JP2006346950A - カートン組立方法及びこれにより組み立てられたカートン - Google Patents

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Abstract

【課題】 コストに大きく響かない形でカートンの密封性を高めることのできるカートン組立方法と、その方法で組み立てられたカートンを提供する。
【解決手段】 カートン1の胴部10を起函した後、内フラップ11、12と第1外フラップ13及び第2外フラップ14の所定箇所にホットメルト接着剤塊15、16、17、18、19、20、21、22、23を打点する。次いで内フラップ11、12の表面にコールドグルー接着剤塊30、31、32、33を打点する。内フラップ11、12の上に第1外フラップ13を重ね、さらにその上から第2外フラップ14を重ねると、フラップ同士がホットメルト接着剤で接合される。コールドグルー接着剤塊30、31、32、33は押しつぶされて拡がり、漏洩間隙を充填する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粉体を直接入れるのに適したカートンの組立方法、及びこれにより組み立てられたカートンに関する。
洗剤などの粉体は、カートン(紙箱)に直接入れて出荷することがある。そのような用途に用いるカートンは、内容物の粉体が漏れないように封止する必要がある。かかる目的の封止は、通常、フラップを貼り合わせる接着剤の種類、塗布箇所、塗布量などを適切に選択し設定することにより実現されている。
カートンの構造例を図6−図8に示す。図6はフラップに接着剤を塗布したカートンの斜視図、図7は図6のカートンの断面図、図8はフラップ貼り合わせ工程後のカートンの断面図である。
カートン1は、胴部10の一方の開口部に、1対の内フラップ11、12と、第1外フラップ13と、第2外フラップ14を連設したものである。胴部10は起函すると水平断面形状が矩形、全体としては直方体形状を呈するものであり、図にはこの状態が描かれている。内フラップ11、12は矩形の開口部の短辺に連設され、第1外フラップ13と第2外フラップ14は矩形の開口部の長辺に連設される。第1外フラップ13と第2外フラップ14は、開口部の中央で、第1外フラップ13を内側、第2外フラップ14を外側として重ねられる。
カートン1の胴部10の他方の開口部には、4辺のそれぞれにフラップよりも幅の狭い補強片10aが形成されている。補強片10aは胴部10の内側に折り込まれ、接着剤で貼り付けられる。これにより開口部の壁の厚さが倍になり、強度が向上する。この開口部には、内容物充填後、図示しない紙蓋が装着される。
カートン1は、図6の状態から内フラップ11、12の上に第1外フラップ13を折り重ねてフラップ同士を接着し、さらにその上から第2外フラップ14を折り重ねてフラップ同士を接着することにより、完成状態となる。接着剤としてはコールドグルー接着剤を用いてもよく、ホットメルト接着剤を用いてもよい。粉体を入れても漏れないように封止するという目的で一般的に使用されるのはコールドグルー接着剤であるが、ここではホットメルト接着剤により封止を行う構成が示されている。
第1外フラップ13の内面側には、図示しないホットメルトガンにより、内フラップ11用のホットメルト接着剤塊15と、内フラップ12用のホットメルト接着剤塊16が打点される。第2外フラップ14の内面側には、内フラップ11及び第1外フラップ13用のホットメルト接着剤塊17と、内フラップ12及び第1外フラップ13用のホットメルト接着剤塊18と、第1外フラップ13用のホットメルト接着剤塊19が打点される。内フラップ11の表面には、第1外フラップ13用のホットメルト接着剤塊20と、第2外フラップ14用のホットメルト接着剤塊21が打点される。内フラップ12の表面には、第1外フラップ13用のホットメルト接着剤塊22と、第2外フラップ14用のホットメルト接着剤塊23が打点される。
漏洩防止を目的としないのであれば、ホットメルト接着剤は1枚のフラップにつき2、3箇所ずつ打点すれば済む。しかしながらここでは、内容物の粉体が漏れないようにするという目的が達成されなければならない。従ってホットメルト接着剤塊15、16、17、18、19は、押しつぶされて拡がったときに連続した接着剤の帯が形成されるよう、細かいピッチで1列に打点される。
ホットメルト接着剤塊15、16、17、18は矩形の開口部の短辺に平行する形で列をなし、ホットメルト接着剤塊19は矩形の開口部の長辺に平行する形で列をなしている。ホットメルト接着剤塊20、21、22、23は、押しつぶされて拡がったときに胴部10と第1外フラップ13の折り曲げ部の隙間、及び胴部10と第2外フラップ14の折り曲げ部の隙間を埋めることになるよう、塗布量が多めに設定される。すなわち長く引き延ばされた形で塗布されている。
上記のように所定箇所に所定量ずつホットメルト接着剤を塗布した後、図8のように第1外フラップ13を折り曲げて内フラップ11、12に押し付け、さらにその上から第2外フラップ14を折り曲げて内フラップ11、12及び第1外フラップ13に押し付ければ、フラップ同士がホットメルト接着剤で貼り合わせられ、組立完了となる。
特許文献1にもシール部からの内容物の漏出を防止したカートンが記載されている。ここでは接着剤として発泡ホットメルト接着剤が用いられている。
特開平7−108560号公報(第5頁−第6頁、図1−図5)
ホットメルト接着剤は貼り合わせ後数秒で硬化するので、カートン組立の生産性を上げることができるが、高価なのが欠点である。そこで、ホットメルト接着剤を連続的に塗布するのでなく、点を連ねた形に塗布して使用量の節約を図っている。しかしながらこの方式だと充填すべき隙間を充填しきれないことがある。隙間が埋まっていなければ粉体が外に漏れ、欠陥商品ということになってしまう。
ホットメルト接着剤の塗布量を多くすれば隙間は埋まり、粉体の漏れはなくなるが、高価なホットメルト接着剤を多量に使用することになり、カートン製造コストが上がる。この種カートンを用いる日用品業界はコスト削減にしのぎを削っており、コスト増はいかに僅かであろうと排除したいところである。またホットメルト接着剤を多量に塗布するとフラップを貼り合わせたときにカートンの外側にはみ出し、見た目を損なうことがある。
安価なコールドグルー接着剤を用いることとすれば、点の連なりでなく連続的に塗布することができ、また隙間を充填するのに十分な量を塗布することができ、粉体の漏れをほぼ確実に防止することができる。しかしながらホットメルト接着剤が数秒で硬化するのに対し、コールドグルー接着剤は硬化までに二、三十分かかり、生産性が悪い。またコールドグルー接着剤の硬化を待つ間カートンの形を維持しておかねばならず、これを治具で行おうとすれば、それだけの数の治具や、硬化待ち期間中の治具とカートンを置くスペースが必要になり、この面で生産コストがかさむ。治具を用いず、カートン組立装置の中でコールドグルー接着剤を硬化させる構成とすることもできるが、そのようにすると装置全長が長くなるので、結局コストがかかる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、生産性を落とすことなく、またコストに大きく響かない形でカートンの密封性を高めることのできるカートン組立方法と、その方法で組み立てられたカートンを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため本発明は、折り畳み状態のカートンから胴部を起函する工程と、胴部起函後、フラップにホットメルト接着剤を塗布する工程と、ホットメルト接着剤を塗布したフラップを貼り合わせる工程を順次遂行するカートン組立方法において、
前記胴部とフラップの間、あるいはフラップ同士の間に生じる漏洩間隙をコールドグルー接着剤で充填するためのコールドグルー接着剤塗布工程を置いたことを特徴としている。
この構成によると、ホットメルト接着剤にフラップ貼り合わせの主役を担わせるからカートン組立の生産性が落ちることはない。その上で、漏洩間隙の充填の役割をコールドグルー接着剤に担わせるので、内容物の漏洩を確実に防ぐことができる。
コールドグルー接着剤もカートン製造工程で常用される材料であり、それを付加する工程を追加したとしても設備投資金額は僅かで済む。またコールドグルー接着剤はそもそも安価であるうえ、間隙充填のため補助的に用いるだけなので少量の使用で事足り、コストアップは、あったとしても微増の範囲にとどまる。
さらに、通常の場合、コールドグルー接着剤は硬化までに20分以上かかり、その間貼り合わせ状態を治具で保持しておかねばらないが、本発明の構成ではホットメルト接着剤がすぐに硬化して貼り合わせ状態が維持されるので、治具を用意したり、装置全長を長くしたりすることが不要というメリットがある。
(2)また本発明は、上記構成のカートン組立方法において、フラップ貼り合わせ工程の後、前記胴部の内側よりコールドグルー接着剤を塗布して漏洩間隙を充填することを特徴としている。
この構成によると、従来通りの工程でフラップを貼り合わせ、その後じっくりと漏洩間隙を塞ぐことができる。
(3)また本発明は、上記の方法で組み立てられたカートンであることを特徴としている。
この構成によると、製造コストの大幅増加を伴うことなく内容物の漏洩を防止したカートンを得ることができる。
本発明によると、ホットメルト接着剤とコールドグルー接着剤のそれぞれの特質を生かし、生産性を落とすことなく、また大きなコストアップを招くことなく、内容物の漏洩のないカートンを得ることができる。
以下、本発明の第1実施形態を図1−図4に基づき説明する。図1はフラップに接着剤を塗布したカートンの斜視図、図2は図1のカートンの断面図、図3はフラップ貼り合わせ工程後のカートンの断面図、図4はカートン組立工程のフローチャートである。なお第1実施形態のカートンは図6−図8の従来のカートンと構造的に共通する点が多い。そこで、従来構造と共通する構成要素には図6−図8で用いたのと同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
カートン1の組立は図4のフローに則り行われる。すなわちステップS101でカートン1の胴部10が起函され、ステップS102で各フラップにホットメルト接着剤が塗布される。そしてステップS103でフラップの所定箇所にコールドグルー接着剤が塗布されてからステップS104でフラップが貼り合わせられる。なおホットメルト接着剤を塗布するステップとコールドグルー接着剤を塗布するステップの順序を入れ替えてもよい。
コールドグルー接着剤は、図示しないコールドグルーガンにより、内フラップ11、12の表面に、ホットメルト接着剤から外れた場所に打点あるいは滴下される。内フラップ11においては、第1外フラップ13に隣接するエッジ部と、第2外フラップ14に隣接するエッジ部に、ホットメルト接着剤塊20、21と並ぶ形でコールドグルー接着剤塊30、31が打点あるいは滴下される。内フラップ12においては、第1外フラップ13に隣接するエッジ部と、第2外フラップ14に隣接するエッジ部に、ホットメルト接着剤塊22、23と並ぶ形でコールドグルー接着剤塊32、33が打点あるいは滴下される。
上記のように所定箇所に所定量ずつホットメルト接着剤とコールドグルー接着剤を塗布した後、図3のように第1外フラップ13を折り曲げて内フラップ11、12に押し付け、さらにその上から第2外フラップ14を折り曲げて内フラップ11、12及び第1外フラップ13に押し付ければ、フラップ同士がホットメルト接着剤で接合されることになる。この時コールドグルー接着剤塊30、31、32、33は押しつぶされて拡がり、内フラップ11、12と第1外フラップ13とのコーナー部に生じる漏洩間隙、及び内フラップ11、12と第2外フラップ14とのコーナー部に生じる漏洩間隙を充填する。
コールドグルー接着剤により、漏洩間隙は確実に充填され、内容物の漏洩が防がれる。コールドグルー接着剤は安価であるうえ、間隙充填のため補助的に少量用いるだけでよいので、殆どコスト増にはつながらない。さらに、ホットメルト接着剤はフラップ貼り合わせ後すぐに硬化してカートン1の形状を固定するので、コールドグルー接着剤が硬化するのを待つ間、カートン1の形状を治具で維持する必要がない。
なお、コールドグルー接着剤の塗布箇所は第1外フラップ13と第2外フラップ14に隣接する内フラップ11、12のエッジ部に限定される訳ではない。その他にも必要な箇所があればそこに塗布する。
図5に本発明の第2実施形態を示す。図5は図3はフラップ貼り合わせ工程後のカートンの断面図である。
第2実施形態では、内フラップ11、12の表面にはコールドグルー接着剤を塗布しない。ホットメルト接着剤のみでフラップの貼り合わせを行った後、図5のようにカートン1を上下逆さまにし、漏洩間隙となる箇所に胴部10の内側からコールドグルー接着剤塊34を打点あるいは滴下する。コールドグルー接着剤の塗布箇所は内フラップ11、12と胴部10との間のコーナー部、及び必要があれば内フラップ11、12と第1外フラップ13及び第2外フラップ14との境界部である。
上記のように胴部10の内側よりコールドグルー接着剤を塗布して漏洩間隙を充填することにより、内容物の漏洩のないカートン1を得ることができる。フラップの貼り合わせは既にホットメルト接着剤によりなされているので、時間を気に掛けることなく、またカートン1の形状維持に気を遣うこともなく、コールドグルー接着剤で漏洩間隙を塞ぐことができる。
内フラップ11、12の表面にコールドグルー接着剤を塗布しておき、その上で、胴部10の内側からコールドグルー接着剤塊34を打点あるいは滴下するようにしてもよい。
このようにすれば、コールドグルー接着剤による封止箇所が二重になり、内容物の漏洩防止が一層確実になる。
以上本発明の実施形態につき説明したが、発明の主旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、カートンの内容物漏洩防止対策として広く利用可能である。
フラップに接着剤を塗布したカートンの斜視図 図1のカートンの断面図 フラップ貼り合わせ工程後のカートンの断面図 カートン組立工程のフローチャート 第2実施形態に係るカートンの断面図 カートンの構造例を示す斜視図にして、図1に対応するもの カートンの構造例を示す断面図にして、図2に対応するもの カートンの構造例を示す断面図にして、図3に対応するもの
符号の説明
1 カートン
10 胴部
11、12 内フラップ
13 第1外フラップ
14 第2外フラップ
15−23 ホットメルト接着剤塊
30−34 コールドグルー接着剤塊

Claims (3)

  1. 折り畳み状態のカートンから胴部を起函する工程と、胴部起函後、フラップにホットメルト接着剤を塗布する工程と、ホットメルト接着剤を塗布したフラップを貼り合わせる工程を順次遂行するカートン組立方法において、
    前記胴部とフラップの間、あるいはフラップ同士の間に生じる漏洩間隙をコールドグルー接着剤で充填するためのコールドグルー接着剤塗布工程を置いたことを特徴とするカートン組立方法。
  2. フラップ貼り合わせ工程の後、前記胴部の内側よりコールドグルー接着剤を塗布して漏洩間隙を充填することを特徴とする請求項1に記載のカートン組立方法。
  3. 請求項1又は2に記載のカートン組立方法により組み立てられたカートン。
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