナット10のロータ3側には、送りネジ9の回転によりナット10がロータ3方向へ移動したときにピストン5に当接するピストン当接部10cが設けられている。
本実施の形態では、ナット10が直動部材を構成し、送りネジ9が回転部材を構成している。また、送りねじ9及びナット10によりピストン5を制動状態に維持するためのロック機構14が構成され、後述の駐車ブレーキ時にシリンダ底部2cとピストン5との間隔を一定に保持するようになっている。
駐車ブレーキを解除するときは、まず、シリンダ部2a内に液圧を印加し、ピストン5を図1中左方へ、また大径のシリンダ底部2cを図中右方へ付勢してピストン5のピストン当接部10cによる押圧を解除する。その後、モータ/減速機8を逆回転させて、ナット10をピストン5から引き離し、離れた後も余分に逆回転を続けて、ナット10とピストン5間に所定のギャップを設けた後にモータ/減速機8を停止し、液圧を解除する。
ピストン5のナット10と当接する部分、およびシリンダ底部2cのスラスト軸受け12と接する部分の剛性はロック機構バネ52に含まれるが、この2箇所の変形は無視できる程度に小さい。またシリンダ底部2cは円輪形状のため、液圧による等分布荷重とスラスト軸受け12から受ける集中荷重とでは、変形の様子が異なり集中荷重を受ける場合の方が剛性が低く、ロック時の液圧解除により保持推力が低下するが、シリンダ底部2cを厚くすることにより低下量を無視できる程度に小さくしている。
図2(A)はキャリパのシリンダ部2aとシリンダ底部2c間に弾性変形部2dを設けた構造の模式図であり、駐車ブレーキ用の液圧を印加した状態を示す。ピストン5を左方に付勢する液圧による推力は図9(A)と同じであるが、シリンダ底部2cを右方に付勢する推力は大径部の面積に比例して大きくなり、弾性変形部2dの変形により底部は右方に移動する。この状態ではロック機構左端とピストン5間に所定のギャップがあり、送りネジ9及びナット10からなるロック機構14がピストン5の推力に無関係であるのは図9(A)と同じである。図2(B)はロック機構14を動作して左端をピストンに当接させた後に液圧を解除した状態で、図9(B)と同様、液圧に変わってロック機構14がピストンを左方へ、シリンダ底部2cを右方へ付勢して駐車時の制動力を得ている。
FPKB=δ’×KC=δS’×KS=(δ−δ’+δS−δS’)×KL
となり、両式から
FPKB=(FC/KC+FS/KS)/(1/KL+1/KC+1/KS)
となる。
また、熱収縮がΔXのとき、
FPKB’=δ’×KC=δS’×KS=(δ−δ’+δS−δS’−ΔX)×KL
FPKB’=(FC/KC+FS/KS−ΔX)/(1/KL+1/KC+1/KS)
となる。
曲線KCはキャリパバネ51のピストン推力(ピストン5の推力)による変形量、また曲線KLはロック機構バネ52のロック機構推力による変形量で、どちらも図10と同じ曲線である。
曲線KSは支持バネ53の大径部推力による変形量で、図3では大径部の直径はピストン直径の1.2倍、面積は1.44倍とした。FS=1.44×FCである。
キャリパ5の弾性変形部2dおよび底部の変形量は、剛性を下げたため液圧の等分布荷重による変形とロック機構推力の略集中荷重による変形とで、かなり異なる変形状態になるが、ここでは、この違いを無視して説明する。また図3には支持バネ53とロック機構バネ52の変形量を加算した曲線KL//KSを描いている。
また図3では大径部をピストン径の1.2倍としたが、同じ支持バネ53で1.4倍に拡大するとδSが1.36倍になり、駐車ブレーキ推力FPKBを液圧印加時のピストン推力FC以上にでき、FPKB’がほぼFCに等しくできることも判る。
しかしながら、上記第1の実施形態では、シリンダ底部2cが後退する分、常用ブレーキでの消費液量が増加してペダルストロークが増えてしまう問題が残っている。
この常用ブレーキでの消費液量増加を低減する手段として、支持バネ53を予変形させることが第2の実施形態である。
第2の実施形態では予変形量を設定するために、弾性変形部15cの剛性を大幅に下げる必要がある。しかしキャリパは堅牢であることが重要であるため容易ではなく、例えば400気圧の耐圧強度を持ちながら、100気圧で0.5mm以上変形するように設計する。このためキャリパ材質として使うダクタイル鋳鉄または高強度アルミ鋳物での一体成形は不可能で、弾性変形部15cとシリンダ底部2cとはバネ鋼で別体に構成した。図4では図1と同一機能の部品は同じに付番して、第1の実施形態に対応付けており、差異を中心に説明して同一部分の説明は省略する。
モータ/減速機8はシリンダ底部15bの外側に取り付けられ、駐車ブレーキをかける操作、および解除する操作は第1の実施形態と同様である。
さらに印加液圧の変動によるδsのバラツキを抑えるには、図5に示すような与圧ナット16とシリンダ底部15bとの間隔をδsに制限するストッパナット18を追加すると、キャリパ後部15の耐圧強度も向上できることになる。ただし、印加液圧の調節により、駐車ブレーキ制動力FPKBを路面勾配に合わせて変更する、というような制御自由度は失われてしまう。予変形により図3の曲線KSの低推力域の初期変形部分の液量が低減できるが、さらに予変形量の設定により底部変位の開始液圧を緊急制動の下限減速度0.7G程度に相当する液圧に設定して、それ以下の強いブレーキの範囲までの常用ブレーキの液量増加を解消することができる。
将来液圧ユニットの高圧化が進み、耐久性も確保された時には、変位開始液圧を常用ブレーキの最大液圧に設定して、緊急制動時まで液量増加を解消でき、運転者の操作する常用ブレーキへの影響を皆無にできる。
図6(A)は無加圧または変形開始設定圧以下の液圧時の状態で、図2には対応する図がない。予変形量設定機構70はシリンダ部2aに固定され、予め弾性変形部15cを延伸して、シリンダ底部15bを予変形量分、シリンダ部2aから離間している。図6(B)は駐車ブレーキ用の液圧を印加した状態で、予変形量設定機構70の右端がシリンダ底部15bから離れており、シリンダ底部15bには影響を及ぼさず、図2(A)と等価である。ピストン5とピストン当接部10cとを当接させて液圧を解除した状態は図2(B)と同じなので省略した。
図6(D)は駐車ブレーキ用の液圧を印加した状態の簡略モデルで、図2(C)と等価で、液圧による推力FC、FS、およびピストン変位δ、δSも図2(C)と同じである。ロックして液圧を解除した状態は図2(D)と同じなので省略した。
大幅に変えたのは支持バネ53の特性であり、第2の実施形態の支持バネ53は、図7の太い曲線KSのように変形開始液圧を駐車ブレーキ用液圧の70%とし、駐車ブレーキ用液圧印加時の支持バネ変形量δSについては図3に示す特性と同等になるようにした。図3の曲線KSにあった低液圧時の初期変形が無く、直線部のバネ定数は約1/2である。曲線KSをこの様に変更したことにより、駐車ブレーキ用液圧印加時のピストン5の推力/変位○印、およびシリンダ底部15bの推力/変位◇印の位置は図3と同じであるのに、ロック機構14を作動させた後に液圧を解除したときのピストン5の推力/変位は●印の位置になり、駐車ブレーキ推力FPKBは液圧印加時のピストン推力FCよりも大きく、熱収縮後□印の推力FPKB’の下がりも小さくなり、ほぼ目的通りに駐車ブレーキ推力が維持できるものとなる。
以上の構造で常用ブレーキの液圧範囲内で十分な駐車ブレーキ推力が得られ、通常ブレーキの前後輪制動力バランスも守れるとともに、常用ブレーキではシリンダ底部15bが移動しないので、常用ブレーキ時の消費液量増加を低減することが可能となる。
図8では図1と同一機能の部品は同じに付番して、第1の実施形態に対応付けており、差異を中心に説明して同一部分の説明は省略する。
図8において、液圧補助式駐車ブレーキ(ディスクブレーキ)1のキャリパ2は、シリンダ2Fと、シリンダ2Fに連接されるキャリパツメ部2bとで大略構成され、キャリパツメ部2bとピストン5の間にロータ3、および2枚のパッド4を挟んで、ロータ3の摺動面に対し垂直の方向に移動可能に取り付けられている。
ウォール部材50は、内周側部分51で後述するように送りネジ9を支持し、外周側部分52が後述するように延長筒部2H(シリンダ本体2J)に支持されている。ウォール部材50における内周側部分51及び外周側部分52の間のウォール部材中間部分53は、両者に比して薄肉とされている。そして、ウォール部材50は、シリンダ2Fヘの液圧導入により、外周側部分52が延長筒部2Hに支持されて、ウォール部材中間部分53が、ピストン5の推進方向と反対方向(図8右方向)に弾性変形し、内周側部分51が、ピストン5の推進方向と反対方向に移動するようになっている。キャリパ2のうち、キャリパツメ部2b、シリンダ2Fのシリンダ筒部2G及び延長筒部2H〔キャリパ本体(符号省略)〕は、ダクタイル鋳鉄(FCD450)製で一体に形成されている。
シリンダ筒部2G及び延長筒部2Hの内側の段差部60とウォール部材50との間にはウェーブワッシャ61が介在されている。ウォール部材50は、外周側部分52が、ウェーブワッシャ61と共に、段差部60とモータ/減速機8の一部8aとに挟まれることにより、延長筒部2Hに支持されている。
モータ/減速機8は、延長筒部2Hの外側に固定され、また、モータ/減速機8には、送りネジ9の一端側がウォール部材50を貫通して接続されている。送りネジ9は、モータ/減速機8により図8中、右方に軽く引張られ、かつ回転可能に保持されている。ウォール部材50と送りネジ9の一端側との間には回転シール13が設けられて、シリンダ2F内をシールしている。
送りネジ9は、モータ/減速機8の図示しないモータが通電されて回転すると、この回転力をモータ/減速機8の図示しない減速機を介して受けて、回転する。
ナット10は、ピストン5に対して回転できないように構成され、送りネジ9とねじ結合している。従って、送りネジ9の回転に応じてナット10は前後進する。シリンダ2Fのパッド4と反対側も開口しており、ここにウォール部材50が密封、嵌装されている。ウォール部材50は液圧を受けたとき、その外周側部分52が延長筒部2Hに受けられて、ウォール部材中間部分53が撓むようになる。
また、液圧補助式駐車ブレーキでは、一般に、駐車後、パッド4温度が下がりパッドが収縮した際にも適切な駐車ブレーキ力を発揮することが必要とされる。これに対して、本実施の形態で説明した上述したシリンダ本体2Jの弾性変形、パッド4の圧縮量にウォール部材50の弾性変形量を加えた合計値(トータルの変形量)を大きくする方策が、上記対策として有効な手段となる。
なお、ウォール部材50が変形すると、ディスクブレーキ1のキャリパ2の所要液量が増え、ペダルストロークが増える傾向になるが、ウォール部材50は、円錐状に変形するので、ウォール部材50の中心部の変形量に比べて増加する所要液量は少なく、ペダルスロットへの影響は少ない。
Claims (8)
- ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、
有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを、前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと、
前記シリンダの外に設けられた電動モータにより作動し、前記シリンダ内への液圧供給により推進した前記ピストンを前記シリンダ内の液圧解除後も機械的に制動位置に保持させる駐車ブレーキ機構とを備えたディスククブレーキにおいて、
前記駐車ブレーキ機構は、前記ピストン内に該ピストンと相対移動可能に配設された直動部材と、前記シリンダの軸心上に回動可能に配設され、一端側に前記直動部材のねじ部に螺合するねじ部を有し他端側が前記電動モータに接続される回転部材とを有しており、前記シリンダの底部側に、シリンダヘの液圧導入により前記ピストンの推進方向と反対側に弾性変形するとともに、前記回転部材を支持するシリンダ底部を前記ピストンの推進方向と反対方向に移動させる弾性変形部を設けたことを特徴とするディスクブレーキ。 - 前記弾性変形部およびシリンダ底部の液圧を受ける面積は、前記ピストンの液圧を受ける面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
- 前記弾性変形部およびシリンダ底部は、前記キャリパにおける前記シリンダの底部側部分であり、一体成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
- 前記シリンダ底部の移動は、前記シリンダ内が所定の液圧になったときに開始するように、前記弾性変形部を予め変形させておくことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のディスクブレーキ。
- 前記シリンダ底部の変位量を、キャリパの組み立て時に予め調整可能であることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ。
- 前記シリンダ底部の変位量が、所定量未満となるようにストッパ機構を設け、その所定量がキャリパの組み立て時に調整可能であることを特徴とする請求項4または5に記載のディスクブレーキ。
- ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、シリンダ内に摺動可能に配設したピストンを、前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと、前記シリンダの外に設けられた電動モータにより作動し、前記シリンダ内への液圧供給により推進した前記ピストンを前記シリンダ内の液圧解除後も機械的に制動位置に保持させる駐車ブレーキ機構とを備えたディスククブレーキにおいて、
前記シリンダは、前記ピストンを摺動可能に配設するシリンダ筒部及び該シリンダ筒部から延設された延長筒部からなるシリンダ本体と、該シリンダ本体と共に液圧を密封するように前記延長筒部内に配置される弾性材料からなるウォール部材と、を備え、
前記駐車ブレーキ機構は、前記ピストン内に前記ピストンと相対移動可能に配設された直動部材と、前記シリンダの軸心上に回動可能に配設され、一端側に前記直動部材のねじ部に螺合するねじ部を有し他端側が前記ウォール部材を挿通して前記電動モータに接続される回転部材とを有しており、
前記ウォール部材は、内周側部分で前記回転部材を支持し、外周側部分がシリンダ本体に支持され、前記シリンダヘの液圧導入により、前記ウォール部材が、前記ピストンの推進方向と反対方向に弾性変形し、前記内周側部分が、前記ピストンの推進方向と反対方向に移動することを特徴とするディスクブレーキ。 - 前記ウォール部材は、縦弾性係数が、前記シリンダ本体の縦弾性係数より小さい材料で構成されたことを特徴とする請求項7記載のディスクブレーキ。
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