JP2006346688A - 旋回流ロングノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の溶鋼の連続鋳造ロングノズルにおけるねじりテープ状の旋回羽根に代わるロングノズルによる溶鋼流の制御手段を提供する。
【解決手段】連続鋳造用ロングノズルの内孔面に螺旋状の溝を形成することによって、ロングノズルの下端から流出する溶鋼に螺旋流を形成する。Dはロングノズル内孔壁面凸部の直径、dは内孔面の溝の深さ、Dはロングノズル内孔壁面凹部の直径、Lは凹凸のピッチすなわちロングノズル内孔壁面の一組の凹凸部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル内孔壁面凸部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル内孔壁面凹部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル垂直方向の全長を示す。各部の寸法が次の数式を満足する形状とする。
[数1] 0.8D≧d=(D−D)/2≧0.1D
[数2] 5D≧L=L+L≧D
[数3] L/L≧3
【選択図】 図2

Description

本発明は溶鋼の連続鋳造に使用するロングノズルに関する。
溶鋼の連続鋳造においては、鋳片の品質低下や連続鋳造工程でのノズル閉塞等の原因となる溶鋼中の非金属介在物(以下「介在物」いう)を減少させる必要がある。
この溶鋼中の介在物を減少させるための手段として、タンディシュ内に堰を設置して、取鍋等の容器で搬送された溶鋼をロングノズルを介してタンディッシュに注ぐ際に、溶鋼流を複雑化することで介在物を浮上させる試みが多く行われている。
これは、タンディッシュ内の溶鋼上面への流れを形成して、溶鋼上面に配したタンディッシュパウダー等への接触機会を増してタンディッシュパウダー等へ介在物を取り込ませ、あるいは、溶鋼のタンディッシュ内に滞留する時間を長くして介在物を浮上させようとするものである。
しかし、このような堰により介在物を少なくする手段では、ロングノズルを通過する溶鋼流の速度が大きいこともあって、注がれた溶鋼は主にタンディッシュの底部を高速度で通過する流れを形成し、十分に溶鋼上面への流れが形成されず、また、十分な滞留時間も得ることができずに、介在物は十分に浮上及び除去されないまま直接モールドへと流出することになり、鋳片の品質低下は十分に避けることはできず、また浸漬ノズル等のノズル詰まり等も十分には抑制できない。
また、堰を設置することによって、連々鋳の最後にタンディッシュ内に溶鋼が残留し溶鋼歩留まりが低下する要因となる、タンディッシュの熱間再使用を行いにくい、堰の製作、設置、補修等に関るコストが高くなる等の問題がある。
この堰を設置する対策に代えて、取鍋から溶鋼を注ぐ際に使用するロングノズルからの吐出流を制御することが提案されている。
例えば、特許文献1には、ロングノズル上端部付近にねじりテープ状の旋回羽根を設置して、通過する溶鋼に旋回流を生じさせることで、その垂直方向の流速を小さくすると共に水平方向のベクトルを生じさせ、タンディッシュ内に注がれる溶鋼を強い下降流にせずにタンディッシュ内での上方向への流れを生じ易くすることが提案されている。
しかしながら、このロングノズルによって溶鋼に旋回流を生じさせる対策では、溶鋼取鍋の排出口から注湯初期に流出するスライディングノズル内孔の耐火粉末の詰め物が、旋回羽根の部分に堆積し詰まりを生じたり、さらには、この耐火粉末の詰め物や溶鋼が溶鋼取鍋の排出口の内部で固化することもある。その場合にはロングノズルの下端から細い鉄製の酸素パイプを挿入してこれら固着物を融解させて除去する必要があるが、このねじりテープ状の旋回羽根はその作業の妨げとなる。
このように、従来の溶鋼の連続鋳造における鋳片の品質低下やノズル閉塞等の原因となる溶鋼中の介在物の減少、除去手段によっては十分な解決には至っていない。
特開平11−090593号公報
本発明は、従来の溶鋼の連続鋳造における介在物の減少、除去手段の問題点を解消することにあって、ねじりテープ状の旋回羽根に代わるロングノズルによる溶鋼流の制御手段を提供する。
本発明は、連続鋳造用ロングノズルの内孔面に螺旋状の溝を形成することによって、ロングノズルの下端から流出する溶鋼に螺旋流を形成し、その螺旋流による遠心力により横方向の溶鋼流を形成することによってその課題を解決したものである。
ロングノズル内孔に流れ込む溶鋼流の一部は、取鍋に取り付けたスライディングノズルの開口初期段階を除き、通常は垂直方向に直線的に落下するのではなく、流量制御によるノズルの開閉操作等も影響して、横方向にも内孔壁への衝突と分散を伴いながらロングノズル内を通過する。
ロングノズル内孔面に螺旋状の溝を形成することで、この溝の上面に溶鋼流が横方向の角度をもって当たり、そこでその溶鋼流が垂直方向以外の多方向に多く分散する。そして溶鋼流は螺旋状の溝の凹部の下面と最外周側の壁面に押しつけられながら下方へ移動することで旋回流が発生する。この垂直方向以外の分散流は、また、上方から通過してくる溶鋼流に当たってさらなる垂直方向以外の分散流を生じる。このような作用はロングノズルの通過距離が長くなるほど増大することになり、旋回流を中心とした流れとなってロングノズル下端から排出されることになる。
この旋回流を中心としたロングノズル下端からの流れは、すなわち、タンディッシュ内において垂直方向のベクトル以外に水平方向に向かう角度をもつベクトルをも生じることになり、タンディッシュ内に溶鋼流が流入する際に、溶鋼流が垂直方向への高速度の進行が緩和され、ロングノズルの外周へ、円周方向への角速度を有する分散流、すなわち遠心流を形成する。
これによりロングノズルからタンディッシュ内に注がれた溶鋼が短時間且つ直線的に浸漬ノズルに到達することを抑制し、介在物等を浮上及び減少させることができる。さらに、溶鋼流が垂直方向に高速度で進行するとタンディッシュの溶鋼上面に浮上しているスラグ等を下方に引き込む流れも強くなるが、この垂直方向の溶鋼流の速度を緩和することで、このタンディッシュの溶鋼上面に浮上しているスラグ等の巻き込みに起因する介在物量を低減することができる。
このように、タンディッシュ内に堰を設置しない場合にも、タンディッシュ内に上向き溶鋼流が発生し介在物は溶鋼面に浮上する。とくに、溶鋼中の介在物が50μm径以上の大型の場合に効果的である。
また、溶鋼取鍋のスライディングノズル内孔詰め物である耐火粉末が焼結等により、又は溶鋼侵入等により固化して、取鍋スライディングノズルの開口時にスムーズに排出されないことがある。その耐火粉末や溶鋼の固化物の除去作業には、一旦ロングノズルを取鍋から外して、取鍋スライディングノズル付近の固化物を、酸素ランスを挿入して洗浄する方法が採られることが多い。溶鋼の品質への影響、ロングノズルの取鍋下部ノズル等への密着性、作業の迅速性、安全性等を考慮すると、ロングノズルを取鍋から外すことなく、その下端から酸素ランスを取鍋スライディングノズル付近まで挿入して、固化物を洗浄する方法を採ることが好ましい。
この場合にも、本発明のように、吐出溶鋼流に旋回流の発生手段として、ロングノズルの内孔面に螺旋状の溝を形成している場合には、内孔溶鋼取鍋のスライディングノズル内孔耐火粉末詰め物が付着した場合の除去作業にも支障を生じることがない。
螺旋状の溝を形成するロングノズルの内孔面の位置は、内孔面の全面でもよいし、また、部分的であってもよいが、旋回流の形成の効率からいって、ロングノズル上端から下方に少なくとも300mm以上の範囲に形成するのが望ましい。
また、溝の深さは、溶鋼流に十分な旋回流を付与するためには、内孔の凸部分の直径に対し0.1倍以上0.8倍以下、溝の軸方向の1ピッチあたりの長さが溝部の壁の凸部分の直径に対し1倍以上5倍以下であることが望ましい。
また、溝の断面形状は、溶鋼流をスムーズに形成するためには、ロングノズル垂直方向の断面に於ける、内孔に形成する螺旋状の溝の、上面と内孔面との交差するエッジ部が、5mm以上R付きの形状、または、溝の上端部最外部から内孔に向かって上方向に10度以上傾斜を有する形状であることが望ましい。
また、溶鋼取鍋のスライディングノズル内孔詰め物である耐火粉末が焼結等により、または溶鋼侵入等による固化物を溶融除去するために、ロングノズルを取鍋から外すことなく、その下端から酸素ランスを取鍋スライディングノズル付近まで挿入するために、その内孔は、内孔面の上部から下端までの全域に垂直方向に少なくとも直径30mm以上の貫通孔を形成することが必要である。
直径30mm以上という値は、ロングノズル下端から酸素洗浄に用いるランスパイプを挿入する際の、そのランスパイプの直径が通常15mmであり、それが支障なく上端まで到達し得ると共に、溶融した詰め物や溶鋼の固化物がランスパイプ横を通過して落下することを可能にするための最小の大きさである。
この本発明による連続鋳造用ロングノズルは、成形時の溝を形成した芯棒を使用すること以外は、通常のロングノズルの製造法によって製造できる。
すなわち、まず炭素原料およびその他の耐火性原料にフェノール樹脂等の有機バインダーを添加して坏土を得る。この坏土をノズル成形用型に充填する際、外表面に螺旋状の溝を設けた芯棒をノズル成形用型内に予め設置しておく。この芯棒の外表面に設けた螺旋状の溝の形状を変更する事で、深さ、幅、径、ピッチ、長さ、および配置位置等の異なる螺旋状の溝をロングノズル内孔壁に容易に配置する事が出来る。外側のノズル成形用型と芯棒との隙間に坏土を充填し、アイソスタティック・プレスにより加圧成形した後、外側のノズル成形用型と芯棒とを成型体から抜き去り、内孔面に螺旋状溝を有する成形体を得る。 芯棒を抜き去るには、螺旋に沿わせて回転させる方法が最も簡単であるが、芯棒に低温度で軟化・液状化する樹脂ワックス製のものを利用して、成形後に加熱して除去する方法をも採り得る。そして、得られた成形体を還元または非酸化雰囲気中で熱処理することで、本発明のロングノズルが得られる。
本発明により、ロングノズルからタンディッシュに注ぐ溶鋼の垂直方向の流出速度を低減することが可能となり、それにより、タンディッシュの溶鋼上面に浮上しているスラグ等の巻き込みに起因する介在物を含め、溶鋼中の非金属介在物等を減少させ、鋼の清浄性を向上でき、鋳片の品質向上が可能となる。
さらにタンディッシュ内に介在物分離用の堰を設置する必要がないので、タンディッシュ内の溶鋼の残留もなく、溶鋼歩留まりを向上することができ、タンディッシュを熱間回転等で多数回使用することが可能となり、さらに堰に関わるコストが不要となることで連続鋳造のコストを低減できる等の効果を得ることができる。
さらにまた、溶鋼取鍋のスライディングノズル内孔の耐火粉末等の固化や閉塞時に、ロングノズルを一度外すことなく、ロングノズル下端から酸素ランスをスムーズに挿入して、それら固化物等の除去作業を行うことができ、作業時間の短縮等と作業の安全性を向上させることができると共に、一次的にロングノズルを外す場合のオープン注入をしなくて済むことから鋼の清浄性を維持でき、鋳片の品質向上が可能となる。
数値的には、介在物量を内孔面に螺旋状の溝のないロングノズルを使用する場合と対比して、鋳片中の50μm以上の介在物を約70%以下に低減することができる。
ロングノズルから排出される溶鋼流において、円周方向への角速度を有する分散流、すなわち遠心流の流速、すなわち、遠心流速を変化させて、この遠心流速と鋳片内に取り込まれる介在物量との関係をシミュレーションにより明らかにした。
溶鋼流のシミュレーションは、ロングノズルからの注湯位置がモールドへの注湯ノズルと同一断面上になく、T字形状のタンディッシュを想定したモデルで介在物を想定したガス球を分散させた水を流動させ、タンディッシュから排出されるそのガス球を測定する方法により行った。
このシミュレーションの結果を、表1及び図1に示す。
Figure 2006346688
表1において、遠心流速指数は、従来の平坦な内孔面を有するロングノズルから排出される垂直な溶鋼流における遠心流速を1とし、そのときの介在物量を100とし、本発明に基づいて、内孔面に螺旋状の溝を形成したロングノズルから排出される遠心流速の比を遠心流速指数として示し、それぞれの遠心流速指数のときの介在物量を示す。
同表に示すように、遠心流速指数が3.5までは遠心流速指数の増加に応じて介在物指数は減少する傾向を示す。また、遠心流速指数が4を越える付近から、遠心流速指数の増加に対して介在物量は約40%となったあと、殆ど変化しなくなることがわかった。
溶鋼中の介在物量を、従来の内孔面に螺旋状の溝のないロングノズルをタンディッシュに堰を設置して使用する場合の水準と同程度以下にすること、すなわち、介在物量を内孔面に螺旋状の溝のないロングノズルを使用する場合の約70%以下に低減することを目標とし、その指標として前記シミュレーションに於ける遠心流速指数2.7以上を得るため、ロングノズルの内孔に形成する螺旋状の溝の諸条件を特定した。
図2は、本発明のロングノズル内孔面に形成した螺旋状の溝の諸条件を特定するための断面図である。
同図において、Dはロングノズル内孔壁面凸部の直径、dは内孔面の溝の深さ、Dはロングノズル内孔壁面凹部の直径、Lは凹凸のピッチすなわちロングノズル内孔壁面の一組の凹凸部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル内孔壁面凸部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル内孔壁面凹部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル垂直方向の全長を示す。Rは溝のエッジに形成されたアールを示す。
特定すべき条件は、各部の寸法が次の数式を満足する形状とすることである。
[数1] 0.8D≧d=(D−D)/2≧0.1D
[数2] 5D≧L=L+L≧D
[数3] L/L≧3
すなわち、内孔面の溝の深さd、すなわちロングノズル内孔の溝の凹部の奥行きが、壁面の凸部のロングノズル内孔部の直径Dの0.1倍以上0.8倍以下、内孔面の溝のピッチL1、すなわちロングノズル内孔の溝の垂直方向の一組の凹凸の垂直方向の長さが、壁面の凸部のロングノズル内孔部の直径Dの1倍以上5倍以下、ロングノズル全長(L)が内孔面の溝のピッチ(L)の3倍以上とすることである。
dが0.8Dを超えると、内孔壁面凹部の垂直断面積が通過する溶鋼量に対して大きくなりすぎて、すなわち溶鋼通過部の容積が大きくなりすぎて溶鋼流の速度が小さくなり、旋回流の流速が小さくなる。また、0.1D未満であると、内孔壁面凹部の垂直断面積が通過する溶鋼量に対して小さくなりすぎて、すなわち溶鋼通過部の容積が小さくなりすぎて溶鋼流が溝の凹部から溢れて分散してしまい、旋回流の形成量が少なくなり、旋回流以外の流れにより減衰される。結果、dは、0.8Dを越え又は0.1D未満であると、遠心流速指数2.7以上を得ることができない。
が5Dを超えると、旋回流は横方向の速度が小さくなって十分な旋回速度が得られず、ロングノズル下端から排出される時点で垂直方向の流速が勝り、十分な遠心流の速度が得られない。またD未満であると、旋回流は十分な推進力を得られずに減衰し、下方向に進むにしたがって速度が小さくなり、ロングノズル下端から排出される時点での十分な遠心流の速度が得られない。
/Lが3未満であると、旋回流は十分に加速されないままノズル下端に至り、ロングノズル下端から排出される時点で十分な遠心流の速度が得られない。安定した旋回流の流速を得るためには、L/Lは5以上とすることが好ましい。
この螺旋状の溝の深さd及び溝のピッチLは、この溝を形成した範囲の上端から下端まで一定であることが好ましい。螺旋状の溝を形成した上端から下端までの領域の途中でこれらに変化があると、旋回流の流速が減衰したり、流れの方向が複雑になって散逸する等の現象が生じ易くなり、旋回流及びロングノズル下端から排出されるときの遠心流の速度が小さくなる等の原因となる。
この螺旋状の溝を形成した領域の長さは、ロングノズルの垂直方向に300mm未満であると、垂直方向に通過する溶鋼の割合が多くなり旋回流を十分に形成できず、遠心流速指数=2.7以上を得ることが困難になる。そのためこの溝はロングノズルの垂直方向に少なくとも300mm以上の範囲に形成することが好ましく、下端で十分に流速を持つ旋回流、すなわち遠心流速指数2.7以上の遠心流を得るためには、螺旋状の溝を形成する位置は、ロングノズル上端部付近を優先的に、上端から下方に向かって連続的にできるだけ長い範囲で形成することが好ましく、ロングノズルの下端から上端まで全域に亘って形成することがさらに好ましい。
本発明では、溶鋼取鍋のスライディングノズル内孔詰め物である耐火粉末や溶鋼の固化物の除去作業を、ロングノズルの下端から酸素ランスを取鍋スライディングノズル付近まで挿入して固化物を洗浄する方法を採り得る。その場合に、酸素ランスがロングノズルの内孔に形成した溝に引っかかり、スムーズな挿入ができないことがある。本発明では、ロングノズル垂直方向の断面に於ける、内孔に形成する螺旋状の溝の、上面と内孔面との交差するエッジ部をR付きの形状又は溝の上端部最外部から内孔に向かって上方向に傾斜を有する形状とすることで、この酸素ランス挿入時の引っかかりを解消した。
この引っかかりに対する効果を得るためには、溝部の垂直方向断面に於いて、凸部の下端面につき、エッジがR形状の場合は、半径5mm以上、傾斜形状の場合は、水平面に対し、10度以上の傾斜であることが好ましい。
また、これらR形状と傾斜形状はどちらか一方でも両方を備えていてもよいが、両方を備えている方がより好ましい。但し、R又は傾斜角の上限は、ロングノズルの垂直方向断面の、螺旋状の溝の凸部の内孔側の垂直方向の面の高さ(L)を10mm以上確保することができる範囲にすることが好ましい。
この高さ(L)が10mm未満であると、ロングノズル製造時に溝の凸部が欠損し易くなるばかりでなく、溶鋼流通過の間に溝の凸部が損耗してその形状保持が困難になり、旋回流の形成効果が小さくなる虞がある。
図3に連続鋳造用ロングノズルの内孔面の全域に、本発明の螺旋状の溝を形成した例を垂直方向断面によって示す。
同図において、図2に対応して、溝の深さdが20mm、壁面の凸部のロングノズル内孔部の直径Dが60mm、壁面の凹部のロングノズル内孔部の直径Dが100mm、内孔面の溝のピッチLの長さが110mm、ロングノズルの全長は950mmであり、その上端から下端までの全域に亘り螺旋状の溝が形成されている。 ロングノズル垂直方向の断面における内孔に形成する螺旋状の溝の、上面と内孔面との交差するエッジ部には、10mmのRが付され、溝の上端部最外部から内孔に向かっては、上方向に15度の傾斜を有している。
図4は、連続鋳造用ロングノズルの内孔の一部の領域に、本発明の螺旋状の溝を形成した例を垂直方向断面によって示す。 この例のロングノズルの溝の詳細の垂直方向断面は、実施例1の形状と同じである。
この例のロングノズルは、いわゆる浸漬開孔、すなわちロングノズルをタンディッシュの溶鋼内に浸漬したまま取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入を開始するために用いられるもので、下端付近が拡大した典型的な構造を有する。
この下端付近の拡大部では溶鋼流がロングノズルの壁面に接することが殆どない状態で通過するので、その拡大部より上方の、溶鋼流がロングノズル壁面に接触して通過する部位に螺旋状の溝を形成する必要がある。
この例では、溝の深さ(d)が20mm、壁面の凸部のロングノズル内孔部の直径(D)が60mm、壁面の凹部のロングノズル内孔部の直径(D)が100mm内孔面の溝のピッチ(L)の長さが110mm、ロングノズルの全長は1100mmであり、上端から下方560mmの領域に螺旋状の溝が形成されている。
シミュレーションによる溶鋼の遠心流と介在物の関係を示す図である。 本発明のロングノズル内孔面に形成した螺旋状の溝の詳細図である。 実施例1にかかるロングノズルの垂直方向の断面を示す。 実施例2にかかるロングノズルの垂直方向の断面を示す。
符号の説明
1 ロングノズルの内孔
2 ロングノズルの耐火物壁
3 ロングノズルの内孔面に形成した螺旋溝間の凸部
4 ロングノズルの内孔面に形成した螺旋溝
5 ロングノズルの内孔面に形成した螺旋溝間の凸部内孔側下端エッジ部

Claims (5)

  1. 内孔面に螺旋状の溝を形成することによって、ロングノズルの下端から流出する溶鋼に遠心流を形成する連続鋳造用ロングノズル。
  2. 螺旋状の溝を形成する内孔面の範囲は、ロングノズル上端から下方に少なくとも300mm以上の範囲である請求項1に記載の連続鋳造用ロングノズル。
  3. 螺旋状の溝の深さは、内孔の凸部分の直径に対し0.1倍以上0.8倍以下、溝の軸方向の1ピッチあたりの長さが溝部の壁の凸部分の直径に対し1倍以上5倍以下である請求項1に記載の連続鋳造用ロングノズル。
  4. 螺旋状の溝の断面形状は、ロングノズル垂直方向の断面において、溝の上面と内孔面との交差するエッジ部が、5mm以上R付きの形状、または、溝の上端部最外部から内孔に向かって上方向に10度以上傾斜を有する形状である請求項1に記載の連続鋳造用ロングノズル。
  5. 各部の寸法が次の数式を満足する形状とした請求項1に記載の連続鋳造用ロングノズル。
    [数1] 0.8D≧d=(D−D)/2≧0.1D
    [数2] 5D≧L=L+L≧D
    [数3] L/L≧3
    上記各数式において、Dはロングノズル内孔壁面凸部の直径、dは内孔面の溝の深さ、Dはロングノズル内孔壁面凹部の直径、Lは凹凸のピッチすなわちロングノズル内孔壁面の一組の凹凸部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル内孔壁面凸部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル内孔壁面凹部の垂直方向の長さ、Lはロングノズル垂直方向の全長を示す。
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