JP2006345692A - 永久磁石形モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることで誘起電圧の歪を少なくし、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータを提供すること。
【解決手段】120度矩形波通電方式で、非通電状態にある相に発生する誘起電圧が零となる位置を検出することでロータとステータの位置関係の判定を行う永久磁石形モータにおいて、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部と、切り欠き部に沿って前記ロータ鉄心に設けられた薄肉連結部と、ステータの内周とロータの外周との間の空隙長の最大値を、極間ブリッジ部における空隙長のLa、空隙長の最小値を永久磁石の極中心における空隙長のLbとしたとき、空隙長の最大値Laと最小値Lbの比La/Lbを1.3≦La/Lb≦3とすることにより、非通電状態にある相に発生する誘起電圧の歪を抑制する誘起電圧歪抑制手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図12
【解決手段】120度矩形波通電方式で、非通電状態にある相に発生する誘起電圧が零となる位置を検出することでロータとステータの位置関係の判定を行う永久磁石形モータにおいて、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部と、切り欠き部に沿って前記ロータ鉄心に設けられた薄肉連結部と、ステータの内周とロータの外周との間の空隙長の最大値を、極間ブリッジ部における空隙長のLa、空隙長の最小値を永久磁石の極中心における空隙長のLbとしたとき、空隙長の最大値Laと最小値Lbの比La/Lbを1.3≦La/Lb≦3とすることにより、非通電状態にある相に発生する誘起電圧の歪を抑制する誘起電圧歪抑制手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図12
Description
この発明は、例えば冷蔵庫や空気調和機の圧縮機駆動用等に用いられる永久磁石型モータに関するものである。
従来例1.
図25は、例えば特開平6−311683号公報に開示されている従来の永久磁石形モータの構造を示す断面図である。図において、スロット2は一定角度間隔置きに形成され、絶縁部材8が内張りされている。スロット2内にはコイル6が巻装されている。磁性楔35とコイル6間を絶縁する絶縁部材31を装着した後、隣り合うスロット2間のステータ鉄心のティース部3fの先端部の対応内面に形成された装着溝32に、磁性楔35の楔部33が挿入される。磁性楔35は圧入により、若しくは装着された後、接着により固定される。磁性楔35により隣り合うステータ鉄心のティース部3fが橋絡されるとともに、スロット2のスロットオープニング部2aが塞がれ、磁性楔35に形成した非磁性組織34が、スロットオープニング部2aの中央に位置する。
図25は、例えば特開平6−311683号公報に開示されている従来の永久磁石形モータの構造を示す断面図である。図において、スロット2は一定角度間隔置きに形成され、絶縁部材8が内張りされている。スロット2内にはコイル6が巻装されている。磁性楔35とコイル6間を絶縁する絶縁部材31を装着した後、隣り合うスロット2間のステータ鉄心のティース部3fの先端部の対応内面に形成された装着溝32に、磁性楔35の楔部33が挿入される。磁性楔35は圧入により、若しくは装着された後、接着により固定される。磁性楔35により隣り合うステータ鉄心のティース部3fが橋絡されるとともに、スロット2のスロットオープニング部2aが塞がれ、磁性楔35に形成した非磁性組織34が、スロットオープニング部2aの中央に位置する。
従来例2.
図26は、例えば特開平5−276706号公報に開示されている他の永久磁石形モータのステータ鉄心の部分断面図と磁性楔の斜視図である。図に示すように、鉄粉やフェライトを圧縮、または樹脂成形して、比透磁率を5〜数10程度にした磁性楔35の表面(ステータ鉄心7内周側)に、膜厚が数μ〜数10μmのアモルファスシート55が配置された複合磁性楔36を、ステータ鉄心7のセミクローズのスロット構造を有するスロット2のスロットオープニング部2aを閉塞するように、複合磁性楔36が収納されている。
図26は、例えば特開平5−276706号公報に開示されている他の永久磁石形モータのステータ鉄心の部分断面図と磁性楔の斜視図である。図に示すように、鉄粉やフェライトを圧縮、または樹脂成形して、比透磁率を5〜数10程度にした磁性楔35の表面(ステータ鉄心7内周側)に、膜厚が数μ〜数10μmのアモルファスシート55が配置された複合磁性楔36を、ステータ鉄心7のセミクローズのスロット構造を有するスロット2のスロットオープニング部2aを閉塞するように、複合磁性楔36が収納されている。
従来例3.
図27、図28は、例えば特開2000−209795号公報に開示されている他の永久磁石形モータを示す図で、図27は永久磁石形モータの断面図、図28はステータ連結体及び巻線を巻いたステータ連結体を示す図である。図に示すように、ステータ12と、ステータ12の外周に配設されたリング状の永久磁石15を内周に備えたロータ16からなる。ステータ12は、各ティース部3f間を薄肉部37で連結し、ティース間に隙間がない構造となっている。
図27、図28は、例えば特開2000−209795号公報に開示されている他の永久磁石形モータを示す図で、図27は永久磁石形モータの断面図、図28はステータ連結体及び巻線を巻いたステータ連結体を示す図である。図に示すように、ステータ12と、ステータ12の外周に配設されたリング状の永久磁石15を内周に備えたロータ16からなる。ステータ12は、各ティース部3f間を薄肉部37で連結し、ティース間に隙間がない構造となっている。
組み立て方法を、図28を用いて説明する。図28(a)に示すステータ連結体38は、板厚が薄い電磁鋼板を複数枚重ね、一枚一枚の電磁鋼板がバラバラにならないように固定されている。このステータ連結体38は、複数のステータの磁性片部3を薄肉部37で連結している。なお、ステータの磁性片部3は、両脇端に薄肉部37を備えるティース部3fと、このティース部3fの下方に連結した被コイル部と、この被コイル部の下方に連結したコア支持部とからなる。このようなステータ連結体38の被コイル部にコイルを巻く時、図28(b)に示すように、隣り合うコア支持部の間隔を十分に開いた状態で、被コイル部にコイルを集中巻線し、ティース部3fとコア支持部の間にコイル6を作る。
従来例4.
図29は、例えば特開2000−116043号公報に開示されている他の永久磁石形モータのロータ構成を示す図である。図に示すように、ロータ16のロータ鉄心14の外周面において、永久磁石15の相互間に存する鉄心部分を同鉄心の内周部と外周部とを繋ぐ連結部と対応する部位に、ロータ鉄心14の軸方向(回転軸13の軸方向)に沿って凹部39をそれぞれ形成した構造となっている。
図29は、例えば特開2000−116043号公報に開示されている他の永久磁石形モータのロータ構成を示す図である。図に示すように、ロータ16のロータ鉄心14の外周面において、永久磁石15の相互間に存する鉄心部分を同鉄心の内周部と外周部とを繋ぐ連結部と対応する部位に、ロータ鉄心14の軸方向(回転軸13の軸方向)に沿って凹部39をそれぞれ形成した構造となっている。
従来例5.
図30は、例えば特開2000−184633号公報に開示されている他の永久磁石形モータのステータ鉄心の一部拡大図である。図に示すように、ティース部3fは所定の歯幅を有し、ティース部3f部分を除くスロットオープニング部までの内径側ティース部にティース部先端部3gが形成されている。そして、ティース部3fの両脇に延長して形成されるティース部先端部3gを、図30(B)のように、その一部a、bをカットして除去したものである。カット部分はロータ16の回転が向かう方向のティース部先端部3gのみ、aの片側で十分であるが、モータの組み立て時にステータ12のどちらの方向からもロータ16を挿入できるように、両側のティース部先端部3gの他方bもカットした構成となっている。
図30は、例えば特開2000−184633号公報に開示されている他の永久磁石形モータのステータ鉄心の一部拡大図である。図に示すように、ティース部3fは所定の歯幅を有し、ティース部3f部分を除くスロットオープニング部までの内径側ティース部にティース部先端部3gが形成されている。そして、ティース部3fの両脇に延長して形成されるティース部先端部3gを、図30(B)のように、その一部a、bをカットして除去したものである。カット部分はロータ16の回転が向かう方向のティース部先端部3gのみ、aの片側で十分であるが、モータの組み立て時にステータ12のどちらの方向からもロータ16を挿入できるように、両側のティース部先端部3gの他方bもカットした構成となっている。
従来例6.
図31は、例えば特開平11−285184号公報に開示されている他の永久磁石形モータのロータ鉄心を説明するための概略的部分平面図である。図に示すように、ロータ鉄心14には、断面が凸レンズ形状の永久磁石15がコア外周に沿って極数分だけ等間隔に埋設されている。各永久磁石15は一方の面をコア外周に沿うようにし、他方の面を中心孔58(回転軸用)に向けるように構成されている。さらに、図31に示すように、隣接する異極の永久磁石15の間は、ステータ鉄心7からの磁束の路を確保するために所定幅sとし、例えばロータ鉄心14に使用する電磁鋼板1枚の厚さ以上となるように構成されている。また、永久磁石15の他方の面(中心孔58を向いている面)は、ステータ鉄心7からの磁気の通路(いわゆる磁束の路)に沿った曲線になるように構成されている。
図31は、例えば特開平11−285184号公報に開示されている他の永久磁石形モータのロータ鉄心を説明するための概略的部分平面図である。図に示すように、ロータ鉄心14には、断面が凸レンズ形状の永久磁石15がコア外周に沿って極数分だけ等間隔に埋設されている。各永久磁石15は一方の面をコア外周に沿うようにし、他方の面を中心孔58(回転軸用)に向けるように構成されている。さらに、図31に示すように、隣接する異極の永久磁石15の間は、ステータ鉄心7からの磁束の路を確保するために所定幅sとし、例えばロータ鉄心14に使用する電磁鋼板1枚の厚さ以上となるように構成されている。また、永久磁石15の他方の面(中心孔58を向いている面)は、ステータ鉄心7からの磁気の通路(いわゆる磁束の路)に沿った曲線になるように構成されている。
次に従来の永久磁石形モータを回転駆動させるための駆動回路装置の構成を図32を参照して説明する。図32は、モータ駆動用として良く用いられる一般的なモータ駆動回路装置である。図に示すモータ駆動回路装置は、直流電源部40、主回路部41、および制御回路部42から構成される。直流電源部40は、電解コンデンサ、ダイオードブリッジ回路(図示せず)等により構成されており、主回路部41に接続され、主回路部41へ直流電力を供給する。主回路部41は、6個のスイッチング素子Ua、Ub、Va、Vb、Wa、Wbと6個の環流ダイオードD1、D2・・・D6より構成され、それぞれの環流ダイオードは、スイッチング素子と並列に接続されている。
また、スイッチング素子UaとUbを直列に接続してアーム部Uabを、スイッチング素子VaとVbを直列に接続しアーム部Vabを、同様にスイッチング素子WaとWbを直列に接続し、アーム部Wabが形成され、合計で3つのアームが形成されている。これらの、アーム部Uab、Vab、Wabは、それぞれ並列に接続され、3相のブリッジが形成される。この主回路部41において、3相の各アーム部Uab、Vab、Wabが有するスイッチング素子の共通節点Uo、Vo、Woは、3相Y結線されたモータの端子U、端子V、端子Wに接続れている。
次に、図32で説明した駆動回路装置を用いて、モータを回転駆動させる場合の動作原理を説明する。圧縮機の中に永久磁石形モータを組み込んだ場合、モータは高温の冷媒ガス雰囲気の中にあるので、ステータとロータの位置関係を検出してスイッチング素子の通電タイミングを決めるためのホール素子などの位置センサを取り付けることができない。このため、圧縮機に組み込んだ永久磁石形モータを回転駆動させる場合、位置センサを用いずにモータを回転駆動させるセンサレス駆動方式が用いられている。
図33、図34は、センサレス駆動方式によりモータを回転駆動させるための一般的な動作原理である。図34は、120度矩形波駆動方式によりモータを回転駆動させた場合のスイッチング素子のオン・オフのタイミングおよび、中性点と各端子の間に発生する電圧の変化を示した波形、図33は、図34のスイッチングに基づきスイッチングのオン・オフを行った場合にコイルに流れる電流の向きを示したものである。センサレスで行う120度矩形波駆動は、3相巻線されたコイルの2相間に電流を流しつつ、ロータ位置検出部42で電流を流していない残りの1相(非通電相)に発生する誘起電圧を検出することにより、ステータとロータの位置関係を判定し、この判定結果に基づいてスイッチング素子のオン・オフを順次切り替えてモータを回転駆動させる駆動方式である。
ここで、誘起電圧とは、ロータの回転に伴いステータのティース部に巻装されたコイルに鎖交する磁束が変化することによって誘導される逆起電力であり、モータの巻数をN、ロータの回転によって発生する磁束の変化をdΦ/dtとすると、一般的に(1)式で表すことができる。
V=N・dΦ/dt ............(1)
即ち、各相に発生する誘起電圧は、ロータの回転に伴う磁束変化(dΦ/dt)に起因しており、突極性を有さない表面配置形のロータを用いた永久磁石形モータの場合は、中性点を基準電位とすると、ロータの極中心部とステータティースの中心が一致する図35の位置にステータとロータの位置関係がある時に、磁束変化が最も小さくなり、その値は零となる。この特性を利用して、センサレス120度矩形波駆動方式では、3相の内、非通電状態にある相に発生する誘起電圧が零となる位置(零クロス点)を検出することでロータとステータの位置関係の判定を行っている。
V=N・dΦ/dt ............(1)
即ち、各相に発生する誘起電圧は、ロータの回転に伴う磁束変化(dΦ/dt)に起因しており、突極性を有さない表面配置形のロータを用いた永久磁石形モータの場合は、中性点を基準電位とすると、ロータの極中心部とステータティースの中心が一致する図35の位置にステータとロータの位置関係がある時に、磁束変化が最も小さくなり、その値は零となる。この特性を利用して、センサレス120度矩形波駆動方式では、3相の内、非通電状態にある相に発生する誘起電圧が零となる位置(零クロス点)を検出することでロータとステータの位置関係の判定を行っている。
また、電流の切り替えは、図32に示すようにスイッチング素子Ua、Ub、Va、Vb、Wa、Wbのオン・オフを、ロータ位置検出部42の信号を受けて転流制御回路43から出されるオン・オフ指令に基づき制御することにより行われ、図33に示すように6つのステージを1周期として順次電流を切り替えることにより、モータを回転駆動させている。
即ち、ステップ1の最初の60度(電気角)の区間では、スイッチング素子Uaとスイッチング素子Vbをオン、その他のスイッチング素子をオフにする。これにより、図33で示した1)で示すU−V間に電流が流れる。同様に、ステップ2で、スイッチング素子VbとWaをオン、ステップ3でスイッチング素子UbとWaをオン、ステップ4でUbとVaをオン、ステップ5でVaとWbをオン、ステップ6でUaとWbをオンとなるように電気角で60度毎に順次スイッチング素子のオン・オフを切り替えて、1)U−V間→2)W−V間→3)W−U間→4)V−U間→5)V−W間→6)U−W間の順番で順次コイルに電流を流すことで、モータを回転駆動させている。
特開平6−311683号公報
特開平5−276706号公報
特開2000−209795号公報
特開2000−116043号公報
特開2000−184633号公報
特開平11−285184号公報
特開2000−152534号公報
特開2001−258189号公報
従来の永久磁石形モータは以上のように構成されているので、以下に述べる問題点があった。
隣り合うスロット2間に磁性楔35を装着するために、ステータ鉄心のティース部3fの先端部の対応内面に装着溝32を形成し、圧入などにより、磁性楔35をスロット2間に挿入する必要があるため、磁性楔を固定するための組み立て性が悪く、組み立て中に磁性楔が割れる等の問題点があった。
隣り合うスロット2間に磁性楔35を装着するために、ステータ鉄心のティース部3fの先端部の対応内面に装着溝32を形成し、圧入などにより、磁性楔35をスロット2間に挿入する必要があるため、磁性楔を固定するための組み立て性が悪く、組み立て中に磁性楔が割れる等の問題点があった。
また、磁性楔35を固定するために、ステータ鉄心のティース部3fのステータ内径側の側面部に装着溝32を設けたため、装着溝32がない場合と比べて、ステータ鉄心のティース部3fの断面積が小さくなることにより、ステータ鉄心のティース部3fの磁束密度が増加し、鉄損の増加により効率を悪化させていた。
また、複合磁性楔36を、ステータ鉄心7のセミクローズのスロット構造を有するスロット2のスロットオープニング部2aを閉塞するように、複合磁性楔36を収容する構造としていたため、スロット2断面内に入り込んで複合磁性楔36を配置する必要があった。この結果、コイル6を収容することができる有効スロット断面積が狭めることとなり、所定のコイル6を巻装するために線径を小さくする必要があり、銅損増加により効率を悪化させていた。また、磁性楔の固定が不十分であった。
また、圧縮機に組み込んだ場合、磁性楔35の破片が圧縮機の細管に入り込み、圧縮機の故障の原因となっていた。
また、ステータの磁性片部3をティース部3fの両脇に配置された薄肉部37によって連結された構造となっているため、ステータを製造する工程の中で、薄肉部37を支点にステータ鉄心7を開いた状態でコイルする工程と、開いたコアを閉じる工程が存在する。この2つの工程によって、薄肉部37に塑性変形が生じ、磁気特性が劣化するといった問題点があった。
また、ロータ鉄心14の外周面において、永久磁石15の相互間に存する鉄心部分を同鉄心の内周部と外周部とを繋ぐ連結部と対応する部位に、ロータ鉄心14の軸方向(回転軸13の軸方向)に沿って凹部31を形成した構造としていたので、磁石極間部を通る磁束が減少することにより、リラクタンストルクが減少し、電流の増加により効率が悪化するという問題点があった。
また,ステータ内径側のティース部3fのティース部先端部3gをカットして除去した構造としているが、ティース部先端部3gのカットする寸法によっては、効率を悪化させるという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、ステータティース部の先端部に磁性楔を挿入する際の組み立て性を改善すると共に、磁性楔の固定を容易にし、さらに、ステータティース部に磁性楔を固定するための装着溝を設けることなく、磁性楔の固定を容易に実現することで、モータの効率を改善すると共に、制御性が良好な永久磁石モータを提供することを目的とする。
また、コイルの収容できるスロット断面積を小さくすることなく、磁性楔の固定を容易に実現することで、モータの組み立て性を改善すると共に、モータ効率が向上し、制御性が良好な永久磁石モータを提供することを目的とする。
また、ティース部の両脇に配置された薄肉部を塑性変形することなく、設けることで、薄肉部の磁気特性を改善すると共に、制御性が良好な永久磁石モータを提供することを目的とする。
また、ロータ鉄心の外周面において、永久磁石の相互間に存するロータ鉄心の内周部と外周部とを繋ぐ連結部と対応する部位に、ロータ鉄心の軸方向(回転軸の軸方向)に沿って凹部を形成した構造としても、効率の良い永久磁石モータを実現すると共に、制御性が良好な永久磁石モータを提供することを目的とする。
また、ステータ内径側ティース部のティース部先端部をカットして除去した構造としても、効率の良い永久磁石形モータを実現すると共に、制御性が良好な永久磁石モータを提供することを目的をする。
この発明に係る永久磁石形モータは、複数相の巻線を有するステータと、ステータの内径側に空隙部分を介して対向配置され、永久磁石を配置するための磁石挿入孔及びこの磁石挿入孔の間に極間ブリッジ部を設けたロータ鉄心と、前記ロータ鉄心の磁石挿入孔内に設けられた永久磁石とを有するロータとを備え、120度矩形波通電方式で、非通電状態にある相に発生する誘起電圧が零となる位置を検出することでロータとステータの位置関係の判定を行う永久磁石形モータにおいて、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部と、切り欠き部に沿って前記ロータ鉄心に設けられた薄肉連結部と、ステータの内周とロータの外周との間の空隙長の最大値を、極間ブリッジ部における空隙長のLa、空隙長の最小値を永久磁石の極中心における空隙長のLbとしたとき、空隙長の最大値Laと最小値Lbの比La/Lbを1.3≦La/Lb≦3とすることにより、非通電状態にある相に発生する誘起電圧の歪を抑制する誘起電圧歪抑制手段とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る永久磁石形モータは、上記構成により、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることで誘起電圧の歪をなくすことができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータを提供することができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜9は実施の形態1を示す図で、図1は9スロットの構造を有する永久磁石形モータのステータの断面図、図2は連結鉄心の連結部を示す簡略図、図3は図1の断面図を部分的に拡大した図、図4はステータの極片部1個分のコイルの巻装方法を示す概略図、図5はステータ鉄心の製造方法を示す概念図、図6はステータ鉄心の一部を示す平面図、図7は圧縮機に永久磁石形モータを組み込んだ場合の断面図、図8は図7の圧縮機を組み込んだ冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図、図9は永久磁石形モータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合のコイルの端子電圧波形を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜9は実施の形態1を示す図で、図1は9スロットの構造を有する永久磁石形モータのステータの断面図、図2は連結鉄心の連結部を示す簡略図、図3は図1の断面図を部分的に拡大した図、図4はステータの極片部1個分のコイルの巻装方法を示す概略図、図5はステータ鉄心の製造方法を示す概念図、図6はステータ鉄心の一部を示す平面図、図7は圧縮機に永久磁石形モータを組み込んだ場合の断面図、図8は図7の圧縮機を組み込んだ冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図、図9は永久磁石形モータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合のコイルの端子電圧波形を示す図である。
図1において、3は電磁鋼板を一枚一枚打ち抜いて積層した薄板の電磁鋼板からなる磁性片部、9は磁性片部3の両側端部に設けられたジョイント部で、積層された電磁鋼板の一枚一枚の両側端部の裏側に凹部3aを、表側に凸部3bを設けることによって構成されている。4は複数の磁性片部3が各端面3c、3dを介して配列された第1のコア部材である。
5は第2のコア部材で、第1のコア部材4と交互に積層され積層方向に相隣なる磁性片部3同士の凹部3a及び凸部3bが嵌合されることにより回転自在に連結されている。7は積層された両コア部材のジョイント部9を各磁性片部3のジョイント部9の凹部3a及び凸部3bを回転させ、環状に形成された鉄心である。
また、3eは磁性片部3のバックヨーク部、3fはティース部である。また、2はバックヨーク部3eとティース部3fとにより構成されるスロットである。8はスロットオープニング部と接するティース部先端部3gを含むスロット2の壁面及び、磁性片部3の軸方向端部面を覆うように装着され、樹脂などによって構成された絶縁部材であり、隣接するティース部先端部が対向する部分にコの字状凹部8a(図4参照)を設けることにより、ステータ鉄心が環状に形成された場合に、隣接するティースのコの字状凹部8aが接して鉄心磁性部材収容部1を形成している。凹部はコの字状に限定されない。
10は絶縁部材8により形成された磁性部材収容部1に収容された磁性部材であり、比透磁率15以下の磁性体により構成することにより、隣接するティース部先端部間に流れる短絡磁束を抑制した構造としている。6は、ティース部3fに巻装され、スロット2内に収められたコイルである。
次に、上記のように構成された鉄心の製造方法について説明する。先ず、図5の矢印Aで示す位置において、第1のコア部材4を加工する第1段階として、図中ハッチングで示す部分をプレス打ち抜きすることにより両端面3c、3dの周辺部を形成する。又、矢印Bで示す位置においては、第2のコア部材5を加工する第1段階として、図中ハッチングで示す部分をプレス打ち抜きすることにより両端面3c、3dの周辺部を形成する。なお、上記プレス打ち抜き動作によって、磁性片部3の円弧状の端面3c(外側に凸)が形成された側の端部の表裏面には、図6に示すようにそれぞれ嵌合可能な凹部3a及び凸部3b形成されるとともに、最上層となるコア片3には凸部3bが嵌合可能な穴部3hが形成されている。
次いで、図5に矢印Cで示す位置において、矢印Aで示す位置において両端面3c、3dの周辺部が形成された部分と、矢印Bで示す位置において両端面3c、3dの周辺部が形成された部分を、順次交互に図中ハッチングで示す部分をプレス打ち抜きすることにより、それぞれ第1のコア部材4及び第2のコア部材5が形成され、これら両コア部材は金型内で順次積層される。
その後、図4に示すように、ノズル11をノズルの回転軸となるような回転運動をさせることで、各磁性片部3のティース部3fにコイル6を巻装し、スロット2内にコイル6を収容する。その後、各磁性片部3の積層方向で相対向する凹部3a及び3bを回転させることにより、環状に形成し、ティース部先端部に設けたコの字状凹部8aにより形成された磁性部材収容部1に、磁性部材収容部1の外形寸法より若干小さめの磁性部材10を挿入することによりステータ12が完成する。
また、ティース部先端部に設けたコの字状凹部8aのコア端部には、磁性部材10が外に飛び出すのを防止するため、係り止め部(図示せず)を有する構造となっている。また、ティース部先端部に設けた隣接するコの字状凹部8a同士は、上述のとおり対向面で接した構造となっている。
図7において、12は圧縮機の容器に焼きばめなどによって保持されたステータ、13はステータ12の軸線上に配置され、ステータ12に対して回転可能な回転軸、14は回転軸13に固定されているロータ鉄心、15はロータ鉄心14の外周面に固定されている複数の永久磁石であり、これらの永久磁石15は、N極とS極とが交互になるように着磁される。また、永久磁石15は、フェライト又はネオジなどを主成分に構成されている。16は回転軸13、ロータ鉄心14及び永久磁石15を有するロータであり、このロータ16とステータ12との間には、空隙17が設けられている。
図8において、18は圧縮機、19は冷房運転および暖房運転の冷媒の流れを切換える流路切換え手段であり、例えば四方弁である。20は室外熱交換器、21は流量制御装置、22は室内熱交換器、23は室外ユニット、24は室内ユニットであり、これらは配管によって順次接続され冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクルの冷媒には、HFC系冷媒で、R32とR125の混合冷媒であるR410Aが用いられ、冷凍機油としてはアルキルベンゼン系油が用いられている。その他冷媒としてはR407Cなどが、冷凍機油としては鉱油、エステル油などが適用可能である。
このように,ステータの絶縁部材8のティース部先端部3gに磁性部材収容部1を設けて、ティース部3fにコイル6を巻装した後、鉄心7を環状にし、最後に磁性部材収容部1に磁性部材8をステータコア端部より挿入することで、磁性部材8を収容可能な構造としたので、磁性部材8を圧入することなく装着でき、組み立て性が向上すると共に、組み立て時に磁性部材8に割れ等が発生して破損することがなくなった。
また、ステータ鉄心7のティース部3fの側面部に装着溝などを設ける必要がなくなり、ステータ鉄心7のティース部3fの磁路を狭めて、鉄損が増加することがなくなった。
また、ステータ鉄心7のティース部先端部3gのスロットオープニング部に磁性部材10を装着する構造としたので、コイル6を収容することができる有効スロット断面積を狭めることがなくなったので、銅損が増加して効率を悪化させることがなくなった。
また、ステータの絶縁部材8のティース部先端部3gにコの字状凹部8aを設けて磁性部材収容部1を形成し、その中に磁性部材10を装着する構造としたので、接着材などの部材を用いることなく磁性部材10の支持が容易になった。
また、ティース部3fにコイル6を巻装後に、鉄心を円環状にするようにしたので、磁性部材収容部1を設けても巻線作業を損なうことなく、コイル6の高占積率を実現しつつ、ステータ鉄心7のティース部先端部3gのスロットオープニング部に磁性部材10を装着することが可能である。
図9はモータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合の端子電圧の波形を、有限要素を用いた電磁界解析により算出した結果であるが、比較のため、磁性部材10を装着しない場合の波形(a)と、磁性部材10を装着した場合の波形(b)について比較解析を行っている。解析の結果、磁性部材10を装着しない場合は、非通電区間に発生する誘起電圧の波形を平らにする歪が発生しているのに対し、磁性部材10を装着することにより、歪が低減しているのが分かる。
この非通電区間に発生する誘起電圧の歪は、永久磁石形モータを120度矩形波通電で駆動する場合に発生する特有の現象であり、ロータ鉄心14に永久磁石15を埋め込んだ埋め込み磁石形のロータを用いた場合に非通電相に鎖交していた磁束が、急激に通電している相のティースへ流れ込むことによって生じる。
詳細には、例えば図18(a)〜(d)に示すような埋め込み形のロータと、スロットオープニングを有するステータとの組み合わせで用いた場合、隣接する永久磁石15の間に鉄で構成した極間ブリッジ部27を設けた構造となっているので、コイル6に流れる電流によって作られる磁束が、この極間ブリッジ部27を通って、ステータティースに戻る経路の磁束ループができ、この磁束のループが極間ブリッジ部27とスロットオープニング部が対向する位置で、非通電相に流れ易い位置と、通電相に流れ易い位置との両極端に分かれ、その中間が存在しないため、磁気抵抗の落差を生じ、隣のティースへ磁束が急峻に移動することにより、歪が発生する。
詳細には、例えば図18(a)〜(d)に示すような埋め込み形のロータと、スロットオープニングを有するステータとの組み合わせで用いた場合、隣接する永久磁石15の間に鉄で構成した極間ブリッジ部27を設けた構造となっているので、コイル6に流れる電流によって作られる磁束が、この極間ブリッジ部27を通って、ステータティースに戻る経路の磁束ループができ、この磁束のループが極間ブリッジ部27とスロットオープニング部が対向する位置で、非通電相に流れ易い位置と、通電相に流れ易い位置との両極端に分かれ、その中間が存在しないため、磁気抵抗の落差を生じ、隣のティースへ磁束が急峻に移動することにより、歪が発生する。
しかしながら、本実施の形態で示すようにスロットオープニング部に磁性部材10を設けた構造とすることにより、非通電相に鎖交していた磁束を徐々に通電相へ鎖交させるようになるため、ロータ位置検出の遅れの原因となっていた誘起電圧の歪を取り除くことができる。これにより、高速回転駆動時においても正確にロータの位置を検出ができるようになり、モータが脱調して停止するといった不具合がなくなり、制御性が良好な永久磁石形モータを実現することができる。
また、磁性部材10の比透磁率を15以下とすることにより、隣接するティース間を短絡する磁束を抑制することができ、高効率な永久磁石モータを実現することができる。
また、ティース部先端部3gに絶縁部材8で構成したコの字状凹部8aを設け、そのコの字状凹部8aには、ティース部先端部3gとスロットオープニング部とが対向する部分に絶縁部材8が配置された構造になっているので、この絶縁部材8の厚みを調整することにより、隣接するティース部先端部3gを通って流れる短絡磁束を抑制することができるようになり、銅損を低減した高効率な永久磁石形モータが実現できる。
また、圧縮機に組み込んだ場合であっても、磁性部材10は絶縁部材8によって密閉保持されているため、磁性部材10の破片などが圧縮機内部に入り込み、圧縮機に接続された細管部(図示せず)に入り込み、細管を詰まらせて故障するといった不具合を解消した。
また、図8に示すように、このような圧縮機18を搭載し、凝縮器(冷房時では室外熱交換器20、暖房時では室内熱交換器22)、蒸発器(冷房時では室内熱交換22、暖房時では室外熱交換器20)が順次接続された冷凍サイクル装置は、冷媒にHFC系冷媒が用いられている。HFC系冷媒は冷凍機油との相溶性が低いため、冷凍機油は冷凍サイクル中の配管内に付着しやすく、この油に磁性部材10の破片等の不純物が付着して配管詰まりや伝熱性能の低下を引き起こす可能性があったが、本実施の形態では、磁性部材10は絶縁部材8によって密閉保持されているため、磁性部材10の破片などの不純物の付着が無く、冷凍サイクル中への不純物の付着を低減でき、HFC系冷媒の冷凍サイクルに好適な信頼性の高い冷凍サイクル装置が得られる。
なお、永久磁石の素材を磁化するための着磁方法として、ステータを用いて行う組み込み着磁方法と、外部に設けた着磁ヨークを用いて行う外部着磁方法があるが、図24に示す着磁ヨーク30を用いて行う外部着磁方法により着磁することで、着磁のアンバランスを解消し、より制御性の安定した信頼性の高い永久磁石形モータを実現することができる。
また、実施の形態1では、6極のモータを例に説明したが、2N極(Nは1以上の整数)のモータについても同様の効果を得ることができる。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、バックヨーク部と、このバックヨーク部から突出したティース部とからなる複数の磁性片部がバックヨーク部に形成される連結部を介して折り曲げ可能に連結された連結鉄心と、ティース部とバックヨーク部とによって形成されるスロットを電気絶縁するための絶縁部材とを有し、連結鉄心のジョイント部を折り曲げることにより、環状に形成されたステータと、このステータの内径側に空隙部分を介して対向配置され、永久磁石を配置するための磁石挿入孔を設けたロータ鉄心と、このロータ鉄心の磁石挿入孔内に設けられた永久磁石とを有するロータと、を備えた永久磁石形モータにおいて、絶縁部材の隣り合うティース部の先端部が対向する部分に磁性部材収納部を設け、磁性部材収納部に磁性部材を配置したことを特徴とする。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、絶縁部材の隣り合うティース部の先端部が対向する部分に磁性部材収納部を設け、磁性部材収納部に磁性部材を配置したことにより、非通電区間に発生する誘起電圧の歪を抑制することができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータを提供することができる。また、磁性部材の装着が容易になり組み立て性が向上すると共に、組み立て時に磁性部材に割れ等が発生して破損することがなくなる。また、接着材などの部材を用いることなく磁性部材の支持が容易になる。また、ティース部の側面部に装着溝などを設ける必要がなくなり、ティース部の磁路を狭めて、鉄損が増加することがなくなる。また、ティース部先端部のスロットオープニング部に磁性部材を装着するので、コイルを収容することができる有効スロット断面積を狭めることがなり、コイルの抵抗増加により銅損が増加して効率を悪化させることがなくなる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、絶縁部材のティース先端部に位置する部分に、対向する隣りのティース先端部側に開口した凹部を設け、凹部同士が対向面で接した構造とすることにより磁性部材収納部を形成したことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、絶縁部材のティース先端部に位置する部分に、対向する隣りのティース先端部側に開口した凹部を設け、凹部同士が対向面で接した構造とすることにより磁性部材収納部を形成したことにより、ティース部にコイルを巻装後に、鉄心を円環状にするようにしたので、磁性部材収容部を設けても巻線作業を損なうことなく、高密度にコイルを収容することが可能となる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、磁性部材の寸法を磁性部材収容部の寸法よりも小さくしたことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、磁性部材の寸法を磁性部材収容部の寸法よりも小さくしたことにより、圧入などを用いずに容易に磁性部材を磁性部材収容部へ収容することができ、組み立て性が向上する。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、磁性部材収容部の軸方向端面に、磁性部材が外に飛び出すのを防止する係り止め部を設けたことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、磁性部材収容部の軸方向端面に、磁性部材が外に飛び出すのを防止する係り止め部を設けたことにより、磁性部材が磁性部材収容部の外に飛び出すのを防止できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、磁性部材は、比透磁率15以下の磁性体で構成されたことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、磁性部材は、比透磁率15以下の磁性体で構成されたことにより、隣接するティース間を短絡する磁束を抑制することができ、高効率な永久磁石モータを実現することができる。
また、この発明に係る永久磁石形モータは、絶縁部材のティース先端部に位置する部分に設けた凹部の、ティース先端部と接する部分の厚さを調整することにより、隣接するティース先端部を通って流れる短絡磁束を抑制することを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、絶縁部材のティース先端部に位置する部分に設けた凹部の、ティース先端部と接する部分の厚さを調整することにより、隣接するティース先端部を通って流れる短絡磁束を抑制することができ、銅損を低減した高効率な永久磁石形モータが実現できる。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータの製造方法は、バックヨーク部と、このバックヨーク部から突出したティース部とからなる複数の磁性片部がバックヨーク部に形成される連結部を介して折り曲げ可能に連結された連結鉄心と、ティース部とバックヨーク部とによって形成されるスロットを電気絶縁するための絶縁部材とを有し、連結鉄心のジョイント部を折り曲げることにより、環状に形成されたステータを備えた永久磁石形モータの製造方法において、プレス打ち抜きされたコア部材を金型内で積層して連結鉄心を形成する工程と、連結鉄心の各磁性片部のバックヨーク部とティース部とにより形成されるスロットの壁面及び磁性片部の軸方向端部を覆うように、ティース先端部に位置する部分に対向する隣りのティース先端部側に開口した凹部を設けた絶縁部材を装着する工程と、連結鉄心の各磁性片部のティース部にコイルを巻装する工程と、連結鉄心のジョイント部を折り曲げることにより、環状のステータを形成し、絶縁部材に設けた凹部同士を対向面で接するようにして磁性部材収納部を形成する工程と、磁性部材収納部に磁性部材を挿入する工程と、を備えたことを特徴とする。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータの製造方法は、プレス打ち抜きされたコア部材を金型内で積層して連結鉄心を形成する工程と、連結鉄心の各磁性片部のバックヨーク部とティース部とにより形成されるスロットの壁面及び磁性片部の軸方向端部を覆うように、ティース先端部に位置する部分に対向する隣りのティース先端部側に開口した凹部を設けた絶縁部材を装着する工程と、連結鉄心の各磁性片部のティース部にコイルを巻装する工程と、連結鉄心のジョイント部を折り曲げることにより、環状のステータを形成し、絶縁部材に設けた凹部同士を対向面で接するようにして磁性部材収納部を形成する工程と、磁性部材収納部に磁性部材を挿入する工程と、を備えたことにより、磁性部材を圧入することなく装着でき、組み立て性が向上すると共に、組み立て時に磁性部材に割れ等が発生して破損することがなくなった。また、ステータ鉄心のティース部の側面部に装着溝などを設ける必要がなくなり、ステータ鉄心のティース部の磁路を狭めて、鉄損が増加することがなくなった。また、ステータ鉄心のティース部先端部のスロットオープニング部に磁性部材を装着するので、コイルを収容することができる有効スロット断面積を狭めることがなくなったので、銅損が増加して効率を悪化させることがなくなった。また、接着材などの部材を用いることなく磁性部材の支持が容易になった。また、ティース部にコイルを巻装後に、鉄心を円環状にするようにしたので、磁性部材収容部を設けても巻線作業を損なうことなく、コイルの高占積率を実現しつつ、ステータ鉄心のティース部先端部のスロットオープニング部に磁性部材を装着することが可能である。
実施の形態2.
図10、11は実施の形態2を示す図で、図10は9スロットの構造を有する永久磁石形モータのステータの断面図、図11は図10の断面図を部分的に拡大した図である。図において、3は電磁鋼板を一枚一枚打ち抜いて積層した薄板の電磁鋼板からなる磁性片部、9は磁性片部3の両側端部に設けられたジョイント部で、積層された電磁鋼板の一枚一枚の両側端部の裏側に凹部3aを、表側に凸部3bを設けることによって構成されている。4は複数の磁性片部3が各端面3c、3dを介して配列された第1のコア部材である。
図10、11は実施の形態2を示す図で、図10は9スロットの構造を有する永久磁石形モータのステータの断面図、図11は図10の断面図を部分的に拡大した図である。図において、3は電磁鋼板を一枚一枚打ち抜いて積層した薄板の電磁鋼板からなる磁性片部、9は磁性片部3の両側端部に設けられたジョイント部で、積層された電磁鋼板の一枚一枚の両側端部の裏側に凹部3aを、表側に凸部3bを設けることによって構成されている。4は複数の磁性片部3が各端面3c、3dを介して配列された第1のコア部材である。
5は第2のコア部材で、第1のコア部材4と交互に積層され積層方向に相隣なる磁性片部3同士の凹部3a及び凸部3bが嵌合されることにより回転自在に連結されている。7は積層された両コア部材のジョイント部9を各磁性片部3のジョイント部9の凹部3a及び凸部3bを回転させ、環状に形成された鉄心である。
また、3eは磁性片部3のバックヨーク部、3fはティース部である。ティース部3fの先端部には、1mm以下の薄肉突起部25がスロットオープニング部を塞ぐような形で形成されている。また、2はバックヨーク部3eとティース部3fとにより構成されるスロットである。8はスロット2の壁面及び磁性片部3の軸方向端部面を覆うように装着され、樹脂などによって構成された絶縁部材である。6はティース部3fに巻装され、スロット2内に収められたコイルである。
上記のように構成された鉄心の製造方法は、実施の形態1で述べた方法と同一であるため説明を省略する。
このように、ティース部3fにコイル6を巻装後に、鉄心を円環状にするようにしたので、ステータ鉄心7のティース部先端部3gのスロットオープニング部を塞ぐ形で薄肉突起部25を設けても、巻線作業を損なうことなく、コイル6の高占積率を実現することが可能である。
また、スロットオープニング部に磁性部材などを挿入する必要がないため、組み立て性を向上しつつ、実施の形態1と同様に、120度矩形波駆動時に発生する非通電区間に発生する誘起電圧の歪を低減し、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
なお、本実施の形態では、薄肉突起部25を、一枚一枚電磁鋼板を打ち抜いて積層してなる磁性片部3の一枚一枚に設けていたが、薄肉突起部25の厚みを、打ち抜き性などの点で厚く形成したい場合などは、薄肉突起部25を積層された全ての磁性片部3に形成する必要はなく、間欠的に薄肉突起部25を設けることにより、同様の効果が期待できる。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、バックヨーク部と、このバックヨーク部から突出したティース部とからなる複数の磁性片部がバックヨーク部に形成される連結部を介して折り曲げ可能に連結された連結鉄心と、ティース部とバックヨーク部とによって形成されるスロットを電気絶縁するための絶縁部材とを有し、連結鉄心のジョイント部を折り曲げることにより、環状に形成されたステータと、このステータの内径側に空隙部分を介して対向配置され、永久磁石を配置するための磁石挿入孔を設けたロータ鉄心と、このロータ鉄心の磁石挿入孔内に設けられた永久磁石とを有するロータと、を備えた永久磁石形モータにおいて、ティース部の先端部に、スロットオープニング部を塞ぐような形で形成された薄肉突起部を設けたことを特徴とする。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ティース部の先端部に、スロットオープニング部を塞ぐような形で形成された薄肉突起部を設けたことにより、組み立て性が向上しつつ、120度矩形波駆動時に発生する非通電区間に発生する誘起電圧の歪を低減し、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、薄肉突起部の半径方向の厚みを1mm以下にしたことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、薄肉突起部の半径方向の厚みを1mm以下にしたことにより、120度矩形波駆動時に発生する非通電区間に発生する誘起電圧の歪を低減し、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、薄肉突起部を、積層方向に間欠的に設けたことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、薄肉突起部を積層方向に間欠的に設けたことにより、隣接するティース部先端部を通って流れる短絡磁束を防止することができ、より高効率な永久磁石形モータを実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、薄肉突起部の半径方向の厚みを、打ち抜き性が良くなる程度に厚くしたことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、薄肉突起部の半径方向の厚みを、打ち抜き性が良くなる程度に厚くしたことにより、生産性が向上する。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータの製造方法は、バックヨーク部と、このバックヨーク部から突出したティース部とからなり、ティース部の先端部に薄肉突起部を設けた複数の磁性片部がバックヨーク部に形成される連結部を介して折り曲げ可能に連結された連結鉄心と、ティース部とバックヨーク部とによって形成されるスロットを電気絶縁するための絶縁部材とを有し、連結鉄心のジョイント部を折り曲げることにより、環状に形成されたステータを備えた永久磁石形モータの製造方法において、プレス打ち抜きされたコア部材を金型内で積層して連結鉄心を形成する工程と、連結鉄心の各磁性片部のバックヨーク部とティース部とにより形成されるスロットの壁面及び磁性片部の軸方向端部を覆うように絶縁部材を装着する工程と、連結鉄心の各磁性片部のティース部にコイルを巻装する工程と、連結鉄心のジョイント部を折り曲げることにより、環状のステータを形成し、ティース部の先端部に設けた薄肉突起部によりスロットオープニング部を塞ぐようにする工程と、を備えたことを特徴とする。
この発明の形態に係る永久磁石形モータの製造方法は、プレス打ち抜きされたコア部材を金型内で積層して連結鉄心を形成する工程と、連結鉄心の各磁性片部のバックヨーク部とティース部とにより形成されるスロットの壁面及び磁性片部の軸方向端部を覆うように絶縁部材を装着する工程と、連結鉄心の各磁性片部のティース部にコイルを巻装する工程と、連結鉄心のジョイント部を折り曲げることにより、環状のステータを形成し、ティース部の先端部に設けた薄肉突起部によりスロットオープニング部を塞ぐようにする工程と、を備えたことにより、ステータ鉄心のティース部先端部のスロットオープニング部を塞ぐ形で薄肉突起部を設けても、巻線作業を損なうことなく、コイルの高占積率を実現することが可能である。また、スロットオープニング部に磁性部材などを挿入する必要がないため、組み立て性を向上しつつ、120度矩形波駆動時に発生する非通電区間に発生する誘起電圧の歪を低減し、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
実施の形態3.
図12〜15は実施の形態3を示す図で、図12は永久磁石形モータの断面図、図13は図12の断面図を部分的に拡大した図、図14は永久磁石形モータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合のコイルの端子電圧波形を示す図、図15はLa/Lbとモータ効率の関係を示した図である。
図12〜15は実施の形態3を示す図で、図12は永久磁石形モータの断面図、図13は図12の断面図を部分的に拡大した図、図14は永久磁石形モータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合のコイルの端子電圧波形を示す図、図15はLa/Lbとモータ効率の関係を示した図である。
図において、7は周方向に配置された内周面に軸方向へ延びる9個のスロット2が設けられている円筒状のステータ鉄心であり、厚み0.35mm程度の薄い電磁鋼板を一枚一枚打ち抜いて所定の枚数を積層することで構成されている。隣接するスロット2間にはティース部3fが形成されている。ティース部3fは、外径側から内径側にかけては略平行の形状を有している。また、先端部になるにつれ、両サイドが周方向に広がるような傘状の構造となっている。
また、隣接するティース部3fの先端部の間には、数ミリ程度のスロットオープニング部を有する構造となっている。6はティース部3fに所定の巻数を直接巻き付けて3相Y結線の集中巻線を施したコイルであり、スロットオープニングの隙間から銅線を通した針状のノズルを挿入し、回転運動させることで、銅線を直接ティースに巻き付けることを可能にしている。
13はステータ鉄心7の軸線上に配置され、ステータ鉄心7に対して回転可能な回転軸、14は回転軸13に固定されているロータ鉄心であり、前記ステータ鉄心7と同様に電磁鋼板を一枚一枚打ち抜いて積層することで構成されている。また、ロータ鉄心14には、永久磁石15が挿入できるように永久磁石15の寸法より若干大きめの磁石挿入孔26が設けられている。隣接する磁石挿入孔26の間には極間ブリッジ部27が設けられ、磁石挿入孔26の外周部に設けられた外周ブリッジ部28と結合されて一体構造を有している。
それぞれのブリッジ部の寸法は、永久磁石15の磁束がロータ内部でショートして出力が低下するのを防止するため、極力小さくするのが望ましく、製造上打ち抜き可能な電磁鋼板の板厚と同等程度の寸法となるように設計されている。本実施の形態の場合は、極間ブリッジ部27の寸法の最も狭い部分の寸法を0.5mm、外周ブリッジ部28の寸法を電磁鋼板の板厚と等しい0.35mm程度となるように設計している。
ロータ鉄心14の磁石挿入孔26には、N極とS極とが交互になるように着磁された6枚の永久磁石15が埋め込まれ、ロータ鉄心14の外周面に沿って配置されている。また、永久磁石15の断面形状は、ロータ鉄心14の回転軸13側とロータ鉄心14の外形側の両側に膨らむ凸形R形状とすると共に、永久磁石15の端部に磁石切り欠き部29を設け、且つ、永久磁石15端部に設けられた磁石切り欠き部29に沿って薄肉連結部を形成した構造となっている。
更に、空隙17の長さの最小値をLb、最大値をLaとしたとき、1.3≦La/Lb≦3となるように永久磁石15の端部に磁石切り欠き部29を設けた構造となっている。また、16は回転軸13、ロータ鉄心14及び永久磁石15を有するロータであり、このロータ16とステータ鉄心7との間には、0.5mm程度の空隙17が設けられている。
このように、永久磁石15の断面形状をロータ鉄心14の回転軸13側とロータ鉄心14の外形側の両側に膨らむ凸形R形状とすると共に、永久磁石15の端部に磁石切り欠き部29を設け、且つ、永久磁石15端部に設けられた磁石切り欠き部29に沿って薄肉連結部を形成した構造としたので、永久磁石15の端部をカットしたことによりリラクタンストルク成分は減少するが、永久磁石15の断面形状を回転軸方向側とロータ外径側の両方に膨らむ凸形R形状とすることで、リラクタンストルクの減少分を補うだけの永久磁石15によるトルクを得ることができ高効率な永久磁石形モータが実現できる。
また、永久磁石15端部をカットして、且つ、永久磁石15端部のカット面に沿って、薄肉連結部で結合した形状としているので、空隙17の磁束密度分布が正弦波状に滑らかな分布となり、振動・騒音の原因となるコギングトルクを減少することができる。
図14は本モータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合の端子電圧の波形を、有限要素を用いた電磁界解析により算出した結果である。永久磁石端部にカット部を設けない構造のロータの波形(a)と、永久磁石端部にカット部を設け、カット面に沿って薄肉連結部を設けたロータの波形(b)と比較を行った結果である。解析の結果、永久磁石端部にカット部を設けない構造のロータは、非通電区間に発生する誘起電圧の波形を平らにする歪が発生しているのに対し、永久磁石端部にカット部を設け、且つ、永久磁石端部のカット面に沿って薄肉連結部を設けた構造にすることにより、非通電区間に発生する誘起電圧の歪が低減しているのが分かる。
非通電区間に発生する誘起電圧の歪は、ロータの位置検出の遅れの原因となり、高速回転駆動時において正確なロータ位置を検出することができなくなり、モータが脱調・停止するといった不具合が発生していた。しかしながら、本実施の形態で示すよなモータ構造とすることにより、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることで誘起電圧の歪をなくすことができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータを提供することができる。
また、永久磁石端部に設けるカット面は、歪を低減する点からは大きくするほど効果が大きいが、効率の点では、なるべく小さくするのが望ましい。したがって、効率の低下を抑制しつつ、誘起電圧の歪を低減できる範囲で永久磁石の端部にカット面を設けるのが望ましい。
図15にLa/Lbに対するモータ効率の関係を示す。本図より、La/Lbが3以上になるとモータ効率が徐々に低下することが分かる。これは、空隙長が大きくなることと、永久磁石端部にカット面を設けることにより、コイルに鎖交する磁束が低下して、電流当たりのトルクが減少し、銅損が増加するためである。La/Lbが3以下の範囲では、トルクにあまり寄与しない永久磁石の端部の部分にカット面を設けているので効率の低下は少ないが、La/Lbを3以上の寸法にすることにより、トルクに大きく寄与する部分にまでカット面を設けることとなるので、効率の低下が大きくなる。一方、La/Lbを1.3以上の寸法にすることにより、非通電相のティースに鎖交する磁束の変化を滑らかにすることができ、永久磁石形モータを高速駆動した場合であっても、脱調することなく運転することが可能となる。
なお、本実施の形態では、永久磁石端部に設けたカット部をR形状となるように設けていたが、R形状の変わりに、直線若しくは、連続する直線により構成しても同様な効果が得られる。
更には、永久磁石15の極中心に対して、永久磁石端部の空隙17の寸法が大きくなるように構成、例えば、ロータ鉄心14の外周部の曲率を小さくするように構成しても同様な効果が得られる。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の軸直角方向断面を、ロータ鉄心の内径側と外形側の両側に膨らむ凸形R形状としたことを特徴とする。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の軸直角方向断面を、ロータ鉄心の内径側と外形側の両側に膨らむ凸形R形状としたことにより、永久磁石の周方向端部に切り欠き部を設けたことによるリラクタンストルクの減少分を補うだけの永久磁石によるトルクを得ることができ高効率な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、R形状で構成したことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、R形状で構成したことにより、120度矩形波駆動で駆動した場合であっても、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、直線で構成したことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、直線で構成しても、120度矩形波駆動で駆動した場合であっても、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、連続する直線で構成したことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、連続する直線で構成しても、120度矩形波駆動で駆動した場合であっても、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の極中心に対して、永久磁石の周方向端部におけるステータとロータとの間の空隙寸法が大きくなるように、ロータ鉄心の外周部の曲率を小さくしたことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、永久磁石の極中心に対して、永久磁石の周方向端部におけるステータとロータとの間の空隙寸法が大きくなるように、ロータ鉄心の外周部の曲率を小さくすることにより、120度矩形波駆動で駆動した場合であっても、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
実施の形態4.
図16〜23は実施の形態4を示す図で、図16は永久磁石形モータを示す断面図、図17は図16で示した断面図の一部分を拡大した図、図18は埋め込み磁石形ロータの構造を示した図、図19は永久磁石形モータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合のコイルの端子電圧波形を示す図、図20はLa/Lbとモータ効率の関係を示した図、図21はステータティース部先端部の形状を2つの直線により形成した構造を示す断面図、図22はステータティース部先端部の形状を連続的に滑らかなR形状で構成した構造を示す断面図、図23はステータティース部先端部とスロットが対向する部分のティース部先端部に切り欠き部を設けた場合の構造を示す断面図である。
図において、7は周方向に配置された内周面に軸方向へ延びる9個のスロット2が設けられている円筒状のステータ鉄心であり、厚み0.35mm程度の薄い電磁鋼板を一枚一枚打ち抜いて所定の枚数を積層することで構成されている。隣接するスロット2間にはティース部3fが形成されている。ティース部3fは、外径側から内径側にかけては略平行の形状を有している。また、先端部になるにつれ、両サイドが周方向に広がるような傘状の構造となっている。
図16〜23は実施の形態4を示す図で、図16は永久磁石形モータを示す断面図、図17は図16で示した断面図の一部分を拡大した図、図18は埋め込み磁石形ロータの構造を示した図、図19は永久磁石形モータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合のコイルの端子電圧波形を示す図、図20はLa/Lbとモータ効率の関係を示した図、図21はステータティース部先端部の形状を2つの直線により形成した構造を示す断面図、図22はステータティース部先端部の形状を連続的に滑らかなR形状で構成した構造を示す断面図、図23はステータティース部先端部とスロットが対向する部分のティース部先端部に切り欠き部を設けた場合の構造を示す断面図である。
図において、7は周方向に配置された内周面に軸方向へ延びる9個のスロット2が設けられている円筒状のステータ鉄心であり、厚み0.35mm程度の薄い電磁鋼板を一枚一枚打ち抜いて所定の枚数を積層することで構成されている。隣接するスロット2間にはティース部3fが形成されている。ティース部3fは、外径側から内径側にかけては略平行の形状を有している。また、先端部になるにつれ、両サイドが周方向に広がるような傘状の構造となっている。
また、ロータ鉄心14の外周部と対向するステータ鉄心7のティース部先端面部分の形状をティース部先端部3gになるほど、空隙長が大きくなる形状とし、空隙長の最小値をLbと最大値をLaの関係を、1.3≦La/Lb≦3となるように構成されている。また、ティース側面部辺とティース側面部辺の両端の辺のなす角θを100度以上とし、ティースの先端部になるほど厚みが小さくなるように構成されている。また、隣接するティース部3fの先端部の間には、ステータ内周面とロータ外周面に対向する最小空隙長の2倍以上の寸法のスロットオープニング部を有する構造となっている。6はティース部3fに所定の巻数を直接巻き付けて3相Y結線の集中巻線を施したコイルである。
13はステータ鉄心7の軸線上に配置され、ステータ鉄心7に対して回転可能な回転軸、14は回転軸13に固定されているロータ鉄心であり、ステータ鉄心7と同様に電磁鋼板を一枚一枚打ち抜いて積層することで構成されている。また、ロータ鉄心14には、永久磁石15が挿入できるように永久磁石15の寸法より若干大きめの磁石挿入孔26が設けられている。隣接する磁石挿入孔26の間には極間ブリッジ部27が設けられ、磁石挿入孔26の外周部に設けられた外周ブリッジ部28と結合されて一体構造を有している。
それぞれのブリッジ部の寸法は、永久磁石15の磁束がロータ内部でショートして出力が低下するのを防止するため、極力小さくするのが望ましく、製造上打ち抜き可能な電磁鋼板の板厚と同等程度の寸法となるように設計されている。本実施の形態の場合は、極間ブリッジ部27の寸法の最も狭い部分の寸法を0.5mm、外周ブリッジ部28の寸法を電磁鋼板の板厚と等しい0.35mm程度としている。
ロータ鉄心14の磁石挿入孔26には、N極とS極とが交互になるように着磁された6枚の永久磁石15が埋め込まれ、ロータ鉄心14の外周面に沿って配置されている。また、永久磁石15の断面形状は、ロータ鉄心14の回転軸13側とロータ鉄心14の外形側の両側に膨らむ凸形R形状を有する構造となっている。また、16は回転軸13、ロータ鉄心14及び永久磁石15を有するロータであり、このロータ16とステータ鉄心7との間には、0.5mm程度の空隙17が設けられている。
このように、ロータ鉄心14の外周部と対向するステータ鉄心7のティース部先端部分の形状をティース部先端部3gになるほど、空隙長が大きくなる形状とし、且つ、永久磁石15の断面形状をロータ鉄心14の回転軸13側とロータ鉄心14の外形側の両側に膨らむ凸形R形状を有する構造としたので、ロータ鉄心14の外周部と対向するステータ鉄心7のティース部先端部分の形状をティース部先端部3gになるほど、空隙長が大きくなる形状としたことにより永久磁石15によるトルクを増加することができ高効率な永久磁石形モータが実現できる。
また、ティース側面部辺とティース側面部辺の両端の辺のなす角を100度以上となるように構成したので、隣接するティース部先端部3gが対向する部分の断面を小さく構成することができるようになり、磁気抵抗を増加することができ、隣接するティース間に流れる短絡磁束を減少させる効果がある。これにより、所定のトルクを得るための電流の増加を抑制することができ、高効率な永久磁石形モータが実現できる。
また、ロータ鉄心14の外周部と対向するステータ鉄心7のティース部先端部分の形状をティース部先端部3gになるほど、空隙長が大きくなる形状としているので、空隙部の磁束密度分布が正弦波状に滑らかな分布となり、振動・騒音の原因となるコギングトルクを減少することができる。
図19は本モータを120度矩形波駆動により回転駆動させた場合の端子電圧の波形を、有限要素を用いた電磁界解析により算出した結果である。解析の結果、空隙長が一定寸法となるように構成された永久磁石形モータの波形(a)では、非通電区間に発生する誘起電圧の波形を平らにする歪が発生していたのに対し、ロータ鉄心14の外周部と対向するステータ鉄心7のティース部先端部分の形状をティース部先端部3gになるほど、空隙長が大きくなる形状とし、空隙長の最小値をLbと最大値をLaの関係を、1.3≦La/Lb≦3となるように構成(b)することにより、非通電区間に発生する誘起電圧の歪を低減することができる。
非通電区間に発生する誘起電圧の歪は、永久磁石形モータを120度矩形波通電で駆動する場合に発生する特有の現象であり、ロータ鉄心14に永久磁石15を埋め込んだ埋め込み磁石形のロータを用いた場合に非通電相に鎖交していた磁束が、急激に通電している相のティースへ流れ込むことによって生じる。
詳細には、例えば図18(a)〜(d)に示すような埋め込み形のロータを用いた場合、隣接する永久磁石15の間に鉄で構成した極間ブリッジ部27を設けた構造となっているので、コイル6に流れる電流によって作られる磁束が、この極間ブリッジ部27を通って、ステータティースに戻る経路の磁束ループができ、この磁束のループが極間ブリッジ部27とスロットオープニング部が対向する位置で、非通電相に流れ易い位置と、通電相に流れ易い位置との両極端に分かれ、その中間が存在しないため、磁気抵抗の落差を生じ、隣のティースへ磁束が急峻に移動することにより、歪が発生する。
しかしながら、本実施の形態で示すようなモータ構造とすることにより、非通電相に鎖交していた磁束を徐々に通電相へ鎖交させるようになるため、ロータ位置検出の遅れの原因となっていた誘起電圧の歪を取り除くことができる。これにより、高速回転駆動時においても正確にロータの位置を検出ができるようになり、モータが脱調して停止するといった不具合がなくなり、制御性が良好な永久磁石形モータを実現することができる。
また、ティース側面部辺とティース側面部辺の両端の辺のなす角θを100度以上とし、ティースの先端部になるほど厚みが小さくなるように構成しているので、隣接するティース部先端部3g間の磁気抵抗が大きくなり、隣接するティース部先端部3g間を短絡する磁束が低減し、効率の低下を抑制することができる。
また、最大空隙長Laと最小空隙長Lbの比は、歪を低減する点からは大きくするほど効果が大きいが、効率の点では、なるべく小さくするのが望ましい。したがって、効率の低下を抑制しつつ、誘起電圧の歪を低減できる範囲で永久磁石の端部にカット面を設けるのが望ましい。
図20にLa/Lbに対するモータ効率の関係を示す。本図より、La/Lbが3以上になるとモータ効率が徐々に低下することが分かる。これは、ティース部先端部3gの空隙長が大きくなることにより、永久磁石15によるトルク(マグネットトルク)の他に、リラクタンストルク(コイル6に流れる電流によって作られる磁束と、ロータ鉄心14との間に作用する磁気吸引力)が減少することにより、銅損が増加するためである。La/Lbが3以下の範囲では、永久磁石の磁力の低下が比較的小さく、効率の低下は小さいのに対し、La/Lbを3以上の寸法にすることにより、リラクタンストルクが減少することに加え、永久磁石の磁力の低下が一気に大きくなることにより、効率の低下が顕著になる。一方、La/Lbを1.3以上の寸法にすることにより、非通電相のティースに鎖交する磁束の変化を滑らかにすることができ、モータを高速駆動した場合であっても、脱調することなく運転することが可能となる。
なお、本実施の形態では、ロータ鉄心14の外周部と対向するステータ鉄心7のティース部先端部分の形状をティース部先端部3gになるほど、空隙長が大きくなる形状を1本の直線形状により形成していたが、図21に示すように2段階に折れる直線によって形成しても、また、直線の変わりに、図22で示すように連続的に滑らかなR形状の組み合わせで構成しても同様な効果が得られる。
また、図23で示すように、ティース部先端部3gとスロット2が対向する部分のティース部先端部3gに切り欠き部56を設けることにより、ティース根本部57の磁路を狭めることなく隣接するティース間の漏れ磁束を抑制できるので、さらに銅損を低減した永久磁石形モータが実現できる。
また、永久磁石15の素材を磁化するための着磁方法として、ステータを用いて行う組み込み着磁方法と、外部に設けた着磁ヨークを用いて行う外部着磁方法があるが、図24に示すような着磁ヨーク30を用いた外部着磁方法で着磁することにより、着磁のアンバランスを解消し、より制御性の安定した信頼性の高い永久磁石形モータを実現することができる。
実施の形態2乃至4の永久磁石形モータを圧縮機18に用いることにより、性能を向上できると共に、磁性部材10を用いないため、磁性部材10の破片などが圧縮機18内部に入り込み、圧縮機18に接続された細管部に入り込み、細管を詰まらせて故障するといった不具合を解消できる。
実施の形態2乃至4の永久磁石形モータを使用した圧縮機18を冷凍サイクル装置に用いることにより、磁性部材10の破片などの不純物の付着が無く、冷凍サイクル中への不純物の付着を低減でき、HFC系冷媒の冷凍サイクルに好適な信頼性の高い冷凍サイクル装置が得られる。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、複数相の巻線を有するステータと、ステータの内径側に空隙部分を介して対向配置され、永久磁石を配置するための磁石挿入孔を設けたロータ鉄心と、ロータ鉄心の磁石挿入孔内に設けられた永久磁石とを有するロータと、を備えた永久磁石形モータにおいて、ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、ステータとロータとの間の空隙長が大きくなる形状とし、且つ、ステータの内周とロータの外周が対向する空隙長の最大値をLa、最小値をLbとしたとき、空隙長の最大値Laと最小値Lbの比La/Lbを1.3≦La/Lb≦3としたことを特徴とする。
この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、ステータとロータとの間の空隙長が大きくなる形状とし、且つ、ステータの内周とロータの外周が対向する空隙長の最大値をLa、最小値をLbとしたとき、空隙長の最大値Laと最小値Lbの比La/Lbを1.3≦La/Lb≦3としたことにより、高効率な永久磁石形モータを実現できるとともに、120度矩形波駆動で駆動した場合であっても、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ティース部側面部の辺と、ティース部側面部の辺からティース部先端に延びる辺とのなす角度が100度以上となるように構成したことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ティース部側面部の辺と、ティース部側面部の辺からティース部先端に延びる辺とのなす角度が100度以上となるように構成したことにより、隣接するティース部先端部間の磁気抵抗が大きくなり、隣接するティース部先端部間を短絡する磁束が低減し、効率の低下を抑制することができる。
また、この発明の実施に形態に係る永久磁石形モータは、ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、ステータとロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、一つの直線により形成したことを特徴とする。
また、この発明の実施に形態に係る永久磁石形モータは、ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、ステータとロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、一つの直線により形成したことにより、高効率な永久磁石形モータを実現できるとともに、120度矩形波駆動で駆動した場合であっても、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、ステータとロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、多段階に折れる直線により形成したことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、ステータとロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、多段階に折れる直線により形成しても、高効率な永久磁石形モータを実現できるとともに、120度矩形波駆動で駆動した場合であっても、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、ステータとロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、R形状の組み合わせにより形成したことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、ステータとロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、R形状の組み合わせにより形成しても、高効率な永久磁石形モータを実現できるとともに、120度矩形波駆動で駆動した場合であっても、非通電区間に発生する磁束の変化を滑らかにすることができ、高速回転時においても制御性が良好な永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ティース部先端部のスロット側の面に、切り欠き部を設けたことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ティース部先端部のスロット側の面に、切り欠き部を設けたことにより、隣接するティース間の漏れ磁束を抑制できるので、さらに銅損を低減した永久磁石形モータが実現できる。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ロータに設けられた永久磁石を、外部着磁ヨークを用いて着磁したことを特徴とする。
また、この発明の実施の形態に係る永久磁石形モータは、ロータに設けられた永久磁石を、外部着磁ヨークを用いて着磁したことにより、安定したバランスのよい着磁を行うことができ、より制御性の安定した信頼性の高い永久磁石形モータを実現することができる。
この発明の実施の形態に係る圧縮機は、実施の形態1乃至4の何れかに記載の永久磁石形モータを備えたことを特徴とする。
この発明の実施の形態に係る圧縮機は、実施の形態1乃至4の何れかに記載の永久磁石形モータを備えたことにより、性能を向上できると共に、磁性部材の破片などが圧縮機内部に入り込み、圧縮機に接続された細管部に入り込み、細管を詰まらせて故障するといった不具合を解消できる。
この発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置は、上記圧縮機を備えたことを特徴とする。
この発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置は、上記圧縮機を備えたことにより、磁性部材の破片などの不純物の付着が無く、冷凍サイクル中への不純物の付着を低減でき、HFC系冷媒の冷凍サイクルに好適な信頼性の高い冷凍サイクル装置が得られる。
1 磁性部材収容部、2 スロット、2a スロットオープニング部、3 磁性片部、3a 凹部、3b 凸部、3c・3d 磁性片部の端面、3e バックヨーク部、3f ティース部、3g ティース部先端部、3h 穴部、4 第1のコア部材、5 第2のコア部材、6 コイル、7 ステータ鉄心、8 絶縁部材、8a コの字状凹部、9 ジョイント部、10 磁性部材、11 ノズル、12 ステータ、13 回転軸、14 ロータ鉄心、15 永久磁石、16 ロータ、17 空隙、18 圧縮機、19 四方弁、20 室外熱交換器、21 流量制御装置、22 室内熱交換器、23 室外ユニット、24 室内ユニット、25 薄肉突起部、26 磁石挿入孔、27 極間ブリッジ部、28 外周ブリッジ部、29 磁石切り欠き部、30 着磁ヨーク、31 絶縁部材、50 圧縮機の筐体、51 軸受け部、52 圧縮機要素部、53 配管、56 切り欠き部、57 ティース根本部。
Claims (11)
- 複数相の巻線を有するステータと、前記ステータの内径側に空隙部分を介して対向配置され、永久磁石を配置するための磁石挿入孔及びこの磁石挿入孔の間に極間ブリッジ部を設けたロータ鉄心と、前記ロータ鉄心の磁石挿入孔内に設けられた永久磁石とを有するロータとを備え、120度矩形波通電方式で、非通電状態にある相に発生する誘起電圧が零となる位置を検出することで前記ロータと前記ステータの位置関係の判定を行う永久磁石形モータにおいて、
前記永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部と、
前記切り欠き部に沿って前記ロータ鉄心に設けられた薄肉連結部と、
前記ステータの内周と前記ロータの外周との間の空隙長の最大値を、前記極間ブリッジ部における空隙長のLa、空隙長の最小値を前記永久磁石の極中心における空隙長のLbとしたとき、空隙長の最大値Laと最小値Lbの比La/Lbを1.3≦La/Lb≦3とすることにより、前記非通電状態にある相に発生する誘起電圧の歪を抑制する誘起電圧歪抑制手段とを備えたことを特徴とする永久磁石形モータ。 - 前記永久磁石の軸直角方向断面を、前記ロータ鉄心の内径側と外形側の両側に膨らむ凸形R形状としたことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石形モータ。
- 前記永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、R形状で構成したことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石形モータ。
- 前記永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、直線で構成したことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石形モータ。
- 前記永久磁石の周方向端部に設けられた切り欠き部を、連続する直線で構成したことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石形モータ。
- 複数相の巻線を有するステータと、前記ステータの内径側に空隙部分を介して対向配置され、永久磁石を配置するための磁石挿入孔を設けたロータ鉄心と、前記ロータ鉄心の磁石挿入孔内に設けられた永久磁石とを有するロータとを備え、120度矩形波通電方式で、非通電状態にある相に発生する誘起電圧が零となる位置を検出することで前記ロータと前記ステータの位置関係の判定を行う永久磁石形モータにおいて、
前記ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、前記ステータと前記ロータとの間の空隙長が大きくなる形状とし、
前記ステータの内周と前記ロータとの間の空隙長の最大値を、前記ステータ鉄心のティース部先端部における空隙長のLa、空隙長の最小値を前記永久磁石の極中心における空隙長のLbとしたとき、空隙長の最大値Laと最小値Lbの比La/Lbを1.3≦La/Lb≦3とすることにより、前記非通電状態にある相に発生する誘起電圧の歪を抑制する誘起電圧歪抑制手段を備えたことを特徴とする永久磁石形モータ。 - 前記ティース部側面部の辺と、前記ティース部側面部の辺からティース部先端に延びる辺とのなす角度が100度以上となるように構成したことを特徴とする請求項6に記載の永久磁石形モータ。
- 前記ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、前記ステータと前記ロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、一つの直線により形成したことを特徴とする請求項6に記載の永久磁石形モータ。
- 前記ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、前記ステータと前記ロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、多段階に折れる直線により形成したことを特徴とする請求項6に記載の永久磁石形モータ。
- 前記ロータ鉄心の外周部と対向するステータ鉄心のティース部先端部の形状をティース部先端部になるほど、前記ステータと前記ロータとの間の空隙長が大きくなる形状を、R形状の組み合わせにより形成したことを特徴とする請求項6に記載の永久磁石形モータ。
- 前記ティース部先端部のスロット側の面に、切り欠き部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の永久磁石形モータ。
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