JP2006347967A - 血糖値上昇抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 使用形態によらずに食後の血糖値上昇を十分に抑制し、かつ安全に生体に適用することができる、難消化性デキストリン含有血糖値上昇抑制剤を提供すること。
【解決手段】 難消化性デキストリンと、コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つと、を有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 難消化性デキストリンと、コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つと、を有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、血糖値上昇抑制剤に関する。
コロソリン酸は、数百種の植物中に存在するトリテルペンであり、現在は主としてバナバ(Lagerstroemia speciosa (L.) Pers.)より得られる。バナバは、フトモモ目ミソハギ科に属し、オオバナサルスベリともいわれる熱帯アジアに分布するサルスベリの一種であり、この葉の熱水浸出液は、フィリピンなどでは古くから糖尿病治療薬として飲用されてきた。最近、我が国でもその血糖値上昇抑制作用が注目され、健康茶などとして飲用する人が増えつつある。
バナバ抽出物のこのような薬理作用については、1940年代には既にバナバの乾燥葉の煎出汁を正常家兎に投与した結果、乾燥葉1〜2g/kg(体重)の投与量で血糖値を16〜49mg/dL下げることができたという報告がなされている(非特許文献1)。また、特許文献1には、II型糖尿病マウスにバナバ抽出粉末エキスを3%混合した食餌を1週間投与し、その後バナバ抽出粉末エキスを5%混合した食餌で3週間飼育した結果、バナバ抽出粉末エキスを投与しなかった対照と比較して血糖値を有意に抑制できたことが開示されている。
特開平5−310587号公報
F. Garcia, J. Philip. Med.Assoc., 20, 395(1940)
一方、血糖値上昇抑制作用を有する物質としては、α−シクロデキストリンを始めとする難消化性デキストリンが知られている。デキストリンは、デンプン類にアミラーゼ等の酵素を作用させて得られる多糖類であり、分解されて二糖類を生じる。シクロデキストリンは、デンプン類にシクロデキストリン生成酵素(cyclodextrin glucanotransferase)を作用させて得られる環状オリゴ糖であり、グルコース分子がα−1,4グルコシド結合で6個環状に連なった構造を有し、その存在は19世紀から知られていた。一般に、シクロデキストリンは、環状構造の外部が親水性、内部が疎水性を示す化合物であり、環状構造内部の疎水性空洞に様々な有機分子を取り込んで包摂体を形成する性質を有している。また、α−シクロデキストリンは、人体の消化酵素によっては分解されず、腸内細菌叢によって盲腸及び結腸でのみ分解されると考えられている。α−シクロデキストリンを始めとする難消化性デキストリンは糖類の摂取による食後血糖値の上昇を抑制する作用を有するが、この作用は、包摂体を形成する性質と難消化性とが相俟って糖類の消化・吸収を阻害することによるものと考えられている。
また、α−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンは、世界保健機関及び国連食糧農業機関の合同専門家会議によって人体に安全な物質であると判断され、1日許容摂取量も特に定められていない。このように人体に安全な難消化性デキストリンは、血糖値のコントロールするための物質として人体に適用するのに適している。
しかしながら、α−シクロデキストリンを始めとする難消化性デキストリンは、使用形態によっては、血糖値上昇抑制作用が十分に発揮されず、食後血糖値も十分にコントロールできないという問題があった。例えば、食事を構成する米飯にα−シクロデキストリンを添加して炊飯して、食事を摂取した場合は、食後30分後の血糖値は、α−シクロデキストリンを添加しない場合に比べて40mg/dL低下したが、α−シクロデキストリン水溶液を調製して、これを食事と同時に摂取した場合は、食後30分後の血糖値は、α−シクロデキストリン水溶液を摂取しない場合に比べて10mg/dLしか低下しなかったという実験結果が報告されている。
そこで、本発明は、使用形態によらずに食後の血糖値上昇を十分に抑制し、かつ安全に生体に適用することができる、難消化性デキストリン含有血糖値上昇抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく行った研究の過程で、食事摂取時に難消化性デキストリンに加えてコロソリン酸を同時に摂取すると、難消化性デキストリンのみを同時に摂取した場合に比べて、優れた血糖値上昇抑制効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、難消化性デキストリンと、コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つと、を有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤を提供する。難消化性デキストリンとしては、α−シクロデキストリンが好ましい。
バナバ抽出物は前述のように血糖値上昇抑制作用を有するが、バナバ抽出物のこのような薬理作用については、特開平9−227398号公報においては、アミラーゼ及びリパーゼを阻害する作用が関与するものとされ、特開2002−12547号公報においても、糖類との同時的な摂取を行った場合に上記阻害作用によって血糖値上昇が抑制されるという知見が開示されている。しかし、本発明者の研究により、バナバ抽出物の血糖値上昇抑制作用は主としてコロソリン酸によるものであり、含有される消化酵素阻害物質の寄与は副次的なものであることが明らかとなっている。
コロソリン酸は、摂食直後に膵臓β細胞におけるインスリン分泌を促進することにより食後血糖値の上昇を抑制するが、平常時の血糖値は何ら変化させない。更に、服用に伴う副作用は何ら報告されていない。同様のことは、コロソリン酸の薬学的に許容される塩、並びにコロソリン酸の類縁体であるマスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩についても確認されている。
摂食時に難消化性デキストリンに加えて特定のトリテルペン、すなわちコロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも一つを同時に摂取すると、その摂取形態によらず、難消化性デキストリンのみを同時に摂取した場合に比べて、血糖値上昇が食後数時間にわたって顕著に抑制される。これは、難消化性デキストリンと上記トリテルペンとが異なる機序で食後の血糖値上昇を抑制し、両者の作用が相補的に組み合わされるためと推定される。
上記血糖値上昇抑制剤の有効成分である難消化性デキストリン及びトリテルペンはいずれも生体に安全な物質であるので、上記血糖値上昇抑制剤は安全に生体に適用することができる。
上記血糖値上昇抑制剤は、飲食品添加物として、また、飲食品の成分として用いることができる。すなわち、本発明はまた、上記血糖値上昇抑制剤からなる飲食品添加物、及び上記血糖値上昇抑制剤を含有する飲食品を提供する。
上記飲食品添加物又は飲食品は、耐糖能異常の原因となる食後血糖値の急激な変化を日常的に予防することを通じて、生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症等)の発症のリスクを低減することを可能にする。また、上記飲食品を摂取することにより、健康の維持又は増進が可能になる。
本発明によれば、使用形態によらずに食後の血糖値上昇を十分に抑制し、かつ安全に生体に適用することができる、難消化性デキストリン含有血糖値上昇抑制剤が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明の血糖値上昇抑制剤は、下記化学式(1)で示されるコロソリン酸、下記化学式(2)で示されるマスリン酸、下記化学式(3)で示されるトルメンティック酸、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一種のトリテルペンを有効成分として含有するものである。
コロソリン酸、マスリン酸又はトルメンティック酸の薬学的に許容される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、より具体的には、例えば、コロソリン酸、マスリン酸又はトルメンティック酸と、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、テトラメチルアンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンとによって形成される塩が挙げられる。
(トリテルペンの単離)
血糖値上昇抑制剤の有効成分であるトリテルペン、すなわちコロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩は、バナバ(Lagerstroemia speciosa (L.) Pers.)、ビワ、ムクロジ、シソ、グアバ等から抽出したエキス又はその濃縮物から単離することによって得ることができる。
血糖値上昇抑制剤の有効成分であるトリテルペン、すなわちコロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩は、バナバ(Lagerstroemia speciosa (L.) Pers.)、ビワ、ムクロジ、シソ、グアバ等から抽出したエキス又はその濃縮物から単離することによって得ることができる。
上記トリテルペンを含有する植物のエキスは、生育している植物から葉、茎等の部位を切り取り、その切り取った部位から直接抽出しても、また、切り取った部位を用いてカルス培養等の植物組織培養を行い、培養したカルス等においてトリテルペンを産生させた後、そのカルス等から抽出してもよい。エキスは、バナバ葉から抽出したバナバエキスが好ましい。また、植物組織培養を行う場合、バナバから誘導したカルスを用いるのが、上記トリテルペンを効率よく得られる点で好ましい。
バナバエキスは、バナバ葉を熱水、或いはメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、又はこれらのアルコールの水溶液で抽出して得られる抽出成分であり、抽出は以下の方法で行うことができる。
バナバエキスの原料としてのバナバ葉は、フィリピンなどで産出するバナバの生葉、又はそれを乾燥したものである。生葉の乾燥は、自然乾燥、風乾及び強制乾燥のいずれであってもよい。乾燥は、いわゆるトーステッドドライにより行うのが保存安定性の点で好ましい。トーステッドドライによる乾燥は、水分含量が好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下となるように行う。
乾燥したバナバ葉は、そのまま抽出に用いてもよいが、粉砕又は細断してから抽出に用いるのが好ましい。乾燥したバナバ葉から特定のトリテルペンをアルコール、アルコール水溶液、又は熱水で抽出する方法としては、下記方法1〜3が挙げられる。
方法1:乾燥したバナバ葉の粉砕化物にエタノール又はエタノール水溶液(エタノール含量50〜80重量%)を、粉砕化物に対して5〜20重量倍、好ましくは8〜10重量倍加えて、常温〜90℃、好ましくは50〜85℃の温度で、30分〜2時間加熱還流又はソックスレー抽出を行う。この操作を2〜3回繰り返す。
方法2:乾燥したバナバ葉の粉砕化物に対して3〜20重量倍のメタノール又はメタノール水溶液(メタノール含量50〜90重量%)を粉砕化物に加え、方法1と同様に加熱還流又はソックスレー抽出を行う。この操作は、常温〜65℃の温度で、30分〜2時間行うのが好ましい。この操作は、1回に限らず、2回以上繰り返して行うことができる。
方法3:乾燥したバナバ葉の粉砕化物に対して3〜20重量倍の熱水を粉砕化物に加え、50〜90℃、好ましくは60〜85℃の温度で、30分〜2時間加熱還流又はソックスレー抽出を行う。
上記方法1〜3は、適宜組み合わせることができる。例えば、方法1及び方法2を組み合わせて実施することができる。これらの方法のうち、好ましいのは方法1及び方法2であり、特に好ましいのは方法1である。
バナバエキスは、取扱いを容易にするため、濃縮乾燥してバナバエキス濃縮物に加工するのが一般的である。抽出後の濃縮及び乾燥は、濃縮物が高い温度で長時間保持されると活性成分が劣化することがあるので、比較的短時間で行うのが好ましい。そのためには、減圧下で濃縮及び乾燥を行うのが好ましい。上記の方法で得られた抽出液を濾過して60℃以下の温度で減圧下濃縮し、得られた固形状物を50〜70℃の温度で、減圧下(濃縮時よりも高い減圧下)で乾燥する。こうして得られた固形物を粉砕して粉末状濃縮物を得る。バナバエキス濃縮物は、粉末の形態に限らず、錠剤又は顆粒のいずれの形態に加工してもよい。
得られたバナバエキス又はその濃縮物は、上記トリテルペン、ポリフェノール(タンニン類等)等を含有する。バナバエキス又はその濃縮物はそのまま血糖値上昇抑制剤として用いることもできるが、外観や食味の点で、可能な限りポリフェノール(タンニン類等)、葉緑素、繊維素等を除去して、特定のトリテルペン(コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩のいずれか)を単離して用いるのが好ましい。特にタンニン類は、特有の苦味を有し、また、有色であるので、除去するのが好ましい。トリテルペンの単離は公知の方法に従って行うことができる。例えば、コロソリン酸の単離は次のように行うことができる。
バナバエキスを水に懸濁した後、エーテル、ヘキサン等に分配して、まず低極性成分を除く。ダイアイオンHP−20カラムクロマトグラフィー等を用いて、水層を水、メタノール及びアセトンで順次溶出する。更に、コロソリン酸が含有されているメタノール溶出画分について、シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分離精製を行い、コロソリン酸を単離する。なお、抽出エキスを直接シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、HPLCで精製してもよい。
バナバエキス又はその濃縮物から単離したトリテルペンはそのまま用いてもよいが、アシル化(例えばアセチル化)して用いてもよく、その後脱アシル化(例えば脱アセチル化)して用いてもよい。例えば、コロソリン酸の場合、アシル化(例えばアセチル化)した後脱アシル化して用いるのが好ましい。アシル化(例えばアセチル化)した後脱アシル化すると、非常に純度の高い(ほぼ100%)コロソリン酸を得ることができる。
コロソリン酸をアセチル化するには、例えば、まず、バナバエキスから単離したコロソリン酸を無水ピリジンに溶解し、無水酢酸を加え、室温で12時間程度放置した後、反応溶液に氷水を加え、クロロホルムで複数回(3回程度)抽出する。そして、クロロホルム層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して硫酸ナトリウムを除いた後、クロロホルムを減圧下留去し、へキサンで再結晶することによりアセチルコロソリン酸を得ることができる。また、コロソリン酸を脱アシル化する方法としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリで加水分解する方法が挙げられる。
(血糖値上昇抑制剤)
血糖値上昇抑制剤は、上記の方法で得られたトリテルペン(コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも一つ)と、難消化性デキストリン(α−シクロデキストリン等)とを混合することにより得ることができる。上記トリテルペンは、難消化性デキストリンに対して0.1%〜200%の割合で混合するのが好ましい。混合は、上記成分をそれぞれ粉末にして行うのが好ましいが、一方又は両方を溶媒に溶解して行ってもよい。粉末は、粉砕機等で粉砕することにより更に微細な粉末にするのが好ましい。
血糖値上昇抑制剤は、上記の方法で得られたトリテルペン(コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも一つ)と、難消化性デキストリン(α−シクロデキストリン等)とを混合することにより得ることができる。上記トリテルペンは、難消化性デキストリンに対して0.1%〜200%の割合で混合するのが好ましい。混合は、上記成分をそれぞれ粉末にして行うのが好ましいが、一方又は両方を溶媒に溶解して行ってもよい。粉末は、粉砕機等で粉砕することにより更に微細な粉末にするのが好ましい。
血糖値上昇抑制剤は、単独で、又は他の成分を添加して、薬剤、飲食品添加物、飲食品原料等として用いることができる。また、固体状、液体状、ペースト状、噴霧状及び気体状のいずれの形状で用いてもよい。なお、難消化性デキストリン及び上記トリテルペンはいずれも熱安定性が高いので、血糖値上昇抑制剤は加熱により加工してもよい。
薬剤として用いる場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等として用いることができる。顆粒剤又は錠剤は、例えば、粉末状の難消化性デキストリン及びトリテルペンを乳糖、デンプン等の賦形剤と混和することにより製造することができる。
血糖値上昇抑制剤は、糖類を含有する食物又は飲料の摂取時に同時に経口摂取するのが好ましい。しかし、食物又は飲料の摂取の直前又は直後に摂取してもよい。
血糖値上昇抑制剤を摂取する固体は、ヒト又は動物である。摂取する固体は糖尿病を発症していても発症していなくてもよいが、ヒトの場合、血糖値が正常値(空腹時血糖値:110mg/dL未満;OGTT(経口グルコース負荷試験)2時間値:140mg/dL未満)を超えている者が好適である。ヒト以外の動物に摂取させる場合は、血糖値上昇抑制剤を飼料に混合し、飼料とともに摂取させればよい。
(飲食品添加物)
飲食品添加物は上記血糖値上昇抑制剤からなるものであり、例えば、米飯、パン、麺類、菓子、砂糖、油脂、小麦粉、澱粉、酒類、清涼飲料等に添加して用いることができる。飲食品添加物の添加量は、血糖値上昇抑制が可能な量であればよく、例えば、添加する飲食品100質量部に対して0.0001〜20質量部(好ましくは0.001〜10質量部)である。
飲食品添加物は上記血糖値上昇抑制剤からなるものであり、例えば、米飯、パン、麺類、菓子、砂糖、油脂、小麦粉、澱粉、酒類、清涼飲料等に添加して用いることができる。飲食品添加物の添加量は、血糖値上昇抑制が可能な量であればよく、例えば、添加する飲食品100質量部に対して0.0001〜20質量部(好ましくは0.001〜10質量部)である。
(飲食品)
飲食品は上記血糖値上昇抑制剤を含有するものであり、その効果及び食味を阻害しない範囲で他の成分を含有していてもよい。飲食品としては、健康を維持又は増進する目的で摂取される飲食品が好適であり、健康補助食品(サプリメント)等がこれに含まれる。飲食品は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、液体等の形態で用いるのが好ましい。飲食品における血糖値上昇抑制剤の含有量は、血糖値上昇が抑制されるのに十分な量であればよく、例えば、飲食品全質量基準で、0.0001〜20質量%(好ましくは0.001〜10質量%)である。
飲食品は上記血糖値上昇抑制剤を含有するものであり、その効果及び食味を阻害しない範囲で他の成分を含有していてもよい。飲食品としては、健康を維持又は増進する目的で摂取される飲食品が好適であり、健康補助食品(サプリメント)等がこれに含まれる。飲食品は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、液体等の形態で用いるのが好ましい。飲食品における血糖値上昇抑制剤の含有量は、血糖値上昇が抑制されるのに十分な量であればよく、例えば、飲食品全質量基準で、0.0001〜20質量%(好ましくは0.001〜10質量%)である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
体重14.0kgのイヌAを用いた。スクロース6.25g/kg(体重)が溶解しているスクロース20%水溶液にα−シクロデキストリン(Wacker製キャパマックスWO)150mg/kg(体重)を溶解して、スクロース−デキストリン水溶液を調製した。ここにコロソリン酸201ng/kg(体重)を添加し、この溶液をイヌAに経口投与した。投与直前、投与後30分、60分、120分及び180分の血糖値を測定した。
体重14.0kgのイヌAを用いた。スクロース6.25g/kg(体重)が溶解しているスクロース20%水溶液にα−シクロデキストリン(Wacker製キャパマックスWO)150mg/kg(体重)を溶解して、スクロース−デキストリン水溶液を調製した。ここにコロソリン酸201ng/kg(体重)を添加し、この溶液をイヌAに経口投与した。投与直前、投与後30分、60分、120分及び180分の血糖値を測定した。
(比較例1)
体重12.0kgのイヌBを用いた。実施例1と同様にスクロース−デキストリン水溶液を調製し、この溶液をイヌBに経口投与した。投与直前、投与後30分、60分、120分及び180分の血糖値を測定した。
体重12.0kgのイヌBを用いた。実施例1と同様にスクロース−デキストリン水溶液を調製し、この溶液をイヌBに経口投与した。投与直前、投与後30分、60分、120分及び180分の血糖値を測定した。
実施例1及び比較例1の結果は、表1及び図1に示すとおりである。図1は、2匹のイヌの血糖値の時間変化を示す折れ線グラフである。
表1及び図1より、スクロース負荷後30分では、α−シクロデキストリンに加えてコロソリン酸を同時に投与した場合の方が、コロソリン酸を投与しなかった場合に比べて、10mg/dLだけ血糖値上昇が抑制されたことが判明した。更に、血糖曲線下の面積(Σ∠BS)を計算すると、イヌAで−12、イヌBで42となり、血糖値の増加量の積分値も、コロンリン酸を同時に投与した場合の方が小さくなっていることが判明した。
実施例1及び比較例1より、α−シクロデキストリンを水溶液の形態で摂取する場合であっても、更にコロソリン酸を同時に摂取することによって、摂食直後のみならず、摂食後少なくとも3時間にわたって、血糖値上昇が顕著に抑制されることが明らかとなった。
本発明の血糖値上昇抑制剤、飲食品添加物及び飲食品は、生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症等)の予防に利用することができる。
Claims (5)
- 難消化性デキストリンと、
コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つと、
を有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤。 - 前記難消化性デキストリンがα−シクロデキストリンである、請求項1に記載の血糖値上昇抑制剤。
- 請求項1又は2に記載の血糖値上昇抑制剤からなる飲食品添加物。
- 請求項1又は2に記載の血糖値上昇抑制剤を含有する飲食品。
- 摂取により健康の維持又は増進が可能な、請求項4に記載の飲食品。
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JP2017031105A (ja) * | 2015-08-03 | 2017-02-09 | 森永乳業株式会社 | 食後血糖値の上昇抑制を促進させる剤 |
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