JP2006345856A - 低油脂固形ルウの製造方法 - Google Patents

低油脂固形ルウの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適度な保形性を備え、しかも調理時にはダマを作ることなく速やかに溶解する、油脂含量の少ない固形ルウの製造方法を提供する。
【解決手段】油脂含有量が少ない低油脂の固形ルウを製造する方法であり、澱粉質原料、油脂及び調味料を含み、かつ、油脂含量が10〜25質量%である原料を加熱混合して低油脂ルウを調製する低油脂ルウ生成工程(S1)と、該低油脂ルウ生成工程(S1)で得られた低油脂ルウから粉粒ルウを作る粉粒ルウ生成工程(S4)と、前記粉粒ルウを成形型に充填する成形型充填工程(S5)と、前記成形型に充填された粉粒ルウを加圧成形して低油脂固形ルウを形成する低油脂固形ルウ生成工程(S5)とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、カレー、ハヤシ、シチュー等を作るために用いる低油脂含量の低油脂固形ルウの製造方法に関する。
カレー、ハヤシ、シチュー等を作るために用いるルウとしては、多量の食用油脂を用いて小麦粉や調味料などを固めた固形ルウが一般的である。通常、固形ルウは、食用油脂、小麦粉、調味料などを加熱混合して液状の流動性のある加熱溶融ルウを調製し、この加熱溶融ルウを容器に流し込んで充填し、冷却固化することにより製造されている(例えば特許文献1参照)。
すなわち、従来の固形ルウの製造は次のステップを含む製造ラインが使用されている。
(1)加熱溶融ルウの調製→(2)溶融ルウを製品容器に充填→(3)溶融ルウを充填した製品容器を冷却して製品容器内で、製品容器内で連続した複数食分の固形ルウを作る。
ところで、近時は低カロリー食品への指向性が強まっており、これに対応するものとして、特許文献2は油脂の含有量を低減したルウを提案している。特許文献2に開示の油脂含有量の少ないルウは水分を多量に含有するペースト状の形態のものである。
特開平11-332526号公報 特開2001-269144号公報
ルウの市場は、圧倒的に固形ルウが占めているのが実情である。この実情を鑑み、本願発明者らは固形ルウに固執して油脂含量の少ない固形ルウを開発するために、従来の高油脂固形ルウの配合から油脂の配合量を減らして低油脂ルウを調製し、この低油脂ルウの性状を観察したところ、油脂含有量を低下させるに従ってルウの流動性が低下し、従来の高油脂の固形ルウを製造するラインを使用するのが困難になることが分かった。
すなわち、現在市販の高油脂ルウは、これを調製した後のルウは液状であり適度な流動性を備えているが、油脂含有量を低下させた低油脂ルウでは、調製したルウがボソボソとした流動性に欠ける物性になることが分かった。このことから低油脂ルウを調製し、これを所定量に小分けしながら各製品容器に充填するのが難しいだけでなく、また、低油脂ルウを充填した製品容器を冷却しても、製品容器内で一定の形状を備えた固形ルウを形作るのは、事実上、無理であることが分かった。
このことに加えて、加圧成形した場合、低油脂固形ルウが従来の高油脂固形ルウと同様に素早く溶けるか、という次の問題がある。すなわち、消費者は、従来の高油脂固形ルウの素早い溶解性に馴れており、低油脂固形ルウであっても家庭で調理するときに従来と同様にダマを作ることなく素早く溶けることを望むことは容易に想像できる。しかし、固形の低油脂ルウを成形するのに、ボソボソしたルウを押し固めたとしても密度が均一な固形ルウを作るのは難しく、溶け易い部分と溶け難い部分とが混在してしまう可能性がある。
そこで、本発明の目的は、適度な保形性を備え、しかも調理時にはダマを作ることなく速やかに溶解する、油脂含量の少ない固形ルウの製造方法を提供することにある。
本発明は、低油脂ルウを所定形状の固形ルウに成形するのに成形型を別途用意し、そして、低油脂ルウを調製し、この低油脂ルウから粉粒ルウを作った後に、この粉粒ルウを成形型で成形することによって、上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、上記技術的課題は、本発明によれば、
油脂含有量が少ない低油脂の固形ルウを製造する方法であって、
澱粉質原料、油脂及び調味料を含み、かつ、油脂含量が10〜25質量%である原料を加熱混合して低油脂ルウを調製する低油脂ルウ生成工程と、
該低油脂ルウ生成工程で得られた低油脂ルウを粉砕して粉粒ルウを作る粉粒ルウ生成工程と、
前記粉粒ルウを成形型に充填する成形型充填工程と、
前記成形型に充填された粉粒ルウを加圧成形して低油脂固形ルウを形成する低油脂固形ルウ生成工程とを含むことを特徴とする低油脂固形ルウの製造方法を提供することにより達成される。
本発明において「ルウ」とは、水と共に、肉や野菜などの食材を必要に応じて加え、煮込みなどの加熱調理をすることにより、カレー、ハヤシ、シチュー、スープ、ソースなどの所望の食品を調理するための食品素材である。また、「固形ルウ」とは、ブロック形状のルウをいい、粉粒などのルウは含まない。
本発明の好ましい実施の形態では、低油脂ルウを調製する材料として、澱粉質原料、油脂及び調味料を含み、かつ、油脂含量が10〜25質量%(以下、「質量%」を「%」と略記する)、好ましくは12〜25%、より好ましくは12〜22%、更に好ましくは15〜22%である原料を加熱混合してルウを調製する。油脂含量を上記範囲とすることにより、喫食時の香り立ちが良く、保形性があると共に、調理時に熱水に速やかに溶解する低油脂含量の固形ルウを製造することが可能になる。油脂含量が10%を下回るとルウを固形状に成形し難くなり、また、ルウを成形するために過度に加圧すると調理時に熱水に溶解し難くなる。尚、本発明において「油脂含量」は、固形ルウ中の油脂含量を指し、ソックスレー抽出法により測定したものをいう。
低油脂ルウの原料として用いる澱粉質原料としては、小麦粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉などを挙げることができる。澱粉質原料の含有量としては、上記原料中に好ましくは10〜40%、より好ましくは20〜35%であるのがよい。また、油脂としては、食用に使用される油脂であれば特に制限されるものではなく、天然油脂、加工油脂及びこれらの混合物のいずれをも使用することができる。具体的には、牛脂や豚脂などの動物油脂、パーム油や綿実油、コーン油などの植物油脂、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
また、調味料としては、食塩、砂糖などの糖類、グルタミン酸ナトリウム、トマト、リンゴ、ニンジン、オニオン、チーズ、はちみつ、チャツネ、酵母エキス、フルーツ、ブイヨンなどの粉粒あるいはペースト、粉乳などが例示できる。調味料の含有量としては、所望により決定されるが、上記原料中に好ましくは20〜50%、より好ましくは30〜40%である。また、カレー粉などの香辛料を用いてもよく、香辛料の含有量としては、上記原料中に例えば1〜15%であるのがよい。
また、上記成分の外にも、固形ルウの熱水への溶解性を高めるために、デキストリンを含ませることもできる。この場合、デキストリンとしては、DE値が5〜40のもの、より好ましくは5〜20のものを使用するとよい。これにより、カレー等の食品に風味上の影響を与えることなく、固形ルウの熱水への溶解性を好適に高めることができる。デキストリンを使用する場合の含有量としては、上記原料中、例えば3〜20%であるのが好ましく、5〜15%であるのが更に好ましい。また、この外にも、乳化剤、増粘剤、酸化防止剤、着香料、着色料などを用いることもできる。
低油脂ルウを製造するに際して、上記原料を加熱混合してルウを調製するが、ここでの加熱混合は攪拌手段を有する加熱調理装置、具体的には、例えば特開平8−309171号公報に開示される混合攪拌装置(攪拌機付きクッカー)で行うのが好ましい。上記原料の加熱混合は、品温70〜130℃で10〜120分間行うのがよい。より好ましくは、品温80〜120℃で20〜90分間である。また、本発明においては、先ず、澱粉質原料及び油脂を加熱混合した後、さらに調味料を加えて加熱混合してもよい。この場合の澱粉質原料及び油脂の加熱混合は、品温110〜130℃で20〜120分間行うのがよい。調味料を加えた後の加熱混合は、品温70〜130℃で10〜120分間行うのがよい。より好ましくは、品温80〜120℃で20〜90分間である。
低油脂ルウを調製した後、これを雄型及び雌型を含む成形型で加圧成形するのではなく、調製した低油脂ルウから粉粒ルウを作り、この粉粒ルウを成形型に充填する。このように、本発明では、低油脂ルウを調製した後に、この低油脂ルウから粉粒ルウを作り、この粉粒ルウを成形型に充填して固形ルウを得るものであるが、粉粒ルウは流動性があるため成形型内へ均一に充填するのが容易になる。
粉粒ルウは粒状ルウと粉末ルウとが混在しているのが好ましい。更に好ましいは、粉粒ルウが様々な大きさの粒状及び粉末のルウが混在しているのがよく、最も好ましくは、粉粒ルウの最大大きさが規定されているのがよい。
粉粒ルウを成形型に充填することにより、過度に加圧しなくても均一な密度の固形ルウを得ることが容易となり、エアを含み比較的低密度である適度な嵩密度で成形することができる。そして、これにより得られる固形ルウは溶解性が良好になる。本発明の目的に適合した加圧条件は、好ましくは0.5〜80kg/cm、より好ましくは1.0〜50kg/cmである。そして、得られる固形ルウは、その嵩密度が0.85〜1.35g/cmであるのが好ましく、より好ましくは0.90〜1.35g/cm、更に好ましくは0.95〜1.20g/cmである。なお、この固形ルウは、熱水に速やかに溶解させる上で、その体積が5〜60cmであるのが好ましく、より好ましくは10〜50cm、更に好ましくは10〜30cmである。また、この固形ルウは水分含量が1〜10%程度であるのがよい。
本発明の好ましい実施の形態では、粉粒ルウは、調製した低油脂ルウから、例えば所定の大きさの小孔を数多く備えたフィルタを通じて成形したペレット状又は顆粒状のルウを作る第1次工程と、このペレット状又は顆粒状のルウから粉粒ルウを作る第2次工程とで段階的に小さくするのが好ましい。勿論、調製した低油脂ルウを凍結粉砕すること等により、低油脂ルウから直接的に粉粒ルウを作るようにしてもよい。
調製した低油脂ルウから粉粒ルウを作るのに、典型的には、調製後のルウを冷却しながら板状に延ばし、これを壊すことで塊状のルウを作り、その後、上述した第1次、第2次の工程を経て粉粒ルウを作るのが好ましい。調製した低油脂ルウをこのように冷却して板状にするのに、当業者に公知のいずれの方法を用いてもよいが、例えばルウを冷却装置付きベルトコンベアで上方及び/又は下方から冷却しながら搬送することによって行うことができる。ここでの冷却は、低油脂ルウ中に含まれる油脂の融点以下の温度(品温)にルウを冷却するのが好ましい。より好ましくは、調整した低油脂ルウを迅速に冷却するのに、油脂の融点よりも10℃以上低い温度に冷却するのがよい。具体的には、例えば、油脂の融点が30〜60℃の場合、ルウを5〜28℃に冷却するのがよい。これによれば、調製した低油脂ルウから塊状のルウを作る際に、油脂の融点以下に冷やすことで、塊状のルウから粉粒ルウを作るための粉砕機にルウが付着して粉砕機の動作に支障を及ぼしてしまうのを抑制することができる。なお、ここで、油脂の融点は、上昇融点のことを指し、油脂の殆どが液相に転じ、残った僅かな量の固相が存在したまま全体が流動を開始する温度をいい、この温度は採用した油脂によって様々である。
例えば、上記第1次工程で作ったペレット状又は顆粒状のルウを第2次工程を経ることなく、これを成形型で押し固めて固形ルウを作った場合、固形ルウの中にエアが多量に混入した状態となり易く密度が不均一となるので僅かな外力が加わっただけで欠けが発生し易い。勿論、固形ルウに欠けが発生することは商品性を低下させてしまう。ペレット状又は顆粒状のルウから、エアの混入量の少ない且つ密度が均一性な固形ルウを得ようとするときには、ペレット状又は顆粒状のルウを堅固に押し固めることが必要となる。このことは、調理の際の溶解性を低下させてしまうことは言うまでもない。
他方、粉末だけを成形型に充填して固形ルウを得ようとするときには、堅固に押し固めない限り成形できないため、高密度の硬い固形ルウとなってしまい、調理の際の溶解性を確保するのが難しいだけでなく、粉末ルウは成形機などの設備に付着し易いため作業環境を劣化させる虞がある。このように低油脂固形ルウを製造することに関して、密度の均一性と易溶解性の確保は、高油脂固形ルウには無かった問題である。
本発明では、粒状のルウと粉末ルウとが混在した粉粒ルウを使用するため、固形ルウに適度のエアを含んだ状態の嵩密度で固形ルウを成形することができる。粉粒ルウを生成するのに、その具体的な手段に特に制限はなく、粉粒ルウを生成することのできる公知の粉砕機を採用可能であるが、好ましくは、粉粒ルウの最大大きさを5000μm(5mm)以下に規定することのできる粉砕機を採用するのがよい。これに好適な粉砕機は、目開きの大きさが規定されたスクリーンを通じて粉粒ルウを生成するのが好ましい。すなわち、目開き5000μm以下(例えば目開き4000μm)のスクリーンを通じて粉粒ルウを通過させることで、この粉粒ルウの最大の大きさを規定することができる。したがって、調製した低油脂ルウから作る粉粒ルウの大きさを所定値以下に整えるという意味で、粉粒ルウを作る工程を整粒工程と呼ぶこともできる。換言すれば、所定の目開き寸法の開口を備えたスクリーンを通過させて粉粒ルウの最大大きさを規定することで、粉粒ルウのなかに、その最大大きさよりも小さな粒状及び粉末状のルウも混在させることができる。このように最大大きさを規定しつつも、様々な大きさの粒状又は粉粒状のルウを混在した粉粒ルウを作り、この粉粒ルウを成形機で成形することで、堅固に押し固めたものではない、エアを適度に含んだ適度な嵩密度の固形ルウを作ることができ、これにより調理の際の固形ルウの溶解性を好ましいものにすることができる。
加熱混合して調製した低油脂含量のルウは、通常の高油脂含量のルウと異なり流動性が低くてボソボソした物性になる。そのために塊状のルウから、これを第1次工程で小さくし、次の第2次工程で最大大きさを規定した粉粒ルウを作ることによって、粉粒ルウを生成するための装置(粉砕機)の内部にルウが付着してその作業効率を低下させるのを抑制することができる。
本発明においては、固形ルウを作った後に、製品容器に入れて容器入り固形ルウを得てもよい。この場合、2個以上の固形ルウを製品容器に収容するのに、製品容器に個々に独立した収容部を作り、各収容部に一つの固形ルウを収容するようにするのが、搬送中の固形ルウの部分的な崩壊を防ぐ上で好ましい。このように一つの製品容器に複数食分の固形ルウを入れることで、所望の人数分の調理を可能にする容器入り固形ルウを製造することができる。好ましくは、一人分の固形ルウを3〜15個の1つの製品容器に入れるのがよい。
図1は、固形の低油脂カレールウを製造するラインのフローを示す。この図1を参照して、第1工程S1で、小麦粉などの澱粉質原料、油脂、調味料、カレー粉などをクッカーの中に投入して、このクッカー内で攪拌しながら加熱することにより低油脂カレールウを調製する。次の第2工程S2では、クッカーからカレールウを取り出して、これを板状に延ばしながら冷却し、次いでこれを壊して塊状のルウを作る(S3)。そして、次の工程では、塊状のルウから第1次工程としてペレット状又は顆粒状のルウを作り、これに続く第2次工程で、最大大きさを整えた粉粒ルウを作る(第4工程S4)。この粉粒化により、低油脂カレールウは、その大きさが5000μ以下、好ましくは4000μ以下に整えられ、この大きさ以下の様々な粒状及び粉末状のルウが混在した状態となる。
粉粒ルウは、第5工程S5で、別途用意された成形型に所定量だけ充填され、成形型で所定の嵩密度の固形ルウに成形される。次いで第6工程S6で、成形後の固形ルウが成形型から取り出され、取り出した固形ルウは製品トレーに収容される。そして、第7工程S7で製品トレーに剥離可能なフィルムが接着されて製品トレーのシールが行われ、次の第8工程のパッケージング工程で製品トレーの包装、これに続いて製品出荷のために段ボール詰めされる。
図2は、低油脂カレールウの製造ラインのうち工程S1〜S3の第1次工程に相当する設備の概要を示す。この図2を参照して、参照符号1はクッカーであり、クッカー1は攪拌機2を備えている。クッカー1は、澱粉質原料、油脂及び調味料を含む原料を加熱混合してルウを調製するものであり、クッカー1に投入された原料を攪拌手段2で撹拝しながらジャケット(図示せず)により加熱するようになっている。
クッカー1で低油脂カレールウを調製した後、この低油脂カレールウはクッカー1から取り出され、取り出した低油脂カレールウは、ベルト式冷却装置3に委ねられる。ベルト式冷却装置3は、クッカー1から受け取ったカレールウを冷却して塊状のルウを作るものである。このベルト式冷却装置3は、上下に一定の間隔を設けて並置された上側及び下側の2つの搬送コンベア4、5を含む。上下の搬送コンベア4、5は、夫々、駆動プーリ6、7と案内プーリ8、9とに掛け渡された金属製の無端ベルト10、11を有する。また、下側搬送コンベア5は、その上流端が上側搬送コンベア4の上流端よりも上流側に延長されており、この搬送コンベア5の上流端延長部でクッカー1からルウを受け取るようになっている。下側搬送コンベア5に移載された低油脂カレールウは、上側及び下側の無端ベルト10、11の搬送面で挟まれることにより板状に延ばされ、そして冷却されながら下流側に搬送される。
ベルト式冷却装置3には、上下の無端ベルト10、11の搬送面の近傍に冷却手段12A、12Bが設けられており、冷却手段12A、12Bによって無端ベルト10、11の搬送面が冷却され、冷却された搬送面からの伝熱によってルウを搬送しながら冷却する。下側搬送コンベア4の下流端にはスクレパー14が近接して配置されている。搬送コンベア4、5の下流端まで搬送された板状のルウは、スクレパー14によって掻き取られることによって壊されて塊状となったルウがベルト式冷却装置3の終端から排出される。
ベルト式冷却装置3から排出された塊状のルウは、数多くの小孔を備えたフィルタでペレット状又は顆粒状のルウを作る粗砕機14に投入される。粗砕機14から排出されたペレット状又は顆粒状のルウは、図3の整粒機15で最大大きさが整えられる。整粒機15は公知のものを任意に採用することができる。整粒機15の一例を示す図3を参照して、整粒機15は、上端を開放した投入口151を備えたボックス152を有し、このボックス152は、下端部が先細りの三角形の形状を有し、この三角形状の下端縁に、下方に向けて開放した排出口153が形成されている。
整粒機15は、ボックス152の内部に配置された回転体154を有し、この回転体154は図外のモータによって一方向に回転駆動される。回転体154は、その両端に配置された前後一対の円形輪郭のディスク155と、ディスク155の外周に配置された複数の矩形断面のロッド156とで概略構成され、ロッド156は円周方向に等間隔に配設されている。ボックス152は、回転体154の周囲にスクリーン157が配設され、このスクリーン157には数多くのスリット157aが設けられている。
投入口151を通じて整粒機15の内部に入り込んだ塊状及び/又は粗砕状のルウは、回転体154のロッド156と衝突し細粒化されながらスクリーン157の開口つまりスリット157aを通ることによって排出口153を通じて下方に排出される。このように整粒機15からは、スクリーン157の開口つまりスリット157aを通過することで粉粒ルウが排出され、粉粒ルウはその大きさが規定され、整粒機15から排出される粉粒ルウは、粒状及び粉末状のルウが混在している。この粉粒ルウは流動性を備えていることは勿論である。
粉粒ルウの最大大きさは、主にスクリーン157のスリット157aによって制御することができる。実施例では、開口つまりスリット157aの大きさは4000μm(4mm)であったが、この数値に限定されるものではなく、5000μm(5mm)以下であるのがよい。
整粒機15から排出された粉粒ルウは、成形工程S5で加圧成形装置25を使って所定の形状に成形され、これにより固形ルウとなる。図4は、成形装置25の概要を先ず説明するための図である。この図4を参照して、成形型26は、雌型26(A)と雄型26(B)とからなり水平方向に間欠的に移動する。また、雄型26(B)は上下に移動可能に設けられている。加圧成形装置25の動作について説明すると、先ず、ステップ1で、成形型26は、粉粒ルウ収容ボックス27の下方に位置決めされる。粉粒ルウ充填ボックス27には、上述した整粒機15から粉粒ルウが供給される。このステップ1では、雄型(B)が最下限ストローク位置に位置決めされて、雌型26(A)の側壁と雄型26(B)の天面によって上方が開口した成形キャビティ28が形成され、この成形キャビティ28の中に粉粒ルウ収容ボックス27から粉粒ルウが充填される。次いで、ステップ2で、成形型26が水平方向に移動し、このときに粉粒ルウ収容ボックス27の下端によって粉粒ルウが摺り切りされて、成形型26の成形キャビティ28内には所定量の粉粒ルウが充填される。
次いで、ステップ3では、成形型26を押さえ板29の下方に移動させて成形キャビティ28の上端開口を塞ぎ、この状態で雄型26(B)を所定の成形ストローク位置まで上方に移動させて粉粒ルウを加圧することで成形して固形ルウRを作る。ステップ4では、成形型26を更に移動させて再び上方を開口させて、この状態で雌型26(A)を最上限の位置にまで更に上昇させる。これにより成形型26から成型品である固形ルウRが上方に排出される。成形型26から排出された固形ルウRは、例えば払出し手段30によって成形型26から取り除かれる。
図5〜図10は、低油脂固形ルウを成形する工程(図1のS5)で採用可能な他の例の成形装置40を説明するための図である。成形装置40は、移動テーブル401などの移動手段に設けられた複数の成形型402を含む。移動テーブル401は、複数のステーションで停止して所定の作業を行った後に移動して次のステーションに進む間欠的な移動動作を行う。
図5〜図10を参照して、移動テーブル401には、移動テーブル401の移動方向(例えば図5の矢印で示す方向)に離置した複数の成形型402、402が設けられている。図中、移動テーブル401の移動方向進み側の成形型402には参照符号「L」を付記し、遅れ側の成形型402には参照符号「T」を付して識別してある。
各成形型402の雌型403は、移動テーブル401から下方に延びるスリーブで構成され、このスリーブ(雌型)403は断面略扇形である。この雌型403に対して雄型404が下方から挿入され、この雄型403を下方に変位させることにより成形キャビティ405が形成され、雄型403を上方に押し上げることにより成形キャビティ405内の粉粒ルウを加圧成形することができる。
雄型403は下端フランジ404aを有し、この下端フランジ404aが移動テーブル401の下面と当接した上限位置まで持ち上げたときに、雄型403の上端面が移動テーブル401の上面と一致するように設計されている。また、雌型403の下端面と雄型403の下端フランジ404aとは永久磁石406によって吸着された状態が保持される。
図5、図6は、成形型402に粉粒ルウを充填する粉粒ルウ充填ステーションST1を示し、図5は成形型402を粉粒ルウ収容ボックス27の下方に位置決めした状態を示し、図6は、次いで、成形型402の中に粉粒ルウを充填する工程を説明するための図である。粉粒ルウ充填ステーションST1には、上方に向けて延びるシリンダロッド408が配設されており、このシリンダロッド408の先端部には電磁石409が設けられ、この電磁石409が発揮する磁力は上述した永久磁石406よりも大きい。
粉粒ルウ充填ステーションST1では、シリンダロッド408が上方に延びた状態で待機しており、成形型402が粉粒ルウ充填ステーションST1に位置決めされたときに、シリンダロッド408の上端が雄型404の下端面と当接した状態となり、この雄型404は、シリンダロッド408の上端面に電磁石409によって吸着される(図5)。次いで、図7に示すように、シリンダロッド408が雄型404を吸着した状態で下降動する。雄型404の下端ストローク位置は充填量調製プレート410によって規定される。
充填量調製プレート410には、遅れ側の成形型402Tに対応する位置に、充填量微調製台411が配設されており、これにより、遅れ側成形型402Tの雄型403Tの型ストローク位置は進み側成形型402Lの雄型403Lの下端ストローク位置に比べて高い。したがって、遅れ側の成形型402Tに生成される成形キャビティ405Tの容積は進み側成形型402Lの成形キャビティ405Lの容積に比べて小さい。上述した雄型404の下方へのストロークに伴って各成形型402には、粉粒ルウ収容ボックス27から粉粒ルウが流入する。
この粉粒ルウ充填ステーションST1での作業が終わると、移動テーブル401が移動し始めて成形型402が次のステーションST2に送り込まれるが、粉粒ルウ充填ステーションST1には、遅れ側成形型403Tの進み側先方にガイド412が配設されており、このガイド412は、遅れ側成形型403Tの雄型404Tの下端フランジ404aと係合して、雄型404Tを強制的に最下端ストローク位置まで下降させる。すなわち、粉粒ルウ充填ステーションST1での作業途中では、遅れ側成形型403Tの雄型404Tの下端フランジ404aは充填量微調製台411で若干持ち上げられた状態にあるが、移動テーブル401の移動が開始して遅れ側成形型403Tの雄型404Tの下端フランジ404aが充填量微調製台411から離脱した直後にガイド412と係合して、このガイド412によって遅れ側雄型404Tは強制的に充填量調製プレート410まで下降する。遅れ側雄型404Tがガイド412によって最下端ストローク位置まで下降するに従って、遅れ側雄型404Tには粉粒ルウ収容ボックス27から追加の粉粒ルウが流入する。
このように、粉粒ルウ充填ステーションST1で粉粒ルウを成形型402に充填する段階で遅れ側成形型402Tの成形キャビティ405Tの容積を進み側成形型402Lよりも若干小さくし、移動テーブル401を移動させて成形型402を次のステーションST2に送り出す際に粉粒ルウ収容ボックス27の下端縁を使って擦り切りで各成形型402内の粉粒ルウの量を制御する際に遅れ側成形型402Tの雄型404Tを下げて、この遅れ側成形型402Tの成形キャビティの容積を、進み側成形型402Lの容積と同じにすることで両成形型402L、402Tに充填した粉粒ルウの量を実質的に同じにすることができる。
換言すれば、粉粒ルウ充填ステーションST1で、遅れ側及び進み側の成形型402T、402Lの成形キャビティ405T、405Lが最初から同じ容積であった場合には、粉粒ルウを成形型402T、402Lに充填した後、移動テーブル401を移動させながら粉粒ルウ収容ボックス27の下端縁で擦り切りで各成形型402の量目を制御する際に、成形型402T、402Lと粉粒ルウ収容ボックス27との間の相対的な移動によって遅れ側成形型402Tに充填された粉粒ルウが圧縮される傾向になり、結果的に、遅れ側成形型402Tの方が進み側成形型402Lよりも多くの粉粒ルウが充填されてしまうという問題が発生する。これに対して、如上のように遅れ側成形型402Tの成形キャビティ405Tの容積を進み側成形型402Lよりも若干小さくし、移動テーブル401を移動させて成形型402を次のステーションST2に送り出す際に粉粒ルウ収容ボックス27の下端縁で擦り切りで各成形型402の量目を制御する際に遅れ側成形型402Tの雄型404Tを下げて進み側成形型402Lの容積と共通にすることで両成形型402L、402Tに充填した粉粒ルウの量を同じにすることができる。
このことは、油脂を含むか否かを問わず広く一般的に粉粒又は粉末に対しても適用することができる。すなわち、粉粒を入れた定置のボックスの下端縁と摺接して移動するテーブルに開口する複数の成形型を有し、この複数の成形型がテーブルの移動方向進み側と遅れ側に配置されて、テーブルを移動させることで、粉粒又は粉末収容ボックスの下端縁で成形型に充填した粉粒を擦り切りして成形型に充填した粉粒の量を制御する場合に、上記複数の成形型を粉粒又は粉末収容ボックスの下方に位置決めして、この粉粒又は粉末収容ボックスから複数の成形型の中に粉粒を流入させる際に、遅れ側の成形型の成形キャビティの容積を進み側の成形型の成形キャビティの容積よりも若干小さくし、次いで、テーブルを移動させて上記複数の成形型に流入した粉粒又は粉末を粉粒又は粉末収容ボックスの下端縁で擦り切りしながら、遅れ側の成形型の成形キャビティの容積を進み側の成形型の成形キャビティの容積と同一になるように修正することで、上記複数の成形型で成形する粉粒又は粉末の量を均一にすることができる。
図8は、粉粒ルウを雄型404で押して所定形状の固形ルウに成形する成形ステーションST2を示す。成形ステーションST2には、前述した押さえ板29が水平状態で配設されている。成形型402が成形ステーションST2に到着すると、雌型403の上端開口は押さえ板29によって閉塞された状態になる。成形ステーションST2には、各雄型404に対応して上方に向けて延びるプレスシリンダのロッド420が配設されており、このプレスシリンダロッド420が上方に向けて伸長することで、成形型402内の粉体ルウが加圧成形される。
図8の成形ステーションST2での成形作業が終わった後に、移動テーブル401が移動して、図9に示す、成形した固形ルウを成形型402から排出する製品排出ステーションST3に進む。製品排出ステーションST3には、排出用シリンダのシリンダロッド430が配設されており、この排出用シリンダのシリンダロッド430が上方に向けて伸長して、各雄型404を上端ストローク端まで押し上げることにより、各雌型403から固形ルウRを上方に排出する。成形型402から排出された固形ルウRは、次の工程S6で製品トレーに収容される(図1)。
図10は、固形ルウを取り除いた後に移動テーブル401が移動して次の待機ステーションST4に進む。この待機ステーションST4では、成形型26は、雄型404が上端ストローク端つまり雄型404の下端フランジ404aが雌型403の下端に永久磁石406で吸着された状態にある。この待機ステーションST4から移動テーブル401が移動すると、図6で説明した粉粒ルウ充填ステーションST1へ進む。
図11は、低油脂固形カレールウを収容するためのプラスチック製の製品トレー50を示す。この製品トレー50は5つの固形ルウRを夫々収容するための上方に開放した5つの固形ルウ収容室501を有する。ここに、固形ルウRは、一例として平面視略扇形の形状に成形されており、各固形ルウRは、個々に独立した固形ルウ収容室50に収容される。ちなみに、平面視扇形の固形ルウRは、肉厚が約18mm、平面視した時の高さが約33mmであり、そして約20cmの体積を備えており、一食分の分量(約19g)に相当する。したがって、製品トレー50は5食分の個々に分離した固形ルウRを独立して収容することができる。当業者であれば理解可能なように、製品トレー50に固形ルウRを収容した後に、製品トレー50は、その上端フランジ502に対してフィルム(図示せず)を剥離可能に接着することによりシールされ、その後の第8工程で製品トレー50を包装し、また段ボール詰めされることになるが、その過程で、固形ルウRを収容した製品トレー50の計量が行われる。この計量の結果、規定の重量よりも軽いとき又は重いときには、この結果がフィードバックされて図6を参照して説明した充填量調製プレート410の上げ下げが行われる。
このフィードバック制御の概要を図12を参照して説明すると、固形ルウRを収容した製品トレー50の重量が所定の閾値よりも軽いときには、充填量調製プレート410を下降させる制御が実行される。逆に、固形ルウRを収容した製品トレー50の重量が所定の閾値よりも重いときには、充填量調製プレート410を上昇させる制御が実行される。この充填量調製プレート410を下降および上昇させる量は、実際にデータ取りして、固形ルウRを収容した製品トレー50の重量偏差と充填量調製プレート410の移動量との関係をプログラムに組み込んでおけばよい。言うまでもないことであるが、充填量調製プレート410を下降させることにより、成形型402の成形キャビティ405の容積を拡大することができ、これにより成形型402へ充填する粉粒ルウの量を増量することができる。逆に、充填量調製プレート410を上昇させることにより、成形型402の成形キャビティ405の容積を小さくすることができ、これにより成形型402へ充填する粉粒ルウの量を減少させることができる。
このように、固形ルウRを収容した製品トレー50の重量を計量してその結果を充填量調製プレート410の高さ位置の制御にフィードバックすることにより、製品出荷の際に製品トレー50に収容されている固形ルウRの重量の均一性を確保することができる。
図13は、図11を参照して説明した固形カレールウRを成形するのに用いた雄型26(B)の斜視図である。雄型26(B)は、その天井面261で粉粒ルウを加圧するものであるが、雄型26(B)は、3つの湾曲したコーナー部分262を含む略三角形状の天井面261と同じ形状の断面形状を備えた高さを有する立体形状を有し、この立体形状の縦方向に延びるコーナー部分263を除く3つの側壁264には、天井面261の近傍を残した部分が切り欠かれた切欠き形状部分264aが形成され、この切欠き形状部分264aは雄型26(B)の下端まで延びている。すなわち、切欠き形状部分264aは下方に開放している。なお、図13では、2つの切欠き形状部分264aが図示されているが、残る1つの切欠き形状部分264aは作図上の関係で図面には現れていない。
如上のように雄型26(B)を天井面261の近傍及び縦方向に延びるコーナー部分263を残して下方に開放した切欠き形状部分264aを形成することで、雌型26(A)の壁面に付着した粉粒ルウによって雄型26(B)の上下動作が阻害されるのを防止することができる。
すなわち、雄型26(B)から上記切欠き形状部分264aを省いて、その縦方向に全て天井面261と同じ断面形状にした場合には、雌型26(A)の壁面に付着した粉粒ルウが26(B)の壁面との間に噛み込で雄型26(B)の上下動作が阻害される可能性があるが、図13に図示のように、雄型26(B)に下方に開放した切欠き形状部分264aを設けることで、雌型26(A)の壁面に付着した粉粒ルウは、天井面261と切欠き形状部分264aとの間の上端帯状部分265が雌型26(A)の壁面に付着した粉粒ルウを掻き落とす機能を果たし、この上端帯状部分265が果たす雌型26(A)の壁面の掃除機能によって雌型26(A)の壁面に付着した粉粒ルウが26(B)の壁面との間に噛み込む現象の発生を抑制することができる。また、3つの縦方向に延びるコーナー部分263は天井面261の3つのコーナー部分262と同じ外形輪郭をもっているため、雄型26(B)が雌型26(A)の中で傾いてしまうのを防止することができる。
このことは、平面視略三角形状の雄型(B)に限定されず、平面視略四角形などの多角形形状の雄型に対して同様に適用することができる。また、低油脂粉粒カレールウに限定されず、広く一般的に粉粒又は粉体の成形に対しても同様に適用することができる。
(実施例1〜4)
下記表1に示す原料を用いて固形ルウを製造した。すなわち、先ず、牛脂、小麦粉及びコーンスターチをクッカー1に投入して加熱混合を開始し、品温が120℃に達したら、この温度で30分間保持した。さらに、これに他の原料を加えて加熱混合を継続し、品温が100℃に達したら、この温度で20分間保持してルウを調製した。次いで、得られたルウを搬送コンベア5の上流端に移し、搬送コンベア4、5で搬送しながら品温20℃に冷却してスクレパー12で掻き取って粗砕状のルウを調製した。なお、ここでの冷却は、搬送コンベア4、5の搬送面に冷却手段(シャワー)12、13から10℃の冷却水を吹き付け、搬送コンベア4、5の搬送面からの伝熱で行った。
次いで、粗砕状のルウを整粒機15に投入し、この整粒機15内で4mmの大きさのスリット157aを備えたスクリーン157を通過させて、大きさが最大4000μmで規定される粉粒ルウを作った。次いで、得られた粉粒ルウを成形型26に充填し(ステップ1)、摺り切りして量目を調整し(ステップ2)、その後、雄型26(B)を上方に移動させて表2に示した加圧条件で加圧成形して固形ルウRを得た。得られた固形ルウRの体積及び嵩密度は表2に示す通りとなった。また、得られた固形ルウの成形性、溶解性及び調理感はいずれも良好であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして塊状と粗砕状の混在したルウを調製し、これを整粒機15で粉砕しないこと以外は実施例1と同様にして固形ルウを得た。表2に示すように、比較例1の固形ルウは成形性が劣るものとなった。
(比較例2)
加圧成形の加圧条件を100kg/cmにすること以外は比較例1と同様にして固形ルウを得た。表2に示すように、比較例2の個形状ルウは溶解性が劣るものとなった。
Figure 2006345856
(表中、部は質量部を表す。)
Figure 2006345856
成形性※1: 製品容器内に独立して個々独立して収容した包装済みルウをダンボール詰めし(総重量約15kg相当)、これを振動試験機に固定して、上下方向に振動(加速度:9.8m/s)を与える。次に、このダンボールを35cmの高さから底面2回、天面1回、各側面1回落下させた後、固形ルウの中に砕けているものがない場合には「○」、固形ルウの中で砕けているものがある場合には「×」と評価した。
溶解性※2:具(人参)と熱水(95℃)とを同じ割合で入れた鍋に固形ルウを投入し、1秒おきにスプーンで前後に一往復させて4分間経過後に固形ルウが完全に溶けていた場合は「○」、溶けていない場合は「×」と評価した。尚、「◎」は2分間以内に完全に溶解したものを示す。
調理感※3:市販ルウ(商品名:バーモントカレー)と比較して同様の調理感を有している場合には「○」、同様の調理感を有していない場合には「×」と評価した。
実施例の低油脂固形ルウの製造工程図である。 低油脂ルウを調製した後に、これを粗砕してペレット状又は顆粒状のルウを作る一連の設備の概要を説明するための図である。 ペレット状又は顆粒状のルウから粉粒ルウを生成するための整粒機の一例の概要を説明するための図である。 粉粒ルウから固形ルウを生成する一連の工程を説明するための図である。 低油脂固形ルウを成形するための成形機を第1ステーションに移動させた直後の状態を示す図である。 第1ステーションで、粉粒ルウを成形機に充填している状態を示す図である。 第1ステーションから次のステーションに移行する過程で、遅れ側成形機の雄型を強制的に下げて進み側成形機と同じ高さ位置に雄型の高さ位置を調整した状態を示す図である。 第2ステーションで加圧成形している状態を示す図である。 第3ステーションで固形ルウを成形型から排出した状態を示す図である。 待機ステーションの成形型の状態を説明するための図である。 具体例として、5個入り製品トレーの5つの独立したルウ収容室の各々に低油脂固形ルウを収容することを説明するための図である。 第1ステーションで成形機に充填する粉粒ルウの量のフィードバック制御を説明するための図である。 成形機の雄型の斜視図である。

Claims (7)

  1. 油脂含有量が少ない低油脂の固形ルウを製造する方法であって、
    澱粉質原料、油脂及び調味料を含み、かつ、油脂含量が10〜25質量%である原料を加熱混合して低油脂ルウを調製する低油脂ルウ生成工程と、
    該低油脂ルウ生成工程で得られた低油脂ルウから粉粒ルウを作る粉粒ルウ生成工程と、
    前記粉粒ルウを成形型に充填する成形型充填工程と、
    前記成形型に充填された粉粒ルウを加圧成形して低油脂固形ルウを形成する低油脂固形ルウ生成工程とを含むことを特徴とする低油脂固形ルウの製造方法。
  2. 前記粉粒ルウ生成工程が、前記低油脂ルウから作った塊状のルウを段階的に小さくして前記粉粒ルウを生成する複数の粉砕工程を含む、請求項1に記載の低油脂固形ルウの製造方法。
  3. 前記低油脂ルウ生成工程で調製した低油脂ルウを、これに含まれる油脂の融点以下に冷却した後に前記粉粒ルウ生成工程を実行する、請求項1又は2に記載の低油脂固形ルウの製造方法。
  4. 前記粉粒ルウ生成工程で生成される粉粒ルウが、目開き5000μm(5mm)以下のスクリーンを通過可能な大きさを備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の低油脂固形ルウの製造方法。
  5. 前記低油脂固形ルウ生成工程で、前記低油脂固形ルウの嵩密度が0.85〜1.35g/cmとなるように加圧成形される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の低油脂固形ルウの製造方法。
  6. 前記低油脂固形ルウ生成工程で、生成後の前記低油脂固形ルウの体積が5〜60
    cmとなるように加圧成形する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の低油脂固形ルウの製造方法。
  7. 低油脂固形ルウを製品容器に入れて容器入り低油脂固形ルウを得る包装工程を更に含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の低油脂固形ルウの製造方法。
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