JP2006345354A - 暗号鍵生成通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一光子状態や微弱LD光を用いた位相変調方式の暗号鍵配送システムでは、伝送距離の長距離化のためには偏波無依存で熱揺動に強い干渉計が必要である。また、暗号鍵配送システムは一般に鍵生成効率が悪く、効率向上が求められている。
【解決手段】受信機内の干渉計を2組にすることにより受信機内に位相変調器を不要にして受信機の偏波無依存を達成した。パルス対をペアにして相対的位相差で信号を送ることとし、パルス対の間隔を十分に小さくすることにより受信機内の干渉計内の光路を短く設定し、熱揺動に強い干渉計を達成した。平均受信レートよりも送信レートを十分に大きくすることにより送信されてきた乱数の一部のみをランダムに検出するようにし、仮に伝送途中で盗聴があった場合に盗聴者と正規の受信者が同一のスロット位置のデータを観測する確率を減少させる。
【選択図】図1

Description

本発明は暗号通信の鍵配送の部分に量子力学的な技術を用いた量子暗号通信に関する。
ネットワーク社会において情報の安全性への要求は必然的に高い。通信においては古来より、盗聴の脅威に対して様々な暗号法が開発されてきた。近年、暗号通信の鍵配送の部分に量子力学的な技術を用いれば非常に強力な暗号通信が可能になることが知られるようになり量子暗号の研究が活発である。
量子鍵配送で現在最も研究が進み、最も早い時期に実現が可能と思われるのが光子数をひとつずつ数えられる程に微弱にした光を伝送する方式である。ひとつの信号パルス内の光子数は平均で1個以下にする。光子数を平均1個以下にしたことにより盗聴があった場合にそれを発見できる。信号重畳には偏光変調と位相変調があり、前者は自由空間に対して、後者は光ファイバを媒介にした伝送に対して効果的であると考えられる。
量子鍵配送では盗聴が困難になるように、例えばBB84と呼ばれるプロトコルでは変調信号の基底を2種類準備し、それを信号ごとにランダムに選ぶ(非特許文献6)。偏光変調に於いては、2つの直線偏光を「0」と「1」の信号に割り振る基底と2つの円偏光を「0」と「1」の信号に割り振る基底の2種類を使う。位相変調の場合には、位相0とπを「0」と「1」の信号に割り振る基底とπ/2と3π/2を「0」と「1」の信号に割り振る基底の2種類を使う。
受信側で位相を検出するためには参照光が必要であり、信号光と共にそれを送り、受信機内で信号光と参照光を干渉させて位相を検出する。信号を送信する際に2種類の基底を用いているために、受信側でも基底を選択する機能が必要になる。そのひとつの方法が、受信機内で参照光の位相を0とπ/2に変調することである。
通常の単一モード光ファイバは円対称に製造されているが不均一性や曲げのために僅かに複屈折を持つ。したがって、送信側が例えば直線偏光で送っても、伝送後は一般的には楕円偏光になる。電気光学効果を用いた通常の位相変調器は電気光学結晶の強い複屈折のために偏光依存性がある。伝送されてきた光が楕円偏光になっていると、それを位相変調した場合、純粋な位相変調ではなく偏光の変調も同時にしてしまう。この問題点を回避するために考案されたのがplug & play方式である(非特許文献1,2)。
これは、光源を送信者側ではなく受信者側に配置し、信号媒体となる光を受信者・送信者間で往復させる。送信者側にはファラデーミラーを配置し、受信者側で発した光が送信者側で反射して受信者側に戻る際に往復で必ず偏光が直交するようにする。受信者側で発する光が直線偏光であれば、伝送路がどのようなものであっても、再度受信者側に戻ってきたときにはそれに直交した直線偏光になるので、受信者側においても通常の位相変調器が使えるようになる。受信側を直線偏光に確定したことにより送信側では楕円偏光になるが、位相変調器をファラデーミラーの直近に配置し、往復で変調すればいかなる偏光でも均等に位相変調されるので問題はない。この方法の問題点は、受信者側に光源を配置しているために伝送路における後方散乱光が検出器に混入することである。超微弱光を用いた量子鍵配送では、この問題点は伝送可能距離を制限してしまう。
この問題点を解決するために、最近提案されたのが光源を送信者側に配置して後方散乱の影響を無くした一方向伝送の方式である(非特許文献3,4,5)。提案されたいずれの方法も受信者側は単純な干渉計のみで構成され位相変調器は配置していない。しかしながら、受信者側には基底を選択するための方法が必要である。
非特許文献3では送信側に遅延線を2本以上用意し3パルス以上でひとつの信号を構成するようにし、隣り合うパルス同士を、受信側に設置したひとつの遅延線を用いて干渉させる。干渉によってできた4つ以上のパルスのどこに光子が検出されるかは確率的で受光するまでわからない。この方式では受光したパルスの位置により受信側の基底が確定する。
非特許文献4では光源の時間的コヒーレンスを仮定し、各パルス間でdifferential phase shift keyingの変調をする。受信側は単純なマッハ・ツェンダ干渉計で0とπを判定する。この方式では受信側における基底の選択は行なわず、盗聴検知は、1パルスの光子数が1個未満であることのみを拠り所にしている。すべての信号が盗聴されることはなく、たとえ、ある部分が盗聴されてもdifferentialであるが故に盗聴された部分の前後が盗聴者にとって不確定になり、盗聴者が盗聴を隠すために信号を再送すれば受信者が盗聴のあったことを検出できる。
非特許文献5では送信側にマッハ・ツェンダ干渉計を2段、受信側に1つを配置した構成で、連続した3つのパルスのどのスロットを受光したかで自動的に受信側の基底が確定する。
A. Muller, T. Herzog, B. Huttner, W. Tittel, H. Zbinden, and N. Gisin, Applied Physics Letters. 70, 793 795 (1997). H. Zbinden, H. Bechmann-Pasquinucci, N. Gisin, and G. Ribordy, Applied Physics B 67, 743 748 (1998). K. Inoue, E. Waks, and Y. Yamamoto, Phisical Review Letters 89, 37902 (2002). K. Inoue, E. Waks, and Y. Yamamoto, Physical Review A 68, 22317 (2003). Y. Nambu, T. Hatanaka, and K. Nakamura, Japanese Journal of Applied Physics 43, L1109 L1110 (2004). N. Gisin, G. Ribordy, W. Tittel, and H. Zbinden, Reviews of Modern Physics 74, 145 195 (2002).
非特許文献3−5の方法はいずれも受信側に変調器を必要としないため、受信機内の偏波依存性をほとんど無視できる程度に抑えることが出来、ファイバ伝送中における偏波変動の影響を考慮する必要が無くなり、plug & play方式のような往復伝送の必要が無く、後方散乱の影響を受けず、最小受信感度の向上につながる。
しかしながら、これらの方法は伝送されてきたすべての信号を受信するように構成することを前提にしている。ファイバ通信帯である波長1.55μm用のアバランシェフォトダイオードによるフォトンカウンティングではアフターパルスと呼ばれる現象のために1MHz程度の繰り返しレートでしか受光器を動作させることができない。非特許文献3−5の方法を1MHzで動作させるためには受信機及び送信器の非対称マッハ・ツェンダ干渉計の片側の長さを300mの光路長にしなければならず、環境の影響を大きく受け、非対称マッハ・ツェンダ干渉計を安定に動作させることは困難である。
本発明が解決しようとしている課題は、非対称マッハ・ツェンダ干渉計を安定に動作させて、ファイバ伝送中に偏波変動があっても耐えうるシステムを構築することと、またセキュリティをさらに向上させた量子力学的な鍵配送システムを構築することである。
2つのパルスを一組にしたパルス対のパルス間の相対的位相で信号を伝達し、2つのパルスの間隔は可能な限り小さくする。信号送信のクロックを受信機の平均繰り返しレートよりも十分に大きくする。受信機においては送られてきたすべの信号を検出するように備えるのではなく、受信機内に乱数発生器を装備して、送られてきた信号をランダムにピックアップして検出する。受信側における信号検出のための基底選択は単純なビームスプリッタを用いる。
パルス対の間隔を可能な限り小さくしたことにより、パルス対のパルス同士を干渉させるための受信機内の非対称マッハ・ツェンダ干渉計の非対称性の程度を小さくできる。その結果、環境揺動の影響をあまり受けずに済むようになり、安定な非対称マッハ・ツェンダ干渉計を実現できる。
送信側のクロックレートを受信機の平均繰り返しレートよりも十分に大きくする場合にはレーザー光が持つ大きいコヒーレンスを利用することができる。この場合にはコヒーレンス時間内に対になる光パルスを直接生成できるので、送信機内に非対称マッハ・ツェンダ干渉計のようなパルス対を生成する手段を不要にできる。
さらに、受信機内に新たな乱数発生器が設置されるので、信号伝送中における盗聴をより困難にする。また、単純なビームスプリッタによる基底選択は物理法則的に完全にランダムであり、無条件安全性が証明されている量子力学的暗号鍵配送システムを位相変調方式において完全に実現する。
まず、本発明を実施するための原理を説明するために、送受信器間のパルスの送受信について説明する。
図1(A)は本発明を具体的に実施するための原理を説明するブロック図、(B)は送受信機においてパルス内に光子が存在する確率分布を模式的に示した図である。図2は送信機の位相変調器によりパルスの包絡線がずれる様子を模式的に示す図である。
図1(A)において、光源101からのパルス状の出力光は非対称マッハ・ツェンダ干渉計110により連続する2つのパルスに分割され、パルス対になる。すなわち、非対称マッハ・ツェンダ干渉計110の入力側のビームスプリッタで分岐されるパルスは二つの光路を通る。そして二つの光路長の差は、光源101からのパルス状の出力光のパルス幅以上とされる。したがって、ビームカップラで合波された、二つの光路を通過したパルス光はパルス対として出力されることになる。光源101はレーザー光源でも単一光子源でもどちらでも良い。
このパルス対のそれぞれのパルスは乱数発生器を備えるコントローラ130の与える2ビットの乱数に応じて、位相変調器121により0、π/2、π、3π/2の4値のいずれかに位相変調される。すなわち、変調する位相が0であれば、パルス対の両方に同じ遅延を与え、変調する位相がπ/2であれば、パルス対の後半のパルスを前半のパルスに対してπ/2遅延させ、変調する位相がπであれば、パルス対の後半のパルスを前半のパルスに対してπ遅延させ、変調する位相が3π/2であれば、パルス対の後半のパルスを前半のパルスに対して3π/2遅延させる。かくして、送信機100から受信機300へ位相差が伝送される。図2は位相0の波形に対し、位相変調器121の与える遅延によってパルスの包絡線がずれる状況を模式的に表示した図である。
図1(B)の左側半分は、光源101から出力されたパルスが、非対称マッハ・ツェンダ干渉計110によりパルス対(連続した2つのパルス)に変換された様子を模式的に示す。各パルス対の上に示された数値はコントローラ130の乱数発生器の与える2ビットの乱数に応じて、位相変調器121により乱数が重畳された後のパルス対間の位相差示す。たとえば、各パルスに対する2ビットの乱数が00,00なら遅延0のパルス対、−−−−、2ビットの乱数が11,01なら遅延πのパルス対、2ビットの乱数が00,11なら遅延3π/2のパルス対、−−−−、2ビットの乱数が10,11なら遅延π/2のパルス対として出力される。ここで、各パルス対は厳密には図2に示す包絡線全体の遅延分だけ間隔がずれることになるが、この遅延は各パルスのパルス幅と比べてきわめて小さなもので受信機における干渉強度に影響を与えるものではないし、図1(B)に表れるものでもない。
この差動乱数が最終的に送受信者間で共有される暗号鍵の元になるものである。位相変調されたパルス列は光減衰器122で1つのパルス当たり平均光子数1個以下にして伝送路201に送信される。光源101が単一光子源の場合は元々平均光子数1個以下の条件を満たしているので光減衰器122を省略することも可能である。
伝送路201は一般的には光ファイバである。
受信機300に到達した光子列はビームスプリッタ301により2方向に分割され、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320に導かれる。非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320のそれぞれの光路長差はいずれも非対称マッハ・ツェンダ干渉計110の光路長差とほぼ一致するように構成され、送信機から出たパルス対が干渉するようになっている。
非対称マッハ・ツェンダ干渉計310の光路長差は位相差0(すなわち、光路長差が波長の整数倍)に設定され、パルス対間の位相差が0かπかを判別する。位相差0の場合は光検出器331に光子が検出され、位相差πの場合は光検出器332に検出される。非対称マッハ・ツェンダ干渉計320の光路長差は位相差π/2(すなわち、光路長差が波長の整数倍+1/4波長)に設定され、パルス対間の位相差がπ/2か3π/2かを判別する。位相差π/2の場合は光検出器333で光子が検出され、位相差3π/2の場合は光検出器334で検出される。これら2つの非対称マッハ・ツェンダ干渉計310及び320によりすべての位相差の場合を検出できる。
ビームスプリッタ301は50:50の確率で入力光子列を2方向に分割して非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320に導くことになるが、入力パルスが平均光子数1個以下で伝送路201を伝送されるものであるため、入力パルスが非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320のどちらに入力されるのかは確率的である。図1(B)の右側半分は、入力パルスが非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320で干渉した後に各検出器で検出される確率をパルスの強度で模式的表現してある。伝送されてきたパルス対が干渉した結果は3パルス状態となり、パルス対の位相関係は中心パルスのみに反映され、受信機ではこの中心パルスのみを検出することにする。位相差0のパルス対が非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力した場合は、位相差0検出用の光検出器331においてのみ検出され、光検出器332では検出されない。非対称マッハ・ツェンダ干渉計320に入力した場合は、光検出器333と334に等確率で検出される。位相差πのパルス対が非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力した場合は、位相差π検出用の光検出器332においてのみ検出される。位相差が0とπの場合とは逆に位相差3π/2のパルス対が非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力した場合は、光検出器331と332に等確率で検出されることになり、非対称マッハ・ツェンダ干渉計320に入力すれば位相差3π/2検出用の光検出器334に検出されて、光検出器333には検出されない。位相差π/2のパルス対が非対称マッハ・ツェンダ干渉計320の入力すれば位相差π/2検出用の光検出器333に検出される。
量子力学的鍵配送システム(例えば、BB84と呼ばれる方式)では1ビットの乱数データの送受信を、2種類の基底をランダムに選んで行なう(両者を合わせて2ビット)(非特許文献6)。本発明ではその2種類の2値基底として位相差が0及びπである基底と、位相差がπ/2及び3π/2である基底の2種類を利用する。光検出器331あるいは332に光子が検出された場合が(0,π)の基底を選択したことに対応し、光検出器333あるいは334に光子が検出された場合が(π/2,3π/2)の基底を選択したことに対応する。受信側の基底選択はランダムでなければならないが、その選択はビームスプリッタで行なっており、受動的であり自然法則的に完全にランダムである。以上の原理に従い、本発明の方法は、量子力学的鍵配送システムを位相変調方式で完全に実践したことになる。
図1(B)の左図の説明で述べたように、本発明で送信される乱数は2ビットであった。この2ビットの下位ビットが(0,π)あるいは(π/2,3π/2)の基底選択に対応し、上位ビットが暗号鍵の基データになる乱数に対応する(図9参照)。
通常の通信では、送信側から伝送した信号を受信側においてすべて検出できるようにするが、本発明では受信側の平均検出レートよりも高いクロックで乱数信号を送信する。例えば、平均検出レートを1MHzとすると、送信レートは100MHz,1GHz,10GHzといった値になる。送信レートが100MHzの場合は、受信側では送られてきた乱数データを、平均で1/100個に対してのみ測定に備える。100個の乱数データのどれを選択するかは受信機内に設置した乱数発生器付きコントローラ340により決定する。
単一光子検出ではアバランシェフォトダイオード(APD)を用いたフォトンカウンティング法を用いるのが一般的であるが、1.55μmの通信波長帯用のAPDは一般的に感度が不足するため、光子が検出され得る時間ゲートだけbreak−down電圧以上になるように電圧パルスをAPDに印加して高感度にする(このAPDの使い方はガイガーモードと呼ばれる)。しかしながら、APDへの印加電圧をbreak−down電圧以上にするとafter−pulseと呼ばれる現象を引き起こして検出器の性能が劣化する。この劣化を防ぐには、ゲートパルス間の間隔を十分大きく取れば良い。典型的には1μs程度であり、典型的な平均検出レートが1MHzになる。現在の技術水準では盗聴者も1MHz程度でしか単一光子を検出できない。したがって、例えば100MHzで乱数信号を送り、検出する信号をランダムに選べば、盗聴者と正規の受信者が時間軸上の同一スロットを検出する確率が減少し、盗聴確率を下げることができる。
乱数信号の受信についての本発明のメリットをより具体的に説明する。光検出器331,332,333,334の時間ゲートを開くのは、3パルス状態の中心パルスに対してのみである。3パルス状態の1番目と3番目を測定する必要のない本発明の方法は非対称マッハ・ツェンダ干渉計110,310,320を安定化させる見地から優れている。もしも1番目と3番目のパルスを測定する必要があるのならば、出力される3パルスの各間隔を1μs程度にする必要があるが、その場合だと非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差を300m程度にしなければならない。これだけの長さを波長以下の長さの精度で安定化させるのは困難である。
一方、本発明の方法では光検出器331,332,333,334に印加されるゲートパルスの時間幅内に中心パルスのみが入るようになっていれば良く、コントローラ340の与えるゲートパルスを1nsとすれば、非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差を300mm程度にできることを意味する。この程度の長さであれば、非対称マッハ・ツェンダ干渉計を温度制御することや、ピエゾ素子等を用いたフィードバック系で光路長を制御することで十分に安定化することができる。
図3は、図1の位相変調器121の設置位置を変えた、本発明を具体的に実施するための送信機の他の例を説明するブロック図である。
図1では位相変調器121は非対称マッハ・ツェンダ干渉計110の後方に設置されているが、図3では非対称マッハ・ツェンダ干渉計110の片側の光路中に設置している。図1の位相変調器121の位置では非対称マッハ・ツェンダ干渉計110で作られたパルス対を別々に変調する必要があるが、図3の配置では片側のパルスのみを変調すれば良い。図1の配置では位相変調器は送信クロックの2倍のレートで動作する必要があるが、図3の配置では送信クロックと同じレートで良い。位相変調器121では損失が発生するので、図3の配置では非対称マッハ・ツェンダ干渉計110の入力側のビームスプリッタの分岐比は50:50ではなく位相変調器121の損失分を考慮した分配とし、ビームカップラで合波されるときにビームスプリッタから直接来たパルスと位相変調器121を介して来たパルスの強度が同じ強度となるようにする。
図4(A)は本発明を具体的に実施するための原理を説明するさらに他の構成のブロック図、(B)は送受信機においてパルス内に光子が存在する確率分布を模式的に示した図である。
図4(A)は、光源101にレーザー光源を用いて、そのレーザーのコヒーレンス時間τを送信クロックの逆数1/frよりも十分に大きくして、送信器100内の非対称マッハ・ツェンダ干渉計110を省略した構成である。図1(A)に示す構成要素と同じものには同じ参照符号を付した。本構成の位相変調器121では、図4(B)の左側に示すように、光源101が発生する各パルスに、コントローラ130内の乱数発生器が出力する2ビットの乱数に従って、0、π/2、π、3π/2の4値に位相変調する。ここでは2ビットの乱数が00,00,10,01,10である場合の伝送例を示す(注:図4(B)では伝送方向の都合でこの数字の並びが逆になっている)。それぞれの乱数は0、0、π、π/2、πの位相変調に対応し、連続するパルス間の位相差は0、π、3π/2、π/2になり、送信される2ビットの値は00,10,11,01になる。言い換えれば送信基底が0,0,1,1で、送信乱数が0,1,1,0である(図9参照)。
レーザー光は2分割して再合成した際、コヒーレンス時間内であれば干渉する。したがって受信機300内の非対称マッハ・ツェンダ干渉計310及び320の光路長差をc/fr(ここでcは真空中の光速)に設定し、送信機100から伝送されてきたパルスをビームスプリッタ301で2分割して受信機300内の非対称マッハ・ツェンダ干渉計310及び320に導入すると、光源101で繰り返しレートfrで発せられたパルス列は非対称マッハ・ツェンダ干渉計310及び320により隣り合うパルス間で互いに干渉するようになる。すなわち、隣り合うパルスが図1で説明したパルス対と同様に干渉するようになる。
図4(B)の右側半分は、図1(B)の右側半分と同様、各入力パルスが非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320において干渉した後に検出器331,332,333,334で検出される確率をパルス強度で示す。図4(B)の例では、第1のパルスと第2のパルスの位相差が0なので、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力すれば光検出器331で検出されて送信されてきた乱数が0であったことが確定する。非対称マッハ・ツェンダ干渉計320に入力した場合は、光検出器333と334に検出される確率が等しくなるので送信されてきた乱数は確定できない。第2のパルスと第3のパルスの位相差はπなので、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力すれば光検出器332に出力が得られて送信されてきた乱数が1であることが確定する。非対称マッハ・ツェンダ干渉計320に入力した場合は送信されてきた乱数を確定できない。第3のパルスと第4のパルスの位相差は3π/2なので、非対称マッハ・ツェンダ干渉計320に入力すれば光検出器334に出力が得られて乱数1が確定する。非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力した場合は乱数を確定できない。第4のパルスと第5のパルスの位相差はπ/2なので、非対称マッハ・ツェンダ干渉計320に入力すれば光検出器333に出力が得られて乱数0が確定する。非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力した場合は乱数を確定できない。
したがって、図1(A)の例のように送信器内で1パルスを2パルスに分割する必要が無く構成が簡単になる。また、図4の例では光源101からのパルス列の間隔は非対称マッハ・ツェンダ干渉計310及び320の光路長差に一致しているので、2パルスの干渉結果について言えば、図1(B)のような第1と第3のパルスは出来ず、中心のパルスのみになる。受信機300においてfrの繰り返しレートで送られてくる乱数データをランダムに検出するのは図1(A)の場合と同じである。
(実施例1)
図5は、本発明の実施の形態を示す通信システムのブロック構成図である。送信者1と受信者2は一般の回線202を用いて通信する。一般の回線202は、通常、盗聴が容易なので暗号化した上で通信する。この際、送信者1と受信者2のみが知りうる暗号鍵を共有する必要があり、この暗号鍵を生成するための元になる乱数データを生成・送信するのが送信機100であり、伝送路201を通して受信するのが受信機300である。図1から図4を参照した説明は、この乱数データを生成・送信するための構成と動作原理の説明である。ここで送信者1と受信者2は必ずしも人を表すとは限らず、送信者と受信者が保有しているコンピュータ等通信において必要な機器も含めた広い意味で使う。
送信機100から受信機300への伝送路201を通しての送受信は、送信機100に備えられるクロック発生器160により生成されたクロックに同期して行なわれる。クロックは例えば100MHz、1GHz、10GHzといった高い周波数で安定した正弦波である。クロックはコントローラ130に入力され、まずパルス発生器131に入力される。パルス発生器131は光源101の出力光をパルスにするためのもので、例えば100psの時間幅のパルスをクロックに同期して出力する。光源101は、例えば、連続発振のレーザー光源102と強度変調器103で構成され、パルス発生器131からの出力パルスが強度変調器103に入力されて、パルス発生器131の信号に応じて例えば100psの時間幅のパルスをクロックに同期して出力する。図5の構成では送信機100内に非対称マッハ・ツェンダ干渉計は設置されておらず、図4を参照して説明した例のように受信機300内での信号光の干渉は光源101で生成されたパルス光列同士で行なわれる。この観点から光源101からの出力光のコヒーレンスは重要である。パルス発生器131の出力パルスを連続発振レーザー102に直接入力して102から直接パルス光を生成する方法もあるが、連続発振レーザー102の出力を変調器103を用いてパルス光とする方がコヒーレンスを用いた図5の構成ではコヒーレンスの劣化を防ぐために有利である。連続発振レーザー102には光通信で用いる分布帰還(DFB)レーザーを用いるのが便利である。
送信機100内にはもう1つの光源141が設置される。光源141の主な役目は受信機300にクロックを送ることであり、光源141の変調はクロック発生器160の出力クロックのほぼ原型の形で行なわれる。光源141の構成も連続発振のレーザー142と強度変調器143からなる構成とするのが良い。レーザー142を直接変調することも可能であるが、実施例4に示すように受信機300内の非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の参照光用に光源141を利用する場合にはコヒーレンスの観点から連続発振のレーザー142の出力を変調器143で変調する方が有利である。2つの光源101と光源141の出力光は受信側で区別する必要があるので、互いに異なる波長を用いる。例えば、光源101に波長1.55μmを、光源141に波長1.3μmを用いる。あるいは、高密度波長多重の手法と同様に、光源101と光源141の両者に対して僅かだけ波長が異なるようにして共に1.55μm帯の光を用いることもできる。
暗号鍵生成の第一歩は送信者1が送信機100へ鍵生成開始を指令することである。この鍵生成開始指令信号に基づき、コントローラ130内のトリガ発生器132からトリガが発せられ、加算器133と乱数発生器134に送られる。加算器133はクロック発生器160の出力クロックとトリガ発生器132の出力トリガを加算するもので、これが光源141を変調して受信機300に送られる。受信側でクロックとトリガを区別するために、トリガにはクロックの周波数を含まないようにする。トリガを受けた乱数発生器134は4値パルス発生器135に2ビットの乱数データの転送を開始し、135はクロックに同期して、4値の乱数を位相変調器121に送る。光源101の出力パルス光は位相変調器121で0、π/2、π、3π/2の4値に位相変調され、減衰器122で1パルス当たり平均光子数1個以下にされて、WDMカプラ150でクロック伝送用の光と合波された後、光信号として伝送路201に送り出される。170はメモリであり、乱数発生器134からの出力乱数がスロット位置情報(乱数生成の順番を示す番号)も含めて保存される。
図9(A)はメモリ170の記憶内容の例の概要を示す図である。メモリ170は受信者がどのスロットの乱数を受信するか分からないので、全てのスロットの乱数を時系列に保存する。メモリ170の記憶内容は送信者1の要求により送信者1に送られ、これにより送信者1は暗号鍵生成のための元データを得る。このメモリ170は送信者1の内部に設けて記録しても良い。受信者2に送信される時系列の乱数データは図9(A)のメモリ170に格納された2ビットの乱数を連続するスロット間で差分を取ったものである。差分を取った2ビットの下位ビットが(0,π)あるいは(π/2,3π/2)の送信基底を表し、上位ビットが送信乱数そのものを表す。
伝送路201は光ファイバを用いるのが長距離伝送と安全性の見地から有利である。光ファイバには通信用の各種単一モードファイバを用いることができる。標準的には通常分散ファイバであるが、長距離化の観点からは低損失な純粋コア石英ファイバを用いるのが有利である。ビットレートを大きく設定した場合はパルス広がりの影響を最低限に抑えられる分散シフトファイバが有利である。
受信機300に到達した光信号は、まずWDMカプラ350により乱数を重畳した信号光とクロック光に分離される。クロックは強度の大きい光であるのに対して信号光は微弱な光であるので、WDMカプラを1つ設置しただけでは信号光側にクロック光が混入してしまう。これを防ぐためにはWDMカプラを複数個直列に並べればよい。図6はWDMカプラ351−353を直列に並べた例を示すブロック図である。第1段目のWDMカプラ351で分離されたクロックパルス光は光検出器341で電気信号に変換され、コントローラ340に導かれる。3段のWDMカプラ351,352、353を通してクロック光と分離した微弱な信号光は50:50の分岐比のカプラ302を通って、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310および320に入り、連続したパルス間で干渉した後、光検出器331,332,333,334に到達して検出される。図1、図4においては、受信機300内の非対称マッハ・ツェンダ干渉計がビームスプリッタとミラーを用いた自由空間系で構成されていたが、図5ではカプラを用いた導波路系で構成されている。カプラ302,非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320内のカプラの無入力ポートは迷光が混入しないように終端処理しておく。
非対称マッハ・ツェンダ干渉計310及び320は、隣り合うパルス間で干渉するように、二つの光路の光路長差が正確に設定され、さらに位相差0とπを判定する干渉計と、位相差π/2と3π/2を判定する干渉計になるように光の波長レベルで正確に調整されている必要がある。また、非対称マッハ・ツェンダ干渉計は偏波無依存にしなければならない。これらを実現する方法は様々な方法が考えられる。
図7は、非対称マッハ・ツェンダ干渉計を偏波無依存にするため、単一モードファイバだけで非対称マッハ・ツェンダ干渉計310の光路部を構成した例を示す図である。正確な光路長差を実現するために、予め、二つのファイバの長さを正確に調節する。非対称マッハ・ツェンダ干渉計310全体はペルチエ素子等を用いて正確に温度管理されて波長レベルの位相差が維持される。単一モードファイバに僅かに存在する複屈折性は一つのファイバに設けられるファイバ型の偏光調整器311により補償される。
図8は、非対称マッハ・ツェンダ干渉計を偏波無依存にするため、偏波保存ファイバを用いて非対称マッハ・ツェンダ干渉計310の光路部を構成した例を示す図である。カプラを含めてすべてを偏波保存型のファイバで構成している。二つの偏波保存ファイバは干渉計を半分進んだ黒丸の位置で偏光軸が90度直交するように接続されている。図8の下段部に、黒丸の位置の前後で偏光軸が90度直交した状態をファイバの断面図の形で示す。中央部の黒丸がファイバのコアである。偏波保存ファイバの長さを正確に等しく設定しておけば干渉計の入り口と出口で偏光状態が一致するので干渉計の偏波無依存性が実現される。図8においては非対称マッハ・ツェンダ干渉計全体が偏波保存型になっているが、2つの光路の差に相当する部分のみを偏波保存型にしても同様に偏波無依存な干渉計になる。図8においても、図7と同様に、ペルチエ素子等を用いて温度管理して光の波長レベルで干渉計の位相差を制御する。図8の構成は平面光導波回路(PLC)を用いて構成しても良い。
図8に示すように干渉計の中央部で偏波保存型のファイバの光軸を直交させる方法も良いが、光学軸を直交させること無くPLCの複屈折性が大きいことを利用して温度管理により干渉計の位相差だけでなく偏光状態も同時に制御する方法もある。図7や図8に示す構成の問題点は非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路差の調整を温度制御のみで行なうため、大きな変化量を確保することが出来ない点にある。大きな変化量で調整したい場合は、機械的ステージやピエゾ素子による光路長の調整が必要である。この方法の一例は実施例2で述べる。
再び図5に戻って、受信機300のコントローラ340の内部構成を説明する。WDMカプラ350で分離されたクロック光は光検出器341により電気信号に変換され、コントローラ340に導かれて信号光検出のためのクロックとして利用される。受信されたクロック光は、送信機100の動作で説明したように、加算器133で加算されたクロックとトリガを加算した信号で変調されているので、伝送クロックそのものと伝送開始を表すトリガの2種類の情報を含んでいる。それらを分離するためにクロック周波数のみを透過させるバンドパスフィルタ342とトリガ成分だけを取り出すフィルタ343が設置される。トリガはクロック周波数の成分以外で形成されるのでフィルタ343はノッチフィルタで表現してある。
乱数発生器344はトリガ入力によって正規の動作を開始する。乱数発生器344はクロックに同期して送信機100から送られてくる光信号の乱数データの何番目のスロットを光検出器331,332,333,334で検出するかを指定するもので、パルス発生器345はその乱数発生器344の出力に同期して電圧パルスを発生する。この電圧パルスは、クロックと信号の全伝送時間の差を相殺する遅延器346を通して光検出器331,332,333,334に送られ、これらの光検出器のゲートを開く。ゲート幅は光検出器331,332,333,334として1.55μm帯用のAPDを用いた場合、典型的には1ns程度である。乱数発生器344が発生するパルスは、例えば、クロック周波数を100MHz、平均受信レートを1MHzとすれば、100回に1度の割合で出力されるもので光検出器のゲートがオンされるのもこの割合である。
光検出器331,332,333,334のゲートが開くタイミングは送信機100から届く信号パルスと正確に同期していなくてはならない。基本的には、送信機100から光検出器331,332,333,334までの信号光の光路長を4つの光検出器に対して等しく設定し、コントローラ340から光検出器331,332,333,334のそれぞれへの電線の長さを等しくする。クロック光と信号光の光路長差はそれらの光が分離している部分の光ファイバの長さと遅延器346により調整する。
フィルタ342を通して得られたクロックとフィルタ343を通して得られたトリガ信号およびパルス発生器345の信号はデータ収集回路347にも送られる。データ収集回路347に設けられるカウンタ3471は、フィルタ343の出力であるトリガ信号で初期化され、フィルタ342の出力であるクロックを計数する。データ収集回路347には光検出器331,332,333,334の検出した出力を記憶するフォトン検出結果記憶回路3481,3482,3483,3484のデータを時系列に保存するためのデータボード3473が設けられる。データボード3473もカウンタ3471を初期化するトリガ信号で初期化される。フォトン検出結果記憶回路3481,3482,3483,3484は、それぞれ、乱数発生器344の与える信号でゲートがオンされたスロットの、光検出器331,332,333,334の検出結果を記憶する。一方、遅延器346と同じ信号でドライブされ、遅延器346より、やや遅れたタイミングでフォトン検出結果記憶回路にタイミングパルスを出力する遅延器3474の出力により、フォトン検出結果記憶回路は記憶した内容をデータボード3473に送り、同時に、自身の記憶内容はクリアされる。
レジスタ3472は遅延器3475を介してカウンタ3471の出力を受けて、これに追従しているが、パルス発生器345の出力がオンの時、カウンタ3471の出力をデータボード3473に送る。遅延器3475は、レジスタ3472に送られるカウンタ3471の出力値がパルス発生器345の出力がオンになったスロットに一致させるように調整するものである。以上のタイミングの調整により、データボード3473に保存されるレジスタ3472の出力値とフォトン検出結果記憶回路に記憶されたデータとは、同じ時間スロットに対するデータになっている。
図9(B)はデータボード3473に保存されるデータの一例を示す図である。スロット位置がレジスタ3472の出力値であり、フォトン検出結果がフォトン検出結果記憶回路3481、3482、3483、3484それぞれに記憶された光検出器331,332,333,334の検出結果である。
先に説明した図9(A)は送信された2ビットの差分乱数を、図9(B)は受信された乱数をそれぞれ示す。送受信が正しく行われた場合には、2ビットの乱数とフォトン検出結果とは対応するものとなる。たとえば、スロット位置0では、2ビットの差分乱数が00であるので、図1、図4で説明したように、連続する二つのパルス間の位相差は0になって、信号光が非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力すれば光検出器331に検出されて、フォトン検出結果記憶回路3481に“1”が記憶される。他のフォトン検出結果記憶回路は“0”を記憶する。同様にスロット位置101では、2ビットの差分乱数が11なので、連続する二つのパルス間の位相差は3π/2になって、信号光が非対称マッハ・ツェンダ干渉計320に入力すれば光検出器334に出力が得られて、フォトン検出結果記憶回路3484に“1”が記憶される。他のフォトン検出結果記憶回路は“0”を記憶する。スロット位置205では、2ビットの差分乱数が10なので、連続する二つのパルス間の位相差はπになって、信号光が非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に入力すれば光検出器332に出力が得られて、フォトン検出結果記憶回路3482に“1”が記憶される筈であるが、図9(B)の例では信号光が非対称マッハ・ツェンダ干渉計320に入力したために確率1/2で光検出器333に出力が得られて、フォトン検出結果記憶回路3483に“1”が記憶され、他のフォトン検出結果記憶回路は“0”になる。スロット205の例では正しく乱数を受信できなかったことになるが、カプラ302によるフォトンの分配が確率的であるために常に起こりうることである。またこれとは別にノイズや盗聴があったために送信された乱数そのものが伝送途中で変わってしまうこともある。
データボード3473に収集された情報には受信機300で選択した基底と伝送されてきた乱数データの情報を含む。例えば、光検出器331が“1”を検出した場合は基底が(0、π)で1ビットの乱数データが0、光検出器332が“1”を検出した場合は基底が(0、π)で1ビットの乱数データが1、光検出器333が“1”を検出した場合は基底が(π/2、3π/2)で1ビットの乱数データが0、光検出器334が“1”を検出した場合は基底が(π/2、3π/2)で1ビットの乱数データが1といった情報になる。この受信基底と送信されてきた乱数列のどのスロットを測定したかの情報を一般の回線202を用いて送信者1に転送する。送信者1はその情報から、送信基底と受信基底が一致しているかどうかを判定することが出来、不一致のスロットはデータとして採用しない。その結果は受信者2に一般回線202を用いて連絡する。図9(B)の例ではスロット205のデータは採用しないことになる。
以上の手続きにより、受信者2は送信者1と共有したい暗号鍵の元になるデータを得たことになる。以下の手続きとしては、一般的に知られた暗号鍵生成のためのプロトコルに従い(非特許文献6)、一般回線202を用いて送信者1と送信者2がやり取りをして暗号鍵を生成する。例えば、以下のような手続きをふむ。
まず、受信者2は受信した乱数データのスロット位置と受信基底の情報を送信者1に一般回線202を用いて送る。送信者1はメモリ170に記憶されているデータから、その情報の中で自らが送ったときの送信基底と一致したスロット位置を一般回線202を用いて受信者2に知らせる。このやり取りにより、送信基底と受信基底が一致したスロット位置が確定する。ノイズや盗聴の影響がなければ送信基底と受信基底が一致した乱数データはこの時点ですでに一致するはずである。しかしながら、図9に対して説明したように、ノイズや盗聴のためにいわゆるビットエラーが存在する。そのため、パリティチェックを行ないエラー訂正し、エラーレートを算出する。
パリティチェックは例えば次のように行なう。まず送受信において基底の一致したスロットの中からランダムに適当な数のスロットを選び、送信者と受信者がそれぞれ独立に送受信された乱数の排他的論理和(パリティ)を取る。図9の例では基底が一致しているのはスロット0,101,303,407の4つのみであるからこの4スロットに対して排他的論理和を取る。即ち、式(1)となる。
Figure 2006345354
次に、この結果を送受信者間で一般回線202を用いて照合し、一致していればビットエラーがなかったと判定する(パリティチェック)。図9の例ではビットエラーはない。一般回線202でのこのやりとりは、パリティ1ビット分の情報は盗聴されうることになるので1ビット分の情報は破棄することにする。例えば、スロット407を不採用にする。パリティチェックにおいて、もしもパリティが一致しなかった場合は排他的論理和を取るスロットの数を半分にしてパリティチェックを行ない、ビットエラーのあったスロットが特定されるまでこの半分にする操作を繰り返す。ビットエラーのあったスロットが特定されればそのビットを訂正するのが誤り訂正である。一般に一般回線202を用いた過程では盗聴されている可能性があるので、一般回線202でやり取りした情報量分の乱数データは破棄する。
本発明のような単一光子あるいは微弱光を用いた暗号鍵生成過程では盗聴があった場合、量子力学の原理に基づきエラーレートが増すことが知られているので、算出されたエラーレートから、盗聴が有った場合の盗聴された情報量を見積もれる。この情報量を基に秘匿性の増強と呼ばれる過程を施す。例えば、エラー訂正後のデータに対して予め送信者1と受信者2で決めておいた情報量を減らす論理演算を施し、盗聴されたと見積もられた情報量相当分を減らす。
以上の手続きにより送信者1と受信者2のみで共有した暗号鍵を得たことになる。
(実施例2)
実施例1では非対称マッハ・ツェンダ干渉計310、320に対して光ファイバやPLCの導波路を用い、温度制御により光路差の位相を一定にする方法を述べた。非対称マッハ・ツェンダ干渉計310及び320の光路差はクロック周期に相当する量に正確に一致していなければならず、実施例1の作り付けの方法は一般に困難さを伴う。そこで光遅延線を干渉計内に設けて光路長差を調整できるようにするのは合理的である。また、非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路長の位相差を一定にするのを温度制御のみで行なうのは非対称性が増すほど困難になる。そこで光路長の位相差の揺らぎに対して機械的に位置のフィードバック制御を行なうことも合理的である。
図10は光遅延線を干渉計内に設けて光路長差を調整できるようにするとともに、光路長の位相差の揺らぎに対してフィードバック制御を行なうことができるようにした非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の構成を示すブロック図である。送信機100からの信号光が50:50の分岐比のカプラ302を通って、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310および320に導入される点は実施例1と同じである。非対称マッハ・ツェンダ干渉計310及び320は同一の構成なので、310について具体的に述べる。
2つのカプラ3171,3172を用いて非対称マッハ・ツェンダ干渉計を構成する点は実施例1と同様である。非対称マッハ・ツェンダ干渉計310に導入された光信号は、最初のカプラ3171で二つの光路に分割される。片側の光路は、コリメータレンズ3111と3112を用いてそれらレンズ間を自由空間とした光路を含む。もう一方の光路は光ファイバで直結する。自由空間とした光路の片側のレンズ、例えば3112をステージ314に設置して位置を移動させれば非対称マッハ・ツェンダ干渉計の非対称性を任意に調整できる。光路長の位相差はピエゾ素子313を用いて制御する。実施例2ではピエゾ素子313に90度反射のミラーを取り付けた簡単な構成にしているが、コーナーミラーを用いて180度折り返す構成でも良い。自由空間部以外のファイバ部は複屈折性のほとんどない通常のファイバを用いるが、僅かに残った複屈折はλ/4板3121とλ/2板3122で補償する。
本発明のような量子力学の原理に基づいた暗号鍵生成通信システムでは盗聴を許さないことが目的なので信号光を信号検出以外の目的で利用することができない。そのため非対称マッハ・ツェンダ干渉計の位相差に関するモニタには光源306を用いる。参照光(光源306の光)の波長は信号光とは異なる波長を用いて区別する。信号光が1.55μm帯の場合、高密度波長多重の手法と同様に参照光に1.55μm帯を使うことも出来るし、あるいは波長1.3μmを使うこともできる。参照光はWDMカプラ3151を用いて信号光と分離される。WDMカプラ3151は、信号光の検出器331に参照光が混入しないように図6のWDMカプラ350と同様に多段にする。参照光は光検出器3161で電圧信号に変換され、その電圧値を一定に保つように帰還制御回路3162を通してピエゾ素子313に帰還される。
図10の帰還回路3162は比較的単純な構成例を示しており、帰還回路の基準となる基準電圧発生器3163と差動増幅器3164からなる。参照光強度はDC電圧としてモニタするため様々なオフセット成分が混入する可能性がある。それを避けるためにピエゾ素子313を微小量だけ一定周波数で駆動し、その周波数成分をモニタする方法もある。実施例2ではピエゾ素子313による帰還制御のみとしているが、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310を温度管理すれば帰還量が減りさらに安定度の高い干渉計にできる。
正確な信号検出のためには、光検出器331と332は等しい確率で信号検出する必要がある。そのため光検出器331と332は特性の揃ったものを用い、またWDMカプラ3151と同一構成のWDMカプラ3152を3151と対称の位置に入れる。非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路は構成が非対称であるために損失も非対称である。そのためカプラ3171の分岐比を僅かに50:50からずらして調整する。カプラ3172は50:50が好ましい。
(実施例3)
図11は、非対称性の調整を可能にしたまま非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の自由空間部を短くした非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の構成を示すブロック図である。図11では、図10に示す構成要素と同じものには、同じ参照符号を付した。長期間安定した動作をさせる見地からは出来るだけ自由空間の部分を減らすことが好ましい。図10と図11とを対比して明らかなように、図10では光路長の位相差を、90度反射のミラーを取り付けたピエゾ素子313を用いて制御するのに対して、図11ではコリメータレンズ3112の後段において光ファイバを巻きつけたリング型ピエゾ素子3132を用いて制御する。リング型ピエゾ素子3132は電圧の印加により円周が増減し、それに合わせてファイバ長が増減する。ピエゾ素子を位相の帰還制御に用いる点は実施例2と同様であって、異なる点は、実施例2で自由空間部にあったピエゾ素子313が実施例3ではコリメータレンズ3112の後段のファイバ部にある点である。自由空間部を低減できたことで長期安定性の面で有利になる。
(実施例4)
実施例2、3においては、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の光路長差の位相を安定化させるために参照用に新たな光源306を用いた。しかしながら実施例1においてはクロックの伝送のために信号光以外の光を利用している。すなわち、受信機300にクロックを送るために、送信機100には光源141が設置され、光源141の光はクロック発生器160の出力クロックのほぼ原型の形で変調されて受信機300に送られている。このクロック光を非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の位相を安定化させるための参照光として利用することができる。
図12は非対称マッハ・ツェンダ干渉計の参照光として送信機100から送られるクロック光を用いる通信システムの構成を示すブロック図である。図12において、図5の構成要素と同じものあるいは同じ機能を果たすものには同じ参照符号を付した。なお、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320については実施例2(図10)で説明した構成とし、参照用の光源306を取り除いたものとし、同じものあるいは同じ機能を果たすものには同じ参照符号を付した。
図5の構成においては、受信機300でクロック光が非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320に入る前のWDMカプラ350で信号光と分離されていた。図12の構成ではクロック光は非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320を透過した後のWDMカプラ3152を用いて分離される。WDMカプラの設置場所以外の構成は同じである。図10、図11においてはWDMカプラ3152で分離された参照光は利用していなかったが、図12の構成においては、図5におけるWDMカプラ350の役割をWDMカプラ3152に行なわせる。WDMカプラ3151から分離したクロック光を非対称マッハ・ツェンダ干渉計310の安定化のための参照光として利用するのは図10、図11と同様である。光検出器3161で電気信号に変換され、帰還制御回路3162を通してピエゾ素子313に帰還される。
図12では、送信機100から送られる実クロック光を非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の参照光に用いている。このクロック光は、クロック発生器160のクロック周波数で変調され、さらにトリガ発生器132の与えるトリガ信号を含んでいる点において、図10、図11で使用した光源306による参照光と異なり、ノイズを含んだものとも言える。しかしながら、これらの情報は互いに異なる周波数帯を用いているためにフィルタにより分離でき、参照光として支障にはならない。例えば、非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の参照に直流成分を利用するのであれば帰還制御回路3162にローパスフィルタを設置する。この場合、送信機100のトリガ発生器132の与えるトリガはDC近傍とクロック周波数以外を用いて構成すれば良い。また、非対称マッハ・ツェンダ干渉計のモニタにクロック周波数を利用することも可能である。この場合の帰還制御回路3162内の構成は、バンドパスフィルタによりクロック周波数成分を抜き出し、ダイオードにより整流する。これにより直流電圧に変換されるので、その後は直流成分を利用した場合と同様である。この場合、クロック光そのものの直流成分は非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320のモニタに利用していないので、トリガに直流成分を含んでいても良い。
図5の場合と異なり、実施例4ではクロック光の分離を非対称マッハ・ツェンダ干渉計通過後に行なっているので、非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路の位相差が揺らげばクロック光の強度も揺らぐ。しかしながら、非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路の位相差が一定になるように帰還制御されているので、クロック光の強度はほぼ一定に保たれる。
(実施例5)
上述の実施例では受信機300内に二つの非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320を備え、それぞれの非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320に対してピエゾ素子313や3132を用いて光路長差の位相が一定になるように帰還制御した。ピエゾ素子313や3132はこのような帰還制御の目的以外に位相変調器としても利用できる。非対称マッハ・ツェンダ干渉計310と320の違いは光路長差の位相差が0であるかπ/2であるかである。ピエゾ素子313をπ/2だけランダムに変調すれば非対称マッハ・ツェンダ干渉計1組だけで受信機300を構成することができる。ピエゾ素子は高速に変調することは出来ないが、この変調の役目は受信基底を変調することにあるので、必ずしも受信レート毎に変調する必要はなく、低速な変調でも目的を達成することが出来る。
図13は非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の位相差を0およびπ/2で変調することにより、一つの非対称マッハ・ツェンダ干渉計で受信機300を構成する実施例のブロック図である。図10、図12に示す受信機300の構成と比較して明らかなように、非対称マッハ・ツェンダ干渉計は310のみであり、信号光用の光検出器は331と332の2つのみ、フォトン検出結果記憶回路も3481と3482の2つのみである。ピエゾ素子313を振幅π/2で変調するために帰還制御回路3162内の電圧基準3163は2値の値を取る。この2値の値はランダムである必要があり、そのために乱数発生器3442を備える。乱数発生器3442を、乱数発生器344と同様にバンドパスフィルタ342を通過してきたクロックに同期させ、フィルタ343を通過してきたトリガを基準に動作させ、そこで発生した2値の乱数を位相差0およびπ/2に対応させて電圧基準3163に送る。さらに、データ収集回路347のデータボード3473に、位相差0およびπ/2のいずれが選択されているかを送る。
図14は、図9(B)に対応する、実施例5におけるデータボード3473に保存されるデータの一例を示す図である。ここで、例えば、基底選択0は位相差0の基準電圧が選択されていることを、基底選択1は位相差π/2の基準電圧が選択されていることをそれぞれ示す。したがって、図9(B)と対比して分かるように、基底選択とフォトン検出結果記憶回路3481、3482のフォトン検出結果とを組み合わせてれば、図9(B)と図14は同じ結果を与える。
図13の構成ではクロック抽出用のWDMカプラ3151は非対称マッハ・ツェンダ干渉計310の後方に設置されているのでクロック信号の強度が基準電圧3163の値により変化する。この強度変化は乱数発生器344、3442、データ収集回路347に対してタイミングの系統誤差を生じうるが、乱数発生器3442の出力に対応してタイミングの補正を行なえば解消できる。
(実施例6)
図5−図13においては非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の位相を信号光とは異なる波長の参照光を用いて観測した。そのため、信号光の光源となる連続光の光源102と参照光の光源となる連続光の光源142は、独立の光源を用いた。ところで、信号光や参照光(クロック光)に分布帰還(DFB)レーザーを用いた場合、これらは周囲の温度により発振波長が0.1nm/℃程度変化する。言い換えると、波長1.55μmに対して12.5GHz/℃になる。例えば、クロックレート100MHzのパルス列をパルス間で干渉させようとすると、発振波長の線幅は100MHzよりも1桁以上小さい10MHz以下にしなければならない。これを言い換えると、DFBレーザーの温度管理は1/1000℃以下の精度で行なわなければならないことになる。
このような精度で温度を制御することは、実際上困難であるが、この値は2つのDFBレーザー102と142とが独立に温度制御される場合の値である。
一方、2つのレーザーが同一のチップ上に形成され、あるいは、別々のチップではあっても同一の恒温ホルダに設置されて、2つのレーザーの相対的温度がゼロあるいは一定に保たれるようにすれば、たとえ絶対温度が、上記のような精度で十分に安定していなくても、参照光に対する非対称マッハ・ツェンダ干渉計の安定化で信号光に対しても安定して干渉計は動作する。図15は、このことに着目して2つのレーザーを同一の恒温ホルダに設置した送信機100の構成を示すブロック図である。光源101と141とは隣接して配置され、連続光の光源102と142とは、同一の恒温ホルダ104に収納される。その他の構成は、図5、図12、図13と同じである。
セキュリティの高い通信手段への需要は国家機密等の極めて高い安全性を要求するものから一般の個人情報まで色々なレベルに合わせて常に存在する課題である。この観点から本発明の暗号鍵生成通信システムは有用である。
(A)は本発明を具体的に実施するための原理を説明するブロック図、(B)は送受信機においてパルス内に光子が存在する確率分布を模式的に示した図である。 パルスの包絡線が送信器の位相変調器により遅延する様子を模式的に示した図である。 図1の位相変調器121の設置位置を変えた、本発明を具体的に実施するための送信機の他の例を説明するブロック図である。 (A)は本発明を具体的に実施するための原理を説明する他の構成のブロック図、(B)は送受信機においてパルス内に光子が存在する確率分布を模式的に示した図である。 本発明の実施の形態を示す通信システムのブロック構成図である。 WDMカプラ351−353を直列に並べた例を示すブロック図である。 非対称マッハ・ツェンダ干渉計を偏波無依存にするために、単一モードファイバだけで非対称マッハ・ツェンダ干渉計310の光路部を構成した例を示す図である。 非対称マッハ・ツェンダ干渉計を偏波無依存にするために、偏波保存ファイバを用いて非対称マッハ・ツェンダ干渉計310の光路部を構成した例を示す図である。 (A)はメモリ170の記憶内容とそこから得られる送信データの例の概要を示す図、(B)はデータボード3473に保存されるデータとそこから得られる受信データの一例を示す図である。 光遅延線を干渉計内に設けて光路長差を調整できるようにするとともに、光路長の位相差の揺らぎに対してフィードバック制御を行なうことができるようにした非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の構成を示すブロック図である。 図10で説明した実施例2における非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320において非対称性の調整を可能にしたまま自由空間を短くした非対称マッハ・ツェンダ干渉計310,320の構成を示すブロック図である。 非対称マッハ・ツェンダ干渉計の参照光として送信機100から送られるクロック光を用いる通信システムの構成を示すブロック図である。 非対称マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の位相差を0およびπ/2で変調することにより、一つの非対称マッハ・ツェンダ干渉計で受信機300を構成する実施例のブロック図である。 図9(B)に対応する、実施例5におけるデータボード3473に保存されるデータの一例を示す図である。 2つのレーザーを同一の恒温ホルダに設置した送信機100の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…送信者、2…受信者、100…送信機、101…光源、102…連続光の光源、103…強度変調器、104…恒温ホルダ、110…非対称マッハ・ツェンダ干渉計、121…位相変調器、122…光減衰器、130…コントローラ、131…パルス発生器、132…トリガ発生器、133…加算器、134…乱数発生器、135…4値パルス発生器、141…光源、142…連続光の光源、143…強度変調器、150…WDMカプラ、160…クロック発生器、201…伝送路、202…一般回線、300…受信機、301…ビームスプリッタ、302…カプラ、310…非対称マッハ・ツェンダ干渉計、311…偏波コントローラ、313…ピエゾ素子、314…ステージ、320…非対称マッハ・ツェンダ干渉計、331…光検出器、332…光検出器、333…光検出器、334…光検出器、340…コントローラ、341…光検出器、342…バンドパスフィルタ、343…フィルタ、344…乱数発生器、345…パルス発生器、346…遅延器、347…データ収集回路、350…WDMカプラ、351…WDMカプラ、352…WDMカプラ、353…WDMカプラ、3111…コリメータレンズ、3112…コリメータレンズ、3121…λ/4波長板、3122…λ/2波長板、3132…リング型ピエゾ素子、3151…WDMカプラ、3152…WDMカプラ、3161…光検出器、3162…帰還制御回路、3163…基準電圧、3164…差動増幅器、3171…カプラ、3172…カプラ、3442…乱数発生器、3481…フォトン検出結果記憶回路、3482…フォトン検出結果記憶回路、3483…フォトン検出結果記憶回路、3484…フォトン検出結果記憶回路、3471…カウンタ、3472…レジスタ、3473…データボード、3474…遅延器、3475…遅延器。

Claims (10)

  1. 送信者と、受信者と、前記両者間を結ぶ光ファイバ通信線とを備える通信システムに適用される通信方法において、
    前記送信者は乱数データを重畳して単一光子レベルで信号光を送出するとともに前記乱数データの送信の情報を保持し、
    前記受信者は乱数データを重畳して単一光子レベルで送られてくる信号光を、信号光のクロックよりも小さいレートでランダムに検出し、検出した乱数データのスロット位置を保持するとともに前記送信者に連絡し、
    送受信者間が共通の乱数データを保持し、これを基礎として暗号鍵を生成することを特徴とする通信方法。
  2. 前記送受信者間が保持する共通の乱数データに対してパリティチェックし、誤り率を推定し、誤り訂正を施し、さらに秘匿性の増強を行なう請求項1記載の通信方法。
  3. 送信者と、受信者と、前記両者間を結ぶ光ファイバ通信線とよりなる通信システムにおいて、
    前記送信者は乱数データを重畳して単一光子レベルで信号光を送出する送信機を備え、
    前記受信者は乱数データを重畳して単一光子レベルで送られてくる信号光を、信号光のクロックよりも小さいレートでランダムに検出し、検出した乱数データのスロット位置を保持する受信機を備え、
    前記受信者が検出した乱数データのスロット位置を前記送信者に連絡して送受信者間が共通の乱数データを保持し、これを基礎として暗号鍵を生成することを特徴とする通信システム。
  4. 前記送信機が送信する乱数データは2ビットの乱数であり、隣り合う2つのパルス間の位相差として位相変調するものであるとともに、前記2ビットの内1ビットは、位相差0及びπの基底に対応させるか、あるいは、π/2及び3π/2の基底に対応させるかの基底選択を表し、残りの1ビットは暗号鍵生成のための基データである請求項3記載の通信システム。
  5. 前記送信機は乱数データの送信とは異なる波長の光源を備え、クロック及び暗号鍵生成のトリガを前記受信機に送信する請求項3記載の通信システム。
  6. 隣り合う2つのパルス間の相対位相で乱数データを送信する前記送信機において、前記隣り合う2つのパルスは、前記送信機内で1つのパルス光が分割されたものである請求項4記載の通信システム。
  7. 送信者と、受信者と、前記両者間を結ぶ光ファイバ通信線とよりなる通信システムにおいて、
    前記送信者は乱数データを重畳して単一光子レベルで信号光を送出する送信機を備え、該送信機が送信する乱数データは2ビットの乱数であり、隣り合う2つのパルス間の位相差として位相変調するものであるとともに、前記2ビットの内1ビットは、位相差0及びπの基底に対応させるか、あるいは、π/2及び3π/2の基底に対応させるかの基底選択を表し、残りの1ビットは暗号鍵生成のための基になるデータであるとともに、前記送信者は送信する乱数データのスロット位置と位相変調との組み合わせのデータを保持するメモリを備え、
    前記受信者は乱数データを重畳して単一光子レベルで送られてくる信号光を、信号光のクロックよりも小さいレートでランダムに検出し、検出した乱数データのスロット位置を保持する受信機を備え、該受信機はひとつのビームスプリッタと2つの干渉計と4つの光検出器からなり、4つの光検出器は各干渉計の2つの出力位置に配置され、各々の干渉計の光路差は時間的に隣り合う光パルスの光路差になるように調整され、さらに光の波長オーダーで光路長を調整する機能を持ち合わせ、一方の干渉計は位相差が0に調整され、隣り合う光パルスの位相差が0であるかπであるかを判定し、もう一方の干渉計は位相差がπ/2に調整され、隣り合う光パルスの位相差がπ/2であるか3π/2であるかを判定し、0、π/2、π、3π/2の位相を用いて送信者から伝送されてくる乱数の重畳された信号光を検出するとともに、いずれかの光検出器に光信号が入力したときにどの光検出器であったかの情報を保持するデータボードを備え、
    送受信者間が保持する共通の乱数データを基礎として暗号鍵を生成することを特徴とする通信システム。
  8. 前記各干渉計の光路長差は、前記光検出器に印加される電圧パルスのゲート幅の逆数に光速を乗算した値以上である請求項7記載の通信システム。
  9. 前記送信機は乱数データの送信用とは異なる波長の光源を備え、
    前記受信機には、信号光とは異なる波長で送られてくる信号クロック伝送用の光を検出する受光器を備え、信号クロック及びトリガ信号をその受光した信号から得る請求項7記載の通信システム。
  10. 前記受信機は、クロック伝送のために送信機から伝送されてきたクロック光を、前記干渉計の後方において信号光と分離して受光し、その光強度を用いて前記干渉計に対して帰還制御をする請求項9記載の通信システム。
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