JP2006347007A - 転写箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】検知マークの剥離を防止し、正確に検知マークを検出させることができる転写箔を提供すること。
【解決手段】フィルム状基材2上に剥離可能に形成され、加熱されることで被熱部分が剥離されて記録材上に転写される複数の透明樹脂層6と、複数の透明樹脂層6の位置を検知するための検知マーク7とを備えた転写箔1において、検知マーク7をフィルム状基材2の幅方向の両端から離れて形成させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、転写箔に係り、特に位置合わせのための検知マークを有する転写箔に関する。
従来、チケットやIDカード等の記録材に記録材の損傷や変質あるいは偽造・変造を防止するために記録材表面に保護膜を形成することが広く行われている。
そして、この保護膜形成に使用する装置としては、ホットスタンプ装置が知られており、この装置では、長尺状のフィルム基材上に保護膜である樹脂層が付設されて形成された転写箔の両端が一対の回転自在な軸部材に保持されて巻回された状態で転写用カートリッジに収容されるようになっている。そして、保護膜形成時では、転写用カートリッジから転写箔を順次繰り出して、その樹脂層を記録材上に重ね合わせ、フィルム基材を介して記録材にヒートローラを押圧することにより転写箔から記録材表面へ樹脂層を熱転写するようになっている。
この保護膜形成おいて、複数の機能を両立させたり、より高度な機能を保持させたいの場合には、転写箔の積層が行われる。例えば、磨耗性と褪色性の防止を目的とした場合には、フィルム基材上に耐磨耗性の樹脂層と、耐褪色性の樹脂層とが、その長さ方向に交互に形成された転写箔を用いて記録材上に耐磨耗性の樹脂層を熱転写した後、耐磨耗性の樹脂層が転写された記録材上に耐褪色性の樹脂層を熱転写する。その際、転写箔は、積層される樹脂層ごとに位置合わせが行われた状態で熱転写されており、位置合わせを行うための検知マークが転写箔には付されている(特許文献1参照)。
転写箔に付される検知マークとしては、光学式センサにより検出することが可能なマークが広く用いられており、太さ(幅)の異なる線等、照射された光の濃度変化を検出することが容易な図形が用いられている。例えば、図8(a)に示すように、1本線からなる検知マーク12Aと、2本線からなる検知マーク12Bとがフィルム基材上の樹脂層Aと樹脂層Bとの境界であって、転写箔の幅方向における全域若しくは一側に設けられている。あるいは、他の検知マークとしては、図8(b)に示すように、検知マーク12A,12Bは、転写箔1の長さ方向を軸として検知マーク12A,12Bがそれぞれ二分割された検知マーク13A,13Bや、図8(c)のように、転写箔1の幅方向においての検知マーク12A,12Bの長さをそれぞれ短縮させた検知マーク14A,14B、図8(d)のように、転写箔1の幅方向に沿って1本線からなる検知マーク15Aと、検知マーク15Aと転写箔1の幅方向における長さが異なる検知マーク15Bや、図8(e)のように、検知マーク15Aと検知マーク15Bが転写箔1の長さ方向を軸として対称に描かれた検知マーク16A,16Bが挙げられる。
そして、このような検知マークには、光の濃度変化を検出することを可能とするために樹脂に対して顔料(例えば、カーボンブラック)を多く含む液をその材料として使用することが多い。
ところで、転写箔は、通常1m弱〜2m強程度の幅のフィルム状基材上に樹脂層の材料が塗布あるいは印刷がなされた後、最終製品幅に裁断されることで製造されている。この際、転写箔はフィルム状基材から容易に剥離する特性を有すため、裁断端部が剥離しやすく、この剥離カスが製品中に混入して、正確な検知マークの検出を行うことができない場合があった。特に、光学濃度の高い検知マークの部分が剥離カスに含まれている場合には、剥離カスが目立って製品品位の低下につながり、さらには、顔料が含まれていることから、当該剥離カスでは検知マークが含まれていない他の樹脂層よりも一層、裁断時に剥離しやすいものとなっていた。
また、転写箔では、通常、フィルム状基材を挟んで樹脂層が形成されている面と反対側の面に、接着層が転写時以外に接着するのを防止するのための加工処理として、いわゆるブロッキング処理がなされている。これに対し、特許文献2では、フィルム状基材上の転写層、すなわち樹脂層が設けられている側の面とは反対側の面にバックコート層を形成させ、このバックコート層上に検知マークを設けることで、転写時以外の接着防止を試みつつ、転写時の検知マークによる記録材への摺動防止が試みられている。
特開平9−109565号公報 特開2004−1300号公報
しかしながらこの場合、ブロッキング面は、通常、その目的から表面が荒れているので、その面に検知マークを設けるとエッジが滲むなど、印刷精度が劣ったり、あるいは、転写箔をロール状に巻いて使用する際には、保管時に接着層と隣接する検知マークとが密着したり、使用時に接着層と検知マークとが摺動してしまうことで検知マークが剥離してしまう弊害が生じた。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、検知マークの剥離を防止し、正確に検知マークを検出させることができる転写箔の提供を目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
フィルム状基材上に剥離可能に形成され、加熱されることで被熱部分が剥離されて記録材上に転写される複数の透明樹脂層と、
前記透明樹脂層の位置を検知するための検知マークとを備えた転写箔において、
前記検知マークは、前記フィルム状基材の幅方向の両端から離れて形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、検知マークは、フィルム状基材の幅方向の両端から離れて形成されているため、最終製品幅に裁断して当該マークを含む転写箔を形成する際に、裁断時に当該検知マークに裁断用の刃が当接することがない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の転写箔において、
前記検知マークは、前記フィルム状基材に対し前記透明樹脂層が形成されている側の面と同一面に形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、検知マークは、フィルム状基材に対し前記透明樹脂層が形成されている側の面と同一面に形成されているので、転写箔をロール状に巻回させた場合に、フィルム状基材を挟んで接着層と検知マークが形成されることがなく、検知マークが接着層と隣接することがない。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の転写箔において、
前記検知マークは、前記フィルム状基材の幅方向の両端から0.5mm以上4.0mm以下離れて形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、検知マークを、フィルム状基材の幅方向の両端から0.5mm以上4.0mm以下離れて形成させることで請求項1又は請求項2と同様の作用を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、裁断端部が剥離して製品中に検知マークを含む剥離カスが混入するのを防止し、正確に検知マークを検出させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、保管時に接着層に密着したり、あるいは、使用時に検知マークが隣接する接着層と摺動して剥離してしまうような弊害を防ぐことができる。また、検知マークが、フィルム状基材に対し透明樹脂層が形成されている側の面と反対側の面に形成されている場合に比べ、エッジが滲むことがなく、印刷精度が劣るのを防ぐことができる。
請求項3に記載の発明によれば、検知マークを、幅方向の両端から0.5mm以上4.0mm以下離れて形成させた場合に、検知マークの剥離を確実に防止し、より正確に検知マークを検出させることができる。
以下に本発明の一実施の形態につき図1〜図8を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
本発明の転写箔は、カード等の被熱転写媒体と組み合わされてホットスタンプ装置に用いられるものであり、図1に示すように、転写箔1は、支持体としてのフィルム状基材2を有している。
フィルム状基材2は、長尺状に形成されており、その材料としては、従来から転写箔に使用されるものであればいずれのものも適用させることが可能である。例えば、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルムなどが挙げられる。また、フィルム状基材2の厚さは2〜30μmのものが好ましい。
このフィルム状基材2の一面(図1における上側)には、加熱されることによりフィルム状基材2と剥離可能な離型層3が全域に渡って形成されている。離型層3としては、従来より用いられているワックス剤などが適用可能であり、特に制限されない。
離型層3の上面には、加熱されることにより加熱部分が被熱転写媒体上に転写し、被熱転写媒体に耐磨耗性や耐傷性、表面光沢の改善や褪色防止などの各種機能を付与する樹脂層4が形成されている。ここでは、樹脂層4は複数の保護膜が積層されて構成されており、離型層3の上面には、被熱転写媒体に転写されてその耐傷性を向上させる光硬化性樹脂層5が全域に渡って形成されている。光硬化性樹脂層5としては、活性光線硬化性樹脂を主成分とするものが用いられて形成されており、これに適宜紫外線吸収剤、光安定剤又は酸化防止剤などを添加することによりその耐光性及び耐薬品性を向上させることも可能である。
なお、前記活性光線硬化性樹脂は、付加重合性又は開環重合性を有するものであり、活性光線を照射されることにより重合反応が開始するようになっている。このような付加重合性を有する化合物としては、例えば、ラジカル重合性の化合物やカチオン重合性の化合物などが挙げられる。ラジカル重合性の化合物は、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物であり、モノマー、オリゴマー、ポリマーなどの化学形態のものが含まれる。ラジカル重合成化合物は一種類のみ用いてもよく、目的とする特性を向上させるために任意の比率で二種以上を併用してもよい。カチオン重合性の化合物は、カチオン重合により高分子化反応が進行する化合物であり、例えば、一分子中に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物や、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、ビニルエーテル類、N−ビニル化合物類などが挙げられる。
また、光硬化性樹脂層5の層厚は、スクラッチ強度及び転写後の剥離防止の観点から、3〜15g/mであることが好ましく、より好ましくは3〜13g/m、さらに好ましくは5〜13g/mである。
光硬化性樹脂層5の上面には、被熱転写媒体に転写されてその保護膜となる成分を含有する複数種類の透明樹脂層6が、当該転写箔1の巻回方向に沿って所定の間隔で順に形成されている。ここでは、以下の記載において、便宜上、複数種類の透明樹脂層6を樹脂層A及び樹脂層Bとして説明するが、樹脂層A及び樹脂層Bは、2種類に限定されるものではない。このように形成された樹脂層A及び樹脂層Bでは、加熱されることで被熱転写媒体に転写される際に、樹脂層A及び樹脂層Bに含有された異なる保護膜成分が、被熱転写媒体に順次転写されることにより被熱転写媒体上に複数種類の透明樹脂層6を積層するようになっている。
また、樹脂層A及び樹脂層Bは、被熱転写媒体の保護膜という観点から、主成分として熱転写が可能な透明性の樹脂組成物を含有しており、前記樹脂組成物には、被熱転写媒体に転写される際に、被熱転写媒体に目的とする性能を付与するための種々の添加剤などが混入されている。樹脂層A及び樹脂層Bに混入される添加剤の量や、樹脂層の厚さ、塗工溶剤組成などに特に制限は無く、所望の保護膜の性能に応じて適宜変更可能である。
ここで、樹脂層A及び樹脂層Bの組み合わせとしては、例えば、被熱転写媒体に耐性の機能を付与する場合には、樹脂層Aを紫外線防止剤や酸化防止剤、光安定剤等を添加して形成するとともに、樹脂層Bとして光硬化性樹脂層を形成するのが好ましい。このような樹脂層A及び樹脂層Bを備える転写箔を用いて被転写物に保護膜を形成させると、まず被転写物には樹脂層Aの保護膜成分が転写されて耐光性の高い保護膜が形成される。続いて、被転写物の前記保護膜の上面には樹脂層Bの保護膜成分が転写されて耐傷性の高い保護膜が形成される。
被転写物に偽変造防止の性質を付与したい場合には、樹脂層Aを光学変換素子層(例えば、ホログラム層など)とするとともに、樹脂層Bは光硬化性樹脂層又は表面保護性を有する層として形成するのが好ましい。このような樹脂層A及び樹脂層Bを備える転写箔を用いて被転写物に保護膜を形成させると、まず被転写物には樹脂層Aの保護膜成分が転写されて光学変換層が形成される。続いて、被転写物の前記光学変換層の上面には、樹脂層Bの保護膜成分が転写されて耐性の高い保護膜が形成される。
図2に示すように、光硬化性樹脂層1の上面であって、樹脂層Aと樹脂層Bとの間には、検知マーク7A,7Bが設けられている。検知マーク7A,7Bは、着色成分と樹脂成分とを含有するインク組成物であり、光学式センサあるいは目視により検出されるようになっている。
また、検知マーク7A,7Bは被熱転写媒体上に順次積層される樹脂層A及び樹脂層Bに対応するそれぞれ異なる種類のマークであり、光学式センサに検出させた際に、光学式センサに検知マーク7Aを樹脂層Aの転写開始位置、検知マーク7Bを樹脂層Bの転写開始位置をとして認識させ、樹脂層Aと樹脂層Bとを区別させることができるようになっている。
例えば検知マーク7A,7Bは、複数の線を組み合わせて表される図形とすることが可能であり、図2に示すように、転写箔1の幅方向に沿って1本線からなる検知マーク7Aと、転写箔1の幅方向に沿って2本線からなる検知マーク7Bとが、光硬化性樹脂層5上に形成されている。検知マーク7A,7Bを構成する線の幅は、光学式センサで確実に検出させる必要があるため、0.5mm以上が好ましく、特に1mm以上であることが好ましい。なお、検知マーク7Bは、2本線である必要はなく、検知マーク7Aと太さや長さが異なる等、検知マーク7Aと区別できるものであれば、1本線であってもよい。
そして、このような検知マーク7A,7Bは、転写箔1の幅方向の両端から所定の距離だけ離れるように形成されている。検知マーク7A,7Bを幅方向の両端から離す好ましい距離は、0.5mm以上4.0mm以下であり、更に好ましくは、0.8mm以上3.0mm以下である。
なお、検知マーク7A,7Bは、前述の例に限らず、図4のように、転写箔1の長さ方向を軸として検知マーク7A,7Bがそれぞれ二分割された検知マーク8A,8A,8B,8Bであってもよいし、図5のように、転写箔1の幅方向においての検知マーク7A,7Bの長さをそれぞれ短縮させた検知マーク9A,9Bであってもよい。また、図6のように、転写箔1の幅方向に沿って1本線からなる検知マーク10Aと、検知マーク10Aと転写箔1の幅方向における長さが異なる検知マーク10Bとしてもよいし、図7のように、検知マーク10Aと検知マーク10Bが転写箔1の長さ方向を軸として対称に描かれた検知マーク11A,11A,11B,11Bであってもよい。
このような検知マーク7A,7Bに含有される着色成分としては、制限はなく、顔料及び染料のいずれも用いることができる。しかしながら、その目的から着色成分に、光学濃度が高いインクを使用することが好ましく、染料より顔料を用いることが好ましい。例えば、ブラックインク用としてカーボンブラック、シアン系のインク用としてβフタロシアニン系やアルミニウムフタロシアニン系、マゼンタ系のインク用としてキナクドリン系の顔料を用いることができる。中でも、透明性の樹脂組成物からなる樹脂層A及び樹脂層Bと比較して、光センサから照射された光の透過濃度の差異を大きくするため、カーボンブラックが好ましい。
検知マーク7A,7Bに含まれる樹脂成分としては、前記着色成分を被覆しかつ前記着色成分の凝集を防止する樹脂が適用可能であり、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキット樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。樹脂成分の選択は、用いる着色成分に対応させており、前記樹脂を複数種類混合させて用いることとしてもよい。
また、樹脂成分のガラス転移温度は40〜130℃のものが好ましい。ガラス転移温度が40℃より低いとブロッキング現象が起こるおそれがあり、130℃より高いと光硬化性樹脂層1の上面への塗布が困難になるという問題がある。
また、検知マーク7A,7Bの厚さは0.5〜5μm程度であることが好ましい。検知マーク7A,7Bの厚さを前記範囲にすることにより、光学式センサあるいは目視によって検知マーク7A,7Bが検出可能な透過濃度を確保しつつ、転写箔が巻回された際に接触するフィルム状基材2の他面側(図1における下面)に形状転写することを防止する。
このように形成された樹脂層4の上面には、被熱転写媒体に接着するための接着層8が形成されている。接着層8としては、従来公知のものが適用できるが、被熱転写媒体への接着性の向上のためにホットメルト樹脂又は樹脂軟化点が130℃程度の熱溶融樹脂が含有されることが好ましい。
なお、このような構成の転写箔1は、フィルム基材2上にグラビア、フレキソロール、バーコート等の各種の印刷法及び塗工法を用いて順次保護膜を形成させることで製造可能である。
次にこのような転写箔1により得られる作用について説明する。
転写箔1を製造するに当たり、検知マーク7A,7Bを転写箔1の幅方向の両端から離して転写箔1を形成するには、図3に示すように、検知マーク7A,7Bを1m弱から2m強程度の幅のフィルム基材2上に印刷した後に、最終製品幅に裁断することで行う。その際に、例えば転写箔1の幅方向の両端から離れる距離(距離a)が1mmであるならば、フィルム基材2に対し、転写箔1の幅方向にあたる方向(方向X)の両端を1mm空けた状態で、方向Xの検知マーク7A,7B間の距離(距離b)が距離aの2倍となる、つまり、ここでは2mmとなるように検知マーク7A,7Bを印刷する。そして、このフィルム状基材2に対し、方向Xにおける検知マーク7A,7B間の距離が等分されるように、転写箔1の長さ方向にあたる方向(方向Y)に沿って、検知マーク7A,7B間(点線)を裁断する。つまり、ここでは方向Yに沿って、ちょうど検知マーク7A,7Bが印刷されていない2mmの領域の中心を通るように裁断する。
しかし、ここで検知マーク7A,7Bが転写箔1の幅方向の両端から離れる距離が0.5mm未満であると、検知マーク間1mm未満の領域の中心を通るように裁断しなければならなくなり、裁断制御が困難になり、転写箔1の製品収率を低下させる問題が生じてしまう。
一方、検知マーク7A,7Bが転写箔1の幅方向の両端から離れる距離が4.0mmを超えてしまうと、光学式センサにより転写箔を搬送させながら検知マークを検出させる際に、転写箔の搬送ずれ等のためにセンサ位置から検知マークが外れてしまう現象が生じ、検知マークを検出せずに空送りする危険性が生じてしまう。
そこで、前述のように転写箔の幅方向端部からの距離を定めることにより、転写箔1では、図8(a)〜図8(e)に示すように検知マークが転写箔の幅手一側あるいは両側に形成されている場合に比べ、転写箔1の製造過程において長尺状に裁断して最終製品である転写箔1を形成する際に、当該検知マーク7A,7B間を裁断することで、裁断時に裁断用の刃が当接するのを防いでいる。
また、転写箔1を保管するに当たり、検知マーク7A,7Bを光硬化性樹脂層5上に形成させることで、転写箔1をロール状に巻回させて保管させた場合でも、従来のようにフィルム状基材を挟んで接着層と検知マークが形成されることがなく、検知マーク7A,7Bが接着層8と隣接するのを防いでいる。
したがって、本実施形態にかかる転写箔1によれば、転写箔1の製造過程において、裁断時に当該検知マーク7A,7Bに裁断用の刃が当接することがないので、裁断端部が剥離して製品中に検知マーク7A,7Bを含む剥離カスが混入するのを防止することができ、光学式センサに検知マーク7A,7Bを正確に検出させることができる。
また、離型層3に対し、検知マーク7A,7Bが設けられた面と同一面に接着層8があるので、転写箔1をロール状に巻回させて使用した場合であっても、転写箔1を繰り出した際に検知マーク7A,7Bと接着層8とが摺動したり、保管時に検知マーク7A,7Bと接着層8とが接して密着してしまうのを防ぐことができ、これにより転写箔1を剥離させるような弊害を防ぐことができる。また、表面が粗いブロッキング面に検知マークを設けることもないので、検知マーク7A,7Bのエッジが滲むなど、印刷精度を劣化させてしまうような弊害を防ぐことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限らず、適宜変更可能であることはもちろんである。
例えば、本実施形態において,検知マーク7A,7Bを光硬化性樹脂層5上に設けたが、フィルム状基材2に対し透明樹脂層6が形成されている側の面と同一面に形成されていれば、他の層中に形成する構成としてもよい。
また、透明樹脂層6及び検知マーク7A,7Bと、接着層8又は光硬化性樹脂層5との間に他の機能を施した中間層を設けてもよい。
また、各透明樹脂層6ごとにその層厚を変更してもよい。例えば、樹脂層Aを光学変更素子層とし、樹脂層Bを光硬化性樹脂層として、樹脂層Bを樹脂層Aより厚い層とした場合には、樹脂層Aと樹脂層Bの層厚が同じ場合に比べ、樹脂層Bの膜厚が厚い分、樹脂層Bに含まれる保護膜成分を大量に転写させることができ、より耐傷性の高い保護膜形成させることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔転写箔の作製〕
まず、以下に示すようにして転写箔のサンプル1〜サンプル9をそれぞれ作製した。
(1)サンプル1の作成
支持体には厚さ25μm、幅1040mm、長さ2000mのダイアホイルヘキスト株式会社製ポリエチレンテレフタレートを用い、片面に下記処方の離型層0.02μmを塗布した。
(離型層)
タフテックスM−1913(旭化成株式会社製) 5部
カルナバワックス 5部
トルエン 90部
一方、光硬化性樹脂層の作製にあたり、窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタアクリル酸メチル73部、スチレン15部、メタアクリル酸12部とエタノール500部、α、α’−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部、グリシジルメタクリレート1部を加え、3時間反応させ、光硬化性樹脂層添加用アクリル系共重合体の合成バインダー1を得た。そして、下記の処方の光硬化性樹脂層10μmを離型層に対して支持体が形成されている面と反対側の面に塗布した。
(光硬化性樹脂層)
合成バインダー1 48部
NKエステルA−9300(新中村化学社製) 35部
NKオリゴEA−1020(新中村化学社製) 12部
イルガキュア184(日本チバガイギー社製) 5部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
塗布後の光硬化性樹脂層を、90℃,30sec乾燥させた後、水銀灯(300mJ/cm)で光硬化を行った。
その後、この光硬化性樹脂層上に下記の処方の樹脂層A 1.0μm、樹脂層B 2.0μm、検知マークA,B 1.0μmを図3のように順にグラビア印刷を行った。
その際、検知マークの位置を最終製品形態である転写箔において、その幅方向の両端から0.3mm離れた位置に形成させる(距離a=0.3mmとなる)ことを狙いとして、支持体に対し、方向Xの両端を0.3mm空けた状態で、距離bが0.6mmとなるように検知マークA,Bを印刷し、サンプル1を得た。
なお、グラビア印刷後、樹脂層A,Bに含まれる硬化剤の硬化のため、50℃、24時間の安置させる処理を行った。その後、樹脂層A,B、検知マークを順に印刷した後、樹脂層及び検知マーク上に接着層を0.3μm塗工し、70℃、30sec乾燥を行った。
(樹脂層A)
エスレックBX−1(積水化学株式会社製、ポリビニルブチラール樹脂) 50部
タフレックスM−1913(旭化成株式会社製) 30部
コロネートHX(日本ポリウレタン製、ポリイソシアネート) 20部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
(樹脂層B)
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学株式会社製、エスレックBX−1) 10部
タフレックスM−1913(旭化成株式会社製) 70部
コロネートHX(日本ポリウレタン製、ポリイソシアネート) 20部
チヌビン928(チバガイギー製) 10部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
(検知マーク)
カーボンブラック 15部
アクリル樹脂 20部
シクロヘキサン 25部
イソプロピルアルコール 10部
酢酸エチル 10部
エタノール 10部
メタノール 10部
(接着層)
ハイテックS6254B(東邦化学工業株式会社製、ウレタン変性エチレンエチルアクリルレート共重合体) 80部
ジュリマーAT510(日本純薬株式会社製、ポリアクリル酸エステル共重合体)20部
水 50部
エタノール 50部
(2)サンプル2の作成
前述のサンプル1の作製において、距離aを0.5mmとしたものをサンプル2とした。
(3)サンプル3の作成
前述のサンプル1の作製において、距離aを0.8mmとしたものをサンプル3とした。
(4)サンプル4の作成
前述のサンプル1の作製において、距離aを2.0mmとしたものをサンプル4とした。
(5)サンプル5の作成
前述のサンプル1の作製において、距離aを3.0mmとしたものをサンプル5とした。
(6)サンプル6の作成
前述のサンプル1の作製において、距離aを4.0mmとしたものをサンプル6とした。
(7)サンプル7の作成
比較例として、前述のサンプル1の作製において、距離aを4.5mmとしたものをサンプル7とした。
(8)サンプル8の作成
比較例として、前述のサンプル1の作製において、距離aを0mmとしたものをサンプル8とした。
(9)サンプル9の作成
比較例として、前述のサンプル5の作製において、検知マークを支持体を挟んで最表面に接着層を形成した光硬化性樹脂層などの他層が形成されている側の面と反対側の面に形成させたものをサンプル9とした。
〔評価〕
以上の様にして得られたサンプル1〜サンプル9のそれぞれについて幅65mmに裁断して、最終製品の転写箔を製造する際に次のような評価を行った。
前述のようにして得られたサンプル1〜サンプル8を裁断する際に、ラインスピードが速いと、裁断位置が方向Xにおける検知マークA,B間の中心(図3における点線)からずれてしまい、得られる転写箔で、検知マークのその幅方向における両端からの距離にずれが生じてしまう傾向がある。そこで、各サンプルにおいて、狙いどおりの位置で裁断できず、位置ずれし始めるラインスピードをスリット限界速度として評価した。
また、ラインスピード20m/分で、長さ2000mに裁断した際に、裁断カスに検知マークが含まれているか、黒色フィルム状の物質が裁断用の刃に付着したかどうかを観察することで、裁断用の刃への付着を評価した。
また、検知マーク検出テストとして、長さ200mに裁断して各サンプルについての転写箔を得た後、公知のホットスタンプ装置にセットして、カード200枚に対し、樹脂層A及び樹脂層Bを積層するように順次転写し、合計400回の転写、つまり検知マークの検出を400回行った。その際、このホットスタンプ装置には、検知マークを検出する光学式センサが備えられており、光学式センサは転写箔の幅方向の一端から中心側に向かって6mmの位置に幅0.5mmのスリッタが設けられた透過型センサを用いて、出力される電圧値の変化により検知マークを検出するようになっている。ここでは、このようなホットスタンプ装置を用いて、転写箔を20cm/秒の相対速度で搬送し、透過濃度の1.3以上の変化を検知マークの認識として検出させた場合に、転写箔が所定の位置で停止するかどうかを評価した。なお、スリット限界速度及び裁断用の刃への付着、並びに検知マーク検出テストの評価の結果をそれぞれ表1に示す。
Figure 2006347007
その結果、表1に示すように、最終製品である転写箔において、検知マークがその幅方向全域に形成されているサンプル8の場合では、裁断用の刃への付着が観察されるのに対し、検知マークがその幅方向両端から離れて形成されているサンプル1〜サンプル7の場合には、裁断用の刃への付着が観察されず、裁断時の裁断カスに検知マークを混入させない形態として、サンプル1〜サンプル7が好ましいことがわかる。
また、スリット限界速度はサンプル1が25m/分、サンプル2が30m/分、サンプル3からサンプル8が40m/分であり、裁断用の刃への付着が観察されないサンプル(サンプル1〜サンプル7)でもスリット限界速度は25m/分以上に保つことができ、転写箔の製造ラインとして、ある程度のラインスピードを維持して転写箔を製造することが可能であることがわかった。
また、検知マーク検出テストでは、サンプル1〜サンプル5では誤動作することがなく、所定の位置で停止させることができるのに対し、サンプル6では5回、サンプル7では20回、センサが検知マークを認識せず空送りをした。
次に、前述の方法で得られたサンプル5及びサンプル9について長さ200mに裁断された転写箔を作製し、保存テストとして次のような評価を行った。
得られた転写箔を、外形35mmのコア芯に巻回させ、40℃、80%RH条件下で一ヶ月放置した後に、検知マークから支持体への転写の有無を確認した。
その結果、サンプル5では、検知マークから支持体への転写を確認できなかったが、サンプル9では、検知マークから支持体への転写を確認した。したがって、本発明に係る転写箔は、検知マークを支持体を挟んで最表面に接着層を形成した光硬化性樹脂層などの他層が形成されている側の面と同一面に設けることが好ましい。
したがって、これら前述の4つの評価観点から本発明に係る転写箔は、検知マークが支持体を挟んで最表面に接着層を形成した光硬化性樹脂層などの他層が形成されている側の面と同一面に設けられ、かつ、転写箔の幅方向両端から離れて形成されているサンプル1〜サンプル7であり、より好ましくは、0.5mm以上4.0mm以下の位置に検知マークがあるサンプル2〜サンプル6であり、さらに好ましくは、0.8mm以上3.0mm以下の位置に検知マークがあるサンプル3〜サンプル5である。
本発明に係る転写箔の縦断面図である。 本発明に係る転写箔の上面図である。 本発明に係る転写箔の上面図である。 本発明に係る転写箔の上面図である。 本発明に係る転写箔の上面図である。 本発明に係る転写箔の上面図である。 本発明に係る転写箔を製造する際の説明図である。 検知マークの位置を説明するための従来の転写箔の横断面図である。
符号の説明
1 転写箔
2 フィルム状基材
3 離型層
4 樹脂層
5 光硬化性樹脂層
6 透明樹脂層
A,B 樹脂層
7A〜11A,7B〜11B 検知マーク
8 接着層

Claims (3)

  1. フィルム状基材上に剥離可能に形成され、加熱されることで被熱部分が剥離されて記録材上に転写される複数の透明樹脂層と、
    前記複数の透明樹脂層の位置を検知するための検知マークとを備えた転写箔において、
    前記検知マークは、前記フィルム状基材の幅方向の両端から離れて形成されていることを特徴とする転写箔。
  2. 前記検知マークは、前記フィルム状基材に対し前記透明樹脂層が形成されている側の面と同一面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の転写箔。
  3. 前記検知マークは、前記フィルム状基材の幅方向の両端から0.5mm以上4.0mm以下離れて形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転写箔。
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