JP2006347006A - 転写箔 - Google Patents
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Abstract
【課題】収率を低下させることがなく、巻回方向を判別することができる転写箔を提供すること。
【解決手段】基材上に剥離可能に形成され、加熱されることで被熱部分が剥離されて記録材上に転写される複数の透明樹脂層6と、透明樹脂層6の位置を検知するための検知マーク7A,7Bとを備えた転写箔において、検知マーク7A,7Bは幅方向全域に形成された複数の透明樹脂層6ごとに異なるマークであり、少なくとも1つが方向を判別することが可能な方向判別マークである。
【選択図】図1
【解決手段】基材上に剥離可能に形成され、加熱されることで被熱部分が剥離されて記録材上に転写される複数の透明樹脂層6と、透明樹脂層6の位置を検知するための検知マーク7A,7Bとを備えた転写箔において、検知マーク7A,7Bは幅方向全域に形成された複数の透明樹脂層6ごとに異なるマークであり、少なくとも1つが方向を判別することが可能な方向判別マークである。
【選択図】図1
Description
本発明は、転写箔に係り、特に位置合わせのための検知マークを有する転写箔に関する。
従来、チケットやIDカード等の記録材に記録材の損傷や変質あるいは偽造・変造を防止するために記録材表面に保護膜を形成することが広く行われている。
そして、この保護膜形成に使用する装置としては、ホットスタンプ装置が知られており、この装置では、長尺状のフィルム基材上に保護膜である樹脂層が付設されて形成された転写箔の両端が一対の回転自在な軸部材に保持されて巻回された状態で転写用カートリッジに収容されるようになっている。そして、保護膜形成時では、転写用カートリッジから転写箔を順次繰り出して、その樹脂層を記録材上に重ね合わせ、フィルム基材を介して記録材にヒートローラを押圧することにより転写箔から記録材表面へ樹脂層を熱転写するようになっている。
ここで、保護膜形成おいて、複数の機能を両立させたり、より高度な機能を保持させたい等の場合には、転写箔の積層が行われる。例えば、磨耗性と褪色性の防止を目的とした場合には、フィルム基材上に耐磨耗性の樹脂層と、耐褪色性の樹脂層とが、その長さ方向に交互に形成された転写箔を用いて記録材上に耐磨耗性の樹脂層を熱転写した後、耐磨耗性の樹脂層が転写された記録材上に耐褪色性の樹脂層を熱転写する。その際、転写箔は、積層される樹脂層ごとに位置合わせが行われた状態で熱転写されており、位置合わせを行うための検知マークを転写箔には付されている。
転写箔に付される検知マークとしては、光学式センサにより検出することが可能なマークが広く用いられており、太さ(幅)の異なる線等、照射された光の濃度変化を検出することが容易な図形が用いられる。例えば、図4及び図5に示すように、1本線からなる検知マーク9A,10Aと、同幅の2本線からなる検知マーク9B,10Bとがフィルム基材上の樹脂層Aと樹脂層Bとの境界であって、転写箔の幅方向における全域若しくは一側に設けられている(特許文献1及び特許文献2参照)。
ところで、このような転写箔は、通常1m弱〜2m強程度の幅の基材フィルム上に樹脂層の材料が塗布あるいは印刷がなされた後、最終製品幅に裁断されることで製造されている。ここで、図5に示すような検知マークが最終製品幅の一部にしかない転写箔では、最終製品幅に裁断する際に裁断位置の精度を厳密にすることができず、検知マークの位置が幅方向にX分、ずれてしまうことがあった(図6参照)そして、このような検知マークの位置がずれた転写箔では、光学式センサによる検知マークの検出を正確に行うことができず、製品の歩留まりを低下させて転写箔の製造過程の前後における製品収率を大幅に低下させてしまうという問題が生じていた。これに対し、裁断時のラインスピードを減速させることで、歩留まりの低下の解消を試みるというアイデアはあるものの、転写箔の製造過程における製品収率を大幅に低下させてしまうという問題は解消されないままであった。
一方、転写箔の製造現場やその使用現場では、転写箔を巻き直す場合や、ホットスタンプ装置に装着する場合など何らかの目的により、転写箔の巻回方向を判別したいという要望があった。
これに対し、複数の色材層からなる色材層群が繰り返してフィルム基材上に形成されるインクリボンや熱転写シートでは、繰り返し単位の先頭1色目の位置を検出するための第1の検知マークと2色目以降の位置を検知するための第2の検知マークを配し、少なくともこれら検知マーク及び色材層の色の違いにより、巻き方向の判別が行われていた(特許文献1及び特許文献2参照。)。
特開平9−109565号公報
特開平8−25769号公報
しかしながら、複数の透明樹脂を積層して形成される転写箔の場合、地色が透明であるため転写箔の表裏がわかりづらく、特に製品幅全域に検知マークが設けられている場合には、検知マークの種類によっては当該製品の巻回方向を判別することが不可能な場合が生じていた。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、収率を低下させることがなく、巻回方向を判別することができる転写箔の提供を目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
基材上に剥離可能に形成され、加熱されることで被熱部分が剥離されて記録材上に転写される複数の透明樹脂層と、
前記透明樹脂層の位置を検知するための検知マークとを備えた転写箔において、
前記検知マークは幅方向全域に形成された前記複数の透明樹脂層ごとに異なるマークであり、少なくとも1つが方向を判別することが可能な方向判別マークであることを特徴とする。
基材上に剥離可能に形成され、加熱されることで被熱部分が剥離されて記録材上に転写される複数の透明樹脂層と、
前記透明樹脂層の位置を検知するための検知マークとを備えた転写箔において、
前記検知マークは幅方向全域に形成された前記複数の透明樹脂層ごとに異なるマークであり、少なくとも1つが方向を判別することが可能な方向判別マークであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、透明樹脂層ごとに異なる検知マークが幅方向全域に形成されるため、転写箔を最終製品幅に裁断する際に、裁断位置の精度に煩わされることがなく、製品収率の低下を防止することができる。また、少なくとも1つの検知マークを方向判別マークとすることで、複数ある検知マークの中からセンサや目視等により当該マークを検出することで転写箔の向きを判別することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の転写箔において、
前記方向判別マークは、180度回転させたときに、その前後において一致しない文字及び/又は図形であることを特徴とする。
前記方向判別マークは、180度回転させたときに、その前後において一致しない文字及び/又は図形であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記方向判別マークは、180度回転させたときに、その前後において一致しない文字及び/又は図形である。つまり、方向判別マークを180度回転させる前後において、一致しない文字及び/又は図形とすることで、当該マークの向きを判別することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の転写箔において、
前記方向判別マークは、太さの異なる複数の線を組み合わせて表される図形であることを特徴とする。
前記方向判別マークは、太さの異なる複数の線を組み合わせて表される図形であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、方向判別マークは、180度回転させたときに、その前後において一致しない文字及び/又は図形のうち、例えば太さの異なる複数の線を組み合わせて表される図形とすることができる。
請求項1に記載の発明によれば、製品収率を低下させることがなく、転写箔の向きを判別することができる。
請求項2に記載の発明によれば、検知マークのうち、方向判別マークに該当しないものが存在した場合でも、転写箔の向きを判別することができる。
請求項3に記載の発明によれば、判別された方向判別マークの向きに基づき、転写箔の向きを判別することができる。
請求項4に記載の発明によれば、方向判別マークとして、太さの異なる複数の線を組み合わせて表される図形を形成させた場合にも、転写箔の向きを判別することができる。
以下に本発明の一実施の形態につき図1〜図6を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
本発明の転写箔は、カード等の被熱転写媒体と組み合わされてホットスタンプ装置に用いられるものであり、図1に示すように、転写箔1は、支持体としてのフィルム状基材2を有している。
フィルム状基材2は、長尺状に形成されており、その材料としては、従来から転写箔に使用されるものであればいずれのものを適用させること可能である。例えば、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルムなどが挙げられる。また、フィルム状基材2の厚さは2〜30μmのものが好ましい。
このフィルム状基材2の一面(図1における上側)には、加熱されることによりフィルム状基材1と剥離可能な離型層3が全域に渡って形成されている。離型層3としては、従来より用いられているワックス剤などが適用可能であり、特に制限されない。
離型層3の上面には、加熱されることにより加熱部分が被熱転写媒体上に転写し、被熱転写媒体に耐磨耗性や耐傷性、表面光沢の改善や褪色防止などの各種機能を付与する樹脂層4が形成されている。ここでは、樹脂層4は複数の保護膜が積層されて構成されており、離型層3の上面には、被熱転写媒体に転写されてその耐傷性を向上させる光硬化性樹脂層5が全域に渡って形成されている。光硬化性樹脂層5としては、活性光線硬化性樹脂を主成分とするものが用いられて形成されており、これに適宜紫外線吸収剤、光安定剤又は酸化防止剤などを添加することによりその耐光性及び耐薬品性を向上させることも可能である。
なお、前記活性光線硬化性樹脂は、付加重合性又は開環重合性を有するものであり、活性光線を照射されることにより重合反応が開始するようになっている。このような付加重合性を有する化合物としては、例えば、ラジカル重合性の化合物やカチオン重合性の化合物などが挙げられる。ラジカル重合性の化合物は、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物であり、モノマー、オリゴマー、ポリマーなどの化学形態のものが含まれる。ラジカル重合成化合物は一種類のみ用いてもよく、目的とする特性を向上させるために任意の比率で二種以上を併用してもよい。カチオン重合性の化合物は、カチオン重合により高分子化反応が進行する化合物であり、例えば、一分子中に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物や、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、ビニルエーテル類、N−ビニル化合物類などが挙げられる。
また、光硬化性樹脂層5の層厚は、スクラッチ強度及び転写後の剥離防止の観点から、3〜15g/m2であることが好ましく、より好ましくは3〜13g/m2、さらに好ましくは5〜13g/m2である。
光硬化性樹脂層5の上面には、被熱転写媒体に転写されてその保護膜となる成分を含有する複数種類の透明樹脂層6が、当該転写箔1の巻回方向に沿って所定の間隔で順に形成されている。ここでは、以下の記載において、便宜上、複数種類の透明樹脂層6を樹脂層A及び樹脂層Bとして説明するが、樹脂層A及び樹脂層Bは、2種類に限定されるものではない。このように形成された樹脂層A及び樹脂層Bでは、加熱されることで被熱転写媒体に転写される際に、樹脂層A及び樹脂層Bに含有された異なる保護膜成分が、被熱転写媒体に順次転写されることにより被熱転写媒体上に複数種類の透明樹脂層を積層するようになっている。
被熱転写媒体の保護膜という観点から、樹脂層A及び樹脂層Bは、主成分として熱転写が可能な透明性の樹脂組成物を含有しており、前記樹脂組成物には、被熱転写媒体に転写される際に、被熱転写媒体に目的とする性能を付与するための種々の添加剤などが混入されている。樹脂層A及び樹脂層Bに混入される添加剤の量や、樹脂層の厚さ、塗工溶剤組成などに特に制限は無く、所望の保護膜の性能に応じて適宜変更可能である。
ここで、樹脂層A及び樹脂層Bの組み合わせとしては、例えば、被熱転写媒体に耐性の機能を付与する場合には、樹脂層Aを紫外線防止剤や酸化防止剤、光安定剤等を添加して形成するとともに、樹脂層Bとして光硬化性樹脂層を形成するのが好ましい。
このような樹脂層A及び樹脂層Bを備える転写箔を用いて被転写物に保護膜を形成させると、まず被転写物には樹脂層Aの保護膜成分が転写されて耐光性の高い保護膜が形成される。続いて、被転写物の前記保護膜の上面には樹脂層Bの保護膜成分が転写されて耐傷性の高い保護膜が形成される。
このような樹脂層A及び樹脂層Bを備える転写箔を用いて被転写物に保護膜を形成させると、まず被転写物には樹脂層Aの保護膜成分が転写されて耐光性の高い保護膜が形成される。続いて、被転写物の前記保護膜の上面には樹脂層Bの保護膜成分が転写されて耐傷性の高い保護膜が形成される。
被転写物に偽変造防止の性質を付与したい場合には、樹脂層Aを光学変換素子層(例えば、ホログラム層など)とするとともに、樹脂層Bは光硬化性樹脂層又は表面保護性を有する層として形成するのが好ましい。このような樹脂層A及び樹脂層Bを備える転写箔を用いて被転写物に保護膜を形成させると、まず被転写物には樹脂層Aの保護膜成分が転写されて光学変換層が形成される。続いて、被転写物の前記光学変換層の上面には、樹脂層Bの保護膜成分が転写されて耐性の高い保護膜が形成される。
図2に示すように、光硬化性樹脂層1の上面であって、樹脂層Aと樹脂層Bとの間には、転写箔1の幅方向全域にわたり所定の検知マーク7A,7Bが形成されている。
検知マーク7A,7Bは、着色成分と樹脂成分とを含有するインク組成物であり、光学式センサあるいは目視により検出されるようになっている。そのため、転写箔1では、検知マークが転写箔の長手一側に形成されている図5に示すような場合に比べ、転写箔1の製造過程において長尺状にスリットして最終製品である転写箔1を形成する際に、検知マーク7A,7Bの位置を考慮しないでスリットを行うことができ、歩留まりを向上させることができる。また、スリット位置のずれによる検知マーク7A,7Bの検出漏れを無くすことができ、確実に検知マーク7A,7Bを検出することが可能となる。
また、検知マーク7A,7Bはそれぞれ異なる種類のマークであり、被熱転写媒体上に順次積層される樹脂層A及び樹脂層Bにそれぞれ対応するようになっている。そのため、転写箔1では、光学式センサにより検知マーク7Aは樹脂層Aの転写開始位置、検知マーク7Bは樹脂層Bの転写開始位置をそれぞれ検出させることができ、樹脂層Aと樹脂層Bとを区別させることが可能になっている。
また、検知マーク7A及び検知マーク7Bのうち、少なくともいずれか一方は転写箔1の方向を判別することが可能なマーク(方向判別マーク)である。方向判別マークは、転写箔1の方向が判別可能であればその形状は問わないものであるが、当該マークとして好ましい形状は、180度回転させたときに、その前後において一致しない文字又は図形並びにその組み合わせである。そこで、次に方向判別マークの具体例について図2及び図3を参照して説明する。
方向判別マークは、太さの異なる複数の線を組み合わせて表される図形とすることが可能である。例えば、図2では、転写箔1の幅方向に沿って幅aの1本線からなる検知マーク7Aと、転写箔1の幅方向に沿って幅b及び幅cの2本線(ただし、a≠b≠c)からなる検知マーク7Bとが、光硬化性樹脂層5上に形成されている。ここで、これら検知マーク7A,7Bのうち、180度回転させたときに、その前後において一致しない図形となるのは検知マーク7Bであることから、検知マークBが方向判別マークとなっている。なお、検知マーク7A,7Bを構成する線の幅は、光学式センサで確実に検出させる必要から0.5mm以上が好ましく、特に1mm以上であることが好ましい。
あるいは、方向判別マークは、単なる文字や図形とすることが可能である。
図3aでは、図2と同様に検知マーク7Aは転写箔1の幅方向に沿って幅aの一本線であるが、検知マーク7Bは、転写箔1の幅方向に沿って描かれた文字「A」の文字列である。一方、図3bでは、図3aにおける文字列が転写箔1の幅方向に沿って描かれた記号「→」の列であり、図3cでは、図3bにおける記号「→」が、記号「▲」となったものである。この場合においても、検知マーク7A,7Bを構成する文字や図形の大きさは、前述と同様の理由により、0.5mm以上が好ましく、特に1mm以上であることが好ましい。
図3aでは、図2と同様に検知マーク7Aは転写箔1の幅方向に沿って幅aの一本線であるが、検知マーク7Bは、転写箔1の幅方向に沿って描かれた文字「A」の文字列である。一方、図3bでは、図3aにおける文字列が転写箔1の幅方向に沿って描かれた記号「→」の列であり、図3cでは、図3bにおける記号「→」が、記号「▲」となったものである。この場合においても、検知マーク7A,7Bを構成する文字や図形の大きさは、前述と同様の理由により、0.5mm以上が好ましく、特に1mm以上であることが好ましい。
このような検知マーク7A,7Bに含有される着色成分としては、制限はなく、顔料及び染料のいずれも用いることができる。しかしながら、その目的から着色成分に、光学濃度が高いインクを使用することが好ましく、染料より顔料を用いることが好ましい。例えば、ブラックインク用としてカーボンブラック、シアン系のインク用としてβフタロシアニン系やアルミニウムフタロシアニン系、マゼンタ系のインク用としてキナクドリン系の顔料を用いることができる。中でも、透明性の樹脂組成物からなる樹脂層A及び樹脂層Bと比較して、光センサから照射された光の透過濃度の差異を大きくするため、カーボンブラックが好ましい。
検知マーク7A及び検知マーク7Bに含まれる樹脂成分としては、前記着色成分を被覆しかつ前記着色成分の凝集を防止する樹脂が適用可能であり、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキット樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。樹脂成分の選択は、用いる着色成分に対応させており、前記樹脂を複数種類混合させて用いることとしてもよい。
また、樹脂成分のガラス転移温度は40〜130℃のものが好ましい。ガラス転移温度が40℃より低いとブロッキング現象が起こるおそれがあり、130℃より高いと光硬化性樹脂層1の上面への塗布が困難になるという問題がある。
また、樹脂成分のガラス転移温度は40〜130℃のものが好ましい。ガラス転移温度が40℃より低いとブロッキング現象が起こるおそれがあり、130℃より高いと光硬化性樹脂層1の上面への塗布が困難になるという問題がある。
また、検知マーク7A,7Bの厚さは0.5〜5μm程度であることが好ましい。検知マーク7A,7Bの厚さを前記範囲にすることにより、光学式センサあるいは目視によって検知マーク7A,7Bが検出可能な透過濃度を確保しつつ、転写箔が巻回された際に接触するフィルム状基材2の他面側(図1における下面)に形状転写することを防止する。
このように形成された樹脂層4の上面には、被熱転写媒体に接着するための接着層8が形成されている。接着層8としては、従来公知のものが適用できるが、被熱転写媒体への接着性の向上のためにホットメルト樹脂又は樹脂軟化点が130℃程度の熱溶融樹脂が含有されることが好ましい。
なお、このような構成の転写箔1は、フィルム基材2上にグラビア、フレキソロール、バーコート等の各種の印刷法及び塗工法を用いて離型層3上に保護膜となる樹脂層4を積層させることで製造可能である。
次にこのような転写箔1により得られる作用について説明する。
まず、転写箔1の製造は、従来公知方法を用いて、フィルム基材2上に離型層3及び光硬化性樹脂層5を形成し、この光硬化性樹脂層5上に検知マーク7A,7B及び樹脂層A,Bを印刷した後に、最終製品幅に裁断することで行われる。その際、光硬化性樹脂層5が施されたフィルム基材2に対して転写箔1の幅方向にあたる方向全域に検知マーク7A,7Bを印刷しており、その後、このフィルム基材2に対して転写箔1の長さ方向にあたる方向に沿ってフィルム基材2の端部から最終製品幅に裁断している。その結果、検知マーク7A,7Bは最終製品幅全域に形成されているので、検知マーク7A,7Bの位置ずれを生じさせずに裁断することができる。
また、製造現場や使用現場などでの転写箔1の向きを確認するには、検知マーク7A,7Bの向きをそれぞれ確認することで行う。ここで、転写箔1に形成された検知マーク7A,7Bのうち、少なくとも1つが方向判別マーク(ここでは検知マーク7B)であるので、転写箔1が逆方向を向いている場合、つまり、転写箔1が180度回転されている場合には、方向判別マークは回転前後の像が一致せず、これを光学式センサあるいは目視により検出することで、転写箔1の方向を判別することができる。これに対し、方向判別マークでない検知マーク(ここでは検知マーク7A)では逆方向を向いている場合にも自身の像が一致して、その向きを検出することができず、転写箔1の方向を判別することができない。
したがって、本実施形態にかかる転写箔1によれば、転写箔1を裁断する際に歩留まりや、裁断速度を低下させる等、裁断位置の精度を考慮することがなく裁断することができ、製品収率の低下を防止することができる。
また、製造現場や使用現場などにおいて、転写箔1の向きを確認したい場合に、複雑な構成を必要とせず、容易に転写箔の向きを判別することができる。特に、ホットスタンプ装置に光学式センサを備えた場合には、使用前に方向判別マークを目視や光学式センサなどで検出することができ、誤った向きの転写箔1の装着による誤動作を防ぐことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限らず、適宜変更可能であることはもちろんである。
例えば、本実施形態において,検知マーク7A,7Bを光硬化性樹脂層5上に設けたが、検知マーク7A,7Bは転写箔1の上面又は下面からみて、複数の透明樹脂層6の境界に形成されていれば、他の層中に形成する構成としてもよい。
また、透明樹脂層6及び検知マーク7A,7Bと、接着層8又は光硬化性樹脂層5との間に他の機能を施した中間層を設けてもよい。
また、各透明樹脂層6ごとにその層厚を変更してもよい。例えば、樹脂層Aを光学変更素子層とし、樹脂層Bを光硬化性樹脂層として、樹脂層Bを樹脂層Aより厚い層とした場合には、樹脂層Aと樹脂層Bの層厚が同じ場合に比べ、樹脂層Bの膜厚が厚い分、樹脂層Bに含まれる保護膜成分を大量に転写させることができ、より耐傷性の高い保護膜形成させることができる。
また、検知マーク7A,7Bがいずれも前述の方向判別マークであってもよい。このように形成させることで、透明樹脂層6ごとに樹脂層に対応するマークとその方向を判別することができ、透明樹脂層6ごとに転写箔1の向きを判別することが可能である。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔転写箔の作製〕
まず、以下に示すようにして転写箔のサンプルをそれぞれ作製した。
まず、以下に示すようにして転写箔のサンプルをそれぞれ作製した。
(1)サンプルの作成
支持体には厚さ25μm、幅1050mm、長さ2000mのダイアホイルヘキスト株式会社製ポリエチレンテレフタレートを用い、片面に下記処方の離型層0.02μmを塗布した。
(離型層)
タフテックスM−1913(旭化成株式会社製) 5部
カルナバワックス 5部
トルエン 90部
支持体には厚さ25μm、幅1050mm、長さ2000mのダイアホイルヘキスト株式会社製ポリエチレンテレフタレートを用い、片面に下記処方の離型層0.02μmを塗布した。
(離型層)
タフテックスM−1913(旭化成株式会社製) 5部
カルナバワックス 5部
トルエン 90部
一方、光硬化性樹脂層の作製にあたり、窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタアクリル酸メチル73部、スチレン15部、メタアクリル酸12部とエタノール500部、α、α’−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部、グリシジルメタクリレート1部を加え、3時間反応させ、光硬化性樹脂層添加用アクリル系共重合体の合成バインダー1を得た。そして、下記の処方の光硬化性樹脂層10μmを離型層に対して支持体が形成されている面と反対側の面に塗布した。
(光硬化性樹脂層)
合成バインダー1 48部
A−9300/EA−1020(新中村化学社製) 35/11.75部
イルガキュア184(日本チバガイギー社製) 5部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
(光硬化性樹脂層)
合成バインダー1 48部
A−9300/EA−1020(新中村化学社製) 35/11.75部
イルガキュア184(日本チバガイギー社製) 5部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
塗布後の光硬化性樹脂層を、90℃,30sec乾燥させた後、水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行った。
その後、この光硬化性樹脂層上に下記の処方の樹脂層A 1.0μm、樹脂層B 2.0μm、検知マーク1.0μmを光硬化性樹脂層の長さ方向に沿って順にグラビア印刷を行った。検知マークを図2に示すように光硬化性樹脂層の幅方向全域に形成したものをサンプル1とした。一方、検知マークを図5に示すように光硬化性樹脂層の幅方向一部領域に形成したものをサンプル2とした。
なお、グラビア印刷後、樹脂層A,Bに含まれる硬化剤の硬化のため、50℃、24時間安置させる処理を行った。その後、樹脂層A,B、検知マークを順に印刷した後、樹脂層及び検知マーク上に接着層を0.3μm塗工し、70℃、30sec乾燥を行った。
(樹脂層A)
ポリビニルブチラール樹脂 積水化学株式会社製 エスレックBX−1 50部
タフレックスM−1913(旭化成株式会社製) 30部
コロネートHX(ポリイソシアネート、日本ポリウレタン製) 20部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
(樹脂層B)
エスレックBX−1(ポリビニルブチラール樹脂、積水化学株式会社製) 10部
タフレックスM−1913(旭化成株式会社製) 70部
コロネートHX(日本ポリウレタン製、ポリイソシアネート) 20部
チヌビン928(チバガイギー製) 10部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
(検知マーク)
カーボンブラック 15部
アクリル樹脂 20部
シクロヘキサン 25部
イソプロピルアルコール 10部
酢酸エチル 10部
エタノール 10部
メタノール 10部
(接着層)
ハイテックS6254B(東邦化学工業株式会社製、ウレタン変性エチレンエチルアクリルレート共重合体) 80部
ジュリマーAT510(日本純薬株式会社製、ポリアクリル酸エステル共重合体)20部
水 50部
エタノール 50部
(樹脂層A)
ポリビニルブチラール樹脂 積水化学株式会社製 エスレックBX−1 50部
タフレックスM−1913(旭化成株式会社製) 30部
コロネートHX(ポリイソシアネート、日本ポリウレタン製) 20部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
(樹脂層B)
エスレックBX−1(ポリビニルブチラール樹脂、積水化学株式会社製) 10部
タフレックスM−1913(旭化成株式会社製) 70部
コロネートHX(日本ポリウレタン製、ポリイソシアネート) 20部
チヌビン928(チバガイギー製) 10部
トルエン 80部
メチルエチルケトン 20部
(検知マーク)
カーボンブラック 15部
アクリル樹脂 20部
シクロヘキサン 25部
イソプロピルアルコール 10部
酢酸エチル 10部
エタノール 10部
メタノール 10部
(接着層)
ハイテックS6254B(東邦化学工業株式会社製、ウレタン変性エチレンエチルアクリルレート共重合体) 80部
ジュリマーAT510(日本純薬株式会社製、ポリアクリル酸エステル共重合体)20部
水 50部
エタノール 50部
〔評価〕
以上の様にして得られたサンプル1及びサンプル2について、裁断時の歩留まりの評価を行った。
以上の様にして得られたサンプル1及びサンプル2について、裁断時の歩留まりの評価を行った。
具体的には、前述のようにして得られたサンプル1及びサンプル2について、従来公知の裁断機を用いて、裁断時のラインスピードを100m/分に設定し、幅63.5mm、長さ200mにわたり裁断を行った。
その結果、サンプル1では、ラインスピードを100m/分で、問題なく裁断することができた。一方、サンプル2では、ラインスピードが100m/分では、検知マークのエッジに合わせて裁断することが困難で、転写箔の幅方向で2mmの位置ずれが生じた。
1 転写箔
2 フィルム状基材
3 離型層
4 樹脂層
5 光硬化性樹脂層
6 透明樹脂層
A,B 樹脂層
7A,7B 検知マーク
8 接着層
2 フィルム状基材
3 離型層
4 樹脂層
5 光硬化性樹脂層
6 透明樹脂層
A,B 樹脂層
7A,7B 検知マーク
8 接着層
Claims (3)
- 基材上に剥離可能に形成され、加熱されることで被熱部分が剥離されて記録材上に転写される複数の透明樹脂層と、
前記透明樹脂層の位置を検知するための検知マークとを備えた転写箔において、
前記検知マークは幅方向全域に形成された前記複数の透明樹脂層ごとに異なるマークであり、少なくとも1つが方向を判別することが可能な方向判別マークであることを特徴とする転写箔。 - 前記方向判別マークは、180度回転させたときに、その前後において一致しない文字及び/又は図形であることを特徴とする請求項1に記載の転写箔。
- 前記方向判別マークは、太さの異なる複数の線を組み合わせて表される図形であることを特徴とする請求項2に記載の転写箔。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005176200A JP2006347006A (ja) | 2005-06-16 | 2005-06-16 | 転写箔 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005176200A JP2006347006A (ja) | 2005-06-16 | 2005-06-16 | 転写箔 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006347006A true JP2006347006A (ja) | 2006-12-28 |
Family
ID=37643345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005176200A Pending JP2006347006A (ja) | 2005-06-16 | 2005-06-16 | 転写箔 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006347006A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013039747A (ja) * | 2011-08-17 | 2013-02-28 | Toppan Printing Co Ltd | 転写箔及びそれを用いた成形品 |
-
2005
- 2005-06-16 JP JP2005176200A patent/JP2006347006A/ja active Pending
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