JP2006327069A - 転写箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】検知マークにおける着色成分の分布ムラが低減された転写箔を提供すること。
【解決手段】
フィルム状基材2の上面に、被転写物へ熱転写される成分を含有しかつ剥離可能な樹脂層5,6と、着色成分と樹脂成分とを含有する検知マーク7,8と、が形成された転写箔1において、転写箔1は、フィルム状基材2の上面に樹脂層5,6及び検知マーク7,8を形成させてから、少なくとも検知マーク7,8の上面に前記着色成分及び/又は前記樹脂成分の良溶媒を含む塗布液を塗布して製造されることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は転写箔に係り、特に、検知マークを有する転写箔に関する。
従来より、チケットやクーポンなどの付加価値媒体類又は身分証明書カード(IDカード)やクレジットカードなどのカード類に、ホットスタンプ装置を用いて転写箔から樹脂層を転写させる技術が知られている。このような転写箔は、長尺状のフィルム状基材の一面に樹脂層が形成されており、その両端が一対の回転自在な軸部材に保持されて巻回された状態で転写用カートリッジに収容されるようになっている。そして、ホットスタンプ装置は、転写用カートリッジから転写箔を順次繰り出すとともに、転写箔の樹脂層と被転写物のカード類とを対向させて、熱ローラ装置によりこれらを圧接させて熱転写を行うようになっている。
ここで、転写される前記樹脂層は耐磨耗性や耐傷性を有しており、光沢改善、変色防止又は偽変造防止などの効果も得られるようになっている。また、このような効果が顕著なカード類を製造する必要がある場合や複数種類の樹脂層を転写する必要がある場合、複数種類の転写箔を用いて前記ホットスタンプ装置による転写工程を行うことにより樹脂層を積層させるようになっている。
しかしながら、このようにして転写工程を行う場合、複数種類の転写箔を用いるためホットスタンプ装置全体が大型化してしまうという問題があった。そこで、図4に示すように、一つのフィルム状基材に複数種類の樹脂層(第一樹脂層33,第二樹脂層34)を巻回方向に沿って順次形成させて、これらの樹脂層間にそれぞれの樹脂層を識別可能な検知マーク30を備える転写箔31が開発されている。
このような検知マーク30としては、光学式センサによって検知可能なものが用いられている。具体的には、光学式センサに備えられた発光部から照射された光の光路を検知マーク30が通過すると、受光部によりその透過濃度に応じた電圧値が出力されるので、所定値以上の電圧を検出することにより検知マーク30を認識するようになっている。従って、光学式センサによる検知精度の向上のためには、検知マーク30の厚みを増大させて光の透過濃度の差異を顕著にする手法が考えられる。しかしながら、その場合、転写箔31が巻回された状態で長期間保存されることにより、検知マーク30が接触するフィルム状基材32の他面側に転写してしまい、検知マーク30の色ムラや形状ムラが発生して転写箔31の品位・品質が低下するという問題があった。
そこで、特許文献1に記載の発明のように、平均粒子径が30nm以下であり、かつ、DBP吸液量が80cc/100g以下であるカーボンブラックを含有するセンサーマーク部を備えるインクリボンが開発されている。このようなインクリボンとすることにより、光学式センサによるセンサーマークの検知精度を高く保ちつつ、センサーマークの厚みを抑えながら透過濃度を向上させ、センサーマークが接触する面への形状の転写を防止するようになっている。
特開2000−203166号公報
しかしながら、前記従来技術においては、転写箔の巻回収容による検知マークの形状の転写を防止することはできるものの、検知マークにおいてカーボンブラックなどの着色成分の分布ムラが発生した場合、安定した検知マークの検出が難しいという問題があった。
そこで、本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、検知マークにおける着色成分の分布ムラが低減された転写箔を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
フィルム状基材の上面に、剥離可能であり被転写物に転写される樹脂層と、着色成分と樹脂成分とを含有する検知マークと、が形成された転写箔において、
前記検知マークは、その上面に前記着色成分及び/又は前記樹脂成分の良溶媒を含む塗布液を塗布して形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、検知マークはその上面に着色成分及び/又は樹脂成分の良溶媒を含む塗布液を塗布して形成されているので、検知マークに含有される着色成分及び/又は樹脂成分が良溶媒によって分散される。すると、検知マークに含有される着色成分が直接的又は間接的に分散されて、その分布ムラが低減される。
ここで、着色成分及び/又は樹脂成分の良溶媒とは、着色成分と樹脂成分の少なくとも一方を、溶解又は膨潤させ得る溶媒のことを示すものとする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の転写箔において、
前記良溶媒は、前記塗布液中5〜80wt%含有されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記良溶媒は前記塗布液中5〜80wt%含有されているので、検知マークの着色成分の分布ムラを低減させることが可能であるとともに、着色成分が塗布液中に過剰に分散して検知マークのエッジが滲むことを防止する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の転写箔において、
前記検知マークの厚さは、0.5〜5μmであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、検知マークの厚さは0.5〜5μmであるので、光学式センサによって検知マークが検出可能な透過濃度を確保しつつ、転写箔が巻回された際に接触する箇所に転写することを防止する。
請求項1に記載の発明によれば、検知マークの着色成分が均一な転写箔とすることができるので、光学式センサなどによる検出を安定して行わせ、複数種類の樹脂層を所定の順番で被転写物に正確に転写することが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、検知マークは着色成分が均一になると共にそのエッジが滲むのを防止することが可能である。
請求項3に記載の発明によれば、光学式センサによって安定した検出が可能であるとともに、長期間保存による検知マークの転写を防止可能な転写箔とすることができる。
以下に、本発明に係る転写箔の一実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
本実施形態における転写箔1の平面図を図1に、縦断面図を図2に示す。
まず、転写箔1には、支持体としてのフィルム状基材2が備えられている。フィルム状基材2は長尺状であり、転写箔に使用されるものであれば適用可能である。フィル状基材2の一例としては、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルムなどが挙げられる。また、フィルム状基材2の厚さは2〜30μmのものが好ましい。
フィルム状基材2の一面(図2における上側)には、熱を加えることによりフィルム状基材2と剥離可能な離型層3が全域に渡って形成されている。離型層3としては、従来より用いられているものが適用可能であり、特に制限は無い。
離型層3の上面には、被転写物に転写されてその耐磨耗性や耐傷性を向上させる光硬化性樹脂層4が全域に渡って形成されている。光硬化性樹脂層4としては、従来より用いられているものが適用可能であり、例えば活性光線硬化性樹脂を主成分とするものが用いられている。なお、図面上フィルム状基材2、離型層3及び光硬化性樹脂層4のハッチングは省略した。
前記活性光線硬化性樹脂は付加重合性又は開環重合性を有するものであり、活性光線を照射されることにより重合反応が開始するようになっている。このような付加重合性を有する化合物としては、例えば、ラジカル重合性化合物やカチオン重合性化合物などが挙げられる。ラジカル重合性化合物は、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物であり、モノマー、オリゴマー、ポリマーなどの化学形態のものが含まれる。ラジカル重合性化合物は一種類のみ用いてもよく、目的とする特性を向上させるために任意の比率で二種以上を併用してもよい。カチオン重合性化合物は、カチオン重合により高分子化反応が進行する化合物であり、一分子中に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物や、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、ビニルエーテル類、N−ビニル化合物類などが挙げられる。
光硬化性樹脂層4は、スクラッチ強度及び転写後の剥離防止の観点から、3〜15g/mの塗布量で形成するのが好ましく、より好ましくは3〜13g/m、さらに好ましくは5〜13g/mである。また、光硬化性樹脂層4には、適宜紫外線吸収剤、光安定剤又は酸化防止剤などを添加することによりその耐光性及び耐薬品性を向上させることが可能である。
光硬化性樹脂層4の上面には、熱を加えることにより被転写物に転写される樹脂層が形成されている。樹脂層は、被転写物に転写されるという観点から、熱転写が可能な透明性の樹脂組成物を主成分とするものが好ましく、目的とする性能を付与するために種々の添加剤を添加することとしてもよい。樹脂層に混入される添加剤の量や、形成する樹脂層の厚さ、塗工溶剤組成などに特に制限は無く、所望の性能に応じて適宜変更可能である。本実施形態においては、樹脂層は第一樹脂層5と第二樹脂層6とを備えており、各樹脂層は転写箔1の巻回方向に沿って順次形成されている。
ここで、第一樹脂層5及び第二樹脂層6の組み合わせとしては、例えば、被転写物の耐光性を向上させたい場合には、第一樹脂層5に紫外線防止剤、酸化防止剤又は光安定剤を添加するとともに、第二樹脂層6をその膜厚が厚くなるように形成するのが好ましい。このような第一樹脂層5及び第二樹脂層6を備える転写箔を用いると、まず被転写物には第一樹脂層5が転写されて耐光性が向上し、さらにその上面には膜厚が厚く耐傷性が高い第二樹脂層6が転写される。
また、被転写物に偽変造防止の性質を付与したい場合には、第一樹脂層5を光学変換素子層(例えば、ホログラム層など)とするとともに、第二樹脂層6には表面保護膜成分を添加するのが好ましい。このような第一樹脂層5及び第二樹脂層6を備える転写箔を用いると、まず被転写物には第一樹脂層5が転写されて光学変換層が形成され、さらにその上面には第二樹脂層6が転写されて耐性の高い表面保護膜が形成される。
光硬化性樹脂層4の上面であって各樹脂層の間には、所定の検知マークが形成されている。検知マークは着色成分と樹脂成分とを含有するインク組成物であり、透過濃度の変化により光学式センサに検出されるようになっている。このような検知マークの厚さとしては、0.5〜5μm程度であることが好ましい。検知マークの厚さを前記範囲にすることにより、光学式センサによって検知マークが検出可能な透過濃度を確保しつつ、転写箔1が巻回された際に接触するフィルム状基材2の他面側(図2における下面)に転写することを防止するようになっている。
検知マークの上面視の形状には特に制限はないが、巻回方向に転写箔1を順次繰り出した際に、光学式センサに対向して搬送される複数種類の樹脂層を区別するためには、用いる樹脂層の数だけ検知マークの形状の種類が必要である。従って、本実施形態においては、図1に示すように、検知マークとして第一検知マーク7及び第二検知マーク8の二種類が形成されている。第一検知マーク7は、転写箔1の幅方向に平行な一本線から構成されて第二樹脂層6と第一樹脂層5との間に形成されている。第二検知マーク8は、転写箔1の幅方向に平行な二本線から構成されて第一樹脂層5と第二樹脂層6との間に形成されている。つまり、本実施形態の転写箔1には、巻回方向に沿って第一検知マーク7、第一樹脂層5、第二検知マーク8、第二樹脂層6がこの順番で繰り返し形成されている。
検知マークに含有される着色成分としては、例えば、顔料や染料などが挙げられる。なかでも、光学濃度が高いものほど光学式センサにより容易に検出されるため、染料よりも顔料が好ましい。顔料としては、ブラックインク用としてのカーボンブラック、シアンインク用としてのβ型銅フタロシアニン系やアルミニウムフタロシアニン系、マゼンタインク用としてのキナクドリン系、などが挙げられ、特に、カーボンブラックが好ましい。
検知マークに含有される樹脂成分としては、着色成分を被覆しかつ着色成分の凝集を防止するバインダー樹脂が適用可能であり、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。樹脂成分は複数種類混合させて用いてもよく、その選択及び組み合わせに特に制限は無い。
また、樹脂成分のガラス転移温度は40〜130℃のものが好ましい。ガラス転移温度が40℃より低いとブロッキング現象が起こるおそれがあり、130℃より高いとフィルム状基材2への追従性が低下するという問題がある。
これらの層及び検知マークの上面には、前記着色成分及び/又は前記樹脂成分の良溶媒を含む塗布液が塗布されて接着層9が、全域に渡って形成されている。
ここで、着色成分及び/又は樹脂成分の良溶媒とは、着色成分と樹脂成分の少なくとも一方を、溶解又は膨潤させ得る溶媒のことを示すものとする。検知マークにおいて着色成分は樹脂成分に被覆された状態で分散しているので、良溶媒により着色成分は直接的又は間接的に分散されるようになっている。このような良溶媒の前記塗布液中における含有量は、着色成分の分布ムラを均一化させるために全溶媒中5wt%以上であるのが好ましい。また、塗布液が転写箔1の全面に塗布される場合には、検知マークの着色成分が接着層9に過剰に流出して検知マークのエッジが滲むのを防止する観点から、全溶媒中80wt%以下であるのが好ましい。
また、塗布液には、接着層9の被転写物への接着性の向上のために、ホットメルト樹脂などの樹脂軟化点が130℃程度の熱溶融樹脂が含有されるのが好ましい。
次に、このような転写箔1の製造工程について説明する。
まず、従来より公知の方法でフィルム状基材2の上面に離型層3を形成させる。さらにその上面に光硬化性樹脂層4を形成するために、バインダー樹脂と重合性化合物とを混合したものを塗布してから乾燥させたものを、活性光線を照射する光源を用いて光硬化させる。
続いて、このようにして形成した光硬化性樹脂層4の上面に、樹脂層と検知マークとをそれぞれ形成させる。具体的には、樹脂層及び検知マークを形成するそれぞれの混合液を、光硬化性樹脂層4の上面に向けて印刷方式により所定のパターンで吐出させてから、溶媒の除去と樹脂層の硬化とを行わせる。
そして、これらの層及び検知マークの上面全域に渡って、良溶媒を含有する塗布液を塗布してから乾燥させることにより接着層9を形成させる。従って、塗布液中の溶媒は接着層9の形成過程で蒸発するが、着色成分は良溶媒が全て蒸発する前に十分分散するので、本発明の効果は接着層9の形成の際から得られるようになっている。
各層を形成した後に、所定の寸法に切り分けて転写箔1とする。その後、転写箔1の両端を回転自在な一対の軸部材に保持させて巻回し、その状態でカートリッジに収容する。
次に、このようにして製造した転写箔1を用いた転写工程について説明する。
まず、光学式センサを備える公知のホットスタンプ装置に前記カートリッジと被転写物とをセットする。ホットスタンプ装置は転写工程を開始すると、光学式センサに対向して転写箔1を所定の速度で搬送させる、すると、ホットスタンプ装置は光学式センサにより第一検知マーク7を検知することによって、第一樹脂層5が被転写物に対向する位置に搬送されるタイミングを認識する。被転写物と第一樹脂層5とが対向すると、ホットスタンプ装置は転写箔1の搬送を一端停止させて、転写箔1と被転写物とを圧接させて第一樹脂層5を熱転写させる。熱転写後、再び転写箔1の搬送を開始させ、被転写物に転写された第一樹脂層5の上面に第二樹脂層6も同様にして転写する。
ここで、転写箔1に形成された各層は、透明性の樹脂組成物を主成分とする場合でも、光学式センサは検知マークの形状により第一樹脂層5と第二樹脂層6とを区別するようになっているので、ホットスタンプ装置は容易に各樹脂層を認識する。また、検知マークの着色成分は良溶媒により均一に分散されているので、正確にかつ安定した精度で認識される。
以上のように、本実施形態にかかる転写箔1によれば、少なくとも検知マークの上面側には接着層9が形成されるので、検知マーク中の着色成分は接着層9中の良溶媒によって分散される。従って、転写箔1において検知マークにおける着色成分が分散してその濃度ムラが低減され、光学式センサなどによる検出を安定して行わせ、復数種類の樹脂層を所定の順番で被転写物に正確に転写することが可能である。
また、接着層9を形成する塗布液において、良溶媒は全溶媒中5〜80wt%含有されているので、検知マークの着色成分の分布ムラを低減させることが可能であるとともに、着色成分が塗布液中に過剰に分散して検知マークの形状が滲むことを防止する。
さらに、検知マークの厚さは0.5〜5μmであるので、光学式センサによって検知マークが検出可能な透過濃度を確保しつつ、転写箔1が巻回された際に接触する箇所(フィルム状基材2の下面)に転写することを防止する。従って、光学式センサによって安定した検出が可能であると共に、長期間保存しても形状ムラの発生を防止可能な転写箔1とすることができる。
なお、本実施形態においては、被転写物に二種類の樹脂層を転写させるものとしたが、樹脂層の数及び種類は特に限定されず適宜変更可能である。
また、本実施形態にかかる良溶媒は、検知マークに接触するように塗布されてから層形成の際に蒸発するまでに検知マーク中の着色成分を十分分散させるので、検知マーク形成直後に塗布される混合液中に含有されていればよい。従って、検知マークの上面に良溶媒を含む混合液により中間層を形成させてから、さらにその上面に従来より公知の接着層を形成させることとしてもよい。
また、本実施形態における各層及び検知マークの形成方法としては、グラビア印刷方法の他、フレキソロール、バーコートなどの各種印刷方式が、その形状などに応じて適用可能である。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の態様は以下に限定されない。
まず、接着層を形成する塗布液中の良溶媒の割合を変えて、検知マークの検知精度を評価した。
[実施例1に係る転写箔の作製]
以下に示す方法で実施例1に係る転写箔を作製した(図1、図2参照)。
はじめに、フィルム状基材としてのポリエチレンテレフタレートS−25(ダイアホイルヘキスト株式会社製)の上面に、以下の組成の混合液を塗布して0.02μmの厚さの離型層を形成した。
<離型層>
タフテックスM−1913(旭化成株式会社製) 5重量部
カルバナワックス 5重量部
トルエン 90重量部
次に、光硬化性樹脂層に含有される合成バインダーを別途準備した。
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタアクリル酸メチルを73重量部、スチレンを15重量部、メタアクリル酸を12重量部、エタノールを500重量部、α,α´−アゾビスイソブチロニトリルを3重量部、を投入し、窒素気流中80℃で6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライドを3重量部、グリシジルメタクリレートを1重量部、をさらに投入して窒素気流中80℃で3時間反応させ、合成バインダーとした。
このようにして別途準備した合成バインダーを用いて、光硬化性樹脂層を10μmの厚さで形成した。具体的には、以下に示す組成で混合液を調整し、離型層の上面に塗布した後、90℃/30secで乾燥させてから水銀灯(300mJ/cm)により光硬化させた。
<光硬化性樹脂層>
合成バインダー 48重量部
モノマー;NKエステルA−9300(新中村化学社製) 35重量部
反応性オリゴマー;NKオリゴEA−1020(新中村化学社製) 12重量部
反応開始剤;イルガキュア184(日本チバ・ガイギー社製) 5重量部
トルエン 80重量部
メチルエチルケトン 20重量部
続いて、光硬化性樹脂層の上面に、樹脂層と検知マークとを所定のパターンで形成させた。詳しくは、以下の組成の混合液をそれぞれ準備し、光硬化性樹脂層の上面にグラビア印刷方式により塗布した後50℃で24時間かけて硬化処理を施した。
以下に第一樹脂層5を形成する混合液の組成を示す。なお、第一樹脂層5は厚さ1.0μm、巻回方向における長さ寸法が114mmとなるように形成した。
<第一樹脂層5>
エスレックBX−1(ポリビニルブチラール樹脂、積水化学株式会社製) 50重量部
タフテックM1913(旭化成株式会社製) 30重量部
硬化剤;コロネートHX(ポリイソシアネート、日本ポリウレタン製) 20重量部
トルエン 80重量部
メチルエチルケトン 20重量部
以下に第二樹脂層6を形成する混合液の組成を示す。なお、第二樹脂層6は厚さ2.0μm、巻回方向における長さ寸法が114mm、第一樹脂層5との間隙が10mmとなるように形成した。
<第二樹脂層6>
エスレックBX−1(ポリビニルブチラール樹脂、積水化学株式会社製) 50重量部
タフテックM1913(旭化成株式会社製) 30重量部
硬化剤;コロネートHX(ポリイソシアネート、日本ポリウレタン製) 20重量部
チヌビン928(日本チバ・ガイギー社製) 10重量部
トルエン 80重量部
メチルエチルケトン 20重量部
以下に検知マークを形成する混合液の組成を示す。なお、検知マークは厚さ1.0μmで、転写箔の全幅に渡って形成させた。それぞれの形状については、第一検知マークは巻回方向における長さ寸法が10mm、第二検知マークは巻回方向における長さ寸法が4mmのものを二本2mm間隔で形成させた。
<検知マーク>
着色成分;カーボンブラック 15重量部
樹脂成分;アクリル樹脂 20重量部
シクロヘキサン 25重量部
イソプロピルアルコール 10重量部
酢酸エチル 10重量部
エタノール 10重量部
メタノール 10重量部
そして、これらの上面の全域に渡って、接着層を0.3μmの厚さで形成させた。具体的には、以下の組成の塗布液を塗布した後、70℃/30secで乾燥させた。
<接着層>
ハイテックS6254B(ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体、東邦化学工業株式会社製) 80重量部
ジュリマーAT510(ポリアクリル酸エステル共重合体、日本純薬株式会社製)
20重量部
水 97重量部
エタノール 3重量部
このようにして全ての層を構成させた後に、幅方向(巻回方向と垂直な方向)に63.5mm、巻回方向に200mの大きさとなるように切断し、所定の軸に巻回して実施例1に係る転写箔とした。
[実施例2に係る転写箔の作製]
実施例2に係る転写箔として、接着層を以下の組成に変えて実施例1と同様に転写箔を作製した。
<接着層>
ハイテックS6254B(ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体、東邦化学工業株式会社製) 80重量部
ジュリマーAT510(ポリアクリル酸エステル共重合体、日本純薬株式会社製)
20重量部
水 93重量部
エタノール 7重量部
従って、実施例2に係る転写箔は、接着層を形成する塗布液中の良溶媒(本実施例においてはエタノール)の含有量のみが実施例1に係る転写箔と異なっている。
[実施例3に係る転写箔の作製]
実施例3に係る転写箔として、接着層を以下の組成に変えて実施例1と同様に転写箔を作製した。
<接着層>
ハイテックS6254B(ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体、東邦化学工業株式会社製) 80重量部
ジュリマーAT510(ポリアクリル酸エステル共重合体、日本純薬株式会社製)
20重量部
水 60重量部
エタノール 40重量部
従って、実施例3に係る転写箔は、接着層を形成する塗布液中の良溶媒の含有量のみが実施例1に係る転写箔と異なっている。
[実施例4に係る転写箔の作製]
実施例4に係る転写箔として、接着層を以下の組成に変えて実施例1と同様に転写箔を作製した。
<接着層>
ハイテックS6254B(ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体、東邦化学工業株式会社製) 80重量部
ジュリマーAT510(ポリアクリル酸エステル共重合体、日本純薬株式会社製)
20重量部
水 40重量部
エタノール 60重量部
従って、実施例4に係る転写箔は、接着層を形成する塗布液中の良溶媒の含有量のみが実施例1に係る転写箔と異なっている。
[実施例5に係る転写箔の作製]
実施例5に係る転写箔として、接着層を以下の組成に変えて実施例1と同様に転写箔を作製した。
<接着層>
ハイテックS6254B(ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体、東邦化学工業株式会社製) 80重量部
ジュリマーAT510(ポリアクリル酸エステル共重合体、日本純薬株式会社製)
20重量部
水 24重量部
エタノール 76重量部
従って、実施例5に係る転写箔は、接着層を形成する塗布液中の良溶媒の含有量のみが実施例1に係る転写箔と異なっている。
[実施例6に係る転写箔の作製]
実施例6に係る転写箔として、接着層を以下の組成に変えて実施例1と同様に転写箔を作製した。
<接着層>
ハイテックS6254B(ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体、東邦化学工業株式会社製) 80重量部
ジュリマーAT510(ポリアクリル酸エステル共重合体、日本純薬株式会社製)
20重量部
水 14重量部
エタノール 86重量部
従って、実施例6に係る転写箔は、接着層を形成する塗布液中の良溶媒の含有量のみが実施例1に係る転写箔と異なっている。
[比較例1の転写箔の作製]
比較例1においては、実施例3と同様の組成で各層を構成するのだが、接着層を第一樹脂層5及び第二樹脂層6の上面にのみ形成させて、検知マークの上面には接着層を形成させない点が異なっている(図3参照)。
[良溶媒含有量の評価]
それぞれ作製した転写箔をホットスタンプ装置にセットして、カード200枚に第一樹脂層5及び第二樹脂層6を転写した。このホットスタンプ装置に備えられている光学式センサはスリッタが0.5mm幅の透過型センサであり、出力される電圧値の変化により検知マークを検知するようになっている。
このようなホットスタンプ装置を用いて、転写箔を相対速度20cm/秒で搬送し、透過濃度の1.5以上の変化を検知マークとして検出すると、実施例2〜実施例5の場合、検知マークの読み飛ばしはなく、所定の位置で停止し樹脂層を順次カードに転写した。従って、ホットスタンプ装置はカード200枚に二種類の樹脂層を転写するのに第一検知マークを200回、第二検知マークを200回、計400回検知マークの検出を行った。また、実施例1の場合、検知マークの読み飛ばしにより400回中3回空送りが確認され、転写されることなく搬送された樹脂層があった。また、実施例6の場合、検知マークのエッジが滲んでしまい、400回中5回誤動作した。
それに対して、比較例1の場合、検知マークを一度も検出することなく400回全て空送りした。
転写箔を相対速度15cm/秒で搬送し、透過濃度の1.3以上の変化を検知マークの認識として検出すると、実施例1〜実施例6の場合、検知マークの読み飛ばしはなく、所定の位置で停止し樹脂層を順次カードに転写した。従って、ホットスタンプ装置はカード200枚に二種類の樹脂層を転写するのに第一検知マークを200回、第二検知マークを200回、計400回検知マークの検出を行った。
それに対して、比較例1の場合、検知マークの読み飛ばしにより400回中200回空送りが確認された。
そこで、転写箔を相対速度15cm/秒で搬送し、透過濃度の1.0以上の変化を検知マークとして検出すると、比較例1の場合、検知マークの読み飛ばしはないものの、印刷汚れやゴミなどまで検出してしまい、35回誤停止した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2006327069
表1から、本発明に係る転写箔は、接着層中の良溶媒の含有量が5〜80wt%である実施例2〜実施例5が好ましいことがわかる。
[検知マーク厚さの評価]
次に、実施例3と同様の組成で、検知マークの厚さを変えて転写箔を作製し、その検知精度と耐性を評価した。検知精度の評価は上述したホットスタンプ装置を用いて行った。また、耐性評価としての保存テストは、長さ200mの転写箔を外径35mmのコアに巻回し、40℃80%RH条件下で一ヶ月間放置した後に、検知マークからフィルム状基材への転写の有無を確認した。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2006327069
表2から、本発明に係る転写箔は、検知マークの厚さが0.5μm以上であれば高い検知精度を示すことがわかる。また、保存テストの結果、検知マークの厚さが2.5μm以下であれば転写は発生しないことがわかる。さらに、検知マークの厚さが4.5mの場合、コア側2mに渡って検知マークの転写が発生したが、使用に際して特に問題は無かった。なお、40℃80%RHという厳しい条件下での保存テストのもとで発生する転写が5m以下であれば、通常条件下では冷蔵保管などの必要も無く、検知マークの転写の発生を有効に防止することが可能である。
本発明に係る転写箔の上面図である。 本発明に係る転写箔の縦断面図である。 比較例に係る転写箔の縦断面図である。 従来の転写箔の縦断面図である。
符号の説明
1 転写箔
2 フィルム状基材
4 光硬化性樹脂層
5 第一樹脂層
6 第二樹脂層
7 第一検知マーク
8 第二検知マーク
9 接着層

Claims (3)

  1. フィルム状基材の上面に、剥離可能であり被転写物に転写される樹脂層と、着色成分と樹脂成分とを含有する検知マークと、が形成された転写箔において、
    前記検知マークは、その上面に前記着色成分及び/又は前記樹脂成分の良溶媒を含む塗布液を塗布して形成されていることを特徴とする転写箔。
  2. 前記良溶媒は、前記塗布液中5〜80wt%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の転写箔。
  3. 前記検知マークの厚さは、0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写箔。
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